JP4344891B2 - 積層板の端部切断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層板(以下被切断材という)の端部切断方法に関するものである。本発明は、プリント配線板用の銅張積層板の端部切断に有用である。
【0002】
【従来の技術】
積層板は、熱硬化性樹脂ワニスを基材に含浸乾燥して得られたプリプレグを所定枚数重ね、その両外側に離型フィルムを重ね、これをステンレス製の鏡板で挾んで加熱加圧している。銅張積層板を製造するときには、片面又は両面の離型フィルムに代えて銅はくを重ねて加熱加圧する。
【0003】
プリプレグに含浸されている熱硬化性樹脂は、加熱により一旦溶融してから硬化するため、加圧により一部が外側に流出する。したがって、加熱加圧して得られたままの積層板の端部は薄くなっている。そこで、通常は、大きめの寸法の材料(プリプレグ、及び、離型フィルム又は銅はく)を用い加熱加圧後、端部を切断して製品として供給している。
【0004】
そして、端部を切断するとき、被切断材3が動くと正確な切断ができないから、被切断材3を押さえ板1で切断刃2が通過する両側で上下から押さえて切断刃2で切断するようにしていた(図4参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、鏡板としては、材料の寸法よりもさらに一回り大きい寸法のものが用いられていた。このため、熱硬化性樹脂が鏡板に付着する。鏡板は繰り返し使用されるため、加熱加圧の都度付着した熱硬化性樹脂を取り除かねばならず、工数が増加する。そこで、材料の寸法よりも一回り小さい寸法の鏡板を用いるようにしたところ、熱硬化性樹脂が付着することは解消した。また、鏡板の外側の材料には加圧力が伝わらないため、端部が薄くなることもなくなる。
【0006】
ところが、鏡板の外側の材料には圧力が伝わらないため、熱硬化性樹脂が端部に留まり、端部に盛り上がりを生ずるようになった。
このように端部に盛り上がりを生じた被切断材3を従来と同じ押さえ板1で押さえると、切断刃の直近で押さえることができない(図5参照)。このため、被切断材3が切断時に動いてしまい、大きな切断ばりを発生させ、また、正確な寸法に切断できないことがあった。
【0007】
さらに、複数の被切断材3を重ねると被切断材3の傾きが漸次大きくなるため、切断刃2の側面と擦れあうようになって摩擦熱により発熱し、切断面及び切断刃2の側面に変色(焼け)を生じ、さらには切断停止に至ることすらあった。
切断枚数を減らせばこのような現象をある程度回避できるが、作業効率が悪くなり加工単価が上昇するため現実的でないし、被切断材が厚いときには採用することができない。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、端部に盛り上がりを生じた被切断材を、大きな切断ばりを発生させないで、また、正確な寸法に切断でき、切断面及び切断刃2の側面に変色を生じさせずに切断する切断方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、被切断材3の端部4を切断刃2が通過する両側で上下から押さえ板5で押さえて前記切断刃2で切断する被切断材3の端部切断方法において、前記押さえ板5を押さえ面に溝状の空間6を有する形状とし切り落とされる側端が前記溝状の空間6内に位置するように前記押さえ板5で押さえて切断することを特徴とする被被切断材3の端部切断方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の切断方法は、切断刃2の両側で押さえ面に溝状の空間6と前記空間6の両側に被切断材3を押さえる押さえ部7とを備えてなる押さえ板5を用いるほかは、従来公知の装置を用いて実施することができる。図1に、本発明の切断方法を実施するための切断装置の概略を示す。
【0012】
ここで用いられる切断刃2としては、銅張積層板のようにガラス繊維のような硬質の材料を含む被切断材3を切断する場合にはダイヤモンドカッターを用いるのが好ましい。しかしながらこれに制限されるものではなく、被切断材3の材質に応じて適宜選択することができる。
【0013】
押さえ板5の材質は、特に制限はないが、ガラス繊維で強化されたエポキシ樹脂の板が好ましい。加工が容易であり、適度の強度を有し、また、誤って切断刃2と接触しても、電気絶縁性の支障となるような粉塵を発生しないからである。
【0014】
押さえ板5は、切断刃2の両側に配置され、かつ、被切断材3を上下で挾むように配置される。反対側の端部4を切断するとき押さえ板5を並行移動させて、切断刃2の内側に配置された押さえ板5が外側になるようにできると作業に便利であることから、押さえ板5を切断刃2の内外共に同じ形状とするのが好ましい。
また、盛り上がりを上下に均等に逃がすことから、上下についても同じ形状とするのが好ましい。
押さえ板5に溝状の空間6を形成することにより、空間6の両側に押さえ部7を設けることができ、盛り上がりがない部分を押さえるのに好適である。
押さえ板5の幅は、切り落とす端部の幅によっても異なるが、切り落とす端部の幅が通常40mm程度であることから、50mm程度が好ましい。また、押さえ板5の長さは特に制限がなく、被切断材3の寸法により適宜選定される。
そして、押さえ部7の幅(図2のW)は、空間6の幅を確保することと、被切断材3を確実に押さえることの兼ね合いから、2〜10mmとするのが好ましく、3〜5mmとするのがより好ましい。
空間6の側壁は、側壁と底面との角度が60度程度の傾斜面とするのが好ましい。被切断材3をスムーズに移動させることができるからである。
また、空間6の深さ(図2のH)は、2〜10mmの範囲で、被切断材3の端部に生ずる盛り上がりの厚さと、一度に切断する枚数、加工の容易さを考慮して、適宜選定される。
【0015】
押さえ板5は、切断装置の取り付け具(図示省略)に取り付けられて使用される。そして、押さえ板5の押さえ部7と切断刃2とのクリアランスは、切断時に被切断材3を確実に押さえて切断ばりや傷を発生させないようにすることからできるだけ小さい方がよく、好ましくは5mm以下、より好ましくは2mm以下で、押さえ部7と切断刃2とが接触しない限度とされる。
このように押さえ部7と切断刃2とが接近していると、切断により生じた切り屑の排出が悪くなることから、図3に示すように押さえ板5の切断刃2側に切り屑排出用空間8を設けるのが好ましい。
【0016】
【実施例】
実施例1
厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグ(日立化成工業株式会社製、GEA−67N(商品名)を使用した)5枚を重ね、その両外側に厚さ70μmの銅はくを重ね、さらにその両外側に厚さ0.2mmのステンレス製鏡板を重ねて、温度175℃、圧力4.9MPaで、100分間加熱加圧して両面銅張積層板を作製した。
【0017】
このとき、プリプレグ及び銅はくの寸法を1080×1080mm、鏡板の寸法を1060×1060mmとしたところ、鏡板の周囲外側部分に盛り上がりを生じており、この両面銅張積層板15枚を重ね、盛り上がり部と、端から100mm内側の厚さを測定したところ、その差は10mmであった。
得られた両面銅張積層板15枚を重ね、押さえ板5で上下を押さえ、切断刃2としてダイヤモンドカッターを用い、1000×1000mmの寸法の部分が残るように端部を切断除去した。なお、押さえ板5の材質はガラス繊維強化エポキシ樹脂材であり、全幅1300mmとし、押さえ部5の幅は切断刃2側を5mm、切断刃2と反対側を8mmとし、空間6の深さを5mmとし、押さえ板5切断刃2と押さえ板5の側面とのクリアランスは0.1mmとした。
【0018】
実施例2
実施例1で用いたものと同じプリプレグを20枚重ね、その両外側に厚さ40μmのフッ素樹脂系離型フィルムを重ね、さらにその両外側に厚さ0.2mmのステンレス製鏡板を重ねて、温度175℃、圧力4.9MPaで、100分間加熱加圧して積層板を作製した。
【0019】
このとき、プリプレグの寸法を1080×1080mm、鏡板の寸法を1060×1060mmとしたところ、鏡板の周囲外側部分に盛り上がりを生じており、盛り上がり部と、端から50mm内側の厚さを測定したところ、その差は3mmであった。
以下、実施例1と同様にして端部を切断除去した。
【0020】
比較例1
空間6を形成しない押さえ板1を用いたほかは、実施例1と同様にして両面銅張積層板の端部を切断除去した。
【0021】
比較例2
空間6を形成しない押さえ板1を用いたほかは、実施例2と同様にして積層板の端部を切断除去した。
【0022】
切断作業を1時間行ったときに切断できた枚数を表1に示す。
またこの切断作業において生じた切断ばりの最大値、平均値及び発生率、被切断面及び切断刃の表面の変色(焼け)の有無、切断作業中の切断停止有無、切断部外観、並びに、端部を切断除去した後さらに500×500mmに小割切断したときの寸法ばらつきを調べた。なお、切断部外観とは、切断部について、傷又は切断粉等異物付着の有無を肉眼で観察したものである。これらの結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、被切断材を切断刃の近くで確実に押さえて切断することができるので、端部に盛り上がりを生じた被切断材の端部を切断しても切断ばりの発生が少なく、また、切断ばりの発生があっても小さいものとすることができる。さらに、被切断面にも切断刃にも変色がなく、また正確な寸法に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に関する切断装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施例になる押さえ板の拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施例になる押さえ板の拡大断面図である。
【図4】従来の切断方法を説明するための切断装置の概略図である。
【図5】従来の切断方法の欠点を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 押さえ板
2 切断刃
3 被切断材
4 端部
5 押さえ板
6 空間
7 押さえ部
8 切断屑排出用空間
Claims (1)
- 積層板の端部を切断刃が通過する両側で上下から押さえ板で押さえて前記切断刃で切断する積層板の端部切断方法において、前記押さえ板を押さえ面に溝状の空間を有する形状とし切り落とされる側端が前記溝状の空間内に位置するように前記押さえ板で押さえて切断することを特徴とする積層板の端部切断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18880797A JP4344891B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 積層板の端部切断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18880797A JP4344891B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 積層板の端部切断方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008206485A Division JP4952682B2 (ja) | 2008-08-10 | 2008-08-10 | 積層板の端部切断方法及び積層板の端部切断装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1133989A JPH1133989A (ja) | 1999-02-09 |
JP4344891B2 true JP4344891B2 (ja) | 2009-10-14 |
Family
ID=16230157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18880797A Expired - Lifetime JP4344891B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | 積層板の端部切断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4344891B2 (ja) |
-
1997
- 1997-07-14 JP JP18880797A patent/JP4344891B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1133989A (ja) | 1999-02-09 |
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