JP4353062B2 - 車両用アウトサイドミラー装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車体に固定されるベースと、前記ベースに電動格納ユニットを介して傾倒可能に装備されているミラーアセンブリと、を備える車両用アウトサイドミラー装置であって、前記ミラーアセンブリには、後方視認用のメインミラーと下方視認用のサブミラーとがそれぞれ設けられている車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1、特許文献2にそれぞれ対応する。この車両用アウトサイドミラー装置は、車体(A)に固定されるミラーベース(10、11)と、前記ミラーベース(10、11)に電動格納ユニットとしての駆動ユニット(24、13)を介して傾倒可能に装備されているミラーハウジング(20、12)と、を備えるものであって、前記ミラーハウジング(20、12)には、後方視認用のミラー(23b、M)と下方視認用の直左ミラー(30、30)とがそれぞれ設けられているものである。
以下、前記の車両用アウトサイドミラー装置の作用について説明する。駆動ユニット(24、13)を駆動させると、ミラーハウジング(20、12)がミラーベース(10、11)に対して、使用位置から格納位置にまたは格納位置から使用位置に、傾倒する。また、ミラー(23b、M)により車両の後方を視認し、かつ、直左ミラー(30、30)により車両の下方を視認することができる。前記の車両用アウトサイドミラー装置は、直左ミラー(30、30)により下方を視認するものであるから、CCDカメラなどの撮像装置を使用して下方を視認する装置(システム)と比較して製造コストが非常に安価である。また、前記の車両用アウトサイドミラー装置は、直左ミラー(30、30)により下方を視認するものであるから、後方視認専用の車両用アウトサイドミラー装置と別個に車両の前方の角部に装備する下方視認用の補助用ミラー装置と比較して下記の事項において有利である。すなわち、補助用ミラー装置は、車両の前方の角部に装備するので、車両のデザインやイメージなどを損なう虞がある。また、車両のデザインやイメージなどを損なうのを防止するために小形化すると、見難くなり、下方の情報を正確に伝えることが難しくなる。さらに、後方視認専用の車両用アウトサイドミラー装置と別個に下方視認用の補助用ミラー装置を装備する必要があるので、その分、製造コストが高価となる。さらにまた、ヘッドランプが縦長の場合には、補助用のミラー装置を設けることができない。これに対して、前記の車両用アウトサイドミラー装置は、車両のデザインやイメージなどを損なうことがなく、また、下方の情報を正確に伝えることができ、さらに、製造コストを安価にすることができ、さらにまた、ヘッドランプが縦長の場合でも設けることができる。
ところが、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、ミラーベース(10、11)の下方に駆動ユニット(24、13)を介してミラーハウジング(20、12)を吊り下げ式で取り付けるものであるから、駆動ユニット(24、13)に既存の電動格納ユニットをそのまま使用することができない。すなわち、既存の電動格納ユニット3は、図4(B)に示すように、ベース101の上面に載置された状態で取り付けられており、一方、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置の駆動ユニット(24、13)は、ミラーベース(10、11)の下方に吊り下げられた状態で取り付けられている。このように、既存の電動格納ユニット3と前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置の駆動ユニット(24、13)とは、上下逆の状態で取り付けられているので、既存の電動格納ユニット3を上下逆の状態で取り付ける場合には、グリース漏れの対策、モータの保持のための対策、防水のための対策が新たに必要となる。この結果、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、駆動ユニット(24、13)に既存の電動格納ユニット3をそのまま使用することができないので、製造コストが高価となる。
特開2004−196206号公報 特開2004−196216号公報
この発明が解決しようとする問題点は、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置では、駆動ユニット(24、13)に既存の電動格納ユニット3をそのまま使用することができないので、製造コストが高価になると言う点にある。
この発明は、ベースが、車体に固定される固定部と、電動格納ユニットが取り付けられている取付部と、から構成されており、ミラーアセンブリが、一面が開口しかつその他の面が閉塞し、また、閉塞部の側面のほぼ中央に取付部が挿通する挿通孔が設けられているミラーハウジングと、このミラーハウジングの開口部に設けられているメインミラーと、ミラーハウジングの閉塞部の挿通孔よりも下方の位置に設けられているサブミラーと、から構成されており、電動格納ユニットが、取付部の上面に取り付けられており、前記ミラーアセンブリが前記ベースの取付部に前記電動格納ユニットを介して中吊り式(中差し式)で取り付けられている、ことを特徴とする。
この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーアセンブリがベースの取付部に電動格納ユニットを介して中吊り式で取り付けられているものであるから、電動格納ユニットに既存の電動格納ユニットをそのまま使用することができる。すなわち、この発明の車両用アウトサイドミラー装置に使用される電動格納ユニット3は、図4(A)に示すように、ミラーアセンブリ4を中吊り式で取り付けるところのベース2の取付部21、この取付部21の上面に載置された状態で取り付けることができる。この電動格納ユニット3の取付状態は、ベース101の上面に載置された状態で取り付けられている既存の電動格納ユニット3(図4(B)を参照)と同様の取付状態である。このように、この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、従来のように既存の電動格納ユニット3を上下逆にして取り付ける必要がなく、既存の電動格納ユニット3を上下そのままにして取り付けることができる。この結果、この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、電動格納ユニット3に既存の電動格納ユニット3をそのまま使用することができるので、製造コストが安価となる。
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例の4例を図面に基づいて詳細に説明する。この例は、たとえば、自動車(車両)Cのドアに装備されるドアミラーについて説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図面において、符号「F」は、自動車Cの前(自動車Cの前進方向)を示す。符号「B」は、自動車Cの後を示す。符号「U」は、ドライバー側から前Fを見た場合の上を示す。符号「D」は、ドライバー側から前Fを見た場合の下を示す。符号「L」は、ドライバー側から前Fを見た場合の左を示す。符号「R」は、ドライバー側から前Fを見た場合の右を示す。また、この明細書および特許請求の範囲に記載中の「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図面に記載中の符号「F」、「B」、「U」、「D」、「L」、「R」と同じ意味である。
図1〜図5は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図において、符号1Lは、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置である。この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置1L(以下、単に左側ドアミラー1Lと称する)は、図2および図3に示しように、ドライバー席(図3に示すドライバーのアイポイントIP側の席)が自動車Cの右R側の場合の例であって、自動車Cの左L側のドアに装備される左側ドアミラーである。ここで、ドライバー席が自動車Cの左L側の場合には、自動車Cの右R側のドアに装備される右側ドアミラーとなる。なお、図3に示すように、自動車Cの右R側のドアには、通常のドアミラー(右側ドアミラー)1Rが装備されている。
前記左側ドアミラー1Lは、車体すなわちドアに固定されるベース2と、前記ベース2に電動格納ユニット3を介して傾倒可能に装備されているミラーアセンブリ4と、を備えるものである。
前記ベース2は、前記ドアに固定される固定部20と、前記電動格納ユニット3が取り付けられている取付部21と、から構成されている。前記固定部20は、ほぼ垂直をなし、一方、前記取付部21は、ほぼ水平をなし、前記固定部20のほぼ中央から前記取付部21が一体に突設されている。前記取付部21の後B側の側面のほぼ中央には、カバー部22が後B側に一体に突設されている。前記カバー部22は、前記ミラーアセンブリ4が図5(A)に示す使用位置に位置する場合において、後記挿通孔45を覆うためのものである。なお、この例では、前記カバー部22を前記取付部21の後B側に設けるものであるが、この発明においては、カバー部を取付部の前側に設けても良いし、また、カバー部を取付部の前後両側に設けても良いし、さらに、カバー部を取付部に設けなくても良い。
前記ミラーアセンブリ4は、たとえば樹脂製のミラーハウジング40と、後方視認用のメインミラー41と下方視認用のサブミラー42とから構成されている。前記ミラーハウジング40は、一面(後B側の面)43が開口し、かつ、その他の面44が閉塞した中空形状をなすものである。前記ミラーハウジング40閉塞部44のドライバー側の側面、すなわち、右R側の側面のほぼ中央には、前記取付部21が挿通する挿通孔45が設けられている。
前記挿通孔45は、前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して図5に示すように傾倒する際に、前記ミラーハウジング40と前記取付部21および前記カバー部22とが前記ミラーアセンブリ4の傾倒を妨げることを、防止するためのものである。前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して傾倒する状況としては、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す格納位置に前記電動格納ユニット3により電動格納する状況、逆に、図5(B)に示す格納位置から図5(A)に示す使用位置に前記電動格納ユニット3により電動復帰する状況、また、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置に手動もしくは当たり荷重により傾倒する状況、逆に、図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置から図5(A)に示す使用位置に手動により戻る状況などがある。
前記メインミラー41は、前記ミラーハウジング40の前記開口部43に設けられている。前記メインミラー41は、パワーユニット(図示せず)を介して取り付けられており、かつ、前記メインミラー41の反射面は、前記開口部43に臨まれている。前記メインミラー41の反射面は、自動車Cの左側の後方を視認するためのものであって、前記パワーユニットの遠隔操作により、ほぼ水平軸(図示せず)回りに上下U−D方向に、また、ほぼ垂直軸(図示せず)回りに左右L−R方向に、それぞれ傾倒可能である。この結果、前記メインミラー41の反射面で視認する後方の範囲をドライバーにあわせて調整することができる。
前記サブミラー42は、図1に示すように、前記ミラーハウジング40の前記閉塞部44の前記挿通孔45よりも下方の位置に設けられている。すなわち、前記ベース2の取付部21の位置を前記ミラーハウジング40の閉塞部44の側面のほぼ中央に位置させることにより、前記ミラーハウジング40の閉塞部44の側面の下D側部分には、前記サブミラー42を設けるためのスペースが得られる。しかも、前記ミラーハウジング40の閉塞部44の側面の下側部分は、前記サブミラー42で自動車Cの下方を視認するのには最適な部分である。
前記サブミラー42は、たとえば樹脂製から構成されている。また、前記サブミラー42は、図4(A)に示すように、前記ミラーハウジング40と別個に構成されている。さらに、前記サブミラー42は、前記ミラーハウジング40に着脱可能に取り付けられている。そして、前記サブミラー42の反射面は、図2および図3に示すように、自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図2および図3中の斜線が施された部分の範囲)を視認するためのものである。
前記電動格納ユニット3は、図4(A)に示すように、固定側部分30と、回動側部分31と、前記固定側部分30にほぼ垂直に固定されているシャフト(図示せず)と、前記回動側部分31に内蔵されているモータ(図示せず)と、前記シャフトと前記モータとの間に設けられた減速機構(図示せず)およびクラッチ機構(図示せず)とか構成されている。前記固定側部分30は、前記取付部21の上面に取り付けられており、一方、前記回動側部分31は、前記ミラーハウジング40に取り付けられている。この結果、前記ミラーアセンブリ4は、前記ベース2の取付部21に前記電動格納ユニット3を介して中吊り式で傾倒可能に取り付けられている。そして、前記モータを駆動させると、前記モータの回転力が前記減速機構を介して前記クラッチ機構に伝達されて、前記回動側部分31が前記固定側部分30に対して前記シャフトのほぼ垂直な回転中心線O−O回りに左右に回動する。これに伴なって、前記ミラーハウジング40を介して前記ミラーアセンブリ4は、図5に示すように、前記取付部21、すなわち、前記ベース2に対して傾倒する。
前記左側ドアミラー1Lに使用される前記電動格納ユニット3は、図4(B)に示す既存の電動格納ユニット3をそのまま使用することができる。すなわち、前記左側ドアミラー1Lに使用される前記電動格納ユニット3は、図4(A)に示すように、前記ミラーアセンブリ4を中吊り式で取り付けるところの前記ベース2の取付部21、この取付部21の上面に載置された状態で取り付けることができる。この電動格納ユニット3の取付状態は、ベース101の上面に載置された状態で取り付けられている既存の電動格納ユニット3(図4(B)を参照)と同様の取付状態である。このように、前記左側ドアミラー1Lは、従来のように既存の電動格納ユニット3を上下逆にして取り付ける必要がなく、既存の電動格納ユニット3を上下そのままにして取り付けることができる。
以下、既存の電動格納ユニット3について、図4(B)を参照して説明する。すなわち、既存の電動格納ユニット3は、図4(B)に示すように、固定側部分30と、回動側部分31と、前記固定側部分30にほぼ垂直に固定されているシャフト(図示せず)と、前記回動側部分31に内蔵されているモータ(図示せず)と、前記シャフトと前記モータとの間に設けられた減速機構(図示せず)およびクラッチ機構(図示せず)とか構成されている。前記固定側部分30は、ドアミラー100のベース101の上面に取り付けられており、一方、前記回動側部分31は、ドアミラー100のミラーハウジング102に取り付けられている。この結果、ドアミラー100のミラーアセンブリ103は、ベース101に電動格納ユニット3を介して載置状態で傾倒可能に取り付けられている。そして、モータを駆動させると、モータの回転力が減速機構を介してクラッチ機構に伝達されて、回動側部分31が固定側部分30に対してシャフトのほぼ垂直な回転中心線O−O回りに左右に回動する。これに伴なって、ミラーハウジング102を介してミラーアセンブリ103は、ベース101に対して傾倒する。
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)の作用について説明する。
まず、メインミラー41の反射面で自動車Cの左側の後方を視認することができる。また、サブミラー42の反射面で自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図2および図3中の斜線が施された部分の範囲)を視認することができる。これにより、自動車Cの周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。
また、電動格納ユニット3を駆動させると、ミラーアセンブリ4がベース2に対して、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す格納位置に電動格納され、また逆に、図5(B)に示す格納位置から図5(A)に示す使用位置に電動復帰する。また、手動により、ミラーアセンブリ4がベース2に対して、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置に傾倒し、また逆に、図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置から図5(A)に示す使用位置に戻される。さらに、図5(A)に示す使用位置に位置するミラーアセンブリ4に何かが当たって荷重がかかると、緩衝のために、ミラーアセンブリ4がベース2に対して、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置に傾倒する。この緩衝のために傾倒したミラーアセンブリ4を、電動格納ユニット3の駆動もしくは手動により、図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置にから図5(A)に示す使用位置に電動復帰もしくは手動復帰させることができる。
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)は、以上のごとき構成作用からなり、以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)の効果について説明する。
左側ドアミラー1Lは、ミラーアセンブリ4がベース2の取付部21に電動格納ユニット3を介して中吊り式で取り付けられているものであるから、電動格納ユニット3に既存の電動格納ユニット3をそのまま使用することができる。すなわち、左側ドアミラー1Lに使用される電動格納ユニット3は、図4(A)に示すように、ミラーアセンブリ4を中吊り式で取り付けるところのベース2の取付部21、この取付部21の上面に載置された状態で取り付けることができる。この電動格納ユニット3の取付状態は、ベース101の上面に載置された状態で取り付けられている既存の電動格納ユニット3(図4(B)を参照)と同様の取付状態である。このように、左側ドアミラー1Lは、従来のように既存の電動格納ユニット3を上下逆にして取り付ける必要がなく、既存の電動格納ユニット3を上下そのままにして取り付けることができる。この結果、左側ドアミラー1Lは、電動格納ユニット3に既存の電動格納ユニット3をそのまま使用することができるので、製造コストが安価となる。
特に、左側ドアミラー1Lは、サブミラー42が樹脂製から構成されているので、サブミラー42をミラーハウジング40の造形やデザインに沿って成形することができ、見栄えが向上し、かつ、風切り音の防止対策となる。また、図4(A)に示すように、樹脂製のサブミラー42、もしくは、樹脂製のサブミラー42およびそのサブミラー42の周辺の樹脂製のミラーハウジング40をカバー形状とすることにより、取付部21と電動格納ユニット3との取付箇所やボルト32を覆い隠すことができ、見栄えが向上される。さらに、樹脂製のサブミラー42により、左側ドアミラー1Lの軽量化を図ることができ、かつ、小石などが飛散して当たってもピッチング(ピッティング)を防止できる。しかも、サブミラー42をミラーハウジング40に対して着脱式とすることにより、サブミラー42が万一損傷しても新しいサブミラー42に取り替えることができる。
また、左側ドアミラー1Lは、サブミラー42がミラーハウジング40の閉塞部44の挿通孔45、すなわち、ベース2の取付部21よりも下方の位置に設けられているので、この取付部21が傘の作用をしてサブミラー42に雨が付着し難くなり、雨天時の視認性を確保することができ、交通安全に貢献することができる。しかも、サイドミラー42は、取付部21により、対向車や先行車のドライバーもしくは歩行者の視線が遮られ、かつ、対向車や先行車のドライバーもしくは歩行者からは見え難い位置に配置されているので、対向車や先行車のドライバーもしくは歩行者にグレアを与えることが無く、交通安全に貢献することができる。
図6〜図8は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す。以下、この実施例2における車両用アウトサイドミラー装置(以下、単に左側ドアミラー1Lと称する)について説明する。図中、図1〜図5と同符号は、同一のものを示す。
左側ドアミラー1Lは、サブミラー421、422を複数個、この例では、2個に分割するものである。すなわち、左側ドアミラー1Lは、前F側の第1サブミラー421と、後B側の第2サブミラー422とを備えるものである。
左側ドアミラー1Lは、複数個、この例では、2個に分割された前F側の第1サブミラー421の反射面と後B側の第2サブミラー422の反射面とにより、自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図7および図8中の斜線が施された部分の範囲)を視認することができる。これにより、自動車Cの周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。
左側ドアミラー1Lは、サブミラー421、422を複数個、この例では、2個に分割するものであるから、ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部にサブミラー421、422を設けるのにも拘わらず、このサブミラー421、422を平面に近い形状に形成することができる。すなわち、サブミラー421、422の曲率を小さくすることができ、または、サブミラー421、422の曲率半径を大きくすることができる。この結果、左側ドアミラー1Lは、平面に近い形状のサブミラー421、422の反射面により、反射像が歪んで見えることが無く、正確な情報を確保することができ、交通安全に貢献することができる。
図9および図10は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例3を示す。以下、この実施例3における車両用アウトサイドミラー装置(以下、単に左側ドアミラー1Lと称する)について説明する。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。
左側ドアミラー1Lは、ミラーハウジング40にサブミラー42の下方視認範囲を照明する照明手段5を設けるものである。前記照明手段5は、図9および図10に示すように、ユニット構造をなし、灯室50を区画するランプハウジング51およびランプレンズ52と、前記灯室50内に配置された光源としてのLED53とから構成されている。前記照明手段5は、前記ミラーハウジング40の下D側に前記サブミラー42に隣接して取り付けられている。前記ミラーハウジング40の下D側の部分は、前記サブミラー42が設けられている右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分とともに、ベース2の取付部21および電動格納ユニット3を覆うカバー形状をなすものであって、中空形状をなす。このために、前記ミラーハウジング40の下D側の部分に前記照明手段5を設けることができる。
左側ドアミラー1Lは、照明手段5のLED53を点灯させると、LED53が発光し、このLED53からの光がランプレンズ52を透過して外部、すなわち、サブミラー42の下方視認範囲(図2および図3、または、図7および図8中の斜線が施された部分の範囲)とほぼ同等の範囲、もしくは、サブミラー42の下方視認範囲よりも一回り広い範囲を照明する。
左側ドアミラー1Lは、照明手段5により、サブミラー42の下方視認範囲とほぼ同等の範囲、もしくは、サブミラー42の下方視認範囲よりも一回り広い範囲を照明することができるので、夜間の視認性が確実に確保され、交通安全に貢献することができる。
前記照明手段5としては、単独のランプでも良いが、フットランプを兼用しても良い。また、前記照明手段5に使用される光は、淡白色光とし、かつ、300cd以下の光度とする。これにより、前記照明手段5を走行時にも点灯することができる。前記照明手段5の点灯消灯を手動によりまたはおよび自動により行う。自動点灯としては、たとえば、イグニッションキーの差し込みと連動させて、イグニッションキーを差し込むと前記照明手段5の光源としてのLED53が点灯するように構成する。これにより、自動車Cを運転する前に、自動車Cの周囲の安全を確認することができる。または、ウインカーやステアリングハンドルの左折操作と連動させて、ウインカーやステアリングハンドルを左折操作すると、前記照明手段5の光源としてのLED53が点灯するように構成する。これにより、自動車Cの左折時の巻き込みを防止することができる。なお、ドライバー席が自動車Cの左L側の場合には、前記ウインカーやステアリングハンドルの操作を右折操作とする。
図11は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例4を示す。以下、この実施例4における車両用アウトサイドミラー装置(以下、単に左側ドアミラー1Lと称する)について説明する。図中、図1〜図10と同符号は、同一のものを示す。
左側ドアミラー1Lは、サブミラー42を、ミラー面角度調整機構6を介してミラーハウジング40にミラー面角度調整可能に装備するものである。前記ミラー面角度調整機構6は、図11に示すように、支持部材60と、前記支持部材60に前記サブミラー42をミラー面角度調整可能に支持するピボット部材61と、前記支持部材60と前記サブミラー42との間に設けられた蛇腹62とから構成されている。前記ミラー面角度調整機構6および前記サブミラー42は、前記ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分に取り付けられている。前記ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分は、ベース2の取付部21および電動格納ユニット3を覆うカバー形状をなすものであって、中空形状をなす。このために、前記ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分に前記ミラー面角度調整機構6を設けることができる。
左側ドアミラー1Lは、サブミラー42の反射面の角度を、ミラー面角度調整機構6により、ドライバーのアイポイントIPに合わせて調整することができる。これにより、左側ドアミラー1Lは、身長の高低差があるいかなるドライバーでも、サブミラー42を介して自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図2および図3または図7および図8中の斜線が施された部分の範囲)を視認することができる。この結果、自動車Cの周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。
また、左側ドアミラー1Lは、前記支持部材60と前記サブミラー42との間に蛇腹62を設けたので、この蛇腹62により、前記支持部材60と前記サブミラー42との間の隙間を無くすことができる。この結果、風切り音を防止でき、また、水がミラー面角度調整機構6内に侵入するのを防止することができる。なお、前記蛇腹62を設けなくても良い。
以下、前記の実施例1〜4以外の例について説明する。前記の実施例1〜4においては、ドアミラーについて説明したが、この発明においては、その他の車両用アウトサイドミラー装置、たとえば、フェンダミラーやトラックミラーなどにも適用することができる。
また、前記の実施例1〜4においては、サブミラー42、421、422をミラーハウジング40と別個に構成するものである。ところが、この発明においては、サブミラーとミラーハウジングとを一体に構成しても良い。この場合、ミラーハウジングの外面にアルミ蒸着や銀塗装などの反射面処理を施し、そのミラーハウジングのうちサブミラーに対応する部分をマスクし、その他の部分の反射面処理が施されている外面に不透明な塗装などの化粧面処理を施すことにより、ミラーハウジングと一体のサブミラーを構成することができる。または、ミラーハウジングの外面に不透明な塗装などの化粧面処理を施し、そのミラーハウジングのうちサブミラーに対応する部分以外の部分をマスクし、その部分の化粧面処理が施されている外面にアルミ蒸着や銀塗装などの反射面処理を施すことにより、ミラーハウジングと一体のサブミラーを構成することができる。ミラーハウジングとサブミラーとを一体に構成することにより、構成部品数を低減でき、かつ、構成部品の管理が簡略化され、その分、製造コストを安価にすることができる。また、前記の実施例1〜4においては、サブミラー42、421、422を樹脂製としたが、ガラス製でも良い。
なお、前記の実施例2においては、サブミラー421、422を2個に分割するものであるが、この発明においては、サブミラーを3個以上に分割しても良い。
また、前記の実施例3においては、照明手段5がユニット構造をなすものであるが、この発明においては、照明手段をミラーハウジングに直接設けたものであっても良い。たとえば、光源とランプレンズとをミラーハウジングに取り付けたものであっても良い。また、前記の実施例3においては、照明手段5とサブミラー42とがそれぞれ別個に設けられているものであるが、この発明においては、照明手段とサブミラーとを一体のユニット構造としても良い。
さらに、前記の実施例4においては、ミラー面角度調整機構6が手動によりサブミラー42のミラー面の角度を調整するものであるが、この発明においては、モータや進退ロッドなどを使用して自動もしくは遠隔操作によりサブミラーの反射面の角度を調整することができるように構成しても良い。また、前記の実施例4においては、ミラー面角度調整機構6がユニット構造をなすものであるが、この発明においては、ミラー面角度調整機構をミラーハウジングに直接設けたものであっても良い。たとえば、ミラーハウジングにサブミラーをピボット部材を介してミラー面角度調整可能に支持し、ミラーハウジングとサブミラーとの間に蛇腹を設けたものであっても良い。
この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す斜視図である。 同じく、自動車に装備された状態を示す側面図である。 同じく、自動車に装備された状態を示す平面図である。 同じく、既存の電動格納ユニットをそのまま使用している状態を示す説明図である。 同じく、ミラーアセンブリがベースに対して傾倒する状態を示す説明図である。 この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す斜視図である。 同じく、自動車に装備された状態を示す側面図である。 同じく、自動車に装備された状態を示す平面図である。 この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例3を示す斜視図である。 同じく、照明手段を示す一部を破断した正面図である。 この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例3を示す一部を破断した正面図である。
符号の説明
1L 左側ドアミラー(車両用アウトサイドミラー装置)
1R 右側ドアミラー
2 ベース
20 固定部
21 取付部
22 カバー部
3 電動格納ユニット
30 固定側部分
31 回動側部分
32 ボルト
4 ミラーアセンブリ
40 ミラーハウジング
41 メインミラー
42 サブミラー
421 第1サブミラー
422 第2サブミラー
43 開口部
44 閉塞部
45 挿通孔
5 照明手段
50 灯室
51 ランプハウジング
52 ランプレンズ
53 LED(光源)
6 ミラー面角度調整機構
60 支持部材
61 ピボット部材
62 蛇腹
100 ドアミラー
101 ベース
102 ミラーハウジング
103 ミラーアセンブリ
C 自動車(車両)
IP アイポイント
F 前
B 後
U 上
D 下
L 左
R 右
O−O 回転中心

Claims (4)

  1. 車体に固定されるベースと、前記ベースに電動格納ユニットを介して傾倒可能に装備されているミラーアセンブリと、を備える車両用アウトサイドミラー装置であって、前記ミラーアセンブリには、後方視認用のメインミラーと下方視認用のサブミラーとがそれぞれ設けられている車両用アウトサイドミラー装置において、
    前記ベースは、前記車体に固定される固定部と、前記電動格納ユニットが取り付けられている取付部と、から構成されており、
    前記ミラーアセンブリは、一面が開口しかつその他の面が閉塞し、また、前記閉塞部の側面のほぼ中央に前記取付部が挿通する挿通孔が設けられているミラーハウジングと、前記ミラーハウジングの前記開口部に設けられている前記メインミラーと、前記ミラーハウジングの前記閉塞部の前記挿通孔よりも下方の位置に設けられている前記サブミラーと、から構成されており、
    前記電動格納ユニットは、前記取付部の上面に取り付けられている、
    ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
  2. 前記サブミラーは、複数個に分割されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
  3. 前記ミラーハウジングには、前記サブミラーの下方視認範囲を照明する照明手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
  4. 前記サブミラーは、ミラー面角度調整機構を介して前記ミラーハウジングにミラー面角度調整可能に装備されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用アウトサイドミラー装置。
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