JP4346846B2 - X線撮影装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線管から照射され、検査物や人体を含む被検体を透過した透過X線に基づき画像化するX線撮影装置に係り、特に、X線フラットパネル検出器を用いて透過X線を検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、X線撮影装置では、X線フラットパネル検出器を備えているものがある。X線フラットパネル検出器とは、被検体を透過した透過X線を電荷あるいは光に変換するX線変換層と、その下層に形成され、複数個のX線検出素子に接続された複数個のコンデンサに電荷を蓄積する検出アレイ層とを備えたX線検出用のデバイスである。このX線フラットパネル検出器は、外形が平面形状を呈し、例えば、縦1024×横1024個のX線検出素子が形成されている。
【0003】
また、X線撮影装置は、上記X線フラットパネル検出器の他に、X線フラットパネル検出器で検出された出力信号を収集して記憶するためのデータメモリと、このデータメモリに全ての出力信号を順次に収集して記憶させる制御を行うためのデータ収集部と、データメモリに収集された全ての出力信号に基づき画像化するデータ処理部とを備えている。
【0004】
データ収集部は、一撮影(動画の場合は1フレームに相当する静止画撮影)において、X線フラットパネル検出器の全面あるいは一部の領域からの全ての出力信号を順次に収集してデータメモリに記憶させる。このようにしてデータメモリに全ての出力信号が記憶された後、全ての出力信号を対象にしてデータ処理部が画像処理などを一括して施し、一枚の画像を構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置では、上記X線フラットパネル検出器のX線検出素子の数が、X線CT装置などで利用されているX線検出器に比較して非常に多くなっている。したがって、X線フラットパネル検出器の全面ではなく一部の領域だけを利用する場合であっても、一撮影(一回のデータ収集サイクル)においてデータメモリに全ての出力信号が収集記憶され、データ処理部に転送完了するのに長時間を要する。因みに、データ処理部から見たデータ収集レートの具体例は、X線フラットパネル検出器では毎秒数十回程度のデータ収集レートであるのに対して、X線CT装置におけるX線検出器では毎秒約1000回程度のデータ収集レートとなっている。
【0006】
そのため数々の利点を備えているにも係わらず、X線フラットパネル検出器を採用したX線撮影装置では、X線CT装置のように被検体周りから収集した角度ごとの投影データ(一撮影に相当)に基づき断層像を撮影する装置として利用することが困難、あるいは利用できても一断層像の収集に長時間を要する性能の低いものになっている。
【0007】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、出力信号の収集・記憶の仕方及びデータ処理を工夫することにより、X線フラットパネル検出器を採用しながらも、データ処理部から見たデータ収集レートを大幅に高めて断層像を撮影することが可能なX線撮影装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明者は、上記の問題を解決するために次のような知見を得た。
上述したように、データ処理部から見たデータ収集レートが低いことがX線フラットパネル検出器を用いてCT像を得ることを困難にしている。その上、X線フラットパネル検出器のうちの特定部分だけを限定して利用したとしても、一撮影において、一枚分の画像を構成する出力信号をデータメモリに記憶してデータ処理部で画像化してからでなければ、次の一枚分の画像を構成する出力信号を収集・記憶させることができない点が、データ処理部から見た出力信号のデータ収集レートを低下させていることに着目した。このような知見に基づくこの発明は次のように構成されている。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、X線管と対向配備され、TFTを有するX線フラットパネル検出器と、このX線フラットパネル検出器で検出された透過X線に基づく出力信号を収集して記憶するためのデータメモリと、前記出力信号の収集を制御して、透視撮影の一撮影における全ての前記信号出力を順次に収集して前記データメモリに記憶させる機能を有する信号収集部と、前記データメモリに記憶されている出力信号に基づき画像化を行うデータ処理部と、前記X線管と前記X線フラットパネル検出器とを対向支持したまま被検体周りに回転させる駆動手段とを備え、前記信号収集部は、前記駆動手段を動作させつつ、前記X線フラットパネル検出器の特定部分で検出された透過X線に基づく出力信号のみを繰り返し収集し、その出力信号を前記データメモリに回転角度ごとに順次に記憶させるとともに、データ転送タイミングに達した場合に、前記データメモリに回転角度ごとに記憶された出力信号を前記データ処理部に一括転送する処理を、複数回繰り返し、前記データ処理部は、前記複数回に渡って一括して転送された出力信号に対してCT用処理を施すことを特徴とするものである。
【0010】
(作用・効果)データ収集部は、X線フラットパネル検出器の特定部分だけを利用し、この特定部分からの出力信号だけを順次に繰り返し収集する(以下、このような読み込みを「特定領域繰り返し読み込み」と称する)。そして、このようにして収集した出力信号をデータメモリに対して回転角度ごとに順次に記憶させるとともに、データ転送タイミングに達した場合に、前記データメモリに回転角度ごとに記憶された出力信号を前記データ処理部に一括転送する処理を、複数回繰り返す。データ処理部は、複数回に渡って一括して転送された出力信号を一括して取り扱い、これに対して断層像を再構成するためのCT用処理を施す。したがって、データ処理部から見た一撮影のデータ収集レートを繰り返し読み込み回数倍にすることができる。その結果、一撮影におけるデータ収集レートを透視撮影時のそれに比較して大幅に高めることができる。また、透視撮影に用いる場合には、データの時間分解能を向上させることができる。
【0011】
例えば、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線撮影装置において、前記信号収集部は、前記X線フラットパネル検出器に形成されているX線検出素子群のうち一部の複数列からの出力信号だけを利用することを特徴とするものである。
【0012】
(作用・効果)X線フラットパネル検出器のほぼ全面にわたって形成されている複数個のX線検出素子群(例えば、1024×1024個)のうち、例えば、2〜16列(2048〜16,384個)だけを用いる。この列数は、所望する断層像のスライス数に応じて決めればよい。このように少数のX線検出素子を用いることで、X線フラットパネル検出器・データメモリ間の出力信号をやり取りする転送レートは従来と同じでよく、回路の設計変更等を行う必要がない。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のX線撮影装置において、前記駆動手段は、C型アームを備えていることを特徴とするものである。
【0014】
(作用・効果)C型アームを回転させることにより、X線管とX線フラットパネル検出器を対向支持した状態で被検体周りに回転させることができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のX線撮影装置において、前記駆動手段は、被検体を挿入するための開口部を有するガントリを備えていることを特徴とするものである。
【0016】
(作用・効果)ガントリ内にX線管とX線フラットパネル検出器を配備することで、それらを対向させたまま被検体周りに回転させることができる。
【0017】
また、この明細書は、次のような課題解決手段も開示している。
【0018】
(1)X線管とX線フラットパネル検出器とを対向支持させた状態で被検体周りに回転させつつ、X線フラットパネル検出器の特定部分で検出された透過X線に基づく出力信号のみをデータ収集部がデータメモリに繰り返し収集する過程と、収集された前記出力信号をデータ収集部がデータメモリに対して回転角度ごとに順次に記憶させる過程と、回転角度ごとに記憶されている出力信号をデータ処理部が一括して取り扱い、これに対してCT用処理を施す過程とを備えていることを特徴とするX線撮影装置におけるデータ処理方法。
【0019】
X線フラットパネル検出器の特定部分だけを利用し、データ処理部が特定領域繰り返し読み込みを行い、このようにして収集した出力信号を回転角度ごとにデータメモリに順次に記憶させる。これらの出力信号を回転角度ごとの信号群としてデータ処理部が一括して取り扱い、これに基づき断層像を再構成するためのCT用処理を施す。したがって、データ処理部から見た一撮影のデータ収集レートを、透視撮影時のそれに比較して大幅に高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1ないし図4はこの発明の一実施例に係り、図1はX線撮影装置の概略構成を示したブロック図である。また、図2はX線フラットパネル検出器の概略構成を示す斜視図であり、図3はX線フラットパネル検出器の層構造を示す断面図であり、図4はX線フラットパネル検出器の周辺回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
天板1は、検査対象である被検体Mが載置されるものである。この天板1はX線透過材料などで構成されている。天板1を挟む位置には、X線管3とX線フラットパネル検出器5とが対向配備されている。X線管3とX線フラットパネル検出器5とは、図中に二点鎖線で示す支持機構7によって被検体M周りに回転可能となっている。この支持機構7は、回転駆動部9によって回転される。回転駆動部9の制御は、撮影制御部11によって行われる。なお、支持機構7と回転駆動部9とが本発明における駆動手段に相当する。
【0022】
撮影制御部11は、X線管3からのX線照射を制御する照射制御部13を制御する。照射制御部13の制御は、撮影者によって操作されるキーボード15やマウス17からの指示に応じて、撮影制御部11から出力される指令信号によって行われる。
【0023】
X線フラットパネル検出器5は次のように構成されている。
【0024】
X線フラットパネル検出器5は、X線検出素子の配列として、例えば、横1024×縦1024(x×y)の正方形マトリックス構成が挙げられる。また、この平面寸法としては、縦横約43cmが例示される。外形としては平面形状を呈することから、胸部や腹部などの大きな部位を撮影するのに適した方形の検出面を構成させることが可能であること、視野周辺の歪みがほとんどなく高解像度であること、薄型・軽量であることなどの多くの利点を有する。
【0025】
このように多くの利点を備えたX線フラットパネル検出器5の具体的な構成は、次のようなものである。
すなわち、入射X線を電荷あるいは光に変換するX線変換層19と、このX線変換層19で生じた電荷あるいは光を検出する素子が縦横にマトリックス状に配置されてなる検出アレイ層21との積層構造を有する。
【0026】
このX線フラットパネル検出器5としては、図3に示す構造を採用した直接変換タイプを例に採って以下に説明するが、X線変換層19がシンチレータ層からなり、検出アレイ層21の表面に形成されたフォトダイオードなどの光検出素子によって光検出を行い、コンデンサに電荷を蓄える構成の間接変換タイプであってもよい。
【0027】
X線変換層19は、入射X線を直ちに電荷に変換するセレン層(アモルファスセレン層)やCdZnTe層などから構成されている。その下層に位置する検出アレイ層21の表面には電荷検出素子23が形成されており、表面電極25に対向形成された電荷収集電極により電荷の検出を行ってコンデンサC1に蓄電する構成となっている。上記各電荷検出素子23と、その上層のX線変換層19の一部と、上記コンデンサC1とが一つのX線検出素子XDを構成している。
【0028】
各X線検出素子XDは、図4に示すように、それぞれTFT(Thin Film Transistor)27を介して縦横に延出された読み出し配線R1,R2に接続されている。これらの読み出し配線R1,R2は、それぞれが横読み出し駆動部RC1または縦読み出し駆動部RC2に接続されており、これらには読み出し用の走査信号与えられる。X線フラットパネル検出器5に形成されている複数個のX線検出素子XDを特定するには、横方向アドレスと縦方向アドレスを指定する縦・横の走査信号を出力すればよい。
【0029】
横読み出し駆動部RC1及び縦読み出し駆動部RC2では、縦・横の走査信号にしたがって各々の読み出し配線R1,R2に読み出し用の電圧が印加されるのに伴って、各X線検出素子XDから順にX線検出信号が出力信号として出力される。その際、TFT27及び読み出し配線R2を通り、さらにX線フラットパネル検出器5の後段に配備された、後述する信号収集部(35)の各プリアンプ29及びマルチプレクサ31を経て、出力信号がX線検出データとして、後述するデータメモリ(33)に対して収集されることになる。
【0030】
図1に戻る。
上記のように構成されたX線フラットパネル検出器5の後段には、データメモリ33と信号収集部35が配備されている。データメモリ33は、X線フラットパネル検出器5で検出された透過X線の出力信号を、後述するように記憶してゆく。そのときの記憶のさせ方とX線フラットパネル検出器5の特定部分にあるX線検出素子XDの指定にあたる制御は、後述するように信号収集部35によって行われる。
【0031】
信号収集部35によって収集されてデータメモリ33に記憶された透過X線の出力信号は、処理部37によって処理される。この処理部37は、データ処理部39と、断層像画像メモリ41とを備えている。データ処理部39は、データメモリ33に記憶されている透過X線の出力信号を一括して処理対象とし、それに対してCT用処理を施す。断層像画像メモリ41は、このようにして生成された断層像データを記憶する。
【0032】
さらに処理部37には、モニタ43とイメージャー45とが接続されている。これらには、断層像画像メモリ41の断層像データに基づいて断層像が出力可能に構成されている。イメージャー45は、モニタ43に表示された断層像を写真画像として焼き付け出力する機能を備えている。
【0033】
次に、図5を参照して、上述したデータメモリ33と信号収集部35による出力信号の記憶制御について説明する。なお、図5は、信号収集部35の動作を模式的に示した図である。
【0034】
信号収集部35は、X線フラットパネル検出器5に形成されているX線検出素子XD群のうち、特定部分のものだけを指定して出力信号を読み出す。例えば、縦1024×横1024個のX線検出素子XDのうち、中央部付近のn列に位置しているX線検出素子XD群だけを使用する。なお、このように中央部でなく、周辺部付近のn列を対象としてもよく、さらに一列おきのX線検出素子XDを対象としてもよい。
【0035】
このようにn列のX線検出素子XDだけを対象にして透過X線の出力信号を読み出すが、その読み出した出力信号はデータメモリ33に読み出したごとにグループ化(グループG1,G2,G3、……)して記憶させてゆく。実際の動作時には、撮影制御部11によって回転駆動部9が動作され、X線管3とX線フラットパネル検出器5が対向したまま被検体M周りに回転され、回転が停止されるまでの間、n列のX線検出素子XDからの出力信号が繰り返し読み出される。このような特定領域繰り返し読み込みが行われ、グループG1,G2,G3ごとに記憶されてゆくことになるので、データメモリ33には回転角度ごとのn列のX線検出素子XDから読み出された出力信号が記憶されることになる。換言すると、グループG1,G2,G3,……ごとにX線管3とX線フラットパネル検出器5における撮影軸の角度が各々異なる。
【0036】
このように信号処理部35が特定部分のX線検出素子XDだけを読み出し、特定領域繰り返し読み出しを行ってデータメモリ33に回転角度ごとに出力信号を記憶させる。データ処理部39は、データメモリ33から回転角度ごとの出力信号を読み出し、一括してCT用処理を施す。これにより回転角度ごとの出力信号(つまりX線CT装置における投影データに相当する)から断層像が再構成されることになる。
【0037】
次に、図6のフローチャートを参照して、上述したように構成したX線撮影装置の動作について説明する。なお、予め被検体Mが天板1に載置され、キーボード15やマウス17を介して、撮影者により予めX線管3からのX線照射条件などが設定されているものとする。
【0038】
ステップS1
撮影制御部11は、回転駆動部9を作動させながら、照射制御部13を制御して所定線量のX線をX線管3から照射させる。これによりX線管3とX線フラットパネル検出器5とが対向した状態で支持機構7ごと被検体Mの周りを回転し始める。そして、信号収集部35は、X線フラットパネル検出器5について上述したようにして特定部分のn列を対象にして出力信号を読み出し、回転角度ごとにグループ化してデータメモリ33に記憶させる。なお、支持機構7による回転は、被検体Mの体軸周りや体軸方向等のいずれかの所望する方向に行えばよい。
【0039】
ステップS2
データメモリ33に記憶された出力信号についてデータ転送を行うタイミングに達したか否かを判断して処理を分岐する。つまり、上記のステップS1及びS2において、上述したような「特定領域繰り返し読み込み」を実施するのである。
【0040】
ステップS3
データ転送のタイミングに達した場合、信号収集部35は特定領域繰り返し読み込みを停止し、データメモリ33に記憶されている全てのグループG1,G2,G3,……をデータ処理部39に一括して転送する。
【0041】
ステップS4
図示しない回転角度検出機構を介して、回転角度が停止角度に達したか否かを判断する。停止角度に達した場合には上記一連の処理を終了し、停止角度に達していない場合にはステップS1に戻って出力信号を記憶させる。
【0042】
上記のようにデータ収集をした後、データ処理部39は、一括して転送されてきた全てのグループG1,G2,G3,……を対象にしてCT用処理を施す。これにより断層像が再構成され、断層像メモリ41に記憶される。記憶された断層像は、モニタ43に表示される。
【0043】
上記のような一連の処理によって、一つの断層像の撮影が行われる。
【0044】
このように上記の構成のX線撮影装置では、特定領域繰り返し読み込みを行い、出力信号をデータメモリ33に対して回転角度ごとにグループ化して順次に記憶させる。しかも、データ処理部39は全てのグループを一括して取り扱って断層像を再構成するためのCT用処理を施す。したがって、データ処理部39から見た一撮影のデータ収集レートを透視撮影時のデータ収集レートに比較して大幅に高めることができるようになっている。そのためX線フラットパネル検出器5を用いて断層像の撮影を行うことができ、また、透視撮影に利用する場合にはデータの時間分解能を向上させることができる。
【0045】
なお、上述したX線撮影装置における支持機構7(駆動手段)は、具体的には以下のような構成ものが例示される。
【0046】
(1)図7に示すC型アームタイプ
すなわち、X線管3とX線フラットパネル検出器5とを天板1を挟んで対向支持するC型アーム47を備えるX線撮影装置である。C型アーム47は、支持台49によって回転可能に支持されている。その回転は、例えば、被検体Mの体軸周り(符号P1)と体軸方向(符号P2)に可能となっている。
【0047】
(2)図8に示すガントリタイプ
すなわち、X線管3とX線フラットパネル検出器5とを対向支持した状態で回転可能なガントリ51を備えたX線撮影装置である。ガントリ51は、被検体Mが挿入される開口部53を備えている。X線管3とX線検出フラットパネル検出器5は、開口部53の周りで回転駆動されるようになっている。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、データ収集部は特定領域繰り返し読み込みを行い、出力信号をデータメモリに対して回転角度ごとに順次に記憶させる。しかも、データ処理部は回転角度ごとの出力信号を一括して取り扱って断層像を再構成するためのCT用処理を施すので、データ処理部から見た一撮影のデータ収集レートを透視撮影時のデータ収集レートに比較して大幅に高めることができ、断層像の撮影を行うことができる。また、透視撮影に用いる場合には、データの時間分解能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線撮影装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】X線フラットパネル検出器の概略構成を示す斜視図である。
【図3】X線フラットパネル検出器の層構造を示す断面図である。
【図4】X線フラットパネル検出器の周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図5】信号収集部の動作を模式的に示した図である。
【図6】動作説明に供するフローチャートである。
【図7】C型アームを備えたX線撮影装置の概略構成を示す図である。
【図8】ガントリを備えたX線撮影装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
M … 被検体
1 … 天板
3 … X線管
5 … X線フラットパネル検出器
7 … 支持機構(駆動手段)
9 … 回転駆動部(駆動手段)
33 … データメモリ
35 … 信号収集部
37 … 処理部
39 … データ処理部
G1,G2,G3 … グループ
47 … C型アーム
49 … 支持台
51 … ガントリ
Claims (4)
- X線管と対向配備され、TFTを有するX線フラットパネル検出器と、このX線フラットパネル検出器で検出された透過X線に基づく出力信号を収集して記憶するためのデータメモリと、前記出力信号の収集を制御して、透視撮影の一撮影における全ての前記信号出力を順次に収集して前記データメモリに記憶させる機能を有する信号収集部と、前記データメモリに記憶されている出力信号に基づき画像化を行うデータ処理部と、前記X線管と前記X線フラットパネル検出器とを対向支持したまま被検体周りに回転させる駆動手段とを備え、
前記信号収集部は、前記駆動手段を動作させつつ、前記X線フラットパネル検出器の特定部分で検出された透過X線に基づく出力信号のみを繰り返し収集し、その出力信号を前記データメモリに回転角度ごとに順次に記憶させるとともに、データ転送タイミングに達した場合に、前記データメモリに回転角度ごとに記憶された出力信号を前記データ処理部に一括転送する処理を、複数回繰り返し、
前記データ処理部は、前記複数回に渡って一括して転送された出力信号に対してCT用処理を施すことを特徴とするX線撮影装置。 - 請求項1に記載のX線撮影装置において、前記信号収集部は、前記X線フラットパネル検出器に形成されているX線検出素子群のうち一部の複数列からの出力信号だけを利用することを特徴とするX線撮影装置。
- 請求項1または2に記載のX線撮影装置において、前記駆動手段は、C型アームを備えていることを特徴とするX線撮影装置。
- 請求項1または2に記載のX線撮影装置において、前記駆動手段は、被検体を挿入するための開口部を有するガントリを備えていることを特徴とするX線撮影装置。
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