JP4352441B2 - 隅付壁掛衛生設備機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2以上の壁面が接して形成される壁面コーナ部の所定高さ位置に設置される隅付壁掛衛生設備機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の隅付壁掛衛生設備機器は図7に示すように、螺子18により隅付壁掛衛生設備機器101の上縁背面側の両壁面14a、14bに接する部分を固定することで壁面に設置される。また、螺子18の腐食を防止すると共に意匠性の向上を図るために化粧キャップ19を取着するようになっている。この種の隅付壁掛衛生設備機器101は、2以上の壁面が接して形成される壁面の角度と、隅付壁掛衛生設備機器101の両壁面A、Bに接する部分14a、14bの角度に多少の差異があっても設置が可能である。
【0003】
また、図8に示す隅付壁掛衛生設備機器102は、両壁面に固定した取付具7に載置して設置されたものである。この種の隅付壁掛衛生設備機器102は、予め固定しておいた取付具7に隅付壁掛衛生設備機器102を載置して設置するので、一人でも施工ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図7に示す隅付壁掛衛生設備機器101は、施工の際、施工者が隅付壁掛衛生設備機器101を設置する高さに支えた状態で、螺子18による固定を行うため、一人で施工する場合は隅付壁掛衛生設備機器101の重量を片腕で支持しなければならず、施工者に負担がかかる上、設置位置がずれ易いなど、施工性に問題があった。また、上縁に化粧キャップ19を取着するため、化粧キャップ19周りの清掃性が悪いという問題があった。
【0005】
また、図8に示す隅付壁掛衛生設備機器102は、2以上の壁面が接して形成される壁面の角度と隅付壁掛衛生設備機器102の両壁面に接する部分14a、14bの角度に差異がある場合、取付具7に隅付壁掛衛生設備機器102を確実に載置することができず落下する恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、一人でも容易に施工ができる隅付壁掛衛生設備機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、2以上の壁面が接して形成される壁面コーナ部の所定高さ位置に設置される隅付壁掛衛生設備機器において、隅付壁掛衛生設備機器は、壁面の所定位置に取付けられた一つの取付具によって所定位置に支持されるとともに、隅付壁掛衛生設備機器の自重により取付具の支持部を中心として生じるモーメントを壁面に当接させて隅付壁掛衛生設備機器が取付具から脱落することを防止する脱落防止部を設け、前記脱落防止部は、前記両壁面が接する交線部と当接する位置に設けられていることを特徴とする。
【0008】
そして、請求項2記載の発明は、脱落防止部に隅付壁掛衛生設備機器を前記壁面に固定するための固定部材と係合する固定部を備えたことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項3記載の発明は、固定部に固定部材を挿通するための長孔の挿通孔を備えたことを特徴とする。
【0012】
そして、請求項記載の発明は、脱落防止部が、脱落防止部と隅付壁掛衛生設備機器の壁面に接する面を接地させて床面に立てた時に、隅付壁掛衛生設備機器が自立する長さを有することを特徴とする。
【0013】
【作用及び発明の効果】
請求項1の発明は、隅付壁掛衛生設備機器が、壁面の所定位置に取付けられた一つの取付具によって所定位置に支持されるとともに、隅付壁掛衛生設備機器の自重により前記取付具の支持部を中心として生じるモーメントを壁面に当接させて隅付壁掛衛生設備機器が取付具から脱落することを防止する脱落防止部を設けたので、一人で施工する場合でも隅付壁掛衛生設備機器を片腕で支持する必要がなくなるとともに、設置位置のずれを防止でき、施工性が向上する。また、2以上の壁面が接して形成される壁面の角度と、隅付壁掛衛生設備機器の両壁面に接する部分の角度に多少の差異があっても設置が可能である。
さらに、脱落防止部を両壁面が接する交線部と当接する位置に設けたので、脱落防止部が奥側になり使用者からは見え難くなるため、意匠性が向上する。
【0014】
請求項2の発明は、脱落防止部に隅付壁掛衛生設備機器を前記壁面に固定するための固定部材と係合する固定部を備えたので、別に固定部を設ける必要がなく、材料の削減と意匠性の向上が可能となる。
【0015】
請求項3の発明は、固定部に固定部材を挿通するための長孔の挿通孔を備えたので、長孔の範囲内で施工誤差が吸収でき、施工性が向上する。
【0018】
請求項の発明は、脱落防止部が、脱落防止部と隅付壁掛衛生設備機器の壁面に接する面を接地させて床面に立てた時に、隅付壁掛衛生設備機器が自立する長さを有するので、見えかかり面に傷を付けることなく床面に仮置き出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示された実施例に基づいて記述する。
【0020】
図1乃至図4は、洗面所、トイレルーム等の壁面Aと壁面Bが接して形成される壁面コーナ部10に、隅付壁掛手洗器1を設置した第一の実施例を示している。隅付壁掛手洗器1は、陶器で一体に成形された直角に交わる背面14a、14bと給水金具取付穴3を備えた上面20と給水金具からの吐水を受けて排水する排水口4を備えたボウル5とからなる。
【0021】
背面14aには、隅付壁掛手洗器1の重心Gよりも上方で取付具7により支持される支持部8を備え、交線部10aに固定具12を挿通するための長孔の挿通孔11aを開設された固定部11を備えた脱落防止部9が下方に向かって突設されている。
【0022】
隅付壁掛手洗器1を壁面コーナ部10へ設置する際には、水平よりも上方に勾配された突辺7aをもつ取付具7を、壁面Aの所定位置に螺子6によって固定した後、この取付具7に、隅付壁掛手洗器1の支持部8を嵌め込んで載置する。この時、隅付壁掛手洗器1はその自重により取付具7の支持部8aを中心として生じるモーメントMによって取付具7から脱落する方向への力が働くが、交線部10aに突設された脱落防止部9によってモーメントMが受けられる。
【0023】
次に、挿通孔11aにフック型の固定具12を引掛けて、固定具12を壁面Aに螺子13を用いて固定することで隅付壁掛手洗器1を壁面Aに固定する。この挿通孔11aは長孔形状であるので、フック型の固定具12を壁面Aに完全に螺子13を用いて固定する前に隅付壁掛手洗器1を長孔方向へ移動することで、交線部10aに隅付壁掛手洗器1の両背面14a、14bの交点とを合致させることができる。
【0024】
次に、図6に示す第二の実施例について説明する。
【0025】
本実施例は、第一の実施例における隅付壁掛手洗器1の両背面14a、14bに、脱落防止部15を追加したものである。図6において隅付壁掛手洗器1’は、脱落防止部9が突設されているとともに、両背面14a、14bの下方にもそれぞれ螺子17を挿通するための挿通孔16aを開設された固定部16を備えた脱落防止部15が突設されている。
【0026】
隅付壁掛手洗器1’を壁面コーナ部10に設置する際には、前記設置手順に加え両背面14a、14bの下方に突設された脱落防止部15の固定部16を螺子18によって固定することで、より確実に隅付壁掛手洗器1’を設置することができる。
【0027】
なお、図5に示す様に、脱落防止部9と背面14bとによって、背面14を床面Cに接地させて仮置きしても自立が可能となる。
【0028】
上記実施例では、陶器製の隅付壁掛手洗器の例を挙げたが、材質は陶器に限らず不飽和ポリエステルやアクリルなどの樹脂製でもよく、また、隅付壁掛衛生設備機器であれば手洗器に限定されず洗面器や流しなどのいずれでも良いことは言うまでもない。
隅付衛生設備機器の取付具の支持部を隅付衛生設備機器の重心より上方に設けたことで、脱落防止部の長さを抑えることができるため、見栄えが良くなり意匠性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例を示す隅付壁掛手洗器1を壁面コーナ部10に設置した状態を示す斜視図
【図2】 同上面図
【図3】 図2の(2)−(2)断面図
【図4】 取付具7の側面図
【図5】 背面14bを床面Cに接地させて仮置きした状態を示す図
【図6】 本発明の第二の実施例を示す隅付壁掛手洗器1’を壁面コーナ部10に設置した状態を示す斜視図
【図7】 従来の隅付壁掛衛生設備機器101の設置状態を示す正面図
【図8】 従来の隅付壁掛衛生設備機器102の設置状態を示す斜視図
【符号の説明】
A、B…壁面
C…床面
1、1’…隅付壁掛手洗器
3…給水金具取付穴
4…排水口
5…ボウル
7…取付具
7a…突辺
6、13、17、18…螺子
7…取付具
8…支持部
8a…支持部
9、15…脱落防止部
10…壁面コーナ部
10a…交線部
11、16…固定部
11a、16a…挿通孔
12…固定具
14、14a、14b…背面
19…化粧キャップ
20…上面
101、102…隅付壁掛衛生設備機器

Claims (4)

  1. 2以上の壁面が接して形成される壁面コーナ部の所定高さ位置に設置される隅付壁掛衛生設備機器において、該隅付壁掛衛生設備機器は、前記壁面の所定位置に取付けられた一つの取付具によって所定位置に支持されるとともに、前記隅付壁掛衛生設備機器の自重により前記取付具の支持部を中心として生じるモーメントを前記壁面に当接させて前記隅付壁掛衛生設備機器が前記取付具から脱落することを防止する脱落防止部を設け、前記脱落防止部は、前記両壁面が接する交線部と当接する位置に設けられていることを特徴とする隅付壁掛衛生設備機器。
  2. 前記脱落防止部は、前記隅付壁掛衛生設備機器を前記壁面に固定するための固定部材と係合する固定部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の隅付壁掛衛生設備機器。
  3. 前記固定部は、固定部材を挿通するための長孔の挿通孔を備えたことを特徴とする請求項2に記載の隅付壁掛衛生設備機器。
  4. 前記脱落防止部は、該脱落防止部と前記隅付壁掛衛生設備機器の壁面に接する面を接地させて床面に立てた時に、前記隅付壁掛衛生設備機器が自立する長さを有することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の隅付壁掛衛生設備機器。
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