JP4350953B2 - リチウム二次電池用セパレータ及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用セパレータ及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池用セパレータ及びリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池内で短絡が生じると、電池内部における温度が急上昇し、内圧が高くなる結果、電解液が噴出する可能性があるため、リチウム二次電池内で短絡しないセパレータが提案されている。
【0003】
例えば、大部分の繊維径が10μm以下である繊維ウエブからなる微孔を有する繊維シートの少なくとも片面に120℃以下で溶融して流動する電気絶縁性の接着樹脂が付着した、電気抵抗が1×10−2Ω・dm/枚のセパレータが提案されている(例えば、特許文献1)。より具体的には、実施例として、大部分が4〜8μであるポリプロピレン繊維からなる繊維ウエブを圧着させた微孔性シートに低融点ポリエチレンのエマルジョンを含浸し、乾燥したセパレータが提案されている。しかしながら、ポリプロピレン繊維のようなポリオレフィン系繊維からなる微孔性シートを用いているため、180℃を超えるような高温にまで温度が上昇した場合には、微孔シート自体が溶融してしまい、十分な短絡防止機能を発揮できないものであった。また、温度の上昇とともに、セパレータの幅方向に熱収縮して幅方向の寸法が小さくなり、セパレータの幅方向端部と接触していた電極が露出してしまい、短絡を引き起す懸念があった。
【0004】
また、180℃を超えるような高温にまで温度が上昇しても熱収縮の生じないセパレータとして、全芳香族ポリアミドの重合体からなるセパレータが提案されている(特許文献2)。しかしながら、このセパレータは電池自体の制御回路によって電流遮断するものであり、セパレータによるイオンの透過停止機能(いわゆるシャットダウン機能)を有していないため、リチウム二次電池の構造を複雑化し、どのようなリチウム二次電池についても適用できるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−136161号公報(特許請求の範囲、第2頁左上欄第4行〜第8行、実施例1など)
【特許文献2】
特開平5−335005号公報(特許請求の範囲、段落番号0011、実施例1など)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高温になっても形態を維持できることによって電極間の短絡を防止することができ、しかもシャットダウン機能を有する、汎用性に優れるリチウム二次電池用セパレータ、及びリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、「融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる、濾水度(CFS)が200mL以下のパルプ形状を有する耐熱性繊維と、融解温度が100〜180℃の、パルプ形状又は粒子状形状を有する熱溶融性樹脂材料とを含む不織布からなることを特徴とするリチウム二次電池用セパレータ」により解決できる。融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維を含んでいるため、180℃を超えるような高温に温度が上昇したとしても、リチウム二次電池用セパレータが溶融して大きな穴が開いたり、収縮することがないため、電極の露出による短絡を引き起こさない。また、融解温度が100〜180℃の熱溶融性樹脂材料を含んでいるため、リチウム二次電池内部の温度上昇によって熱溶融性樹脂材料が溶解し、リチウム二次電池用セパレータの空隙を閉塞できる。これにより、リチウム二次電池の内部対抗が上昇し、電流が流れにくくなったり、電流が遮断されてシャットダウン機能を発現するため、種々のリチウム二次電池に適用できる。
【0008】
前記耐熱性繊維がパルプ形状からなるため、セパレータである不織布が、均一で緻密な構造を採ることができ、短絡防止性と電解液の保持性に優れている。また、前記熱溶融性樹脂材料がパルプ形状又は粒子状形状からなるため、セパレータである不織布内に、均一に分散することができ、安定したシャットダウン機能を発現できる。
【0009】
前記セパレータ構成材料がいずれも熱融着していないと、皮膜を形成しておらず、イオンの透過性に優れているため、リチウム二次電池の通常使用時における起電作用を円滑に行うことができる。
【0010】
前記耐熱性繊維が、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリベンゾイミダゾールの中から選ばれる樹脂からなると、特に耐熱性に優れ、リチウム二次電池が180℃を超えるような高温に温度が上昇したとしても、収縮することがないため、電極の露出による短絡を効果的に引き起こさない。
【0011】
前記熱溶融性樹脂材料がポリオレフィン系樹脂からなると、耐電解液性に優れているため、安定したシャットダウン機能を発現できる。
【0012】
本発明のリチウム二次電池は、上記いずれかに記載のリチウム二次電池用セパレータを備えているため、電解液の噴出する恐れのないものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウム二次電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という)は、電池内の温度が180℃を超えるような高温になったとしても、セパレータが溶融して大きな穴が開いたり、収縮せず、電極の露出による短絡を引き起こさないように、融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる耐熱性繊維を含んでいる。なお、本発明における「融解温度」は、JIS K 7121に規定されている示差熱分析により得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)から得られる温度をいい、「炭化温度」は、JIS K 7120に規定されている熱重量測定により得られる温度をいう。
【0014】
本発明の耐熱性繊維は融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂から構成されていれば良く、特に限定するものではないが、例えば、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリベンゾイミダゾールの中から選ばれる樹脂からなる耐熱性繊維を使用することができる。なお、耐熱性繊維は1種類であっても、2種類以上が混在していても良い。
【0015】
なお、耐熱性繊維の形状は特に限定するものではないが、例えば、パルプ形状又はチョップドファイバー形状であることができる。前者の「パルプ形状」とは、基幹部からフィブリルが派生した状態にある繊維であり、不織布、つまりセパレータの緻密性を向上できるという特長があり、後者の「チョップドファイバー形状」とは、フィブリルの派生していない繊維であり、不織布、つまりセパレータの機械的強度を向上できるという特長がある。なお、本発明のセパレータは形状及び/又は構成樹脂の異なる耐熱性繊維が混在していても良い。
【0016】
また、耐熱性繊維の形状がパルプ形状である場合には、セパレータが緻密な構造で、短絡防止性に優れるように、濾水度(CFS=カナディアンフリーネススタンダード)が200mL以下であるのが好ましく、150mL以下であるのがより好ましい。他方、耐熱性繊維の形状がチョップドファイバー形状である場合には、セパレータの機械的強度に優れるように、繊維長(JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法))は0.1〜25mmであるのが好ましく、0.25〜20mmであるのがより好ましい。
【0017】
このような耐熱性繊維は、電池内の温度が180℃を超えるような高温になったとしても、セパレータが溶融して大きな穴が開いたり、収縮せず、電極の露出による短絡を引き起こさないように、セパレータ全体の質量の35%以上を占めているのが好ましく、50%以上を占めているのがより好ましい。他方、後述の熱溶融性樹脂材料との兼ね合いから90%以下であるのが好ましく、70%以下であるのがより好ましい。
【0018】
本発明のセパレータは上述のような耐熱性繊維に加えて、融解温度が100〜180℃の熱溶融性樹脂材料を含んでいることによって、電池内部の温度上昇によって熱溶融性樹脂材料が溶解し、セパレータの空隙を閉塞できるため、リチウム二次電池の内部対抗を上昇させ、電流が流れにくくしたり、電流を遮断して、シャットダウン機能を発現することができる。
【0019】
このような熱溶融性樹脂材料は融解温度が100〜180℃の範囲内にあるものであれば良く、特に限定するものではないが、耐電解液性に優れ、しかもシャットダウン機能を発現しやすいポリオレフィン系樹脂を用いるのが好ましい。このポリオレフィン系樹脂として、例えば、高密度、中密度、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体(具体的にはプロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体など)などのプロピレン系重合体、などを挙げることができる。なお、熱溶融性樹脂材料は1種類であっても、2種類以上が混在していても良い。
【0020】
本発明の熱溶融性樹脂材料はどのような形状からなっていても良く、特に限定するものではないが、例えば、パルプ形状、チョップドファイバー形状、粒子状などを挙げることができる。「パルプ形状」は、基幹部からフィブリルが派生した状態にあり、不織布、つまりセパレータの緻密性を向上できるという特長があり、「チョップドファイバー形状」は、フィブリルの派生していない状態にあり、不織布、つまりセパレータの機械的強度を向上できるという特長があり、「粒子状」は、繊維のように長く延びておらず、球形、直方体、立方体、円柱形、角柱形、ラグビーボール形、顆粒状などの形状を有し、不織布、つまりセパレータの緻密性を向上させ、粒子状熱溶融性樹脂材料の溶融により、より微細な空間を効果的に閉塞できるため、シャットダウン機能が向上する。なお、本発明のセパレータは形状及び/又は構成樹脂の異なる熱溶融性樹脂材料が混在していても良い。
【0021】
また、熱溶融性樹脂材料の形状がパルプ形状である場合には、セパレータが緻密な構造で、短絡防止性に優れるように、濾水度(CFS=カナディアンフリーネススタンダード)が700mL以下であるのが好ましく、450mL以下であるのがより好ましい。熱溶融性樹脂材料の形状がチョップドファイバー形状である場合には、セパレータの機械的強度に優れるように、繊維長(JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法))は0.1〜25mmであるのが好ましく、0.25〜20mmであるのがより好ましい。熱溶融性樹脂材料の形状が粒子状である場合には、セパレータの緻密性と、シャットダウン機能が向上するように、平均粒子径は10μm以下であるのが好ましく、6μm以下であるのがより好ましい。
【0022】
なお、この平均粒子径は数平均粒子径をいう。この数平均粒子径は、粒子状熱溶融性樹脂材料を走査型電子顕微鏡で拡大して撮影し、任意の500個以上の粒子状熱溶融性樹脂材料の粒子径を測定した後に、これら粒子状熱溶融性樹脂材料の粒子径から算出した算術平均値をいう。なお、粒子状熱溶融性樹脂材料が球形でない場合には、個々の粒子状熱溶融性樹脂材料の外接円の直径を、個々の粒子状熱溶融性樹脂材料の粒子径とみなす。なお、市販されている粒子状熱溶融性樹脂材料の場合、カタログや仕様書に数平均粒子径が明示されている場合はその値を平均粒子径としても良い。
【0023】
このような熱溶融性樹脂材料は、電池内部の温度上昇によって溶解し、セパレータの空隙を閉塞できるように、セパレータ全体の質量の10%以上を占めているのが好ましく、30%以上を占めているのがより好ましい。他方、前述の耐熱性繊維との兼ね合いから65%以下であるのが好ましく、50%以下であるのがより好ましい。
【0024】
本発明のセパレータは上述のような耐熱性繊維と熱溶融性樹脂材料とを含む不織布からなるが、耐熱性繊維及び熱溶融性樹脂材料の均一分散性に優れ、短絡が発生しにくい、信頼性の高いセパレータであることができるように、湿式不織布からなるのが好ましい。
【0025】
本発明のセパレータの構成材料(例えば、耐熱性繊維、熱溶融性樹脂材料など)は、いずれも熱融着していないのが好ましい。このように熱融着していないことによって皮膜を形成しておらず、イオンの透過性に優れているため、リチウム二次電池の通常使用時における起電作用を円滑に行うことができる。
【0026】
本発明のセパレータ、つまり不織布の厚さはイオン透過性に優れるように、30μm以下であるのが好ましく、15〜25μmであるのがより好ましい。なお、セパレータの目付は5〜20g/m2であるのが好ましく、見掛密度は0.1〜1.3g/cm3であるのが好ましい。この「厚さ」は、JIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)を用いて、JIS C2111 5.1(1)の測定法で、無作為に選んで測定した10点の平均値をいい、「目付」とは、JIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定されている方法に基づいて得られる坪量を意味し、「見掛密度」は目付(g/cm)を厚さ(cm)で除して算出される値をいう。
【0027】
本発明のセパレータは常法により不織布を製造し、その不織布をセパレータとして使用することができる。例えば、好適である湿式不織布は次のようにして製造することができる。
【0028】
まず、少なくともパルプ形状の耐熱性繊維と熱溶融性樹脂材料とを用意する。これら材料は市販されているため、容易に入手することができる。
【0029】
次いで、少なくとも耐熱性繊維と熱溶融性樹脂材料を使用して、常法の湿式法(例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式など)により湿式繊維ウエブを形成する。
【0030】
次いで、この湿式繊維ウエブを乾燥し、水分を除去して湿式不織布、つまり本発明のセパレータを得ることができる。なお、乾燥温度は湿式繊維ウエブを構成する熱溶融性樹脂材料が融解しない温度で実施するのが好ましい。
【0031】
このように製造した湿式不織布はセパレータとして使用することができるが、カレンダーなどによって湿式不織布に圧力を加えるのが好ましい。このように圧力を加えることによって、湿式不織布(つまりセパレータ)の厚さを調整したり、厚さを薄くしたり、厚さを均一化することができる。
【0032】
なお、圧力を加える際には加熱しても良いし加熱しなくても良いが、加熱すると前記効果を発揮しやすい。但し、熱溶融性樹脂材料が溶融する程に加熱すると、皮膜が形成されてイオン透過性が悪くなるため、加熱する場合には、湿式不織布を構成する樹脂のうち、最も低い融解温度を有する樹脂の融解温度よりも20℃以上低い温度で加熱するのが好ましく、30℃以上低い温度で加熱するのがより好ましい。
【0033】
上述の方法は、耐熱性繊維としてパルプ形状のものを使用し、耐熱性繊維のフィブリルを利用して形態を維持した湿式不織布の製造方法であるが、耐熱性繊維がチョップドファイバー形状の場合には、溶融しないものの圧力により接着可能な繊維(例えば、未延伸繊維)、又はパルプ形状の耐熱性繊維と混合して湿式繊維ウエブを形成し、前者の場合には圧力により圧着、後者の場合には耐熱性繊維のフィブリルを利用して、湿式不織布を製造することができる。
【0034】
本発明のリチウム二次電池は前述のような本発明のセパレータを使用したものである。したがって、セパレータのシャットダウン機能によって、電池内が異常な高温となることがないため、電解液の噴出する恐れのないものである。
【0035】
本発明のリチウム二次電池の形状は特に限定するものではないが、例えば、円筒型、角型、コイン型などであることができる。
【0036】
本発明のリチウム二次電池は、本発明のセパレータを使用していること以外は、従来のリチウム二次電池と全く同様の材料から構成することができる。
【0037】
例えば、正極材料(正極活物質)としては、リチウム含有金属酸化物、硫化物又は塩化物のようなリチウム含有金属化合物を使用できる。リチウム含有金属酸化物としては、例えばコバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類以上の金属とリチウムとのリチウム複合酸化物を使用できる。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2などを挙げることができる。
【0038】
正極は、前記の正極材料をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に塗布・乾燥し、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理して作製できる。
【0039】
負極(負極活物質)としては、リチウム金属やリチウム合金、及びリチウムを吸蔵・放出可能なカーボン又はグラファイトを含む炭素材料、例えばコークス、天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料、複合スズ酸化物を使用できる。なお、粉末状の炭素材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤と混練して負極合剤として使用できる。
【0040】
非水電解液としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に電解質を溶解したものを使用できる。電解質としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、(C25SO22NLi、LiC(SO2CF33などを挙げることができる。これらの電解質は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質は、前記の有機溶媒に通常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解させて使用する。
【0041】
上記構成部材を使用するリチウム二次電池の製造は、特に限定されないが、例えばコイン型リチウム二次電池は、以下の方法により製造できる。
【0042】
まず、負極として、負極活物質をPvdf−NMP(ポリフッ化ビニリデン−N−メチルピロリドン)などの溶液に混合して形成した負極合剤のペーストを、銅箔上に塗布し、乾燥し、加圧成型した後に、加熱処理して負極を調製する。
【0043】
また、正極として、リチウム複合酸化物、導電剤、及びPvdf−NMPなどの溶液に混合して形成した正極合剤のペーストを、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥し、加圧成型した後に、加熱処理して正極を調製する。
【0044】
次いで、本発明のセパレータを負極と正極との間に介在させた複数のユニットと、有機溶媒に電解質を溶解させた非水電解液とを外装缶に装填して、コイン型のリチウム二次電池を作製できる。
【0045】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
耐熱性繊維として、パルプ形状を有するパラ系全芳香族ポリアミド繊維(登録商標:ケブラー、デュポン製、炭化温度:500℃以上、濾水度(CFS):123mL)と、熱溶融性樹脂材料として、高密度ポリエチレンパルプ(登録商標:SWP、製品名:E620、三井石油化学工業製、融解温度:130〜135℃、濾水度(CFS):300mL)を用意した。
【0047】
次いで、前記パラ系全芳香族ポリアミド繊維と高密度ポリエチレンパルプとを50:50の質量比率で混合したスラリーを調整した後、傾斜ワイヤー型短網、順流円網2台、及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機へ前記スラリーを供給し、円網ウエブ、短網ウエブ、円網ウエブの順に抄き合わされた抄合積層湿潤ウエブを形成し、続いて、この抄合積層湿潤ウエブを温度110℃に設定したヤンキードライヤーへ供給して乾燥し、抄合積層乾燥ウエブを形成した。
【0048】
次いで、得た抄合積層乾燥ウエブを、温度80℃に設定した一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力:44N/cm)して、目付が15g/m2で、厚さが25μmで、見掛密度が0.63g/cm3の押圧湿式不織布、つまりセパレータを製造した。このセパレータにおいては、パラ系全芳香族ポリアミド繊維と高密度ポリエチレンパルプのいずれも熱融着していなかった。
【0049】
(実施例2)
耐熱性繊維として、パルプ形状を有するパラ系全芳香族ポリアミド繊維(登録商標:ケブラー、デュポン製、炭化温度:500℃以上、濾水度(CFS):123mL)と、熱溶融性樹脂材料として、高密度ポリエチレン粒子(登録商標:フロービーズ、製品名:LE−1080、住友精化株式会社製、融解温度:130〜135℃、平均粒子径:6μm)を用意した。
【0050】
次いで、前記パラ系全芳香族ポリアミド繊維と高密度ポリエチレン粒子とを50:50の質量比率で混合したスラリーを調整したこと以外は、実施例1と全く同様にして、抄合積層乾燥ウエブを形成した後に、一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力:44N/cm)して、目付が15g/m2で、厚さが25μmで、見掛密度が0.63g/cm3の押圧湿式不織布、つまりセパレータを製造した。このセパレータにおいては、パラ系全芳香族ポリアミド繊維と高密度ポリエチレン粒子のいずれも熱融着していなかった。
【0051】
(比較例1)
全芳香族ポリアミドの重合体であるアラミド繊維の隙間に、全芳香族ポリアミドの重合体である合成パルプが分散した構造を有する、通気性のある紙様シート(ノーメックス紙、タイプ411、デュポン社製、公称厚さ:0.127mm、目付:39g/m、乾燥時の平均密度:0.28g/cm)をセパレータとした。
【0052】
(比較例2)
メルトブロー法により、大部分の繊維の繊維径が4〜8μmであるポリプロピレン繊維ウエブをコンベア上に形成した後、直ちに90℃に加熱し、リアイアントプレスで圧着して、目付が35g/m2で、厚さが65μmの圧着繊維ウエブを形成した。
【0053】
次いで、この圧着繊維ウエブに、低密度ポリエチレン(融点:110℃)のエマルジョンを含浸し、乾燥して、固形分で低密度ポリエチレンが7g/m2付着した接着不織布を形成し、この接着不織布をセパレータとした。
【0054】
(比較例3)
実施例1において使用したパラ系全芳香族ポリアミド繊維を100%使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、抄合積層乾燥ウエブの形成、一対の熱カレンダーによる押圧を実施して、目付が20g/m2で、厚さが25μmで、見掛密度が0.8g/cm3の押圧湿式不織布、つまりセパレータを製造した。このセパレータにおいては、パラ系全芳香族ポリアミド繊維は熱融着していなかった。
【0055】
(リチウム二次電池の作製)
まず、メソフェーズ小球体を黒鉛化したものと、Pvdf−NMP(ポリフッ化ビニリデン−N−メチルピロリドン:13重量%)溶液を、固形分の質量比90:10で混合したペーストを、銅箔上に塗布・乾燥し、加圧成型した後に加熱処理して負極を調製した。
【0056】
また、正極として、LiCoO:アセチレンブラック:Pvdf−NMP溶液(12重量%)を、固形分の質量比85:5:10で混合したペーストを、アルミニウム箔上に塗布・乾燥し、加圧成型した後に加熱処理して正極を調製した。
【0057】
次いで、セパレータとして、実施例1〜2及び比較例1〜3のセパレータをそれぞれ用い、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートを体積比で1:1で混合した溶媒に、1mol/LのLiPFを溶解させた非水電解液を用意し、前記セパレータを負極と正極との間に介在させた複数のユニットと、前記非水電解液とを外装缶に装填して、コイン型のリチウム二次電池(直径:20mm、厚さ:3.2mm)を作製した。
【0058】
(内部抵抗の測定)
上記方法により製造したコイン型リチウム二次電池の、温度20℃における内部抵抗(初期抵抗値)を1kHzで測定した。
【0059】
次いで、このコイン型リチウム二次電池を防爆ドライヤー内に設置した熱板上に置き、温度20℃から200℃まで、5℃/分の速度で昇温させた。この過程で温度130℃及び200℃における内部抵抗を測定した。これらの結果は表1に示す通りであった。
【0060】
【表1】
Figure 0004350953
#:電池が発熱し、破損したため、測定不可能
【0061】
この表1から明らかなように、実施例1及び2の本発明のセパレータにおいては、130℃における内部抵抗が上昇していることから、シャットダウン機能が作用していることが類推できるものであった。これは、セパレータを構成する熱溶融性樹脂材料の溶融によるものであると考えられた。
【0062】
また、実施例1及び2の本発明のセパレータは、200℃の高温に晒しても、電池が発熱し、電解液が噴出して破損することなく、内部抵抗を測定できた。したがって、セパレータが溶融したり、収縮していないことが類推できるものであった。
【0063】
【発明の効果】
本発明のリチウム二次電池用セパレータは、180℃を超えるような高温に温度が上昇したとしても、リチウム二次電池用セパレータが溶融して大きな穴が開いたり、収縮することがないため、電極の露出による短絡を引き起こさない。また、シャットダウン機能を発現できるため、種々のリチウム二次電池に適用できる。
【0064】
本発明のリチウム二次電池は、電解液の噴出する恐れのないものである。

Claims (5)

  1. 融解温度又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる、濾水度(CFS)が200mL以下のパルプ形状を有する耐熱性繊維と、融解温度が100〜180℃の、パルプ形状又は粒子状形状を有する熱溶融性樹脂材料とを含む不織布からなることを特徴とするリチウム二次電池用セパレータ。
  2. 前記セパレータ構成材料はいずれも熱融着していないことを特徴とする、請求項1記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  3. 前記耐熱性繊維が、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、芳香族ポリエーテルアミド、ポリベンゾイミダゾールの中から選ばれる樹脂からなることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  4. 前記熱溶融性樹脂材料がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載のリチウム二次電池用セパレータ。
  5. 請求項1〜請求項のいずれかに記載のリチウム二次電池用セパレータを備えているリチウム二次電池。
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