JP6844056B1 - ヒートシステム、ヒートモジュール、方法及びプログラム - Google Patents

ヒートシステム、ヒートモジュール、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザの利便性を向上させることを可能とする。【解決手段】ヒートシステム1は、ユーザによって使用されるユーザ端末20と、当該ユーザ端末と通信可能に接続されるヒートモジュール10とを具備する。ユーザ端末20は、ユーザの操作に応じて第1設定温度を取得し、当該取得された第1設定温度をヒートモジュールに送信する。ヒートモジュール10は、面状に形成され、発熱可能に構成されている面状ヒータを含み、ユーザ端末20から送信された第1設定温度に基づいて、面状ヒータによる発熱温度を制御する。ユーザ端末20は、面状ヒータによる発熱温度を計測するセンサを含み、当該センサによって計測された発熱温度を定期的にユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、定期的に送信される発熱温度に基づいて、第1設定温度とは異なる第2設定温度をヒートモジュールに送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートシステム、ヒートモジュール、方法及びプログラムに関する。
近年では、面状に形成された発熱体(以下、面状ヒータと表記)を例えばユーザが着用する衣服に装着することによって、外出時等であっても当該ユーザに暖房機能を提供することができる製品が開発されている。
しかしながら、ユーザの状況によっては面状ヒータの温度(発熱温度)を調節する必要があるが、当該温度を調節する操作を上記したように衣服に装着される面状ヒータに対して行うことは非常に煩雑であり、ユーザの利便性が低い。
特開2019−175671号公報
そこで、本発明の目的は、ユーザの利便性を向上させることが可能なヒートシステム、ヒートモジュール、方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の1つの態様によれば、ユーザによって使用されるユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信可能に接続されるヒートモジュールとを具備するヒートシステムが提供される。前記ユーザ端末は、前記ユーザの操作に応じて第1設定温度を取得する取得手段と、前記取得された第1設定温度を前記ヒートモジュールに送信する第1制御手段とを含む。前記ヒートモジュールは、面状に形成され、発熱可能に構成されている発熱手段と、前記送信された第1設定温度に基づいて、前記発熱手段による発熱温度を制御する第2制御手段と、前記発熱手段による発熱温度を計測するセンサと、前記計測された発熱温度を定期的に前記ユーザ端末に送信する送信手段とを含む。前記第1制御手段は、前記定期的に送信される発熱温度に応じて経過時間の計測を開始し、前記定期的に送信される発熱温度の変化量が第1閾値未満である状態が、前記計測された経過時間が第2閾値に到達するまで継続した場合、前記第1設定温度よりも低い第2設定温度を前記ヒートモジュールに送信し、前記計測された経過時間が前記第2閾値に到達する前に、前記定期的に送信される発熱温度の変化量が前記第1閾値以上である場合、前記計測された経過時間をリセットする
本発明は、ユーザの利便性を向上させることを可能とする。
実施形態に係るヒートシステムの構成の一例を示す図。 ヒートモジュールの使用態様の一例を示す図。 面状ヒータの構造の一例を示す図。 面状ヒータの製造工程の一例を示す図。 ヒートモジュールの構成の一例を示す図。 面状ヒータにおけるセンサの取り付け位置の一例を示す図。 ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図。 ユーザ端末の機能構成の一例を示す図。 ヒートシステムの処理手順の一例を示すシーケンスチャート。 設定温度入力画面の一例を示す図。 設定温度入力画面の別の例を示す図。 低温やけど防止処理の処理手順の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るヒートシステムの構成の一例を示す。図1に示すように、ヒートシステム1は、ヒートモジュール10及びユーザ端末20を備える。
ヒートモジュール10は、面状ヒータ(ヒータユニット)11及びコネクタ部12を備える。
面状ヒータ11は、面状に形成され、当該面状の発熱面から熱を放射(つまり、発熱)するように構成されている発熱体である。
コネクタ部12は、面状ヒータ11とケーブルを介して接続されており、ヒートモジュール10の外部のバッテリ(モバイルバッテリ)30と接続するためのコネクタ12aを有している。このコネクタ12aとしては例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等を想定しているが、当該コネクタ12aは、バッテリ30と接続可能であれば他の規格に基づくものであってもよい。
上記したようにコネクタ12aを介してヒートモジュール10がバッテリ30と接続された場合、ヒートモジュール10は、当該バッテリ30から供給される電力に基づいて動作することができる。
本実施形態に係るヒートモジュール10は、例えば図2に示すように衣服の背面等に装着することが可能であり、上記した面状ヒータ11が発熱することによって当該衣服を着用したユーザに暖房機能を提供する暖房装置として用いられる。
また、ユーザ端末20は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末のようなユーザによって使用される携帯端末である。ユーザ端末20は、ヒートモジュール10と通信可能に接続されており、後述するようにヒートモジュール10に対する設定温度を入力するために用いられる。
次に、本実施形態に係るヒートモジュール10の構成について説明する。まず、図3は、ヒートモジュール10に備えられる面状ヒータ11の構造の一例を示す。
図3に示すように、面状ヒータ11は、例えば第1〜第5層(レイヤ)11a〜11eが積層された構造を有する。
第1層11aは、例えば熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)のような樹脂素材で形成されており、ヒートモジュール10の土台としての機能を有する。
第2層11bは、例えばラミネート加工されたTPU(TPUラミネート)であり、図示しない接着層等を介して第1層11a上に形成(接着)される。
第3層11cは例えば通電により熱を発する銀等の導電材質の配線が第2層11b上にプリントされることによって形成されており、当該第3層11c(導電材質の配線)に電流が供給されることによって熱が発生する。すなわち、本実施形態において第3層11cは面状ヒータ11における発熱部(発熱層)として機能し、当該面状ヒータ11の発熱は、この第3層11cにおける導電性プリントの熱伝導によって実現される。
また、上記したように第3層11cは導電材質の配線がプリントされることによって形成されるが、当該導電材質を第1層11aに直接プリントして付着させることは困難であるため、第1層11aと第3層11cとの間にはベースフィルムとして第2層11bが配置されている。
第4層11dは、例えばカーボン材料から形成され、第3層11c(導電層)に電流が供給されることによって当該第3層11cにおいて発生した熱を放射する機能を有する。なお、第4層11dは、第3層11c上にプリントされることによって形成される。
第5層11eは、第4層11d上に図示しない接着層を介して形成(接着)されるカバーフィルムであり、当該第5層11eより下に配置される第1〜第4層11a〜11dの露出を防止する機能を有する。
本実施形態において、面状ヒータ11は、上記した構造により、面状の発熱面から全体的に熱を放射することができる。
なお、図3において説明した面状ヒータ11の構造は一例であり、本実施形態においては、面状に形成されており、当該面状の発熱面から熱を放射することができる構造であれば面状ヒータ11は他の構造を有するものであっても構わない。
ここで、図4は、面状ヒータ11の製造工程の一例を示す。図4においては、6枚の面状ヒータ11が製造されている状態が示されている。なお、図4の上段は第1層11a(及び第2層11b)上に第3層11c(の配線)がプリントされた状態(プリント実績)を示しており、図4の下段は第3層11cがプリントされる前に第1層11aが配置された状態を示している。
図4に示す例おいては、例えば導電材質(銀)によって櫛歯状に形成された配線(プリント配線)が平面視において互いに噛み合うようなパターンで第3層11cが形成されているが、面状ヒータ11の発熱面全体に配置されるのであれば、当該配線のパターンは異なる形状であってもよい。なお、本実施形態において平面視とは、第1〜第5層11a〜11eが積層される方向からヒートモジュール10(面状ヒータ11)に向かって見ることをいう。
図4においては省略されているが、面状ヒータ11は、第3層11cの上に更に第4層11d及び第5層11eを形成することによって製造される。
図5は、ヒートモジュール10の構成の一例を示す。図5に示すように、ヒートモジュール10は、プロセッサ101、通信デバイス102及びセンサ103を備える。
なお、本実施形態においては、上記したヒートモジュール10が備えるコネクタ部12の内部にICチップが内蔵されており、図5に示すプロセッサ101及び通信デバイス102は当該ICチップに搭載されているものとする。
プロセッサ101は、ヒートモジュール10によって提供される暖房機能を実現するために当該ヒートモジュール10に組み込まれたプロセッサであり、当該ヒートモジュール10全体を制御するように動作する。通信デバイス102は、ユーザ端末20との通信を実行するためのデバイスである。
また、センサ103は、ヒートモジュール10が備える面状ヒータ11に取り付けられており(内蔵されており)、当該面状ヒータ11の発熱面の温度(以下、単に面状ヒータ11の発熱温度と表記)を計測する。なお、図6は面状ヒータ11におけるセンサ103の取り付け位置の一例を示しているが、当該センサ103は、図6とは異なる位置に取り付けられていてもよい。
次に、本実施形態に係るヒートモジュール10と接続されるユーザ端末20の構成について説明する。
まず、図7は、ユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す。図7に示すように、ユーザ端末20は、不揮発性メモリ21、CPU22、メインメモリ23、通信デバイス24、入力デバイス25及び表示デバイス26等を備える。
不揮発性メモリ21は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ21に格納されているプログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及びユーザ端末20上で起動される各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
CPU22は、例えば不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムを実行する。なお、CPU22は、ユーザ端末20全体の制御を司る。
メインメモリ23は、例えばCPU22が各種プログラムを実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
通信デバイス24は、例えばヒートモジュール10との通信を実行するためのデバイスである。
入力デバイス25は、例えばユーザの指先等で指定(タッチ)された画面上の位置を検出する機能を有するタッチパネルを含む。タッチパネルによれば、ユーザ端末20に対するユーザの各種操作を検知することができる。
表示デバイス26は、例えば表示パネル及び表示制御を行う駆動回路を備えることにより、各画面を表示する機能を有するディスプレイを含む。なお、ディスプレイは、例えばタッチパネルの背面に重畳して配置される。
図8は、ユーザ端末20の機能構成の一例を示す。図8に示すように、ユーザ端末20は、温度取得部201及び制御部202を含む。
なお、本実施形態において、これらの各部201及び202の一部または全ては、図7に示すCPU(つまり、ユーザ端末のコンピュータ)が不揮発性メモリ21に格納されているプログラム(例えば、ヒートモジュール10を操作するための専用のアプリケーションプログラム)を実行することにより実現されるものとする。なお、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよいし、ネットワークを介してユーザ端末20にダウンロードされても構わない。
温度取得部201は、ユーザ端末20に対するユーザの操作に応じて、ヒートモジュール10(面状ヒータ11)に対する設定温度を取得する。
制御部202は、温度取得部201によって取得された設定温度を、通信デバイス24を介してヒートモジュール10に送信する。このように制御部202によって送信された設定温度は、ヒートモジュール10において、面状ヒータ11の発熱温度の制御に用いられる。
次に、図9のシーケンスチャートを参照して、本実施形態に係るヒートシステム1(ヒートモジュール10及びユーザ端末20)の処理手順の一例について説明する。
まず、ユーザがヒートモジュール10を使用する場合、当該ユーザは、上記した図2に示すようにヒートモジュール10に備えられる面状ヒータ11を装着した状態の衣服を着用し、当該ヒートモジュール10に備えられるコネクタ部12(コネクタ12a)にバッテリ30を接続する。これにより、ヒートモジュール10に対するバッテリ30からの電力の供給が開始される(ステップS1)。バッテリ30からの電力がヒートモジュール10に供給されると、当該ヒートモジュール10の電源はオンされる。
次に、ユーザは、ユーザ端末20上でヒートモジュール10を操作するための専用のアプリケーションプログラムを起動する。これにより、ユーザ端末20には、設定温度入力画面が表示される(ステップS2)。
ここで、図10は、ステップS2においてユーザ端末20に表示される設定温度入力画面の一例を示す。
図10に示すように、設定温度入力画面401には、ユーザが設定温度を入力(指定)するためのスライダー402が設けられている。
ユーザは、この設定温度入力画面401上でスライダー402を例えば上下にスライドさせることによって、当該スライダー402の位置に応じた設定温度を入力することができる。なお、ユーザは、スライダー402を用いて例えば1℃単位で設定温度を入力することができるものとする。
また、設定温度入力画面401には、ヒートモジュール10の電源がオンされている(またはオフされている)ことが表示されてもよい。ヒートモジュール10の電源がオンされていることは、上記したようにバッテリ30がコネクタ部12に接続されることによってヒートモジュール10の電源がオンされた際に、当該ヒートモジュール10からユーザ端末20に通知されればよい。
なお、ユーザによってスライダー402がスライドされた場合、当該スライダー402の位置に応じた設定温度が設定温度入力画面401上に表示される。図10に示す例では、ユーザによって入力された設定温度が38℃である場合の設定温度入力画面401が示されている。なお、図11は、ユーザによって入力された設定温度が53℃である場合の設定温度入力画面401を示している。
ここでは、設定温度入力画面401上に設けられたスライダー402を用いて設定温度が入力される例について説明したが、当該設定温度入力画面401には、スライダー402の代わりに、例えばユーザが設定温度(数値)を直接入力することが可能な設定温度入力欄が設けられていてもよい。また、設定温度入力画面401に「+」ボタン及び「−」ボタンが設けられており、ユーザが当該「+」ボタン及び「−」ボタンを繰り返し押下することによって設定温度を入力(変更)することができるようにしてもよい。
ところで、上記したように発熱部として機能する第3層11cを形成する導電材質として銀を採用した場合、抵抗線がある状態下でも、電流が供給されることによって概ね38℃から100℃程度まで発熱することが可能である。
一方、本実施形態においては、ヒートモジュール10(面状ヒータ11)の発熱温度を制御するための設定温度をユーザがユーザ端末20を用いて入力することが可能であるが、例えばヒートモジュール10を使用した経験が少ないユーザの場合、当該ユーザが実際に体感する温度とヒートモジュール10の発熱温度(つまり、設定温度)との相違を判断することが困難である。
具体的には、ヒートモジュール10を使用した経験が少ないユーザは、ヒートモジュール10が装着された衣服を着用した場合において、図10に示す設定温度「38℃」が比較的高い設定温度であるか比較的低い設定温度であるかを把握することが困難である。図11に示す設定温度「53℃」についても同様である。
このため、本実施形態においては、例えばユーザによって入力された設定温度に応じた色彩が設定温度入力画面401に表示されるものとする。
この場合、例えば図10に示す設定温度「38℃」が比較的低い温度であるものとすると、設定温度入力画面401には、例えば黄色のような色彩が表示される。一方、例えば図11に示す設定温度「53℃」が比較的高い温度であるものとすると、設定温度入力画面401には、例えば赤色のような色彩が表示される。
このような構成によれば、上記したように例えば設定温度入力画面401においてユーザが設定温度を直接入力するような場合であっても、当該設定温度が高いか低いかを当該ユーザが直感的に把握することができるため、ユーザが意図しない設定温度を入力してしまう事態を回避することができる。
再び図9に戻ると、ユーザ端末20に含まれる温度取得部201は、設定温度入力画面401においてユーザによって入力された設定温度を取得する(ステップS3)。
制御部302は、ステップS3において取得された設定温度を、ヒートモジュール10に送信する(ステップS4)。
ここで、本実施形態においては、ヒートモジュール10が装着された衣服を着用したユーザが、スマートフォンのようなユーザ端末20を操作する場合を想定している。このため、本実施形態において、ヒートモジュール10及びユーザ端末20は、例えばBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信規格に基づく無線通信(つまり、近距離無線通信)を実行するものとする。
なお、ヒートモジュール10及びユーザ端末20間でBluetooth規格に基づく無線通信を実行する場合、当該ヒートモジュール10に備えられる通信デバイス102及び当該ユーザ端末20に備えられる通信デバイス24は、例えばBluetooth通信チップを含む。また、ヒートモジュール10及びユーザ端末20が近距離無線通信を実行するために必要なペアリング等の処理は、図9に示す処理が実行される前に実行されているものとする。
ステップS4の処理が実行されると、ヒートモジュール10に備えられるプロセッサ101は、通信デバイス102を介して、当該ステップS4において送信された設定温度を受信する。
プロセッサ101は、受信された設定温度に基づいて面状ヒータ11(の第3層11cを形成するプリント配線)に供給する電流量を制御する(ステップS5)。本実施形態においては、面状ヒータ11に供給される電流量に応じて当該面状ヒータ11の発熱温度が変化するため、プロセッサ101は、当該発熱温度が設定温度となるように電流量を制御(調整)する。
ここで、ヒートモジュール10に備えられるセンサ103は、継続的に(または定期的に)面状ヒータ11の発熱温度を計測するように構成されている。このため、ステップS5の処理が実行された後に、プロセッサ101は、センサ103によって計測された発熱温度を取得する(ステップS6)。
この場合、プロセッサ101は、ステップS6において取得された発熱温度に基づくフィードバック制御を実行する(ステップS7)。すなわち、プロセッサ101は、上記したステップS4においてユーザ端末20から送信された設定温度と、例えばステップS6において取得された発熱温度とを比較し、当該発熱温度が当該設定温度とが一致するように電流量を再度制御する。
なお、図9においては示されていないが、上記したステップS6及びS7の処理は、ヒートモジュール10が動作している(つまり、ヒートモジュール10の電源がオンされている)間は継続的に繰り返される。
また、ヒートモジュール10が動作している間にユーザはユーザ端末20を操作することによって設定温度を変更する(つまり、新たな設定温度を入力する)ことができるが、当該設定温度が変更された場合には、ステップS3以降の処理が再度実行されればよい。
すなわち、図9に示す処理は、例えばヒートモジュール10に備えられているコネクタ部12からバッテリ30が取り外されることによって、ヒートモジュール10の電源がオフされた場合に終了する。
更に、図9に示す例では、バッテリ30からの電力がヒートモジュール10に供給されることによって当該ヒートモジュール10の電源がオンされるものとして説明したが、ヒートモジュール10は、当該ヒートモジュール10に備えられるコネクタ部12にバッテリ30が接続された後、ユーザ端末20に対するユーザの操作に応じて電源をオンするように構成されていてもよい。この場合、ユーザの操作に応じて、電源をオンするための制御信号がユーザ端末20からヒートモジュール10に送信されることによって、ヒートモジュール10の電源をオンすることができる。同様に、ヒートモジュール10は、ユーザ端末20に対するユーザの操作に応じて電源がオフされるように構成されていてもよい。
ここで、本実施形態に係るヒートシステム1において、面状ヒータ11は例えば衣服に装着されて使用されるが、このように面状ヒータ11が装着された状態の衣服をユーザが長時間着用した場合には、低温やけどを発症する可能性がある。なお、低温やけどは、長時間にわたって皮膚表面に熱源が作用することによって発症することが知られている。このため、本実施形態においては、低温やけどを防止する仕組みが有用である。
そこで、本実施形態においては、上記したようにセンサ103によって計測される面状ヒータ11の発熱温度が定期的にヒートモジュール10からユーザ端末20に送信され、このように定期的にヒートモジュール10から送信される発熱温度を用いて低温やけどを防止するための処理(以下、低温やけど防止処理と表記)がユーザ端末20において実行されるものとする。
以下、図12のフローチャートを参照して、上記した低温やけど防止処理の処理手順の一例について説明する。なお、この低温やけど防止処理は、ユーザ端末20に含まれる制御部202によって実行される。
まず、制御部202は、上記したようにヒートモジュール10から送信された発熱温度(以下、第1発熱温度と表記)を受信する(ステップS11)。
ステップS11の処理が実行されると、制御部202は、経過時間の計測を開始する(ステップS12)。なお、上記したようにユーザ端末20上では専用のアプリケーションプログラムが起動されているが、ステップS12における経過時間の計測は、当該アプリケーションプログラムのバックグラウンドで実行される。
ここで、上記したようにヒートモジュール10に備えられるセンサ103によって計測される発熱温度は、定期的にヒートモジュール10からユーザ端末20に送信されるところ、上記した第1発熱温度の次にセンサ103によって計測された発熱温度(以下、第2発熱温度と表記)がヒートモジュール10から送信されたものとする。
このようにヒートモジュール10から送信された第2発熱温度は、制御部202によって受信される(ステップS13)。
次に、制御部202は、ステップS11において受信された第1発熱温度とステップS13において受信された第2発熱温度とを比較し、第2発熱温度が第1発熱温度から変化しているか否かを判定する(ステップS14)。
なお、ステップS14においては、例えば第1発熱温度と第2発熱温度との変化量を算出し、当該変化量が予め定められた値(以下、第1閾値と表記)未満である場合には、第2発熱温度が第1発熱温度から変化していないと判定されるものとする。一方、第1発熱温度と第2発熱温度との変化量が第1閾値以上である場合には、第2発熱温度が第1発熱温度から変化していると判定される。
第2発熱温度が第1発熱温度から変化していないと判定された場合(ステップS14のNO)、制御部202は、ステップS12において開始された経過時間の計測値(つまり、ステップS12の処理が実行されてからの経過時間)が予め定められた値(以下、第2閾値と表記)に到達したか否かを判定する(ステップS15)。
なお、第2閾値としては、例えば低温やけどを発症しない程度の時間(期間)に相当する値が予め設定されている。具体的には、第2閾値としては例えば30分または1時間等が設定され得るが、当該第2閾値は他の値であってもよい。また、低温やけどを発症するまでの時間は、発熱温度に応じて異なることが考えられる。このため、第2閾値は、上記した設定温度入力画面401においてユーザによって入力されている設定温度(つまり、図9に示すステップS3において取得された設定温度)に応じて動的に変更される構成であっても構わない。この場合、例えば設定温度(の範囲)の各々に対応する第2閾値をユーザ端末20内に予め保持していればよい。
経過時間の計測値が第2閾値に到達していないと判定された場合(ステップS15のNO)、ステップS13に戻って処理が繰り返される。
一方、経過時間の計測値が第2閾値に到達したと判定された場合(ステップS15のYES)、制御部202は、上記した設定温度入力画面401においてユーザによって入力されている設定温度とは異なる設定温度をヒートモジュール10に送信する(ステップS16)。
なお、ステップS16においてヒートモジュール10に送信される設定温度は、少なくとも現在の設定温度(設定温度入力画面401においてユーザによって入力されている設定温度)よりも低い(例えば、予め定められた値以上低い)値であればよいが、例えば低温やけどを防止することができる程度の予め定められた値であってもよいし、設定温度入力画面401においてユーザによって入力されている設定温度から予め定められた値を減算することによって取得されるような値であってもよい。
上記したステップS16の処理が実行された場合、ヒートモジュール10に備えられるプロセッサ101は、当該ステップS16において送信された設定温度に基づいて面状ヒータ11の発熱温度を制御する。なお、ステップS16の処理が実行されると、ステップS11に戻って処理が繰り返される。
また、上記したステップS14において第2発熱温度が第1発熱温度から変化していると判定された場合(ステップS14のYES)、ステップS12において開始された経過時間の計測がリセットされる(ステップS17)。
ステップS17の処理が実行されると、ステップS12に戻って処理が繰り返される。この場合、ステップS13において受信された第2発熱温度を第1発熱温度としてステップS12以降の処理が実行される。
上記した低温やけど防止処理によれば、面状ヒータ11の発熱温度に変化がない(つまり、定期的に送信される発熱温度の変化量が第1閾値未満である)状態が予め定められた時間(つまり、経過時間が第2閾値に到達するまで)継続した場合には、自動的に設定温度を低下させることができる。
なお、図12に示す例では、ステップS16の処理が実行されるものとして説明したが、例えば経過時間(の計測値)が第2閾値に到達した場合には、ヒートモジュール10の電源をオフする処理が実行される(つまり、ヒートモジュール10の電源をオフする制御信号がヒートモジュール10に送信される)ようにしてもよい。
また、図12に示す例ではステップS16の処理が実行された後にステップS11に戻って処理が繰り返されるものとして説明したが、例えばステップS16の処理が実行された後に一旦処理を停止し、設定温度入力画面401において新たな設定温度(例えば、予め定められた値以上の設定温度)がユーザによって入力された場合に再度ステップS11以降の処理が実行されるようにしてもよい。これによれば、低温やけど防止処理の処理量を低減することができる。
また、図12に示す例では、ステップS14において第2発熱温度が第1発熱温度から変化していると判定された場合にステップS17に示す処理が実行されるものとして説明したが、低温やけどを防止する観点からは、第2発熱温度が第1発熱温度から変化している場合であっても、当該第2発熱温度が第1発熱温度よりも高い場合には、ステップS15の処理が実行されるようにしてもよい。
上記したように本実施形態において、ユーザ端末20は、ユーザの操作に応じて設定温度(第1設定温度)を取得し、当該取得された設定温度をヒートモジュール10に送信する。また、本実施形態において、ヒートモジュール10は、面状に形成され、発熱可能に構成されている面状ヒータ11(発熱部)を備え、ユーザ端末20から送信された設定温度に基づいて当該面状ヒータ11の発熱温度(発熱部による発熱温度)を制御する。なお、ヒートモジュール10は及びユーザ端末20間では、例えばBluetoothのような近距離無線通信が実行される。
本実施形態においては、上記した構成により、例えば面状ヒータ11が衣服に装着されて使用されるヒートモジュール10を直接操作することなく、ユーザ端末20(アプリケーションプログラム)による温度設定(調整)が可能となるため、ヒートモジュール10を使用するユーザの利便性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態において、ヒートモジュール10は外部のバッテリ30とコネクタ12aを介して接続可能に構成されており、当該バッテリ30から供給される電力に基づいて動作する構成であるため、例えば外出時等におけるヒートモジュール10の長時間の使用を可能とする。
更に、本実施形態においては、ヒートモジュール10は面状ヒータ11の発熱温度を計測するセンサ103を備え、当該センサ103によって計測された発熱温度は定期的にユーザ端末20に送信される。この場合、ユーザ端末20(制御部202)は、ヒートモジュール10から定期的に送信される発熱温度に基づいて上記した低温やけど防止処理を実行することによって、現在の設定温度(第1設定温度)とは異なる設定温度(第2設定温度)をヒートモジュール10に送信する。
具体的には、第2設定温度は、予め定められた時間(経過時間が第2閾値に到達するまでの時間)、ヒートモジュール10から定期的に送信される発熱温度の変化量が予め定められた値(第1閾値)未満である場合に、ヒートモジュール10に送信される。また、この第2設定温度は、第1設定温度よりも予め定められた値以上低い値であるものとする。
このような構成によれば、例えば同一の設定温度が入力された状態(つまり、同一の発熱温度)が一定時間継続した場合には、当該設定温度を自動的に下げることが可能であるため、低温やけどの発症を防止することが可能となる。
換言すれば、本実施形態においては、ヒートモジュール10に備えられるセンサ103によりユーザ端末20からのヒートモジュール10のモニタリングを可能とし、当該モニタリングにより所定の発熱温度が一定時間以上ユーザに作用することを防止することができる。
なお、本実施形態においては第2設定温度がヒートモジュール10に送信される構成について主に説明したが、予め定められた時間(経過時間が第2閾値に到達するまでの時間)、ヒートモジュール10から定期的に送信される発熱温度の変化量が予め定められた値(第1閾値)未満である場合には、例えばヒートモジュール10の動作を停止させる(つまり、ヒートモジュール10の電源をオフする)制御信号を当該ヒートモジュール10に送信する構成としてもよい。このような構成の場合であっても、低温やけどを防止することができる。
ここで、例えば面状ヒータ11を発熱部として機能させるために銅線を用いる(つまり、導線に電流を供給し発熱させる)構成も可能であるが、このような構成によれば、当該銅線が断線した場合には面状ヒータ11の発熱部としての機能が失われるため、耐久性に課題がある。更に、銅線の断線は、発火事故等の原因にもなり得る。
これに対して、本実施形態における面状ヒータ11は、通電により熱を発する導電材質の配線をプリントすることによって形成される発熱層(第3層11c)を含む。また、本実施形態においては、この導電材質として銀を採用している。
本実施形態においては、このような構成により、発熱層における配線の断線を抑制することが可能であるため、耐久性を向上させ、更に、発火事故等の発生を防止することができる。
なお、面状ヒータ11を構成する他の層の形成においては断熱素材及び安全特性のある素材等が採用されていればよく、当該面状ヒータ11は、熱を均等に伝えることができるように構成されていれば、図3において説明した構造と異なる構造を有していてもよい。
また、本実施形態において、ユーザ端末20はユーザが設定温度(第1設定温度)を入力するための設定温度入力画面401を表示し、当該設定温度入力画面401においては、ユーザによって入力される設定温度に応じた色彩が表示される。本実施形態においては、このような構成により、ユーザが入力した設定温度が比較的高い温度であるか比較的低い温度であるか等をユーザが直感的に把握することが可能であり、ユーザは意図された設定温度を入力することができるようになる。
更に、本実施形態においては、ヒートモジュール10が衣服に装着されること(つまり、ヒートモジュール10とアパレル製品とのセット)によって、外出時等においてユーザに対して暖房機能を提供することが可能である。なお、ヒートモジュール10が装着される衣服には、一般的に着用されるもの以外に、専門的な作業着や高齢者が着用する衣服等が含まれていてもよい。
本実施形態においてはヒートモジュール10が衣服に装着される場合について説明したが、当該ヒートモジュール10は、例えば屋外で用いられるアウトドア用品等に装着されてもよいし、その他のチェアやクッション(座布団)等に装着されてもよい。
また、本実施形態においてはバッテリ30からヒートモジュール10に電力が供給されるものとして説明したが、当該ヒートモジュール10は、他の経路で電力が供給される構成であってもよい。具体的には、ヒートモジュール10は、例えば外部のパーソナルコンピュータとコネクタ12aを介して接続可能に構成されており、当該パーソナルコンピュータから供給される電力に基づいて動作するように構成されていてもよい。また、ヒートモジュール10は、例えばコンセントアダプタ(USBコンセントアダプタ)とコネクタ12aを介して接続可能に構成されており、当該コンセントアダプタを介して商用電源(コンセント)から供給される電力に基づいて動作するように構成されていてもよい。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
1…ヒートシステム、10…ヒートモジュール、11…面状ヒータ(発熱部)、11a…第1層、11b…第2層、11c…第3層、11d…第4層、11e…第5層、12…コネクタ部、20…ユーザ端末、21…不揮発性メモリ、22…CPU、23…メインメモリ、24…通信デバイス、25…入力デバイス、26…表示デバイス、30…バッテリ、101…プロセッサ、102…通信デバイス、103…センサ、201…温度取得部、202…制御部。

Claims (13)

  1. ユーザによって使用されるユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信可能に接続されるヒートモジュールとを具備するヒートシステムにおいて、
    前記ユーザ端末は、
    前記ユーザの操作に応じて第1設定温度を取得する取得手段と、
    前記取得された第1設定温度を前記ヒートモジュールに送信する第1制御手段と
    を含み、
    前記ヒートモジュールは、
    面状に形成され、発熱可能に構成されている発熱手段と、
    前記送信された第1設定温度に基づいて、前記発熱手段による発熱温度を制御する第2制御手段と、
    前記発熱手段による発熱温度を計測するセンサと、
    前記計測された発熱温度を定期的に前記ユーザ端末に送信する送信手段と
    を含み、
    前記第1制御手段は、
    前記定期的に送信される発熱温度に応じて経過時間の計測を開始し、
    前記定期的に送信される発熱温度の変化量が第1閾値未満である状態が、前記計測された経過時間が第2閾値に到達するまで継続した場合、前記第1設定温度よりも低い第2設定温度を前記ヒートモジュールに送信し、
    前記計測された経過時間が前記第2閾値に到達する前に、前記定期的に送信される発熱温度の変化量が前記第1閾値以上である場合、前記計測された経過時間をリセットする
    ヒートシステム。
  2. 前記ヒートモジュール及び前記ユーザ端末は、近距離無線通信を実行する請求項1記載のヒートシステム。
  3. 前記第1制御手段は、前記第2設定温度の代わりに、前記ヒートモジュールの動作を停止させる制御信号を当該ヒートモジュールに送信する請求項1記載のヒートシステム。
  4. 前記発熱手段は、通電により熱を発する導電材質の配線をプリントすることによって形成されている発熱層を含む請求項1〜のいずれか一項に記載のヒートシステム。
  5. 前記導電材質は、銀を含む請求項記載のヒートシステム。
  6. 前記ユーザ端末は、前記ユーザが第1設定温度を入力するための画面を表示する表示処理手段を更に含み、
    前記表示処理手段は、前記ユーザによって入力される第1設定温度に応じた色彩を前記画面に更に表示する
    請求項1〜のいずれか一項に記載のヒートシステム。
  7. 前記ヒートモジュールは、前記ユーザによって着用される衣服に装着される請求項1〜のいずれか一項に記載のヒートシステム。
  8. 前記ヒートモジュールは、外部のバッテリとコネクタを介して接続可能に構成されており、当該バッテリから供給される電力に基づいて動作する請求項1〜のいずれか一項に記載のヒートシステム。
  9. 前記ヒートモジュールは、外部のパーソナルコンピュータとコネクタを介して接続可能に構成されており、当該パーソナルコンピュータから供給される電力に基づいて動作する請求項1〜のいずれか一項に記載のヒートシステム。
  10. 前記ヒートモジュールは、コンセントアダプタとコネクタを介して接続可能に構成されており、当該コンセントアダプタを介して商用電源から供給される電力に基づいて動作する請求項1〜のいずれか一項に記載のヒートシステム。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のヒートシステムに用いられるヒートモジュール。
  12. ユーザによって使用されるユーザ端末と、面状に形成され、発熱可能に構成されている発熱手段を備えるヒートモジュールとを具備するヒートシステムが実行する方法であって、
    前記ユーザ端末に対する前記ユーザの操作に応じて第1設定温度を取得するステップと、
    前記取得された第1設定温度を前記ユーザ端末から前記ヒートモジュールに送信するステップと、
    前記送信された第1設定温度に基づいて、前記発熱手段による発熱温度を制御するステップと、
    前記発熱手段による発熱温度を計測するステップと、
    前記計測された発熱温度を定期的に前記ユーザ端末に送信するステップと、
    前記定期的に送信される発熱温度に応じて経過時間の計測を開始し、
    前記定期的に送信される発熱温度の変化量が第1閾値未満である状態が、前記計測された経過時間が第2閾値に到達するまで継続した場合、前記第1設定温度よりも低い第2設定温度を前記ヒートモジュールに送信するステップと
    前記計測された経過時間が前記第2閾値に到達する前に、前記定期的に送信される発熱温度の変化量が前記第1閾値以上である場合、前記計測された経過時間をリセットするステップと
    を具備する方法。
  13. 面状に形成され、発熱可能に構成されている発熱手段を有するヒートモジュールと通信可能に構成されているユーザ端末のコンピュータによって実行されるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    ユーザの操作に応じて第1設定温度を取得するステップと、
    前記取得された第1設定温度を前記ヒートモジュールに送信するステップと、
    前記発熱手段による発熱温度を定期的に前記ヒートモジュールから受信するステップと、
    前記定期的に受信される発熱温度に応じて経過時間の計測を開始するステップと、
    前記定期的に受信される発熱温度の変化量が第1閾値未満である状態が、前記計測された経過時間が第2閾値に到達するまで継続した場合、前記第1設定温度よりも低い第2設定温度を前記ヒートモジュールに送信するステップと
    前記計測された経過時間が前記第2閾値に到達する前に、前記定期的に受信される発熱温度の変化量が前記第1閾値以上である場合、前記計測された経過時間をリセットするステップと
    を実行させるプログラム。
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