JP4348822B2 - スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの製造方法 - Google Patents

スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスクリーン印刷用メッシュ織物に好適な、さらに詳しくは高度な精密印刷に用いられる、ハイメッシュでハイモジュラスなスクリーン紗織物を得るのに好適な、優れた寸法安定性を有し、かつスカムの発生やパーン引けなど品位の問題もなく、ハレーション抑制効果などを有する高品位なポリエステルモノフィラメントの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷用のスクリーン織物としては、従来は絹などの天然繊維やステンレスなどの無機繊維から成るメッシュ織物が広く使用されてきたが、最近は柔軟性や耐久性があり、かつ寸法安定性もあるナイロンやポリエステルなどの有機繊維から成るメッシュ織物、即ちスクリーン紗が使用されることが多くなってきている。このうち特にポリエステルモノフィラメントからなるスクリーン紗織物は、ナイロンからなるものと比較して水分の影響も少なく、また価格面からも有利であるため広く使用されてきている。
【0003】
しかしながら、最近の家電や携帯電話、パソコン向けなどの電子回路の印刷分野などにおいては印刷精度向上に対する要求が厳しくなってきていることから、メッシュがより細かく紗張りなどにおいて、伸びの少ない寸法安定性に優れたスクリーン紗が要求されてきている。すなわち、スクリーン紗用原糸に対しては細繊度化、高強度、高モジュラス化が求められている。
【0004】
一般にポリエステル繊維を高強度、高モジュラス化するためには、原糸の製造過程において高倍率で延伸を行い、高配向、高結晶化すれば良いことがわかっているが、スクリーン紗の製造工程は高密度の織物を高速で製織するため、原糸は極めて多回数、筬などとの強い摩擦にさらされることとなり、表面結晶化の進行と相まってフィラメントの表面の一部が削り取られヒゲ状の、あるいは粉状のかす、いわゆるスカムが発生しやすい。この現象は高結晶化したものほど重度となる傾向になる。このスカムは量的には少量であっても、織り機に飛散しその一部はスクリーン紗織物の中に取り込まれる危険性がある。こうなると精密印刷用のハイメッシュ織物においては、メッシュ詰まりという致命的な結果になるおそれがあり、スカム発生防止はスクリーン紗においては重要な課題である。
【0005】
このために、スカムの発生の軽減、防止を目的として多くの改善技術が提案されている。例えば、特開昭55−16948号公報には破断伸度が35%〜60%という高伸度糸を用いる事が提案されている。しかしながら、高伸度ということは、すなわち低倍率延伸を行うということであり、必然的に低強度、低モジュラスということになる。つまりここで提案されているこの技術ではスカム発生の軽減を優先させているために、高強度、高モジュラスという特性を犠牲にしているものである。これではハイメッシュ化の要求の沿って細繊度化した際に強力が不足することとなり、製織性が低下するばかりか紗伸びなどが発生し寸法安定性の悪化を招き、精密印刷には不適なものとなってしまう。
【0006】
また、特開平1−132828号公報にはポリエステルを芯に、削れに対してポリエステルよりも耐久性のあるナイロンを鞘に使用する芯鞘型複合繊維が提案されている。確かにナイロンはポリエステルに比べて削れの発生が少ないことがわかっており、スカム発生の抑制という点では有利ではある。しかしながら一方でナイロンはポリエステルに比べて吸湿性が高く、寸法安定性に欠けるという欠点を持っている。このためナイロンを鞘に使用した芯鞘型複合繊維では、スカムの発生は軽減できるものの、精密印刷に欠かすことができない寸法安定性に乏しいということになる。更にナイロンとポリエステルの剥離という現象も発生する可能性があり品位的な問題が発生する可能性がある。
【0007】
このように従来技術では、原糸の高強度、高モジュラス化と、スカム発生の防止という相反する課題を解決するには至っていなかったのである。
【0008】
更に、高強度、高モジュラスにするために高倍率延伸を実施すると、急激な構造変化により繊維内部に力学的な歪み、すなわち応力が発生し蓄積される。この力学的歪みは時間とともに減少してくる傾向にあり、これを応力緩和と称しているが、この応力緩和は高倍率延伸で得られた繊維をボビンに巻き取りした際にはボビン全体に均一に進まないことが多く、応力緩和は進んでいない部分は筋状の光沢異常となって現れてくる。この異常をパーン引けと称している。
【0009】
現在、スクリーン紗は製織後乳剤を塗布してそれを感光、硬化させることにより、電子回路を写し取るという工程を経て印刷用となる。このため乳剤を感光、硬化させる際に照射光のハレーションが発生すると、印刷精度の悪化を招くことから製織後、淡色系染料にて染色をしてハレーションの発生を軽減させている。しかしながら前述のパーン引けの部分は染色後においても筋状の異常部分として残ってしまうため、スクリーン紗の品位を低下させるのみならず、正常部分との光沢差が発生し乳剤感光時に感光斑などを発生させる原因となってしまい、ひいては印刷精度の低下が発生しハイメッシュ化による高精度印刷には適さない品位のものとなってしまうのである。
【0010】
このように従来の技術では、精密印刷向けのスクリーン紗織物を得るために必要な特性、すなわち高強度、高モジュラスで寸法安定に優れ、かつパーン引けなどの品位の問題もなく、ハレーション問題の発生しない高品位なポリエステルモノフィラメントは得られなかったのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述の問題点を改良し、従来のモノフィラメントでは得られなかった優れた寸法安定性を有し、かつスカムの発生やパーン引けなどの品位の問題もなく、ハレーション抑制効果を有する高品位で精密印刷に好適なスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の目的を達成するために、次の構成よりなるものである。すなわち、本発明はスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを製造するに際して、紡糸・延伸の2工程法とし、ホットロールを2セット以上有する多段延伸工程により下記(1)、(2)式の延伸倍率で延伸を行い、かつ延伸糸をボビン巻とし、その形状が下記(3)式であることを特徴とするスクリーン紗ポリエステルモノフィラメントの製造方法により前述の目的を達成することができる。
【0013】
Rt≧4.00・・・式(1)
Rf<1.00・・・式(2)
(ここでRtは多段延伸工程のトータル延伸倍率を、Rfは多段延伸工程の最終段の延伸倍率をそれぞれ表す。)
0.1L≦Lt≦0.4L・・・式(3)
(ここでLはボビンにおいて糸が巻き取られている部分の長さを、Ltは巻き取られている糸形状におけるテーパー部分の面長さをそれぞれ表す。)
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においてスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを製造する際にはホットロールを2セット以上有する多段延伸工程で延伸を行うことが必要である。1段延伸工程であるホットロール/ホットプレート系延伸では延伸張力が高かくなるため高倍率延伸が難しく、目的とする高強力、高モジュラスのスクリーン紗用モノフィラメントを得ることができない。また多段延伸工程とすることで数回に分けて延伸を実施することができるため、各段の延伸倍率を容易にコントロールすることが可能となる。これにより高倍率延伸による急激な繊維の結晶化を緩やかに進めることや、繊維内部の歪みの発生をコントロールすることができため、スカムやパーン引けの発生を抑制することができるのである。
【0015】
多段延伸工程の延伸段数については、延伸工程や機器の複雑さ、作業性、ホットロールによるエネルギー負荷、さらには目的とする延伸倍率の範囲などから2〜3段延伸工程が望ましい。なおここでいう多段延伸工程とは、1段目の延伸実施後得られた繊維を巻き取りすることなく2段目以降の延伸を連続して実施し規定の延伸段数での延伸を実施した後に、熱処理を実施の上巻き取り、製品となす工程をいう。なお多段延伸系においては巻き取り前にコールドロール(またはドローロールと呼ぶ)を経由して巻き取ることが一般的である。
【0016】
更に本願特許の効果を得るためには、この多段延伸工程において延伸倍率を下記(1)、(2)式をとすることが必要である。
【0017】
Rt≧4.00・・・式(1)
Rf<1.00・・・式(2)
(ここでRtは多段延伸工程のトータル延伸倍率を、Rfは多段延伸工程の最終段の延伸倍率をそれぞれ表す。)
多段延伸工程のトータル延伸倍率Rtが4.00倍未満の場合は、強度、モジュラスが目的とするものより低くなるため、高強度、高モジュラスで寸法安定性の優れたスクリーン紗用のモノフィラメントを得ることができない。なおRtを4.00倍以上とすることにより、より高強度、高モジュラス化となすことができ、細繊度化によるハイメッシュ化にも対応できる高性能なモノフィラメントを得ることが可能となる
【0018】
一方、この多段延伸工程において最終段の延伸倍率Rfは1.00未満とすることが必要である。高強度、高モジュラスとなすために高倍率延伸を実施すると繊維内に力学的な歪み、すなわち応力が発生することは先にも述べたが、この応力は多段延伸工程において、巻き取り直前の延伸倍率を低倍率とすることで応力緩和を進めることができ、スクリーン紗用途モノフィラメントに対する要求特性を充分に有したまま、パーン引けの発生を抑制できることを種々の検討の結果本願発明において見いだすことができたものである。なおこの効果は巻き取り前に糸に積極的にリラックスを与えることにより、より応力緩和が進むことが認められる。これにより繊維内部に発生した応力を、巻き取り前に充分緩和させることができるためパーン引けの発生を抑制することができるのである。
【0019】
繊維の巻き取り方法には延伸機によるボビン巻きや、巻き取り機(一般にはワインダーと称する)によるドラム巻き(その材質により紙管巻きとも称する)などが一般的に用いられるが、巻き取り張力を低く設定でき高倍率延伸により発生した応力緩和を進め易い点、高次加工工程での解舒性が良好で高次通過性が安定している点、型くずれ、糸落ちなどがなく巻パッケージが安定している点、設備的および作業的に細繊度化にも対応しやすい点などより、ボビン巻きとなす方がより好ましい。
【0020】
高倍率延伸によって発生した力学的な歪み、すなわち応力は、繊維がボビンに巻き取られた直後から緩和し始めるが、その緩和はボビン全体に均一に起こるのではなく、ボビンのテーパー部分と他の部分とでは、その進みかたに差異があり、テーパー部分の方がより応力が残留しやすいことが判っている。従って許す限りボビンのテーパー部分の割合を小さくすることによってこの差異を小さくすることができ、ひいてはパーン引けの発生を抑制することができるのである。
【0021】
しかしながらボビンの形状は、先に述べた解舒性や型くずれのどと密接な関係があるため、型くずれの防止とパーン引けの防止両立の観点から、その巻き形状を下記(3)式とすることが好ましい。
【0022】
0.1L≦Lt≦0.4L ・・・ 式(3)
(ここでLはボビンにおいて糸が巻き取られている部分の長さを、Ltは巻き取られている糸形状におけるテーパー部分の面長さをそれぞれ表す。)
Ltを0.4L以下とすることで、パーン引けの抑制効果が得られて好ましく、0.3L以下がより好ましい。
【0023】
本発明におけるポリエステルモノフィラメントは、高倍率延伸においても操業性の低下が発生せず、また高強力、高モジュラスが得られるものであればどのようなポリマを用いても差し支えはない。また繊維形態については単成分繊維でも複合繊維でも良いがスカム抑制効果を有するポリマを鞘成分に、高強力、高モジュラスを得ることができるポリマを芯成分に配置された芯鞘型複合モノフィラメントであればより好ましい。ここで芯鞘型とは芯成分が鞘成分により完全に覆われていれば良く、必ずしも同心円状に配置されている必要はない。なお断面形状については丸、扁平、三角、四角、五角など幾つもの形状があるが、安定した製糸性および高次加工性を得やすいという点や、製織後乳剤を塗布して感光させる際にハレーションの発生を抑えるため、スクリーン紗の目開きの安定性などより丸断面が好ましい。
【0024】
さらに使用するポリマには必要に応じて第3成分を共重合や添加することや、無機粒子などを添加しても差し支えない。なおここでいう無機微粒子とは具体的にはシリカゾル、シリカ、アルキルコートシリカ、アルミナゾル、酸化チタン、炭酸カルシウムなどがあるが、ポリエステルに添加したときに化学的に安定していればなんでもよい。好ましくは化学的安定性、対凝集性および使いやすさ、価格などの見地よりシリカゾル、シリカ、アルキルコートシリカ、酸化チタンがよく、さらに好ましくは酸化チタンがよい。酸化チタンを使用する場合、酸化チタンの平均粒径は分散性の点から1μm以下が好ましく0.7μm以下がより好ましい。またその最大粒径は製糸性の点から5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。
【0025】
またここでいう共重合成分とは、モノフィラメント繊維表面の結晶化度を低下させて、スカムの発生を抑制することができるものであれば特に制約はない。共重合ポリエステルとなすのに好適なものとしては、イソフタル酸、アジピン酸、ダイマ酸などのジカルボン酸、ジエチレングリコール、ブタジエンジオールなどの低分子量グリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類などがあるが、このなかで、ポリアルキレングリコール類が結晶化度を低下させ、スカムを抑制する効果が十分得られることや、製糸性が良好なことから好適に用いることができる。
【0026】
以下にその製法の一例を挙げる。芯成分用ポリマーとしてポリエチレンテレフタレートを、鞘成分用ポリマーとしてポリエチレングリコールを5〜9重量%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、これらを融点以上に加熱し、溶融させて、紡糸温度290〜300℃で同一口金より芯成分が鞘成分により完全に覆われるように複合させ、吐出させる。これを冷却、固化した後、900〜1200m/min.で巻き取りして未延伸糸を得る。これを第一ホットロール温度を90℃、第二ホットロール温度を150℃に加熱した2段延伸工程系の延伸機を用いて、トータル延伸倍率4.00以上、最終延伸倍率1.00未満で延伸するものである。
【0027】
なおここで、該モノフィラメントの未延伸糸を得る際に、巻き取り速度は1200m/min.以下とすることが望ましい。先に述べたように繊維表面の結晶化度が高くなるほどスカムが発生しやすいが、巻き取り速度、ひいては紡糸速度が高くなるほど紡糸工程での繊維表面の結晶化が延伸工程ほどではないにしろ進むこととなり、スカムの発生という点においては不利になるからである。なお巻き取り速度1000m/min.以下とすることで結晶化の進み方を抑制できるためなお好ましい。
【0028】
また第二ホットロール温度については、スクリーン紗となしたときの寸法安定性の点から、熱収縮率は低い方が良いため140℃以上とすることが望ましい。なお、この温度は対象となるモノフィラメントの繊度、使用ポリマおよび延伸速度などにより任意に設定できるが、沸水収縮率が15%以下となるように設定することが望ましく、11%以下となることがより好ましい。
第一ホットロール温度については充分な繊維への加熱ができ延伸に支障がない温度であれば良いため75℃以上あれば問題ない。一方、ホットロール上での糸走行安定性、ひいては延伸安定性の点から100℃以下とすることが望ましい。
【0029】
【実施例】
以下に実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが本発明はそれにより限定されない。なお実施例および比較例中における各測定値は以下の方法により測定および判定した値である。
A.スカム発生度合い判定
スルーザー試験製織機を使用し、織機の回転数を350rpmとしてメッシュ織物を製織する。その際に筬の汚れを目視で観察し、スカムの付着状況や周囲への飛散状況を確認する。その上でこれ以上製織の続行が不可能と判断される時点での製織長さを評価値とした。すなわち、この製織長さが短いほどスカムの発生状況が多いことを示している。
B.パーン引け
得られたモノフィラメントを製織しスクリーン紗となした後に、布帛を速度2m/分で走行させ目視で検反を実施し、スクリーン紗の検反規定に沿って点数評価を行った。なおここでは90点以上が合格である。
【0030】
実施例1および比較例1
芯成分ポリマーとしてポリエチレンテレフタレートを、鞘成分ポリマーとしてポリエチレングリコールを7.5重量%共重合し、酸化チタンを0.30重量%添加した共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、これらを個別に融点以上に加熱し、溶融させて、紡糸温度295℃で吐出孔が口金中心から同距離にある4つの吐出孔から、芯成分が鞘成分により完全に覆われるように複合比80:20で複合させ、吐出させる。これを冷却、固化した後、1000m/min.で巻き取りして未延伸糸を得る。これを90℃および150℃に加熱された2個のホットローラーおよびドローローラーを有する2段延伸工程を用いて、トータル延伸倍率4.30倍、最終段の延伸倍率0.98倍で2段延伸することにより繊度8dtexの芯鞘型複合モノフィラメントを得た。
【0031】
また、同様の製法でトータル延伸倍率および最終段の延伸倍率を変えたものを製糸し、強度レベル、スカム発生状況、パーン引け発生状況、ハレーション抑制効果、および製糸性を評価した。
【0032】
実験No.9、10、11については本発明であり、いずれの水準においても目的としている高強度のものが得られており、スカム発生量も問題ないレベルであり、パーン引け抑制効果、ハレーション抑制効果も有し、製糸性も良好であった。また、実験No.11についてはスカム発生量レベルと製糸性がやや不良な傾向が見られた。
【0033】
実験No.1、2、3、4についてはトータル延伸倍率が4.00倍より低いため、目的とする高強度のものが得られず、実験No5、6、7、8については最終段の延伸倍率が1.00倍以上のため、パーン引け抑制効果やハレーション抑制効果が得られずスクリーン紗の製品品位や印刷精度に問題があった。
【0034】
【表1】
Figure 0004348822
【0035】
実施例2
実施例1と同様のポリマー、同様の製法で繊度8dtexの芯鞘複合モノフィラメントを製造する際に、巻き取り形状を種々変更して表2記載の水準を得た。これらを用いて実施例1と同様の方法で、パーン引け発生状況、ハレーション抑制効果の評価を実施した。
【0036】
実験No.22〜24については実施例であるが、この中で特に実験No.23,24については、他の水準と比較していずれもパーン引け抑制効果やハレーション抑制効果が良好で、型くずれもなく高次加工での解舒性も良好で高い印刷精度と良好な高次加工性が得られた。
【0037】
【表2】
Figure 0004348822
【0038】
【発明の効果】
本発明において得られたポリエステルモノフィラメントは、従来のモノフィラメントでは得られなかった優れた寸法安定性、スカム抑制効果、パーン引け防止効果、ハレーション抑制効果を有し、高強度、高モジュラスであり細繊度化に対応できる。このポリエステルモノフィラメントはスクリ−ン紗用途として、その優れた寸法安定性や高強度、高モジュラスという特性を生かして、電子基板など精密印刷に必要なハイメッシュ化が可能であり、スカム抑制効果、パーン引け防止効果、ハレーション抑制効果により、スクリーン紗の製織工程の安定化と品位の向上が可能であるため、スクリーン紗用の原糸として適した素材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する延伸工程の一例を示す図である。
【図2】本発明における糸巻き形状の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ;ピンチロール
2 ;フィードロール
3 ;第1ホットロール
4 ;第2ホットロール
5 ;ドローロール
6 ;ボビン
L ;巻き取り部分長さ
Lt;テーパー部分長さ

Claims (1)

  1. スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを製造するに際して、紡糸・延伸の2工程法とし、ホットロールを2セット以上有する多段延伸工程により下記(1)、(2)式の延伸倍率で延伸を行い、かつ延伸糸をボビン巻とし、その形状が下記(3)式であることを特徴とするスクリーン紗ポリエステルモノフィラメントの製造方法。
    Rt≧4.00・・・式(1)
    Rf<1.00・・・式(2)
    (ここでRtは多段延伸工程のトータル延伸倍率を、Rfは多段延伸工程の最終段の延伸倍率をそれぞれ表す。)
    0.1L≦Lt≦0.4L・・・式(3)
    (ここでLはボビンにおいて糸が巻き取られている部分の長さを、Ltは巻き取られている糸形状におけるテーパー部分の面長さをそれぞれ表す。)
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