JP4351872B2 - 燃料無交換反射体制御方式の高速炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体金属の冷却材に浸された炉心外側の中性子反射体を上下方向に移動させて炉心からの中性子の漏洩を調整することによって炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉に関し、特に中性子減速材と可燃性毒物とを混合した物質を炉心内に設置し、高速中性子を減速させると共に中性子吸収材に吸収させて中性子吸収能力を高めるとともに、燃料の無交換化による炉心の長寿命化を目指すことのできる反射体制御方式の高速炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速増殖炉において、炉心の寿命を延ばすことを目的とした反射体制御方式の高速増殖炉が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
液体金属を冷却材に用いた反射体制御方式の高速炉の一例を図7に示す。
原子炉容器46の内部中央には炉心41がある。炉心41の周囲は冷却材25で満たされている。冷却材25は、例えば液体ナトリウム等の液体金属である。冷却材25は、電磁ポンプ26によって原子炉容器46の内部を循環する。この循環した冷却材25は、炉心41に流入し、炉心41から熱を供給され、この炉心41から流出する。流出した冷却材25は、中間熱交換器27によって2次冷却材28に熱交換される。
【0004】
図8は、図7に示す高速炉の横断面図である。
炉心41には、図8に示すように、例えば六角形状の18本の燃料集合体29が設置されている。また、炉心41の中央には、可燃性毒物集合体42が設置されている。この可燃性毒物集合体42は、炉心41の炉停止に用いられる。可燃性毒物集合体42は、運転時には上方に引き抜かれる中性子吸収棒を兼用する中性子減速材を含んでいる。また炉心41は炉心バレル30によって囲まれている。
【0005】
この炉心バレル30の外側には、所定の隙間で冷却材25の流路を分割する隔壁44が設置される。炉心バレル30と隔壁44との間に設けられた空間には炉心41の運転に使用する中性子反射体43の移動領域が形成されている。さらに隔壁44の外側には中性子しゃへい体45が設置される。この中性子しゃへい体45の外側は原子炉容器46で覆われている。
【0006】
ここに、冷却材25は、隔壁44の内側を下から上方向に流れ、その途中で炉心41に入り核分裂によって生じた熱を奪って温度が上昇する。そして、この温度が上昇した冷却材25は、図7に示す中間熱交換器27の内部に入り、ここで2次冷却材28との熱交換を行った後、中間熱交換器27から下方向に流出する。この冷却材25は、図7に示す電磁ポンプ26によって昇圧され隔壁44の外側を通って炉心41の下部に回り込み、再び炉心41に導入される。
【0007】
中性子しゃへい体45は、原子炉容器46の中性子照射量を全プラント寿命にわたって所定値以下に制限するためのものであり、原子炉容器46と隔壁44との間に設置された複数の中性子しゃへい体45によって構成される。なお、符番47は、原子炉容器46を包囲するガードベッセルである。
【0008】
そして、炉心バレル30と隔壁44との間の移動領域には、図8に示すように中性子反射体43が設置されているが、この中性子反射体43は、図7に示す駆動装置31の駆動に伴って、炉心バレル30と隔壁44との間の移動領域内をこれに沿って上下方向に移動する。この中性子反射体43の移動と、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体42によって炉心41の中性子量を調整し、炉心41の燃焼による反応度変化を補償する。
【0009】
図9は金属水素化物からなる中性子減速材とガドリニウムなどの可燃性毒物を混合した物質を混合した可燃性毒物集合体42の一例を示す図である。
中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体42は、内部に複数のSUS等の構造材を材料とした被覆管49に中性子減速材を混合した可燃性毒物を装填した可燃性毒物ピンの集合体である。被覆管49の内部には、中性子減速材と可燃性毒物を混合した物質、例えば水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニムバナジウムとガドリニウムを混合した物質50が含まれている。
【0010】
図10は、図7に示す高速炉の燃焼中の各種反応度変化例を示す図である。
図10では、燃料集合体の燃焼反応度変化32、反射体による中性子吸収反応度効果33、可燃性毒物集合体による中性子反射反応度変化34および中性子吸収反応度効果33と中性子反射反応度変化34との合計35を示す。30年間の燃焼による燃料集合体29の余剰の反応度変化が大きく、中性子吸収反応度効果33の変化だけでは初期の燃料反応変化32をキャンセルすることができない。つまり、図9に示す燃焼反応変化32をもった30年間の長寿命炉心を構成すると、反射体制御だけでは初期炉心の中性子増倍率が大きすぎる。即ち、初期炉心構成で大きく臨界を超過してしまうので運転できない。
【0011】
これに中性子を吸収する可燃性毒物集合体42、例えばガドリニウムを炉内に挿入しておけば、燃料集合体29の初期の余剰な反応度をキャンセルし、さらに燃焼によってガドリニウムの中性子吸収効果は減少するため、燃料の燃焼反応度変化32の減少と共に、可燃性毒物集合体の反応度変化34も減少し、反射体制御による中性子反射体43の反応度変化33と可燃性毒物集合体の反応度変化34と合わせて長寿命の燃焼制御が可能となる。また当炉心のような高速炉では、可燃性毒物であるガドリニウムとともに中性子減速材である例えば水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニウムバナジウムを混合した物質を炉内に設置すれば、中性子を減速させて効果的な中性子の吸収が可能となる。これによって燃料無交換の超長寿命な炉心が実現できる。
【0012】
【特許文献1】
特開2001−235574号公報。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来技術では、中性子減速材と可燃性毒物を混合した可燃性毒物集合体42を炉心41内に設置し、燃焼初期に中性子吸収能力を高めたことによって、炉心寿命を向上できる。しかしながら、本炉心では燃焼末期に、可燃性毒物による中性子吸収効果が小さくなると、中性子減速材を混合した可燃性毒物近傍は中性子減速効果のみが卓越し、熱中性子が増加し、可燃性毒物近傍の燃料集合体の燃料ピンの発熱が大きくなり燃料温度が上昇する問題が生じる。
【0014】
本発明は前記課題に鑑みなされたもので、燃焼末期の可燃性毒物近傍の燃料ピンの発熱を抑制して燃料温度上昇を制限することが可能な、燃料無交換反射体制御方式の高速炉を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る燃料無交換反射体制御方式の高速炉は、液体金属の冷却材に浸された炉心の外側の中性子反射体を上下方向に移動させて当該炉心からの中性子の漏洩を調整することで炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉であって、前記炉心の中心部に装荷され、少なくとも高速中性子を吸収する可燃性毒物と前記高速中性子を減速する中性子減速材とを混合した物質の集合体を有し、前記混合物質集合体内の少なくとも中心部を含む内側部分の混合物質については該混合物質集合体内の最外周部を含む外側部分の混合物質と比較して前記中性子減速材の含有割合を高め、少なくとも最外周部を含む外側部分の混合物質については内側部分の混合物質と比較して前記可燃性毒物の含有割合を高めた炉心を具備したことを特徴とする。
【0016】
このような構成とすれば、燃焼初期は、炉心から中性子減速材と可燃性毒物を混合した物質の集合体に入ってくる高速中性子は、混合物質の集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。減速した中性子は混合物質集合体内にある可燃性毒物によって吸収される。これに対し、燃焼末期には、炉心から混合物質集合体に入ってくる中性子は、燃焼初期と同様に混合物質集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。ただし、混合物質集合体内の可燃性毒物が燃焼により少なくなっているため、減速した中性子はあまり吸収されず、炉心に戻ろうとする。しかし、混合物質集合体中央に減速材が多いため、熱中性子は混合物質集合体内中央では多いが、外周部には中性子吸収効果が残存しているため、その外側から炉心燃料内に出て行く量は小さくなる。このため燃焼末期でも混合物質集合体周囲の炉心燃料集合体の熱中性子量は小さくなり、結果として燃焼末期の熱中性子による部分的な大きな出力ピークの発生による燃料温度上昇を防止することができる。
【0019】
また、前記目的を達成するため、本発明の請求項に係る燃料無交換反射体制御方式の高速炉は、液体金属の冷却材に浸された炉心の外側の中性子反射体を上下方向に移動させて当該炉心からの中性子の漏洩を調整することで炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉であって、前記炉心の中心部に装荷され、少なくとも高速中性子を吸収する可燃性毒物と前記高速中性子を減速する中性子減速材とを混合した物質の集合体と、この炉心中心部の混合物質集合体の各辺に沿って装荷される、当該混合物質集合体と同一多角形の燃料集合体であって、その一辺に沿って配置される燃料ピンの燃料ペレットのスミア密度が他の部分のそれよりも低い燃料集合体と、前記混合物質集合体の各辺に沿って前記燃料集合体を装荷する際に、当該混合物質集合体の各辺に対応して前記燃料集合体のスミア密度の低い燃料ピンを装填した一辺を隣接して装填するための混合物質集合体の突起部と燃料集合体側の溝からなる装填機構とを備えた炉心を具備したことを特徴とする。
【0020】
このような構成とすれば、燃焼初期は、炉心から中性子減速材と可燃性毒物を混合した物質の集合体に入ってくる高速中性子は、混合物質集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。減速した中性子は混合物質集合体内にある可燃性毒物によって吸収される。これに対し、燃焼末期には、炉心から中性子減速材を混合した混合物質集合体に入ってくる中性子は、燃焼初期と同様に混合物質集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。ただし、混合物質集合体内の可燃性毒物が燃焼により少なくなっているため、減速した中性子はあまり吸収されず、炉心に戻ろうとする。しかし、炉心燃料集合体内のスミア密度が低い燃料ペレットを充填した燃料ピンを、装填機構により混合物質集合体周囲に設置するので、核分裂が少なく、燃焼末期でも混合物質集合体周囲の炉心燃料集合体の熱中性子量は小さくなり、結果として燃焼末期の熱中性子による部分的な大きな出力ピークの発生による燃料温度上昇を防止することができる。
【0021】
また、前記目的を達成するため、本発明の請求項に係る燃料無交換反射体制御方式の高速炉は、液体金属の冷却材に浸された炉心の外側の中性子反射体を上下方向に移動させて当該炉心からの中性子の漏洩を調整することで炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉であって、中央部分に高速中性子を吸収する可燃性毒物と前記高速中性子を減速する中性子減速材とを混合した物質を充填したピンを装填し、外周部分に燃料ペレットを充填した燃料ピンを装填し、前記炉心の中心部に装荷される集合体と、この集合体の周囲に装填され、燃料ペレットを充填した燃料ピンとを有し、前記集合体内の燃料ピン内の燃料ペレットのスミア密度を前記集合体の周囲に装填される燃料ピン内の燃料ペレットのそれよりも低くした炉心を具備したことを特徴とする。
【0022】
このような構成とすれば、燃焼初期は、炉心から中性子減速材と可燃性毒物を混合した物質の集合体に入ってくる高速中性子は、混合物質集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。減速した中性子は混合物質集合体内にある可燃性毒物によって吸収される。これに対し、燃焼末期には、炉心から中性子減速材を混合した混合物質集合体に入ってくる中性子は、燃焼初期と同様に混合物質集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。ただし、混合物質集合体内の可燃性毒物が燃焼により少なくなっているため、減速した中性子はあまり吸収されず、炉心に戻ろうとする。しかし、混合物質集合体内の外周部にスミア密度を低くした炉心燃料集合体を設置したため、核分裂が少なく、燃焼末期でも熱中性子量は小さくなり、結果として燃焼末期の熱中性子による部分的な大きな出力ピークの発生による燃料温度上昇を防止することができる。
【0023】
また、前記目的を達成するため、本発明の請求項に係る燃料無交換反射体制御方式の高速炉は、請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉であって、前記スミア密度を低くした燃料ピン内の燃料ペレットは、上下に貫通する中心空孔を形成し、スミア密度を低くしたことを特徴とする。
【0024】
前記のように構成した本発明によれば、燃焼初期は、炉心から中性子減速材をと可燃性毒物を混合した物質の集合体に入ってくる中性子は、混合物質集合体内において、特に混合物質集合体中央で減速される。減速した中性子は混合物質集合体内にある可燃性毒物によって吸収される。これに対し、燃焼末期には、炉心から中性子減速材を混合した混合物質集合体に入ってくる中性子は、燃焼初期と同様に混合物質集合体内において減速するが、混合物質集合体内の可燃性毒物が燃焼により少なくなっているため、あまり吸収されず、炉心に戻る。しかし、本発明では燃料ペレットに中心空孔を設けて燃料物質のスミア密度を低くしたため、核分裂が少なく、燃焼末期でも炉心燃料集合体の熱中性子量は小さくなり、結果として燃焼末期の熱中性子による部分的な大きな出力ピークの発生による燃料温度上昇を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係わる反射体制御方式の高速炉の横断面図である。なお、以下に示す各実施形態において、図1に示される構成要素と同一部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示すように、炉心1には、複数の燃料集合体1aが装荷される。ただし、炉心1の中央には可燃性毒物集合体2が装荷される。可燃性毒物集合体2は、少なくとも中性子減速材と可燃性毒物とを混合した物質を充填したピン(以下、可燃性毒物ピンと称する)の集合体である。中性子減速材と可燃性毒物とを混合した物質とは、例えば水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニウムバナジウムとガドリニウムを混合した物質である。炉心1の外側には中性子反射体3が配置される。中性子反射体3は、カバーガス空間を含む、例えばグラファイトあるいはSUS等の構造材で構成され、例えば長さ約200cm、厚さ約15cmのものが使用されている。中性子反射体3の外側には隔壁4が設けられる。隔壁4の外側には中性子しゃへい体5が装荷される。さらに、原子炉容器6の外側にはガードベッセル7が設けられる。
【0026】
図2は、図1に示す可燃性毒物集合体2の一例を示す図である。
図2に示すように、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2には、SUS等の構造材を材料とした複数の被覆管9が装填される。被覆管9の内部には混合物質10または11が含まれる。混合物質10、11は、中性子減速材と可燃性毒物とを混合した物質である。混合物質11を含んだ被覆管9は、可燃性毒物集合体2内に装填される各可燃性毒物ピンの中性子減速材および可燃性毒物の混合割合を均一にした場合(以下、従来装填時と称する)と比較して、中性子減速材である水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニウムバナジウムの含有量を多くし、可燃性毒物であるガドリニウムの含有量を少なくした高濃度減速材混合の可燃性毒物ピンである。つまりこの高濃度減速材の混合物質11を含んだ可燃性毒物ピンでは、中性子減速材と可燃性毒物との合計量が従来装填時と同じである場合と比較して、中性子減速材の含有割合を高くしてある。
【0027】
また、混合物質10を含んだ被覆管9は、従来装填時と比較して、中性子減速材である水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニウムバナジウムの含有量を少なくし、可燃性毒物であるガドリニウムの含有量を多くした低濃度減速材混合の可燃性毒物ピンである。つまりこの低濃度減速材混合の混合物質10を含んだ可燃性毒物ピンでは、中性子減速材と可燃性毒物との合計量が従来装填時と同じである場合と比較して可燃性毒物の含有割合を高くしてある。なお、本実施形態において、混合物質10および11内の中性子減速材および可燃性毒物の混合割合の具体的な数値については特に限定されるものではない。
【0028】
混合物質11を含んだ可燃性毒物ピン9は、図2に示すように可燃性毒物集合体2の中心部および該中心部に隣接する外側に装填される。また、混合物質10を含んだ可燃性毒物ピン9は、図2に示すように、可燃性毒物集合体2内の最外周部および該最外周部に隣接する内側に装填される。つまり、可燃性毒物集合体2内の外側部分においては中心部と比較して中性子減速材の混合割合が少ない低濃度減速材の混合物質10が充填され、中心部においては、外側部分と比較して中性子減速材の混合割合が高い高濃度減速材の混合物質11が充填される。
【0029】
なお、可燃性毒物集合体2において、混合物質10を含む可燃性毒物ピン9の数および混合物質11を含む可燃性毒物ピン9の数の比については特に限定されるものではない。つまり、混合物質11を含む可燃性毒物ピン9が少なくとも可燃性毒物集合体2の中心部に装填され、混合物質10を含む可燃性毒物ピン9が少なくとも可燃性毒物集合体2の最外周部に装填されていればよい。
【0030】
次に、前記第1実施形態における反射体制御方式の高速炉の作用について説明する。
図3は、図1に示す炉心1の燃焼末期状態における中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2内外の熱中性子分布例を示す図である。
燃焼末期では、炉心1内の可燃性毒物であるガドリニウムの燃焼により、ガドリニウムの熱中性子吸収効果が小さくなり、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2内の熱中性子は増加する。中性子減速材と可燃性毒物の混合比を均一にした場合は、点線で示すように、可燃性毒物集合体2内の外側で熱中性子が増加し、可燃性毒物集合体2に隣接する燃料集合体1a内の熱中性子量も増加する。このため燃焼末期では中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2に隣接する燃料集合体1a内の燃料ピンの発熱量が増大し、燃料温度が上昇してしまう。しかし、熱中性子は飛程が小さいので、実線で示すように可燃性毒物集合体2内の外側に装填される可燃性毒物ピンに充填される物質10として中性子減速材の混合割合が小さい低濃度減速材とすると、可燃性毒物集合体2中心部では熱中性子が増加するが、外側部分は熱中性子が減少して、可燃性毒物集合体2に隣接する燃料集合体1a内ではほとんど熱中性子が増加しない。このため、燃焼末期の熱中性子の増加による、部分的な発熱ピークは小さくなり、燃料温度上昇が小さくなる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態が、第1実施形態と異なる点は、以下の通りである。即ち、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2の代わりに、中性子減速材と可燃性毒物との混合割合分布を均一とした可燃性毒物集合体を用いる。そして炉心1内に装荷している燃料集合体1a内の燃料ピン内の燃料ペレットのスミア密度を、第1実施形態で用いた燃料集合体1aのスミア密度と比較して低くする。本実施形態において、燃料ペレットのスミア密度を、例えば、炉心1内の外周部分から中心部に向かうにしたがって低くする。これによって、特に炉心1中心部に隣接した箇所における出力運転時の発熱密度が下がり、燃焼末期の熱中性子束上昇による燃料温度の上昇を制限することができる。
【0032】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図4は、本発明の第3実施形態に係わる反射体制御方式の高速炉の可燃性毒物集合体2aとそれに隣接する燃料集合体12を示す図である。
この第3実施形態は、第1実施形態の変形例の一例であり、第2実施形態をより具体化したものである。第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、以下の通りである。即ち、第1実施形態で用いた可燃性毒物集合体2の代わりに、図4に示すように、中性子減速材と可燃性毒物を混合した物質内の混合割合の分布を均一とした可燃性毒物集合体2aを用いる。また、可燃性毒物集合体2aに隣接する燃料集合体として、第1実施形態で用いた燃料集合体1aの代わりに燃料集合体12を用いる。
【0033】
燃料集合体12内には、燃料ピン13および燃料ピン14が装填される。ただし、燃料ピン13は可燃性毒物集合体2aに近隣した箇所に装填された燃料ピンであり、燃料ピン14は、燃料集合体12内のその他の箇所に装填された燃料ピンである。燃料ピン14の燃料ペレットのスミア密度は、第1実施形態で用いた燃料集合体1a内に装填される燃料ピンの燃料ペレットのスミア密度と同じであるが、燃料ピン13の燃料ペレットのスミア密度を燃料ピン14の燃料ペレットのスミア密度と比較して低くする。これにより定格時の発熱密度が下がる。したがって燃焼末期に熱中性子束が上昇しても燃料温度の上昇を制限することができる。
【0034】
図5は本発明の第3実施形態の変形例を示す図である。同図(a)は、本実施形態で用いる可燃性毒物集合体2aおよび該可燃性毒物集合体2aに隣接する燃料集合体15の平面図であり、同図(b)は、同図(a)に示した可燃性毒物集合体2aに対する燃料集合体15のセルフオリエンテーション機構18を示す側面図である。
【0035】
既に説明した第3実施形態においては、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2aには、必ずスミア密度を低くした燃料ピン13を隣接させる必要がある。このために、図4で説明した燃料集合体12の代わりに燃料集合体15を用いた例を説明する。この燃料集合体15には、燃料集合体12と比較して、その一角に溝16が設けられている。溝16は、例えば図5に示すように、燃料集合体15の長軸方向に沿って形成される。
【0036】
また、この変形例においては、図4で説明した可燃性毒物集合体2aの代わりに可燃性毒物集合体2bを用いる。この可燃性毒物集合体2bには、可燃性毒物集合体2aと比較して、複数のハンドリングヘッドキー17を取り付ける。ハンドリングヘッドキー17は可燃性毒物集合体2bのハンドリングヘッドに取り付けられる。ハンドリングヘッドキー17は、燃料集合体15の溝16と嵌合させるものである。なお、図5においては、図示している燃料集合体15の溝16と対応するハンドリングヘッドキー17のみを図示している。
【0037】
そして、燃料集合体15にはセルフオリエンテーション機構(装填機構)18が設けられる。このセルフオリエンテーション機構18は、燃料集合体15を炉内に挿入した場合にこれを可燃性毒物集合体2bのハンドリングヘッドキー17に沿って回転させる機構である。燃料集合体15の回転方向については特に限定されるものではない。セルフオリエンテーション機構18を用いることで、炉心1に可燃性毒物集合体2bを装荷した後に燃料集合体15を装荷する際に、これを可燃性毒物集合体2bのハンドリングヘッドキー17に沿って回転させることができる。そして、回転させた燃料集合体15の溝16を可燃性毒物集合体2bのハンドリングヘッドキー17と嵌合させる。すると、燃料集合体15は可燃性毒物集合体2bに固定される。
【0038】
これにより、燃料集合体15内の溝16を設けた面に沿わせて装填した燃料ピンを必ず可燃性毒物集合体2aの一辺に沿って隣接させることができる。つまり、燃料集合体15の溝16を可燃性毒物集合体2bのハンドリングヘッドキー17に嵌合させたときに当該燃料集合体15における可燃性毒物集合体2bに隣接する面にスミア密度の低い燃料ピン13が設置されるように予め構成しておくことで、当該燃料集合体15内のスミア密度が低い燃料ピン13を意図的に可燃性毒物集合体2bに隣接させることができるようになる。溝16およびハンドリングヘッドキー17を設ける箇所および形状については特に限定されるものではなく、セルフオリエンテーション機構18により、可燃性毒物集合体2bの溝16と燃料集合体15のハンドリングヘッドキー17とが嵌合して、燃料集合体15の燃料ピン13が可燃性毒物集合体2bに隣接できるような箇所および形状であればよい。
【0039】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図6は、本発明の第4実施形態の特徴を示す図である。
この第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。第4実施形態が、第1実施形態と異なる点は、以下の通りである。つまり、例えば第1実施形態で用いた可燃性毒物集合体2の代わりに図6に示す可燃性毒物集合体20を用いる。この可燃性毒物集合体20には、中性子減速材を混合した可燃性毒物を充填した可燃性毒物ピン19と、スミア密度を低くした燃料ピン13(図4参照)とがともに装填される。可燃性毒物ピン19における中性子減速材と可燃性毒物の混合割合の分布は均一である。可燃性毒物集合体20内の外側つまり最外周部および該最外周部に隣接する箇所にはスミア密度を低くした燃料ピン13を装填し、それ以外の中央部分には可燃性毒物ピン19を装填する。可燃性毒物集合体20において、燃料ピン13は、図6に示した箇所に限らず、少なくとも可燃性毒物集合体20の最外周部の箇所に装填されていればよい。
【0040】
これにより燃焼初期は低い出力で発熱する。また、燃焼末期には、可燃性毒物が燃焼により減少するため集合体内の熱中性子が増加し、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体20内の燃料ピン13の発熱が上昇する。しかし、燃料ピン13は通常の燃料よりスミア密度が低いので、熱中性子束増加にもかかわらず燃料温度の上昇を制限することができる。
【0041】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
この第5実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いたスミア密度の低い燃料ピン13の代わりに、燃料ピン14の燃料ペレットに中心空孔を設けた燃料ピンを用いることでスミア密度を低くしている。これにより発熱密度が低くなり、燃焼末期の熱中性子束の増加にもかかわらず、燃料温度の上昇を制限することができる。
【0042】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
この第6実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いた燃料ピン13の代わりに粉末状の燃料物質を振動充填した燃料ピンを用いることでスミア密度を低くしている。これにより発熱密度が下がり、燃焼末期の熱中性子束の増加にもかかわらず燃料温度の上昇を制限することができる。
【0043】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
この第7実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いた燃料ピン13の代わりに、燃料ピン14の径を細径化し、線出力を下げ、ピンピッチ/ピン径が大きく成型された燃料ピンを用いる。これにより燃料密度が低くなるため冷却材圧力損失が低減して、定格時の燃料温度、冷却材出口温度が下がる。したがって燃焼末期の熱中性子束の増加による燃料温度の上昇を制限できる。
【0044】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
この第8実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いた燃料ピン13の代わりに、燃料ピン14のプルトニウム富化度あるいはウラン濃縮度が低く成型された燃料ピンを用いる。プルトニウム富化度あるいはウラン濃縮度を下げると核分裂数が低下するので発熱密度が低下する。これにより燃焼末期の熱中性子束の増加にもかかわらず燃料温度の上昇を制限することができる。
【0045】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
この第9実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いた燃料ピン13の代わりに、燃料ピン14と同様にスミア密度が低く、かつプルトニウム富化度あるいはウラン濃縮度が高く成型された燃料ピンを用いる。このようにプルトニウム富化度あるいはウラン濃縮度を上げることにより、中性子減速材を混合した可燃性毒物近傍の燃料ピンのスミア密度を下げたことによる燃焼初期の発熱密度の低下が緩和される。燃焼末期には、核分裂性物質は減少しており、スミア密度も低い。このため、熱中性子束が増加していても、発熱量の増加は制限され、燃料温度上昇は制限される。これにより寿命中の発熱をできるだけ一定にさせることができる。
【0046】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について説明する。
この第10実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いた、中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2近傍の燃料ピン13に代えて、核分裂性物質と、ジルコニアまたは非燃料物質を振動充填により混合した燃料物質を燃料ペレットの代替物として充填した燃料ピンを用いる。核分裂性物質は、例えば、酸化プルトニウムあるいは濃縮した酸化ウラニウムである。非燃料物質は、例えば、マグネシアあるいはアルミナ等である。これにより、燃焼初期は、酸化プルトニウムあるいは酸化ウラン内の核分裂性物質の燃焼により発熱させる。燃焼末期には、核分裂性物質は減少し、発熱量は低下する。燃焼末期は可燃性毒物集合体2内の可燃性毒物は減少しており、中性子減速材により熱中性子束が増加する。熱中性子束は増加するが、核分裂性物質は大きく減少しており、発熱密度の増加は制限され、燃料温度上昇は制限される。これにより寿命中の発熱が一定に保持される。
【0047】
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について説明する。
この第11実施形態は、第2〜第4実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第3および第4実施形態で用いた燃料ピン13を用いる代わりに、内部の燃料物質を熱中性子吸収体にてコーティングして成型された物質を燃料ペレットとして充填した燃料ピンを用いる。熱中性子吸収体は、例えば、ホウ素化ジルコニウム(ZrB)である。これにより、燃焼末期の中性子減速材と可燃性毒物の近傍における熱中性子束増加に対しても、燃料物質をコーティングしている熱中性子吸収体により、熱中性子が吸収され、発熱密度の増加が制限され、燃料温度の上昇が制限される。
【0048】
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について説明する。
この第12実施形態は、第1および第2実施形態の変形例を説明するものである。つまり、例えば第1実施形態で用いた可燃性毒物集合体2の代わりに、中性子減速材、例えば水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニウムバナジウムと可燃性毒物として濃縮したガドリニウム157と、ボロンまたは希土類酸化物のジスプロシア、サマリア、ユーロピアを混合した物質である。濃縮したガドリニウム157は、第1実施形態で用いたガドリニウムと比較して、中性子を吸収し易い。これにより、長期間の吸収反応度の低下を滑らかにする。したがって、燃焼末期の熱中性子増加による燃料温度の上昇を防ぐことができる。
【0049】
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態について説明する。
この第13実施形態は、第2実施形態の変形例を説明するものである。つまり、第2実施形態で用いた炉心1内の燃料集合体1aの代わりに、該燃料集合体1aと比較して、燃料ピン内において、炉心1の軸方向上端部に充填される燃料ペレットのスミア密度が、炉心1の軸方向上端部以外に充填される燃料ペレットのスミア密度と比較して低く成型された燃料ペレットを用いる。これにより、燃焼初期は、炉心1から中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2に入ってくる中性子は、可燃性毒物集合体2内において、特に可燃性毒物集合体2の中央で減速される。減速した中性子は可燃性毒物集合体2内にある可燃性毒物によって吸収される。これに対し、燃焼末期には、炉心1から中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体2に入ってくる中性子は、可燃性毒物集合体2内において減速するが、可燃性毒物集合体2内には可燃性毒物が燃焼により少なくなっているため、あまり吸収されず、炉心1に戻る。しかし、本発明では燃焼末期に燃焼する炉心上部の燃料ペレットのスミア密度が低いため、核分裂が少なく、燃焼末期でも炉心燃料集合体の熱中性子量は小さくなる。その結果として燃焼末期の熱中性子による部分的な大きな出力ピークの発生による燃料温度上昇を防止することができる。また、燃焼初期は、可燃性毒物集合体2の周囲で熱中性子が吸収され、少なくなっていても、軸方向下部のスミア密度は高いため、燃料温度を寿命期間中を通じて一定状態に近づけることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、燃焼末期の熱中性子による部分的な大きな出力ピークの発生による燃料温度上昇を防止することができ、燃料無交換の超長寿命な炉心を持つ高速炉が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係わる反射体制御方式の高速炉の横断面図。
【図2】 図1に示す可燃性毒物集合体の一例を示す図。
【図3】 図1に示す炉心の燃焼末期状態における中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体内外の熱中性子分布例を示す図。
【図4】 本発明の第3実施形態に係わる反射体制御方式の高速炉の可燃性毒物集合体とそれに隣接する燃料集合体を示す図。
【図5】 本発明の第3実施形態の変形例を示す図。
【図6】 本発明の第4実施形態の特徴を示す図。
【図7】 液体金属を冷却材に用いた反射体制御方式の高速炉の一例を示す図。
【図8】 図7に示す高速炉の横断面図。
【図9】 金属水素化物からなる中性子減速材とガドリニウムなどの可燃性毒物を混合した物質を混合した可燃性毒物集合体の一例を示す図。
【図10】 図7に示す高速炉の燃焼中の各種反応度変化例を示す図。
【符号の説明】
1…炉心、2…中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体、3…反射体、4…隔壁、5…中性子しゃへい体、6…原子炉容器、7…ガードベッセル、9…被覆管(可燃性毒物ピン)、10…中性子減速材の含有量を減らした混合物質、11…中性子減速材の含有量を増やした混合物質、12…中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体に隣接する燃料集合体、13…燃料スミア密度を低くした燃料ピン、14…燃料ピン、15…中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体に隣接する燃料集合体、16…中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体に隣接する燃料集合体の溝、17…中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体のキー、18…セルフオリエンテーション機構、19…中性子減速材を混合した可燃性毒物ピン、20…スミア密度を低くした燃料ピンを含んだ中性子減速材を混合した可燃性毒物集合体、25…冷却材、26…電磁ポンプ、27…中間熱交換器、28…2次冷却材、29…燃料集合体、30…炉心バレル、31…反射体駆動機構、32…燃焼反応度変化、33…可燃性毒物中性子吸収反応度変化、34…反射体による中性子反射反応度変化、35…可燃性毒物中性子吸収反応度変化と反射体による中性子反射反応度変化の合計、41…炉心、42…可燃性毒物集合体、43…中性子反射体、44…隔壁、45…中性子しゃへい体、46…原子炉容器、49…被覆管(可燃性毒物ピン)、50…中性子減速材および可燃性毒物の混合物質。

Claims (12)

  1. 液体金属の冷却材に浸された炉心の外側の中性子反射体を上下方向に移動させて当該炉心からの中性子の漏洩を調整することで炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉であって、
    前記炉心の中心部に装荷され、少なくとも高速中性子を吸収する可燃性毒物と前記高速中性子を減速する中性子減速材とを混合した物質の集合体を有し、
    前記混合物質集合体内の少なくとも中心部を含む内側部分の混合物質については該混合物質集合体内の最外周部を含む外側部分の混合物質と比較して前記中性子減速材の含有割合を高め、少なくとも最外周部を含む外側部分の混合物質については内側部分の混合物質と比較して前記可燃性毒物の含有割合を高めた炉心を具備したことを特徴とする燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  2. 液体金属の冷却材に浸された炉心の外側の中性子反射体を上下方向に移動させて当該炉心からの中性子の漏洩を調整することで炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉であって、
    前記炉心の中心部に装荷され、少なくとも高速中性子を吸収する可燃性毒物と前記高速中性子を減速する中性子減速材とを混合した物質の集合体と、
    この炉心中心部の混合物質集合体の各辺に沿って装荷される、当該混合物質集合体と同一多角形の燃料集合体であって、その一辺に沿って配置される燃料ピンの燃料ペレットのスミア密度が他の部分のそれよりも低い燃料集合体と、
    前記混合物質集合体の各辺に沿って前記燃料集合体を装荷する際に、当該混合物質集合体の各辺に対応して前記燃料集合体のスミア密度の低い燃料ピンを装填した一辺を隣接して装填するための混合物質集合体の突起部と燃料集合体側の溝からなる装填機構と、
    を備えた炉心を具備したことを特徴とする燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  3. 液体金属の冷却材に浸された炉心の外側の中性子反射体を上下方向に移動させて当該炉心からの中性子の漏洩を調整することで炉心の反応度を制御する反射体制御方式の高速炉であって、
    中央部分に高速中性子を吸収する可燃性毒物と前記高速中性子を減速する中性子減速材とを混合した物質を充填したピンを装填し、外周部分に燃料ペレットを充填した燃料ピンを装填し、前記炉心の中心部に装荷される集合体と、
    この集合体の周囲に装填され、燃料ペレットを充填した燃料ピンとを有し、
    前記集合体内の燃料ピン内の燃料ペレットのスミア密度を前記集合体の周囲に装填される燃料ピン内の燃料ペレットのそれよりも低くした炉心を具備したことを特徴とする燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  4. 前記スミア密度を低くした燃料ピン内の燃料ペレットは、上下に貫通する中心空孔を形成し、スミア密度を低くしたことを特徴とする請求項2および請求項3のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  5. 前記スミア密度を低くした燃料ピン内の燃料ペレットは、粉末状の燃料物質を振動充填させて成型し、スミア密度を低くしたことを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  6. 前記スミア密度を低くした燃料ピンは、前記炉心に装填したその他の燃料ピンと比較してピン径を細径化し、燃料ピンピッチ/ピン径が大きく成型された燃料ピンであることを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  7. 前記スミア密度を低くした燃料ピンは、前記炉心に装填したその他の燃料ピンと比較してプルトニウム富化度あるいはウラン濃縮度が低く成型された燃料ピンであることを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  8. 前記スミア密度を低くした燃料ピンは、前記炉心に装填したその他の燃料ピンと比較してスミア密度が低く、かつ、前記炉心に装填したその他の燃料ピンと比較してプルトニウム富化度あるいはウラン濃縮度が高く成型された燃料ピンであることを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  9. 前記スミア密度を低くした燃料ピンは、核分裂性物質と、ジルコニアまたは非燃料物質を振動充填により混合してなる燃料ペレットが充填された燃料ピンであることを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  10. 前記スミア密度を低くした燃料ピンは、熱中性子吸収体でコーティングしてなる燃料ペレットが充填された燃料ピンであることを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  11. 前記中性子減速材と可燃性毒物とを混合した物質は、水素化ジルコニウムまたは水素化ジルコニウムバナジウムと、ガドリニウム157にボロン、ジスプロシア、サマリア、ユーロピアを混合した物質であることを特徴とする請求項1および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
  12. 前記スミア密度を低くした燃料ピンは、この燃料ピン内の軸方向上端部に装填した燃料ペレットのスミア密度が、燃料ピン内のその他の部分に装填した燃料ペレットと比較して低く成型された燃料ペレットが充填された燃料ピンであることを特徴とする請求項2および請求項のいずれかに記載の燃料無交換反射体制御方式の高速炉。
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