JP4348120B2 - ポンプ設備 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ポンプ設備に関し、詳しくは、中小河川などの水路の流れを制御するゲートに付帯される排水用のポンプ設備や、ポンプ機場などに配設されるポンプ設備に関する。
【0002】
【関連する技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、中小河川などの水路の流れを制御するゲートに付帯される排水用のポンプ設備50は、通常、図10に示すように、支川(以下単に「水路」ともいう)51と本川52の合流点の支川51側に、支川51の流れ方向に対して略直交するように配置される。
【0003】
すなわち、ゲートに付帯される排水用のポンプ設備(以下、「ポンプゲート」ともいう)は、ゲートにポンプを組込み、ポンプの排水機能とゲートの止水機能を併せ持つ設備であり、このポンプゲートを河川に流入する水路に設置することにより、従来の排水機場と同じ役割を果たす。
【0004】
このポンプゲートにおいては、コスト削減のため、コンパクト化が求められており、かかる要求に応えるべく、低水位および水路幅の縮小化された吸水槽(水路)を採用し、土木費の削減を図っている。そして、吸水槽が小型化されると、水路の断面積が減少するため、排水量を確保しようとすると、水のポンプへの接近流速が高速化される。
【0005】
ところで、このように、接近流速が高速化すると、従来のポンプ設備においては、ポンプ吸込口から水を吸い込む際に、空気吸込渦や水中渦が発生する。すなわち、例えば、図11に示すように、ポンプ吸込口61の形状を下向きのベンド形状にして、水面とポンプ吸込口61の位置を離し、空気吸込渦の発生を防止するようにしたポンプ設備の場合、流れの下向き成分が大きくなり、空気吸込渦V1が発生する。また、ベンド形状にした場合、水路の底面62とポンプ吸込口61が接近するため、流れの乱れ及び旋回成分が大きくなり、水中渦V2が頻繁に発生する。
なお、空気吸込渦は、水位と接近流速が発生のパラメータと考えられ、水位が低くなるほど、また接近流速が速くなるほど、発生しやすい傾向がある。また、水中渦は、接近流速に比例して、渦が発生しやすくなる傾向がある。
そして、空気吸込渦と水中渦が発生すると、ポンプに異常な騒音と振動が発生し、騒音公害や排水能力の低下などを招くという問題点がある。
【0006】
また、図12に示すように、環状の開口32から吸い込まれた水流を、前置案内羽根15により周方向に旋回させることにより、羽根車27の入口の水流に、負の方向の回転成分を予め付与する一方、羽根26による加速により、水流の羽根車27の出口における回転成分をプラスの回転成分とし(羽根26により水流には所定の転向角が与えられる)、このプラスの回転成分により、円錐拡大管である吐出管35において水流に適度な旋回流れを起こさせ、軸方向長さを短く保ちながら、良好な圧力回復を実現できるようにした、低揚程で小型軽量の高速ゲートポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、この従来の高速ゲートポンプにおいては、カバー30を用いることにより、水面が低下したときに空気を吸い込む確率を低下させるようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−304190号公報
【0008】
しかしながら、特許文献1のようなカバー30を用いた場合にも、水路の底面近傍からの水中渦が発生したり、接近流速が高速化した場合に空気吸込渦や水中渦が発生したりすることがあるのが実情である。
【0009】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、接近流速がはやくなった場合にも、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能で、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプ設備を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)のポンプ設備は、
水を吸入するポンプ吸込口と、水を排水するためのポンプ本体と、水を吐出する吐出口とを備えたポンプ設備であって、
ポンプ吸込口は、軸心が水平であって、水の流れ方向と平行であり、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状を有する筒状部材から構成されており、
該ポンプ吸込口の先端側開口部は、上端部が下端部よりも先端側に突出するように、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対して所定の角度で傾斜しているとともに、
ポンプ吸込口の先端側開口部には、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルが配設され、かつ、
ポンプ吸込口の上面側には、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部が形成されていること
を特徴としている。
【0011】
ポンプ吸込口を、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状の筒状部材から構成し、先端側開口部を、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、先端側開口部に、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルを配設し、かつ、ポンプ吸込口の上面側に、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部を形成することにより、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプ設備を提供することが可能になる。
【0012】
すなわち、ポンプ吸込口の基本形状をテーパ形状(円錐台形状)とし、かつ、その軸心を水平で、かつ、水の流れ方向と平行とすることにより、水の流れを乱さないようにすることが可能になるとともに、水面付近では、ポンプ吸込口直前での流れの下向き成分を小さくして空気吸込渦の発生を低減することが可能になる。
また、従来のポンプ吸込口のような下向きベント形状ではなく、基本形状を軸心が水平なテーパ形状(円錐台形状)としているので、吸水領域(水路、水槽など)の底面とポンプ吸込口の間の距離が大きくなり、水中渦の発生を低減することが可能になる。
【0013】
また、円錐台形状のままでは、流れがポンプ吸込口の中央に集まり、ポンプ吸込口の上部で空気を吸い込む場合があるが、先端側開口部を、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、ポンプ吸込口の上面側に先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部を設けるようにしているので、水の流れが中央に集まることを抑制、防止して、ポンプ吸込口の上部ないし中央部からの空気の吸い込みを防止することが可能になる。
【0014】
また、下限水位近傍における低水位運転時には開口部バッフルの上辺が水面から突出するように構成されているので、低水位運転時にも水面からの空気の巻き込みによる空気吸込渦の発生を抑制することが可能になり、低水位運転時における、水のポンプへの接近流速が高速化した状態にも対応することが可能である。
【0015】
また、本願発明(請求項2)のポンプ設備は、
水路の流れを制御するためのゲートに付帯され、前記ゲートにより仕切られる一方の水路から他方の水路に排水を行うために用いられるポンプゲート用のポンプ設備であって、
水を吸入するポンプ吸込口と、水を排水するためのポンプ本体と、水を吐出する吐出口とを備え、
ポンプ吸込口は、軸心が水平であって、水の流れ方向と平行であり、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状を有する筒状部材から構成されており、
該ポンプ吸込口の先端側開口部は、上端部が下端部よりも先端側に突出するように、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対して所定の角度で傾斜しているとともに、
ポンプ吸込口の先端側開口部には、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルが配設され、かつ、
ポンプ吸込口の上面側には、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる
傾斜平坦部が形成されていること
を特徴としている。
【0016】
水路の流れを制御するためのゲートに付帯され、ゲートにより仕切られる一方の水路から他方の水路に排水を行うために用いられるポンプゲート用のポンプ設備の場合にも、ポンプ吸込口を、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状の筒状部材から構成し、先端側開口部を、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、先端側開口部に、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルを配設し、かつ、ポンプ吸込口の上面側に、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部を形成することにより、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプ設備を提供することが可能になる。
【0017】
また、請求項3のポンプ設備は、
前記ポンプ吸込口のテーパ形状の傾斜角度θ1が、軸心に対して15〜35°であり、
前記ポンプ吸込口の先端側開口部の、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対する傾斜角度θ2が20〜45°であり、かつ、
前記傾斜平坦部の、ポンプ吸込口の軸心に対する傾斜角度θ3が5〜15°であること
を特徴としている。
【0018】
ポンプ吸込口のテーパ形状の傾斜角度θ1を、軸心に対して15〜35°(より好ましくは20〜30°)とし、ポンプ吸込口の先端側開口部の、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対する傾斜角度θ2を20〜45°(より好ましくは25〜35°)とし、かつ、傾斜平坦部の、ポンプ吸込口の軸心に対する傾斜角度θ3を5〜15°(より好ましくは7.5〜12.5°)とした場合、より確実に空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0019】
ポンプ吸込口のテーパ形状の傾斜角度θ1を、軸心に対して15〜35°(より好ましくは20〜30°)としたのは、θ1をこの範囲とし、かつ、軸心を水平で、かつ、水の流れ方向と平行とすることにより、水の流れを乱さないようにするとともに、水面付近では、ポンプ吸込口直前での流れの下向き成分を小さくして空気吸込渦の発生を低減することが可能になることによる。
また、ポンプ吸込口の先端側開口部の、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対する傾斜角度θ2を20〜45°(より好ましくは25〜35°)とし、傾斜平坦部の、ポンプ吸込口の軸心に対する傾斜角度θ3を5〜15°(より好ましくは7.5〜12.5°)としたのは、θ2,θ3を上記の範囲とすることにより、水の流れがポンプ吸込口の中央に集まり、ポンプ吸込口の上部で空気を吸い込むことを抑制、防止することが可能になることによる。
【0020】
また、請求項4のポンプ設備は、前記開口部バッフルの外周部を構成する各辺には、面取り処理又は丸み付け処理が施されていることを特徴としている。
【0021】
開口部バッフルの外周部を構成する各辺に面取り処理又は丸み付け処理を施すことにより、開口部バッフルの各辺の近傍における空気吸込渦や水中渦の発生をさらに確実に抑制することが可能になる。
【0022】
また、請求項5のポンプ設備は、前記ポンプ吸込口の下部に、ポンプ吸込口の軸方向と平行に、ポンプ吸込口の内周部から外周部に亘る下部垂直バッフルを備えていることを特徴としている。
【0023】
ポンプ吸込口の下部に、ポンプ吸込口の軸方向と平行に、ポンプ吸込口の内周部から外周部に亘る下部垂直バッフルを備えた構成とすることにより、接近流速が速くなった場合にも、吸水領域(水路、水槽など)の底面の近傍や、該底面とポンプ吸込口の間などにおける水中渦の発生を抑制することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
すなわち、接近流速が速くなると、ポンプ吸込口付近の吸水領域(水路、水槽など)の底面において水中渦が発生しやすくなり、吸水領域上流からの流れと例えばゲート側や水槽側壁側からの流れが、ポンプ吸込口付近で旋回流を発生させる場合があるが、下部垂直バッフルを備えた構成とすることにより、この旋回流(渦流れ)の発生を抑制することが可能になる。
【0024】
また、請求項6のポンプ設備は、前記ポンプ吸込口の内周側下端部と、吸水領域の底面との距離をポンプ本体の径の0.2〜0.8倍とすることを特徴としている。
【0025】
ポンプ吸込口の内周側下端部と、吸水領域(水路、水槽など)の底面との距離をポンプ本体の径の0.2〜0.8倍(より好ましくは0.4〜0.6倍)とすることにより、吸水領域(水路、水槽など)が大型化することを抑制しつつ、水のポンプへの接近流速が高速化した低水位運転時における、吸水領域(水路、水槽など)の底面とポンプ吸込口の間などでの水中渦の発生を抑制することが可能になり、吸水領域(水路、水槽など)の小型化を実現することが可能になる。
また、本願発明のポンプ設備においては、下限水位近傍における低水位運転時には開口部バッフルの上辺が水面から突出するように構成されているので、低水位運転時にも水面からの空気の巻き込みによる空気吸込渦の発生を抑制することが可能になるため、低水位運転時における、水のポンプへの接近流速が高速化した状態にも十分に対応することができて特に有意義である。
【0026】
また、本願発明(請求項7)のポンプゲート用のポンプ設備は、
請求項2〜6のいずれかに記載のポンプ設備が、ゲートを開閉する扉体に、水路の流れに対して直交する方向に所定の間隔をおいて複数台配設されたポンプ設備であって、
互いに隣接する一対のポンプ設備についてみた場合に、
一方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部から他方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部に達するように配設された、主面が前記傾斜平坦部と平行なポンプ設備間バッフルと、
一方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部と他方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部の上面側に配設された、水の流れ方向に平行で、垂直の上部垂直バッフルと
を備えていることを特徴としている。
【0027】
互いに隣接する一対のポンプ設備についてみた場合に、一方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の傾斜平坦部から他方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の傾斜平坦部に達するように、主面が傾斜平坦部と平行なポンプ設備間バッフルを配設するとともに、一方及び他方のポンプ設備のポンプ吸込口の傾斜平坦部の上面側に水の流れ方向に平行で、垂直の上部垂直バッフルを配設することにより、一対のポンプ設備のうち、一方のみを運転する場合にも、確実に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプゲート用のポンプ設備を提供することが可能になる。
【0028】
すなわち、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合には、吸水領域(水路、水槽など)の流れが運転中のポンプ設備に偏るため、水流が開口部バッフルを通過する際の偏流の影響を受け、後流渦が発達して、空気吸込渦に成長する場合があり、また、ポンプ設備間の吸水領域(水路、水槽など)中央では、特に偏流の影響が強く、水中渦が発生しやすいが、上部垂直バッフルを設けることにより、吸込口上部での流れの偏りを減少させ、後流渦が空気吸込渦に発達することを防止することが可能になるとともに、ポンプ設備間バッフルを設けることにより、水中渦の発生を防止することが可能になり、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合にも確実に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプゲート用のポンプ設備を提供することが可能になる。
【0029】
また、請求項8のポンプゲート用のポンプ設備は、互いに隣接するポンプ設備の配設ピッチが、ポンプ設備を構成するポンプ本体の径の1.5〜2.5倍であることを特徴としている。
【0030】
互いに隣接するポンプ設備の配設ピッチを、ポンプ設備を構成するポンプ本体の径の1.5〜2.5倍(より好ましくは1.8〜2.2倍)とすることにより、ポンプ設備の配設ピッチが大きくなりすぎることによるポンプゲートの大型化を抑制しつつ、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合にも、確実に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能な、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプゲート用のポンプ設備を提供することが可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0032】
[実施形態1]
図1は本願発明の一実施形態にかかるポンプ設備を示す側面図、図2は平面図、図3は正面図である。
この実施形態のポンプ設備Pは、図1,2及び3に示すように、水を吸入するポンプ吸込口1と、水を排水するためのポンプ本体10と、水を吐出する吐出口20とを備えている。
ポンプ吸込口1は、先端側開口部1aに向かって径が大きくなるテーパ形状(円錐台形状)を有し、軸心が略水平で、かつ、水の流れ方向と略平行である筒状部材から構成されている。なお、ポンプ吸込口1のテーパ形状の傾斜角度θ1(図1)は、軸心に対して25°である。
【0033】
また、ポンプ吸込口1の先端側開口部1aは、上端部が下端部よりも先端側に突出するように、ポンプ吸込口1の軸心に直交する方向に対して所定の傾斜角度θ2(=30°)だけ傾斜している。
そして、ポンプ吸込口1の先端側開口部1aには、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺2aの主要部が略水平で、下限水位近傍における運転時(図1に示すような状態での運転時)には上辺2aの主要部が水面7から突出するように構成された開口部バッフル2が配設されている。
【0034】
また、このポンプ吸込口1の上面側には、平坦で先端側開口部1aに向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部3が形成されている。なお、傾斜平坦部3の、ポンプ吸込口1の軸心に対する傾斜角度θ3は、10°である。
【0035】
また、この実施形態1のポンプ設備Pにおいては、開口部バッフル2の外周部を構成する上辺2a及び両側の一対の辺2bには、図1に示すように、水中渦を防止するために丸み付け処理が施されている。
【0036】
さらに、ポンプ吸込口1の下部には、ポンプ吸込口1の軸方向と平行に、ポンプ吸込口1の内周部から外周部に亘る下部垂直バッフル4が配設されている。
また、ポンプ吸込口1の内周側下端部と、吸水領域(水路、水槽など)5の底面6との距離L(図1)は、ポンプ本体の径の0.5倍とされている。
【0037】
上述のように、この実施形態のポンプ設備Pにおいては、ポンプ吸込口1を、先端側開口部1aに向かって径が大きくなるテーパ形状の筒状部材から構成し、先端側開口部1aを、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、先端側開口部1aに、その中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺2aの主要部が略水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺2aの主要部が水面から突出するように構成された開口部バッフル2を配設し、かつ、ポンプ吸込口1の上面側に、傾斜平坦部3を形成するようにしているので、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことを防止することができる。
【0038】
すなわち、ポンプ吸込口1の基本形状をテーパ形状とし、軸心を略水平で、かつ、水の流れ方向と略平行とすることにより、水の流れを乱さないようにするとともに、水面付近では、ポンプ吸込口直前での流れの下向き成分を小さくして空気吸込渦の発生を低減することが可能になる。
また、ポンプ吸込口1を、従来のポンプ設備のような下向きベント形状ではなく、軸心が水平なテーパ形状(円錐台形状)としているので、吸水領域(水路、水槽など)5の底面6とポンプ吸込口1の間の距離を確保して、水中渦の発生を低減することが可能になる。
【0039】
ポンプ吸込口1の先端側開口部1aを、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、ポンプ吸込口1の上面側に傾斜平坦部3を設けるようにしているので、水の流れが中央に集まることを抑制、防止して、ポンプ吸込口1の上部ないし中央部からの空気の吸い込みを防止することができる。
また、下限水位近傍における低水位運転時には開口部バッフル2の上辺2aの主要部が水面から突出するように構成されているので、低水位運転時にも水面7からの空気の巻き込みによる空気吸込渦の発生を抑制することが可能になり、低水位運転時における、水のポンプへの接近流速が高速化した状態にも対応することが可能である。
【0040】
また、開口部バッフル2の外周部を構成する各辺2a,2bに丸み付け処理を施しているので、開口部バッフル2の各辺2a,2bの近傍における空気吸込渦や水中渦の発生を確実に抑制することができる。
【0041】
また、ポンプ吸込口1の下部に、ポンプ吸込口の軸方向と平行に、ポンプ吸込口1の内周部から外周部に亘る下部垂直バッフル4を備えた構成としているので、吸水領域(水路、水槽など)5の底面6の近傍や、該底面6とポンプ吸込口1の間などにおける水中渦の発生を確実に抑制することが可能になる。
【0042】
また、ポンプ吸込口の内周側下端部と、吸水領域底面との距離をポンプ本体の径の0.5倍としているので、水のポンプへの接近流速が高速化した低水位運転時における、吸水領域(水路、水槽など)の底面とポンプ吸込口の間などにおける水中渦の発生を抑制することが可能になり、吸水領域(水路、水槽など)の小型化を実現することが可能になる。
【0043】
なお、この実施形態1のポンプ設備Pは、ポンプ機場で用いられるポンプ設備に適用することが可能であるとともに、水路の流れを制御するためのゲートに付帯され、ゲートにより仕切られる一方の水路から他方の水路に排水を行うために用いられるポンプゲート用のポンプ設備にも適用することが可能である。
【0044】
[実施形態2]
図4〜6は、本願発明の他の実施形態にかかるポンプ設備を示す図である。この実施形態2のポンプ設備は、水路の流れを制御するためのゲートに付帯され、ゲートにより仕切られる一方の水路から他方の水路に排水を行うために用いられるポンプゲート用のポンプ設備である。
このポンプゲート用のポンプ設備は、ゲートを開閉する扉体Gに、水路の流れに対して略直交する方向に所定の間隔をおいて複数台(この実施形態2では2台)のポンプ設備を配設したものであり、2台のポンプ設備P1,P2の基本的な構成は上記実施形態1のポンプ設備と同様である。
【0045】
そして、この実施形態2のポンプゲート用のポンプ設備においては、互いに隣接する一対のポンプ設備についてみた場合に、一方のポンプ設備P1を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3から他方のポンプ設備P2を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3に達するように配設された、主面が傾斜平坦部3と略平行なポンプ設備間バッフル8と、一方のポンプ設備P1を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3と他方のポンプ設備P2を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3の上面側に配設された、水の流れ方向に平行で、略垂直の上部垂直バッフル9を備えている。
【0046】
また、この実施形態2では、互いに隣接するポンプ設備P1,P2の配設ピッチQ(図5)が、各ポンプ設備P1及びP2を構成するポンプ本体10の径Dの約2倍とされている。
上述のように構成されたポンプゲート用のポンプ設備は、一方のポンプ設備P1を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3から他方のポンプ設備P2を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3に達するように配設された、主面が傾斜平坦部3と略平行なポンプ設備間バッフル8と、一方のポンプ設備P1を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3と他方のポンプ設備P2を構成するポンプ吸込口1の傾斜平坦部3の上面側に配設された、水の流れ方向に平行で、略垂直の上部垂直バッフル9を備えているので、一対のポンプ設備P1,P2のうち、一方のポンプ設備のみを運転する場合にも、空気吸込渦V1,水中渦V2(図7)の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプゲート用のポンプ設備を提供することが可能になる。
【0047】
すなわち、この実施形態2のポンプゲートのように、ゲートを開閉する扉体Gに、水路の流れに対して略直交する方向に所定の間隔をおいて複数台(この実施形態2では2台)のポンプ設備を配設したポンプゲートにおいて、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合(例えばポンプ設備P2のみを運転する場合)には、吸水領域(水路、水槽など)の流れが運転中のポンプ設備に偏るため、水流が開口部バッフルを通過する際の偏流の影響のために、図7及び図9に示すように後流渦V3が発達し、空気吸込渦に成長する場合があり、また、ポンプ設備間の吸水領域(水路、水槽など)中央では、特に偏流の影響が強く、水中渦が発生しやすくなるが、上述のように、一方のポンプ設備P1の傾斜平坦部3から他方のポンプ設備P2の傾斜平坦部3に達するポンプ設備間バッフル8と、一方のポンプ設備P1の傾斜平坦部3と他方のポンプ設備P2の傾斜平坦部3の上面側に上部垂直バッフル9を設けるようにした場合、ポンプ設備間バッフル8により、水中渦の発生を防止することが可能になるとともに、上部垂直バッフル9により、図8に示すように、吸込口上部での流れの偏りを減少させて、後流渦V3(図7及び図9)が空気吸込渦に発達することを防止することが可能になる。したがって、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合にも空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能になる。
【0048】
また、実施形態2のポンプゲート用のポンプ設備においては、個々のポンプ設備P1,P2として、上記実施形態1で用いられているポンプ設備Pと基本的に同様の構成を有するポンプ設備が用いられているので、上述の実施形態1で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0049】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、ポンプ吸込口の具体的な形状、構造、該ポンプ吸込口の先端側開口部の構造、さらには、開口部バッフル、下部垂直バッフル、ポンプ設備間バッフル、上部垂直バッフルなどの具体的な形状、構造、傾斜角度θ1、傾斜角度θ2、傾斜角度θ3の具体的な値、ポンプ吸込口の内周側下端部と、吸水領域の底面との距離などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることができる。
【0050】
【発明の効果】
上述のように本願発明(請求項1)のポンプ設備は、ポンプ吸込口を、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状の筒状部材から構成し、先端側開口部を、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、先端側開口部に、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルを配設し、かつ、ポンプ吸込口の上面側に、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部を形成するようにしているので、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプ設備を提供することが可能になる。すなわち、
(1)ポンプ吸込口の基本形状をテーパ形状とし、軸心を水平で、かつ、水の流れ方向と平行であることから、水の流れを乱さないようにするとともに、水面付近では、ポンプ吸込口直前での流れの下向き成分を小さくして空気吸込渦の発生を低減することができる、
(2)ポンプ吸込口が、従来のポンプ設備のような下向きベント形状ではなく、軸心が水平なテーパ形状を有していることから、吸水領域(水路、水槽など)の底面とポンプ吸込口の間の距離を確保して、水中渦の発生を低減することができる、
(3)ポンプ吸込口の先端側開口部を、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、ポンプ吸込口の上面側に傾斜平坦部を設けているので、水の流れが中央に集まることを抑制、防止して、ポンプ吸込口の上部ないし中央部からの空気の吸い込みを防止することができる、
(4)下限水位近傍における低水位運転時には開口部バッフルの上辺が水面から突出するようにしているので、低水位運転時にも水面からの空気の巻き込みによる空気吸込渦の発生を抑制することが可能になり、低水位運転時における、水のポンプへの接近流速が高速化した状態にも対応することができる
という効果を得ることが可能になる。
【0051】
また、本願発明(請求項2)のポンプ設備のように、水路の流れを制御するためのゲートに付帯され、ゲートにより仕切られる一方の水路から他方の水路に排水を行うために用いられるポンプゲート用のポンプ設備の場合にも、ポンプ吸込口を、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状の筒状部材から構成し、先端側開口部を、上端部が下端部よりも先端側に突出するように傾斜させるとともに、先端側開口部に、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルを配設し、かつ、ポンプ吸込口の上面側に、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部を形成することにより、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプ設備を提供することができる。
【0052】
また、請求項3のポンプ設備のように、ポンプ吸込口のテーパ形状の傾斜角度θ1を、軸心に対して15〜35°(より好ましくは20〜30°)とし、ポンプ吸込口の先端側開口部の、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対する傾斜角度θ2を20〜45°(より好ましくは25〜35°)とし、かつ、傾斜平坦部の、ポンプ吸込口の軸心に対する傾斜角度θ3を5〜15°(より好ましくは7.5〜12.5°)とした場合、より確実に空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制することが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0053】
また、請求項4のポンプ設備のように、開口部バッフルの外周部を構成する各辺に面取り処理又は丸み付け処理を施すことにより、開口部バッフルの各辺の近傍における空気吸込渦や水中渦の発生をさらに確実に抑制することができる。
【0054】
また、請求項5のポンプ設備のように、ポンプ吸込口の下部に、ポンプ吸込口の軸方向と平行に、ポンプ吸込口の内周部から外周部に亘る下部垂直バッフルを備えた構成とした場合、接近流速が速くなった場合にも、吸水領域(水路、水槽など)の底面の近傍や、該底面とポンプ吸込口の間などにおける水中渦の発生を抑制することが可能になる。
すなわち、接近流速が速くなると、ポンプ吸込口付近の吸水領域(水路、水槽など)の底面において水中渦が発生しやすくなり、吸水領域上流からの流れと例えばゲート側や水槽側壁側からの流れが、ポンプ吸込口付近で旋回流を発生させる場合があるが、下部垂直バッフルを備えた構成とすることにより、この旋回流(渦流れ)の発生を抑制することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0055】
また、請求項6のポンプ設備のように、ポンプ吸込口の内周側下端部と、吸水領域(水路、水槽など)の底面との距離をポンプ本体の径の0.2〜0.8倍(より好ましくは0.4〜0.6倍)とすることにより、吸水領域(水路、水槽など)が大型化することを抑制しつつ、水のポンプへの接近流速が高速化した低水位運転時における、吸水領域(水路、水槽など)の底面とポンプ吸込口の間などでの水中渦の発生を抑制することが可能になり、吸水領域(水路、水槽など)の小型化を実現することができる。
【0056】
また、本願発明(請求項7)のポンプゲート用のポンプ設備は、請求項2〜6のいずれかに記載のポンプ設備が、ゲートを開閉する扉体に、水路の流れに対して直交する方向に所定の間隔をおいて複数台配設されたポンプ設備において、互いに隣接する一対のポンプ設備についてみた場合に、一方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の傾斜平坦部から他方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の傾斜平坦部に達するように、主面が傾斜平坦部と平行なポンプ設備間バッフルを配設するとともに、一方及び他方のポンプ設備のポンプ吸込口の傾斜平坦部の上面側に水の流れ方向に平行で、垂直の上部垂直バッフルを配設するようにしているので、一対のポンプ設備のうち、一方のみを運転する場合にも、確実に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能になる。
すなわち、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合には、吸水領域(水路、水槽など)の流れが運転中のポンプ設備に偏るため、水流が開口部バッフルを通過する際の偏流の影響を受け、後流渦が発達して、空気吸込渦に成長する場合があり、また、ポンプ設備間の吸水領域(水路、水槽など)中央では、特に偏流の影響が強く、水中渦が発生しやすいが、上部垂直バッフルを設けることにより、吸込口上部での流れの偏りを減少させ、後流渦が空気吸込渦に発達することを防止することが可能になるとともに、ポンプ設備間バッフルを設けることにより、水中渦の発生を防止することが可能になり、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合にも確実に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能になり、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプゲート用のポンプ設備を提供することができるようになる。
【0057】
また、請求項8のポンプゲート用のポンプ設備のように、互いに隣接するポンプ設備の配設ピッチを、ポンプ設備を構成するポンプ本体の径の1.5〜2.5倍(より好ましくは1.8〜2.2倍)とすることにより、ポンプ設備の配設ピッチが大きくなりすぎることによるポンプゲートの大型化を抑制しつつ、複数のポンプ設備のうち、1つのポンプ設備だけを運転する場合にも、確実に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制することが可能な、騒音公害や排水能力の低下などを招くことのないポンプゲート用のポンプ設備を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態にかかるポンプ設備の要部を示す側面図である。
【図2】 本願発明の一実施形態にかかるポンプ設備の要部を示す平面図である。
【図3】 本願発明の一実施形態にかかるポンプ設備の要部を示す正面図である。
【図4】 本願発明の他の実施形態にかかるポンプゲート用のポンプ設備の要部を示す側面図である。
【図5】 本願発明の他の実施形態にかかるポンプゲート用のポンプ設備の要部を示す平面図である。
【図6】 本願発明の他の実施形態にかかるポンプゲート用のポンプ設備の要部を示す正面図である。
【図7】 本願発明の他の実施形態にかかるポンプゲート用のポンプ設備の作用を説明する平面図である。
【図8】 本願発明の他の実施形態にかかるポンプゲート用のポンプ設備の作用を説明する側面図である。
【図9】 本願発明の他の実施形態にかかるポンプゲート用のポンプ設備の作用を説明する平面図である。
【図10】 従来のゲートに付帯される排水用のポンプ設備を説明する平面図である。
【図11】 従来のゲートに付帯される排水用のポンプ設備を説明する側面図である。
【図12】 従来の高速ゲートポンプを示す図である。
【符号の説明】
1 ポンプ吸込口
1a 先端側開口部
2 開口部バッフル
2a 開口部バッフルの上辺
2b 開口部バッフルの両側の一対の辺
3 傾斜平坦部
4 下部垂直バッフル
5 吸水領域(水路、水槽など)
6 吸水領域の底面
7 水面
8 ポンプ設備間バッフル
9 上部垂直バッフル
10 ポンプ本体
20 吐出口
D ポンプ本体の径
G 扉体
L ポンプ吸込口の内周側下端部と吸水領域の底面との距離
P,P1,P2 ポンプ設備
Q ポンプ設備の配設ピッチ
V1 空気吸込渦
V2 水中渦
V3 後流渦
θ1 ポンプ吸込口のテーパ形状の傾斜角度
θ2 先端側開口部の傾斜角度
θ3 傾斜平坦部のポンプ吸込口の軸心に対する傾斜角度

Claims (8)

  1. 水を吸入するポンプ吸込口と、水を排水するためのポンプ本体と、水を吐出する吐出口とを備えたポンプ設備であって、
    ポンプ吸込口は、軸心が水平であって、水の流れ方向と平行であり、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状を有する筒状部材から構成されており、
    該ポンプ吸込口の先端側開口部は、上端部が下端部よりも先端側に突出するように、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対して所定の角度で傾斜しているとともに、
    ポンプ吸込口の先端側開口部には、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルが配設され、かつ、
    ポンプ吸込口の上面側には、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部が形成されていること
    を特徴とするポンプ設備。
  2. 水路の流れを制御するためのゲートに付帯され、前記ゲートにより仕切られる一方の水路から他方の水路に排水を行うために用いられるポンプゲート用のポンプ設備であって、
    水を吸入するポンプ吸込口と、水を排水するためのポンプ本体と、水を吐出する吐出口とを備え、
    ポンプ吸込口は、軸心が水平であって、水の流れ方向と平行であり、先端側開口部に向かって径が大きくなるテーパ形状を有する筒状部材から構成されており、
    該ポンプ吸込口の先端側開口部は、上端部が下端部よりも先端側に突出するように、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対して所定の角度で傾斜しているとともに、
    ポンプ吸込口の先端側開口部には、少なくともその中央部から上部にかけて、内周側には突出せず、外周部側に突出し、上辺が水平で、下限水位近傍における低水位運転時には上辺が水面から突出するように構成された開口部バッフルが配設され、かつ、
    ポンプ吸込口の上面側には、平坦で先端側開口部に向かって上りの傾斜となる傾斜平坦部が形成されていること
    を特徴とするポンプ設備。
  3. 前記ポンプ吸込口のテーパ形状の傾斜角度θ1が、軸心に対して15〜35°であり、
    前記ポンプ吸込口の先端側開口部の、ポンプ吸込口の軸心に直交する方向に対する傾斜角度θ2が20〜45°であり、かつ、
    前記傾斜平坦部の、ポンプ吸込口の軸心に対する傾斜角度θ3が5〜15°であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のポンプ設備。
  4. 前記開口部バッフルの外周部を構成する各辺には、面取り処理又は丸み付け処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ設備。
  5. 前記ポンプ吸込口の下部に、ポンプ吸込口の軸方向と平行に、ポンプ吸込口の内周部から外周部に亘る下部垂直バッフルを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポンプ設備。
  6. 前記ポンプ吸込口の内周側下端部と、吸水領域の底面との距離をポンプ本体の径の0.2〜0.8倍とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ設備。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載のポンプ設備が、ゲートを開閉する扉体に、水路の流れに対して直交する方向に所定の間隔をおいて複数台配設されたポンプ設備であって、
    互いに隣接する一対のポンプ設備についてみた場合に、
    一方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部から他方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部に達するように配設された、主面が前記傾斜平坦部と平行なポンプ設備間バッフルと、
    一方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部と他方のポンプ設備を構成するポンプ吸込口の前記傾斜平坦部の上面側に配設された、水の流れ方向に平行で、垂直の上部垂直バッフルと
    を備えていることを特徴とするポンプゲート用のポンプ設備。
  8. 互いに隣接するポンプ設備の配設ピッチが、ポンプ設備を構成するポンプ本体の径の1.5〜2.5倍であることを特徴とする請求項7記載のポンプゲート用のポンプ設備。
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