JP4350108B2 - 通行料算出システム - Google Patents

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Description

本発明は、片側複数車線を有する道路における車両の通行に対し、通行料を算出する通行料算出システムに関するものである。
従来、高速道路に代表される有料道路が広く設置されており、各種車両による円滑な交通に寄与している。またこれらの有料道路の多くには、円滑な交通を確保するため、片側(同一走行方向)に2車線もしくは3車線以上の車線(車両通行帯)が設けられている。
このような有料道路における課金システムとして、例えば特許文献1には、道路の走行状態などに基づいて適正な通行料金を徴収しようとする技術が開示されている。かかる技術によれば、例えば道路が渋滞しているときには、通行における遅延時間の分だけ通行料金を割り引くといった処理が行われる。
特開2003−178343
上述の通り、有料道路には複数の車線が設けられていることが多いが、この場合の車両の通行においては、基本的に走行車線の使用、すなわちキープレフトが守られるべきである(道路交通法第20条等参照)。すなわち通常は走行車線(左側の車線)を使用しつつ、車両の追い越しを行うときには、追い越し車線(右側の車線)を使用することが、本来の走行方法であるといえる。
しかし複数車線のうちの何れを使用すべきかについて、運転者の多くはあまり注意を払っていないのが現状である。またキープレフトの原則を認識していたとしても、現状ではキープレフトを守るための動機付けが十分でないことから、追い越し車線が走行車線と同じように使用される例もある。このような事態は本来の交通秩序を乱す原因となり、またスムーズな追い越しが妨げられ、交通安全が損なわれるおそれもある。
またその他、車両通行における車線の使用状況を、適切にコントロールしたい場合も考えられる。例えばある車線の一部スポットで工事が行われている(通行不可である)場合、その上流にて当該車線を走行している車両が多いと、そのスポット直前で車線変更を要する車両が大量に発生し、交通渋滞や交通事故が発生しやすくなるおそれがある。そこでこのような場合には、予め、工事のなされていない車線の使用を、運転者に促しておくことが好ましい。
このように、車両通行における車線の使用状況を何らかの方法でコントロールすることは、交通秩序の維持や道路管理などの観点から非常に重要であるといえる。そこで本発明は上記の問題点に鑑み、片側複数車線を有する道路における車両通行において、運転者に、適切な車線の使用を促すことが可能な通行料算出システムの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る通行料算出システムは、片側複数車線を有する道路における車両の通行に対し、通行料を算出する通行料算出システムにおいて、前記車両の通行における、前記車線の使用状況を検出する使用車線検出手段と、前記通行料を算出する通行料算出手段と、を備え、前記通行料算出手段は、前記使用車線検出手段の検出結果に基づいて、前記通行料を算出し、前記使用車線検出手段は、前記複数車線のうちの所定車線が、前記車両の通行において使用された頻度を検出するものであり、前記通行料算出手段は、該頻度に基づいて、前記通行料を算出し、前記所定車線は、通行料が有利となる車線であることを特徴とする構成(第1の構成)としている。
本構成によれば、車両通行における車線の使用状況に基づいて通行料が算出されることになる。また運転者の立場からは、通行料をできるだけ抑えようとするのが通常である。そのため例えば、より適切な車線を使用する通行に対しては、通行料が安くなるように算出を行うことで、運転者に適切な車線の使用を促すことが可能となる。
なお本願における「車線の使用状況」とは、車両通行に係る位置や長さ(距離)に関するものである。例えば「車線の使用状況」は、ある地点で車両がどの車線を走行したかといったことや、車両がどのようなルートで走行したかといったこと等に関するものである。
より具体的には、上記第1の構成において、前記通行料算出手段は、前記複数車線のうちの所定車線が多用されるほど、前記通行料がより減少するように、前記通行料を算出してもよい。
本構成によれば、運転者に当該所定車線の使用を促すことが可能となる。そのため、例えば当該所定車線を左側の車線とすれば、車両通行の原則であるキープレフトが守られ易くなり、本来の交通秩序の維持に貢献できる。なお「多用する」とは、走行距離の面で多用するという意である。
また、車両通行において所定車線が使用された頻度が検出されるから、この頻度に基づいて、上記第1または第2の構成に係る通行料算出を容易に実現することができる。なお本願における「頻度」とは、走行距離の累計に関するものである。つまり頻度が高いほど、走行距離の面で、その車線がより多く使用されたことになる。
また上記第の構成において、前記使用車線検出手段は、前記道路の進行方向に1個または複数個設置され、自己を基準とした所定範囲内における前記車両の使用車線を検出する使用車線検出装置を備えており、該使用車線検出装置の検出結果を通じて、前記頻度を検出する構成(第の構成)としてもよい。
本構成によれば、使用車線検出装置による検出処理を通じて、所定車線が使用された頻度を容易に検出することが可能となる。なお使用車線検出装置としては、例えばETC(登録商標)アンテナ(ETC車載器との通信が可能な範囲にて、車両の使用車線を検出)などが挙げられる。
また上記第の構成において、前記使用車線検出手段が複数個設置されている場合には、前記使用車線検出装置の各々を、前記検出を実際に行わせるものと行わせないものに振分ける、振分け手段を備えた構成(第の構成)としてもよい。
何らかの事情により、必ずしも全ての使用車線検出装置による検出処理が必要ではない場合であっても、一律に全ての使用車線検出装置に検出を行わせることは無駄が多い。そこで本構成によれば、所定の振分け手段を備えているから、このような無駄を排除することが可能となる。
また上記第の構成においてより具体的に、前記振分け手段は、所定時間ごとに、前記検出を実際に行わせるものと行わせないものを、所定の比率の範囲内において、ランダムに振分ける構成(第の構成)としてもよい。
使用車線検出装置の設置位置が運転者に知られている場合、この設置位置の近傍を通過するときにだけ、所定車線(通行料が有利となる車線)が使用されるといったおそれがある。かかる事態を放置しておけば、車両通行において適切な車線の使用を促すという目的が十分に達成できない可能性がある。
そこで本構成によれば、何れの使用車線検出装置が実際に検出を行っているかを知ることは運転者にとって困難となる。そのため運転者においては、使用車線検出装置の設置位置の近傍を通過するときにだけ所定車線を用いようとする心理が薄らぎ、ひいては、かかる不都合な事態を極力抑制することが可能となる。
また上記第1から第の何れかの構成において、前記道路における車両通行の阻害要因を検出する阻害要因検出手段を備え、前記通行料算出手段は、該阻害要因検出手段の検出結果に基づいて、前記通行料を算出する構成(第の構成)としてもよい。
例えば道路上に比較的大きな落下物が存在している場合、その車線については車両通行が妨げられことになる。この場合は道路が複数車線を有していても、車両は他の通行可能な車線を使用せざるを得なくなる。一方、このように、通行に使用できる車線が制限されているような場合であっても一律に使用車線に応じた通行料を算出することは、適切でない場合がある。
そこで本構成によれば、阻害要因検出手段の検出結果に基づいて通行料が算出されるため、例えば道路上に落下物(阻害要因)が存在する場合には、その近辺において何れの車線を使用していても通行料に反映させないようにするといったことを容易に実現できる。
また上記第の構成において、より具体的に、前記阻害要因検出手段は、前記道路上に存在し車両通行を阻害している物体を、前記阻害要因として検出するものであり、前記通行料算出手段は、該阻害要因が検出されたとき、該物体の存在位置を基準とした所定範囲内の前記通行に対しては、前記車線の使用状況を反映させないように前記通行料を算出する構成(第の構成)としてもよい。
道路上に通行を阻害する物体(落下物など)が存在するときは、通行に使用できる車線は制限されてしまう。また当該物体の近辺においても車線の使用状況を通行料に反映させることは、却って円滑な車両通行を阻害し交通渋滞を招くおそれもある。そこで本構成によれば、上記所定の場合に、車線の使用状況を通行料に反映させないこととするから、このような問題を回避することが可能となる。
また上記第1から第の何れかの構成において、前記道路における前記車両の走行時間を検出する走行時間検出手段を備え、前記通行料算出手段は、該走行時間検出手段による検出結果に基づいて、前記通行料を算出する構成(第の構成)としてもよい。
本構成によれば、車両の走行時間にも基づいて通行料が算出されるから、例えば道路の渋滞時(走行時間が比較的大きい場合)と通常時における道路の利用価値の差を、通行料を通じて極力低減させることが可能となる。つまり、渋滞時にはスムーズな通行が困難なため、主に時間の面では道路の利用価値が減少してしまうが、その代わりに通行料を割り引くことにより、料金の面で利用価値をある程度回復させるといったことが可能となる。その結果、渋滞時であっても運転者の不満を極力小さくすることができる。
また上記第1から第の何れかの構成に係る通行料算出システムにより算出された通行料を課金する、通行料課金システムであって、前記道路の入口側にて、前記通行料の最大料金を課金するとともに、該入口側より下流側にて、該最大料金と前記算出された通行料との差額を返金する構成(第の構成)の通行料課金システムとしてもよい。
本構成によれば、道路の入口側に通行料を課金する手段(入口側ゲート等)を設け、その下流側に当該差額を返金する手段(出口側ゲート等)を設けることにより、通行料の課金を実現することが可能である。また入口側での課金処理さえ確実になされるようにしていれば、下流では返金処理を行うだけであるから、運転者が通行料を払わずに逃走するといった不正が防止される。そのため通行料課金システムにおけるセキュリティ負担を、極力軽減させることが可能となる。
なおここでの「入口側」とは、通行料課金対象となる道路の起点より手前側(該道路に入る前)のことである。
上記したように、本発明に係る通行料算出システムであれば、車両通行における車線の使用状況に基づいて通行料が算出されることになる。また運転者の立場からは、通行料をできるだけ抑えようとするのが通常である。そのため例えば、より適切な車線を使用する通行に対しては、通行料が安くなるように算出を行うことで、運転者に適切な車線の使用を促すことが可能となる。
本発明の実施形態について、第1から第5までの各実施例に分けて以下に説明する。
[第1実施例]
本発明の第1実施例として、ETC((登録商標))、以下ETCと略す)、正式名称[Electronic Toll Collection System]を利用した通行料課金システムを挙げて説明する。まず本システムの構成概略について、図1を参照しながら説明する。図1のように本システムは、有料道路11、入口側ゲート12、出口側ゲート13、路上ETCアンテナ群14、およびETC情報センタ15などの構成要素により実現されている。
なおETCは、各車両に載置されたETC車載器とゲート(料金所)等に設置されたETCアンテナが、互いに無線通信を行うことにより、通行料金の支払いなどを行うものである。また通行料金の支払い等は、ETC車載器に挿入されたETCカードへのデータ書き込みや読み出しを通じて実現される。ETC自体については公知技術であるため、その詳細な説明は省略する。
有料道路11は、片側2車線(第1車線と第2車線)を有する車両用道路であって、通行料金を支払うことにより通行が許可される道路である。進行方向は図1における左方向であり、各車両は進行方向に進みつつ、第1車線と第2車線を自在に選んで走行することが可能である。なお本実施例では、入口側ゲート12から出口側ゲート13までの区間を有料道路11として考える。
入口側ゲート12は、有料道路11の入口側に設けられており、ETCアンテナを備えている。これにより、該ゲートに進入してきた車両のETC車載器を通じて、ETCカードからの情報の読み出しや、書き込みを実行することが可能となっている。また計時手段を有しており、車両が入口側ゲート12に到達した時刻(入口到達時刻)を検出することが可能となっている。さらにETC情報センタ15との通信が可能となっており、種々の情報を互いに送受信することができる。
出口側ゲート13は、有料道路11の出口側に設けられており、入口側ゲート12と同様にETCアンテナを備えている。該ゲートに進入してきた車両のETC車載器を通じて、ETCカードからの情報の読み出しや、書き込みを実行することが可能となっている。また計時手段を有しており、車両が出口側ゲート12に到達した時刻(出口到達時刻)を検出することが可能となっている。さらにETC情報センタ15との通信が可能となっており、種々の情報を互いに送受信することができる。
路上ETCアンテナ群14は、路上ETCアンテナ(14a〜14g)の各々からなっており、有料道路11における第1車線側に、進行方向に沿って各々が設置されている。設置態様としては、路側壁に設置されているものや、支持部材が用いられて道路の略鉛直上方に設置されているもの等が考えられるが、これらには限定されない。また各路上ETCアンテナは図1に破線で示したように、第1車線だけに留まる通信エリアを有しており、この通信エリアを通過する車両のETC車載器との間で、無線通信を行うことが可能となっている。
また各路上ETCアンテナ14a〜14gは、ETC情報センタ15からの指示により、車両との無線通信実行のON/OFFを、各々ごとに自在に切り替えることが可能となっている。なお無線通信を実際に行う状態のものを「ON状態」、行わない状態のものを「OFF状態」と呼ぶ。またOFF状態のとき、その路上ETCアンテナは電波の発信等を行わないようになっており、無駄な電力消費が極力抑えられている。
ETC情報センタ15は、図2に示すように、通信部21、記憶部22、割引料算出部23、路上アンテナ切替部24等を備えている。
通信部21は、アンテナや変調・復調装置などを備えており、入口側ゲート12、出口側ゲート13、および路上ETCアンテナ群14との間で、情報の送受信を実行する。なおここでは無線通信を想定しているが、有線通信を採用しても構わない。
記憶部22は、通信部21を介して受信した各種情報や、割引料算出部23での通行料の算出結果などを記憶する。また割引料算出部23は、通信部21を介して受信した各種情報に基づいて、返金すべき割引料を算出する。なおこの算出方法については、後に改めて説明する。
また路上アンテナ切替部24は、路上ETCアンテナ群14の各々を、実際に車両との無線通信処理を行わせるものと行わせないものに振り分ける処理を、24時間おきに行う。具体的には、無線通信処理を行わせるものと行わせないものの各個数が、所定の比率(例えば7:3)となるようにしつつ、無線通信処理を行わせるものをランダムに選択する。なおこの比率についてはある程度の幅(例えば、7:3から8:2までの間)を持たせるようにしていてもよい。そしてこの選択結果に基づき、通信部21を介して路上用ETCアンテナ群14の各々に対し、車両との無線通信処理を実行させるか否かを指示する。
次に、本実施例の通行料課金システムにおける、通行料の算出および課金処理の流れについて、図3を参照しながら説明する。なおここでは図1に示す通り、路上アンテナ切替部24によって、路上ETCアンテナ14a、14c、14dおよび14fの4個が、車両との無線通信処理を実際に実行させるものとして選出されたとする。
入口側ゲート12では、備え付けのETCアンテナを通じて、ETC車載器を載置した車両の到来を監視している(ステップS11)。そして車両が入口側ゲート12に進入すると、当該ETCアンテナは、車両が入口側ゲート12に到達した時刻(入口到達時刻)をETCカードに記録する。またさらに入口側ゲート12では、有料道路11の通行料として最大となる料金(最大通行料)をETCカードへの記録を通じて課金する(ステップS12)。ここでは最大通行料を、1000円とする。
その後、車両が進行方向(出口側料金所13のある方向)に向かって走行すると、その途中で、ON状態である路上ETCアンテナ(14a、14c、14d、14f)が道幅方向に設置されている地点(以下、適宜「アンテナ設置地点」と称す)を通過することになる。
そのとき車両が第1車線を走行していれば、路上ETCアンテナは、該車両のETC車載器との無線通信が可能となる。そこで路上ETCアンテナは、かかる車両を検出すると(ステップS21のY)、ETCカードへの記録を通じて1点の割引ポイントを付加する(ステップS22)。
なお、アンテナ設置地点において車両が第2車線を走行している場合は、路上ETCアンテナはETC車載器との無線通信を行うことができない。そのため当該アンテナ設置地点では、車両は検出されず(ステップS21のN)割引ポイントの付加はなされない。以上の処理が、車両が各アンテナ設置地点に到達する度に繰り返される。
このようにして各路上ETCアンテナは、その設置箇所の道幅方向を通過する車両に対し、第1車線を走行しているものだけに、1点の割引ポイントを付加することとする。その結果、入口側ゲート12から出口側ゲート13までの間に、車両走行における車線の使用状況に応じて、トータル0点(全てのアンテナ設置地点で、第2車線を走行した場合)から4点(全てのアンテナ設置地点で、第1車線を走行した場合)までの何れかの割引ポイントが付加されることとなる。
また出口側ゲート13は、備え付けのETCアンテナを通じて、ETC車載器を載置した車両の到来を監視している(ステップS31)。そして車両が出口側ゲート13に到達すると(ステップS31のY)、当該ETCアンテナ装置は、ETCカードに書込まれている入口到達時刻情報および割引ポイントの情報を読み出す(ステップS32)。
そしてこの読み取った情報と、当該車両が出口側ゲート13に到達した時刻(出口到達時刻)の情報を、ETC情報センタ15に通知(送信)する(ステップS33)。その後出口側ゲート13は、ETC情報センタから割引料が通知されるまで待機する(ステップS34)。
またETC情報センタ15では、出口側ゲート13からの情報の通知を監視している(ステップS41)。そして出口側ゲート13からの情報の通知を受けたら、以下に説明する方法にて割引料を算出する(ステップS42)。
まず割引料算出部23は、各アンテナ設置地点で付加された割引ポイントの総点数に基づいた割引料を算出する。ここでは1ポイントにつき100円を、割引料として算出するものとする。
また入口到達時刻と出口到達時刻との差から、車両が有料道路を走行していた時間(走行時間)を算出し、この走行時間に基づいた割引料金を算出する。ここでは、通行車両に対応する法定最高速度にて終始走行した場合に要する時間を基準とし、これからさらに1時間〜2時間の時間を走行に要した場合は100円、2時間〜3時間の時間を要した場合は200円、3時間以上の時間を要した場合は300円を、割引料として算出するものとする。
そして各割引料の合計を最終的な割引料として算出し、この割引料を出口側ゲート13に通知(送信)する(ステップS43)。その後出口側ゲート13では、この通知された割引料の分だけETCカードへの記録を通じて返金することとし(ステップS35)、車両通行への課金処理は完了する。
またETCカードに記録されている割引ポイントの情報は、次回の通行時にも重複してカウントされないように、出口側ゲート13によって読み取られた後にリセット(初期化)される。なお入口側ゲート12においても、有料道路11への進入前に、割引ポイントに相当するデータがETCカードに記録されている事態を防止するため、割引ポイントの情報のリセットを実行するものとしてもよい。
また出口側ゲート13にて、割引ポイントとともに、その車両(もしくは運転手等)を特定するデータをも取得してETC情報センタ15に送信しておき、ETC情報センタ15では、車両(もしくは運転手等)ごとに一定期間(例えば1ヶ月間)に取得した割引ポイントの累積値を管理するようにしてもよい。割引ポイントの累積値が大きい車両(もしくは運転手等)については、それだけ交通秩序を守った車両通行を心掛けていると考えられるため、何らかの優遇措置(例えば割引料をより大きくする等)をとることも可能である。
以上の一連の処理により、本通行料課金システムでは、車両の走行車線および走行時間に応じた適切な通行料を課金することができる。なお通行料としては、結局、
(通行料)= (最大通行料金:1000円)
−(走行車線による割引料金:0円〜400円)
−(走行時間による割引料金:0円〜300円)
と、算出されることになり、300円から1000円までの何れかが課金される。
このように本実施形態では、走行車線として第1車線が使用された頻度の検出を通じて、第1車線をより多く使用した通行に対しては、通行料がより安くなるように(減少されるように)算出することとしている。つまり、割引ポイントが多く付加されている程、走行距離の面で、第1車線がより多く使用されたものとみなし、通行料を安くするものである。これにより多くの運転者は、通行料を抑えるために極力第1車線を走行するように努めることが考えられる。その結果、本通行料課金システムによれば、車両通行の原則であるキープレフトが守られ易くなり、本来の交通秩序の維持に貢献することができる。
また第1車線が使用された頻度の検出は、有料道路11の進行方向に複数個設置されている路上ETCアンテナ(使用車線検出装置)が、各々の通信エリア内における車両を検出することによって実行されている。すなわち各路上ETCアンテナは、設置位置(自己の位置)の道幅方向における使用車線を検出(車両が検出されれば第1車線を、検出されなければ第2車線が使用されていることになる)している。そのため、当該頻度を容易に検出することが可能となっている。
また本実施形態では、車両の走行時間にも基づいて通行料が算出されるから、道路の渋滞時(走行時間が比較的大きい場合)と通常時における道路の利用価値の差を、通行料を通じて極力低減させることが可能となっている。つまり、渋滞時にはスムーズな通行が困難なため、主に時間の面では道路の利用価値が減少してしまうが、その代わりに通行料を割り引くことにより、料金の観点から、利用価値をある程度回復させることが可能となっている。
また上述の通り、路上アンテナ切替部24は、所定時間(24時間)ごとに、路上ETCアンテナ群14の各々を、実際に車両との無線通信処理を行わせるものと行わせないものにランダムに振り分ける処理を行うこととしている。これにより、適切な車線の使用を促すという本来の目的が、より達成されやすくなっている。
つまり、路上ETCアンテナ群14の設置位置が運転者に知られている場合、この設置位置の近傍を通過するときにだけ、第1車線(通行料が有利となる車線)が使用されるといったおそれがあるが、適宜ランダムに路上ETCアンテナを切替えるようにすれば、何れの路上ETCアンテナが実際に検出を行っているかを知ることは、運転者にとって困難となる。
その結果、運転者においては、路上ETCアンテナの設置位置の近傍を通過するときにだけ第1車線を用いようとする心理が薄らぎ、ひいては、かかる不都合な事態を極力抑制することが可能となる。なおここでの「ランダム」は、必ずしも規則性が全く存在しないことを意味するものではなく、何れの路上ETCアンテナが実際に検出を行っているかを運転者に容易に知られないようにする目的を達する程度に緩やかに解される。例えば、幾つかの振り分けパターンを予め定めておき、所定時間ごとにかかるパターンを換えることとしても良い。
また同じく、何れの路上ETCアンテナが実際に検出を行っているかを運転者に容易に知られないようにする目的で、ETCアンテナのダミー(形状はETCアンテナに似ているが、検出処理は行わない)を適宜設置するようにしてもよい。
また本実施形態では、入口側ゲート12にて、通行料の最大料金を課金するとともに、入口側より下流の出口側ゲート12にて割引料を返金することにより、適正な通行料を課金することとしている。そのため、入口側ゲート12での課金処理さえ確実になされるようにしていれば、出口側ゲートでは返金処理を行うだけであるから、運転者が通行料を払わずに逃走するといった不正が防止される。
そのため本通行料課金システムでは、セキュリティ負担が極力軽減されたものとなっている。なお料金追徴方式(例えば第2車線をより多く使用した場合に、料金を追徴する)では、有料道路の走行中にETC車載器からETCカードが抜かれ、ETCカードへの追徴料金に係る記録ができないおそれがある。しかし本実施形態のようなマイナス課金方式(初めに最大通行料を課金しておき、都度、割引料を払い戻す)では、このような事態を回避することができる。
また本実施形態では片側2車線の道路としたが、3車線以上の車線を有する道路であっても、例えば路上ETCアンテナ群14を複数の車線に対応させて設け、車線ごとの割引ポイントの加算量を適切に定めることにより、同様に考えることができる。また車線の使用状況や道路の走行時間に応じて通行料が変動する(割引がある)旨、およびその具体的な内容(割引率など)を、VICS((登録商標)、以下VICSと略す)での表示、ラジオ放送、及びETCアンテナを通じた案内などにより、運転者に報知するようにすれば、なお好ましい。
また通行料の算出処理などは、ETC情報センタ15で行われることとしたが、他の装置(例えば出口側ゲート13)に行わせるようにしても良い。より具体的には、例えば、記憶部22や割引料算出部23に相当するものを出口側ゲート13に設けておき、ステップS42に相当する処理を出口側ゲート13で行うものが考えられる。
このようにすれば、出口側ゲート13自体の設置費用は増大するものの、出口側ゲート13とETC情報センタ15との情報のやりとりを省略することが可能となる。その結果、車両が出口側ゲート13に到達してから、通行料の算出および課金処理を完了するまでの時間が短縮され、ひいては、車両が比較的高い速度で出口側ゲート13を通過する場合にも、適切な課金処理を行うことができる。
[第2実施例]
次に本発明の第2実施例として、同じくETCを利用した通行料課金システムを挙げて説明する。なお第2実施例では、通行料の算出方法および課金方法などを除いては第1実施例と基本的に同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
本実施例の通行料課金システムにおける、通行料の算出および課金処理の流れについて、図4を参照しながら説明する。入口側ゲート12では、ETCアンテナを通じて、ETC車載器を載置した車両の到来を監視している(ステップS111)。
そこで車両が入口側ゲート12に進入すると(ステップS111のY)、入口側ゲート12では、有料道路11の通行料として最大となる料金(最大通行料)をETCカードへの記録を通じて課金する(ステップS112)。ここでは最大通行料を、1000円とする。
その後、車両が進行方向(出口側料金所13のある方向)に向かって走行すると、やがてアンテナ設置地点に到達することとなる。そのとき車両が第1車線を走行していれば、路上ETCアンテナは、該車両のETC車載器との無線通信が可能となる。そこで路上ETCアンテナは、かかる車両を検出すると(ステップS121のY)、ETCカードへの記録を通じて、割引料を返金する(ステップS122)。なおここでは、路上ETCアンテナ毎に、100円の割引料を返金するものとする。
なお、アンテナ設置地点において車両が第2車線を走行している場合は、路上ETCアンテナはETC車載器との無線通信を行うことができない。そのため当該アンテナ設置地点では、車両は検出されず(ステップS121のN)割引料の返金はなされない。以上の処理が、車両が各アンテナ設置地点に到達する度に繰り返される。
以上に説明した一連の処理により、本通行料課金システムでは、車両の走行車線に応じた適切な通行料を課金することができる。なお通行料としては、結局、
(通行料)= (最大通行料金:1000円)
−(走行車線による割引料金:0円〜400円)
と、算出されることになり、600円から1000円までの何れかが課金される。
このように本実施例では、入口側ゲート12にて最大通行料を課金しておくとともに、路上ETCアンテナ群14を通じて、走行車線に応じた割引料を直接返金することとしている。これにより、第1実施例では必要であった出口側ゲート13における返金処理を、省略することが可能となっている。
[実施例3]
次に本発明の第3実施例として、同じくETCを利用した通行料課金システムを挙げて説明する。なお第3実施例では、通行阻害要因検出手段を設けた点および通行料の算出方法などを除いては第1実施例と基本的に同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
本実施例の通行料課金システムの構成概略を、図5に示す。本図のように当該通行料課金システムでは、監視カメラ群16を備えている。
監視カメラ群16は、各監視カメラ(16a〜16c)により構成されている。各監視カメラは、有料道路11上において適切な撮像が可能な範囲、すなわち道路上に存在する物体の大きさ及び位置が一定以上の精度で検出され得る程度に撮像が可能な範囲(図5の破線で示す範囲とする)を対象に、継続的な撮像を実行する。そしてかかる撮像により得られた撮像データを、リアルタイムにETC情報センタ15へ送信する。
また本実施例におけるETC情報センタ15の構成を、図6に示す。本図のように当該ETC情報センタ15は、通行阻害要因検出部25を更に備えている。
通行阻害要因検出部25は、監視カメラ群16から送信されてくる撮像データを基に、車両通行を阻害する物体(通行阻害要因)が有料道路11上に存在しているか否かを検出する。より具体的には、撮像データ中に何らかの物体(道路上の設置物や固定物等は除く)が存在しているとき、かかる物体の移動速度および大きさや形状等を認識する。そして移動速度が基準値を下回っており、かつ、大きさや形状が所定の基準を満たすものである場合は、この物体を通行阻害要因とみなす。
なお通行阻害要因であるか否かの判断において、物体の移動速度を判断基準とすることにより、通行中の車両が誤って通行阻害要因と判断されることを回避できる。また物体の大きさや形状を判断基準とすることにより、車両通行の妨げとならない程度の小さな物体や薄い物体などが、誤って通行阻害要因と判断されることを回避できる。
また通行阻害要因検出部25は、通行阻害要因としての物体を検出したときは、その物体が存在している位置(特に、走行方向の位置)を検出するとともに、その位置を基準とした所定範囲の領域(通行阻害領域)内に存在する路上ETCアンテナを検知する。なおこの所定範囲としては、例えば基準位置の前後(走行方向)に各1km以内というように、走行方向について定めることとする。
次に、本実施例における通行阻害要因検出部25、および路上アンテナ切替部24等が行う処理について、図7を参照しながら説明する。
先述した通り、通行阻害要因検出部25は、監視カメラからの撮像データを通じて、通行阻害要因の有無を監視している(ステップS251)。そして通行阻害要因を検出したら(ステップS251のY)、先述した通行阻害領域に属する路上ETCアンテナを検知するとともに、この路上ETCアンテナの識別情報を路上アンテナ切替部24に通知する(ステップS252)。
また通行阻害要因検出部25は、路上アンテナ電源切替部24に通知した路上ETCアンテナの個数情報を記憶部22に記憶させることとする(ステップS253)。その後はステップS251に戻り、通行阻害要因の有無を監視し続ける。なお後述する通り、記憶部に記憶された個数情報は、割引料の算出に反映されることとなる。
一方、路上アンテナ切替部24は、先述した路上ETCアンテナ群14の振り分け処理の実行に加えて、通行阻害要因検出部25からの通知の有無を監視している(ステップS261)。そしてかかる通知があると(ステップS261のY)、通知された路上ETCアンテナに対して、OFF状態となるように指示を出す(ステップS262)。
ここで割引料算出の処理について、具体例を挙げて説明する。ここでは図5にも示すように、監視カメラ16aの撮像対象となる範囲に、車両通行を阻害する程度の落下物17が存在する場合を想定する。また通行阻害領域は図5の下部に示す通りとし、この領域にはETC路上アンテナ14cが属しているものとする。
まず通行阻害要因検出部15は、落下物17を通行阻害要因として検出し(ステップS251のY)、通行阻害領域に属する路上ETCアンテナ14cに係る識別情報を路上アンテナ切替部24に通知する(ステップS252)。また、通知した路上ETCアンテナの個数が1個であることを、記憶部に記憶させる(ステップS253)。また路上アンテナ切替部24は、通行阻害要因検出部25の通知を受け、路上ETCアンテナ14cをOFF状態とする(ステップS262)。
また割引料算出部23では、割引料金の算出処理(ステップS42に相当)において、記憶部に記憶されたETCアンテナの個数分だけ、割引料100円(100円×1個)を無条件に付加することとする。つまりOFF状態とされた路上ETCアンテナ14cによる割引ポイントの付加を行わない代わりに、その分だけ無条件に割引料を付加することとする。
その結果、路上ETCアンテナ14cに係るアンテナ設置箇所に関しては、特例として、何れの車両を使用していても割引料が付加されることになる。そのため割引料の算出を、より妥当なものとすることが可能となっている。
すなわち、落下物17のように道路上に通行を阻害する物体が存在するときは、通行に使用できる車線は制限されてしまう。また落下物17の近辺においても車線の使用状況を通行料に反映させることは、却って円滑な車両通行を阻害し交通渋滞を招くおそれもある。しかしこのように、一定範囲については車線の使用状況を通行料に反映させないようにしていることで、このような問題を極力回避することが可能となっている。
なおこのような割引料の特例を発動した時は、その旨および適用範囲などを、入口側ゲート12等に設けられたVICSでの表示、ラジオ放送、及びETCによる通信などにより運転者に報知することがより好ましい。またここでは通行阻害要因として路上の物体(落下物)を挙げて説明したが、その他に、路上での火災(例えば赤外線検知器などを利用して検出)や極度の渋滞など、種々の対象を通行阻害要因として考えることが可能である。
また監視カメラにより得られた撮像データは、運転者などから割引料の払い戻し等に関するクレームがあった場合、これに対処するために用いることが可能である。例えば、終始第1車線を使用していたが、路上ETCアンテナ群14が故障しているために適切な割引がなされなかったというクレームが生じた場合、撮像データによりその真偽を確認することができる。
[実施例4]
次に本発明の第4実施例として、AVI[Automatic Vehicle Identification:車両自動認識]システムを利用した通行料課金システムを挙げて説明する。なお第4実施例では、AVIシステムを利用した点などを除いては第1実施例と基本的に同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
本実施例に係る通行料課金システムの構成概略を、図8に示す。本図のように当該通行料課金システムは、AVI用カメラ群18、およびAVI情報センタ19を備えている。
AVI用カメラ群18は、各AVI用カメラ(18a〜18g)からなる。各AVI用カメラはCCD撮像装置を備えており、自己の近傍である第1車線の領域(図8の破線で示す領域)を通過する車両のナンバープレートを撮像する。そしてこの撮像データを、AVI情報センタ19へ継続的に(リアルタイムに)送信する。
AVI情報センタ19は、AVI用カメラ群18から送信されてきた撮像データからナンバープレートの内容を読み取り、撮像されている車両を特定する。そして車両ナンバー等である車両を特定するデータ(車両特定データ)を、ETC情報センタ15へ送信する。なおこの車両の特定処理およびETC情報センタ15への送信処理は、各々のAVI用カメラの撮像データ毎に、別個に実行する。
次に、本実施例における割引料の算出ならびに課金に係る処理について、図9を参照しながら説明する。先述の通りAVI用カメラ群18は、撮像データを継続的にAVI情報センタ19に送信する(ステップS371)。
AVI情報センタ19は、この撮像データに車両のナンバープレートが含まれている場合、そのナンバーから車両を特定するとともに(ステップS381)、その都度、車両特定データをETC情報センタへ通知(送信)する(ステップS382)。またETC情報センタ15は、AVI情報センタ19から車両特定データの通知があるごとに、このデータを記憶部22に記憶させる処理を繰り返す(ステップS341、S342)。
そして出口側ゲート13は、当該ゲートに車両が到達したら(ステップS331のY)、この車両のETCカードから車両を特定する情報(車両ナンバー等)を読み出して、ETC情報センタ15に通知する(ステップS332)。この通知を受けてETC情報センタ15は、当該通知により特定される車両についての割引料を算出する(ステップS344)。
割引料の算出は、ステップS342の処理により記憶された内容に基づき、AVI情報センタ19からの通知の回数が考慮される。例えば、1回の通知あたり100円の割引料を付加するものとする。
そして算出された割引料の情報は、出口側ゲート13に通知される(ステップS345)。これを受けて出口側ゲート13は、ETCカードへの記録を通じて割引料を返金する(ステップS334)。
このようにAVIシステムを利用することによっても、車線の使用状況を考慮した通行料の課金を実現することが可能である。またAVIシステムでは、車両ナンバーの検出を通じて車両を特定することが可能であるため、ETC車載器を載置していない車両に対しても、容易に課金処理を実行することができる。
例えばAVIシステムにより車両ごとの車線使用状況を検出しておき、この検出結果に基づいて算出された通行料が出口側ゲートで把握できるようにしていれば、車両が出口側ゲート13に到達した際に、直接運転者から通行料を徴収することが可能である。
また本実施例において、第3実施例で説明したように監視カメラを設けるものとする場合、この監視カメラとAVI用カメラを、共通のカメラ装置にて実現するようにしてもよい。このようにすれば、カメラ装置を効率よく活用することが可能となる。
[第5実施例]
次に本発明の第5実施例として、走行ルート記録装置を利用した通行料課金システムを挙げて説明する。なお第5実施例では、走行ルート記録装置を利用した点などを除いては第1実施例と基本的に同様の構成であるため、重複する説明は省略する。
本実施形態の通行料課金システムにおいて課金の対象とする車両は、例えばGPS[Global Positioning System]により、自己の走行ルートを記録できる走行ルート記録装置(トレーサビリティ装置)を備えているものとする。またこの走行ルート記録装置はETC車載器に接続されており、ETC車載器を通じて走行ルート開始の指示を受けると、走行ルートの記録を開始する。また記録された走行ルートの情報は、ETC車載器側に伝送可能となっている。
また本実施形態では、出口側ゲート13に、割引料を算出する割引料算出装置が備えられているものとする。ここで本実施形態の通行料課金システムにおける、割引料の算出および課金処理について、図10を参照しながら説明する。なおここでは図11に示すように、有料道路11は片側3車線である場合を想定する。
入口側ゲート12は、該ゲートに車両が到達すると(ステップS411)、ETCカードへの記録を通じて最大通行料を課金するとともに(ステップS412)、ETC車載器を介して、ルート記録装置へルート記録の開始を指示する(ステップS413)。
一方、車両に載置されたルート記録装置は、かかる指示の有無を監視しており(ステップS451)、指示があった場合は走行ルートの記録を開始する(ステップS452)。その後、出口側ゲート13から走行ルートの送信要求があるまで、記録を続行する。
そして出口側ゲート13は当該ゲートに車両が到達すると、その車両のETC車載器を介して、ルート記録装置へ走行ルートの情報を送信するように要求する(ステップS432)。この要求を受けてルート記録装置は、ETC車載器を介して、走行ルートの情報を出口側ゲート13に送信する(ステップS454)。
出口側ゲート13はこの送信がなされると、走行ルートの情報に基づいて割引料を算出することとする(ステップS434)。ここで割引料の算出方法について、具体例を挙げて説明する。なおここでは有料道路11の全長は18kmであり、車両は図11で示されているルートを走行したものと仮定する。
まず走行ルートの情報に基づいて、車両通行における各車線の使用割合を算出することとする。そうすると第1車線から第3車線までの使用割合は、次の通りとなる。
(第1車線の使用割合)=(4.5km+1.8km) /18km=0.35
(第2車線の使用割合)=(2.2km+1km+2.8km)/18km=0.33
(第3車線の使用割合)=(5.7km) /18km=0.32
そして各車線について予め定められた基準割引料の各々に、車線の使用割合を乗じたものの合計を、最終的に割引料として算出する。基準割引料が表1の通りであるとすると、割引料は、
(割引料)=(500円×0.35)+(200円×0.33)+(0円×0.32)
=241円
となる。
Figure 0004350108
このようにして割引料を算出した後、出口側ゲート13は、ETCカードへの記録を通じて割引料を返金し(ステップS435)、課金処理は完了する。
本実施形態では、割引料として0円(終始、第3車線が使用された場合)から500円(終始、第1車線が使用された場合)までが付加されることになる。また左側の車線ほど基準割引料が大きくなっているから、運転者に、より左側の車線を使用するよう促すことが可能となっている。また、走行ルートの情報に基づいて割引料を算出することとしているから、比較的精度の高い算出処理が実現され得る。
[まとめ]
以上の通り、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成はこれらに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。特に各実施例の内容は、技術的な矛盾が無い限り、他の実施例のものと組合わせることが可能である。また各実施例は、有料道路は片側2車線または3車線以上であっても、同様に考えることができる。
本発明は、有料道路における通行料課金システム等に関して有用な技術である。
本発明の第1実施例に係る通行料課金システムの構成概略図である。 本発明の第1実施例に係るETC情報センタの構成図である。 本発明の第1実施例における通行料課金処理等の流れ図である。 本発明の第2実施例における通行料課金処理等の流れ図である。 本発明の第3実施例に係る通行料課金システムの構成概略図である。 本発明の第3実施例に係るETC情報センタの構成図である。 本発明の第3実施例の通行阻害要因検出部等に関する処理の流れ図である 本発明の第4実施例に係る通行料課金システムの構成概略図である。 本発明の第4実施例における通行料課金処理等の流れ図である。 本発明の第5実施例における通行料課金処理等の流れ図である。 本発明の第5実施例に係る割引料算出処理を説明するための説明図である。
符号の説明
11 有料道路
12 入口側ゲート
13 出口側ゲート
14 路上ETCアンテナ群
15 ETC情報センタ
16 監視カメラ群
17 落下物
18 AVI用カメラ群
19 AVI情報センタ
21 通信部
22 記録部
23 通行料算出部
24 路上アンテナ電源切替部
25 通行阻害要因検出部

Claims (8)

  1. 片側複数車線を有する道路における車両の通行に対し、通行料を算出する通行料算出システムにおいて、
    前記車両の通行における、前記車線の使用状況を検出する使用車線検出手段と、
    前記通行料を算出する通行料算出手段と、を備え、
    前記通行料算出手段は、前記使用車線検出手段の検出結果に基づいて、前記通行料を算出し、
    前記使用車線検出手段は、
    前記複数車線のうちの所定車線が、前記車両の通行において使用された頻度を検出するものであり、
    前記通行料算出手段は、該頻度に基づいて、前記通行料を算出し、
    前記所定車線は、通行料が有利となる車線であることを特徴とする通行料算出システム。
  2. 前記使用車線検出手段は、
    前記道路の進行方向に1個または複数個設置され、自己を基準とした所定範囲内における前記車両の使用車線を検出する使用車線検出装置を備えており、
    該使用車線検出装置の検出結果を通じて、前記頻度を検出することを特徴とする請求項に記載の通行料算出システム。
  3. 前記使用車線検出手段が複数個設置されている場合において、前記使用車線検出装置の各々を、前記検出を実際に行わせるものと行わせないものに振分ける、振分け手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の通行料算出システム。
  4. 前記振分け手段は、所定時間ごとに、
    前記検出を実際に行わせるものと行わせないものを、所定の比率の範囲内において、ランダムに振分けることを特徴とする請求項に記載の通行料算出システム。
  5. 前記道路における車両通行の阻害要因を検出する阻害要因検出手段を備え、
    前記通行料算出手段は、
    該阻害要因検出手段の検出結果に基づいて、前記通行料を算出することを特徴とする請求項1から請求項に記載の通行料算出システム。
  6. 前記阻害要因検出手段は、前記道路上に存在し車両通行を阻害している物体を、前記阻害要因として検出するものであり、
    前記通行料算出手段は、該阻害要因が検出されたとき、
    該物体の存在位置を基準とした所定範囲内の前記通行に対しては、前記車線の使用状況を反映させないように前記通行料を算出することを特徴とする請求項に記載の通行料算出システム。
  7. 前記道路における前記車両の走行時間を検出する走行時間検出手段を備え、
    前記通行料算出手段は、該走行時間検出手段による検出結果に基づいて、前記通行料を算出することを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の通行料算出システム。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載の通行料算出システムにより算出された通行料を課金する、通行料課金システムであって、
    前記道路の入口側にて、前記通行料の最大料金を課金するとともに、
    該入口側より下流側にて、該最大料金と前記算出された通行料との差額を返金することを特徴とする通行料課金システム。
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