JP4345496B2 - エレベータかご - Google Patents

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Description

本発明はエレベータの据付時や保守時に、ガイドレールに対するエレベータかごの位置を一時的に規制する装置に関するものである。
エレベータかごの据付時や、ローラガイド又はガイドシューからなるガイド装置の交換時には、ガイドレールに対するかごの位置を規制しなければならない。図4〜図7は従来のかご位置規制装置の一例で、ガイド装置の交換時における従来例を示すものである(特許文献1参照)。図において、図4はかごの正面図、図5は図4の平面図である。1はガイドレール2に沿って昇降するかごであり、竪枠3,下枠4,上枠5を有し、主ロープ6によって吊り下げられている.7,7a,7bは竪枠3の上下に設けられたガイド装置であり、ローラガイド又はガイドシューからなっている。
長年の使用によるガイドシューの摩耗などにより、ガイド装置の交換が必要になった場合、例えばガイド装置7aを取り外すと、かご1や作業者の荷重などによる不均衡荷重のために、図6に示すようにかご1がガイドレール2に対してねじれ変位を生じてしまう。そのため新しいガイド装置を取り付ける前にかご1のねじれを戻してやらなければならず、多くの時間を要するという問題があった。
そこで、ガイド装置7,7a,7bを取り外している間、竪枠3のガイドレール2に対する位置を一時的に規制することによって、かご1のねじれ変位を防止する装置が考えられている。この装置は図7に示すように、竪枠3のガイド装置7,7a,7bの近くに、位置規制枠8を固定し、この位置規制枠8に一対のセットボルト9,9を設けたものである。
この構成において、ガイド装置7aを取り外す前に、ガイドレール2の両側面に接するまでセットボルト9をねじ込んでおくことにより、ガイド装置7aを取り外してもかご1のねじれ変位を規制することができる。このため新しいガイド装置の取り付けも容易に行うことができる。
実開平3―21082号公報
前記従来技術では、かご1の上部にあるガイド装置7aについては比較的作業が楽に行えるが、下方のガイド装置7bを交換するのは難しい。通常の場合ガイド装置7bは竪枠3の最下端に取り付けられているため、位置規制枠8はガイド装置7bの直上部に配置される。したがって、図7のようにガイドレール2の両側からセットボルト9を操作するのは難しいという問題がある。
またこの構成はかご1の据付時における、ガイドレール2に対する竪枠3の位置決めにも使用されるが、ガイドレール2の両側からセットボルト9を操作するのは作業性が悪いという問題がある。更にガイドレール1に傷が付かないように、木片などの緩衝材を挟んでセットボルト9をねじ込む必要があり、作業時間が長くなるという問題があった。
本発明は、ガイドレールに対するかご1の変位を規制する位置規制装置を、ガイドレールの頂面に垂直な方向を軸として、竪枠に回動可能に取り付けたものである。
またこの位置規制装置は、回動可能な位置規制枠とこの位置規制枠に固定された一対のブロックを備えており、位置規制枠が一方向に回転することにより一対のブロックがガイドレールの案内部を左右から挟み、逆方向に回転することにより前記ブロックがガイドレールから離反する構成としたものである。
更に前記規制装置は、竪枠に取り付けたボルトによって回転させられる構成としたものである。更にまた前記ブロックは、ガイドレールに接する面をゴムとしたものである。
本発明によれば、位置規制装置を回転させるだけで、ガイドレールに対するかごの位置を規制することができるから、ガイドレールの片側からの作業のみで済むため、作業が容易になり作業時間の短縮が図れる。
本発明の実施の形態を図により説明する。図1はかご位置規制装置の正面図、図2は図1の平面図で図7に相当する図である。図において、10は竪枠3に取り付けられた回転軸で、ガイドレール2の案内部20の頂面21に対向し、かご位置の規制時に頂面21の左右方向の中央に回転中心がくるように位置している。11は回転軸10によって竪枠3に枢着された位置規制枠で、回転軸10を中心にした対称位置に一対のブロック12が固定されている。13,14は竪枠3の一側に取り付けられた第1,第2ボルト、15は竪枠3の他側に取り付けられたストッパである。
本構成を、エレベータの据付において、ガイドレール2に対する竪枠3の位置を決める場合について説明する。図1において、第2ボルト14を緩めて位置規制枠11との間に十分な間隔を空けておく。そして第1ボルト13を締めると位置規制枠11は時計方向に回転し、一対のブロック12がガイドレール2の案内部20の左右の側面22,23に接触し更に押圧される。これにより、位置規制枠11の回転中心がガイドレールの頂面21の中心と一致するため、ガイドレール2に対する竪枠3の位置が自動的に決まる。この状態でガイド装置の取り付けやかご1の組み立てを行う。
位置規制枠11をガイドレール2から外すには、第1ボルト13を緩めて、第2ボルト14を締めれば位置規制枠11は反時計方向に回転して図1の状態に戻る。
本実施の形態によれば、竪枠3の一側に取り付けられた第1,第2ボルト13,14を操作するだけで、ガイドレール2に対する竪枠3の位置決めが行えるため、作業が比較的容易で、作業時間も従来に比べて短縮することができる。また各ブロック12はガイドレール2の案内部20を挟むときに、面接触となるように傾斜面を有しているため、案内部20を傷つける可能性も低い。
尚、前記のブロック12としては、ガイドレール2を傷つけないためには硬質ゴム、合成樹脂、木などを使用することが望ましいが、金属を使用することも可能である。またガイドレール2の側面22,23に接する部分にゴム等の材質を固定した金属とすることもできる。
更に図3に示すように、位置規制枠11と竪枠3との間にバネ30を取り付ければ、第1ボルト13を緩めるのみで、位置規制枠11は元の位置に復帰することができるため、作業がより容易になる。
前記実施の形態は、竪枠3がガイドレール2に比較的接近している場合であるが、竪枠3とガイドレール2とが離れている場合には、竪枠3にブラケット等の中間部材を取り付け、この中間部材に位置規制枠11,回転軸10等を取り付ければよい。また前記の実施の形態は、エレベータの据付の場合について説明したが、ガイド装置7,7a,7bの交換の場合も同様に行うことができる。この場合位置規制枠11をガイド装置据付専用に取り付けることもできるが、据付時に使用した位置規制枠11をそのまま残しておきガイド装置交換時に使用することもできる。
本発明の実施の形態を示す図であり、かご位置規制装置の正面図である。 図1の平面図である。 本発明の他の実施の形態を示す図である。 かごの正面図である。 図4の平面図である。 図5のかごの変位を示す図である。 従来のかご位置規制装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 かご
2 ガイドレール
3 竪枠
7,7a,7b ガイド装置
8,11 位置規制枠
10 回転軸
12 ブロック
13 第1ボルト
14 第2ボルト
15 ストッパ
20 ガイドレールの案内部
21 案内部の頂面
22,23 案内部の側面
30 バネ

Claims (3)

  1. ガイドレールに沿って昇降するかご、このかごの前記ガイドレールに対向する側に設けられた竪枠、この竪枠の上下に配置されたガイド装置、このガイド装置の近くに設けられ、前記ガイドレールに対する前記竪枠の位置を一時的に規制する装置を備えたものにおいて、
    前記規制装置は、軸方向が前記ガイドレールの案内部の頂面と垂直な方向になるように前記竪枠に取り付けられた回転軸を有し、この回転軸は前記ガイドレールの案内部の頂面に対向し、かご位置の規制時に前記頂面の左右方向の中央に回転中心がくるように位置しており、かつ前記回転軸を中心にして回動可能な位置規制枠とこの位置規制枠に固定された一対のブロックを備えており、前記位置規制枠が一方向に回転することにより前記一対のブロックが前記ガイドレールの案内部を左右から挟み、逆方向に回転することにより前記一対のブロックが前記ガイドレールから離反する構成であることを特徴とするエレベータかご。
  2. 前記位置規制枠は、前記ガイドレールの案内部の一方の側面側の前記竪枠に取り付けたボルトによって回転させられる構成であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータかご。
  3. 前記ブロックは、かご位置の規制時に前記ガイドレールに接する面がゴムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータかご。
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