JP4345612B2 - 回転電機用電機子、電機子巻線、巻線の巻装方法 - Google Patents

回転電機用電機子、電機子巻線、巻線の巻装方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機用電機子、特にその電機子巻線の改良に関する。
近年、電気自動車やハイブリッド車には高電圧の電源が装備されている。そのため回転電機(例えば、空調用コンプレッサモータや車軸駆動用モータ)には、高電圧仕様で高効率化できる電機子及び電機子巻線が望まれている。高効率化を図るためには、電機子巻線の導体断面積を大きくして抵抗損失を減らすことが有効であり、そのためには電機子のスロット内での占積率を高められる巻線が望ましい。このような電機子巻線は回転電機の小型化にも寄与する。
図13,図14及び図15に第1従来例の電機子巻線(特許文献1参照)を示す。電機子巻線(以下「巻線」)の巻線部300は導体断面積を大きくできる平角導体で形成され、直線状の一対の直線コイル部302及び303と、その両端のコイルエンド部305及び315とを有する。一対の直線コイル部302及び303が電機子鉄心(不図示)のスロットに収容され、一方コイルエンド部305及び他方コイルエンド部310がそれぞれ電機子鉄心(以下「鉄心」)の一端面及び他端面から突出している。
一方コイルエンド部305は互いに逆向きに傾斜して直線コイル部302及び303に連接する傾斜部306及び307と、両方の傾斜部を略垂直に連結する垂直連絡部308と、内周端から延びた第1引き出し部309及び外周端から延びた第2引き出し部310とを備える。他方コイルエンド部315は一方コイルエンド部305と同様の傾斜部316及び317と、垂直連絡部318とを持つ。この巻線部300は平角導体から成るので、横断面が半径方向に細長い矩形状のスロット内にぴったり収容でき、占積率は高まる。
特開2001−45688号
しかし、一方コイルエンド部305において第1引出し線309が垂直連絡部308の側方を通過している(クロスしている)。そのため鉄心の毎極毎相のスロット数が多く、スロットの幅が小さい即ちティースの幅が狭い場合、隣接する一方コイルエンド部305同士が密集し、ある巻線300の第1引き出し線309が別の巻線300の垂直連絡部308に干渉し易くなる。
なお、傾斜部306及び307の傾斜度合いを緩やかにすれば隣接する垂直連絡部308同士の間隔が広くなるので干渉はある程度防止できる。しかし、それでは一方コイルエンド部305の鉄心の端面からの突出量の増加により電機子の軸方向長さが長くなり、電機子の小型化が困難となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ある巻線部の引出部が他の巻線部のコイルエンド部と干渉せず、しかもコイルエンド部の鉄心の端面からの突出量を小さくし回転電機が小型化できる回転電機用電機子巻線、電機子及び電機子巻線の巻装方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、電機子巻線の巻線部を2つの巻線部で構成し、第1巻線部の最外周層から巻き始め第2巻線部の最外周層で巻き終わり、第1巻線部の内周端と第2巻線部の内周端とを列間接続部でつなぐことを着想して、本発明を完成した。
(1)第1発明にかかる電機子巻線は、請求項1に記載したように、電機子に装着される電機子巻線であって、一極分の巻線部はともに渦巻状の第1巻線部と第2巻線部とから成る。第1巻線部は一方直線部及び他方直線部と、一方直線部から延びた第1引き出し部と、他方直線部から第1引き出し部と同じ方向に延びた第1延長部を含む。また、第2巻線部は第1巻線部の一方巻線部に近接した一方直線部及び第1巻線部の他方直線部に近接した他方直線部と、他方直線部から第1引き出し部と同方向に延びた第2引き出し部と、他方直線部から第1延長部と同方向に延び第1延長部に連続して接続され列間つなぎ部を形成している第2延長部とを含む。巻線部は固定子又は回転子のスロットを利用して電機子鉄心に巻装される。
(2)第2発明にかかる電機子は、請求項4に記載したように、複数の半径方向に延びるスロットが円周方向に隔設された電機子鉄心と、該スロット内に円周方向に二列収容された電機子巻線とから成る電機子であって、電機子巻線の一極分の巻線部はともに渦巻状の第1巻線部及び第2巻線部から成る。
第1巻線部は、電機子鉄心の第1スロット内の第1列の下層に収容された一方直線部、第2スロット内の第1列の内層に収容された他方直線部、一方直線部の最外周層から電機子鉄心の一端面側に延びた第1引き出し部、及び他方直線部の最内周層から一端面側に突出した第1延長部を含む。
また、第2巻線部は、電機子鉄心の第1スロット内の第2列の下層に収容された一方直線部、第2スロット内の第2列の上層に収容された他方直線部、他方直線部の最外周層から電機子鉄心の一端面側に延びた第2引き出し部、及び一方直線部の最内周層から一端面側に突出し第1延長部と連続して接続され列間つなぎ部を形成している第2延長部を含む。電機子鉄心とこれに巻装された電機子巻線の第1巻線部及び第2巻線部によりS極又はN極が形成される。
(3)第3発明にかかる電機子は、請求項7に記載したように、半径方向に延びる複数のスロットが円周方向に隔設された電機子鉄心と、スロット内に円周方向に二列収容された電機子巻線とから成る電機子であって、電機子巻線はともに渦巻状の第1巻線部及び第2巻線部とを有する複数極分の巻線部と、隣接する巻線部同士を直列接続する極間接続部とを含む。
第1巻線部は、第1スロット内の第1列の下層に収容された一方直線部、第2スロット内の第1列の上層に収容された他方直線部、一方直線部の最外周層から前記電機子鉄心の一端面側に延びた第1引き出し部、及び他方直線部の最内周層から該一端面側に突出した第1延長部を有する。また、第2巻線部は前記第1スロット内の第2列の下層に収容された一方直線部、第2スロット内の第2列の上層に収容された他方直線部、他方直線部の最外周層から電機子鉄心の一端面側に延びた第2引き出し部、及び一方直線部の最内周層から一端面側に突出し第1延長部と連続して接続され列間つなぎ部を形成している第2延長部をする。
更に、極間接続部は、第1極の第1巻線部の第1引き出し部と、第1円周方向で第1極に隣接する第2極の第1巻線部の第1引き出し部とを連続して直列接続する第1極間接続部と、第1極の第2巻線部の第2引き出し部と第2円周方向で第1極に隣接する第3極の第2巻線部の第2引き出し部とを連続して直列接続する第2極間接続部とを含み、第1極間接続部及び第2極間接続部はそれぞれ軸方向にオフセットされている。電機子鉄心の磁極とこれに巻装された電機子巻線の第1巻線部及び第2巻線部によりS極又はN極が形成され、所定極を構成する巻線部同士が極間接続部で接続される。
(4)第4発明にかかる電機子巻線の巻装方法は請求項11に記載したように、半径方向に延びる複数のスロットが円周方向に隔設された電機子鉄心と、スロット内に円周方向に二列収容された電機子巻線とから成る電機子において、電機子巻線を電機子鉄心へ巻装する方法である。
この巻装方法は、(イ)外周面に開口した複数のスロットを備えた円筒形状の内周側鉄心と、内周面に開口した複数のスロットを備えた円筒形状の外周側鉄心とを同心的に配置する配置工程と、(ロ)ともに渦巻き形状の第1原形巻線部及び第2原形巻線部を含む複数極分の原形巻線部が極間接続部で連続して直列接続されて成る原形巻線を準備し、各第1原形巻線部及び各第2原形巻線部の一方直線部を外周側鉄心の各スロットに並んで挿入するとともに、各第1原形巻線部及び該各第2原形巻線部の他方直線部を内周側鉄心の各スロットに並んで挿入し、前記極間接続部はそれぞれ軸方向にオフセットされた挿入工程と、(ハ)内周側鉄心と外周側鉄心とを極ピッチ分円周方向に相対回転させて第1原形巻線部及び第2原形巻線部の一方直線部と他方直線部とを開き加工する加工工程と、から成る。第1原形巻線部及び第2原形巻線部を挿入した内周側鉄心と外周側鉄心とを相対回転させると、第1巻線及び第2巻線が形成される。
なお、図14に示す第2従来例の巻線部320は二列(一方及び他方)の巻線部322及び326から成る。一方引き出し部323を一方巻線部322の最外周から引き出し、他方引き出し部327を他方巻線部326の最外周から引き出している。このようにすれば、一方引き出し部323がターン部325と同一平面内にあり、ターン部とクロスしないので上記干渉の心配はない。
しかし、図15に示す一方渦巻線部322の内端324と他方巻線部326の内端328とのつなぎ部330に問題が残る。つなぎ部330は方向が360°反転する折り返し部から成るので、一方の内端と他方の内端328とで電流の向きが反転し、その結果内端324及び328を流れる電流による起磁力が相殺し、技術的に成立不可能又はきわめて成立困難と考えられる。
(1)本願の第1発明の電機子巻線によれば、第1巻線部の第1引き出し部が一方直線部の最外周層から延び、第2巻線部の第2引き出し部が他方直線部の最外周層から延びており、引き出し部が第1巻線部及び第2巻線部のターン部とクロスしていない。その結果、ある巻線部の引き出し部が隣接する巻線部のターン部と干渉しない。また、第1巻線部の他方直線部の最内周層から延びた第1延長部と、第2巻線部の一方直線部の最内周層から延びた第2延長部とから成る列間つなぎ部により、第1巻線部と第2巻線部とが同一円周方向に連続してつながるとともに列間つなぎ部がスロットの外にあるので、スロット内での直線部(導体)の占積率が低下せず、特性が良好である。請求項2及び3の電機子巻線によれば、スロット内での直線部(導体)の占積率が向上する。
(2)第2発明の電機子によれば、第1巻線部の第1引き出し部が第1スロット内の最外周層即ち第1スロット内で最外周に位置する直線部(導体)から延び、第2巻線部の第2引き出し部が第2スロット内の最外周層即ち第2スロット内で最外周に位置する直線部(導体)から延びている。その結果、電機子鉄心のスロットの幅即ちティースの幅が小さい場合でも、ある巻線部の引き出し線が隣の巻線部のターン部と干渉せず、特に毎極毎相のスロット数が多い電機子に良好に適用される。請求項5の電機子によれば、直流電動機の回転子又は交流電動機の固定子において、上記効果が得られる。
(3)第3発明の電機子によれば、ある一極分の巻線部の巻き終わりと隣の一極分の巻線部の巻き始めとが極間接続部でとぎれることなく連続して形成できる。また、一極多スロット分の巻線部を同時に(連続して)形成できる。さらに、巻線部間の接続箇所が減少し、自動化が容易になる。巻線部の両端の引き出し線が最短距離で接続できる。そして、極間接続部はそれぞれ軸方向にオフセットされたことにより、相間が干渉しない。
請求項8の電機子によれば、列数が3つの場合、直線部の幅が狭くなり、半閉スロットから半径方向に挿入することができる。請求項9の電機子によれば、三相分の原形巻線部の組み合わせが容易になり、巻線部の軸方向端部より電機子鉄心側の方に配置されているので、回転電機の小型化に有利である。請求項10の電機子によれば、電機子鉄心が単一部材から成る場合その構成が簡単であり、内周側鉄心と外周側鉄心とから成る場合原形巻線部の開き加工を行う治具として機能する。
(4)第4発明の巻線の巻装方法によれば、原形巻線部から巻線部の形成が容易になる。また、内周側鉄心及び外周側鉄心が鉄心としての機能と治具としての機能を持つので、コストが大幅に低減できる。内周側鉄心のスロットが閉スロットでも、電機子巻線を軸方向から挿入できる。そして、極間接続部はそれぞれ軸方向にオフセットされたことにより、相間が干渉しない。請求項12の巻装方法によれば、内周側鉄心と外周側鉄心との嵌合が容易になり、自動化に都合が良い。請求項13の巻装方法によれば、電機子巻線を鉄心のスロットに軸方向から挿入できる。請求項14の巻装方法によれば、三相分の原形巻線部の組み合わせが容易になり、原形巻線部の軸方向端部より電機子鉄心側の方に配置されているので、回転電機の小型化に有利である。
本発明は、回転電機用の(イ)電機子巻線、(ロ)この電機子巻線を含む電機子、(ハ)電機子鉄心への電機子巻線の巻装方法を含む。
<全体>
本願明細書において「電機子」とは、回転力を発生させるために電流が流れる部分を言い、電機子鉄心と電機子巻線とから成る。交流電動機の固定子及び直流電動機の回転子の両方が含まれる。特に一コイル当たりの直列導体数(ターン数)が多いモータの小型化に本発明は有効である。
また、電機子巻線は、スロットを備えた固定子鉄心(ステータコア)に巻装される他、スロットを持たないコアレスモータにも適用できる。従来の丸線を使用するコアレスモータに対し、平角線を利用したコアレスモータは導体断面積が増す分巻線抵抗が減り、出力(効率)が向上する。
<電機子巻線>
電機子巻線は多極分の巻線部が極間接続部で接続されて成り、電機子鉄心即ち固定子鉄心又は回転子鉄心に巻装されるものである。一極分の巻線部は電機子鉄心のスロットに装着されるべく渦巻状を呈する第1巻線部と第2巻線部とを含み、両者は列間接続部で接続されている。第1巻線部は第1スロットに挿入される一方直線部(一方コイル辺)と、第2スロットに挿入される他方直線部(他方コイル辺)と、一方直線部の最外周層から電機子鉄心の一端面に引き出される引き出し部と、他方直線部の最内周層から一端面に延びる延長部と、一端面及び他端面から突出したターン部とを含む。
第2巻線部は第1スロットに挿入される一方直線部(一方コイル辺)と、第2スロットに挿入される他方直線部(他方コイル辺)と、他方直線部の最外周層から電機子鉄心の一端面に引き出される引き出し部と、一方直線部の最内周層から一端面に延びる延長部と、一端面及び他端面から突出したターン部とを含む。
第1巻線部及び第2直線部の一方直線部及び他方直線部の本数は1本、2本又は3本の何れでも良く、その本数は一方直線部と他方直線部とを巻線ピッチに開く前の形状である原形巻線(原形コイル)の渦巻きの個数で決まる。第2巻線部の一方直線部及び他方直線部はそれぞれ第1巻線部の一方直線部及び他方直線部に近接している。一極分の巻線部の一対の引き出し部同士が極間接続部で接続され、一本の連続した巻線になっている。
電機子巻線の断面形状は矩形状(平角)、楕円形状又は円形状のいずれかを選択できる。平角形状にすれば、直線部(コイル辺)のスロット内での占積率を上げることができ、回転電機の小型化に有利である。但し、例えば、渦巻き状に巻いた原形巻線の直線部を側面から押圧して丸線を塑性変形させ、矩形断面に近い長円又は楕円にすることもできる。入手容易な丸線が使えば材料コスト面で有利である。丸線はまた、製作納期を優先する用途にも向いている。
<電機子>
電機子は電機子鉄心と電機子巻線とから成る。電機子が固定子の場合も回転子の場合も、電機子鉄心は全体的に円筒形状を持ち、半径方向に延び軸方向に貫通した複数のスロットが円周方向に隔設されている。その結果、スロットとティースとが円周方向で交互に存在している。毎極毎相当たりのスロットの個数は1つでも2つでも良い。1つの場合は、隣接するスロットは異相となり、2つの場合は同相のスロットが2つずつ連続する。また、毎極毎相当たりのスロットの個数が偶数(2,4,・・・)の場合、各スロットに挿入する直線部の円周方向の列数は偶数(2,4、・・・)でも奇数(1,3,・・・)でも良い。
電機子鉄心は単一の積層部材から成っても良いが、同心的に配置され相対回転可能な内周側鉄心及び外周側鉄心から成っても良い。前者の場合、固定子では内周面に開口する複数のスロットが、回転子では外周面に開口する複数のスロットが形成される。開口部の幅がスロットの幅よりも狭い半閉スロットとしても良い。
後者の場合、内周側鉄心の外周面、及び外周側鉄心の内周面に開口する同数のスロットが形成される。相対回転により原形巻線(原形コイル)を開き加工し内周側鉄心及び外周側鉄心は鉄心としての本来の機能の他、原形巻線を開き加工する治具としての機能を併せ持つことになる。また、外周側鉄心に複数のスロット毎に半径方向に所定長さ延びるスリットを形成し、内周側鉄心との嵌合時、スリット外縁の薄肉部分を塑性変形させることができる。
電機子巻線については上述した通りであり、巻線部が巻かれたティースがS極又はN極に励磁される。
<巻装方法>
巻線部は渦巻き状の原形巻線(原形コイル)の直線部(コイル辺)を巻線ピッチを開き加工して形成される。原形巻線は共に渦巻き状の第1原形巻線部(第1原形コイル部)及び第2原形巻線部(第2原形コイル部)を含み、両者は列間接続部で接続されている。渦巻きは一周巻、二周巻、三周巻又はそれ以上の何れでも良い。例えば渦巻きが二周巻の場合、原形巻線は2本の第1直線部と、2本の第2直線部と、第1直線部の一方から引き出される引き出し部と、第2直線部の一方から延びた延長部とを含む。
電機子鉄心への電機子巻線の巻装方法は、2つに大別される。第1タイプでは単一の積層部材から成る鉄心のスロットを利用してティースに順次巻線部を巻いていく。これに対して第2タイプは、内周側鉄心のスロット及び外周側鉄心のスロットに渦巻き状の原形巻線の直線部を軸方向に挿入する挿入工程と、内周側鉄心と外周側鉄心とを極ピッチに相当する距離だけ相対回転させる開き加工工程と、内周側鉄心と外周側鉄心とを同心的に嵌合する嵌合工程とを含む。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施例>
第1実施例は、交流モータの電機子即ち固定子に本発明が適用された場合である。
(構成)
(1)交流モータ
図1に示す三相交流モータ(永久磁石同期モータ)はハウジング10、固定子30及び回転子25等を含む。ハウジング10はそれぞれ一端が開口した左方ハウジング11及び右方ハウジング16から成る。左方ハウジング11内に固定子(ステータ)30及び回転子(ロータ)25が配置され、右方ハウジング16がこれらを覆っている。即ち、左方ハウジング11の端壁及び右方ハウジング16の端壁に軸受12及び17を介して回転軸20が回転可能に支持され、その中間部に円柱形状のロータ25が取り付けられ、左方の端壁から突出した軸部分に負荷(不図示)が接続されている。ロータ25は回転子鉄心(コア)26と、これに埋設された複数の永久磁石27とを含み、半径方向でステータ30に対向している。
(2)固定子
図1及び図2に示すように、固定子(ステータ)30は左方ハウジング11に固定された円筒形状の電機子鉄心(コア)35と、インシュレータ38を介してスロット36a、36b等に挿入されたU相電機子巻線(U相コイル)70とを有する(V相及びW相の電機子巻線は図示省略)。
コア35には内周面に開口し半径方向外向きに延びかつ軸方向全長に貫通した複数のU相スロット36a、36b、・・・が所定極ピッチ形成され、その横断面形状は半径方向に細長い矩形状である(V相用スロット及びW相用スロットは図示省略)。
次に、コイル及びその巻装方法につき、図2から図7を参照しつつ説明する。なお、説明の都合及び理解の容易化のために、はじめにU相コイルの一極分を説明し、次にU相コイル全体を説明し、最後に三相コイルにつき説明する。
図2(上方がエアギャップ面)においてコア35の第1スロット36aと、これから円周方向に一極分離れた第2スロット36bに一極分の巻線部(コイル部)40が巻装されている。コイル部40は渦巻状の第1コイル部42と第2コイル部52とを含む。第1コイル部42は2本の下層直線部43a及び43bと、2本の上層直線部44a及び44bと、第1引出し部46及び第1延長部47と、下層直線部43aと上層直線部44aとを結ぶターン部48aと、下層直線部43bと上層直線部44bとを結ぶターン部48bと、下層直線部43bと上層直線部44aとを結ぶターン部49を含む。下層直線部43a及び43bはインシュレータ38を介して第1スロット36aの第1列(右列)の下層に収容され、上層直線部44a及び44bはインシュレータ38を介して第2スロット36bの第1列(右側)の上層に収容されている。
第2コイル部52は、2本の下層直線部53a及び53bと、2本の上層直線部54a及び54bと、第2引出し部56及び第2延長部57と、下層直線部53aと上層直線部54aとを結ぶターン部58aと、下層直線部53bと上層直線部54bとを結ぶターン部58bと、下層直線部53aと上層直線部54bとを結ぶターン部59とを含む。
下層直線部53a及び53bが第1スロット36aの第2列(左列)の下層に収容され、上層直線部54a及び54bが第2スロット36bの第2列(左側)の上層に収容されている。下層直線部43a及び43bと上層直線部44a及び44bとを結ぶ2つのターン部48a及び48bと、下層直線部53a及び53bと上層直線部54a及び54bとを結ぶ2つのターン部58a及び58bとがコア35の他端面37bから突出している。
第1コイル部42の下層直線部43a及び43bのうちの最外周層43aから第1引出し部46がコア35の一端面37a側に延び出て、第2コイル部52の上層直線部54a及び54bのうちの最外周層54aから第2引出し部56がコア35の一端面37a側に延び出ている。第1コイル部42の上層直線部44a及び44bのうちの最内周層44bから一端面37a側に延びた第1延長部47と、第2コイル部52の下層直線部53a及び53bのうちの最内周層53bから一端面37a側に延びた第2延長部57とがつながれ、V字形状の列間つなぎ部50を形成している。
(U相コイル部の形成)
上記U相一極分のコイル部40は、図3に示す一極分のU相原形コイル部60をその厚さ方向(図3中左右方向)に開き加工して形成したものである。U相原形コイル部60は外周側の第1引出し線46から内周側の延長部47まで渦巻き状に2周巻いた紙面手前側の第1原形コイル62と、内周側の延長部57から外周側の引出し線56まで渦巻き状に2周巻いた第2原形コイル部64とを含む。
図4に第1原形コイル部62と第2原形コイル部64とを分けて示す。第1原形コイル62は同一平面内に位置する4本の直線部43a、43b、44a及び44bとターン部48a、48b及び49とからなる2周巻きコイルであり、最外周の下層直線部43aから第1引き出し部46が延び、最内周の上層直線部44bから第1延長部47が延びている。一方、第2原形コイル64は同一平面内に位置する4本の直線部53a、53b、54a及び54bとターン部58a、58b及び59とからなる2周巻きコイルであり、最外周の直線部54aから第2引き出し部56が延び、最内周の下層直線部53bから第2延長部57が延びている。そして、第1延長部47と第2延長部57とが内周側の傾斜した列間つなぎ部50でつながれている。
(極間が連続した一本の原形コイル)
U相コイル70(図1及び図7参照)は、図5に示す6極分のU相原形コイル部60Aから60Fが連続して形成された一本のU相原形コイル61から製作したものである。ある極の原形コイル部60Bでは半径方向に積み重なった第1原形コイル部62の4本の直線部43a,43b,44a及び44bと、第2原形コイル部64の4本の直線部53a,53b,54a及び54bとが円周方向で2列に並んでいる。
原形コイル部60Bの第1原形コイル部62の第1引き出し部46と左隣りの極の原形コイル部60Cの第1原形コイル部62の第1引き出し部46とがステータコア外周側の円弧状の極間接続部67により接続されている。また、原形コイル部60Bの第2原形コイル部64の第2引き出し部56と右隣りの極の原形コイル部60Aの第2原形コイル部64の第2引き出し部56とがステータコア内周側の円弧状の極間接続部68により接続されている。
ステータコア内周側の極間接続部68及び外周側の極間接続部67は、直線部43a,43b,54a及び54bよりも紙面手前側に突出している。この事情は他の極についても同様である。なお、右端の原形コイル部60Aの第1原形コイル62部の一端部72a、及び左端の原形コイル部60Fの第1原形コイル62の他端部72bは接続されず、U相原形コイル61の両端を構成している。
U相原形コイル61の実際の製作時は、原形コイル部60Aの直線部43aより図5の紙面手前側に若干伸ばした一端部72aから巻き始め、その原形コイル部60Aの巻き終わりである直線部54aから内周側の極間接続部68により左隣の原形コイル部60Bの直線部54aに連続してつなぐ。原形コイル部60Bのコイル巻き終わりである直線部43aから外周側の極間接続部67により左隣の原形コイル部60Cの直線部43aに連続してつなぐ。
以下同様にして、残りの原形コイル60部Dから60Fを連続してつなぎ、原形コイル部60Fの巻き終わりは延長され他端部72bになっている。以上のように隣極の原形コイル部60A、60B・・同士を極間接続部68及び67でつなぐことを「隣極接続」と呼ぶ。
(三相原形コイル)
U相原形コイル71、V相原形コイル74及びW相原形コイル77の開き加工前の状態を図6に示す。隣極接続により6極分連続して製作したU相原形コイル71、V相原形コイル74及びW相原形コイル77が円周方向でこの順に繰り返し配置されている。最初にU相原形コイル71の一端部72aから巻き始め、原形コイル部70A→極間接続部73b→原形コイル部70B→極間接続部73d→・・・→原形コイル部70F→他端部72bの順に連続してつなぐ。このU相原形コイル71を位置決め治具(不図示)にセットする。図8に示すように、一端部72aはU相端子接続部となり、他端部72bは中性点Nとなっている。
続いて、V相原形コイル74の一端部75aから巻き始め、原形コイル部76a→極間接続部76b→原形コイル部76c→極間接続部76d→・・・→原形コイル部76f→他端部75bの順に連続してつなぎ、同様にセットする。一端部75aはV相端子接続部となり、他端部75bは中性点Nとなっている。さらに、W相原形コイル77の一端部78aから巻き始め、原形コイル部79a→極間接続部79b→原形コイル部79c→極間接続部79d→・・・→原形コイル部79f→他端部78bの順に連続してつなぎ、同様にセットする。一端部78aはW相端子接続部となり、他端部78bは中性点Nとなっている。
なお、U相原形コイル71、V相原形コイル74及びW相原形コイル77の一端部72a、75a及び78aは円周方向で互いに隣接し、他端部72b、75b及び78bも円周方向で互いに隣接している。また、原形コイルの内周及び外周位置で紙面下側からU相コイル71の極間接続部73b、73d、・・・、V相コイル74の極間接続部76b、76d、・・・、W相コイル77の極間接続部79b、79d、・・・、の順に所定の隙間を持たせて層状にセットされている。
(内外分割ステータコア)
U相原形コイル71、V相原形コイル74及びW相原形コイル77の開き加工には、図7に示すようにスロットの径方向中央で同心円状の内周側ステータコア80と外周側ステーターコア85とに内外二分割された内外分割ステータコアを治具として用いる。内周側ステータコア80及び外周側ステータコア85とは円筒面形状の分割面90で最終的に嵌合される。
内周側ステータコア80は、外周面に開口する複数のU相スロット81と複数のU相ティース82とが円周方向で交互に形成されている。ロータ(不図示)に対向する各U相ティース82の内周縁同士はU相スロット88の底部でつながっており、閉スロットとなっている。V相用スロット及びW相用スロットも同様に形成されている。
外周側ステータコア85は内周面に開口した複数(内周側ステータコア80のスロット81と同数)のU相スロット86と、複数のU相ティース87とが円周方向で交互に形成されている。また、外周側ステータコア85は2つのステータコア間の分割面90から半径方向外向きに外周面近くまで延びたスリット88により、複数のティース87を含む複数(9個)のコアピース91に区画されている。コアピース91はスリット88の外縁に設けられた薄肉連結部92により相互に連結されている。
2つのステータコア80及び85の結合時は、内周側ステータコア80を外周側ステータコア85の中空孔内に嵌合した状態で、外周側ステータコア85の複数のコアピース91の外周面を中心に向かって押え込む。更に、外周側ステータコア85の薄肉連結部92を中心に向かって塑性変形させ、スリット88のギャップを詰めてコアピース91間を密着させる。その結果、外周側ステータコア85の内径が少し小さくなり、内周側ステータコア80と外周側ステータコア85とが円筒状の分割面90で嵌合される。
分割面90はここでは組付け性を考慮して円筒面としている。但し、トルク伝達容量をアップするため円弧曲率を下げて平面としても良く、この場合、内周側ステータコアと外周側ステータコアとは多角面同士の嵌め合いとなる。
(原形コイルの開き加工)
U相原形コイル71の開き加工は以下のように行う。内周側ステータコア80及び外周側ステータコア85のスロット内は電気絶縁のため、原形コイルを装填する前に内周側及び外周側のスロットインシュレータ(不図示)を密着させて挿入しておく。図5に示したU相原形コイル71の原形コイル部60B等は、図7に示すステータコア80及び85のスロット81及び86内に、そのままの形紙面手前から奥へ向かって軸方向から装填される。詳しくは、U相原形コイル60Bの4本の一方直線部45(43a,43b,53a及び53b)は外周側ステータコア85のスロット86に収容され、4本の他方直線部55(44a,44b,54a及び54b)は内周側ステータコア80のスロット81に収容される。
この状態で、図7において、内周側ステータコア80を外周側ステータコア85に対して、極ピッチだけ時計方向に回転させる。すると、原形コイル部60A、60B、60C、・・・の一方直線部45と他方直線部55とが円周方向に開き加工されるとともに、ステータコア80及び85の一端面側のターン部49及び59と、他端面側のターン部48a、48b及び58a、58bとが円周方向に引き延ばされる。その結果、図2のコイル部40に相当する複数極のU相コイル部70A、70B、70C・・を持つU相コイル70が形成される。
なお、内周側の極間接続線68は、ロータ25の組付け性を良くするため、開き加工後に内周側ステータコア80の内周面よりも半径方向外方に押し広げてもよい。その場合、極間接続線68の長さは外側に押し広げる分だけ予め長く選定する。外周側の極間接続線67が周辺のハウジング等に干渉する場合も同様である。
図示省略したV相原形コイル及びW相原形コイルも同時に開き加工され、V相コイル及びW相コイルが完成する。次に、3つの他端部72b、75b及び78bから成る中性点Nを接合又はかしめにより電気的及び機械的に結合すると、図8に示すように、U相コイル70、V相コイル95及びW相コイル97がスター結線され、三相コイルが完成する。
(効果)
以上説明した第1実施例によれば、以下の効果が得られる。まず、図2において、ある極のコイル部40の第1引出し部46及び第2引出し部56が、隣接するコイル部40のターン部49及びターン59と干渉する心配がない。コイル部40の第1引出し線46はターン部49と周方向位置は同じで半径方向では最も外側に位置し、第2引出し線56はターン部59と周方向位置は同じで半径方向では最も内側に位置しているからである。
よって、スロット及36a等及びティース37の幅が狭くても、ターン部49及び59の傾斜角度を緩やかにすることは不要で(急な状態にでき)、ターン部49及び59の突出量が小さくなる。その結果、巻線部40ひいてはステータ30の長さを短くできる。
また、図7において内周側ステータコア80及び外周側ステータコア85が、U相コイル70が収容されるコアとして機能するのみならず、U相原形コイル61からU相コイル70を開き加工する治具を兼ねている。その結果、両者が別々である場合に比べて、部品コスト、組み立てコストが半減する。
その他にも以下の効果が得られる。まず、図5において、U相原形コイル61の極間接続部68及び67は原形コイル部60Bなどの内周寄り及び外周寄りに配置したので、原形コイル部60B等の開き加工時に極間接続部68及び67がターン部48a、48b、49a、49b、58及び59に干渉する心配はない。また、図7において、複数のU相コイル部70Aなどから成るU相コイル70の一端部72a及び他端部72bは他のコイル部分(ターン部49及び59等)と干渉する心配がない。これは、一端部72a及び他端部72bを外周側の極間接続部よりも軸方向外側に配置したことによる。この事情は、V相コイル及びW相コイルでも同様である(図6参照)。
<第2実施例>
次に、図9、図10及び図11をもとに第2実施例のステータ、及びU相コイルについて、第1実施例との相違点を中心に説明する。
(構成)
図9にステータ100の軸方向断面図を示し、図10にステータ100の端面図(スロット挿入状態図(1相1極対分)を示す。即ち、図9及び図10は開き加工後の状態を示す。第1実施例(図2)のU相コイル部の第1コイル部(第1列)42及び第2コイル(第2列)44部が2周渦巻状であったのに対し、第2実施例のU相コイル部の第1列及び第2列は3周渦巻状とし、これとの関係で内外周側ステータのスロット内の径方向の直線部の本数を4本から6本に増やしている。また、第1実施例では毎極毎相のスロット数は1であったが、第2実施例では毎極毎相のスロット数を2としている。
詳述すると、図10及び図11において、U相コイルは外周側引出し線である一端部101に始まり、複数のU相コイル部を経て中性点N(149)で終わる。第1U相コイル部105は外周側ステータコア155のスロット156a内の第1列及び第2列106と内周側ステータコア150のスロット151aの第1列及び第2列111との間で3周巻きしている。続けて、第2U相コイル部115はスロット156bの第1列及び第2列116とスロット151bの第1列及び第2列121との間で3周巻きしている。
より詳しくは、図11に拡大して示すように、外周側ステータコア155のスロット156aの第1(左)列の最外周層107aから巻き始め、時計方向に極ピッチ離れた内周側ステータコア150のスロット151aの最外周層107bに至る。その後、スロット156aの第1列の外周側から第2層目107c→スロット151aの第1列の外周側から第2層目107d→スロット156aの第1列の外周側から3層目107e→スロット151aの外周側から第3層目107fに至る。続けて、列間接続部(不図示)を介してスロット156aの第2(右)列の最内周層108aに至り、・・・、最後にスロット151aの第2列の最外周層108fに至る。
図10に戻って、その後、第2U相コイル115の巻き終わり(110f)を極間接続部145により隣接極の第3U相コイル130に隣極接続し、その第1列及び第2列の直線部133及び直線部131で3周巻きしている。続けて、隣接スロットの第4U相コイル125の第1列及び第2列の直線部126及び直線部128で3周巻きしている。
第4U相コイル125の巻き終わりから極間接続部により隣接極の第5U相コイル(不図示)に隣極接続している。なお、図9に示すように、隣接するN極性コイルとS極性コイルとをつなぐ極間接続部145及び147は、相間が干渉しないようそれぞれ軸方向にオフセットされている。最後は中性点149に終わる。
なお、第1から第4U相コイル105,115・・はともに3周渦巻きのU相第1原形コイル(不図示)とU相第2原形コイル(不図示)とから成るU相原形コイルをその厚さ方向に開き加工したものである。開き加工時は、内周側ステータコア150のスロット151a等に直線部111等を軸方向に挿入し、外周側ステータ155のスロット156a等に直線部106等を軸方向から挿入した後、両者を円周方向に相対回転させる。外周側ステータコア155のスロット156aを半径方向に対して回転方向(反時計方向)と反対方向に傾斜させている。
(効果)
第2実施例によれば、上記第1実施例の効果に加えて、以下の効果が得られる。まず、内周側ステータコア150のスロット151a、151b及び外周側ステータコア155のスロット156a、156b内の直線部の本数が6本に増えたため、高電圧仕様に適した回転電機を提供できる。また、第1実施例と比べて、毎極毎相のスロット数を2倍に増やしたことにより、ステータ100の起磁力分布が改善され、作動時のトルクリップルや作動音が低減する。更に、外周側ステータコア155のスロット156を回転方向と反対方向に傾斜させたことは、U相原形コイルを開き加工する際にその直線部のスロット156aからの抜け出しの防止に役立つ。
<第3実施例>
図12を参照しつつ、第3実施例につき説明する。上記第1実施例及び第2実施例では、一つのスロット内に収容する直線部の円周方向の列数は2列であったが、3列でも良い。つまり、偶数(2、4)に限らず奇数(1、3、・・)列であっても良い。ただし、毎極毎相のスロット数は偶数(2、4、・・)とする必要がある。
第3実施例では、図12に示すように、コア200に半径方向に細長く延びて形成されたスロット201及び203の内周側の開口部に突出部202及び204が形成され、開口部が狭くなっている(半閉スロット)。スロット201及び203内にはU相コイルの直線部が円周方向に3列並置され、半径方向に12本配置されている。
第1スロット201の第1列の最外周層から6本の直線部211,212、213、・・・と、第2列(中間列)の最外周層から6本の直線部215,216、217、・・・とが、上記第2実施例の外周側ステータコア155のスロット内156aの第1列及び第2列106に対応する。また、スロット201の第3列の最外周層から6本の直線部231,232、233、・・・と、スロット203の第1列の最外周層から6本の直線部235,236、237、・・・とが、第2実施例のスロット156b内の第1列及び第2列116に対応する。なお、スロット201及び203の開口部にはウェッジ207及び08が装着され、直線部(導体)がスロットの外部に出るのを防止している。
(効果)
第3実施例によれば、上記第1実施例の効果に加えて、以下の効果が得られる。まず、スロット201及び203内で直線部211,215,231等の列数を3列にしたことにより、各直線部211,212,213,215,231等の横幅(コアの円周方向寸法)を狭くできる。その結果、開口部の幅がスロット201及び203の幅より狭い半閉スロットであっても、直線部211,212,213,215,231等をステータ200の内周面205側から半径方向外向きに挿入できる。
ただし、スロット201及び203内の列数の増加により直線部211,212,213,215,231等間のすきまが増大し、スロット201内での直線部211等の占積率は2列の場合に比べて低くなる。よって、列数は上記直線部211等の挿入の容易性とスロット内での直線部(導体)の占積率との兼ね合いで決めれば良い。
また、直線部211,212,213,215,231等の3列配置を半閉スロット201および203と組み合わせたので、開スロットの場合に比べてエアギャップの磁気抵抗を小さくでき、閉スロットの場合に比べて漏洩磁束が減るので性能が向上する。このように、本発明が半閉スロットに使えることは、回転電機の小型化に更に有利である。
本発明が適用される回転電機の縦断面図である。 第1実施例のコイルのスロットへの挿入状態図(一極分の巻線図)である。 U相原形コイル(開き加工前)を示す斜視図である。 U相原形コイルを2列に分けて示した斜視図である。 極数分連続して製作したU相原形コイルの平面図である。 極数分連続して製作した三相分原形コイルの平面図である。 U相原形コイルを開き加工した状態(1相分)の平面図である。 三相コイルの配線図である。 第2実施例の要部縦断面図である。 第2実施例のコイルのスロットへの挿入状態図である。 図10の要部詳細図である。 第3実施例のコイル配置図である。 第1従来例の巻線部(開き加工後)を示す斜視図である。 第2従来例の巻線部(開き加工前)を示す斜視図である。 第2従来例の折り返し部を示す斜視図である。
符号の説明
10:ハウジング 25:回転子
30:電機子(固定子) 35:鉄心
36a、36b:スロット 37:磁極(ティース)
37a:一置端面 40:巻線部
42:第1巻線部 43a、43b:一方直線部
44a、44b:他方直線部 46:第1引出し部
47:第1延長部 48,49:ターン部
50:列間接続部 52:第2巻線部
53a、53b:一方直線部 54a、54b:他方直線部
56:第2引出し部 57:第2延長部
58,59:ターン部

Claims (14)

  1. 電機子に装着される電機子巻線であって、一極分の巻線部(40)はともに渦巻状の第1巻線部(42)と第2巻線部(52)とから成り、
    前記第1巻線部は一方直線部(43a、43b)及び他方直線部(44a、44b)と、該一方直線部の最外周層から延びた第1引き出し部(46)と、該他方直線部の最内周層から第1引き出し部と同じ方向に延びた第1延長部(47)を含み、
    前記第2巻線部は前記第1巻線部の一方直線部に近接した一方直線部(53a、53b)及び該第1巻線部の他方直線部に近接した他方直線部(54a、54b)と、該他方直線部の最外周層から前記第1引き出し部と同方向に延びた第2引き出し部(56)と、該第2巻線部の一方直線部の最内周層から前記第1延長部と同方向に延び該第1延長部と連続して接続され列間つなぎ部を形成している第2延長部(57)とを含む、
    ことを特徴とする電機子巻線。
  2. 前記第1巻線部及び前記第2巻線部は横断面矩形状である請求項1に記載の電機子巻線。
  3. 前記第1巻線部の一方直線部及び他方直線部、並びに前記第2巻線部の一方直線部及び他方直線部は横断面長円形状又は横断面楕円形状である請求項1に記載の電機子巻線。
  4. 複数の半径方向に延びるスロット(36a、36b)が円周方向に隔設された電機子鉄心(35)と、該スロット内に円周方向に二列収容された電機子巻線とから成る電機子であって、
    前記電機子巻線の一極分の巻線部(40)はともに渦巻状の第1巻線部(42)及び第2巻線部52から成り、
    前記第1巻線部(42)は、前記電機子鉄心の第1スロット(36a)内の第1列の下層に収容された一方直線部(43a、43b)、第2スロット(36b)内の第1列の上層に収容された他方直線部(44a、44b)、一方直線部の最外周層から該電機子鉄心の一端面(37a)側に延びた第1引き出し部(46)、及び他方直線部の最内周層から該一端面側に突出した第1延長部(47)を含み、
    前記第2巻線部(52)は、前記電機子鉄心の第1スロット内の第2列の下層に収容された一方直線部(53a、53b)、第2スロット内の第2列の上層に収容された他方直線部(54a、54b)、該他方直線部の最外周層から該電機子鉄心の一端面(37a)側に延びた第2引き出し部(56)、及び該一方直線部の最内周層から一端面側に突出し前記第1延長部と連続して接続され列間つなぎ部(50)を形成している第2延長部(57)を含む、ことを特徴とする電機子。
  5. 前記電機子は直流電動機の回転子又は交流電動機の固定子である請求項4に記載の電機子。
  6. 前記第1巻線部の一方直線部及び第2直線部並びに前記第2巻線部の一方直線部及び第2直線部は横断面矩形状である請求項4に記載の電機子巻線。
  7. 半径方向に延びる複数のスロットが円周方向に隔設された電機子鉄心と、該スロット内に円周方向に二列収容された電機子巻線とから成る電機子であって、
    前記電機子巻線はともに渦巻状の第1巻線部及び第2巻線部を有する複数極分の巻線部と、該巻線部同士を直列接続する極間接続部とを含み、
    前記第1巻線部は、第1スロット内の第1列の下層に収容された一方直線部、第2スロット内の第1列の上層に収容された他方直線部、該一方直線部の最外周層から前記電機子鉄心の一端面側に延びた第1引き出し部、及び該他方直線部の最内周層から該一端面側に突出した第1延長部を有し、
    前記第2巻線部は前記第1スロット内の第2列の下層に収容された一方直線部、前記第2スロット内の第2列の上層に収容された他方直線部、該他方直線部の最外周層から電機子鉄心の一端面側に延びた第2引き出し部、及び該一方直線部の最内周層から該一端面側に突出し第1延長部と連続して接続され列間つなぎ部を形成している第2延長部を有し、
    前記極間接続部は、第1極の前記第1巻線部の第1引き出し部と、第1円周方向で第1極に隣接する第2極の前記第1巻線部の第1引き出し部とを連続して直列接続する第1極間接続部(67)と、該第1極の前記第2巻線部の第2引き出し部と第2円周方向で第1極に隣接する第3極の前記第2巻線部の第2引き出し部とを連続して直列接続する第2極間接続部(68)とを含み、前記極間接続部はそれぞれ軸方向にオフセットされたことを特徴とする電機子。
  8. 前記スロットに前記第1巻線部及び第2巻線部の一方直線部及び他方直線部が円周方向に三列以上配置されている請求項7に記載の電機子。
  9. ともに円弧状の前記第1極間接続部及び前記第2極間接続部は、いずれも前記巻線部の軸方向端部より前記電機子鉄心側の方に配置され、前記第1極間接続部及び前記第2極間接続部の一方が前記巻線部の内周側に他方が前記巻線部の外周側に位置し、円周方向で該第1極間接続部と該第2極間接続部とが交互に位置している請求項7に記載の電機子。
  10. 前記電機子鉄心は円筒形状の単一部材、又は同心的に嵌合されたともに円筒形形状の内周側鉄心及び外周側鉄心から成る請求項7に記載の電機子。
  11. 半径方向に延びる複数のスロットが円周方向に隔設された電機子鉄心と、該スロット内に円周方向に二列収容された電機子巻線とから成る電機子において、該電機子巻線を該電機子鉄心へ巻装する方法であって、
    外周面に開口した複数のスロットを備えた円筒形状の内周側鉄心と、内周面に開口した複数のスロットを備えた円筒形状の外周側鉄心とを同心的に配置する配置工程と、
    ともに渦巻き形状の第1原形巻線部及び第2原形巻線部を含む複数極分の原形巻線部が極間接続部で連続して直列接続されて成る原形巻線を準備し、該各第1原形巻線部及び該各第2原形巻線部の一方直線部を外周側鉄心の各スロットに並んで挿入するとともに、該各第1原形巻線部及び該各第2原形巻線部の他方直線部を内周側鉄心の各スロットに並んで挿入し、前記極間接続部はそれぞれ軸方向にオフセットされた挿入工程と、
    前記内周側鉄心と前記外周側鉄心とを極ピッチ分円周方向に相対回転させて前記第1原形巻線部及び前記第2原形巻線部の一方直線部と他方直線部とを開き加工する加工工程と、
    から成ることを特徴とする、電機子鉄心への電機子巻線の巻装方法。
  12. 前記外周側鉄心は、その内周面から外周面近くまで半径方向に延びる複数のスリットが形成され、前記配置工程で該スリットの外縁に設けられた薄肉連結部を塑性変形させて前記外周側鉄心の内径を小さくし、前記内周側鉄心の外周面と密着嵌合する請求項11に記載の巻装方法。
  13. 前記内周側鉄心の内周スロットはその内周側が閉じた閉スロットであり、前記挿入工程で電機子巻線は該内周スロットに軸方向から挿入される請求項11に記載の巻装方法。
  14. 前記極間接続部は、第1極の前記第1原形巻線部の第1引き出し部と、第1円周方向で第1極に隣接する第2極の前記第1原形巻線部の第1引き出し部とを連続して直列接続された第1極間接続部と、該第1極の前記第2原形巻線部の第2引き出し部と第2円周方向で第1極に隣接する第3極の前記第2原形巻線部の第2引き出し部とを連続して直列接続された第2極間接続部とを含み、
    ともに円弧状の前記第1極間接続部及び前記第2極間接続部は、いずれも前記原形巻線部の軸方向端部より前記電機子鉄心側の方に配置され、前記第1極間接続部及び前記第2極間接続部の一方が前記原形巻線部の内周側に他方が前記原形巻線部の外周側に位置し、円周方向で該第1極間接続部と該第2極間接続部とが交互に位置している請求項11に記載の巻装方法。
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