JP4353187B2 - 弾性表面波分波器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば無線通信装置のアンテナ部分に接続される分波器として用いられる弾性表面波分波器に関し、より詳細には、中心周波数が異なる第1,第2の弾性表面波フィルタチップが該弾性表面波フィルタチップに設けられたバンプによりパッケージ材に設けられた配線パターンに接合されている構造を備えた弾性表面波分波器に関する。
近年、携帯用電話機などの小型の無線通信装置において、より一層の小型化を図るために、弾性表面波フィルタを用いた分波器が種々開発されている。
この種の弾性表面波フィルタ分波器では、パッケージ内に、中心周波数が異なる第1,第2の弾性表面波フィルタが実装されているが、第1,第2の弾性表面波フィルタ間のアイソレーションがより完全であることが強く求められている。
上記アイソレーションを改善する構造の一例が下記の特許文献1に開示されている。すなわち、図12に示すように、特許文献1に記載の弾性表面波分波器201では、パッケージ材202内に、第1,第2の弾性表面波フィルタチップ203,204が実装されている。そして、第1の弾性表面波フィルタチップ203における信号入出力端子A1,A2とパッケージ材202の信号入出力端子C1,C2とを結ぶ信号線と、第2の弾性表面波フィルタチップ204側における信号入出力端子B1,B2とパッケージ材202の信号入出力端子D1,D2とを結ぶ信号線とが、互いに略直角をなして交わる2つの直線(X,Y)に位置するように信号入出力端子A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2が配置されている。ここでは、各信号入出力端子をこのように配置することにより、複数の信号線間における誘導結合が抑制され、アイソレーションが改善されている。
他方、下記の特許文献2には、図13に示す分波器パッケージが開示されている。ここでは、多層構造の分波器パッケージ211内に、第1,第2の弾性表面波フィルタチップ212,213が収納されている。そして、分波器パッケージ211内には、位相整合器を構成するためにストリップ線路214,215が埋設されている。ストリップ線路214,215の特性インピーダンス値を分波器パッケージに接続される外部回路の特性インピーダンス値よりも大きくすることにより、また、一方の弾性表面波フィルタチップに対して、パッケージに少なくとも2個以上の接地用端子を設けることにより、減衰量の改善が図られている。
下記の特許文献3に記載の弾性表面波分波器では、第1,第2の弾性表面波フィルタが構成された弾性表面波チップが、パッケージ内に収納されている。ここでは、第1,第2の弾性表面波フィルタが、ボンディングワイヤによりパッケージに構成された端子電極に電気的に接続されている。この弾性表面波分波器では、第1の弾性表面波フィルタにおいて、信号端子に接続されるボンディングワイヤと、接地端子と接続されるボンディングワイヤとが交差されており、それによってアイソレーション及び減衰量の改善が図られている。
特開平5−167389号公報 特開平8−18393号公報 特開2003−51731号公報
特許文献1に記載の構成では、第1,第2の弾性表面波フィルタチップの信号線同士を上記のように配置することにより、互いの誘導結合が抑えられているが、この構成では、相互誘導をある程度抑えることはできるものの、十分ではなかった。そのため、弾性表面波分波器201では、第1,第2の弾性表面波フィルタチップ間のアイソレーションはなお十分ではなかった。
また、第1,第2の弾性表面波フィルタチップの実装ずれが生じた場合、減衰量及びアイソレーション特性の劣化が大きくなるという問題もあった。
他方、特許文献2に記載の構成では、インダクタ成分が小さいフリップチップボンディング方式のパッケージ構造に適用した場合には、インダクタ成分が小さいため、減衰量を十分に改善することはできなかった。
また、特許文献3に記載の弾性表面波分波器は、ボンディングワイヤを交差させることにより、相互誘導による電流の打ち消しが果たされている。しかしながら、ボンディングワイヤを用いた構造であるため、弾性表面波分波器の小型化を図るのが困難であった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、バンプを用いてフリップチップボンディング方式で弾性表面波フィルタチップがパッケージ材に搭載されており、従って小型化を進めることができ、さらに第1,第2の弾性表面波フィルタチップ間のアイソレーションをより一層改善でき、良好な減衰特性を有し、また、弾性表面波フィルタチップの実装ずれによる特性の変化が小さい弾性表面波分波器を提供することにある。
本願発明は、中心周波数が相対的に低い第1の弾性表面波フィルタチップと、中心周波数が相対的に高い第2の弾性表面波フィルタチップとが、第1,第2の弾性表面波フィルタチップに設けられた複数のバンプを利用して、パッケージ材のチップ搭載面の配線パターンに接合されている弾性表面波分波器であって、複数のSAW共振子が構成されており、かつ下面に複数のバンプを有する第1の弾性表面波フィルタチップと、複数のSAW共振子が構成されており、かつ下面に複数のバンプを有する第2の弾性表面波フィルタチップと、前記第1,第2の弾性表面波フィルタチップが、前記複数のバンプを用いて接合されるパッケージ材とを備え、前記パッケージ材のチップ搭載面には、第2の弾性表面波フィルタチップの出力端に接続される信号配線パターンと、前記第2の弾性表面波フィルタチップにおける出力端に最も近いSAW共振子のグラウンド電位に接続されるグラウンド配線パターンとが形成されており、かつ前記信号配線パターン及びグラウンド配線パターンにそれぞれ接続されており、前記パッケージ材の少なくとも一部を貫通している信号ビアホール電極及びグラウンドビアホール電極が設けられており、前記パッケージ材には前記信号ビアホール電極と、グラウンドビアホール電極を含む、電位の相異なる複数のビアホール電極が構成されており、第2の弾性表面波フィルタチップの出力端に接続される前記信号ビアホール電極と、第2の弾性表面波フィルタチップにおける出力端に最も近いSAW共振子のグラウンド電位に接続される前記グラウンドビアホール電極との間の距離が、電位の相異なるビアホール電極間の距離のうち最小であることを特徴とする、弾性表面波分波器である。
本発明に係る弾性表面波装置では、上記第1,第2の弾性表面波フィルタチップは、それぞれ個別のチップとして構成されてもよいが、本発明においては、第1,第2の弾性表面波フィルタチップは統合されて1つのチップで構成されていてもよい。
本発明に係る弾性表面波分波器では、パッケージ材のチップ搭載面に、第2の弾性表面波フィルタチップの出力端に接続される信号配線パターンと、第2の弾性表面波フィルタチップにおける出力端に最も近いSAW共振子のグラウンド電位に接続されるグラウンド配線パターンとが形成されており、信号配線パターン及びグラウンド配線パターンに、パッケージ材の少なくとも一部を貫通している信号ビアホール電極及びグラウンドビアホール電極がそれぞれ接続されており、信号ビアホール電極と、グラウンドビアホール電極との間の距離が、パッケージ材に構成されておりかつ電位の相異なるビアホール電極間の距離のうち最小であるため、第1の発明と同様に、第1の弾性表面波フィルタチップを流れる電流による磁束が上記信号配線パターンとグラウンド配線パターンとが設けられている領域を通過することによる影響を抑制することができる。従って、第2の弾性表面波フィルタチップの通過帯域外におけるアイソレーションを改善することができ、第2の弾性表面波フィルタの周波数特性を大幅に改善することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の参考例としての弾性表面波分波器を説明するための模式的分解斜視図及び正面断面図である。また、図2は、本参考例の弾性表面波分波器の回路構成を示す図である。
図2に示すように、弾性表面波分波器1は、アンテナANTに接続されるアンテナ接続端子2を有する。アンテナ接続端子2に接続されるように、第1の弾性表面波フィルタチップとしての送信側弾性表面波フィルタチップ3と、第2の弾性表面波フィルタチップとしての受信側弾性表面波フィルタチップ4とが接続されている。なお、アンテナ接続端子2と、受信側弾性表面波フィルタチップ4との間には、位相整合素子5が接続されている。
各弾性表面波フィルタチップ3,4は、図示のように、複数のSAW共振子を梯子型回路を構成するように接続した構造を有する。より具体的には、弾性表面波フィルタチップ3,4は、それぞれ、直列腕共振子としてのSAW共振子S1〜S6,S7〜S10、及び並列腕共振子としてのSAW共振子P1〜P2,P3〜P5を有する。
図2において、弾性表面波フィルタチップ3,4のANT端子2とは反対側の信号端子が、それぞれ、送信側信号端子6及び受信側信号端子7である。
なお、本明細書においては、受信側弾性表面波フィルタチップ4の複数のSAW共振子のうち、受信側信号端子7に最も近く、かつ一端がグラウンド電位に接続されるSAW共振子P5のグラウンド電位に接続されるパッケージ材の電極構造が問題となる。すなわち、本発明において、第2のSAWフィルタチップの最も出力側に近いSAW共振子のグラウンド電位とは、図2のSAW共振子P5のグラウンド電位を示すものとする。
図1(b)に示すように、弾性表面波分波器1では、パッケージ材8の上方に凹部8aが形成されている。本発明では、パッケージ材のチップ搭載面8bに送信側弾性表面波フィルタチップ3及び受信側弾性表面波フィルタチップ4が搭載されるが、ここでパッケージ材8のチップ搭載面8bとは、凹部8aの底面である。なお、本発明においては、凹部8aを有しない平板状のパッケージ材を用いてもよい。
弾性表面波分波器1では、パッケージ材8の上記凹部8aを閉成するように蓋材9が取り付けられている。
弾性表面波分波器1では、送信側弾性表面波フィルタチップ3及び受信側弾性表面波フィルタチップ4は、略図的に示す複数のバンプ10,11を用いて、パッケージ材8のチップ搭載面8bに設けられた後述の各種配線パターンに電気的に接続され、かつ弾性表面波フィルタチップ3,4がパッケージ材8のチップ搭載面8bに接合されている。
なお、図2における位相整合素子5は、図1(b)に示すストリップ線路12,13により構成されている。ストリップ線路12,13はパッケージ材8に埋設されており、ビアホール電極14,15により受信側弾性表面波フィルタチップ4に電気的に接続されている。
ところで、この種の弾性表面波分波器1では、送信側弾性表面波フィルタチップ3と受信側弾性表面波フィルタチップ4とが近接配置されている。従って、送信側弾性表面波フィルタチップ3を流れる電流により生じた磁束が受信側弾性表面波フィルタチップ4側を通過する。より具体的には、受信側弾性表面波フィルタチップ4の主面及びパッケージ材8のチップ搭載面8bと直交する方向に通過する。従って、このような磁束により受信側弾性表面波フィルタチップ4の周波数特性が劣化し、かつ弾性表面波フィルタチップ3,4間のアイソレーションが劣化するという問題があった。
本参考例の弾性表面波分波器1では、このような磁束による特性の劣化を防止するために、パッケージ材8のチップ搭載面8bに形成されている配線パターンの形状が改良されている。これを図1(a)、図3及び図4を併せて参照することにより説明する。
図1(a)は、上記受信側弾性表面波フィルタチップ4をパッケージ材8のチップ搭載面8bに実装する部分を模式的に示す分解斜視図である。また、弾性表面波フィルタチップ4の下面には、図3に示す各種電極が設けられている。すなわち、弾性表面波チップ4の下面4a上には、図2に示したSAW共振子S7〜S10,P3〜P5が構成されている。各SAW共振子S7〜S10,P3〜P5は、1ポート型SAW共振子により構成されており、IDT(インターデジタル電極)の表面波伝搬方向両側にそれぞれ反射器が設けられた構造を有する。また、弾性表面波フィルタチップ4の下面4aには、電極パッド16a〜16gが形成されている。電極パッド16a〜16gには、図3では図示していないが、それぞれ金属バンプが設けられている。この金属バンプは、例えば図1(b)に略図的に示す金属バンプ10に相当し、弾性表面波フィルタチップ4の下面4aから下方に突出される。
他方、パッケージ材8のチップ搭載面8b上には、上記金属バンプに接合される部分に、複数の配線パターンが形成されている。すなわち、図1(a)及び図4に示すように、アンテナ側信号配線パターン22、アンテナ側グラウンド配線パターン21、段間グラウンド配線パターン23、受信側信号配線パターン24及び受信側グラウンド配線パターン25が形成されている。
本参考例の特徴は、受信側信号配線パターン24及び受信側グラウンド配線パターン25の構造にある。
受信側信号配線パターン24は、図2に示した受信側信号端子7、すなわち図3に示した電極パッド16d上の金属バンプに接合される部分である。他方、受信側グラウンド配線パターン25は、図2のSAW共振子P5のグラウンド電位、すなわち図3の電極パッド16e〜16gに設けられた各バンプに接合される部分である。
なお、図4に一点鎖線Bで示す部分には、図1(b)に示した送信側弾性表面波フィルタチップ3に接続される各種配線パターンが形成される。
弾性表面波分波器1では、パッケージ材8に、複数のビアホール電極V1〜V9が形成されている。ビアホール電極V1〜V9は、それぞれ、上端が配線パターン21〜25のいずれかに接続されている。ビアホール電極V1〜V9は、本参考例では、パッケージ材8の少なくとも一部を貫通するように、すなわちチップ搭載面8bに直交する方向に延ばされている。アンテナ信号配線パターン22に接続するV4は、前述したストリップ線路12,13に電気的に接続されている。その他のビアホール電極は、パッケージ材8の下面に至るように形成されている。そして、パッケージ材8の下面に形成された外部接続電極に電気的に接続されている。
ところで、受信側グラウンド配線パターン25には、複数のビアホール電極V7〜V9が電気的に接続されている。従って、弾性表面波分波器1は、グラウンドの強化がビアホール電極V7〜V9で図られるという利点も有する。
上述したように、弾性表面波分波器1では、送信側弾性表面波チップ3と、受信側弾性表面波フィルタチップ4とが近接配置されている。従って、動作時に、送信側弾性表面波フィルタチップ3及びパッケージ材8上の送信側弾性表面波フィルタチップ3と電気的に接続されている電極部分を流れる電気信号により、磁束が発生する。この磁束が、受信側弾性表面波フィルタチップ4並びにパッケージ材8のチップ搭載面8bにおける上記配線パターン21〜25が設けられている部分を、チップ搭載面8bと直交する方向に通過する。
弾性表面波分波器1では、磁束が、特に受信側信号配線パターン24及び受信側グラウンド配線パターン25が設けられている部分を通過することによりアイソレーションが悪化する。そこで、本参考例では、受信側信号配線パターン24が、図1(a)及び図4に示すように、略コの字状の形状を有するように折り曲げられ、それによって受信側信号配線パターン24が受信側グラウンド配線パターン25に近接する配線パターン部分を有するように構成されている。そのため、受信側信号配線パターン24と受信側グラウンド配線パターン25との間の部分においてチップ搭載面8bに垂直な方向に通過する磁束の影響を抑制することが可能とされている。
これを、従来例に相当する図5の配線パターンの平面形状と比較して説明することとする。図5は、比較のために用意したパッケージ材220の模式的平面図である。ここでは、パッケージ材8のチップ搭載面8bと同様にパッケージ材220のチップ搭載面に、アンテナ側信号配線パターン222、アンテナ側グラウンド配線パターン221、段間グラウンド配線パターン223、受信側信号配線パターン224及び受信側グラウンド配線パターン225が形成されている。もっとも、受信側信号配線パターン224は、配線パターン222,223と同様に、隣接する配線パターンから隔てられて配置されており、図5から明らかなように、受信側信号配線パターン224は略直線状の形状を有する。
これに対して、本参考例の弾性表面波分波器1では、受信側信号配線パターン24が略コの字状の形状を有するように折り曲げられ、受信側グラウンド配線パターン25に近接されている。
より具体的には、図4に示すように、本参考例では、受信側信号配線パターン24は、受信側グラウンド配線パターン25と対向している部分において、受信側グラウンド配線パターン25の端縁と平行に延びる直線状の第1の配線パターン部分24aと、第1の配線パターン部分24aの両側から、第1の配線パターン部分24aと略直交する方向にかつ受信側グラウンド配線パターン25と遠ざかる方向に折り曲げられた第2,第3の配線パターン部分24b,24cとを有する。なお、第2,第3の配線パターン部分24b,24cは、第1の配線パターン部分24aと直交する必要は必ずしもなく、90°以外の角度をなすように折り曲げられて構成されていてもよい。
パッケージ材8を用いた本参考例の弾性表面波分波器1及び図5に示したパッケージ材220を用いたことを除いては、同様に構成された比較例の弾性表面波分波器の受信側の弾性表面波フィルタチップの周波数特性を図6に示す。図6の実線が参考例における結果を、破線が上記比較例の結果を示す。
また、図7は、上記参考例及び比較例の弾性表面波分波器におけるアイソレーション特性を示す図であり、実線が参考例の結果を、破線が比較例の結果を示す。なお、弾性表面波分波器のTx通過帯域は、824〜849MHzであり、Rx通過帯域は、869〜894MHzである。
図6及び図7から明らかなように、比較例の弾性表面波分波器に比べて、本参考例の弾性表面波分波器では、アイソレーション特性が受信側弾性表面波フィルタの通過帯域外で良好とされており、従って受信側弾性表面波フィルタチップにおける周波数特性において帯域外減衰量が十分な大きさとされていることがわかる。これは、上記のように、受信側信号配線パターン24が、受信側グラウンド配線パターン25側に近接され、両者の間の部分を通過する前述した磁束の影響を抑制し得ることによると考えられる。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波分波器のパッケージ材の上面の配線パターンの構造を示す模式的平面図であり、参考例について示した図4に相当する図である。なお、その他の構造については、第1の実施形態の弾性表面波分波器は、参考例の弾性表面波分波器と同様であるため、参考例の説明を援用することとする。
第1の実施形態の弾性表面波分波器では、パッケージ材8のチップ搭載面8b上に、参考例の場合と同様に、アンテナ側信号配線パターン22、アンテナ側グラウンド配線パターン21、段間グラウンド配線パターン23、受信側グラウンド配線パターン25が配置されている。もっとも、参考例では、コの字状の受信側信号配線パターン24が形成されていたのに対し、第1の実施形態では、受信側信号配線パターン31は、コの字状の形状を有せず、直線状の形状を有する。
また、受信側信号配線パターン31に接続されているビアホール電極V6と、受信側グラウンド配線パターン25に接続されているビアホール電極V7〜V9のうちビアホール電極V6にもっとも近接しているビアホール電極V7との間の距離Rは、受信側弾性表面波フィルタチップ4に電気的に接続されるビアホール電極V1〜V9において、電位の相異なるビアホール電極間の距離のうち最小とされている。なお、他の電位の相異なる隣接する一対のビアホール電極間のうち、少なくとも一対のビアホール電極間の距離が、ビアホール電極V6とビアホール電極V7との間の距離と同等であってもよい。
本実施形態では、ビアホール電極V6とビアホール電極V7との距離が上記のように短くされているため、前述した磁束が受信側信号配線パターン31と、受信側グラウンド配線パターン25との間の部分を通過することが抑制される。これは、ビアホール電極V6及びV7が、パッケージ材8のチップ搭載面8bから少なくともパッケージ材8の一部を貫通するように、本実施形態ではパッケージ材8の下面8cに至るように形成されている。そのため、ビアホール電極V6,V7の距離を小さくすることにより、両者の間における上記磁束の影響を抑制し得ることによる。
このように、送信側弾性表面波フィルタチップ3及び送信側弾性表面波フィルタチップ3に接続されているパッケージ材8の電極を通る信号により生じた磁束の影響は、ビアホール電極V6とビアホール電極V7との間の距離Rを小さくすることによっても達成され得る。
ビアホール電極V6が、上記のようにビアホール電極V7に近づけられているため、言い換えれば、受信側信号配線パターン31は、ビアホール電極V6が設けられている部分において、受信側グラウンド配線パターン25に近接されている。すなわち、第1の実施形態の弾性表面波分波器においても、受信側信号配線パターン31は、受信側グラウンド配線パターン25に近接されている配線パターン部分をも有するものとなる。
なお、第1の実施形態では、ビアホール電極V6を、ビアホール電極V7と近づければよいため、信号配線パターン31の形状を複雑な形状とする必要はない。しかしながら、実際には、小型化を図った場合、ビアホール電極V6とビアホール電極V7のように、一対のビアホール電極を近接させて形成することは困難である。従って、弾性表面波分波器の小型化を図った場合には、参考例のように、受信側信号配線パターンの一部を受信側グラウンド配線パターン25に近づけ、ビアホール電極V6とビアホール電極V7との距離を第2の実施形態に比べて広げた構造とすることにより、ビアホール電極V6,V7の形成が容易となる。よって、ビアホール電極の形成精度を考慮すれば、第1の実施形態に比べて、参考例の構造の方が製造容易であるため有利である。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る弾性表面波分波器を説明するための模式的平面図である。図9は、パッケージ材8のチップ搭載面8b上の電極構造を示す模式的平面図である。
なお、第2の実施形態の弾性表面波分波器は、前述した第1の弾性表面波分波器の変形例に相当する。すなわち、図8に示したように、第1の実施形態では、受信側信号配線パターン31は略直線状の形状を有し、その外側端においてビアホール電極V6に接続されていた。第1の実施形態では、略直線状の信号配線パターン31が形成されていたが、図9に示すように、受信側信号配線パターン32として、L字状の信号配線パターンを形成してもよい。この場合においても、受信側信号配線パターン32の外側端においてビアホール電極V6に接続されており、ビアホール電極V6と、受信側グラウンド配線パターン25に接続されたビアホール電極V7とが第1の実施形態と同様に電位の相異なる一対のビアホール電極間のうち最小距離とされている。従って、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、受信側弾性表面波フィルタにおける減衰量の拡大及びアイソレーションの改善を図ることができる。
図10及び図11は、上記参考例のさらに他の変形例を説明するための図である。図10は、本変形例で用いられるパターン材の上面の配線パターンの形状を示す図であり、図11は、本変形例で用いられる弾性表面波フィルタチップ4の下面の電極形状を示す模式的底面図である。
参考例では、グラウンド配線パターン25は1つの電極により形成されていたが、図10に示すように、受信側グラウンド配線パターン25が、グラウンド配線パターン25aとグラウンド配線パターン25bに分割されていてもよい。すなわち、参考例及び第1の実施形態においても、受信側グラウンド配線パターンは、複数の配線パターンに分割されていてもよい。
上述してきた実施例及び変形例では、第1,第2の弾性表面波フィルタチップ3,4は別々のチップで構成されていたが、第1,第2の弾性表面波フィルタチップ3,4が統合されて単一のチップとして構成されていてもよい。
(a)及び(b)は、参考例に係る弾性表面波分波器を説明するための模式的分解斜視図及び正面断面図である。 参考例に係る弾性表面波分波器の回路構成を示す図である。 参考例に用いられる受信側弾性表面波フィルタチップの下面に形成されている電極構造を示す模式的底面図である。 参考例で用いられるパッケージ材の上面の複数の配線パターンを説明するための模式的平面図である。 比較のために用意した従来の弾性表面波分波器において、パッケージ材の上面に形成されている配線パターンを説明するための模式的平面図である。 参考例及び比較のために用意された比較例の弾性表面波分波器における、各受信側弾性表面波フィルタの周波数特性を示す図である。 参考例及び比較例の弾性表面波分波器におけるアイソレーション特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態の弾性表面波分波器のパッケージ材の上面に設けられた複数の配線パターンを説明するための模式的平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る弾性表面波分波器を説明するための図であり、用いられているパッケージ材の上面の配線パターンを説明するための模式的平面図である。 参考例の変形例に係る弾性表面波分波器で用いられるパッケージ材の上面の配線パターンを説明するための模式的平面図である。 図10に示したパッケージ材の上面に搭載される受信側弾性表面波フィルタチップの底面図である。 従来の弾性表面波分波器を説明するための模式的平面断面図である。 従来の弾性表面波分波器のさらに他の例を説明するための模式的正面断面図である。

Claims (2)

  1. 中心周波数が相対的に低い第1の弾性表面波フィルタチップと、中心周波数が相対的に高い第2の弾性表面波フィルタチップとが、第1,第2の弾性表面波フィルタチップに設けられた複数のバンプを利用して、パッケージ材のチップ搭載面の配線パターンに接合されている弾性表面波分波器であって、
    複数のSAW共振子が構成されており、かつ下面に複数のバンプを有する第1の弾性表面波フィルタチップと、
    複数のSAW共振子が構成されており、かつ下面に複数のバンプを有する第2の弾性表面波フィルタチップと、
    前記第1,第2の弾性表面波フィルタチップが、前記複数のバンプを用いて接合されるパッケージ材とを備え、
    前記パッケージ材のチップ搭載面には、第2の弾性表面波フィルタチップの出力端に接続される信号配線パターンと、前記第2の弾性表面波フィルタチップにおける出力端に最も近いSAW共振子のグラウンド電位に接続されるグラウンド配線パターンとが形成されており、かつ前記信号配線パターン及びグラウンド配線パターンにそれぞれ接続されており、前記パッケージ材の少なくとも一部を貫通している信号ビアホール電極及びグラウンドビアホール電極が設けられており、
    前記パッケージ材には前記信号ビアホール電極と、グラウンドビアホール電極を含む、電位の相異なる複数のビアホール電極が構成されており、
    第2の弾性表面波フィルタチップの出力端に接続される前記信号ビアホール電極と、第2の弾性表面波フィルタチップにおける出力端に最も近いSAW共振子のグラウンド電位に接続される前記グラウンドビアホール電極との間の距離が、電位の相異なるビアホール電極間の距離のうち最小であることを特徴とする、弾性表面波分波器。
  2. 前記第1,第2の弾性表面波フィルタチップが統合されて1つのチップで構成されている、請求項1に記載の弾性表面波装置。
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