JP4352619B2 - 電気カーペット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体検出用に圧電フィルムセンサを利用した、人、動物などの生体暖房用の電気カーペットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気カーペットには、圧電フィルムセンサを利用して、カーペットにかかる圧力を電気信号に変換し、圧力変化を検出してヒータの温度調節を行うものがある。このような圧電フィルムセンサの素材としては、ポリフッ化ビリニデンが多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この圧電フィルムセンサの素材を新規な素材にすることにより、高感度化、低価格化を図ったものであり、その目的は、微妙な圧力変化を検出できるセンサを利用して、人や動物などの生体の呼吸や心拍などによるわずかな振動を検知して温度調節を可能とした電気カーペットを提供することにある。
【0004】
例えば、圧電フィルムセンサの素材として発泡プラスティックの一種である延伸発泡ポリプロピレンを用いれば、感度が5倍以上であるため生体検出性能にすぐれ、価格が10分の1以下であるためコストダウンも実現できる。また、従来の圧電フィルムがXYZの3方向に感度を有するのに対し、このフィルムセンサはZ方向のみに感度を有するため、上からの圧力に対して感度性能がすぐれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の電気カーペットは、内部にバブル構造を有した発泡体を素材とする圧電フィルムセンサと、圧電フィルムセンサから出力される信号の増幅、フィルタ等の処理を行う信号処理部と、温度調節が可能なヒータ部とを少なくとも備え、信号処理部は、圧電フィルムセンサが検出した生体等による圧力変化に基づいてヒータ部の温度調節を行う。さらに、前記圧力変化を検出するためのしきい値を調節できるしきい値調節手段をさらに備えている。
【0006】
圧電フィルムセンサの素材に感度性能にすぐれた発泡プラスティックなどを使用すれば、微妙な圧力変化を検出することができ、生体のわずかな動きや振動を検出して、ヒータの温度調節を行うことができる。また、しきい値調節手段では、例えばユーザが安静な状態で初期設定を行い、このときのしきい値を基準値として調節できるようにすればよい。
【0007】
この温度調節には、ヒータの電源を断続的にオン/オフ制御する温度調節、ヒータに流れる電流を調節して行う温度調節、緊急時等の電気カーペットのオン/オフなどが含まれる。
【0008】
請求項2では、電気カーペットを複数の区域に分割しており、圧電フィルムセンサおよびヒータは、それぞれの区域ごとに対応して配設されていることを特徴とする。
【0009】
このため、分割された区域ごとに、ヒータをオン、オフすることができ、電気カーペットを区域ごとに温度調節して必要な区域のみを暖めることができるため、消費電力を抑えることができる。
【0010】
請求項3では、圧電フィルムセンサからの出力信号が所定のしきい値を中心として上下に変動している場合には、生体による圧力変化であると判定し、変動していない場合には、生体がいないものと判定している。
【0011】
これにより、生体でない静止物による圧力と判定したときはヒータをオンせず、生体と判定したときだけヒータをオンすることができる。また、生体がカーペットから離れた場合には、生体による圧力変化が検出されないため、ヒータをオフすることもできる。
【0012】
請求項4では、信号処理部は、圧電フィルムセンサからの出力信号をフィルタ処理し、所定の呼吸周波数帯域の成分を抽出して呼吸の有無を判別し、呼吸を検出したときには、ヒータの温度調節を行う。
【0013】
圧電フィルムセンサの感度特性を利用して、生体の呼吸振動による微妙な圧力変化を検知して、温度調節を行うようにしている。圧電フィルムセンサの出力信号を、呼吸の周波数帯域に応じたフィルタをかけて、出力信号の呼吸成分を抽出してやれば、生体であるかどうかを検知することができる。
【0014】
請求項5では、信号処理部は、圧電フィルムセンサからの出力信号をフィルタ処理し、所定の心拍周波数帯域の成分を抽出して心拍の有無を判別し、生体であるかどうかを検知し、心拍を検出したときには、ヒータの温度調節を行うようにしている。
【0015】
請求項6では、測定した単位時間当たりの呼吸数および心拍数の少なくともいずれかを測定し、この測定値を表示部に表示させて、簡単な日常の健康チェックを行えるようにしている。
【0016】
請求項7では、しきい値調節手段が、圧力変化を検出するためのしきい値を複数段階で設定することができるモードスイッチを備えていることを特徴とする。例えば座位モード、臥位モードなど使用する姿勢に応じたモードや、電気カーペットを設置する床材の種類に応じたモードなどを選択するモードスイッチを設ければ、ユーザは簡単な操作で電気カーペットを最適な状態で使用することができる。この姿勢に応じたモードは、姿勢による荷重位置や単位面積当たりの荷重の変化に対応することができ、床材の種類に応じたモードは、床材の硬さによる荷重分布の変化に対応することができ、種々な使用形態に対し、より正確な生体の検出をすることができる。
【0017】
請求項8では、所定周期で、温度調節させながら、呼吸数および心拍数の少なくともいずれかを測定し、この測定値の上下変化に応じて、さらにヒータの温度を上下に調節を行う。すなわち、単に呼吸や心拍の検知でヒータをオンするだけでなく、その上下変化に応じてヒータ温度を上下させるようにしている。
【0018】
一般に、人はリラックス状態になると呼吸数や心拍数は下がる傾向があることが知られている。この傾向を用いて、例えば、温度を上げたときに呼吸数が上がれば温度を下げるように制御し、呼吸数が下がればさらに温度を上げるように制御するなどの制御を繰り返すようにすれば、しだいに呼吸数は下がり、最終的には減少した呼吸数を保持することができ、リラックス状態にすることができる。
【0019】
請求項9では、信号処理部は、一定時間ごとの、呼吸数および心拍数の少なくともいずれかを測定し、この測定値の変化が所定値以下と判定した場合には、ヒータの温度を低くするように制御することを特徴とする。
【0020】
寝ている間には呼吸数、心拍数は急激な変化が表れないので、ほぼ一定状態を保っているときにはヒータ温度を下げてやれば、低温やけどを防止することができる。ヒータの温度調節は、ヒータのオフでもよいし、段階的に電流を小さくして温度を下げてもよい。
【0021】
請求項10では、圧電フィルムセンサの発泡体素材は延伸発泡ポリプロピレンであることを特徴とする。
【0022】
延伸発泡ポリプロピレンは、縦方向の圧力に対してすぐれた感度特性を有しているため、呼吸や心拍などの生体の微妙な振動を検知することができ、わずかな生体変化による温度調節が可能となる。
【0023】
請求項11では、圧電フィルムセンサの電極とヒータ部の電線とを共有化していることを特徴とする。ヒータ電線と電極を共有してやれば、センサだけで生体検出とヒータの両機能を有することができ、省スペースとコストダウンを実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面とともに説明する。
【0025】
図1は、電気カーペットの要部構成を示すブロック図である。
【0026】
電気カーペットCは、複数の区域に分かれており、圧電フィルムセンサ1、温度調節可能なヒータ2、増幅器(アンプ)3a、フィルタ回路3b、比較器3cを含む信号処理部3、電源、および電源コントローラを備えており、各区域がそれぞれ別々に温度制御されるような構成となっている。後述する各種の形態は、この構成の一部あるいは全部を稼動させたもの、又は、この構成に他の要素を付加して稼動させたものにより実施される。
【0027】
電気カーペットC上に静止物又は生体が乗ると、センサ1に圧力が加わり、アンプ3aから出力される信号によって圧力変化を検知して、ヒータ2をオンする。具体的には、アンプから出力される信号に対してしきい値が設けられており、このしきい値を超えたときには静止物又は生体が乗ったと判断して、ヒータ2の制御を行っている。
【0028】
本発明では、静止物や生体の圧力をより精度よく検知するために、例えば特公平5−41104や特表平10−504853に記載されているような発泡プラスティックの一種である延伸発泡ポリプロピレンを素材とした圧電フィルムセンサ1を利用している。図2には、この素材を利用した圧電フィルムセンサ1の断面図を示している。図中、1aは延伸発泡ポリプロピレン素材、1bはセンサの電極を示す。このように、延伸発泡ポリプロピレンは、内部に横長の気泡又は間隙を多数有するバブル構造を有しており、XYZ方向のうち特にZ(上下)方向にすぐれた感度を有している。
【0029】
圧電フィルムセンサには、ポリフッ化ビリニデン(PVDF)が利用されたものが多いが、これに比べ5倍以上の感度を有している。そのため、わずかな圧力変化も検知することができ、後述するように、例えば呼吸や心拍などの振動を検知して、これによるヒータの温度調節を実現することができる。また、価格も10分の1以下なのでコストも低く抑えることができる。
【0030】
なお、センサ1の素材は延伸発泡ポリプロピレンに限定されず、このようにバブル構造を有し圧電特性を備えた発泡体であればよい。
【0031】
また図3のように、圧電フィルムセンサ1の電極とヒータ部2の電線を共有するような形にして、センサ電極として利用するかヒータ電線として利用するかをモード切り替えできるようにすれば、省スペース、コストダウンも実現できる。
【0032】
図4、5は、圧電フィルムセンサ1による生体検出を説明するブロック図および波形図である。
【0033】
図4のように、一方のセンサ1上には人が座っており、他方には人がいない場合、人の座っている方は、呼吸などの体の振動により圧力が変化し、アンプ3aによる出力信号は、図5(a)のような波形を描く。信号波形がしきい値を上下に交叉するような適切なしきい値を設定してやれば、比較器3cにより人がいることを検知することができる。人がいない場合は図5(b)のようにしきい値を超えないし、生体以外の静止物の場合はしきい値を超えることがあっても交叉はしないので生体ではないと判断でき、生体のみを誤りなく検知することができる。
【0034】
人を検知したときだけヒータ2をオンするようにすれば、無駄な電力を使うことなく効率的に人だけを暖めることができる。複数区域を別々に制御できる電気カーペットの場合、特に効果的である。
【0035】
図6、7は、呼吸成分又は心拍成分抽出による生体検出を説明するブロック図および波形図である。
【0036】
ここでは、図6のようにフィルタ回路として、複数の周波数帯域検出用のバンドパスフィルタ回路3b、3bを接続している。
【0037】
図7(a)は、センサ1上に人が座った状態で得られる出力信号の波形である。この波形の中には呼吸成分と心拍成分が含まれており、周波数帯域に応じたフィルタをかけてやることで、図7(b)、(c)のように、呼吸成分と心拍成分に分離することができる。ここでは、(a)の出力信号に0.1〜0.5Hzのバンドパスフィルタをかけてやることで(b)のような呼吸成分を抽出した信号が得られ、5〜7Hzのバンドパスフィルタをかけてやれば(c)のような心拍成分を抽出した信号が得られ、これをさらに包絡線処理してやることで(d)のような信号が得られる。
【0038】
そして、(b)、(d)に適切なしきい値を設定してやれば、呼吸、心拍による生体検出が可能となる。呼吸、心拍は生体に特有の信号を検出しているので、生体と静止物の区別をより精度よく判断することができる。
【0039】
図8、9は、呼吸数、心拍数をカウントできるようにした電気カーペットを説明するブロック図および波形図である。
【0040】
ここでは、比較器3cにカウンタ回路が組み込まれている。
【0041】
人が座っている圧電フィルムセンサ1から得られる信号を2種類のバンドパスフィルタ処理をしてやり、呼吸、心拍成分を抽出し、比較器3cでしきい値を越えた回数をカウントし、単位時間当たりの呼吸数、心拍数を測定することができる。この測定値をLEDなどで構成された表示部4に表示することで、ユーザは日常の健康チェックを実施することができる。
【0042】
図10、11は、しきい値調節可能な電気カーペットを説明するブロック図および波形図である。
【0043】
一方のセンサ1上には人が座り、他方のセンサ1上には人が寝ている場合のそれぞれの出力信号を、図11(a)、(b)に示している。両波形図から理解できるように、人が寝ているときは、座っているときに比べてセンサ1に加わる単位面積当たりの圧力が小さいため、出力信号の変位量も座っているときに比べて小さくなる。
【0044】
したがって、寝ている方は、座っている方よりもしきい値を低く設定してやれば、座っている場合と同様に振動検出を行うことができる。電気カーペットCに配設したモードスイッチなどのしきい値調節手段5を操作することで、姿勢に応じた適切なしきい値に設定することができる。
【0045】
例えば、モードスイッチには、座位モード、臥位モードなどの姿勢に応じたモードや、カーペットを設置する床材の種類に応じたモードなどが含まれる。また、しきい値を直接数値設定できるようなものでもよい。
【0046】
座位モード、臥位モードなど使用する姿勢に応じたモードや、カーペットを設置する床材の種類に応じたモードなどを選択するモードスイッチを設ければ、ユーザは簡単な操作で電気カーペットを最適な状態で使用することができる。この姿勢に応じたモードは、姿勢による荷重位置や単位面積当たりの荷重の変化に対応することができ、床材の種類に応じたモードは、床材の硬さによる荷重分布の変化に対応することができ、種々な使用形態に対し、より正確な生体の検出をすることができる。
【0047】
このように、しきい値調節手段5を備えておけば、用途に応じた設定を行うことができ、例えば一方はリビング用、一方は寝室用などのように使い分けることができる。特に複数区域ごとに温度制御できるものであれば、同じカーペットで区域ごとに別々の用途に利用することができる。
【0048】
図12は、温度調節によるリラックス機能の基本動作を示すフローチャートである。
【0049】
人はリラックス状態になると呼吸数、心拍数は下がる傾向があることが知られている。ここでは、この傾向を用いた温度調節を行い、人をリラックスさせるようにしている。
【0050】
すなわち、最初に呼吸数を測定し、ヒータの温度を下げるように制御し、所定時間(例えば1分)後に再度測定し、呼吸数が下がった場合はさらにヒータの温度を下げ、逆に呼吸数が上がった場合は、ヒータの温度を上げるように制御する(以上、101〜105)。ここで、ヒータの温度調節は、ヒータ電源を断続的にオン/オフする、ヒータ電流を変化させるなどの方法によるものを含む。
【0051】
ヒータの温度を上げるように制御した場合も同様に、呼吸数を所定時間ごとに計測しながら、呼吸数が下がればさらに温度を上げ、呼吸数が上がれば温度を下げるように制御する(以上、105〜107、102)。
【0052】
このように、呼吸数が下がった場合は、測定前に温度を変化させた方向(例えば上昇)と同じ方向に温度変化(上昇)させ、呼吸数が上がった場合は、測定前に温度を変化させた方向とは逆の方向に温度を変化(下降)させるように制御することで、人がリラックスできるような温度調節が実現できる。心拍数でも同様の温度制御を行うことができる。
【0053】
図13は、低温やけど防止機能の基本動作を示すフローチャートである。
【0054】
呼吸数あるいは心拍数を一定周期で連続的に測定し、前回値との変化が所定値以内の変化であればヒータ温度を下げるような制御を行い、所定値以上の変化があれば温度制御は行わない(以上、201〜203)。なお、温度の下降制限値を設けてもよい。
【0055】
寝ている間は呼吸数や心拍数は急激に変化しないので、連続して測定して測定値を比較することにより、その変化の程度を測定して睡眠中であるかどうかを判断することができる。これにより、もっとも起こりやすいと言われている睡眠中の低温やけどを防止することができる。
【0056】
なお、本実施の形態は生体を人として説明したが、生体は犬、猫などのペットや養鶏などの飼育用の動物であってもよい。これらの動物は自ら電気カーペットの温度調節ができず、また飼育人が絶えず調節することも非常に面倒であるが、本発明の電気カーペットによって、これらの動物に適した温度調節を個別に行うようにすれば、快適な暖房環境が実現でき、これらの動物の健康維持向上にも役立たせることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明からも理解できるように、本発明の電気カーペットでは、圧電フィルムセンサの素材に感度特性のすぐれたバブル構造発泡体を使用しているので、呼吸や心拍などの人や動物などのわずかな振動による圧力変化を検出することができる。さらに、その圧力変化によりヒータの自動温度制御が可能となる。特に、自らの意思で温度調節をすることができない要介護者、幼児、又は動物用にこの電気カーペットを使用すれば、大きな効果が期待できる。また、しきい値調節手段を備えているので、用途に応じたしきい値設定を行うことができ、座る場合や寝る場合に合わせて、簡単に使い分けることもできる。特に複数区域ごとに温度制御できるカーペットであれば、1つのカーペットを区域ごとに別々の用途に利用することができる。
【0058】
請求項2では、電気カーペットが複数の区域に分割され、それぞれが温度制御可能に構成されているため、部分的な温度調節が可能となり、必要な区域のみを暖めることができるため全体としての消費電力を抑えることができる。
【0059】
請求項3では、所定のしきい値を設定して生体の圧力変化を検出しているため、圧力変化のあるときだけヒータをオンする制御が可能となり、圧力変化がない静止物を検出した場合にはヒータ制御を行わないようにすることができる。その結果、無駄な電力消費を防止でき、生体だけを効率よく暖めることができる。
【0060】
請求項4、5では、圧電フィルムセンサからの出力信号をフィルタ処理することで呼吸又は心拍成分を抽出しているため、呼吸又は心拍成分が抽出できたときには生体が存在していると判断でき、ヒータの温度調節を行うことができる。
【0061】
請求項6では、呼吸数、心拍数をカウントして、表示しているため、ユーザは電気カーペット上で簡単な健康チェックを行うことができる。
【0062】
請求項7では、設定済みの複数のしきい値をモードスイッチで切り替えるようにしているので、ユーザは簡単な操作で各種の用途に使い分けることができる。
【0063】
例えば、座位モード、臥位モードなど使用する姿勢に応じたモードや、カーペットを設置する床材の種類に応じたモードなどを選択するモードスイッチを設ければ、ユーザは簡単な操作で電気カーペットを最適な状態で使用することができる。この姿勢に応じたモードは、姿勢による荷重位置や単位面積当たりの荷重の変化に対応することができ、床材の種類に応じたモードは、床材の硬さによる荷重分布の変化に対応することができ、種々な使用形態に対し、より正確な生体の検出をすることができる。
【0064】
請求項8では、呼吸数又は心拍数が下がった場合は、測定前に温度を変化させた方向と同じ方向に温度変化させ、呼吸数又は心拍数が上がった場合は、測定前に温度を変化させた方向とは逆の方向に温度を変化させるように制御するので、しだいに呼吸数又は心拍数を下げることができ、人をリラックスさせるような温度調節が実現できる。
【0065】
請求項9では、一定時間ごとの呼吸数、心拍数の測定値に急激な変化がない場合はヒータ温度を低くしているので、もっとも起こりやすいと言われている睡眠中の低温やけどを未然に防止することができる。
【0066】
請求項10では、圧電フィルムセンサの発泡体素材として縦方向の感度にすぐれた延伸発泡ポリプロピレンを使用しているので、呼吸や心拍などの生体の微妙な振動を検知することができ、わずかな生体変化による温度調節が可能となる。
【0067】
請求項11では、圧電フィルムセンサの電極とヒータ部の電線とを共有化しているので、センサだけで生体検出でき、かつヒータの機能を発揮することができ、省スペースとコストダウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気カーペットの要部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 延伸発泡ポリプロピレンを素材として利用した圧電フィルムセンサの断面図である。
【図3】 圧電フィルムセンサの電極とヒータ部の電線を共有した電気カーペットの概略図である。
【図4】 本発明の電気カーペットの生体検出を説明するための概略ブロック図である。
【図5】 (a)は生体を検出した場合の圧電フィルムセンサの出力信号を示す波形図、(b)は生体を検出しないときの波形図である。
【図6】 本発明の電気カーペットの呼吸又は心拍による生体検出を説明するための概略ブロック図である。
【図7】 (a)は生体を検出した場合の圧電フィルムセンサの出力信号を示す波形図、(b)〜(d)はフィルタ処理により抽出した呼吸成分又は心拍成分の信号を示す波形図である。
【図8】 本発明の電気カーペットの呼吸数又は心拍数カウントを説明するための概略ブロック図である。
【図9】 (a)は呼吸のパルス信号を示す波形図、(b)は心拍のパルス信号を示す波形図である。
【図10】 本発明のしきい値調節手段を備えた電気カーペットの生体検出を説明するための概略ブロック図である。
【図11】 (a)は生体を検出した場合の圧電フィルムセンサの出力信号を示す波形図、(b)は他の姿勢における出力信号波形図である。
【図12】 温度調節によるリラックス機能の基本動作を示すフローチャートである。
【図13】 低温やけど防止機能の基本動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
C 電気カーペット
1 圧電フィルムセンサ
1a 延伸発泡ポリプロピレン素材
1b センサ電極
2 ヒータ
3 信号処理部
3a 増幅器
3b フィルタ回路
3c 比較器
4 表示部
5 しきい値調節手段
Claims (11)
- 内部にバブル構造を有した発泡体を素材とする圧電フィルムセンサと、上記圧電フィルムセンサから出力される信号の増幅、フィルタ等の処理を行う信号処理部と、温度調節が可能なヒータ部とを少なくとも備え、上記信号処理部は、上記圧電フィルムセンサが検出した生体等による圧力変化に基づいて、ヒータ部の温度調節を行い、さらに前記圧力変化を検出するためのしきい値を調節できるしきい値調節手段を設けたことを特徴とする、電気カーペット。
- 上記電気カーペットは複数の区域に分割されており、圧電フィルムセンサおよびヒータは、それぞれが上記複数の区域ごとに対応して配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気カーペット。
- 上記信号処理部は、上記圧電フィルムセンサからの出力信号が所定のしきい値を中心として上下に変動している場合には、生体による圧力変化であると判定し、変動していない場合には、生体がいないものと判定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気カーペット。
- 上記信号処理部は、上記圧電フィルムセンサからの出力信号をフィルタ処理し、所定の呼吸周波数帯域の成分を抽出して呼吸の有無を判別し、呼吸を検出したときには、ヒータの温度調節を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電気カーペット。
- 上記信号処理部は、上記圧電フィルムセンサからの出力信号をフィルタ処理し、所定の心拍周波数帯域の成分を抽出して心拍の有無を判別し、心拍を検出したときには、ヒータの温度調節を行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電気カーペット。
- 表示部をさらに備えており、上記信号処理部は、単位時間当たりの呼吸数および心拍数の少なくともいずれかを測定し、この測定値を上記表示部に表示することを特徴とする、請求項4又は5に記載の電気カーペット。
- 上記しきい値調節手段は、圧力変化を検出するためのしきい値を、複数段階で設定することができるモードスイッチを備えていることを特徴とする、請求項6に記載の電気カーペット。
- 上記信号処理部は、所定周期で、温度調節させながら、呼吸数および心拍数の少なくともいずれかを測定し、この測定値の上下変化に応じて、さらにヒータの温度を上下に調節を行うことを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の電気カーペット。
- 上記信号処理部は、一定時間ごとの、呼吸数および心拍数の少なくともいずれかを測定し、この測定値の変化が所定値以下と判定した場合には、ヒータの温度を低くすることを特徴とする、請求項4〜8のいずれかに記載の電気カーペット。
- 上記圧電フィルムセンサの発泡体素材は延伸発泡ポリプロピレンであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の電気カーペット。
- 上記圧電フィルムセンサの電極と上記ヒータ部の電線とを共有化していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の電気カーペット。
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