JP4347653B2 - 光偏向素子及び該光偏向素子で構成した光スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、光通信ネットワークに例えばレーザ信号光などの光を入射して伝播させる場合、電気光学効果を有する材料から成っていて、電界印加に依って屈折率が変化して該伝播光を偏向させるのに用いて好適な光偏向素子及び該光偏向素子で構成した光スイッチに関する。
光スイッチは、光通信ネットワーク中に於いて、光の経路を切り替える中継点として機能する装置であって、光通信ネットワークを構築する上で不可欠な要素である。
また、光スイッチを構成する光偏向素子として、電気光学効果をもつ材料の屈折率を電界を印加することで変化させ、その屈折率変化を利用して光の経路を切り替える光偏向素子が開発されている。
図9は従来の光スイッチを表す要部平面図である(例えば、特許文献1参照。)。図に於いて、4×4の光スイッチ80は、4つの入力チャンネルin1、in2、in3、in4並びに4つの出力チャンネルout1、out2、out3、out4の間で光パスの切り替えを行うものであり、入力チャンネルin1、in2、in3、in4と接続されたチャンネル導波路61aからなるチャンネル導波路部61と、光信号を平行光にする(以下、コリメートという。)導波路レンズ62a及び62bからなるコリメート部62と、電圧印加時に光信号の偏向方向を変える光偏向素子部63と、光信号を伝播するスラブ光導波路64と、出力側の光偏向素子部65と、光信号を集光する導波路レンズ66a及び66bからなる光集束部66と、出力チャンネルout1、out2、out3、out4と接続されたチャンネル導波路67aからなるチャンネル導波路部67とで構成されている。尚、図9に於いては、簡素化する為、主として1チャンネル分の構成要素について記号を記載してあるが、他のチャンネルについても同じ記号が付与されることは云うまでもない。
光偏向素子部63及び光偏向素子部65は、各チャンネル毎に2つのプリズム型を成す電極63a及び電極63b、或いは、プリズム型を成す電極65a及び電極65bが設けられている。これ等電極63a及び電極63b、或いは、電極65a及び電極65bの対にそれぞれ電圧を印加することに依り、電極63a及び電極63bで挟まれた電気光学効果をもつ材料からなる光偏向素子、又、電極65a及び電極65bで挟まれた電気光学効果をもつ材料からなる光偏向素子に生ずる屈折率変化で入力光信号をそれぞれ異なる方向に偏向するようになっている。
この光スイッチでは、プリズム型電極63a、63b、65a、65bを用いることに依って、マトリクス光スイッチを構成するのに必要なレーザ光の偏向角度を得ていて、回折型の偏向手段とは異なり、偏向状態で未偏向成分がなく、また、電気光学効果を有する材料からなる光偏向素子の作り方を工夫することで、散乱光を極めて少なくすることができ、従って、挿入損失やクロストークの問題を解消できることが知られている。
図9に見られる光スイッチ80について、入力チャンネルin1から出力チャンネルout3に光パスを切り替える際の動作について説明する。
光信号が入力チャンネルin1に接続されているチャンネル導波路61aに入力された場合、光信号は、導波路レンズ62a及び62bでコリメートされて光偏向素子部63に入力される。入力チャンネルin1から出力チャンネルout3に切り替える場合、光偏向素子部63では、プリズム型電極63a及び63bのうち、駆動電圧を電極63aに印加することに依り、図9に見られるように偏向方向を変えることができる。続いて、光信号はスラブ導波路64を経て光偏向素子部65に入力される。ここでは、出力チャンネルout3に光信号を出力する為、プリズム型電極65a及び65bのうち、電極65bに電極63aに印加した駆動電圧と略同等の駆動電圧を印加することに依り、図9に見られるように光信号を導波路レンズ66a及び66bに入力する。導波路レンズ66a及び66bでは、光信号を集光して出力チャンネルout3に対応するチャンネル導波路67aに結合する。
例えば、入力チャンネルIn3から出力チャンネルout1に光パスを切り替える場合には、光偏向素子部63に於いて、プリズム型電極63bに駆動電圧を印加することに依り、出力チャンネルout1方向に偏向させ、光偏向素子部65では、プリズム型電極63bに印加した電圧と略同程度の駆動電圧をプリズム型電極65aに印加すれば良い。
前記したように、光スイッチ80では、光偏向素子部63及び65に於いて、プリズム型電極63a、63b、65a、65bに選択的に所定の駆動電圧を印加することで光パスを切り替えている。
また、光スイッチを構成する為、電気光学効果を利用したスイッチング素子、即ち、光偏向素子も開発されている(例えば、特許文献を参照。)。
図10は従来の光偏向素子を表す平面図、図11は同じく要部切断側面図であり、図に於いて、導電性或いは半導電性の単結晶基板1の上に電気光学効果をもつ光導波路2が形成され、更にその上に上部電極3が形成されている。上部電極3は、入射光の光軸に対し直交する辺(底辺と呼ぶ)と、斜めに交差する辺(斜辺と呼ぶ)とをもつくさび形状、即ち、直角三角形状に形成されている。
前記のように構成された光偏向素子に於いては、図10に見られるように、光は上部電極3の底辺側から入射し、上部電極3の斜辺側から出射するようになっている。ここで、基板1を下部電極とし、上部電極3との間に電圧を印加することに依り、光導波路2のうち、上部電極3の下方の部分の屈折率が変化し、周囲との間に屈折率の差を生ずる。光導波路2を通る光は、屈折率が変化する部分で屈折して進行方向が変化するから、上部電極3と基板1との間に印加する電圧を変化させ、光の出射方向を制御することができる。
ところで、光導波路上に形成された光偏向素子の縦横比L/W(図10参照。)が大きくなると光の偏向角も大きくなる。この為、前記説明した従来の光スイッチで大きな偏向角を得る為には、光偏向素子の横幅Wに対して縦幅Lを充分に長く設定することが必要となり、光偏向素子を形成する為の所要スペースは大きくなる。
また、電気光学効果に依る屈折率の変化は小さいから、その変化に起因する偏向角で光スイッチのチャンネルを分離する為には、図9に見られる中央のスラブ導波路64として長い距離が必要である。然しながら、光は細いビームである程、光の波動的性質が顕著になって拡がるので、長い距離を伝播させるには、或程度太いビームが必要となる。
例えば、電圧を印加することで屈折率が小さくなる性質の電気光学効果を用いる場合、次に説明するような光偏向素子の配列を考えることができる。
図12は光偏向素子の配列を表す要部上面図であって、図9に見られる偏向素子部63の1チャンネル分を示してある。尚、図12に示した電極は1組であるが、図9に見られるように複数個が配列される場合もある。
図12に於いて、20a1乃至20a4は光偏向素子に於けるプリズム型電極、20b1乃至20b4は光偏向素子のプリズム型電極、nは屈折率、Δnは屈折率の変化分をそれぞれ示している。尚、本明細書では、他の箇所の記述に於いても全て屈折率はn、屈折率の変化分はΔnで表すことにする。
ここで、電極20a1乃至20a4に電圧を印加し、電極20b1乃至20b4に電圧を印加しない場合、電極20a1乃至20a4と下部電極(図11参照。)との間には屈折率n−Δnの光偏向素子領域が生成される。
これに対し、電極20b1乃至20b4には電圧が印加されていない為、電極20b1乃至20b4と下部電極との間には光偏向素子領域は生成されず、屈折率はnのままである。
前記したような状態の光導波路に光が入射された場合、光はn−Δnの光偏向素子領域を通過する毎に偏向を受け、図示されているように上方に曲がりながら伝播する。
図13は図12と同じ光偏向素子の配列を表す要部上面図であって、ここでは、電極20b1乃至20b4に電圧を印加し、電極20a1乃至20a4に電圧を印加しない場合が示され、従って、電極20b1乃至20b4と下部電極との間には屈折率n−Δnの光偏向素子領域が生成される。
これに対し、電極20a1乃至20a4には電圧が印加されていない為、電極20a1乃至20a4と下部電極との間には光偏向素子領域は生成されず、屈折率はnのままである。
このような状態の光導波路は、図12の場合と逆であって、光が入射された場合、光はn−Δnの光偏向素子領域を通過する毎に偏向を受け、図示されているように下方に曲がりながら伝播する。
さて、図12及び図13について説明したような光偏向素子の配列にした場合、図示されているように、ビームの太さが次第に変化する。即ち、図12の場合では、ビームが次第に太くなり、図13の場合では、ビームが次第に細くなっている。
図14及び図15はビームの太さが変化する原理を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図であり、図に於いて、21は光偏向素子、21Aは入射光の光軸に略直交する辺、21Bは入射光の光軸に斜め交差する辺、22は光偏向素子、22Aは入射光の光軸に略直交する辺、22Bは入射光の光軸に斜め交差する辺、L1は入射光、L2は偏向を受けない出射光、L3は偏向を受けた出射光をそれぞれ示している。
図14から明らかなように、光偏向素子21に電圧が印加されていない状態に於いて、入射光の光軸に略直交する辺21Aから入射した光L1は、偏向を受けずにそのままの太さの出射光L2として斜め交差する辺21Bから出射される。また、光偏向素子21に電圧が印加された状態で入射光の光軸に略直交する辺21Aから入射した光L1は偏向を受け、入射光L1に比較して太くなった出射光L3として斜め交差する辺21Bから出射される。
図15から明らかなように、光偏向素子22に電圧が印加されていない状態で、入射光の光軸に斜め交差する辺22Bから入射した光L1は、偏向を受けずにそのままの太さの出射光L2として入射光の光軸に略直交する辺22Aから出射される。また、光偏向素子22に電圧が印加された状態で入射光の光軸に斜め交差する辺22Bから入射した光L1は偏向を受け、入射光L1に比較して細くなった出射光L3として入射光の光軸に略直交する辺22Aから出射される。
図16はビームの太さを変化させないようにする原理を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図であり、図に於いて、23は光偏向素子、23A及び23Bは入射光の光軸に斜め交差する辺、23Cは入射光の光軸に略直交する辺をそれぞれ示している。
図16に見られる光偏向素子23は、図14並びに図15に示した光偏向素子21及び22の機能を併せもつ為、入射光L1及び出射光L3に於けるビーム太さは殆ど変わりないものとなる。
図12及び図13について説明したように、光偏向素子を配列した場合、ビームの太さが次第に変化する旨の問題があり、また、大きな偏向角を実現する為には、複数の光偏向素子を並べて配置する必要があり、しかも、提案されているパターン及び配置では、次第に偏向が大きくなるビームを受ける為には光偏向素子を次第に大型化しなければならず、そして、光偏向素子のピッチも大きくする必要があり、従って、微細化の要求には応えることができない。
特開平9−5797号公報 特開2002−318398号公報
本発明では、光偏向素子の小型化及び配設ピッチの狭小化を可能にして光スイッチの微細化を実現し、また、複数配設した光偏向素子を光が通過しても太さが変化することはなく、しかも、全体として大きな偏向角を実現できるようにする。
本発明に依る光偏向素子及び光スイッチに於いては、電気光学効果をもつ材料で形成されたスラブ型導波路に於ける光信号通過領域を上下から挟んで光を異なる方向に偏向する複数の電極が光の進行方向に配列形成されてなる光偏向素子に於いて、該電極は光の進行方向で隣り合う電極同士の対向する辺が略平行であると共に光の進行方向に対して傾きをもち且つ該傾きの方向は該隣り合う電極同士が対向する辺を一対とする複数対のそれぞれが互い違いになる方向であり更に光が最初に入射する電極の辺及び最後に出射する電極の辺は入射した光が直進した場合の進行方向に対して略直角を成すパターンにしてあり、該複数の電極を、電圧を印加して入射した該光を偏向させる方向毎の電極群に分けたときに、各電極群の電極は、該電極の該光を通過する辺と異なる辺が同じ直線上に位置するように配置され、各電極群の電極は、入射した該光の入力側から並んだ順に、該電極の該光を通過する辺の長さが、徐々に或いは段階的に長くなるように、該電極の該光を通過する辺の交差する頂点が配置され、該各電極群の電極は、更に、該電極の該光を通過する辺の中心が、電圧を印加したときに該光が曲がる方向に、徐々に或いは段階的にシフトさせた配置であることが基本になっている。
前記手段を採ることに依り、スラブ導波路に於ける光偏向素子を小さくすることができるので、光偏向素子を形成するスペースを小さく、また、配設ピッチを狭くすることが可能であって、その結果、光スイッチを小型化することができる。
また、光が複数の光偏向素子領域を通過してもビームの太さは殆ど変化せず、しかも、全体として大きな偏向角を実現することができるので、光学的特性が良好な光学装置の実現に寄与することができる。
図1乃至図3は本発明の一実施の形態を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図であり、図に於いて、10a1、10a2、10b1、10b2、10b3、11a1、11a2、11b1、11b2、11b3、12a1、12a2、12b1、12b2、12b3は光偏向素子のプリズム型電極であるが、これ等は、それぞれ光偏向素子領域を代表するものと認識してよい。
図1乃至図3から明らかなように、光を異なった方向に偏向させる複数の電極10a1・・・・は、隣り合う電極同士の対向する辺が略平行であって、且つ、光の進行方向に対して傾いて並んでいて、しかも、傾き方向が互い違いになっている。また、偏向が次第に大きくなる光を受ける為に光偏向素子も次第に大きくなっている。更にまた、光が電極に入射する最初の辺、及び、電極から出射する最後の辺は光の入射時に於ける進行方向に対して略直角を成している。尚、図1乃至図3については実施例の項で詳細に説明する。
図4は本発明に依る光偏向素子が占有スペースを小さくできることを説明する為の要部上面図であり、図に於いて、6a1、6a2、6b1、6b2、6b3は光偏向素子のプリズム型電極、L1は入射光、L2は偏向されずに光偏向素子を直進した出射光、L3及びL4は偏向された出射光を示している。
図から明らかなように、入射光L1が電極6b1に入射する最初の辺、及び、電極6b3から出射する最後の辺は光の直進方向に対して略垂直となるパターンになっていて、この構成を採ることに依り、光偏向素子のスペースを小さくすることを可能にしている。
これは、一見、簡単なことのよう思われ、そして、大きな効果は期待できないように思われるかも知れぬが、この種の光偏向素子で大きな偏向を実現するには、光偏向素子全体として、かなり細長い長大なものが必要であるから、本発明に依る電極パターン及び構成は、光スイッチ、延いては、光学装置の小型化や性能向上に寄与するところは大きい。
図5は占有面積が小さくならない光偏向素子を説明する為の要部上面図であり、図示の電極6c1、6c2、6e1、6e2のパターン及び構成の場合には、図4について説明した本発明の場合と比較すると電極6c2に於ける半分の長さが余分に必要となる。
また、図4から明らかなように、光偏向素子に於ける各電極は光の進行方向で隣り合う電極同士の対向する辺が略平行であると共に光の進行方向に対して傾きをもち且つ該傾きの方向は該隣り合う電極同士が対向する辺を一対とする複数対のそれぞれが互い違いになっていることから、例えば図16の場合のようにビームが細くはならない。
また、本発明では、電圧の印加に依って屈折率が小さくなる方向の電気光学効果を利用していることに起因して種々な効果が得られている。
図6は電圧の印加で屈折率が小さくなる電気光学効果を利用する利点を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図であり、図に於いて、7a1、7a2、7b1、7b2、7b3は光偏向素子のプリズム型電極、L1は入射光、L2は偏向されずに光偏向素子を直進した出射光、L3及びL4は偏向された出射光を示している。
この光偏向素子では、電極7a1及び7a2に電圧を印加すると光は紙面の上方(出射光L4の方向)に、また、電極7b1乃至7b3に電圧を印加すると光は紙面の下方(出射光L3の方向)にそれぞれ曲がることとなる。偏向する光をカバーするように電極を配置するには、図6のように、各電極形状を、矢印方向に大きくしていけば良い。すなわち、該複数の電極を、電圧を印加して入射した該光を偏向させる方向毎の電極群に分けたときに、各電極群の電極を、入射した該光の入力側から並んだ順に、該電極の該光を通過する辺の長さが、徐々に或いは段階的に長くなるようにする。このような配置にすることで、図4のように同じ大きさの電極を並べて配置した場合と比較して、各電極はコンパクトにまとまっており、光偏向素子を形成する為に必要とされるスペースを小さくすることができる。更に、上述した該複数の電極を、電圧を印加して入射した該光を偏向させる方向毎の電極群に分けたときに、各電極群の電極は、入射した該光の入力側から並んだ順に、該電極の該光を通過する辺の長さが、徐々に或いは段階的に長くなるようにすることに加えて、該電極の該光を通過する辺の中心が、電圧を印加したときに該光が曲がる方向に向けて、徐々に或いは段階的にシフトした状態に配置にすれば良い。そのような配置にすることで、光偏向素子を形成する為に必要とされるスペースを、更に少なくすることが可能となる。尚、仮に電圧の印加で屈折率が大きくなる電気光学効果を利用した場合には、このような利点を享受することはできない。
図7は電圧の印加で屈折率が大きくなる方向の電気光学効果を利用した光偏向素子を表す要部上面図であり、図に於いて、7c1、7c2、7c3、7e1、7e2は光偏向素子のプリズム型電極、L1は入射光、L2は偏向されずに光偏向素子を直進した出射光、L3及びL4は偏向された出射光を示している。
この光偏向素子では、電極7c1乃至7c3に電圧を印加すると光は紙面の上方(出射光L4の方向)に、また、電極7e1及び7e2に電圧を印加すると光は紙面の下方(出射光L3の方向)にそれぞれ曲がることとなる。偏向する光をカバーできるようにする為には、図7に見られるように各電極を矢印方向に電極形状を大きくすることが必要であって、これは、各電極のピッチ幅が拡がる方向であることから、光偏向素子の占有領域は大きくなってしまう。
図8は本発明の一実施例である光偏向素子を表す要部切断側面図であり、図に於いて、71は基板、72は下部クラッド層、73はコア層、74は上部クラッド層、75は光偏向素子の電極をそれぞれ示し、下部クラッド層72とコア層73と上部クラッド層74とでスラブ光導波路層を構成している。
NbがドープされたSTO(SrTiO3 )基板71上には、例えば厚さ1500〔nm〕のPLZTからなる下部クラッド層72が形成されている。PLZTの具体的組成はPb0.91La0.09(Zr0.65Ti0.35)O3 である。下部クラッド層72の屈折率は、例えば2.45である。このような下部クラッド層72は、例えばゾル・ゲル(sol−gel)法で形成することができる。
下部クラッド層72上には、例えば厚さ2000〔nm〕のPZTからなるコア層73が形成されている。PZTの具体的組成はPb(Zr0.52Ti0.48)O3 である。このようなコア層73の屈折率は、例えば2.56である。このようなコア層73は、例えばゾル・ゲル法で形成することができる。
コア層73上には、例えば厚さ1500〔nm〕のPLZTからなる上部クラッド層74が形成されている。PLZTの具体的組成は、下部クラッド層72と同様、Pb0.91La0.09(Zr0.65Ti0.35)O3 である。上部クラッド層74の屈折率は、下部クラッド層72と同様、例えば2.45である。このような上部クラッド層74は、例えばゾル・ゲル法で形成することができる。
下部クラッド層72、コア層73、上部クラッド層74で構成されたスラブ光導波路層80上には、例えば膜厚200〔nm〕のAuからなる電極75が形成されている。電極75は、例えばスパッタリング法で成膜することができる。
電極75は、光導波路層80に電界を印加し、電気光学効果に依って光偏向素子の電極75と基板71との間に挟まれた領域の光の屈折率を制御する。
光導波路層80に用いられているPZTやPLZTは、電界を加えると電気光学効果で屈折率が変化する材料であることは良く知られている。従って、光偏向素子の電極75への印加電圧をオン・オフすることで電極75と基板71とに挟まれた領域の屈折率が変化する。電極75及び基板71で挟まれ、電界の印加で屈折率が変化する領域を光偏向素子領域とする。光偏向素子領域は、実質的に光偏向素子として機能し、光を偏向させる働きをする。
さきに挙げた図1乃至図3を再び参照しつつ、図8について説明した光偏向素子で構成された光偏向素子の動作について詳細に説明する。この場合の光偏向素子は、電界を印加すると屈折率が小さくなる方向の電気光学効果をもつ材料で構成されていることは云うまでもない。例えばPLZTに電界を印加すると−Δnの屈折率変化を生ずる。
図1乃至図3には、10乃至12の3つのチャンネルが示されている。このうち、図1に見られるチャンネル10に於いて、電極10a1〜10a2で代表される光偏向素子の一つ以上に電圧を印加し、電極10b1〜10b3をもつ光偏向素子に電圧を印加しない状態について説明する。
上記の電圧印加状態では、電極10a1〜10a2と下部電極との間に屈折率がn−Δnの光偏向素子領域が生成され、そして、電極10b1〜10b3と下部電極との間に光偏向素子領域が生成されることはなく屈折率はnのままである。従って、レンズを介してスラブ光導波路に導入された光L1は屈折率n−Δnの光偏向素子領域を通過するたびに偏向され紙面上で上方に曲がることになり、最後の電極である電極10b3の下方に在るコア層73(図8参照)から出射光L4として出射される。
図2に見られるチャンネル11に於いては、電極11a1及び11a2、そして、11b1〜11b3の何れにも電圧を印加していない。この場合、前記各電極と下部電極との間には光偏向素子領域が生成されないので屈折率はnのままであり、従って、入射光L1は偏向されることなく直進して出射光L2として最後の電極である電極11b3の下方に在るコア層から出射される。
図3に見られるチャンネル12に於いては、電極12a1及び12a2に電圧を印加せず、電極12b1〜12b3の一つ以上に電圧を印加した状態を示している。この場合、電極12b1〜12b3と下部電極との間に屈折率がn−Δnの光偏向素子領域が生成され、そして、電極12a1〜12a2と下部電極との間に光偏向素子領域が生成されることはなく屈折率はnのままである。従って、光L1は屈折率n−Δnの光偏向素子領域を通過するたびに偏向され紙面上で下方に曲がることになり、最後の電極である電極12b3の下方に在るコア層から出射光L3として出射される。
本発明の一実施の形態を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。 本発明の一実施の形態を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。 本発明の一実施の形態を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。 本発明に依る光偏向素子が占有スペースを小さくできることを説明する為の要部上面図である。 占有面積が小さくならない光偏向素子を説明する為の要部上面図である。 電圧の印加で屈折率が小さくなる電気光学効果を利用する利点を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。 電圧の印加で屈折率が大きくなる方向の電気光学効果を利用した光偏向素子を表す要部上面図である。 本発明の一実施例である光偏向素子を表す要部切断側面図である。 従来の光スイッチを表す要部平面図である。 従来の光偏向素子を表す平面図である。 図10と同じ光偏向素子の要部切断側面図である。 光偏向素子の配列を表す要部上面図である。 図12と同じ光偏向素子の配列を表す要部上面図である。 ビームの太さが変化する原理を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。 ビームの太さが変化する原理を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。 ビームの太さを変化させないようにする原理を説明する為の光偏向素子を表す要部上面図である。
符号の説明
10a1及び10a2 光偏向素子を代表する電極
10b1乃至10b3 光偏向素子を代表する電極
11a1及び11a2 光偏向素子を代表する電極
11b1乃至11b3 光偏向素子を代表する電極
12a1及び12a2 光偏向素子を代表する電極
12b1乃至12b3 光偏向素子を代表する電極
L1 入射光
L2 直進した出射光
L3 偏向された出射光
L4 偏向された出射光

Claims (2)

  1. 電気光学効果をもつ材料で形成されたスラブ型導波路に於ける光信号通過領域を上下から挟んで光を異なる方向に偏向する複数の電極が光の進行方向に配列形成されてなる光偏向素子に於いて、
    該電極は光の進行方向で隣り合う電極同士の対向する辺が略平行であると共に光の進行方向に対して傾きをもち且つ該傾きの方向は該隣り合う電極同士が対向する辺を一対とする複数対のそれぞれが互い違いになる方向であり更に光が最初に入射する電極の辺及び最後に出射する電極の辺は入射した光が直進した場合の進行方向に対して略直角を成すパターンにしてあり、
    該複数の電極を、電圧を印加して入射した該光を偏向させる方向毎の電極群に分けたときに、各電極群の電極は、該電極の該光を通過する辺と異なる辺が同じ直線上に位置するように配置され、
    各電極群の電極は、入射した該光の入力側から並んだ順に、該電極の該光を通過する辺の長さが、徐々に或いは段階的に長くなるように、該電極の該光を通過する辺の交差する頂点が配置され、
    該各電極群の電極は、更に、該電極の該光を通過する辺の中心が、電圧を印加したときに該光が曲がる方向に、徐々に或いは段階的にシフトさせた配置であること
    を特徴とする光偏向素子。
  2. 請求項1記載の光偏向素子が形成されたスラブ光導波路を備えてなること
    を特徴とする光スイッチ。
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