JP4345010B2 - ピッチ変更量決定方法、ピッチ変更量決定装置およびプログラム - Google Patents

ピッチ変更量決定方法、ピッチ変更量決定装置およびプログラム Download PDF

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本発明は、特に管楽器音の生成に用いて好適なピッチ変更量決定方法、ピッチ変更量決定装置およびプログラムに関する。
近年、ハードウェアやコンピュータ上のプログラム(ソフトウエア)を用いて実現されている楽音信号合成装置は、一般的に、鍵盤などの入力操作子やシーケンサなどの演奏情報の記録読出装置によって、発音する楽音の音量や音高(ピッチ)を指定するMIDIメッセージ(ノートオンメッセージ)を発生させて、当該ノートオンメッセージに相当する楽音信号を音源で生成して発音するものである。ここで、音源が生成する楽音信号のピッチは、発生したノートオンメッセージ中のノートナンバに基づいて一意に決定される。そして、このようにノートナンバに基づいてピッチを一意に決定するために、同じノートナンバを持ったノートオンメッセージから生成する楽音信号はそのピッチが正確に一定となってしまい、ノートオンメッセージのみでは(ピッチベンド操作子などの操作により、ノートオンメッセージとは別にピッチ変化を加える操作を行わなければ)そのピッチに変化を付与することができない(楽音信号に表情が無くなる)という問題が生じる。かかる問題を解消するため、ノートナンバに基づいてピッチを一意に決定した楽音信号とともに、ノートナンバに基づいて周波数特性を変化させたノイズ信号を発生して、当該楽音信号と当該ノイズ信号とを加算して発音することにより、楽音信号に表情を付与させる技術が特許文献1に開示されている。
特開平8−76764号公報
上記特許文献1に開示された技術によれば、確かにノートオンメッセージに基づいて楽音信号が生成されるたびにノイズ信号を生成して加算することにより、発音する楽音信号に豊かな表情を付与させることはできるが、その反面、その処理の演算量(処理量)は、ノイズ信号を生成せず、通常の楽音信号のみを生成する処理と比べて、必然的に増加することとなり、それにともない発音に関する処理の遅れ、ひいては装置全体における処理の遅れを発生させることとなる。
また、上記特許文献1に開示された技術は次に記すような演奏操作(演奏の奏法)を考慮してピッチを変化させるものでもない。
ピアノなどの自然楽器では、鍵を押下するなどの演奏操作によって楽音のピッチを決定するため、発音される楽音のピッチが演奏者の演奏操作に依存して変化することは少ない。一方、トランペット、ハーモニカ、トロンボーンなどの自然楽器は、指で穴を塞ぐなどの演奏操作によって楽音のピッチを決定するため、演奏者の演奏操作(の正確さ)に依存して、発音される楽音のピッチが本来のピッチからずれることはしばしばある。前者のような楽器演奏を再現する場合においては、従来の楽音信号合成装置のように、演奏操作で指定される音高に応じて楽音信号のピッチを正確に指定することは望ましいことであるが、後者のような楽器演奏を再現する場合において、特に同一音高の楽音を連続して発音させるような演奏においては、正確にピッチが同一の楽音信号を発音すると、自然楽器の演奏時に現れるピッチのずれを再現することができず、発音される演奏が聴覚上不自然に聞こえてしまうことになる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、演奏情報の状態に応じて、楽音信号に自然なピッチのずれを付与することができるピッチ変更量決定方法、ピッチ変更量決定装置およびプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載のピッチ変更量決定方法にあっては、複数チャンネルのうち何れかのチャンネルを指定したノートオンメッセージである新ノートオンメッセージを検出する検出過程と、前記新ノートオンメッセージに係る音色が所定の音色であるか否かを判定する音色判定過程(SP12,SP50)と、前記新ノートオンメッセージの音高と、前記新ノートオンメッセージに対して所定の条件を満たす一または複数のチャンネルにおける直前のノートオンメッセージである直前ノートオンメッセージの音高とが同一であるか否かを判定する音高判定過程(SP16,SP54)と、前記直前ノートオンメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差(実施例の場合)、または、前記直前ノートオンメッセージに対応するノートオフメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差(変形例の場合)が所定の最小時間(ΔTmim)を超えるか否かを判定する時間差判定過程(SP18,SP56)と、前記音色判定過程(SP12,SP50)、前記音高判定過程(SP16,SP54)、および前記時間差判定過程(SP18,SP56)における判定結果が全て肯定的であったことを条件として、前記新ノートオンメッセージに係る音高に対して付与すべきピッチ変更量(ΔP)を最大幅の範囲内でランダムに決定するとともに、前記時間差判定過程(SP18,SP56)において判定された時間差が大きくなるほど、該最大幅を狭くするピッチ変更量決定過程(SP20,SP58)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載のピッチ変更量決定方法において、前記時間差判定過程(SP18,SP56)は、前記直前ノートオンメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差(実施例の場合)、または、前記直前ノートオンメッセージに対応するノートオフメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差(変形例の場合)が前記最小時間(ΔTmim)を超え、かつ、所定の最大時間(ΔTmax)未満の範囲であるか否かを判定する過程であることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1または2記載のピッチ変更量決定方法において、前記ピッチ変更量決定方法は、演奏情報を音源に供給する装置において実行されるものであり、前記新ノートオンメッセージを発音する音源に対して、前記ピッチ変更量(ΔP)をベンド量とするピッチベンド・メッセージを送信する送信過程(SP22)をさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項1または2記載のピッチ変更量決定方法において、前記ピッチ変更量決定方法は、受信した演奏情報に基づいて楽音信号を生成する音源において実行されるものであり、前記新ノートオンメッセージにおいて指定された音高に対して前記ピッチ変更量(ΔP)を加えた加算結果を最終的な音高として楽音信号を生成する楽音信号生成過程(SP62)をさらに有することを特徴とする。
また、請求項5記載のピッチ変更量決定装置にあっては、請求項1ないし4の何れかに記載のピッチ変更量決定方法を実行することを特徴とする。
また、請求項6記載のプログラムにあっては、請求項1ないし4の何れかに記載のピッチ変更量決定方法を処理装置に実行させることを特徴とする。
このように、本発明においては、新ノートオンメッセージが所定の音色に係るものであって、その音高が直前ノートオンメッセージの音高と同一であって、両者の時間差等が所定範囲である場合に、新ノートオンメッセージに係る音高に対して付与すべきピッチ変更量がランダムに決定されるから、ピッチ変更に係る処理量の増加を抑えながら、ピッチの「ずれ」が生じ易い自然楽器の音色を使用している場合で、音を短く区切るような特定の奏法に相当する演奏に対してのみ(全てのノートオンに対してではなく、ピッチ変更が充分に必要とされるノートオンに対してのみ)、楽音信号に自然なピッチのずれを付与することができる。
1.実施例のハードウエア構成
以下、この発明の一実施例の楽音信号合成装置の構成を図1を参照し説明する。
なお、本実施例の楽音信号合成装置は、汎用パーソナルコンピュータと、該パーソナルコンピュータ上で動作するアプリケーションプログラムとによって構成されている。
図において、2は通信インタフェースであり、ローカルエリアネットワークを介して他の機器との間でMIDIメッセージ、波形データ等のやりとりを行う。4は入力装置であり、文字入力用キーボードおよびマウス等から構成されている。6はMIDIインタフェースであり、外部のMIDI機器との間でMIDIメッセージを入出力する。
8はディスプレイであり、ユーザに対して各種情報を表示する。10はCPUであり、後述するプログラムに基づいて、バス16を介して他の構成要素を制御する。12はROMであり、波形合成装置のイニシャルプログラムローダ等が記憶されている。18はリムーバルディスクドライブ装置であり、CD−ROM、MO等のリムーバルディスク20に対して読出し/書込みを行う。22は波形取込インタフェースであり、外部から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
24はハードディスクであり、オペレーティングシステム、音楽アプリケーションプログラム、ソフトウエア音源プログラム、波形データ等が格納される。26は音源ボードであり、バス16を介して供給されたMIDIメッセージに基づいてアナログ信号の楽音信号を生成するとともに、バス16を介して供給されたデジタルの楽音信号をアナログ信号に変換する。28はサウンドシステムであり、この音源ボード26から出力された楽音信号を発音する。30はRAMであり、CPU10のワークメモリとして用いられる。
2.実施例の動作
2.1.動作の概要
本実施例の楽音信号合成装置には、音楽アプリケーションプログラムおよびソフトウエア音源プログラムがインストールされている。ここで、音楽アプリケーションプログラムは、SMF(スタンダードMIDIフォーマット/Standard MIDI Format)等のMIDIファイルの編集や再生を行うプログラムであり、再生時においてはMIDIメッセージを順次生成する「シーケンサ」として機能する。また、ソフトウエア音源プログラムは、かかるMIDIメッセージに基づいて楽音信号を生成する「音源」として機能する。
これにより、本実施例の楽音信号合成装置を使用する態様としては、様々なものが考えられるが、例えばMIDIメッセージの取得に関しては、以下のような動作態様が考えられる。
(A1)通信インタフェース2またはMIDIインタフェース6を介して、例えばMIDI鍵盤や外部シーケンサ等、図示しない外部機器からMIDIメッセージを取得する。
(A2)音楽アプリケーションプログラムを動作させ、MIDIファイル等を読み込み、再生することにより、CPU10によってMIDIメッセージを生成する。
また、なんらかの方法により得られたMIDIメッセージに基づいて楽音信号を生成するには、以下のような動作態様が考えられる。
(B1)当該MIDIメッセージを通信インタフェース2、またはMIDIインタフェース6を介して出力することにより、外部音源装置等に楽音信号を生成させる。
(B2)当該MIDIメッセージに基づいてソフトウエア音源プログラムによって楽音信号を生成し、これを音源ボード26、サウンドシステム28を介して発音させる。
(B3)当該MIDIメッセージを音源ボード26に供給することにより、音源ボード26において楽音信号を合成する。
上述した各動作態様は、何れかが排他的に選択されるわけではなく、ユーザは音色(パート)毎に最適な動作態様を選択することができる。これにより、上述した動作態様の全てが同時に実行されることもあり得る。ところで、詳細は後述するが、本実施例の楽音信号合成装置は、MIDIメッセージにおいて「短時間のうちに同一音高の楽音信号が引き続いて発生する」という条件が発生したときに、後に発生する楽音信号のピッチをランダムに変化させるものである。
ここで、ピッチを変化させる態様としては、
(C1)MIDIメッセージ自体に変更を加える態様、および
(C2)MIDIメッセージ自体には変更を加えず音源において変化を加える態様
の双方が考えられる。態様C1は、具体的にはMIDIの「ピッチベンドチェンジ」メッセージを生成することにより、音源に対してピッチ変更量を指示する態様である。本願実施例においては、音楽アプリケーションプログラムは態様C1の機能を有し、ソフトウエア音源プログラムおよび音源ボード26は態様C2の機能を有している。従って、MIDIメッセージおよび楽音信号を生成する手段のうち、一部がランダムなピッチ変更を全く考慮していない外部機器であったとしても、本実施例の音楽アプリケーションプログラム、ソフトウエア音源プログラムまたは音源ボード26のうち何れかが使用されている限りは、態様C1,C2のうち何れかによってピッチ変更を実行することができる。
2.2.設定データの作成
まず、音楽アプリケーションプログラム、ソフトウエア音源プログラムおよび音源ボード26に対して適用される設定内容を規定するデータ(設定データ)が作成され、ハードディスク24に記憶される。この設定データは、メーカーが標準的なものを作成してもよいが、ユーザによってもその内容を適宜編集することができる。以下、この設定データによって指定されるパラメータについて説明する。
(1)音色条件
設定データ内においては、ピッチ変更の対象とすべき音色(パート)が指定される。これを音色条件という。上述したように、自然楽器においては、演奏者の操作が不完全であった場合に、楽音のピッチがずれる楽器(トランペット、ハーモニカ、トロンボーン等)と、ずれない楽器(ピアノ等)とが存在する。そこで、一般的には、前者の楽器に対してのみピッチ変更を実行するように音色条件が指定されることになる。さらに、「音色条件」には、ピッチ変更を加える主体として、「音楽アプリケーションプログラム」、「ソフトウエア音源プログラム」または「音源ボード26」のうち何れかが指定される。
(2)チャンネル条件
MIDIメッセージにおいては必ず「1」〜「16」のうち何れかのMIDIチャンネルが指定されており、各MIDIチャンネルに対して特定の音色(パート)が割り当てられる。一般的には「1」パートに対して「1」のMIDIチャンネルが割り当てられるが、複数のMIDIチャンネルに対して同一パートが割り当てられる場合がある。ここで、これら同一パートの複数のMIDIチャンネルは、同一演奏者による演奏を想定したものであるのか、複数演奏者によるアンサンブルを想定したものであるのか、MIDIメッセージの内容を観察しただけでは直ちに判別することは困難である。
これらのMIDIチャンネルが同一演奏者を想定したものであれば、ピッチ変更の有無やピッチ変更量等を決定するとき、これらチャンネルのMIDIメッセージに基づく楽音信号は相互に影響を及ぼしあうようにすべきである。一方、複数演奏者によるアンサンブルを想定したものであれば、MIDIメッセージに基づく楽音信号は相互に影響を及ぼさないように設定することが望ましい。そこで、音色条件を満たす各音色に対して、同一パートの複数のMIDIチャンネル相互間で影響を及ぼしあう動作モード(複数チャンネルモード)または、影響を及ぼさないモード(単一チャンネルモード)のうち何れかが、「チャンネル条件」としてユーザによって設定される。
(3)最大変動幅
上記チャンネル条件を充足する一または複数のMIDIチャンネルにおいて、同一音高のノートオンが引き続いて発生したとき、先のノートオンタイミングから後のノートオンタイミングまでの時間差をΔTとする。この時間差ΔTに対する関数として、後の発音に対するピッチに付与される変動幅の最大値を「最大変動幅」という。この最大変動幅には、正方向(ピッチ増加方向)の正方向最大変動幅max1と、負方向(ピッチ減少方向)の負方向最大変動幅max2の2種類があり、ユーザは両者は独立して設定することができる。
自然楽器においては、演奏者の操作が不完全であった場合に、ピッチが増加する傾向が強いのか、ピッチが減少する傾向が強いのか、楽器の種類に応じて異なる。従って、対応する自然楽器の傾向に応じて音色毎に最大変動幅max1,max2を設定すると好適である。なお、最大変動幅max1,max2の設定例を図2に示しておく。図示の例にあっては、時間差ΔTが「0.2秒」以上、「2秒」以下であれば、最大変動幅max1,max2は何れも「0」以外の値になる。このように最大変動幅max1,max2のうち少なくとも一方が「0」以外の値になる時間差ΔTの範囲の最小値を最小時間差ΔTmim、最大値を最大時間差ΔTmaxと呼ぶ。
ここで、最小時間差ΔTmimを設けた理由について説明しておく。一般的に自然楽器において同一音高でスタッカートのような演奏を行おうとすると、演奏者の操作によって通常実現可能な最小の「時間幅」が存在する。そこで、この時間幅を最小時間差ΔTmimとしたものである。仮に、MIDIメッセージ上で最小時間差ΔTmim以下の時間差ΔTが検出された場合、それは複数の演奏者による重奏が行われた際にたまたま同一音高のノートオンがほぼ同時に発生したものと考えることが妥当であることが多い。そこで、かかる場合にはピッチ変更を加えないようにしたものである。
2.3.音楽アプリケーションプログラムによるピッチ変更
本実施例の音楽アプリケーションプログラムにおいてMIDIファイル等からMIDIのノートオンメッセージが読み出された場合、あるいは通信インタフェース2またはMIDIインタフェース6を介して、外部機器からノートオンメッセージが受信された場合には、図3に示すノートオン検出ルーチンが起動される。図において処理がステップSP10に進むと、このノートオンメッセージが対応する音源に転送される。ここで「音源」とは、ソフトウエア音源プログラム、音源ボード26または外部音源装置のうち何れかである。すなわち、MIDIのノートオンメッセージにはMIDIチャンネル番号が特定されており、各MIDIチャンネルに対して何れかのパートが予め割り当てられる。そして、パートが決定すると、当該パートに割り当てられている音源も一意に決定するため、ノートオンメッセージが該MIDIチャンネルに対応する音源に転送されるのである。
次に、処理がステップSP12に進むと、上記設定データ中の「音色条件」に基づいて、該ノートオンメッセージに係る音色(パート)は音楽アプリケーションプログラムにてピッチ変更を施すべき音色であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP14に進み、チャンネル条件を満足する直前のノートオンメッセージが履歴レジスタの中から検索される。すなわち、チャンネル条件として単一チャンネルモードが選択されていた場合には、今回のノートオンメッセージに係るMIDIチャンネルの直前のノートオンメッセージが検索される一方、チャンネル条件として複数チャンネルモードが選択されていた場合には、今回のノートオンメッセージに係るMIDIチャンネルと同一のパートに係る一または複数のMIDIチャンネルの中から直前のノートオンメッセージが検索される。
なお、履歴レジスタとは、RAM30内に設けられた記憶領域であり、過去に発生したノートオンメッセージを、その発生タイミングとともに、MIDIチャンネル毎に数回づつ記憶しておくためのレジスタである。次に、処理がステップSP16に進むと、このステップSP14の検索結果である直前のノートオンメッセージの音高が、今回のノートオンメッセージの音高と同一であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP18に進む。
ステップSP18においては、該直前のノートオンタイミングおよび今回のノートオンタイミング間の時間差ΔTが計算され、この時間差ΔTが最小時間差ΔTmimを超え最大時間差ΔTmax未満であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP20に進む。ここでは、時間差ΔTに基づいて最大変動幅max1,max2が求められ、負方向最大変動幅max2(これは負値である)以上、かつ正方向最大変動幅max1以下の範囲内でピッチ変更量ΔPがランダムに決定される。
次に、処理がステップSP22に進むと、決定されたピッチ変更量ΔPを反映する、MIDIのピッチベンドチェンジ・メッセージが生成され、対応する音源に送信される。なお、上記ステップSP12、SP16、SP18の何れかにおいて「NO」と判定されると、ステップSP20およびSP22はスキップされるため、音源にはステップSP10おいてノートオンメッセージのみが送信され、ピッチベンド・メッセージは送信されないことになる。次に、処理がステップSP24に進むと、履歴レジスタに今回のノートオンメッセージの内容が記録される。
2.4.ソフトウエア音源プログラムによるピッチ変更
次に、本実施例のソフトウエア音源プログラムにおいて、上記音楽アプリケーションプログラム等からMIDIのノートオンメッセージが供給されると、図4に示すノートオン受信ルーチンが起動される。図において処理がステップSP50に進むと、上記設定データ中の「音色条件」に基づいて、該ノートオンメッセージに係る音色(パート)はソフトウエア音源プログラムにてピッチ変更を施すべき音色であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP52に進み、チャンネル条件を満足する直前のノートオンメッセージが履歴レジスタの中から検索される。
次に、処理がステップSP54に進むと、このステップSP52の検索結果である直前のノートオンメッセージの音高が、今回のノートオンメッセージの音高と同一であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP56に進み、該直前のノートオンタイミングおよび今回のノートオンタイミング間の時間差ΔTが計算され、この時間差ΔTが最小時間差ΔTmimを超え最大時間差ΔTmax未満であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP58に進み、ピッチ変更量ΔPがランダムに決定される。なお、ピッチ変更量ΔPを決定するアルゴリズムは上述したステップSP20のものと同様である。なお、ステップSP50、SP54、SP56の何れかにおいて「NO」と判定されると、処理はステップSP60に進み、ピッチ変更量ΔPが「0」に設定される。
次に、処理がステップSP62に進むと、今回のノートオンメッセージに応じた新たな発音チャンネルがソフトウエア音源プログラムにおいて確保され、当該発音チャンネルにおいて楽音信号の生成が開始される。ここで、生成される楽音信号のピッチは、ノートオンメッセージにおいて指定されたピッチPと上記ピッチ変更量ΔPとの加算結果(P+ΔP)に等しくなるように設定される。次に、処理がステップSP64に進むと、履歴レジスタに今回のノートオンメッセージの内容が記録される。
2.5.音源ボード26または外部音源装置によるピッチ変更
音源ボード26においても、CPU10からノートオンメッセージが供給されると、上述したソフトウエア音源プログラムのノートオン受信ルーチン(図4)と同様の処理が実行される。すなわち、上記設定データ中の「音色条件」に基づいて、該ノートオンメッセージに係る音色が音源ボード26にてピッチ変更を施すべき音色であるか否かが判定され、その判定結果が肯定的であった場合にはステップSP52〜SP60と同様の処理によってピッチ変更量ΔPが決定され、生成される楽音信号のピッチは、ノートオンメッセージにおいて指定されたピッチPとピッチ変更量ΔPとの加算結果(P+ΔP)に等しくなるように設定される。
3.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、楽音信号にピッチ変更を加えるものは音楽アプリケーションプログラム、ソフトウエア音源プログラムまたは音源ボード26であったが、外部音源装置においてもノートオン受信ルーチン(図4)と同様の処理を実行することによって楽音信号にピッチ変更を加えることができる。但し、外部音源装置は、楽音信号合成装置(パーソナルコンピュータ)のRAM30に直接的にアクセスして設定データを読み出すことはできないため、予めシステム・エクスクルーシブ・メッセージなどを用いて、設定データのうち各外部音源装置に関係するデータをこれら外部音源装置に各々転送するとよい。また、履歴レジスタについても、外部音源装置が使用する履歴レジスタは楽音信号合成装置のものとは独立して、当該外部音源装置内のメモリ内に確保されることになる。
(2)上記実施例のステップSP18およびステップSP56においては、時間差ΔTが最小時間差ΔTmimを超え、かつ最大時間差ΔTmax未満であることを条件としてピッチ変更量ΔPをランダムに決定したが、さらに「今回の新ノートオンメッセージと、チャンネル条件を満足する直前ノートオンメッセージとの間に、該直前ノートオンメッセージに対応するノートオフメッセージが発生していること」を追加の条件として加えても良い。これは、同一の楽器で同一音高のノートオンが2回発生する場合には、通常は両者の間に同一音高のノートオフが発生するからである。換言すれば、ノートオフが発生することなく同一音高のノートオンが2回発生したということは、複数の演奏者による重奏が行われたと考えられる場合が多いからである。さらに、この場合において、時間差ΔTは「直前ノートオンメッセージに対応するノートオフメッセージが発生した後、新ノートオンメッセージが発生するまでの時間」であってもよい。
(3)上記各実施例においては、パーソナルコンピュータ上で動作するアプリケーションプログラム、あるいは音源ボード26内で実行されるプログラムによってピッチ変更を行ったが、これらプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
本発明の一実施例の楽音信号合成装置のブロック図である。 ピッチ変更量ΔPを決定する動作の説明図である。 音楽アプリケーションプログラムにおいて実行されるノートオン検出ルーチンのフローチャートである。 ソフトウエア音源プログラムにおいて実行されるノートオン検出ルーチンのフローチャートである。
符号の説明
2:通信インタフェース、4:入力装置、6:MIDIインタフェース、8:ディスプレイ、10:CPU、12:ROM、16:バス、18:リムーバルディスクドライブ装置、20:リムーバルディスク、22:波形取込インタフェース、24:ハードディスク、26:音源ボード、28:サウンドシステム、30:RAM。

Claims (6)

  1. 複数チャンネルのうち何れかのチャンネルを指定したノートオンメッセージである新ノートオンメッセージを検出する検出過程と、
    前記新ノートオンメッセージに係る音色が所定の音色であるか否かを判定する音色判定過程と、
    前記新ノートオンメッセージの音高と、前記新ノートオンメッセージに対して所定の条件を満たす一または複数のチャンネルにおける直前のノートオンメッセージである直前ノートオンメッセージの音高とが同一であるか否かを判定する音高判定過程と、
    前記直前ノートオンメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差、または、前記直前ノートオンメッセージに対応するノートオフメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差が所定の最小時間を超えるか否かを判定する時間差判定過程と、
    前記音色判定過程、前記音高判定過程、および前記時間差判定過程における判定結果が全て肯定的であったことを条件として、前記新ノートオンメッセージに係る音高に対して付与すべきピッチ変更量を最大幅の範囲内でランダムに決定するとともに、前記時間差判定過程において判定された時間差が大きくなるほど、該最大幅を狭くするピッチ変更量決定過程と
    を有することを特徴とするピッチ変更量決定方法。
  2. 前記時間差判定過程は、前記直前ノートオンメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差、または、前記直前ノートオンメッセージに対応するノートオフメッセージが発生した後に前記新ノートオンメッセージが発生するまでの時間差が前記最小時間を超え、かつ、所定の最大時間未満の範囲であるか否かを判定する過程である
    ことを特徴とする請求項1記載のピッチ変更量決定方法。
  3. 前記ピッチ変更量決定方法は、演奏情報を音源に供給する装置において実行されるものであり、
    前記新ノートオンメッセージを発音する音源に対して、前記ピッチ変更量をベンド量とするピッチベンド・メッセージを送信する送信過程
    をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載のピッチ変更量決定方法。
  4. 前記ピッチ変更量決定方法は、受信した演奏情報に基づいて楽音信号を生成する音源において実行されるものであり、
    前記新ノートオンメッセージにおいて指定された音高に対して前記ピッチ変更量を加えた加算結果を最終的な音高として楽音信号を生成する楽音信号生成過程
    をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載のピッチ変更量決定方法。
  5. 請求項1ないし4の何れかに記載のピッチ変更量決定方法を実行することを特徴とするピッチ変更量決定装置。
  6. 請求項1ないし4の何れかに記載のピッチ変更量決定方法を処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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