JP4346427B2 - 可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置 - Google Patents

可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4346427B2
JP4346427B2 JP2003412238A JP2003412238A JP4346427B2 JP 4346427 B2 JP4346427 B2 JP 4346427B2 JP 2003412238 A JP2003412238 A JP 2003412238A JP 2003412238 A JP2003412238 A JP 2003412238A JP 4346427 B2 JP4346427 B2 JP 4346427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
cam
valve mechanism
variable valve
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003412238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005172593A (ja
Inventor
正樹 関口
弘 佐藤
伸夫 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2003412238A priority Critical patent/JP4346427B2/ja
Publication of JP2005172593A publication Critical patent/JP2005172593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4346427B2 publication Critical patent/JP4346427B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)

Description

本発明は、エンジンの生産過程でエンジンを診断する方法及び診断装置に関し、より詳しくはエンジンの回転域に応じて、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させることにより全回転域において最適な出力特性が得られるようにした可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置に関する。
従来、エンジンの生産過程では、出荷品質を確保するために、生産したエンジンの評価試験が行なわれている。このような評価試験を行うエンジン診断装置として、例えば、エンジンの1行程中における吸気バルブ及び排気バルブの最大振動レベルを算出し、その算出した最大振動レベルが前行程での最大振動レベルよりも所定値以上小さくなったときに、吸気バルブ若しくは排気バルブを異常と判定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他のエンジン診断装置として、エンジンの各バルブの近傍における振動を検出して、その検出したエンジン振動信号から対応するバルブの駆動に関連するバルブ振動信号を抽出し、更に、エンジンコントロールユニットからのカム角検出信号及びクランク角検出信号と予め入力されたカムプロフィールデータとに基づいて各バルブに対応するカム開閉ランプ部及びバルブリフト部の範囲を示すカムシャフトタイミングを検出して、バルブ振動信号とカムシャフトタイミングとの相関に基づいてバルブクリアランスを判定するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、エンジンの可変動弁機構として、例えば、カムシャフトに低速用カムと高速用カムとを設け、ロッカアームシャフトには低速用カムにより揺動する低速用ロッカアームと、高速用カムにより揺動する高速用ロッカアームとを連結自在に設けて、エンジンの低速回転域では高速用ロッカアームと低速用ロッカアームとを切り離して吸気バルブや排気バルブを低速用カムにより駆動し、エンジンの高速回転域では高速用ロッカアームと低速用ロッカアームとを連結して吸気バルブや排気バルブを高速用カムにより駆動して、全回転域において最適な出力特性が得られるようにしたロッカアーム式のものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、他の可変動弁機構として、ロッカアームを使用しない直打式のものも知られている(例えば、特許文献4参照)。
この直打式の可変動弁機構は、図8に示すように、バルブ駆動用のカムシャフト101に、各気筒に対応して2つの高速用カム102と、これら高速用カム102の間に配設された1つの低速用カム103とを有している。
また、カムシャフト101の下方において、シリンダヘッド104に形成されたガイド穴105内には、円板状の端壁と円筒状の側壁とからなる倒立カップ形状の直打式バルブリフタ110が上下方向に滑動可能に挿入されている。この直打式バルブリフタ110は、端壁の周縁部及び側壁を構成して高速用カム102により往復動するアウターリフタ111と、端壁の中心部を構成して低速用カム103により往復動するインナーリフタ112とに分割されており、インナーリフタ112は、アウターリフタ111の端壁の中心部に形成された境界穴113内に相対的に上下方向に摺動可能に配設されている。
アウターリフタ111の端壁のうち180度離れた2箇所の内部には、半径方向に延び、内端が境界穴113内に開口し、外端が閉鎖した第1シリンダ穴115と、内端が境界穴113内に開口し、外端も開口した第3シリンダ穴117とが形成されており、インナーリフタ112の内部には、直径方向に延び、両端が開口した第2シリンダ穴116が形成されている。
第1〜第3シリンダ穴115〜117は同一内径で、アウターリフタ111及びインナーリフタ112に、それぞれ高速用カム102及び低速用カム103が当接し、アウターリフタ111の上面とインナーリフタ112の上面とが面一になったときに、第1〜第3シリンダ穴115〜117は互いに同一軸上に連続するようになっている。
第1シリンダ穴115及び第2シリンダ穴116には、それぞれのシリンダ穴と同一長の第1ピン118及び第2ピン119が左右摺動可能に挿入されている。また、第3シリンダ穴117には、該シリンダ穴より短い第3ピン120が左右方向に摺動可能に挿入されていると共に、第3シリンダ穴117の外端付近に止着されたストッパ121と第3ピン120との間には、第3ピン120を常に第2ピン119側へ付勢するリターンスプリング122が装着されている。
第1〜第3ピン118〜120は同一外径で、アウターリフタ111の上面とインナーリフタ112の上面とが面一になったときに、端面同志が当接して同一軸上に連続し、左右方向に摺動が可能になっている。
また、第1シリンダ穴115の閉鎖端は、作動油が供給される高圧室124となっており、この高圧室124にはオイルパン125の作動油がオイルポンプ126から、切替弁127、シリンダヘッド104に形成された油通路128、ガイド穴105の内周面に形成された環状溝129、アウターリフタ111の側壁の外周面に形成された油導入凹部130、およびアウターリフタ111の側壁に貫通形成された油孔131の油路を経て送られるようになっている。なお、切替弁127は、図示しない制御装置により、エンジンの低速回転域では高圧室124をドレンさせ、エンジンの高速回転域では高圧室124をオイルポンプ126に連通させるように切り替えられる。
吸気または/及び排気用のバルブ133は、バルブクリアランス調整用のインナーシム132を介してインナーリフタ112の下面中央部に当接するように配置され、インナーリフタ112の上下動によって開閉されるようになっている。また、バルブ133には、コッタ134を介してリテーナ135が取着されており、このリテーナ135とシリンダヘッド104のばね受け部106との間には、バルブ133を巻回するようにバルブスプリング136が配設され、バルブ133を常に上方のインナーリフタ112側(閉弁方向)へ付勢している。また、アウターリフタ111の端壁の下面とばね受け部106との間で、バルブスプリング136の外周側には、ロストモーションスプリング137が配設され、アウターリフタ111を常に上方、即ち閉弁方向へ付勢して高速用カム102に押し付けるようになっている。
かかる直打式の可変動弁機構においては、エンジンの低速回転域では、図8に示すように、高圧室124がドレンするように切替弁127を切り替えることにより、第1〜第3ピン118〜120をリターンスプリング122の付勢力により図8において左側方向へ摺動させて、第1〜第3シリンダ穴115〜117にそれぞれ収容させ、これによりアウターリフタ111をインナーリフタ112から切り離して、図9に示すようにバルブ133を低速用カム103の形状に基づいて開閉させるようにしている。
また、エンジンの高速回転域では、図10に示すように、高圧室124がオイルポンプ126に連通するように切替弁127を切り替えて、高圧室124に作動油を供給することにより、第1〜第3ピン118〜120をリターンスプリング122の付勢力に抗して図10において右側方向へ摺動させて、第1ピン118を第1シリンダ穴115と第2シリンダ穴116とに掛け渡すと共に、第2ピン119を第2シリンダ穴116と第3シリンダ穴117とに掛け渡して、これによりアウターリフタ111とインナーリフタ112とを連結して、バルブ133を高速用カム102の形状に基づいて開閉させるようにしている。
特開2000−337205号公報 特開2001−21455号公報 特開平3−43612号公報 特開平6−17630号公報
ところが、従来提案されているエンジン診断装置は、バルブ自体の異常やバルブクリアランスを判定するもので、上述したような可変動弁機構については何ら言及されておらず、その動作を診断するようにはなっていない。
このため、従来は、可変動弁機構に異常があって、バルブを駆動するカムが正常に切り替わらなくても、その現象を直接検出できないために、出荷品質を充分確保することができず、異常のまま車両に搭載されて低速回転域あるいは高速回転域で所望の出力特性が得られなくなることが懸念される。
このようなことから、近年、可変動弁機構を有するエンジンについては、エンジンの生産過程で可変動弁機構自体の動作を直接評価できるエンジン診断装置の開発が望まれている。
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、その目的とするところは、エンジンの生産過程において可変動弁機構自体の動作を直接評価でき、エンジンの出荷品質の向上に寄与できる可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断方法の発明は、吸気バルブまたは/及び排気バルブを駆動する吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンを診断する可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記エンジンを所定の回転数で回転させながら、上記吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えるためのカム切替指令の前後における上記エンジンの吸気圧力または/及び排気圧力を測定する圧力測定手順と、該圧力測定手順で測定された上記カム切替指令の前後における測定圧力波形の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する判定手順とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記圧力測定手順は、上記リフト量が可変のバルブが位置する吸気ポートまたは排気ポートに圧力センサを設置して上記吸気圧力または/及び排気圧力を測定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンを診断する可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記エンジンを所定の回転数で回転させながら、上記カムを切り替えるためのカム切替指令の前後における上記エンジンの筒内圧力を測定する圧力測定手順と、該圧力測定手順で測定された上記カム切替指令の前後における測定圧力波形の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する判定手順とを有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記圧力測定手順は、点火プラグの取付位置に、点火プラグに代えて圧力センサを取り付けて上記筒内圧力を測定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項の可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記圧力測定手順は、燃料噴射装置を取り外した状態で上記圧力を測定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項の可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記判定手順は、上記測定圧力波形のピーク値、予め設定したピーク閾値を上回るピーク面積、ボトム値、及び予め設定したボトム閾値を下回るボトム面積の少なくとも一つを評価値として求め、上記カム切替指令の前後における対応する評価値の比較に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項の可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、上記評価値は、上記エンジンの複数の回転サイクルにおける平均値または加算値として算出することを特徴とする。
上記目的を達成する請求項に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断装置の発明は、吸気バルブまたは/及び排気バルブを駆動する吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンを診断する可変動弁機構付きエンジンの診断装置において、上記エンジンを回転させる回転駆動手段と、上記エンジンの吸気圧力または/及び排気圧力を測定する圧力センサと、上記回転駆動手段による上記エンジンの回転を制御すると共に、上記可変動弁機構に対して上記吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えるためのカム切替指令を与えて、該カム切替指令の前後における上記圧力センサの出力の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する演算制御手段とを有することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンの診断装置において、上記エンジンを回転させる回転駆動手段と、上記エンジンの筒内圧力を測定する圧力センサと、上記回転駆動手段による上記エンジンの回転を制御すると共に、上記可変動弁機構に対して上記カムを切り替えるためのカム切替指令を与えて、該カム切替指令の前後における上記圧力センサの出力の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する演算制御手段とを有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項またはの可変動弁機構付きエンジンの診断装置において、上記演算制御手段は、上記回転駆動手段により上記エンジンの回転数を所定の回転数に制御しながら、上記可変動弁機構に対して上記カム切替指令を与える制御部と、上記カム切替指令の前後において上記圧力センサから出力される測定圧力波形の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する演算部と、上記演算部での判定結果を表示する表示部とを有することを特徴とする。
請求項1の発明によると、エンジンを所定の回転数で回転させながら、カム切替指令の前後における吸気圧力または/及び排気圧力を測定し、その測定圧力波形の比較結果に基づいて可変動弁機構の動作を判定するので、エンジンの生産過程において可変動弁機構自体の動作を直接評価することができ、エンジンの出荷品質の向上に寄与することが可能となる。
請求項2の発明によると、リフト量が可変のバルブが位置する吸気ポートまたは/及び排気ポートに圧力センサを設置して吸気圧力または/及び排気圧力を測定するので、吸気圧力または/及び排気圧力を簡単に測定することが可能となる。
請求項3の発明によると、エンジンを所定の回転数で回転させながら、カム切替指令の前後における筒内圧力を測定し、その測定圧力波形の比較結果に基づいて可変動弁機構の動作を判定するので、エンジンの生産過程において可変動弁機構自体の動作を直接評価することができ、エンジンの出荷品質の向上に寄与することが可能となる。
請求項4の発明によると、点火プラグの取付位置に圧力センサを取り付けて筒内圧力を測定するので、筒内圧力を容易に測定することができる。
請求項5の発明によると、燃料噴射装置を取り外した状態で圧力を測定するので、圧力の変化が滑らかになり挙動が抑制できると共に、測定中のエンジン振動も低減される。従って、測定圧力波形におけるノイズ成分が低減できるので、可変動弁機構の動作をより正確に評価することが可能となる。
請求項6の発明によると、カム切替指令の前後において、測定圧力波形に基づいて所定の評価値を求め、それらの評価値の比較に基づいて可変動弁機構の動作を判定するので、判定処理を簡単に行うことが可能となる。
請求項7の発明によると、測定圧力波形に基づいて所定の評価値を求め、その評価値と予め設定した評価基準値との比較に基づいて可変動弁機構の動作を判定するので、可変動弁機構の異常の内容をも判別することが可能となり、異常判定の際の迅速な対応が可能となる。
請求項、請求項の発明によると、回転駆動手段、圧力センサ及び演算制御手段を有する簡単な構成で、エンジンの生産過程において可変動弁機構自体の動作を直接評価することができ、エンジンの出荷品質の向上に寄与することが可能となる。しかも、演算制御手段は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)をもって構成することができるので、構成のより簡略化が図れる。
請求項10の発明によると、演算制御手段は、制御部、演算部及び表示部を有し、制御部により回転駆動手段を介してエンジンが所定の回転数で回転されながら、可変動弁機構に対してカム切替指令が与えられ、そのカム切替指令の前後において圧力センサから出力される測定圧力波形の比較結果に基づいて、演算部により可変動弁機構の動作が判定されてその判定結果が表示部に表示されるので、簡単な構成で、判定結果を容易に認識でき、エンジンを効率よく診断することが可能になると共に、異常診断されたエンジンに対して迅速な対応ができる。
以下、本発明による可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1乃至図5は本発明の第1実施の形態を示すもので、図1は可変動弁機構付きエンジンの診断装置の概略構成を示すブロック図、図2は圧力センサから得られる圧力の測定圧力波形を示す図、図3は可変動弁機構のカム切り替えによるバルブリフト期間の説明図、図4は複数の回転サイクルにおける測定圧力波形の分離方法を説明する図、図5は本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
本実施の形態は、吸気バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構を有する4気筒のエンジン1を、その生産過程において診断するものである。エンジン1には、そのクランクシャフトに回転駆動手段であるモータ2を連結すると共に、各気筒の吸気バルブが位置する吸気ポートに、それぞれ各気筒毎の吸気圧力を検出する圧力センサ3−1〜3−4を取り付ける。なお、各気筒は、燃料噴射装置(インジェクタ)を取り外した状態とする。
圧力センサ3−1〜3−4の出力は、それぞれ増幅器4−1〜4−4で増幅した後、フィルタ回路5−1〜5−4で不要なノイズ成分を除去してから、CAN変換器等のA/D変換器6−1〜6−4でそれぞれ例えば、CANメッセージ等のデジタル信号に変換して、パーソナルコンピュータ(PC)を有してなる演算制御手段7に取り込む。
演算制御手段7には、エンジン1の回転数が所定の回転数となるようにモータ2の回転を制御すると共に、エンジン1の回転中に可変動弁機構に対してカム切替指令を与える制御部11と、カム切替指令の前後において圧力センサ3−1〜3−4から出力される測定圧力波形に基づいて可変動弁機構の動作を判定する演算部12と、この演算部12での判定結果を表示する表示部13とが設けられている。
ここで、1つの気筒に注目すると、モータ2によりエンジン1を定速度で回転させたときに、対応する気筒の圧力センサから得られる吸気圧力(吸気ポート内圧力)の測定圧力波形は、例えば図2に示すようになる。また、カム(吸気カム)1回転による吸気バルブのリフト期間は、図3に示すように、吸気バルブが低速用カム(LOカム)により駆動された場合には吸気バルブが遅れて開いて早めに閉じるために短くなり、高速用カム(HIカム)により駆動された場合には吸気バルブが早めに開いて遅く閉じるために長くなる。また、吸気バルブのバルブリフト量(開弁量)は、吸気バルブが低速用カム(LOカム)により駆動される場合に対し、高速用カム(HIカム)により駆動される場合には大きくなる。
このため、カム切替指令によるLOカム指示(HIカムからLOカムへの切替指示)及びHIカム指示(LOカムからHIカムへの切替指示)により、LOカム、HIカムが正常に切り替わった正常時には、図2において、測定圧力波形のピーク値Pp及び予め設定したピーク閾値Pprefを上回るピーク面積Spは、LOカムによる駆動の場合よりもHIカムによる駆動の場合の方がそれぞれ大きくなる。また、測定圧力波形のボトム値Pbは、LOカムによる駆動の場合よりもHIカムによる駆動の場合の方が低くなり、予め設定したボトム閾値Pbrefを下回るボトム面積Sbは、LOカムによる駆動の場合よりもHIカムによる駆動の場合の方が大きくなる。
従って、正常時の場合には、カム切替指令の前後において圧力センサから得られる測定圧力波形のピーク値Pp、ピーク面積Sp、ボトム値Pb、及びボトム面積Sbにそれぞれ差が生じることになる。
一方、これに対し吸気バルブがLOカムに固定された場合、例えば図8乃至図10に示した構成の可変動弁機構において、低速用カム103から高速用カム102へのカム切替指令が出されても、第1ピン118が第1シリンダ穴115と第2シリンダ穴116とに掛け渡され、かつ第2ピン119が第2シリンダ穴116と第3シリンダ穴117とに掛け渡されるように入らず、第1〜第3ピン118〜120が第1〜第3シリンダ穴115〜117にそれぞれ収容させた状態で固着して、アウターリフタ111とインナーリフタ112とが非連結状態にある場合には、カム切替指令の前後における測定圧力波形がほぼ同じになって、上記のピーク値Pp、ピーク面積Sp、ボトム値Pb、及びボトム面積Sbに差が殆ど生じなくなる。
同様に、吸気バルブがHIカムに固定された場合、例えば図8乃至図10に示した構成の可変動弁機構において、高速用カム102から低速用カム103へのカム切替指令が出されても、第1〜第3ピン118〜120が第1〜第3シリンダ穴115〜117にそれぞれ収容された状態に戻らず、第1ピン118が第1シリンダ穴115と第2シリンダ穴116とに掛け渡され、かつ第2ピン119が第2シリンダ穴116と第3シリンダ穴117とに架け渡された状態で固着して、アウターリフタ111とインナーリフタ112とが連結状態にある場合にも、カム切替指令の前後における測定圧力波形がほぼ同じになって、上記のピーク値Pp、ピーク面積Sp、ボトム値Pb、及びボトム面積Sbに差が殆ど生じなくなる。
ここで、本発明者による実験によると、正常時にカム切替指令の前後において生じる上記のピーク値差、ピーク面積差、ボトム値差、及びボトム面積差のうち、特に、ピーク値差及びピーク面積差が顕著に現れることが確かめられた。
そこで、本実施の形態では、図1に示すように、演算部12に、圧力センサ3−1〜3−4に対応して、評価値算出部21−1〜21−4、評価値記憶部22−1〜22−4及び比較判定部23−1〜23−4を設け、評価値算出部21−1〜21−4において、対応する圧力センサ3−1〜3−4からの測定圧力波形に基づいて、カム切替指令の前後における上記のピーク値Pp及びピーク面積Spをそれぞれ評価値として求めて、それらを対応する評価値記憶部22−1〜22−4に記憶する。
なお、評価値算出部21−1〜21−4で算出する評価値は、突発的なノイズによる評価値への影響を軽減するため、エンジン1の複数の回転サイクルにおける平均値として算出する。このため、各評価値算出部21−1〜21−4では、図4に示すように、対応する圧力センサ3−1〜3−4からの出力と、予め設定したサイクル閾値Psrefとの比較に基づいて測定圧力波形を回転サイクル毎に分離し、その分離された所定数の回転サイクルの測定圧力波形について、それぞれのピーク値Pp及びピーク面積Spを求めて平均ピーク値Ppav及び平均ピーク面積Spavを算出する。
評価値記憶部22−1〜22−4には、それぞれLO評価値記憶部25−1〜25−4及びHI評価値記憶部26−1〜26−4を設け、LOカム指示時(例えば、カム切替指令がOFF時)において、評価値算出部21−1で算出した平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavをLO評価値として対応する評価値記憶部22−1のLO評価値記憶部25−1に、評価値算出部21−2で算出した平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavをLO評価値として対応する評価値記憶部22−2のLO評価値記憶部25−2に、評価値算出部21−3で算出した平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavをLO評価値として対応する評価値記憶部22−3のLO評価値記憶部25−3に、評価値算出部21−4で算出した平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavをLO評価値として対応する評価値記憶部22−4のLO評価値記憶部25−4にそれぞれ記憶する。
同様に、HIカム指示時(例えば、カム切替指令がON時)において、評価値算出部21−1で算出した平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavをHI評価値として対応する評価値記憶部22−1のHI評価値記憶部26−1に、評価値算出部21−2で算出した平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavをHI評価値として対応する評価値記憶部22−2のHI評価値記憶部26−2に、評価値算出部21−3で算出した平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavをHI評価値として対応する評価値記憶部22−3のHI評価値記憶部26−3に、評価値算出部21−4で算出した平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavをHI評価値として対応する評価値記憶部22−4のHI評価値記憶部26−4にそれぞれ記憶する。
比較判定部23−1〜23−4では、対応する評価値記憶部22−1〜22−4のLO評価値記憶部25−1〜25−4及びHI評価値記憶部26−1〜26−4に記憶されたLO評価値及びHI評価値の比較に基づいて対応する吸気バルブの可変動弁機構の動作、即ちカム切替状況を判定し、その吸気バルブ毎の判定結果を表示部13に表示してエンジン1を診断する。
即ち、LOカム及びHIカムが正常に切り替わり、比較判定部23−1〜23−4において対応するLO評価値及びHI評価値が、LOPpav<HIPpavで、かつLOSpav<HISpavであるときにのみ、対応する気筒の吸気バルブの可変動弁機構を「OK」と判定し、それ以外はLOカムまたはHIカムが固定(固着)状態にあるものとして「NG」と判定して、エンジン1の可変動弁機構を気筒別に全気筒について診断する。
以下、図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態のエンジン診断装置の作動を説明する。
先ず、制御部11から可変動弁機構にLOカム指示を与えた状態で、制御部11によりモータ2を介してエンジン1を所定の回転数で回転させながら、すなわちモータリングを行い、圧力センサ3−1〜3−4から得られる測定圧力波形に基づいて、評価値算出部21−1〜21−4で各気筒のLO評価値、即ちLOカム指示時の平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavを算出して、それらを対応する評価値記憶部22−1〜22−4のLO評価値記憶部25−1〜25−4にそれぞれ記憶する(ステップS1)。
次に、制御部11から可変動弁機構にHIカムへのカム切替指令を与え、そのHIカム指示状態において圧力センサ3−1〜3−4から得られる測定圧力波形に基づいて、評価値算出部21−1〜21−4で各気筒のHI評価値、即ちHIカム指示時の平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavを算出して、それらを対応する評価値記憶部22−1〜22−4のHI評価値記憶部26−1〜26−4にそれぞれ記憶する(ステップS2)。
その後、比較判定部23−1〜23−4において、対応する評価値記憶部22−1〜22−4のLO評価値記憶部25−1〜25−4及びHI評価値記憶部26−1〜26−4に記憶されたLO評価値及びHI評価値を比較して(ステップS3)、LOPpav<HIPpav、LOSpav<HISpavであるか否かを各気筒別に判断し(ステップS4)、YESの気筒の吸気バルブの可変動弁機構については、カム切り替え動作OKと判定して、その結果を表示部13に表示する(ステップS5)。
これに対し、ステップS4における判断結果がNOの気筒の吸気バルブの可変動弁機構については、カム切り替え動作NGと判定して、その判別結果を表示部13に表示する(ステップS6)。
このように、本実施の形態では、診断対象の可変動弁機構付きエンジン1をモータ2により所定の回転数で回転させながら、可変動弁機構に対してカム切替指令を与え、そのカム切替指令の前後の吸気圧力を測定して、その測定圧力波形に基づいて吸気バルブ毎に可変動弁機構の動作を判定するようにしたので、エンジン1の生産過程において可変動弁機構自体の動作を効率良く直接評価することができ、エンジン1の出荷品質を向上することができる。しかも、可変動弁機構の動作判定においては、カム切り替え指令の前後において、測定圧力波形から所定の評価値をそれぞれ求め、それらの評価値の比較に基づいて可変動弁機構の動作を判定するようにしたので、判定処理を簡単に行うことができる。
また、リフト量が可変の吸気バルブが位置する各気筒の吸気ポートに圧力センサ3−1〜3−4を設置して各気筒毎に吸気圧力を測定するようにしたので、各気筒別に吸気圧力を測定して、各気筒毎に可変動弁機構の診断を行うことができる。しかも、各気筒の燃料噴射装置(インジェクタ)を取り外した状態で吸気圧力を測定するようにしたので、ノイズ成分が低減された測定圧力波形を得ることができると共に、その測定圧力波形に基づく評価値として、カム切り替えによる差が顕著に現れるピーク値及びピーク面積を、複数の回転サイクルにおける平均値として求めるようにしたので、ノイズによる評価値への影響を軽減でき、可変動弁機構の動作をより正確に評価することができる。さらに、演算制御手段7は、PCを用いて構成できるので、装置全体を簡単かつ安価にできる。
(第2実施の形態)
図6及び図7は本発明の第2実施の形態を示すもので、図6は可変動弁機構付きエンジンの診断装置の概略構成を示すブロック図であり、図7はその動作を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態は、第1実施の形態において、演算制御手段7の演算部12を、圧力センサ3−1〜3−4に対応する評価値算出部21−1〜21−4と、これら評価値算出部21−1〜21−4で算出される評価値に対応する評価基準値を格納するデータベース部31と、評価値算出部21−1〜21−4で算出された評価値とデータベース部31に格納されている対応する評価基準値とを比較して可変動弁機構の動作を判定する比較判定部32−1〜32−4とを有して構成したもので、その他の構成は第1実施の形態と同様である。
評価値算出部21−1〜21−4では、第1実施の形態と同様に、対応する圧力センサ3−1〜3−4からの測定圧力波形に基づいて、カム切替指令前後のLO評価値及びHI評価値、即ちLOカム指示時の平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavと、HIカム指示時の平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavとを算出する。
また、データベース部31には、LO評価値及びHI評価値にそれぞれ対応するLO評価基準値及びHI評価基準値、即ち、LOカム指示時の平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavにそれぞれ対応するLOカムピーク値基準値及びLOカムピーク面積基準値と、HIカム指示時の平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavにそれぞれ対応するHIカムピーク値基準値及びHIカムピーク面積基準値とを格納しておく。
ここで、LOカムピーク値基準値、LOカムピーク面積基準値、HIカムピーク値基準値、及びHIカムピーク面積基準値は、例えば、正常な複数の可変動弁機構付きエンジン1について算出される対応する上記の平均ピーク値LOPpav、平均ピーク面積LOSpav、平均ピーク値HIPpav、及び平均ピーク面積HISpavのバラツキ範囲として設定する。
比較判定部32−1〜32−4では、対応する評価値算出部21−1〜21−4で算出されたLOカム指示時の平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavと、データベース部31に格納されている対応するLOカムピーク値基準値及びLOカムピーク面積基準値とを比較すると共に、HIカム指示時の平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavと、データベース部31に格納されている対応するHIカムピーク値基準値及びHIカムピーク面積基準値とを比較し、それらの比較結果に基づいて対応する吸気バルブの可変動弁機構の動作を判定して、「OK」の吸気バルブについてはその判定結果を表示部13に表示し、判定結果が「NG」の吸気バルブについては、更に、その「NG」の内容を判別して、その判別結果を表示部13に表示する。
以下、図7に示すフローチャートを参照して、本実施の形態の可変動弁機構付きエンジンの診断装置の動作を説明する。
先ず、制御部11から可変動弁機構にLOカム指示を与えた状態で、制御部11によりモータ2を介してエンジン1を所定の回転数で回転(モータリング)させながら、圧力センサ3−1〜3−4から得られる測定圧力波形に基づいて、評価値算出部21−1〜21−4で各気筒のLO評価値、即ちLOカム指示時の平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavを算出する(ステップS11)。
次に、制御部11から可変動弁機構にHIカムへのカム切り替え指令を与え、そのHIカム指示状態において圧力センサ3−1〜3−4から得られる測定圧力波形に基づいて、評価値算出部21−1〜21−4で各気筒のHI評価値、即ちHIカム指示時の平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavを算出する(ステップS12)。
その後、比較判定部32−1〜32−4において、対応する評価値算出部21−1〜21−4で算出されたLO評価値及びHI評価値と、データベース部31に格納されている対応するLO評価基準値及びHI評価基準値とを比較する(ステップS13)。そして、LOカム指示時の平均ピーク値LOPpav及び平均ピーク面積LOSpavが、対応するLOカムピーク値基準値及びLOカムピーク面積基準値の範囲内にあるか否かを判断すると共に、HIカム指示時の平均ピーク値HIPpav及び平均ピーク面積HISpavが、対応するHIカムピーク値基準値及びHIカムピーク面積基準値の範囲内にあるか否かを判断し(ステップS14)、YESの気筒の吸気バルブの可変動弁機構については、カム切り替え動作OKと判定して、その結果を表示部13に表示する(ステップS15)。
これに対し、ステップS14における判断結果がNOの気筒の吸気バルブの可変動弁機構については、カム切り替え動作NGと判定して(ステップS16)、LO評価値及びHI評価値と、対応するLO評価基準値及びHI評価基準値との比較結果に基づいてカム切り替え動作のNG内容を判別し、その判別結果を表示部13に表示する(ステップS17)。
即ち、LOカム指示状態ではLO評価値がLO評価基準値を満たしており、HIカム指示状態ではHI評価値がHI評価基準値を満たしていない吸気バルブは、LOカム固定(固着)と判別する。また、LOカム指示状態ではLO評価値がLO評価基準値を満たしておらず、HIカム指示状態ではHI評価値がHI評価基準値を満たしている吸気バルブは、HIカム固定(固着)と判別する。
このように、本実施の形態では、可変動弁機構が「NG」の場合には、そのNG内容も判別して表示するようにしたので、第1実施の形態の効果に加えて、「NG」の判定に対して調整等の作業を迅速に行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、エンジン形式や気筒数に関係なく、エンジンの回転域に応じて吸気バルブまたは/及び排気バルブを駆動する吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えてバルブリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンの診断に広く適用することができる。
ここで、排気バルブを駆動する排気カムを切り替えてバルブリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンの場合は、各気筒毎に排気圧力(排気ポート内圧力)を検出し、カム切替前後における測定圧力波形に基づき上記各実施の形態における吸気圧力の場合と同様の処理によって、各気筒毎の排気バルブの可変動弁機構に対する診断を行うことができる。
また、圧力を検出する圧力センサの設置位置は、リフト量可変バルブが位置するポート、即ちリフト量可変バルブが上記実施の形態のように吸気バルブの場合には吸気ポートに、リフト量可変バルブが排気バルブの場合には排気ポートに設置する。さらに、リフト量可変バルブが吸気バルブと排気バルブとの双方の場合は、各気筒の吸気ポート及び排気ポートにそれぞれ圧力センサを設置し、カム切替前後の各圧力センサによる測定圧力波形に基づいて、それぞれの各可変動弁機構に対する診断を行うことができる。
また、吸気圧力や排気圧力に代えて筒内圧力(燃焼室内圧力)により各気筒毎の可変動弁機構を診断することも可能であり、各気筒の点火プラグの取り付け位置に、点火プラグに代えて圧力センサを設置して筒内圧力を測定する。このようすれば、筒内圧力を正確に測定することができるので、可変動弁機構の動作を筒内圧力に基づいて正確に評価することができる。
更に、第1実施の形態では、評価値として、平均ピーク値及び平均ピーク面積を算出したが、平均ピーク値または平均ピーク面積のみを算出したり、平均ボトム値及び/または平均ボトム面積を算出したり、あるいは平均ピーク値及び/または平均ピーク面積と平均ボトム値及び/または平均ボトム面積とを算出して、カム切り替え指令前後の対応する評価値の比較に基づいて可変動弁機構の動作を評価することもできる。
また、第2実施の形態においても、評価値として、平均ピーク値または平均ピーク面積のみを算出したり、平均ボトム値及び/または平均ボトム面積を算出したり、あるいは平均ピーク値及び/または平均ピーク面積と平均ボトム値及び/または平均ボトム面積とを算出して、対応する評価基準値との比較に基づいて可変動弁機構の動作を評価することもできる。
更に、上記の評価値は、平均値に限らず、複数の回転サイクルにおける加算値として算出して、同様にノイズによる評価値への影響を軽減することもできる。 また、測定圧力波形に基づく評価値は、上記のピーク値、平均ピーク面積、ボトム値、ボトム面積に限らず、所定のクランク角度における測定圧力値や、所定のクランク角度範囲での測定圧力の変化率等を用いることもできる。
また、各圧力の測定は、圧力センサを気筒毎に設置して測定する場合に限らず、例えば各気筒の吸気ポートと、1つの圧力センサを設置した共通の測定部とを切替弁を介して連結し、切替弁により各気筒を順次選択して測定するように構成することもできる。このことは、排気圧力の測定や筒内圧力の測定についても同様である。
本発明の第1実施の形態による可変動弁機構付きエンジンの診断装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す圧力センサから得られる圧力の測定圧力波形を示す図である。 可変動弁機構のカム切替えによるバルブリフト期間の説明図である。 圧力センサから得られる複数の回転サイクルにおける測定圧力波形の分離方法を説明するための図である。 第1実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施の形態による可変動弁機構付きエンジンの診断装置の概略構成を示すブロック図である。 第2実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明により診断可能な可変動弁機構の一例の構成を示す断面図である。 図8に示す可変動弁機構の低速回転域における部分断面図である。 同じく、高速回転域における部分断面図である。
符号の説明
1 エンジン(可変動弁機構付きエンジン)
2 モータ(回転駆動手段)
3−1〜3−4 圧力センサ
7 演算制御手段
11 制御部
12 演算部
13 表示部
21−1〜21−4 評価値算出部
22−1〜22−4 評価値記憶部
23−1〜23−4 比較判定部
25−1〜25−4 LO評価値記憶部
26−1〜26−4 HI評価値記憶部
31 データベース部
32−1〜32−4 比較判定部

Claims (10)

  1. 吸気バルブまたは/及び排気バルブを駆動する吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンを診断する可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、
    上記エンジンを所定の回転数で回転させながら、上記吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えるためのカム切替指令の前後における上記エンジンの吸気圧力または/及び排気圧力を測定する圧力測定手順と、
    該圧力測定手順で測定された上記カム切替指令の前後における測定圧力波形の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する判定手順とを有することを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  2. 上記圧力測定手順は、
    上記リフト量が可変のバルブが位置する吸気ポートまたは/及び排気ポートに圧力センサを設置して上記吸気圧力または/及び排気圧力を測定することを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  3. 吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンを診断する可変動弁機構付きエンジンの診断方法において、
    上記エンジンを所定の回転数で回転させながら、上記カムを切り替えるためのカム切替指令の前後における上記エンジンの筒内圧力を測定する圧力測定手順と、
    該圧力測定手順で測定された上記カム切替指令の前後における測定圧力波形の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する判定手順とを有することを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  4. 上記圧力測定手順は、
    点火プラグの取付位置に、点火プラグに代えて圧力センサを取り付けて上記筒内圧力を測定することを特徴とする請求項3に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  5. 上記圧力測定手順は、
    燃料噴射装置を取り外した状態で上記圧力を測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  6. 上記判定手順は、
    上記測定圧力波形のピーク値、予め設定したピーク閾値を上回るピーク面積、ボトム値、及び予め設定したボトム閾値を下回るボトム面積の少なくとも一つを評価値として求め、上記カム切替指令の前後における対応する評価値の比較に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  7. 上記評価値は、
    上記エンジンの複数の回転サイクルにおける平均値または加算値として算出することを特徴とする請求項6に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断方法。
  8. 吸気バルブまたは/及び排気バルブを駆動する吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンを診断する可変動弁機構付きエンジンの診断装置において、
    上記エンジンを回転させる回転駆動手段と、
    上記エンジンの吸気圧力または/及び排気圧力を測定する圧力センサと、
    上記回転駆動手段による上記エンジンの回転を制御すると共に、上記可変動弁機構に対して上記吸気カムまたは/及び排気カムを切り替えるためのカム切替指令を与えて、該カム切替指令の前後における上記圧力センサの出力の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する演算制御手段とを有することを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの診断装置。
  9. 吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方のバルブを駆動するカムを切り替えて、当該バルブのリフト量を変化させる可変動弁機構付きエンジンの診断装置において、
    上記エンジンを回転させる回転駆動手段と、
    上記エンジンの筒内圧力を測定する圧力センサと、
    上記回転駆動手段による上記エンジンの回転を制御すると共に、上記可変動弁機構に対して上記カムを切り替えるためのカム切替指令を与えて、該カム切替指令の前後における上記圧力センサの出力の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する演算制御手段とを有することを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの診断装置。
  10. 上記演算制御手段は、
    上記回転駆動手段により上記エンジンの回転数を所定の回転数に制御しながら、上記可変動弁機構に対して上記カム切替指令を与える制御部と、
    上記カム切替指令の前後において上記圧力センサから出力される測定圧力波形の比較結果に基づいて上記可変動弁機構の動作を判定する演算部と、
    上記演算部での判定結果を表示する表示部とを有することを特徴とする請求項8または9に記載の可変動弁機構付きエンジンの診断装置。
JP2003412238A 2003-12-10 2003-12-10 可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置 Expired - Fee Related JP4346427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003412238A JP4346427B2 (ja) 2003-12-10 2003-12-10 可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003412238A JP4346427B2 (ja) 2003-12-10 2003-12-10 可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005172593A JP2005172593A (ja) 2005-06-30
JP4346427B2 true JP4346427B2 (ja) 2009-10-21

Family

ID=34732739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003412238A Expired - Fee Related JP4346427B2 (ja) 2003-12-10 2003-12-10 可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4346427B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008003832B4 (de) * 2008-01-10 2010-04-08 Continental Automotive Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung einer Brennkraftmaschine mit variablem Ventilhub sowie damit ausgestattetes Kraftfahrzeug
DE102008003834B4 (de) 2008-01-10 2010-04-08 Continental Automotive Gmbh Verfahren und Steuergerät zur Adaption eines minimalen Ventilhubs
JP2009270873A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Ihi Corp 油膜厚さ計測装置および方法
WO2019148363A1 (zh) * 2018-01-31 2019-08-08 成都强思科技有限公司 一种单核多网络协议转换系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005172593A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9562470B2 (en) Valve fault detection
US9371794B2 (en) Method and control unit for controlling an internal combustion engine
US20170101956A1 (en) Valve fault detection
US9347413B2 (en) Method and control unit for controlling an internal combustion engine
US5417109A (en) Methods and apparatus for testing engines
US20090048729A1 (en) Method for diagnosing the operational state of a variable valve actuation (vva) device using a knock signal
KR101841331B1 (ko) 내연기관의 이상 연소를 검출하기 위한 장치
CN101881184B (zh) 两级油控制阀诊断系统
US7707977B2 (en) Variable valve performance detection strategy for internal combustion engine
JP5359932B2 (ja) 4ストロークサイクル内燃機関およびその気筒判別方法
EP1972780A1 (en) Vehicle diagnosis system and method
US20050159877A1 (en) Fault diagnosis device for detection device provided on engine
JPH0454161B2 (ja)
CN105673242A (zh) 预测发动机系统和方法
KR20170008759A (ko) 밸브 결함 검출
US8428809B2 (en) Multi-step valve lift failure mode detection
JP4346427B2 (ja) 可変動弁機構付きエンジンの診断方法及び診断装置
CN107677356A (zh) 采用振动特性判别发动机机体异响的方法
US7383799B1 (en) Method for monitoring the operating condition of an engine valve system
US7254476B2 (en) Method and device for ascertaining valve timing for gas-exchange valves of an internal combustion engine
CN115997072A (zh) 用于稳健地识别内燃机中的爆震的方法、控制器以及机动车
JP2007154697A (ja) 可変動弁機構付エンジンの診断方法及び診断装置
CN115306551A (zh) 发动机正时异常监测方法、装置、车辆及存储介质
JP2004239242A (ja) 可変動弁機構付きエンジンの診断方法および装置
CN109209666B (zh) 用于强化防发动机熄火的方法以及车辆

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130724

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees