JP4345703B2 - 電気処置器具 - Google Patents

電気処置器具 Download PDF

Info

Publication number
JP4345703B2
JP4345703B2 JP2005105335A JP2005105335A JP4345703B2 JP 4345703 B2 JP4345703 B2 JP 4345703B2 JP 2005105335 A JP2005105335 A JP 2005105335A JP 2005105335 A JP2005105335 A JP 2005105335A JP 4345703 B2 JP4345703 B2 JP 4345703B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distal end
electrode
shaped portion
ring
incision
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005105335A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006280662A (ja
Inventor
研 西川
四郎 赤木
俊彦 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP2005105335A priority Critical patent/JP4345703B2/ja
Publication of JP2006280662A publication Critical patent/JP2006280662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4345703B2 publication Critical patent/JP4345703B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、切開用電極を有する電気処置器具に係り、さらに詳しくは、切開用電極が滑ることなく生体組織を確実に捕捉して、高周波電流により容易に目的箇所を切開することができる電気処置器具に関する。
医療用電気処置器具としては、高周波の電気的エネルギーを利用した処置器具が知られており、生体に電撃を与えずに生体組織を電気的に切開し、手術時の出血を少なくすることができるので、近年広く用いられるようになっている。電気処置器具は、処置器具の先端部に設けられた電極と生体組織間における高周波の電気的エネルギーによる作用を利用するものである。
医療用電気処置器具として、たとえば特許文献1に記載されているような針状のナイフを備えた高周波切開具が知られている。この高周波切開具では、電極となる針状のナイフを、切開すべき粘膜等の生体組織に穿刺し、高周波電流を流しながらそのナイフを移動させることにより生体組織を切開するものである。
ところが、このような針状のナイフを備えた高周波切開具では、ナイフの先端と生体組織との接触点で滑りが生じやすく、ナイフで切開すべき生体組織を捕捉することが困難であるという問題があり、また、ナイフを必要以上に深く穿刺してしまい、固有筋層等の切開すべきではない生体組織まで切開してしまうおそれがあった。さらに、高周波電流を流しながらナイフを移動させて切開を行う際に、ナイフが生体組織から応力を受けて撓んだ状態となるため、ナイフが滑って、撓んだ状態から突如として真っ直ぐの状態に戻って、その先端が予期しない方向に動き、切開すべきでない生体組織を切開してしまうおそれがある。
そこで、そのような問題を解決するために、特許文献2に記載されているような、ナイフの先端に大きな絶縁チップを設けた高周波ナイフが開発されている。この高周波ナイフでは、まず絶縁チップと生体組織とが面で接するので滑りが生じにくく、ナイフで切開すべき生体組織を捕捉することが容易であり、また、必要以上に深い穿刺を行ってしまうことがない。
特開平4−329944号公報 特開平8−299355号公報
ところが、特許文献2に記載された高周波ナイフにおいても、切開を行う際にナイフが撓んでしまうことにより、切開すべきでない生体組織を切開してしまう問題は解決されておらず、また、高周波チップが切開の邪魔になるおそれがある。
そこで、本発明は、上記したような実状に鑑み、生体組織と切開用電極との間の滑りを防止でき、切開すべき生体組織の捕捉が容易であり、しかも、高周波電流により確実に目的箇所のみを切開することができる電気処置器具を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、切開用電極を有する電気処置器具において、切開用電極を、棒形状部分と、その棒形状部分の遠位端部に接続された輪形状部分とを有してなる形状とすることにより、上記の目的が達成されることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、体内に挿入可能なシースと、前記シースの内部を軸方向に移動自在に配置してある駆動ワイヤと、前記駆動ワイヤの遠位端部に装着してあり、前記駆動ワイヤの軸方向移動に応じて、前記シースの遠位端部から突出および引き込み移動自在な切開用電極と、を有する電気処置器具であって、前記切開用電極が、前記駆動ワイヤの遠位端部に装着してある近位端から、前記シースの軸方向に沿って遠位端まで伸びる1本の導電性線材で形成してある棒形状部分と、該棒形状部分の遠位端部に接続してあり、導電性線材で形成された輪からなる輪形状部分と、を有してなる電気処置器具が提供される。
前記電気処置器具において、前記切開用電極の輪形状部分が、棒形状部分に接続された部分から、輪の幅を広げるように伸びる近位端側部分と、該近位端側部分の両端から、輪の幅を狭めるように遠位端側に向かって伸びる遠位端側部分と、からなることが好ましい。
前記電気処置器具において、前記切開用電極の輪形状部分の遠位端側部分が、実質的に円弧状である線材で形成されていることが好ましい。
前記電気処置器具において、前記切開用電極の輪形状部分の近位端側部分が、前記切開用電極の棒形状部分に対して、45°〜140°の角度をもった線材で形成されていることが好ましい。
前記電気処置器具において、前記シースの遠位端部に、前記切開用電極との間で放電を行うための対向電極を有することが好ましい。
本発明によれば、生体組織と切開用電極との間の滑りを防止でき、切開すべき生体組織の捕捉が容易であり、しかも、高周波電流により確実に目的箇所のみを切開することができる電気処置器具が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳述する。
図1は、本発明の一実施形態に係るバイポーラ型電気処置器具の全体構成図である。図2は、図1に示すバイポーラ型電気処置器具のシースの遠位端部の要部断面図である。図3(A)は、図1に示すバイポーラ型電気処置器具の切開用電極の拡大図であり、図3(B)〜(H)は、その切開用電極の変形例を示す図である。図4は、図1に示すバイポーラ型電気処置器具の使用形態の一例を示す図である。
図1及び図2に示す本実施形態に係るバイポーラ型電気処置器具2は、体内に挿入可能なシース4と、このシース4の内部を軸方向に移動自在に配置してある駆動ワイヤ8と、この駆動ワイヤの遠位端部に装着してあり、駆動ワイヤ8の軸方向移動に応じて、シース2の遠位端部から突出および引き込み移動自在な切開用電極10とを有している。また、シース4の遠位端部には、切開用電極との間で放電を行うためのリング状の対向電極6が固定してある。対向電極6の材質は、導電性材料であれば特に制限はなく使用することができ、このような導電性材料としては、例えば、金、銀、白金、ニッケル、鉄、アルミニウム、錫、亜鉛などの金属単体や、ステンレス鋼、ニクロムなどの合金などを挙げることができる。
バイポーラ型電気処置器具2のシース4は、内視鏡等を介して体内に挿入可能な円筒状体であって、体内に挿入される側の端部である遠位端部と、その他端側に位置する近位端部とを有している。このシース4の外径は、通常、2〜3mmであり、全長は、通常、1600〜2200mmである。
図2に示すように、本実施形態のバイポーラ型電気処置器具2のシース4は、外側チューブ16と、外側チューブ16の内側に配置してある絶縁チューブ14と、これらのチューブ14および16の間に配置してある補強用コイル18とから構成されている。絶縁チューブ14の遠位端は、対向電極6の遠位端から所定長L1で軸方向に飛び出している。所定長L1は、特に限定されないが、通常0.1〜1mm、好ましくは0.3〜0.7mmである。対向電極6と絶縁チューブ14の遠位端とは、接着剤などにより固着される。また、対向電極6と外側チューブ16の遠位端とも、接着剤などにより固着される。
補強用コイル18は、導電性を有し、その遠位端は、対向電極6の後端側リング状凹部に差し込まれ、そこで、対向電極6に対して接続される。その接続は、たとえばロー付けなどにより行われる。補強用コイル18及び対向電極6を形成する材料は、導電性材料であれば特に限定されず、例えば、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、ステンレス鋼等の金属、ポリチアジル、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンスルフィド等の導電性高分子化合物または炭素繊維等の炭素材料等を挙げることができる。
絶縁チューブ14の遠位端部の内周部には、ストッパ用チューブ20が、熱融着または接着などの手段で固着してある。ストッパ用チューブ20の内部には、軸方向に沿って電極挿通孔21が形成してある。ストッパ用チューブ20の軸方向長さL2は、特に限定されないが、通常5〜15mm、好ましくは7〜12mmである。
本実施形態のバイポーラ型電気処置器具2の駆動ワイヤ8は、補強用コイル18等と同様の導電性材料で形成されたワイヤであり、単線、撚り線のいずれであってもよい。また、駆動ワイヤ8の外径は、特に限定されないが、好ましくは0.7〜0.9mmである。
駆動ワイヤ8の遠位端部には、切開用電極10の近位端が接続してある。切開用電極10は、対向電極6と対を成し、両電極間で高周波電流の放電が可能になっている。切開用電極10の近位端部(駆動ワイヤ8と切開用電極10との接続部)には、切開用電極10の外径よりも大きな外径のストッパ用凸部となるストッパリング12が固定してある。ストッパリング12の外径は、特に限定されないが、好ましくは0.9〜1.0mmである。
駆動ワイヤ8およびストッパリング12の材質は、導電性材料であれば特に制限はなく、たとえば対向電極6と同様な金属または合金などで構成される。駆動ワイヤ8は、単線、撚線のいずれであってもよく、撚線としては、単線からなる芯線とこれを囲むコイルとからなるものが含まれる。
外側チューブ16、絶縁チューブ14およびストッパ用チューブ20の材質は電気絶縁材料であれば特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂などのプラスチック類を使用することができ、目的に応じて適切な弾性率を有する材料を選択することができる。
外側チューブ16の外径は、特に限定されないが、1.5〜3.0mmが好ましい。また、外側チューブ16の肉厚は、特に限定されないが、0.1〜0.5mm程度である。絶縁チューブ14の外径は、特に限定されないが、1.0〜2.0mmが好ましい。また、絶縁チューブ14の肉厚は、特に限定されないが、0.1〜0.5mm程度である。ストッパ用チューブ20の内径は、切開用電極10が挿通可能でストッパリング12が挿通不可能となるように決定され、たとえば0.5〜0.9mmである。
ストッパリング12がストッパ用チューブ20の挿通孔21内に挿通不可能であることから、切開用電極10の遠位端は、絶縁チューブ14の遠位端から所定の最大突出長L3よりも飛び出すことができないようになっている。最大突出長L3は、用途などに応じて決定されるが、好ましくは3〜6mmである。
本実施形態では、切開用電極10は、図2及び図3(A)に示すように、駆動ワイヤの遠位端部に装着してある近位端から、シースの軸方向に沿って遠位端まで伸びる棒形状部分41と、この棒形状部分41の遠位端部に接続された輪形状部分42とから構成されている。
切開用電極10の棒形状部分41は、導電性材料で形成された全体として1本の線材(導電性線材)で構成されていればよく、単線、または撚り線等の複合線で構成されるが、切開時の切れ味を良好とする観点からは、単線で構成されることが好ましい。また、棒形状部分41が単線で構成されている場合において、その横断面(長手方向を略垂直に横断する断面)は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、正方形または長方形のいずれの形状であってもよい。ただし、製造上および取り扱い上の便宜を考慮すると、横断面が円形であることが好ましい。
棒形状部分41を構成する導電性線材を形成するための材料としては、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、ステンレス鋼等の金属、ポリチアジル、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンスルフィド等の導電性高分子化合物または炭素繊維等の炭素材料等を挙げることができる。
棒形状部分41の外径は、通常0.2〜0.7mm、好ましくは0.3〜0.5mmである。0.2mm未満では、十分な強度が得られないことがあり、0.7mmを越えると、切開用電極10の切れ味が悪くなるおそれがある。また、棒形状部分41の軸方向長さは、通常1〜5mm、好ましくは2〜4mmである。2mm未満では、切開用電極10を切開が行い難くなるおそれがあり、4mmを越えると、切開用電極10の切れ味が悪くなるおそれがある。
切開用電極10の輪形状部分42は、少なくともその一部が棒形状部分41の遠位端部に接続された、導電性線材で形成された輪により構成される。この輪形状部分42を構成する導電性線材としては、棒形状部分41と同様のものが用いられる。本実施形態のバイポーラ型電気処置器具2では、切開用電極10で生体組織の切開を行うにあたり、まず、輪形状部分42のいずれかの部分を生体組織に接触させればよいので切開用電極10を撓ませることなく生体組織に接触させることが可能であり、しかも、輪形状部分42と生体組織とが線で接するので滑りが生じにくい。したがって、切開用電極10で、確実に切開すべき生体組織を捕捉することが容易である。また、切開用電極10で生体組織の切開を行う際は、輪形状部分42の張り出した部分を切開すべき部分に引っ掛けて、切開用電極10を引くようにして切開を行えば、切開用電極10を殆ど撓ませることなく、確実に目的とする生体組織を捕捉しながら切開を行うことができるので、切開すべきでない生体組織を切開してしまうおそれが小さい。特に、本実施形態においては、このような形状の切開用電極10を、シース4の遠位端部に対向電極6を有するバイポーラ型電気処置器具2の切開用電極10として採用しているので、輪形状部分42のうち近位端側にある部分と対向電極6との間で放電が強くなるので、この部分を引っ掛けて切開を行えば、生体組織の切れ味が良好となり、一方、輪形状部分42のうち遠位端側にある部分は、対向電極6と遠く、放電が弱くなるので、この部分を最初に生体組織に接触させることで、切開すべきでない生体組織を切開してしまうおそれが小さくなる。
輪形状部分42の形状は、導電性線材で形成された輪である限り、特に限定されず、例えば、図3(A)〜(H)に示す形状とすることができる。なお、図3(A)〜(H)に示すように、輪形状部分42は、棒形状部分41を対象軸とする軸対象形を有し、また、輪形状部分42の全ての部分が同一平面状にあることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。また、輪形状部分42の軸方向長さは、通常1〜4mm、好ましくは2〜3mmであり、幅は、通常1〜4mm、好ましくは2〜3mmである。輪形状部分42の幅が大きすぎると、当該部分が内視鏡に挿入できなくなるおそれがあり、小さすぎると、生体組織を捕捉したり、生体組織に引っ掛けて切開したりすることが困難となる。
また、輪形状部分42としては、図3(A)〜(H)に示すような、棒形状部分41に接続された部分から、輪の幅を広げるように伸びる近位端側部分42と、この近位端側部分42の両端から、輪の幅を狭めるように(但し、部分的に輪の幅が変わらない部分を含んでいてもよい)遠位端側に向かって伸びる遠位端側部分43とから構成される形状を有していることが好ましい。輪形状部分42を、このような形状とすることで、生体組織と切開用電極10との滑りがより生じにくく、また、切開すべき生体組織の捕捉がより容易となる。
輪形状部分42の遠位端側部分43の形状は、特に限定されないが、図3(A)〜(E)に示すように、実質的に円弧状である線材で形成されていることが好ましい。遠位端側部分43を、実質的に円弧状とすることにより、切開用電極10が、切開すべき生体組織に対して、如何なる角度を有した場合であっても、確実に生体組織の捕捉を行うことが可能であり、また、切開用電極10を必要以上に深く穿刺して、固有筋層等の切開すべきではない生体組織を切開してしまうおそれが小さくなる。
輪形状部分42の近位端側部分44の形状も、特に限定されないが、図3(A)〜(E)に示すように、切開用電極10の棒形状部分41に対して、45°〜140°、好ましくは60°〜120°、さらに好ましくは80°〜110°の角度をもった線材で形成されていることが好ましい。輪形状部分42の近位端側部分42を構成する線材が、切開用電極10の棒形状部分41に対してこのような角度を有していれば、この部分を生体組織に引っ掛けることが容易となり、より確実に目的とする生体組織を捕捉しながら切開を行うことができる
なお、切開用電極10において、棒形状部分41の遠位端部と輪形状部分42との接続は、棒形状部分41の遠位端部が、輪形状部分42の遠位端よりもさらに遠位端側に位置しなければ、図3(A),(D)〜(H)に示すように、棒形状部分41の遠位端と輪形状部分42の一部とを接続して行っても良いし、図(B)に示すように、棒形状部分41の遠位端が、輪形状部分42の輪の中に位置するように接続して行っても良いし、図(C)に示すように、棒形状部分41の遠位端部が輪形状部分42と2点において接続して行っても良い。
切開用電極10の表面には、絶縁コーティング膜を被覆しても良い。本実施形態においては、切開用電極10の全体に絶縁コーティングとしてフッ素樹脂のコーティングを施しており、これにより、切開用電極10と対向電極6との間で放電される高周波電流の電流密度が上昇して切開時の切れ味が良好となり、あわせて、切開用電極10に、高周波電流により焼灼された生体組織がこびりつくことを防止される。
切開用電極10に施す絶縁コーティング膜は、本実施形態のように切開用電極10全体に行うものに限られず、切開用電極10の一部のみに行っても良い。また、絶縁コーティング膜の材質としては、特に限定されないが、たとえばフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、セラミックなどが用いられる。セラミックとしては、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物などを例示することができる。
絶縁コーティング膜の膜厚は、特に限定されないが、5〜50μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。絶縁コーティング膜の成膜方法は、特に限定されないが、焼付け法、スプレー吹き付け法、浸漬法などを例示することができる。
図1に示すように、シース4の近位端部には、操作用本体30が装着してある。操作用本体30には、操作用把手32が軸方向に移動自在に装着してある。操作用把手32の近位端側には、移動制限用ストッパ36が、操作用本体30の長手方向に沿って移動自在に、且つ、所定位置で固定可能に装着してある。移動制限用ストッパ36は、操作用把手32の軸方向移動ストロークを制限するものである。
図2に示す駆動ワイヤ8の近位端部は、図1に示す操作用把手32に対して接続してある。操作用把手32を操作用本体30に対して軸方向に移動させることで、駆動ワイヤ8をシース4に対して軸方向に移動させて、駆動ワイヤ8の遠位端部に接続してある切開用電極10を、シース4の遠位端部から突出および引き込み移動させることが可能になっている。
図1に示すように、スペーサー36は、コイルスプリング38により、操作用把手32側に押しつけられるように付勢され、操作用把手32を、下述するソケット60側に押しつける。
操作用本体30において、操作用把手32の遠位端側には、図1に示すように、内側にネジ溝(図示せず)を備えるソケット60が雄ネジ33に対してネジ結合してある。ソケット60は、雄ネジ33が形成されている範囲において、操作用本体30に対して軸方向に移動自在であり、しかも、ソケット60の回転を止めれば、操作用本体30に対して固定される。
ソケット60を近位端方向に移動させると、操作用把手32がソケット60に押圧されて、近位端方向に移動する。切開用電極10がシース4に引き込まれた状態になるまで、ソケット60を近位端方向に移動させてから、ソケット60を操作用本体30に対して固定すれば、操作用把手32の前方(遠位端側)への移動が禁止され、切開用電極10の棒形状部分41をシース4の遠位端部から引き込ませた状態を維持することができる。また、ソケット60を遠位端方向に移動させれば、それに併って操作用把手32も遠位端方向に移動するので、切開用電極10の棒形状部分41をシース4の遠位端部から突出させることができる。
図1に示すように、配線コード42が操作用把手32に接続してある。配線コード42は、操作用把手32に接続してある駆動ワイヤ8の近位端部に対して電気的に接続してあり、その駆動ワイヤ8を通して切開用電極10に高周波電流を供給する。また、シース4の近位端部には、配線コード40が接続してある。配線コード40は、図2に示す補強用コイル18の近位端に電気的に接続してあり、その補強用コイル18を通して対向電極6に高周波電流を供給する。これらの配線コード40および42は、接続コネクタ44に対して接続してある。接続コネクタ44は、図示省略してある高周波電流発生装置に接続される。
本実施形態のバイポーラ型電気処置器具2を用いて、粘膜に生じた病変組織を切除する場合は、シース4の遠位端を、図4に示す筋組織層54の上に位置する粘膜層52における病変部50近くにまで移動させる。そのために、まず、ソケット60を操作し、切開用電極10の棒形状部分41をシースの内部に引き込み、シース4の遠位端と切開用電極10の輪形状部分42とを隣接させた状態を維持する。その状態で、たとえば内視鏡のチャネルを通してシース4の遠位端部を体内に導入する。
シース4の遠位端を病変部50の近くに位置させたら、体外に位置するソケット60を遠位端方向に移動させる。ソケット60を遠位端方向に移動させると、それに併ってコイルスプリング38で付勢されている操作用把手32も遠位端方向に移動するので、シース4の遠位端から切開用電極10を送り出すことができる。ソケット60の移動に伴う操作用把手32の移動が止まり、ソケット60と操作用把手32とに隙間が生じるまで、ソケット60を遠位端方向に移動させたら、その位置で、操作用本体30に対してソケット60を固定する。その状態では、コイルスプリング38により操作用把手32および駆動ワイヤ8が遠位端方向に押され、図2に示すように、ストッパリング12がストッパ用チューブ20の近位端に当接し、切開用電極10は、絶縁チューブ14の遠位端から所定の最大突出長L3で突出した状態に保たれる。
次に、患者の体内の粘膜下層56に生理食塩水を注入してから、図4に示すように、切開用電極10の輪形状部分の遠位端側部分を、粘膜層52に接触させることで粘膜層52を捕捉し、さらに輪形状部分を、予め鉗子等を用いて粘膜層52に穿孔した孔から粘膜下層56まで差し込み、輪形状部分42の近位端側部分を切開すべき病変部50が生じている粘膜層52に引っ掛ける。次いで、対向電極6と切開用電極10との間に高周波電流を流しつつ、切開用電極10の輪形状部分の近位端側部分が粘膜層52の内側にあたるようにして、切開用電極10を移動させることにより、主として棒形状部分から放電される高周波電流のの電気的エネルギーで病変部50を切除することができる。
本実施形態に係るバイポーラ型電気処置器具2では、シース4の遠位端部に装着してある対向電極6と、シース4の遠位端部から突出する切開用電極10との間で、高周波電流を流し、電気メスとなる切開用電極10を移動させることで生体組織の切除を行う。
本実施形態のバイポーラ型電気処置器具2は、患者の体外に対向電極を設ける必要が無く、必要とされる病変部分にのみ高周波電流を流すことができるので、モノポーラ型の装置に比較して低出力であり、熱変性による筋組織層54にまで至る穿孔が少ない。したがって、本実施形態のバイポーラ型電気処置器具2は、患者に対して、より低侵襲な治療を実現する装置である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、本発明に係る電気処置器具は、シース上に対向電極を有するバイポーラ型のものに限定されず、対向電極を有さず、切開用電極と患者の体外に設けられる対極板との間で高周波電流を放電して切開を行うモノポーラ型の電気処置器具とすることもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係るバイポーラ型電気処置器具の全体構成図である。 図2は、図1に示すバイポーラ型電気処置器具のシースの遠位端部の要部断面図である。 図3(A)は、図1に示すバイポーラ型電気処置器具の切開用電極の拡大図であり、図3(B)〜(H)は、その切開用電極の変形例を示す図である。 図4は、図1に示すバイポーラ型電気処置器具の使用形態の一例を示す図である。
符号の説明
2 バイポーラ型電気処置器具
4 シース
6 対向電極
8 駆動ワイヤ
10 切開用電極
12 ストッパリング
14 絶縁チューブ
16 外側チューブ
18 補強用コイル
20 ストッパ用チューブ
30 操作用本体
32 操作用把手
36 スペーサー
38 コイルスプリング
41 棒形状部分
42 輪形状部分
43 遠位端側部分
44 近位端側部分
50 病変部
52 粘膜層
54 筋組織層
56 粘膜下層
60 ソケット

Claims (5)

  1. 体内に挿入可能なシースと、前記シースの内部を軸方向に移動自在に配置してある駆動ワイヤと、前記駆動ワイヤの遠位端部に装着してあり、前記駆動ワイヤの軸方向移動に応じて、前記シースの遠位端部から突出および引き込み移動自在な切開用電極と、を有する電気処置器具であって、
    前記シースが、外側チューブと、前記外側チューブの内側に配置してある絶縁チューブと、から構成されていて、
    前記外側チューブの遠位端部が、前記切開用電極との間で放電を行うための対向電極に固定してあって、
    前記対向電極の内周には、前記対向電極の遠位端から突出するように、前記絶縁チューブが固定してあって、
    前記切開用電極が、
    前記駆動ワイヤの遠位端部に装着してある近位端から、前記シースの軸方向に沿って遠位端まで伸びる1本の導電性線材で形成してある棒形状部分と、
    該棒形状部分の遠位端部に接続してあり、導電性線材で形成された輪からなる輪形状部分と、を有してなり、
    前記絶縁チューブの遠位端部から突出する前記棒形状部分の長さを変化させられる
    電気処置器具。
  2. 前記切開用電極の輪形状部分が、棒形状部分に接続された部分から、輪の幅を広げるように伸びる近位端側部分と、該近位端側部分の両端から、輪の幅を狭めるように遠位端側に向かって伸びる遠位端側部分と、からなる請求項1に記載の電気処置器具。
  3. 前記切開用電極の輪形状部分の遠位端側部分が、実質的に円弧状である線材で形成されている請求項2に記載の電気処置器具。
  4. 前記切開用電極の輪形状部分の近位端側部分が、前記切開用電極の棒形状部分に対して、45°〜140°の角度をもった線材で形成されている請求項2または3に記載の電気処置器具。
  5. 前記外側チューブおよび前記絶縁チューブの間には補強用コイルが配置され、
    前記補強用コイルが導電性を有し、その遠位端が前記対向電極に接続している
    請求項1〜4のいずれかに記載の電気処置器具。
JP2005105335A 2005-03-31 2005-03-31 電気処置器具 Expired - Fee Related JP4345703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005105335A JP4345703B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 電気処置器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005105335A JP4345703B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 電気処置器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006280662A JP2006280662A (ja) 2006-10-19
JP4345703B2 true JP4345703B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=37403177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005105335A Expired - Fee Related JP4345703B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 電気処置器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4345703B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5415727B2 (ja) * 2008-08-13 2014-02-12 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 内視鏡用処置具
CN102448397B (zh) 2010-01-18 2014-09-10 奥林巴斯医疗株式会社 高频处理器具
WO2011092946A1 (ja) * 2010-01-29 2011-08-04 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 電気手術用処置器具
US8465488B2 (en) 2010-03-16 2013-06-18 Olympus Medical Systems Corporation Endoscopic surgical instrument
WO2011159802A1 (en) * 2010-06-15 2011-12-22 Caymus Medical, Inc. Systems and methods for creating arteriovenous (av) fistulas
WO2013028425A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-28 Cook Medical Technologies Llc Ablation cap
CN109350237A (zh) * 2018-11-28 2019-02-19 张振声 一种锚型双极电切环

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006280662A (ja) 2006-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4643361B2 (ja) 内視鏡用処置具及び内視鏡用処置具システム
JP5636449B2 (ja) 高周波処置具
JP3655664B2 (ja) 高周波ナイフ
EP2057953B1 (en) Treatment tool for endoscope
EP2108326B1 (en) High-frequency treatment apparatus
US6767349B2 (en) Bipolar forceps for endoscopes
JP4345703B2 (ja) 電気処置器具
KR100595803B1 (ko) 고주파 나이프 및 내시경 장치
JP2009112788A (ja) 高周波処置具
EP1688099B1 (en) Endoscopic high-frequency knife
US20230116333A1 (en) Medical device capable of injection, cutting and coagulation
JP3370606B2 (ja) 内視鏡用ドレナージチューブ留置具
EP3079620B1 (en) Bipolar electrosurgical device with a recessed distal portion for a return electrode
US20060050143A1 (en) High-frequency treatment tool for endoscope
WO2018006455A1 (zh) 一种双极高频电刀
EP2877113B1 (en) Electrodes for tissue treatment
JP4324755B2 (ja) バイポーラ型電気処置器具
JP5186346B2 (ja) 内視鏡用高周波スネア
US20190380763A1 (en) Attachment for electrosurgical system
JP4725808B2 (ja) 内視鏡用フック型高周波処置具
JP2008126031A (ja) 内視鏡用鋏型高周波処置具
JP4262626B2 (ja) 電気処置器具
JP4283746B2 (ja) 内視鏡用高周波処置具
JP4389618B2 (ja) 電気処置器具
JPH09262245A (ja) レゼクトスコープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090529

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090529

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090706

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees