JP4352786B2 - ろ過式除塵装置 - Google Patents

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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は処理ガスを除塵フィルタにてろ過することにより該処理ガス中の粉塵を除去するろ過式除塵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス化炉や焼却炉等から排出されるガス中には、煤塵等の粉塵が含まれており、大気中へ上記排出ガスを放出する前にガス中に含まれる粉塵を除去する必要がある。この種のガス中に含まれる粉塵を除去する手法としては、一般に、除塵フィルタを用いたろ過式、サイクロン式、帯電捕集式等が知られている。
【0003】
このうち上記ろ過式の除塵装置は、所謂バグフィルタとして広く使用されているもので、選定した除塵フィルタの開口(目)よりも大きい粉塵を確実に捕集できるため、最終段の粉塵捕集に使用されているものである。図3はその一例として複数の除塵フィルタのうちの1つの除塵フィルタを容器内に設置したものとして示すもので、上下方向に延びるよう据え付けられた容器1内の上部位置に、濾布取付孔3を開口させたセルプレート2を気密に取り付け、該セルプレート2の濾布取付孔3に、筒形状としてある袋状の除塵フィルタ(濾布)4の上端の開口部を連通するよう取り付け、且つ該除塵フィルタ4の内側には上方より図示しないリテーナを挿入配置して除塵フィルタ4の筒形状を保持させるようにしてある。更に、上記容器1の下側部にガス入口5を設けると共に、上記セルプレート2よりも上方となる容器1の一側壁にガス出口6を設けた構成としてある。このように構成されたろ過式除塵装置の場合は、処理ガスの除塵処理を行わせるに際して、ガス出口6の下流側に接続してある図示しない誘引通風機にて誘引通風を行わせるようにして、セルプレート2の上方空間に連なる除塵フィルタ4の内側の気圧を負圧にすることにより、外側の気圧と差圧を生じさせるようにしている。この状態でガス入口5より容器1内に処理ガス7を流入させた後、除塵フィルタ4を外側から内側へ通過させることによって、該処理ガス7中に含まれている粉塵8を除塵フィルタ4の外側面に付着させて取り除き、粉塵捕集後のガスを清浄ガス7aとしてガス出口6より排出させるようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上記ろ過式除塵装置にて、湿度の高い処理ガス7の処理を行おうとする場合、運転開始直後は上記ろ過式除塵装置は全体的に温まっておらず、ある一定の温度になるまで時間がかかる。そのため、この間、除塵フィルタ4の温度が露点以下のときには、上記湿度の高い処理ガス7が除塵フィルタ4を通過するときに結露を生じる虞がある。このような結露が生じると、図4に示す如く、結露水10と、処理ガス中の粉塵8が混合されて、除塵フィルタ4の表面でペースト状の粉塵層9が生じる。このペースト状の粉塵層9では、除塵フィルタ4の表面部に捕集された粉塵粒子8aの間に結露水10が存在しており、このように粉塵粒子8aの間が結露した水10で満たされていると、処理ガス7を上記ペースト状の粉塵層9を通過させて除塵フィルタ4へ送るためには、処理ガス7に、上記粉塵粒子8a間の水10を押し分けることができるようにするための圧力を付与する必要が生じることから、初期圧損が非常に大きく、給排気動力が過大になるという問題が生じる虞がある。又、上記ペースト状の粉塵層9は粘着力が強くなっており、逆洗装置(図示せず)で除塵フィルタ4の表面から剥すことが困難になるという問題も懸念される。したがって、上記除塵フィルタ4への結露を防止して、ペースト状の粉塵層9の発生を防止できるようにすることが望まれていた。
【0005】
このようなろ過式除塵装置における結露を防止するための手段の1つとしては、排ガス中の粉塵を集塵除去する集塵機と、排ガス中の有害揮発成分や悪臭成分を燃焼除去する燃焼酸化装置とを連結した排ガスの処理装置において、上記燃焼酸化装置から出る高温ガスの一部を集塵機入口にフィードバックして排ガス中に混合するガス循環路を設けた構成として、上記集塵機で処理する排ガスに、上記燃焼酸化装置から出る高温ガスを所要の混合比で混入させることにより、上記集塵機で処理する排ガスの温度を高めて該排ガスの相対湿度を下げ、これにより、結露の発生を防止させるようにすることが従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭51−57072号公報
【特許文献2】
特開平10−249126号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献2に示された手法は、集塵機に、排ガス中の有害揮発成分や悪臭成分を燃焼除去する燃焼酸化装置を付設してある設備にしか適用できないという問題があり、更に、高温ガスを流通させるためのガス循環路を設ける必要があると共に、該ガス循環路の周囲に対する熱対策も講じなければならないため、設備が大となるという問題がある。
【0008】
なお、除塵フィルタ4にペースト状の粉塵層が付着することに伴って除塵フィルタ4の圧損が過大になる虞を防止するための対策としては、ろ過式除塵装置を大型化して除塵フィルタを大型化することでも対応できるが、実際的ではない。
【0009】
そこで、本発明は、処理ガスに対して外部の燃焼酸化装置からの高温ガスを混入させることなく、ろ過式除塵装置の温度が低いときに湿度の高い処理ガスを除塵処理する場合に除塵フィルタへの結露を防止できるようにしたろ過式除塵装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ガス入口より容器内に流入する処理ガスをガス出口へ送る間に除塵フィルタにて除塵処理できるようにしてあるろ過式除塵装置において、上記ガス入口の下流側位置に、湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるため除塵フィルタよりも開口の大きい粗フィルタを、上記容器内をガスの入口側と出口側を仕切るように設けて、ガス入口より流入する処理ガス全量を通過させるようにし、該粗フィルタを通過した処理ガスを上記除塵フィルタに向かわせるようにした構成とする。
【0011】
ろ過式除塵装置の温度が露点以下のときに、ガス入口より容器内に湿度の高い処理ガスを流入すると、該処理ガスは、先ず、粗フィルタを通過させられる。この際、粗フィルタの温度が露点温度以下となっていることに伴って、上記処理ガス中の水分が粗フィルタにて結露させられ、この粗フィルタにおける結露水に粉塵が取り込まれる。上記粗フィルタは、濡れているために粉塵の捕集効率は高いが、除塵フィルタよりも開口が大きく空隙率が高いため圧損は低い。又、結露水が多くなりすぎると滴下するため、粗フィルタの圧損は一定に保たれる。このように、粗フィルタが結露している間は、除塵フィルタへ到達する粉塵の量が減少するため、該除塵フィルタの圧損の上昇は抑えられる。その後、ろ過式除塵装置の温度が露点以上に上昇することに伴って、粗フィルタの温度が露点以上になると、該粗フィルタにおける結露が解消されて乾燥状態となるため、粉塵の捕集効率が下がり、粉塵は上記粗フィルタを通過して除塵フィルタへ到達するようになるが、この時点では、除塵フィルタの温度も露点以上となっているため、該除塵フィルタにおける結露が生じる虞はない。したがって、ペースト状の粉塵層の形成は防止されることから、初期圧損が過大になる虞は防止される。
【0012】
又、ガス入口より容器内に流入する処理ガスをガス出口へ送る間に除塵フィルタにて除塵処理できるようにしてあるろ過式除塵装置において、上記ガス入口の下流側位置に、湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるため除塵フィルタよりも開口の大きい粗フィルタを、上記容器内をガスの入口側と出口側を仕切るように設けると共に、該粗フィルタの下流側で上記除塵フィルタを覆う位置に上記粗フィルタと同様に湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるための開口の大きい整流用の粗フィルタを設けて、ガス入口より流入する処理ガス全量を上記容器を仕切る粗フィルタを通過させた後、該粗フィルタを通過した処理ガスの大部分を上記整流用の粗フィルタを経て上記除塵フィルタへ向かわせるようにした構成とすることにより、ろ過式除塵装置の温度が露点以下のときには、露点以下となっている除塵フィルタを覆う位置の整流用の粗フィルタにおいても、処理ガスとの接触により結露を生じさせて粉塵の捕集を行うことができて、粉塵が除塵フィルタへ到達するまでの時間をかせぐことができる。この際、粉塵の捕集に伴って除塵フィルタを覆う位置の整流用の粗フィルタの通気率が低下すると、該通気率の低下した上記粗フィルタを迂回させて処理ガスは流されることになって、除塵フィルタに一様に処理ガスを導くよう整流させることができて、上記除塵フィルタに対する粉塵の局所付着を防止できる。
【0013】
上記において、除塵フィルタを覆う位置に設けた整流用の粗フィルタを、筒形状で袋状としてある上記除塵フィルタの外周面及び底面と所要の間隔を隔てて該除塵フィルタの上端部を除く領域の外側を同に覆う形状とし、上記整流用の粗フィルタへ導かれた処理ガスの大部分を該整流用の粗フィルタを通過させ、処理ガスの一部を整流用の粗フィルタを迂回させて除塵フィルタの上端部側へ導いて除塵フィルタへ向かわせるようにした構成とすることにより、除塵フィルタを覆う整流用の粗フィルタによる整流を効率よく行なわせることができる。
【0014】
更に、ガス入口の下流側位置に容器内をガスの入口側から出口側に仕切るように設けた湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させる粗フィルタを、冷却式の粗フィルタとして、ガス入口より流入する処理ガス全量を上記冷却式の粗フィルタを通過させるようにした構成とすることにより、ガス入口より容器内へ流入する処理ガス中の水分を、ガス入口の下流側位置に設けた粗フィルタにて強制的に結露させて処理ガスを乾燥させることができるため、除塵フィルタを覆う粗フィルタを省略しても除塵フィルタに結露が生じる虞を確実に防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明のろ過式除塵装置の実施の一形態を示すもので、図3に示したと同様の構成において、粗フィルタとして、ガス入口5の下流側位置に設けた粗フィルタ11と、該粗フィルタ11の下流側で除塵フィルタ4を覆う位置に設けた粗フィルタ12を備えたものである。すなわち、ガス入口5と除塵フィルタ4との間となる容器1内の下部位置に、ガス入口5から流入した処理ガス7の全量を通過させる際に、水分と粉塵が付着しても目詰りすることがないように開口の大きい(目の粗い)粗フィルタ11を、容器1内を上下に仕切るよう一層又は多層(図では、2層)に設けて、ガス入口5より容器1内に流入する処理ガス7の全量を、極力バイパスさせることなく上記粗フィルタ11を通過させた後、上記除塵フィルタ4へ向かわせることができるようにする。
【0017】
更に、上記粗フィルタ11を通過した処理ガス7が除塵フィルタ4に達するまでの間に、上記粗フィルタ11と同様に目の粗い粗フィルタ12を、上記除塵フィルタ4の外周面及び底面と均等な隙間を隔てて該除塵フィルタ4の上端部領域を除く領域の外周側を覆うように配置して、図示しない支持部材、たとえば、放射方向に延びる支持部材を介し容器1の内側に取り付け、粉塵8の捕集と、除塵フィルタ4の周囲の隙間に処理ガス7を流すようにする整流機能を持たせるようにする。
【0018】
上記粗フィルタとしての粗フィルタ11及び整流用の粗フィルタ12は、除塵フィルタ4よりも開口の大きい材質を用いるようにするが、該各粗フィルタ11,12は、後述するように、いずれも湿度の高い処理ガス7中の水分を結露させて粉塵8を付着滞留させるためのものである。そのため、空隙率が高く、立体的な構造を有することが望ましいことから、粗フィルタ11,12としては、不織布、スチールウール、金網、パンチ板等が使用できる。コスト面や取り扱いの容易さからは、たとえば、ポリプロピレン製の粗目の不織布を使用するようにすればよい。又、処理ガス7との接触面積を増加させるべく、上記各粗フィルタ11及び12の面を、蛇腹状に成形してもよい。
【0019】
その他の構成は図3に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0020】
上記構成としてある本発明のろ過式除塵装置を使用する場合は、従来と同様に、ガス出口6の下流側に接続してある図示しない誘引通風機にて誘引通風を行わせる。これにより、セルプレート2の上方空間に連なる除塵フィルタ4の内側の気圧が負圧とされて外側の気圧と差圧が生じることに伴って、ガス入口5より容器1内に流入させられた処理ガス7は、粗フィルタ11を通過させられた後、整流用の粗フィルタ12へ導かれ、その大部分が該整流用の粗フィルタ12を通過して除塵フィルタ4へ導かれると同時に、一部の処理ガス7は上記整流用の粗フィルタ12を迂回させられて除塵フィルタ4の上端部側へ導かれた後、除塵フィルタ4と粗フィルタ12の間に導かれ、該除塵フィルタ4の内外の差圧に応じて該除塵フィルタ4を一様に通過させられるときに、含まれていた粉塵8が除塵フィルタ4の外側面に付着させられて除去される。したがって、その後、除塵フィルタ4を通過した粉塵捕集後の清浄ガス7aがガス出口6より排出されるようになる。
【0021】
上記のろ過式除塵装置において、湿度の高い処理ガス7を処理する場合、運転開始直後等のろ過式除塵装置全体が温まっておらず、露点以下のときには、ガス入口5より容器1内に処理ガス7が流入されると、該処理ガス7は、先ず、露点温度以下となっている粗フィルタ11を通過させられるときに、処理ガス7中の水分が結露させられ、この粗フィルタ11にて結露させられた結露水10に粉塵8が取り込まれる。この際、上記粗フィルタ11は、濡れているために粉塵8の捕集効率は高いが、除塵フィルタ4よりも開口が大きく空隙率が高くなるようにしてあるために圧損は低い。その後、粗フィルタ11における結露水10が多くなりすぎると図1に示す如く、過剰な結露水10は容器1の底部へ滴下するため、粗フィルタ11の圧損は一定に保たれる。したがって、上記粗フィルタ11が結露している間は、該粗フィルタ11を通過して除塵フィルタ4へ向かう粉塵8の量が減少させられる。
【0022】
上記粗フィルタ11を通過した処理ガス7は、次に、整流用の粗フィルタ12へ導かれると、該整流用の粗フィルタ12が露点以下のときには、上記粗フィルタ11の場合と同様に、該整流用の粗フィルタ12においても結露が生じさせられるため、結露水10により濡れた状態とされる整流用の粗フィルタ12にて、除塵フィルタ4へ向かう処理ガス7中の粉塵が捕集される。この際、整流用の粗フィルタ12にて粉塵8の捕集量が多くなって、整流用の粗フィルタ12の通気抵抗が上昇すると、上記処理ガス7は、通気抵抗の増加した上記整流用の粗フィルタ12を迂回する量が多くなるため、多くの処理ガス7が除塵フィルタ4の上端部側へ導かれるようになる。なお、上記整流用の粗フィルタ12に付着する結露水10が多くなり過ぎると、上記粗フィルタ11の場合と同様に、過剰分の結露水10は滴下されて、粗フィルタ11を通過して容器1の底部に導かれるため、該整流用の粗フィルタ12においても圧損は低くなる。
【0023】
したがって、その後、除塵フィルタ4に導かれる処理ガス7では、上記粗フィルタ11及び整流用の粗フィルタ12にて予め粉塵8の捕集と結露がなされていることに伴って、含まれる粉塵8の量が減少していると共に、水分量が減少しているため、このような粉塵量及び水分量が共に減少した状態の処理ガス7を除塵フィルタ4に通過させると、該除塵フィルタ4にて捕集される粉塵量が減少すると同時に、結露の発生が抑制されるため、除塵フィルタ4の表面におけるペースト状の粉塵層の形成は防止される。
【0024】
その後、流入する処理ガス7によりろ過式除塵装置の温度が露点以上に温められ、粗フィルタ11の温度及び整流用の粗フィルタ12の温度が露点以上になると、該粗フィルタ11及び整流用の粗フィルタ12は結露が解消されて乾燥状態とされる。これにより、粗フィルタ11及び整流用の粗フィルタ12における粉塵8の捕集効率は低下させられるため、粉塵8は、開口が大きく空隙率が高い粗フィルタ11及び整流用の粗フィルタ12を通過して除塵フィルタ4へ到達するようになるが、この時点では、該除塵フィルタ4の温度も露点以上となっているため、除塵フィルタ4における結露が生じる虞はなく、したがって、その表面にペースト状の粉塵層が形成されることは防止される。
【0025】
このように、上記本発明のろ過式除塵装置によれば、露点以下の温度状態にて湿度の高い処理ガス7を処理する場合に、除塵フィルタ4の表面におけるペースト状の粉塵層の発生を防止できて、該除塵フィルタ4における圧損上昇を抑えることができると共に、上記粗フィルタ11及び整流用の粗フィルタ12における圧損は低く抑えることができるため、初期圧損が過大になる虞を未然に防止することができる。しかも、上記除塵フィルタ4における結露の防止のために、従来提案されているような処理ガスに対して外部の燃焼酸化装置からの高温ガスを混入させる必要はないため、燃焼酸化装置を付設していない設備のろ過式除塵装置に容易に適用できると共に、装置をコンパクトなものとすることができる。
【0026】
更に、整流用の粗フィルタ12を設けて、ろ過式除塵装置の温度が露点以下のため上記整流用の粗フィルタ12にて結露が生じる場合には、多くの処理ガス7を該整流用の粗フィルタ12を迂回させて除塵フィルタ4の上端部側へ導くことができるようにしてあるため、上記除塵フィルタ4に対する粉塵8の局所付着を防止できる。
【0027】
次に、図2は本発明の実施の他の形態を示すもので、図3に示したと同様の構成において、ガス入口5側となる容器1内の下部位置に、上記実施の形態における粗フィルタ11と同様に開口が大きく、且つ冷却式、たとえば、外部より所要の冷媒を流通させる図示しない伝熱管を付設して冷却できるようにした粗フィルタ13を、容器内を上下に仕切るよう一層又は多層(図では、2層)に設けて、ガス入口5より容器1内に流入する処理ガス7の全量を、上記粗フィルタ13を経た後、上記除塵フィルタ4へ送ることができるようにしたものである。
【0028】
その他の構成は図3に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0029】
本実施の形態によれば、ガス入口5より容器1内へ流入する処理ガス7中の水分を、上記冷却式の粗フィルタ13にて強制的に結露させることができる。そのため該粗フィルタ13を通過した後、除塵フィルタ4へ向かう処理ガス7を乾燥させることができて、除塵フィルタ4にて結露が生じる虞を確実に防止でき、除塵フィルタ4の表面に粉塵8と結露水10からなるペースト状の粉塵層が形成される虞を確実に防止することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、粗フィルタ11,13と整流用の粗フィルタ12は、開口が大きく、且つ温度が露点以下のときに処理ガス7と接触することで該処理ガス7中の水分を効率よく結露させることができれば、形状及び素材は任意のものを使用してよい。湿度の高い処理ガスを処理する可能性のあるろ過式除塵装置であれば、いかなる設備のろ過式除塵装置にも適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のろ過式除塵装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1) ガス入口より容器内に流入する処理ガスをガス出口へ送る間に除塵フィルタにて除塵処理できるようにしてあるろ過式除塵装置において、上記ガス入口の下流側位置に、湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるため除塵フィルタよりも開口の大きい粗フィルタを、上記容器内をガスの入口側と出口側を仕切るように設けて、ガス入口より流入する処理ガス全量を通過させるようにし、該粗フィルタを通過した処理ガスを上記除塵フィルタに向かわせるようにした構成としてあるので、運転開始直後等、ろ過式除塵装置全体の温度が低いときに、湿度の高い処理ガスの除塵処理を行う場合であっても、除塵フィルタの表面における結露を防止できて、ペースト状の粉塵層の発生を防止できる。このことから、該除塵フィルタにおける圧損上昇を抑えることができると共に、粗フィルタにおける圧損は低く抑えることができ、このため初期圧損が過大になる虞を未然に防止することができる。しかも、上記除塵フィルタにおける結露の防止のために、従来提案されているような処理ガスに対して外部の燃焼酸化装置からの高温ガスを混入させる必要はないため、燃焼酸化装置を付設していない設備のろ過式除塵装置に容易に適用できると共に、装置をコンパクトなものとすることができる。
(2) ガス入口より容器内に流入する処理ガスをガス出口へ送る間に除塵フィルタにて除塵処理できるようにしてあるろ過式除塵装置において、上記ガス入口の下流側位置に、湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるため除塵フィルタよりも開口の大きい粗フィルタを、上記容器内をガスの入口側と出口側を仕切るように設けると共に、該粗フィルタの下流側で上記除塵フィルタを覆う位置に上記粗フィルタと同様に湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるための開口の大きい整流用の粗フィルタを設けて、ガス入口より流入する処理ガス全量を上記容器を仕切る粗フィルタを通過させた後、該粗フィルタを通過した処理ガスの大部分を上記整流用の粗フィルタを経て上記除塵フィルタへ向かわせるようにした構成とすることにより、ろ過式除塵装置の温度が露点以下のときには、除塵フィルタを覆う位置の整流用の粗フィルタにおいても、ガス入口の下流側位置の粗フィルタを通過後の処理ガスとの接触により結露を生じさせて粉塵の捕集を行うことができる。この際、粉塵の捕集に伴って上記整流用の粗フィルタの通気率が低下すると、処理ガスを、通気率の低下した上記整流用の粗フィルタを迂回させることにより、該粗フィルタと除塵フィルタとの間に導くよう整流できることから、上記除塵フィルタに対する粉塵の局所付着を防止できる。
(3) 上記において、除塵フィルタを覆う位置に設けた整流用の粗フィルタを、筒形状で袋状としてある上記除塵フィルタの外周面及び底面と所要の間隔を隔てて該除塵フィルタの上端部を除く領域の外側を同に覆う形状とし、上記整流用の粗フィルタへ導かれた処理ガスの大部分を該整流用の粗フィルタを通過させ、処理ガスの一部を整流用の粗フィルタを迂回させて除塵フィルタの上端部側へ導いて除塵フィルタへ向かわせるようにした構成とすることにより、上記整流用の粗フィルタにおける整流を効率よく行なわせることができる。
(4) ガス入口の下流側位置に容器内をガスの入口側から出口側に仕切るように設けた湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させる粗フィルタを、冷却式の粗フィルタとして、ガス入口より流入する処理ガス全量を上記冷却式の粗フィルタを通過させるようにした構成とすることにより、ガス入口より容器内へ流入する処理ガス中の水分を、上記粗フィルタにて強制的に結露させて処理ガスを乾燥させることができるため、除塵フィルタを覆うように配置する粗フィルタなしで除塵フィルタにて結露が生じる虞を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のろ過式除塵装置の実施の一形態として1つの除塵フィルタを示した一部切断概略側面図である。
【図2】本発明の実施の他の形態を示す一部切断側面図である。
【図3】ろ過式除塵装置の一例として1つの除塵フィルタについて示す切断側面図である。
【図4】除塵フィルタの表面部に付着したペースト状の粉塵層の断面を示す概要図である。
【符号の説明】
1 容器
4 除塵フィルタ
5 ガス入口
6 ガス出口
7 処理ガス
7a 清浄ガス
粉塵
11 粗フィルタ
12 整流用の粗フィルタ(粗フィルタ)
13 粗フィルタ

Claims (4)

  1. ガス入口より容器内に流入する処理ガスをガス出口へ送る間に除塵フィルタにて除塵処理できるようにしてあるろ過式除塵装置において、上記ガス入口の下流側位置に、湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるため除塵フィルタよりも開口の大きい粗フィルタを、上記容器内をガスの入口側と出口側を仕切るように設けて、ガス入口より流入する処理ガス全量を通過させるようにし、該粗フィルタを通過した処理ガスを上記除塵フィルタに向かわせるようにしたことを特徴とするろ過式除塵装置。
  2. ガス入口より容器内に流入する処理ガスをガス出口へ送る間に除塵フィルタにて除塵処理できるようにしてあるろ過式除塵装置において、上記ガス入口の下流側位置に、湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるため除塵フィルタよりも開口の大きい粗フィルタを、上記容器内をガスの入口側と出口側を仕切るように設けると共に、該粗フィルタの下流側で上記除塵フィルタを覆う位置に上記粗フィルタと同様に湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させるための開口の大きい整流用の粗フィルタを設けて、ガス入口より流入する処理ガス全量を上記容器を仕切る粗フィルタを通過させた後、該粗フィルタを通過した処理ガスの大部分を上記整流用の粗フィルタを経て上記除塵フィルタへ向かわせるようにしたことを特徴とするろ過式除塵装置。
  3. 除塵フィルタを覆う位置に設けた整流用の粗フィルタを、筒形状で袋状としてある上記除塵フィルタの外周面及び底面と所要の間隔を隔てて該除塵フィルタの上端部を除く領域の外側を同に覆う形状とし、上記整流用の粗フィルタへ導かれた処理ガスの大部分を該整流用の粗フィルタを通過させ、処理ガスの一部を整流用の粗フィルタを迂回させて除塵フィルタの上端部側へ導いて除塵フィルタへ向かわせるようにした請求項2記載のろ過式除塵装置。
  4. ガス入口の下流側位置に容器内をガスの入口側から出口側に仕切るように設けた湿度の高い処理ガス中の水分を結露させて粉塵を付着滞留させる粗フィルタを、冷却式の粗フィルタとして、ガス入口より流入する処理ガス全量を上記冷却式の粗フィルタを通過させるようにした請求項1記載のろ過式除塵装置。
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