JP4343260B2 - フルオロホウ素化合物およびそれからなる芳香環のアミノメチル化剤、ならびに前記アミノメチル化剤を用いたアミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法 - Google Patents

フルオロホウ素化合物およびそれからなる芳香環のアミノメチル化剤、ならびに前記アミノメチル化剤を用いたアミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4343260B2
JP4343260B2 JP2008524802A JP2008524802A JP4343260B2 JP 4343260 B2 JP4343260 B2 JP 4343260B2 JP 2008524802 A JP2008524802 A JP 2008524802A JP 2008524802 A JP2008524802 A JP 2008524802A JP 4343260 B2 JP4343260 B2 JP 4343260B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
amino
alkyl
compound
cycloalkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008524802A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008007670A1 (ja
Inventor
圭悟 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eisai R&D Management Co Ltd
Original Assignee
Eisai R&D Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eisai R&D Management Co Ltd filed Critical Eisai R&D Management Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP4343260B2 publication Critical patent/JP4343260B2/ja
Publication of JPWO2008007670A1 publication Critical patent/JPWO2008007670A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic Table
    • C07F5/02Boron compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、芳香環へ直接1級、2級または3級アミノメチル基を導入するためのアミノメチル化剤として有用なフルオロホウ素化合物、及びそれを用いた芳香環のアミノメチル化反応に関する。
本願は、2006年7月11日に日本国に出願された特願2006−190813号及び2006年7月11日に米国に出願されたUS60/819628に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
アミノメチル基を有する芳香環(以下、アミノメチル芳香環とも記す。)構造は医薬用化合物において幅広く活用され、産業上の有用性が高い化学構造である。例えば新規な抗真菌剤に関する特許文献1には、アミノメチル芳香環をその化学構造の一部に含む化合物(以下、アミノメチル芳香族化合物とも記す。)が開示されている。アミノメチル芳香環を含む化合物の中で、特に1級アミノメチル芳香環を有する化合物は、2級あるいは3級アミノメチル芳香環を含む化合物の前駆体として用いられる場合が多いため、多くの種類の化合物が試薬として市販されている。
従来、かかる化学構造を有する化合物を得る方法としては、還元反応を用いて合成する方法、またはハロメチル基をもつ芳香環を有する化合物を前駆体として用いて合成する方法等が報告されている。
アミノメチル芳香環の構築方法として、金属触媒を用いて、クロロベンゼンなどの芳香族ハライド基質にアミノメチル基を直接導入する反応はこれまでに報告されていない。
金属触媒を用いたアミノメチル化反応としては、非特許文献1に開示されている、有機スズ化合物を用いた、エノールトリフラートへのスルホニルアミノメチル化反応が報告されている。
また、非特許文献2にはアミノメチルフルオロホウ素化合物が記載されており、また非特許文献3にはアミノメチルフルオロホウ素化合物に構造が類似したアミノメチルホウ素化合物が記載されているが、これらの化合物を用いた芳香環のアミノメチル化反応はこれまでに知られていない。
国際公開WO2005/033079号パンフレット Org. Lett., 2000, 2, 1081 Org. Lett., 2006, 8, 2031 J. Org. Chem., 1968, 33, 3055
上記還元反応を用いたアミノメチル芳香環の合成においては、還元反応に適さない基質を用いる場合、目的化合物を収率良く得ることが困難であるという問題がある。また、ハロメチル基を有する芳香環を前駆体として用いる芳香環のアミノメチル化法については、前駆体自体の化学的安定性が低いために取り扱いに注意を要するなどの問題点があるため、その工業的使用は制限される。さらに、上記課題とは別に、または上記課題に加えて、アミノメチル芳香環を合成する場合の前駆体として、安価かつ市販試薬の種類が豊富な、クロロベンゼンなどの芳香族ハライドを用いることも望まれている。
上記非特許文献1に開示されている有機スズ化合物は、その化学構造が環状スルホンアミドに限定されているために汎用性に欠ける。またこの場合、有機スズ化合物の毒性の問題も生じるおそれがあり、工業的使用には適さない。
非特許文献2には、いくつかのアミノメチルフルオロホウ素化合物が開示されているが、これらの化合物を芳香環のアミノメチル化反応へ応用することについては、何ら記載も示唆もされていない。さらに、これらの化合物には、保護された一級アミノメチルフルオロホウ素化合物は含まれていない。
同様に、上記の非特許文献3には、イミドで保護された一級アミノメチルボロン酸が開示されているが、この化合物を芳香環のアミノメチル化反応へ応用することについては、何ら記載も示唆もされていない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
即ち、本発明の目的は、芳香環への1乃至3級アミノメチル基の直接の導入を可能にする汎用性の高い反応剤として用いることのできる化合物、その化合物からなる芳香環のアミノメチル化剤、並びにそのアミノメチル化剤を用いたアミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、金属触媒存在下に、フルオロホウ素化合物もしくはその二量体またはそれらの溶媒和物を、芳香環を有する化合物と反応させることにより、芳香環へのアミノメチル化反応を行うことができることを発見し、本発明を完成させた。
本発明に係るフルオロホウ素化合物の具体的態様としては、以下の式(I)で表される化合物もしくはその二量体、またはそれらの溶媒和物が挙げられる。
Ra(Rb)N−CH−BFM (I)
[式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のC1−6アルキル基、置換または非置換のシクロアルキル基、置換または非置換のヘテロ環基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアラルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される基を意味するか、または、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、アミノ基の保護基を形成しているか、または、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、任意選択でさらに1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい置換又は非置換のヘテロ環を形成しており;
Mは、アルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)を意味する。(但し、ポタシウム n−ブチルアミノメチルトリフルオロボレート、ポタシウム シクロヘキシルアミノメチルトリフルオロボレート、ポタシウム N−ピロリジニルメチルトリフルオロボレートおよびポタシウム N−ピペリジルメチルトリフルオロボレートを除く。)]
ただし、以下に説明する芳香環のアミノメチル化反応に用いるアミノメチル化剤としては、ポタシウム n−ブチルアミノメチルトリフルオロボレート、ポタシウム シクロヘキシルアミノメチルトリフルオロボレート、ポタシウム N−ピロリジニルメチルトリフルオロボレートおよびポタシウム N−ピペリジルメチルトリフルオロボレートを用いることも本発明の範囲に包含される。
上記式(I)の化合物において、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基、およびアミノ基の保護基からなる群から選択される基を意味するか、または、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、アミノ基の保護基を形成しているか、または、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、任意選択でさらに1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい置換又は非置換のヘテロ環を形成していることが好ましい。
上記式(I)の化合物において、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子またはアミノ基の保護基であることが好ましい。
さらに上記のアミノ基の保護基は、環状イミド系保護基、アミド系保護基、またはカルバメート系保護基であることが好ましく、カルバメート系保護基であることがさらに好ましい。
さらに上記保護基は、フタロイル基、ホルミル基またはt−ブチルオキシカルボニル基であることが好ましい。
上記式(I)で表される化合物の二量体の好ましい態様は、下記式(II)で表される化合物またはその溶媒和物である。
Figure 0004343260
[式中、Raは、水素原子、置換または非置換のC1−6アルキル基、置換または非置換のシクロアルキル基、置換または非置換のヘテロ環基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のアラルキル基、またはアミノ基の保護基を意味し、
Mは、アルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)を意味する。]
上記式(II)において、Raがアミノ基の保護基であることが好ましい。
さらに、アミノ基の保護基は、アミド系保護基、またはカルバメート系保護基であることが好ましく、カルバメート系保護基であることがさらに好ましい。
さらに、アミノ基の保護基はt−ブチルオキシカルボニル基であることが好ましい。
上記式(I)で表される化合物としては、下記式(III)で表される化合物またはその溶媒和物が好ましい。
Figure 0004343260
[式中、Mはアルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味し;
Xは水素原子、C1−6アルキル基またはニトロ基を意味する。]
上記式(III)中、Xは水素原子であることが好ましい。
さらに上記式(I)、(II)、(III)で表される化合物もしくはその二量体またはその溶媒和物において、Mはアルカリ金属カチオンであることが好ましい。
上記Mはカリウムイオンまたはナトリウムイオンであることが好ましい。
本発明は、さらに、上述したフルオロホウ素化合物もしくはその二量体、またはそれらの溶媒和物からなる群から選択される、芳香環の1級、2級または3級アミノメチル化剤に関する。
上記アミノメチル化としては、特に1級アミノメチル化が挙げられる。
本発明のアミノメチル化剤としては、上記式(I)で表される化合物が挙げられる。
アミノメチル化剤として用いる上記式(I)で表される化合物において、Raおよび/またはRbが水素原子またはアミノ基の保護基であることが好ましい。
アミノメチル化剤の上記アミノ基の保護基は、環状イミド系保護基、アミド系保護基、またはカルバメート系保護基であることが好ましく、カルバメート系保護基であることがさらに好ましい。
アミノメチル化剤の上記アミノ基の保護基は、フタロイル基、ホルミル基またはt−ブチルオキシカルボニル基であることが好ましい。
本発明のアミノメチル化剤としては、上記式(II)で表される化合物をさらに挙げることができる。
上記式(II)で表されるアミノメチル化剤のRaは、アミノ基の保護基であることが好ましい。
さらに上記式(II)で表されるアミノメチル化剤のアミノ基保護基は、アミド系保護基、またはカルバメート系保護基であることが好ましく、カルバメート系保護基であることがさらに好ましい。
さらに上記式(II)で表されるアミノメチル化剤のアミノ基の保護基はt−ブチルオキシカルボニル基であることが好ましい。
本発明のアミノメチル化剤としては、上記式(III)で表される化合物をさらに挙げることができる。
上記式(III)で表されるアミノメチル化剤のXは、水素原子であることが好ましい。
上記式(III)で表されるアミノメチル化剤のMは、アルカリ金属カチオンであることが好ましい。
上記式(III)で表されるアミノメチル化剤のMは、カリウムイオンまたはナトリウムイオンであることが好ましい。
さらに本発明は1級、2級または3級アミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法を提供し、この製造方法は、上記のアミノメチル化剤と、アミノメチル化剤との間でカップリング反応を起こしうる芳香環を有する化合物とを、カップリング反応に有効な金属触媒存在下で反応させることを特徴とするものである。
本発明により、上記課題を解決することができる。
即ち、本発明により、1級、2級または3級アミノメチル基を芳香環に直接導入することができる。本発明の芳香環のアミノメチル化法は、還元反応を用いないために、還元反応に不安定な基質を用いることもできる。また、化学的安定性の低いハロメチル基を有する芳香環を有する化合物を前駆体として用いる必要がない。
さらに上記効果に加えて、基質として安価かつ豊富に市販されているクロロベンゼンなどの芳香族ハライドを利用することもできる。
したがって、本発明にかかるフルオロホウ素化合物は、アミノメチル基とりわけ1級アミノメチル基を芳香環に導入可能な反応試薬として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アミノメチル基を、芳香環に直接導入することができるフルオロホウ素化合物またはその溶媒和物である。
次に、本明細書において使用される用語について説明する。
本発明において、「芳香環」とは、芳香族性を有する環状の基を意味し、単環でも縮合環でもよく、芳香族炭化水素環式基(アリール基)でも芳香族へテロ環式基(ヘテロアリール基)でもよく、またさらに置換基を有していてもよい。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、フラザン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、プリン環(purine ring)、プテリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、シンノリン環、キナゾリン環、フタラジン環、イミダゾピリジン環、イミダゾチアゾール環、イミダゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドール環、イソインドール環、インダゾール環、ピロロピリジン環、チエノピリジン環(thienopyridine ring)、フロピリジン環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ピリドピリミジン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾ[1,3]ジオキソール環、チエノフラン環(thienofuran ring)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中、「アミノメチル基」には、1級アミノメチル基、2級アミノメチル基、および3級アミノメチル基が含まれ、さらにアミノ基が保護基で保護されている1級アミノメチル基および2級アミノメチル基も含まれる。また、「1級、2級または3級アミノメチル基」とは、1級アミノ基、2級アミノ基または3級アミノ基で置換されたメチル基をそれぞれ意味し、1級アミノメチル基または2級アミノメチル基は後述する保護基で保護されていてもよい。
本明細書において「アミノ基の保護基」とは、アミノ基の公知の保護基を挙げることができるが、例えば、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、ニコチノイル基、ピコリノイル基、トリクロロアセチル基もしくはトリフルオロアセチル基などのアミド系保護基;フタロイル基もしくは2,3−ジフェニルマレオイル基などの環状イミド系保護基;p−トルエンスルホニル基などのスルホンアミド系保護基;またはt−ブチルオキシカルボニル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基もしくは9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基などのカルバメート系の保護基などが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい保護基は、ホルミル基、t−ブチルオキシカルボニル基またはフタロイル基である。
本明細書において、芳香環の「アミノメチル化」とは、芳香環に1級アミノメチル基、2級アミノメチル基、3級アミノメチル基、1級アミノメチル基のアミノ基が保護基で保護された基、および2級アミノメチル基のアミノ基が保護基で保護された基からなる群から選択される基を芳香環に導入することをいう。
本明細書において、「アミノメチル芳香環」とは、上記アミノメチル化された芳香環をいう。
本明細書において「アルカリ金属」とは、周期表1族に属する金属原子をいい、例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム等を挙げることができるが、好ましくはナトリウムまたはカリウムである。
本明細書において「C1−6アルキル基」とは、炭素数1〜6個の脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される一価の基である、炭素数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味する。C1−6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、3−メチル−1−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−へキシル基、2−へキシル基、3−へキシル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−2−ペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基、2,3−ジメチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基等を挙げることができるが、好ましくはメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、1−ブチル基または2−ブチル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
本明細書において「シクロアルキル基」とは、3以上の炭素原子からなる環状化学構造を有する飽和炭化水素基を意味する。シクロアルキル基を構成する炭素原子は、3以上であればよく特に限定されないが、好ましくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数3〜6である。シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、デカヒドロナフタレン基が挙げられる。
本明細書において、「アラルキル基」とは、アルキル基にアリール基が結合した基を意味し、なかでも「C7−15アラルキル基」とは、前記「C1−6アルキル基」にC6−14アリール基(炭素数が6ないし14個の芳香族の炭化水素環式基を意味し、具体例としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、インデニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等が挙げられる。)が結合した官能基を意味する。C7−15アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、インデニルメチル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルプロピル基、2−ナフチルプロピル基、3−ナフチルプロピル基、1−フェニルブチル基、2−フェニルブチル基、3−フェニルブチル基、4−フェニルブチル基、1−ナフチルブチル基、2−ナフチルブチル基、3−ナフチルブチル基、4−ナフチルブチル基、1−フェニルペンチル基、2−フェニルペンチル基、3−フェニルペンチル基、4−フェニルペンチル基、5−フェニルペンチル基、1−ナフチルペンチル基、2−ナフチルペンチル基、3−ナフチルペンチル基、4−ナフチルペンチル基、5−ナフチルペンチル基、1−フェニルヘキシル基、2−フェニルヘキシル基、3−フェニルヘキシル基、4−フェニルヘキシル基、5−フェニルヘキシル基、6−フェニルヘキシル基、1−ナフチルヘキシル基、2−ナフチルヘキシル基、3−ナフチルヘキシル基、4−ナフチルヘキシル基、5−ナフチルヘキシルまたは6−ナフチルヘキシル基等が挙げられる。好ましいC7−15アラルキル基は、ベンジル基、1−フェネチル基または2−フェネチル基である。
本明細書において、「ヘテロ環基」とは、1つ以上のヘテロ原子を含む非芳香族炭化水素系環式基を意味し、本明細書においてはヘテロアリール基と区別する。特に限定されないが、代表的なヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子および硫黄原子が挙げられる。ヘテロ環基は、1つの環に2種以上のヘテロ原子を含むものであってもよい。ヘテロ環は、環を構成するヘテロ原子と炭素原子を合わせて3から10の原子からなることが好ましく、5〜7の原子からなることがさらに好ましい。ヘテロ環は単環または2以上の環からなることができる。ヘテロ環基の具体例としては、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基およびモルホリニル基などが挙げられる。
本明細書において、「ヘテロアリール基」とは、1以上のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族環基を意味し、ヘテロ原子の例としては、酸素、窒素および硫黄があげられる。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を含めて5〜14個、さらに好ましくは5または6個の原子からなることが好ましい。ヘテロアリール基の具体例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピロリジル基、イソキサゾリル基(isoxazolyl group)、ピラジニル基、ピリミジニル基、などが挙げられる。
本明細書において、「アリール基」とは、上述の「芳香環」基と同義である。
本明細書において、「置換または非置換」とは任意選択で置換基を有していてもよいことを意味し、置換基としては、ハロゲン原子、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子;アミノ基;モノ又はジアルキルアミノ基、たとえば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基およびジブチルアミノ基;ニトロ基;シアノ基;アルキル基、たとえば、上述したC1−6アルキル基;C1−6アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、;C3−8シクロアルキル基などが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において、「溶媒和物」とは、本発明にかかるフルオロホウ素化合物と溶媒とから形成される溶媒和物をいう。溶媒和物を構成する溶媒の種類、溶媒和物における化合物に対する溶媒のモル比等は、特に限定されない。
好ましい溶媒和物は、水和物、アルコール和物(例えば、メタノール和物、エタノール和物、プロパノール和物、イソプロパノール和物等)、エステル和物(酢酸エチル和物等)、エーテル和物(メチルエーテル和物、エチルエーテル和物、テトラハイドロフラン等)、またはジメチルホルムアミド和物等であり、特に好ましくは水和物、またはアルコール和物(例えばメタノール和物、エタノール和物)等であり、また、薬理学的に許容される溶媒が好ましい。
本願において、「金属触媒」とは、本発明にかかるアミノメチル化剤であるフルオロホウ素化合物による芳香環のアミノメチル化反応、すなわちカップリング反応、を促進するために有効である金属および金属含有化合物をいい、前記反応を促進できるものであれば任意のものを用いることができ、特に限定されない。
以下に本発明のフルオロホウ素化合物、及びそれを用いた芳香環のアミノメチル化反応を具体的態様に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下に説明する態様に限定されない。
〔フルオロホウ素化合物の製造方法〕
式Iで表わされるフルオロホウ素化合物の製造方法について説明する。
式Iで表されるフルオロホウ素化合物は、例えば、以下の反応式1に示した方法を用いて製造することができる。但し、本発明の化合物の製造方法は、本方法に限定されるものではない。
Figure 0004343260
式中、Ra、RbおよびMは、それぞれに対して上述した定義と同意義である。YおよびZはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を意味する。
上記式(2a)の一部であり下記式Xで表される環状ボロン酸エスエル基の例としては、下記式X−1〜X−6に示した環状ボロン酸エステル基が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 0004343260
Figure 0004343260
上記反応式1に示す、式(I)の化合物を合成する方法は、以下に説明する工程A−1と工程A−2の2段階からなる。
〔工程A−1〕
本工程A−1は、例えばn−ブチルリチウムなどから選択される有機金属試薬と化合物(1a)との反応により生成するアニオン化した化合物とボロン酸エステルとを反応させ、続いて酸を加えることにより反応混合物を中和し、さらにピナコール等のジオールと反応させて化合物(2a)を製造する工程である。本工程A−1を実施する場合は、後述する製造例1および製造例2に記載した反応条件、反応後の操作、精製方法等を参考にして行うことができ、当業者であれば容易に最適な反応条件等を決定しうる。
また、工程A−1は、化合物(1a)とボロン酸エステルとを含む混合物に有機金属試薬を加えて、化合物(1a)からアニオンを生成させるとともにボロン酸エステルと反応させて実施することもできる。
工程A−1は、窒素、アルゴン等の不活性気体の気流下または雰囲気下でも行うことができる。
化合物(1a)としては、例えばクロロヨードメタン、ジブロモメタン、ブロモヨードメタン等を用いることができる。好ましい化合物(1a)は、クロロヨードメタンおよびジブロモメタンである。
工程A−1に用いる溶剤としては、出発原料をある程度溶解でき、かつ、工程A−1で行う反応を阻害しないものであれば、特に制限はない。本溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、およびジシクロペンチルエーテル等のエーテル系溶剤;ベンゼンおよびトルエン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘプタンおよびヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;またはこれらの混合溶剤等からなる群から選択される任意の溶剤を用いることができる。特に好ましい溶剤は、テトラヒドロフランである。
上記ボロン酸エステルとしては、例えば、トリメチルボレート、トリイソプロピルボレート等が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいボロン酸エステルは、トリイソプロピルボレートである。
上記有機金属試薬としては、例えば、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム等が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい有機金属試薬は、n−ブチルリチウムである。
上記反応混合物を中和するために用いる酸としては、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸−酢酸エチル溶液、塩酸−メタノール溶液等が挙げられるがこれらに限定されない。特に好ましい酸は、メタンスルホン酸、および塩酸−酢酸エチル溶液である。
反応式1の工程A−1の反応時間は、通常、用いた出発原料の種類、溶剤の種類、有機金属試薬の種類、用いたボロン酸の種類、および反応温度によって異なり、当業者であれば好ましい反応時間を容易に選択することができる。例えば、化合物(1a)と有機金属試薬から−78℃(反応容器の外温)にて調製したアニオン化した化合物と、ボロン酸エステルとの混合物を、以下に示す温度にて1〜3時間撹拌する。さらに、得られた混合物を以下に示す温度にて中和し、続いてジオールを加え、以下に示す反応温度にて10〜60分間撹拌する。
[化合物(1a)をアニオン化して調製した化合物とボロン酸エステルとの反応の反応温度]
化合物(1a)をアニオン化して調製した化合物とボロン酸エステルとの反応の好ましい反応温度は、上述のとおり用いる出発原料の種類などに左右されるが、本反応は0℃〜室温(反応容器の外温)、より好適には、室温で撹拌しながら行うことが好ましい。
[中和反応とジオールとの反応での反応温度]
化合物(1a)をアニオン化して調製した化合物とボロン酸エステルとの反応で得られた混合物を中和し、さらにジオールを添加するときの温度は、−20℃〜室温(反応容器の外温)であり、より好適には、0℃(反応容器の外温)である。反応混合物にジオールを添加した後の反応温度は、0℃〜室温(反応容器の外温)であり、より好適には、室温である。
[有機金属試薬およびボロン酸エステルの使用量]
化合物(1a)1モル当り、0.8〜1.2モルの上記有機金属試薬を用いることが好ましく、0.8〜1モルの有機金属試薬を用いることがさらに好ましい。
ボロン酸エステルは、化合物(1a)1モル当り、0.8〜1.2モルを用いることが好ましく、0.9〜1モルを用いることがさらに好ましい。
〔工程A−2〕
工程A−2は、溶剤中、化合物(3a)と塩基との反応により生成するアニオン化された化合物と、化合物(2a)とを反応させ、続いてポタシウム ハイドロゲンフルオリドおよびソジウム ハイドロゲンフルオリド等から選択されるハイドロゲンフルオリド塩と反応させることにより化合物(I)を製造する工程である。本工程は、より具体的には、後述する実施例A1〜A6に記載した反応条件、反応後操作、精製方法等を参考にして行うことができ、さらに、当業者であれば用いる原料の種類などに応じて適宜適切な反応条件および精製方法などを選択することができる。
工程A−2の反応は、窒素、アルゴン等の不活性気体の気流下または雰囲気下でも行うことができる。
化合物(3a)としては、市販されている化合物および公知の化合物、またはこれらの化合物から公知の方法を用いて製造することができる化合物から選択される任意の化合物を用いることができる。
化合物(3a)と塩基との反応により調製された、アニオン化された化合物が市販されている場合は、それをそのまま反応に用いることができる。
化合物(3a)と反応させる上記塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、ポタシウム ビス(トリメチルシリル)アミド、水素化カリウムが挙げられ、水素化ナトリウムおよびポタシウム ビス(トリメチルシリル)アミドが特に好ましい。
工程A−2において用いる溶剤としては、用いる出発原料をある程度溶解するものであり、かつ、反応を阻害しないものであれば、特に制限されない。用いることのできる溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、およびジシクロペンチルエーテル等のエーテル系溶剤;ベンゼンおよびトルエン等の芳香族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリジノン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド;ならびにこれらの混合溶剤等から選択される溶剤を用いることができる。特に好ましい溶媒は、テトラヒドロフランおよびN,N−ジメチルホルムアミドである。
工程A−2の反応時間は、用いる出発原料の種類、用いる溶剤の種類、および用いる試薬の種類、および用いる反応温度によって異なり、当業者であれば適宜好ましい反応時間を選択できる。例えば、化合物(3a)を塩基によりアニオン化した後、以下に示す温度にて30〜60分間撹拌し、得られた混合物に化合物(2a)を加えた後、以下に示す温度でさらに1〜12時間撹拌する。
[化合物(3a)を塩基によりアニオン化する反応の反応温度]
この反応の反応温度は、通常、用いる出発原料の種類、用いる溶剤の種類、反応に用いる塩基の種類に左右され、当業者は適宜好ましい反応温度を選択することができる。例えば、化合物(3a)を含む溶液に塩基を添加する時の温度は、−78℃〜室温(反応容器の外温)であり、より好適には、0℃(反応容器の外温)である。
さらに、塩基添加後の反応温度は、−78℃〜70℃(反応容器の外温)であることが好ましく、0℃〜室温(反応容器の外温)であることがさらに好ましい。
[化合物(3a)をアニオン化して得られた化合物と化合物(2a)との反応の反応温度]
この反応の反応温度は、通常、用いる出発原料の種類、用いる溶剤の種類、反応に用いる試薬の種類によって異なり、当業者は適宜好ましい反応温度を選択することができる。例えば、化合物(2a)を反応混合物に添加する時の温度は、0℃〜室温(反応容器の外温)であり、より好適には、0℃(反応容器の外温)である。
さらに、化合物(2a)を添加した後の反応温度は、0℃〜100℃(反応容器の外温)であり、より好適には、0℃〜70℃(反応容器の外温)である。
[ハイドロゲンフルオリド塩を加える反応での反応温度]
上述のように、化合物(3a)を塩基でアニオン化し、さらに化合物(2a)を加えて反応させたのち、反応混合物にハイドロゲンフルオリド塩をさらに添加して反応させ、ボロン酸エステル残基をトリフルオロボレート基に転換する。
この反応の反応温度は、通常、用いる出発原料の種類、用いる溶剤の種類、反応に用いる試薬の種類に左右され、当業者は適宜好ましい反応温度を選択することができる。例えば、ハイドロゲンフルオリド塩を反応混合物に添加する時の温度は、0℃〜室温(反応容器の外温)であり、より好適には、0℃(反応容器の外温)である。
ハイドロゲンフルオリド塩を反応混合物に添加した後の反応温度は、0℃〜室温(反応容器の外温)であり、より好適には、室温(反応容器の外温)である。
[塩基の使用量]
化合物(3a)をアニオン化するために用いる上記塩基は、化合物(3a)1モル当り、1〜2モル当量を用いることが好ましく、1〜1.8モル当量を用いることがさらに好ましい。
[化合物(2a)と(3a)の使用量]
また、この反応においては、化合物(2a)1モル当り1〜10モル当量の化合物(3a)を用いることが好ましく、1〜1.8モル当量の化合物(3a)を用いることがさらに好ましい。
[ハイドロゲンフルオリド塩の使用量]
上記ハイドロゲンフルオリド塩は、化合物(2a)1モル当り、2〜8モル当量を用いることが好ましく、2〜6モル当量を用いることがさらに好ましい。
[二量体の形成]
式(I)におけるRbが水素原子である場合、式(I)で表される化合物2分子が一つとなって、一般式(II)で表される二量体を形成することもできる。
Figure 0004343260
[式中、RaおよびMは先にした定義と同義である。]
[テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラアルキルホスホニウム塩の調製]
化合物(I)におけるMがアルカリ金属イオンである場合は、この化合物(I)にさらに、テトラアルキルアンモニウム ヒドロキシドおよびテトラアルキルホスホニウム ヒドロキシド等から選択される反応剤を反応させることにより、Mが[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)である化合物(I)に変換することができる。本工程は、Tetrahedron Letters, Vol.42, pp. 9099−9103に記載された方法を参照して行うことができる。テトラアルキルアンモニウム ヒドロキシドの例としては、テトラブチルアンモニウム ヒドロキシドが挙げられる。また、テトラアルキルホスホニウム ヒドロキシドの例としては、テトラブチルホスホニウム ヒドロキシドが挙げられる。
Mをアルカリ金属イオンからテトラアルキルアンモニウム塩またはテトラアルキルアンモニウム塩などに変換する反応に用いる溶剤としては、ジクロロメタンまたはクロロホルムと水との混合溶剤を用いることができる。
この塩交換反応の反応時間は、通常、室温(反応容器の外温)で1分から30分であり、好ましくは1から5分である。
また、塩交換反応の反応温度は、通常、10〜50℃であり、好ましくは室温(いずれも反応容器の外温)である。
〔本発明のフルオロホウ素化合物を用いたアミノメチル化反応〕
上述したとおり、本発明の化合物(I)は芳香環のアミノメチル化剤として用いることができる。この反応により、芳香環にアミノメチル基を一段階で導入することができる。以下にこの反応について説明する。
以下の反応式2に本発明の化合物(I)をアミノメチル化剤として用いる芳香環のアミノメチル化反応のスキームを示した。
Figure 0004343260
反応式中に示した、Ra、Rb、MおよびXは、先に式(I)の化合物に対して定義した意味と同意義である。Uはハロゲン基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの脱離基を意味する。
化合物(1b)は、本発明のアミノメチル化剤とカップリング反応を起こしうる芳香環を有する化合物を表す。本明細書においては、上記定義のとおり、芳香環には炭化水素系芳香環、たとえば、ベンゼン環およびナフタレン環などとともに、ヘテロアリール環、たとえば、ピロール、ピリジン、及びキノリンなどが含まれる。
[工程B−1]
反応式2の工程B−1は、適切な溶剤中、芳香環を有する化合物(1b)とフルオロホウ素化合物(I)とをカップリング反応させることにより化合物(2b)を製造する工程である。以下の説明の都合上、反応式2には化合物(I)のみを示しているが、化合物(I)に代えて、化合物(II)または化合物(III)を芳香環のアミノメチル化反応に用いることもできる。
芳香環を有する化合物(1b)としては、市販されている化合物および公知の化合物、またはこれらの化合物から公知の方法を用いて製造することができる化合物から選択される任意の化合物を用いることができる。
本カップリング反応は、この反応の触媒として有効な金属触媒の存在下で行う。金属触媒としては、例えばパラジウム金属、白金金属、ニッケル金属、ロジウム金属およびイリジウム金属等の金属、ならびにこれらから選択される金属を含む化合物が挙げられる。金属触媒としては、パラジウム触媒が好ましい。パラジウム触媒の具体例としては、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、パラジウム カーボン、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、1,1’―ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)ジクロロパラジウム(II)等が挙げられ、酢酸パラジウム(II)が特に好ましい。
上記金属触媒は、芳香環を有する化合物(1b)1モル当り、0.001〜0.5モル当量を用いることが好ましく、0.05〜0.2モル当量を用いることがさらに好ましい。
本カップリング反応は、上記金属触媒とともに、塩基およびホスフィン化合物の存在下で行うことが特に好ましい。
上記塩基としては、例えば、ポタシウムホスフェートトリベーシック、炭酸セシウム、およびセシウムフルオリド等が挙げられるが、なかでも炭酸セシウムおよびポタシウムホスフェートトリベーシックが好ましい塩基である。
塩基は、本発明のフルオロホウ素化合物(I)、(II)または(III)の1モル当り、1〜4モル当量を用いることが好ましく、2〜3モル当量を用いることがさらに好ましい。
上記ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、2−ジ−t−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、2−ジ−t−ブチルホスフィノビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジ−t−ブチルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、等が挙げられるが、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルが特に好ましい。
ホスフィン化合物は、フルオロホウ素化合物(I)、(II)または(III)1モル当り、0.001〜3モル当量を用いることが好ましく、0.05〜0.8モル当量を用いることがさらに好ましい。
工程B−1においては、化合物(1b)1モル当り、化合物(I)を1〜3モル当量を用いることが好ましく、1〜2モル当量を用いることがさらに好ましい。なお、化合物(I)に代えて化合物(II)または(III)を用いた場合も同様である。
工程B−1を行う場合には溶剤を用いてもよく、用いる溶剤としては、出発原料をある程度溶解可能であり、かつ、反応を阻害しないものであれば、特に制限はない。工程B−1に用いることができる溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、メチル−t−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルおよびジシクロペンチルエーテル等のエーテル系溶剤;ベンゼンおよびトルエン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘプタンおよびヘキサン等の脂肪炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN−メチルピロリジノン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド;ならびにこれらの混合溶剤等を挙げることができ、特に好ましい溶剤は1,4−ジオキサンまたはトルエンである。
工程B−1の具体的な反応条件、反応の後処理、および精製方法は、後述する実施例B1〜B9に記載した条件を参考にすることにより当業者によって容易に決定することができる。また、実施例に示した以外の出発物質およびアミノメチル化剤を用いる場合でも、当業者であれば容易にその反応実施のために最適な条件を決定することができる。
工程B−1の反応温度および反応時間は、用いる出発原料の種類、用いる溶剤の種類、反応に用いる試薬の種類に左右されるが、当業者は容易に最適な反応温度および反応時間を決定できる。反応温度は、一般に、50〜140(反応容器の外温)であることが好ましく、95〜105(反応容器の外温)であることがさらに好ましい。一般には、全ての原料を混合した後、撹拌下で1〜72時間反応を行うことが好ましく、4〜20時間反応を行うことがさらに好ましい。
本反応は、窒素、アルゴン等の不活性気体の気流下または雰囲気下でも行うことができる。
工程B−1の反応によって、化合物(1b)の芳香環にアミノメチル基が導入された化合物(2b)が得られる。
[工程B−2]
工程B−2は、芳香環がアミノメチル化された化合物(2b)において、Raがアミノ基の保護基であり且つRbが水素原子である場合、またはRaおよびRbがともにアミノ基の保護基である場合に、Raまたは、RaおよびRbを脱保護し、一級アミノメチル基を有する化合物(3b)を得る工程である。本工程は任意選択で行うことができる。また、RaまたはRbのいずれか一方がアミンの保護基であり、他方が例えばC1−6アルキル基である場合も、工程B−2と同様の方法によって保護基を除去し、二級アミノ基を有する化合物を得ることができる。
工程B−2は、アミノ基の保護基の公知の除去方法を用いて行うことができる。例えば、Raがt−ブトキシカルボニル基である場合には、Synthesis, pp. 66−68, 1999などに記載された方法を用いてアミノ基の脱保護を行うことができる。また、Raがホルミル基を意味する場合には、Tetrahedron Letters, Vol.33, pp.8125−8126 などに記載された方法を用いてアミノ基の脱保護を行うことができる。また、RaおよびRbが、それらが結合する窒素原子と一緒になってフタルイミド基を形成している場合には、Tetrahedron, Vol.60, pp.4773−4780 などに記載の方法を用いてアミノ基の脱保護を行うことができる。
[工程B−3]
工程B−3は溶剤中、芳香環を有する化合物(1b)とフルオロホウ素化合物(I)とを反応させることにより、化合物(3b)をワンポットで製造する工程である。
工程B−3においては、上記工程B−1と同様の条件により化合物(1b)と化合物(I)のカップリング反応を行い、次いで、生成物を単離せずに反応系内でアミン保護基の脱保護を行うことにより、化合物(3b)を直接得ることができる。アミン保護基の脱保護の最適条件は、保護基の種類によって変わるが、上記工程B−2で示した参考文献に記載された条件などを参考にしてアミン基の脱保護を行うことができる。アミン基の好ましい脱保護条件としては、化合物(1b)と(I)とのカップリング反応終了後に、反応系内にヒドラジン ハイドレートなどのヒドラジン化合物を加える方法、反応系内の塩基性を上げる方法、あるいは反応系を酸性にする方法、などを挙げることができる。
ヒドラジン化合物を用いるアミンの脱保護は、後述する実施例B1からB3に記載した反応条件、反応の後処理および精製方法を参考にして行うことができる。この場合、反応混合物にメタノールなどのアルコール系溶剤を添加してアミン保護基の脱保護を行うこともできる。
ヒドラジン化合物によるアミンの脱保護に必要な反応時間は、保護基の種類、用いる溶剤の種類、脱保護に用いるヒドラジン化合物の種類、および反応温度によって変動しうるが、適切な反応時間は当業者が容易に定めることができる。この反応時間は、通常は、50〜100℃(反応容器の外温)において、撹拌下、30分間〜2時間である。
ヒドラジン化合物による脱保護の場合の反応温度は、通常、出発原料、溶剤、その他反応に用いる試薬によって異なり、適宜選択されるが、好適には、50℃〜100℃(外温)である。
上記各方法または各工程において、反応終了後に反応混合物から目的化合物を常法に従って単離することができる。
例えば、加熱条件下で反応が終了した後に反応混合物全体が液体の場合は、反応混合物を所望により室温に戻すか、冷却(氷冷〜−78℃)下で、適宜、反応混合物に酸またはアルカリを加えて中和し、および/または酸化剤もしくは還元剤を加える。次いで、水と酢酸エチルのように互いに混和せずかつ目的化合物と反応しない有機溶剤をさらに加え、目的化合物を含む層を分離する。次に、目的化合物を含む層と相溶性がなく且つ目的化合物と反応しない溶剤を加え、目的化合物を含む層を洗浄し分離する。この層が有機層であれば、無水硫酸マグネシウムまたは無水硫酸ナトリウム等の乾燥剤を用いて乾燥し、乾燥剤を除去後、溶剤を留去することにより、目的化合物を得ることができる。また、目的化合物を含む層が水層であれば、電気的に脱塩した後、凍結乾燥することにより、目的化合物を得ることができる。
また、反応混合物全体が液体である場合は、常圧または減圧下、目的化合物以外の物質(例えば、溶剤および試薬等)を留去することのみにより、目的化合物を得ることが可能な場合もある。
また、反応混合物全体が液体である場合は、反応混合物を種々のクロマトグラフィー(薄層クロマトグラフィーまたはカラムクロマトグラフィー等)を用いることにより精製し、目的化合物を得ることができる。
目的化合物のみが固体として反応時に反応混合物中に析出した場合、または、反応混合物の処理途中で目的化合物のみが固体として析出した場合は、まず、ろ過法により目的化合物をろ取し、ろ取した目的化合物を適当な有機溶剤または水などの無機溶剤で洗浄し、さらに乾燥する。続いて所望により、濾過操作で得られた母液を上記反応混合物全体が液体の場合と同様に処理することにより、目的化合物をさらに回収することができる。
また、目的化合物以外の試薬および触媒の少なくとも一方または両者が固体として存在するか、または、反応終了時に反応混合物全体が液体の場合であって、後処理の過程で試薬および触媒の少なくとも一方または両者が固体として析出した場合であって、かつ、目的化合物が溶液に溶解している場合は、まず、ろ過法により試薬および/または触媒をろ過により分離し、分離した試薬または触媒を適当な有機または無機溶剤で洗浄し、得られる洗浄液を母液と合わせて得られる混合液を、上記反応混合物全体が液体の場合と同様に処理することにより、目的化合物を得ることができる。
反応混合物に含まれる目的化合物以外のものが次工程の反応を阻害しない場合は、目的化合物を単離することなく、そのまま次の工程に使用することもできる。
上記反応式1または2にしたがって製造した目的化合物は、適宜、任意選択で、再結晶法、各種クロマトグラフィー法、蒸留法を使用し、その純度を高めることができる。
目的化合物が固体の場合、通常、再結晶法により目的化合物の純度を向上させることができる。再結晶法に用いる溶剤としては、目的化合物と反応しない単一溶剤または複数の溶剤の混合物を用いることができる。具体的には、まず目的化合物と反応しない溶剤中に、室温または加熱下に目的化合物を溶解する。得られる溶液を氷水等で冷却するかまたは室温にて放置することにより、その溶液から目的化合物を晶出させることができる。
得られた目的化合物が液体の場合は、各種クロマトグラフィー法を用いて、目的化合物の純度を向上させることができる。クロマトグラフィーには、例えば、メルク社製シリカゲル60(70−230meshまたは340−400mesh)または関東化学株式会社製シリカゲル60(0.040−0.050mm)などの弱酸性のシリカゲル類を用いることができる。目的化合物が酸性下で不安定な場合は、関東化学株式会社製中性シリカゲル60N(0.10−0.21mm)等を用いることもできる。目的化合物が塩基性を有する場合等は、富士シリシア化学株式会社製のプロピルアミンコーティングシリカゲル(NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー)(200−350mesh)等を用いることもできる。また、目的化合物が双性イオンの構造を有する場合またはメタノール等の高極性溶剤での溶出が必要な場合等は、ナム研究所製NAM−200HまたはNAM−300Hを用いることもできる。これらのシリカゲルを用いたクロマトグラフィーを用いて、目的化合物と反応しない単一溶剤または複数の溶剤の混合液で目的化合物を溶出させ、目的化合物を含むフラクションから溶剤を留去することにより、純度が向上した目的化合物を得ることができる。
得られた目的化合物が液体の場合は、蒸留法によって目的化合物の純度を向上させることもできる。蒸留法においては、目的化合物を室温または加熱下に減圧することにより、目的化合物を留出させて精製することができる。
上述のとおり、本発明の化合物(I)及び(III)を製造方法として、反応式1に例示した方法が代表的なものである。さらに、化合物(I)のRaおよびRbの少なくとも1つが水素原子である化合物からは二量体が形成されうる。二量体の形成例は、後述する実施例A−4に示す。
本発明の化合物を製造するために用いる原料化合物および各種試薬は、塩や水和物あるいは溶媒和物を形成していてもよく、その形態は出発原料および使用する溶媒等により異なってよく、また目的とする反応を阻害しない限り特にその形態は限定されない。
用いる適切な溶媒の種類も、出発原料、試薬等の種類によって左右されるが、目的とする反応を阻害せず且つ出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないことは言うまでもない。適切な溶媒を選択することは当業者にとってきわめて容易である。
本発明に係る化合物(I)がフリー体として得られる場合は、所望により、化合物(I)をその塩またはそれらの溶媒和物に常法に従って変換してもよい。
また、化合物(I)が溶媒和物として得られる場合は、いったんフリーアミンにしてから改めて塩や溶媒和物にすることができる。
また、本発明に係る化合物(I)について得られる種々の異性体(例えば幾何異性体、光学異性体、回転異性体、立体異性体、および互変異性体、等)は、通常の分離手段、例えば、再結晶、ジアステレオマー塩法、酵素分割法、種々のクロマトグラフィー(例えば薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等)を用いることにより精製し、単離することができる。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、製造例1および2は、上記反応式1の工程A−1の実施例である。また、実施例A1〜A6は、上記反応式1の工程A−2の実施例である。さらに、実施例B1〜B9は、上記反応式2に従う実施例である。
また、以下の記載中、反応温度を表す(外温)とは、反応容器の外部温度をいう。また(内温)とは、反応容器の内部温度をいう。
(製造例1) 2−(クロロメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
Figure 0004343260
トリイソプロピルボレート(15ml、65mmol)、クロロヨードメタン(13g、72mmol)およびテトラヒドロフラン(78ml)の混合物に−78℃(外温)でn−ブチルリチウム(1.6M n−ヘキサン溶液、41ml、 65mmol)を20分間かけて滴下して加え、次いで得られた混合物を、室温で2.5時間攪拌した。反応混合物を0℃(外温)に冷却して、同温度で4N塩酸−酢酸エチル溶液を反応混合物が中性になるまで滴下した。同温度で反応混合物にピナコール(7.7g、65mmol)を加え、次いで、反応混合物を室温で40分間攪拌した。減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣を減圧蒸留(63−70℃、11mmHg)することにより標記化合物(9.2g、 52mmol、81%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 1.30(12H, s), 2.97(2H, s)。
(製造例2) 2−(ブロモメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成
Figure 0004343260
トリイソプロピルボレート(20g、110mmol)、ジブロモメタン(8.6ml、120mmol)およびテトラヒドロフラン(150ml)の混合物に、−78℃(外温)でn−ブチルリチウム(2.6M n−ヘキサン溶液、39ml、 100mmol)を1.5時間かけて滴下して加え、次いで、反応混合物を同温度で1.5時間攪拌した。次いで得られた混合物を、室温で2時間攪拌したのち、0℃(外温)に冷却して反応混合物にメタンスルホン酸(6.5ml、100mmol)を加え、次いで反応混合物を室温で1時間攪拌した。得られた混合物を0℃(外温)に冷却し、反応混合物にピナコール(12g、100mmol)を加え、次いで、反応混合物を室温で1時間攪拌した。減圧下で溶媒を反応混合物から溜去した後、得られた残渣を減圧蒸留(74−76℃、8mmHg)することにより標記化合物(16g、 72mmol、68%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 1.29(12H, s), 2.59(2H, s)。
(実施例A1) ソジウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレートの合成
Figure 0004343260
ソジウム ハイドライド(66%、84mg、2.3mmol)、テトラヒドロフラン(2.5ml)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.5ml)の混合物に0℃(外温)でフタルイミド(340mg、2.3mmol)、2−(クロロメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(410mg、2.3mmol)、テトラヒドロフラン(2.5ml)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.5ml)の混合物を滴下して加えた。得られた混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物に0℃(外温)でテトラヒドロフラン(5ml)とソジウム ハイドロゲンフルオリド(720mg、12mmol)を加え、次いで同温度で水(10ml)を滴下して加えた。反応混合物を室温でさらに1時間攪拌後、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣にアセトン(100ml)を加え、還流温度まで加熱した。反応混合物を40℃程度(内温)まで放冷後、ろ過した。ろ液から減圧下で溶媒を溜去した後、残渣を酢酸エチルとテトラヒドロフランの混合溶媒(2:1)で洗浄し、標記化合物(240mg、42%)を得た。
1H-NMR Spectrum (DMSO-d6) δ(ppm): 2.56(2H, q, J=5.1Hz), 7.74(4H, s)。
(実施例A2) ポタシウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレートの合成
Figure 0004343260
フタルイミド ポタシウム ソルト(2.8g、15mmol)とジメチルスルホキシド (20ml)の混合物に室温で2−(クロロメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(55%、3.3g、10mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を70℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、同温度でポタシウム ハイドロゲンフルオリド(3.9g、51mmol)を加え、次いで同温度で水(20ml)を滴下して加えた。生成した固体をろ過により除去し、ジメチルスルホキシド以外の溶媒を減圧下で溜去した。得られた残渣を、ジエチルエーテルとテトラヒドロフランの混合溶媒(1:1)で洗浄し、さらに残渣にアセトン(200ml)を加え、還流温度まで加熱した。反応混合物をろ過し、ろ液から減圧下で溶媒を溜去した後、残渣を酢酸エチルで洗浄し、標記化合物(68mg、3%)を得た。
1H-NMR Spectrum (DMSO-d6) δ(ppm): 2.51-2.54(2H, m), 7.74(4H, s)。
(実施例A3) ソジウム (ジホルミルアミノ)メチル トリフルオロボレートの合成
Figure 0004343260
ジホルミルイミド ソジウム ソルト(240mg、2.5mmol)とテトラヒドロフラン (10ml)の混合物に室温で2−(ブロモメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(92%、300mg、1.3mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を60℃(外温)で20分間攪拌した。反応混合物に60℃(外温)でアセトニトリル(10ml)を加え、同温度で終夜攪拌した。次に反応混合物を0℃(外温)に冷却し、同温度でソジウム ハイドロゲンフルオリド(310mg、5.0mmol)を加え、次いで同温度で水(15ml)を滴下して加えた。反応混合物から減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣にアセトン−メタノール(20:1)の混合溶媒(30ml)を加えてろ過した。ろ液から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をアセトンで洗浄し、標記化合物(197mg)をクルード体として得た。本化合物はこれ以上の精製をせずに次の反応にそのまま用いた。
MS m/e (ESI) 154(M--Na)。
(実施例A4) ジソジウム 1,4−ビス(t−ブトキシカルボニル)−2,2,5,5−テトラフルオロ−1,4,2,5−ジアザジボリナン−2,5−ジウイドの合成
Figure 0004343260
ソジウム ハイドライド(66%、91mg、2.5mmol)とテトラヒドロフラン(10ml)の混合物に0(外温)でジ−t−ブチル イミノジカルボキシレート(540mg、2.5mmol)を加え、同温度で15分間攪拌した。反応混合物に同温度で2−(ブロモメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(300mg、1.3mmol)を加え、得られた混合物を60(外温)で終夜攪拌した。反応混合物に0(外温)でソジウム ハイドロゲンフルオリド(310mg、5mmol)を加え、次いで同温度で水(10ml)を滴下して加えた。反応混合物を室温で10分間攪拌後、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣にアセトン−メタノール(20:1)の混合溶媒(30ml)を加えてろ過した。ろ液から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し、標記化合物(180mg、72%)を得た。
1H-NMR Spectrum (DMSO-d6) δ(ppm):1.42(18H, s), 2.28(4H, t, J=8.1Hz)。
(実施例A5) ポタシウム モルホリン−4−イルメチル トリフルオロボレートの合成
Figure 0004343260
2−(ブロモメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.0g、4.5mmol)とテトラヒドロフラン(10ml)の混合物に0℃(外温)でトリエチルアミン(0.70ml、5.0mmol)を滴下して加え、次いでこの反応混合物にさらにモルホリン(0.40ml、4.5mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を同温度で20分間攪拌した。次に、同温度で反応混合物に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.91ml、4.5mmol)を加え、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣にメタノール(15ml)を加え、室温でポタシウム ハイドロゲンフルオリド(1.1g、14mmol)を加え、次いで同温度で水(1.5ml)を滴下して加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌後、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣にアセトン(100ml)とメタノール(4ml)を加え、還流温度まで加熱した。この混合物を室温まで放冷後、ろ過した。ろ液から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し、標記化合物(144mg)をクルード体として得た。本化合物はこれ以上の精製をせずに次の反応にそのまま用いた。
(実施例A6) ポタシウム ピロリジン−1−イルメチル トリフルオロボレートの合成
Figure 0004343260
2−(ブロモメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(540mg、2.3mmol)とテトラヒドロフラン(10ml)の混合物に0(外温)でトリエチルアミン(0.63ml、4.5mmol)を滴下して加え、次いで反応混合物にピロリジン(0.38ml、4.5mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で2時間攪拌した。同温度で反応混合物に5N水酸化ナトリウム水溶液(0.45ml、2.3mmol)を加え、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣に0(外温)でメタノール(15ml)を加え、室温でポタシウム ハイドロゲンフルオリド(0.71g、9.0mmol)を加え、次いで同温度で水(3ml)を滴下して加えた。反応混合物を室温で10分間攪拌後、減圧下で溶媒を溜去した。得られた残渣にアセトン(100ml)とメタノール(5ml)を加え、ろ過した。ろ液から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣を酢酸エチルで洗浄し、標記化合物(188mg)をクルード体として得た。
1H-NMR Spectrum (DMSO-d6) δ(ppm):1.82-1.95(6H, m), 1.97(2H, q, J=5.0Hz), 3.09(4H, br s)。
(実施例B1) C−ビフェニル−4−イル−メチルアミン(C-Biphenyl-4-yl-methylamine)の合成
Figure 0004343260
4−クロロビフェニル(15mg、 0.079mmol)と1,4−ジオキサン(1ml)の混合物に、室温で水(0.1ml)、炭酸セシウム(0.16g、 0.48mmol)、ソジウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレート(40mg、 0.16mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.8mg、 0.0079mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(6.5mg、 0.016mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を100℃(外温)で終夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、これにヒドラジン ハイドレート(40mg、 0.79mmol)とメタノール(2ml)を加え、30分間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、これに水と酢酸エチルを加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(7.7mg、53%)を2’−(ジシクロヘキシル−ホスフィノイル)−2,6−ジメトキシ−ビフェニル(3.8mg)との混合物として得た。
1H-NMR Spectrum (DMSO-d6) δ(ppm): 3.76(2H, s), 7.34(1H, t, J=7.3Hz), 7.41-7.47(4H, m), 7.59-7.66(4H, m)。
(実施例B2) 2−メトキシ−ベンジルアミン(2-Methoxy-benzylamine)の合成
Figure 0004343260
2−ブロモアニソール(0.020ml、 0.16mmol)と1,4−ジオキサン(2ml)の混合物に、水(0.2ml)、炭酸セシウム(0.32g、 0.97mmol)、ソジウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレート(81mg、 0.32mmol)、酢酸パラジウム(II)(3.6mg、 0.016mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(13mg、 0.032mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を95(外温)で終夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、ヒドラジン ハイドレート(0.039ml、 0.81mmol)とメタノール(2ml)を加え、反応混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=1:4)にて精製し、標記化合物(4.1mg、19%)を2’−(ジシクロヘキシル−ホスフィノイル)−2,6−ジメトキシ−ビフェニル(6.2mg)との混合物として得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm):3.81(2H, s), 3.85(3H, s), 6.87(1H, d, J=8.1Hz), 6.91(1H, dt, J=1.1, 7.3Hz), 7.20-7.25(2H, m)。
(実施例B3) C−ビフェニル−3−イル−メチルアミン(C-Biphenyl-3-yl-methylamine)の合成
Figure 0004343260
3−ブロモビフェニル(0.020ml、 0.12mmol)と1,4−ジオキサン(1.5ml)の混合物に、水(0.15ml)、ポタシウム ホスフェート トリベーシック n−ハイドレート(170mg、 0.72mmol)、ソジウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレート(60mg、 0.24mmol)、酢酸パラジウム(II)(2.7mg、 0.012mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(9.9mg、 0.024mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を94℃(外温)で終夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、ヒドラジン ハイドレート(48mg、 0.96mmol)とメタノール(2ml)を加え、反応混合物を40分間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に酢酸エチルと水を加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(11mg、51%)を2’−(ジシクロヘキシル−ホスフィノイル)−2,6−ジメトキシ−ビフェニル(7.8mg)との混合物として得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 3.95(2H, s), 7.30-7.37(2H, m), 7.40-7.50(4H, m), 7.54-7.55(1H, m), 7.59-7.61(2H, m)。
(実施例B4) 2−ビフェニル−4−イルメチル−イソインドール−1,3−ジオン(2-Biphenyl-4-ylmethyl-isoindole-1,3-dione)の合成
Figure 0004343260
4−クロロビフェニル(15mg、 0.079mmol)と1,4−ジオキサン(1ml)の混合物に、室温で水(0.1ml)、炭酸セシウム(0.16g、 0.48mmol)、ソジウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレート(40mg、 0.16mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.8mg、 0.0079mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(6.5mg、 0.016mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を100℃(外温)で終夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=40:1)にて精製し、標記化合物(14mg、56%)を得た。
1H-NMR Spectrum (DMSO-d6) δ(ppm): 4.82(2H, s), 7.33-7.37(1H, m), 7.39-7.47(4H, m), 7.61-7.64(4H, m), 7.86-7.93(4H, m)。
(実施例B5) N−ビフェニル−4−イルメチル−ホルムアミド(N-Biphenyl-4-ylmethyl-formamide)の合成
Figure 0004343260
4−クロロビフェニル(30mg、 0.16mmol)と1,4−ジオキサン(1.5ml)の混合物に、室温で水(0.15ml)、炭酸セシウム(0.31g、 0.95mmol)、ソジウム (ジホルミルアミノ)メチル トリフルオロボレート(クルード体、94mg)、酢酸パラジウム(II)(3.6mg、 0.016mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(13mg、 0.032mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を100℃(外温)で終夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=1:4)にて精製し、標記化合物(2.0mg、6%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 4.55(2H, d, J=5.9Hz), 7.33-7.39(3H, m), 7.43-7.46(2H, m), 7.57-7.59(4H, m), 8.31(1H, s)。
MS m/e (ESI) 234(M++Na), 266(M++Na+methanol)。
(実施例B6) ビフェニル−4−イルメチル−カルバミック アシッド t−ブチル エステル(Biphenyl-4-ylmethyl-carbamic acid t-butyl ester)の合成
Figure 0004343260
4−クロロビフェニル(30mg、 0.16mmol)と1,4−ジオキサン(1.5ml)の混合物に、室温で水(0.15ml)、炭酸セシウム(0.31g、 0.95mmol)、ジソジウム 1,4−ビス(t−ブトキシカルボニル)−2,2,5,5−テトラフルオロ−1,4,2,5−ジアザジボリナン−2,5−ジウイド(64mg、 0.16mmol)、酢酸パラジウム(II)(3.6mg、 0.016mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(13mg、 0.032mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を100℃(外温)で終夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物(30mg、67%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 1.48(9H, s), 4.36(2H, d, J=5.3Hz), 4.87(1H, br s), 7.32-7.37(3H, m), 7.42-7.46(2H, m), 7.55-7.59(4H, m)。
(実施例B7) 4−ビフェニル−4−イルメチル−モルホリン(4-Biphenyl-4-ylmethyl-morpholine)の合成
Figure 0004343260
4−クロロビフェニル(23mg、 0.12mmol)と1,4−ジオキサン(2.5ml)の混合物に、室温で水(0.25ml)、ポタシウム ホスフェート トリベーシック n−ハイドレート(0.28g、 1.2mmol)、ポタシウム モルホリン−4−イルメチル トリフルオロボレート(78mg)、酢酸パラジウム(II)(2.7mg、 0.012mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(10mg、 0.024mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を10時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、ろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物(20mg、64%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 2.47-2.49(4H, m), 3.54(2H, s), 3.72-3.74(4H, m), 7.31-7.36(1H, m), 7.39-7.45(4H, m), 7.54-7.60(4H, m)。
(実施例B8) 4−ビフェニル−3−イルメチル−モルホリン(4-Biphenyl-3-ylmethyl-morpholine)の合成
Figure 0004343260
3−ブロモビフェニル(28mg、 0.12mmol)と1,4−ジオキサン(2.5ml)の混合物に、室温で水(0.25ml)、ポタシウム ホスフェート トリベーシック n−ハイドレート(0.28g、 1.2mmol)、ポタシウム モルホリン−4−イルメチル トリフルオロボレート(78mg)、酢酸パラジウム(II)(2.7mg、 0.012mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(10mg、 0.024mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を10時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、ろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、標記化合物(23mg、75%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 2.47-2.50(4H, m), 3.57(2H, s), 3.71-3.74(4H, m), 7.31-7.47(5H, m), 7.50(1H, dd, J=0.6, 7.7Hz), 7.56(1H, s), 7.58-7.62(2H, m).
(実施例B9) 1−ビフェニル−4−イルメチル−ピロリジン(1-Biphenyl-4-ylmethyl-pyrrolidine)の合成
Figure 0004343260
4−ブロモビフェニル(20mg、 0.086mmol)と1,4−ジオキサン(1.5ml)の混合物に、室温で水(0.15ml)、ポタシウム ホスフェート トリベーシック n−ハイドレート(0.18g、 0.73mmol)、ポタシウム ピロリジン−1−イルメチル トリフルオロボレート(40mg、 0.21mmol)、酢酸パラジウム(II)(3.9mg、 0.017mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(10mg、 0.034mmol)を加え、次いで、得られた反応混合物を100℃で11時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、反応混合物に水と酢酸エチルを加え、セライトを用いてろ過した。ろ液の有機層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層から減圧下で溶媒を溜去した後、得られた残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=6:1)にて精製し、標記化合物(19mg、89%)を得た。
1H-NMR Spectrum (CDCl3) δ(ppm): 1.76-1.82(4H, m), 2.52-2.56(4H, m), 3.65(2H, s), 7.31-7.35(1H, m), 7.39-7.45(4H, m), 7.53-7.60(4H, m)。
本発明によれば、1級、2級または3級アミノメチル基を芳香環に直接導入することができるため、基質として、還元反応に不安定なものや、安価かつ豊富に市販されているクロロベンゼンなどの芳香族ハライドを利用することができる。よって、本発明は産業上有用である。

Claims (36)

  1. 下記式(I)で表されるフルオロホウ素化合物もしくはその二量体、またはそれらの溶媒和物。
    Ra(Rb)N−CH−BFM (I)
    [式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有する1−6アルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するシクロアルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロ環基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアラルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される基を意味するか、または、RaおよびRbが、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、アミノ基の保護基を形成しているか、または、Ra及びRbが結合している窒素原子と一緒になって、任意選択でさらに1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有し且つ環を構成するヘテロ原子と炭素原子を合わせて3から10の原子からなる非芳香族ヘテロ環を形成しており;
    Mは、アルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)を意味する。(但し、ポタシウム n−ブチルアミノメチルトリフルオロボレート、ポタシウム シクロヘキシルアミノメチルトリフルオロボレート、ポタシウム N−ピロリジニルメチルトリフルオロボレートおよびポタシウム N−ピペリジルメチルトリフルオロボレートを除く。)]
  2. Raおよび/またはRbが、水素原子またはアミノ基の保護基である請求項1記載の化合物もしくはその二量体、またはそれらの溶媒和物。
  3. アミノ基の前記保護基が環状イミド系保護基、アミド系保護基、またはカルバメート系保護基である請求項2記載の化合物もしくはその二量体、またはその溶媒和物。
  4. アミノ基の前記保護基がカルバメート系保護基である請求項2記載の化合物もしくはその二量体、またはその溶媒和物。
  5. アミノ基の前記保護基がフタロイル基、ホルミル基またはt−ブチルオキシカルボニル基である、請求項2記載の化合物もしくはその二量体またはそれらの溶媒和物。
  6. 下記式(II)で表される化合物またはその溶媒和物。
    Figure 0004343260
    [式中、Raは、水素原子、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有する1−6アルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するシクロアルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロ環基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアラルキル基、またはアミノ基の保護基を意味し、
    Mは、アルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)を意味する。]
  7. Raがアミノ基の保護基である請求項6記載の化合物またはその溶媒和物。
  8. アミノ基の前記保護基が、イミド系保護基、またはカルバメート系保護基である請求項7記載の化合物またはその溶媒和物。
  9. アミノ基の前記保護基が、カルバメート系保護基である請求項7記載の化合物またはその溶媒和物。
  10. アミノ基の前記保護基がt-ブチルオキシカルボニル基である、請求項7記載の化合物またはその溶媒和物。
  11. 下記式(III)で表される化合物またはその溶媒和物。
    Figure 0004343260
    [式中、Mはアルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味し;
    Xは水素原子、C1−6アルキル基またはニトロ基を意味する。]
  12. Xが水素原子である、請求項11記載の化合物またはその溶媒和物。
  13. Mがアルカリ金属カチオンである、請求項1乃至12のいずれか一項記載の化合物もしくはその二量体またはその溶媒和物。
  14. Mがカリウムイオンまたはナトリウムイオンである、請求項1乃至12のいずれか一項記載の化合物もしくはその二量体またはその溶媒和物。
  15. 下記式(I)で表されるフルオロホウ素化合物、もしくはその二量体、またはそれらの溶媒和物からなる、芳香環の1級、2級または3級アミノメチル化剤。
    Ra(Rb)N−CH−BFM (I)
    [式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、水素原子、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有する1−6アルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するシクロアルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロ環基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアラルキル基およびアミノ基の保護基からなる群から選択される基を意味するか、または、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、アミノ基の保護基を形成しているか、または、RaおよびRbが結合している窒素原子と一緒になって、任意選択でさらに1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有し且つ環を構成するヘテロ原子と炭素原子を合わせて3から10の原子からなるヘテロ環を形成しており;
    Mは、アルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)を意味する。]
  16. 前記アミノメチル化が1級アミノメチル化である、請求項15記載のアミノメチル化剤。
  17. Raおよび/またはRbが、水素原子またはアミノ基の保護基である請求項15記載のアミノメチル化剤。
  18. アミノ基の前記保護基が環状イミド系保護基、アミド系保護基、またはカルバメート系保護基である請求項17記載のアミノメチル化剤。
  19. アミノ基の前記保護基がカルバメート系保護基である請求項17記載のアミノメチル化剤。
  20. アミノ基の前記保護基がフタロイル基、ホルミル基またはt-ブチルオキシカルボニル基である、請求項17記載のアミノメチル化剤。
  21. 下記式(II)で表される請求項15に記載のアミノメチル化剤。
    Figure 0004343260
    [式中、Raは、水素原子、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有する1−6アルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するシクロアルキル基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロ環基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するヘテロアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアリール基、非置換であるか又はハロゲン原子、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C 1−6 アルキル基、C 1−6 アルコキシ基、およびC 3−8 シクロアルキル基から選択される置換基を有するアラルキル基、またはアミノ基の保護基を意味し、
    Mは、アルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]、または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味する。)を意味する。]
  22. Raがアミノ基の保護基である請求項21記載のアミノメチル化剤。
  23. アミノ基の前記保護基がアミド系保護基、またはカルバメート系保護基である請求項22記載のアミノメチル化剤。
  24. アミノ基の前記保護基がカルバメート系保護基である請求項22記載のアミノメチル化剤。
  25. アミノ基の前記保護基がt-ブチルオキシカルボニル基である、請求項22記載のアミノメチル化剤。
  26. 下記式(III)で表される請求項15に記載のアミノメチル化剤。
    Figure 0004343260
    [式中、Mはアルカリ金属カチオン、[N(R)(R)(R)(R)]または[P(R)(R)(R)(R)](R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基またはC7−15アラルキル基を意味し;
    Xは水素原子、C1−6アルキル基またはニトロ基を意味する。]
  27. Xが水素原子である、請求項26記載のアミノメチル化剤。
  28. Mがアルカリ金属カチオンである、請求項15乃至27のいずれか一項記載のアミノメチル化剤。
  29. Mがカリウムイオンまたはナトリウムイオンである、請求項15乃至27のいずれか一項記載のアミノメチル化剤。
  30. 請求項15記載のアミノメチル化剤と、前記アミノメチル化剤との間でカップリング反応を起こしうる芳香環を有する化合物とを、前記カップリング反応に有効な金属触媒存在下で反応させる、1級、2級または3級アミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法。
  31. 下記式:
    Figure 0004343260
    で表されるソジウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレート。
  32. 下記式:
    Figure 0004343260
    で表されるポタシウム 1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル トリフルオロボレート。
  33. 下記式:
    Figure 0004343260
    で表されるソジウム (ジホルミルアミノ)メチル トリフルオロボレート。
  34. 下記式:
    Figure 0004343260
    で表されるジソジウム 1,4−ビス(t−ブトキシカルボニル)−2,2,5,5−テトラフルオロ−1,4,2,5−ジアザジボリナン−ジウイド。
  35. 下記式:
    Figure 0004343260
    で表されるポタシウム モルホリン−4−イルメチル トリフルオロボレート。
  36. 下記式:
    Figure 0004343260
    で表されるポタシウム ピロリジン−1−イルメチル トリフルオロボレート。
JP2008524802A 2006-07-11 2007-07-10 フルオロホウ素化合物およびそれからなる芳香環のアミノメチル化剤、ならびに前記アミノメチル化剤を用いたアミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP4343260B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US81962806P 2006-07-11 2006-07-11
JP2006190813 2006-07-11
JP2006190813 2006-07-11
US60/819,628 2006-07-11
PCT/JP2007/063736 WO2008007670A1 (fr) 2006-07-11 2007-07-10 Composé de fluorobore, agent d'aminométhylation pour noyau aromatique comprenant ledit composé et procédé de production d'un composé comprenant un noyau aromatique aminométhylé au moyen dudit agent d'aminométhylation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4343260B2 true JP4343260B2 (ja) 2009-10-14
JPWO2008007670A1 JPWO2008007670A1 (ja) 2009-12-10

Family

ID=38950086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008524802A Expired - Fee Related JP4343260B2 (ja) 2006-07-11 2007-07-10 フルオロホウ素化合物およびそれからなる芳香環のアミノメチル化剤、ならびに前記アミノメチル化剤を用いたアミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US8044216B2 (ja)
EP (1) EP2039697B1 (ja)
JP (1) JP4343260B2 (ja)
CN (1) CN101490063B (ja)
WO (1) WO2008007670A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104651874B (zh) * 2013-11-19 2017-04-12 中国科学院化学研究所 一种制备无色二吡咯硼烷类复合物的方法
CN108020547A (zh) * 2017-12-17 2018-05-11 沧州普瑞东方科技有限公司 一种测定有机三氟硼酸钾盐含量的方法
CN113401916B (zh) * 2021-05-26 2023-05-26 大连鼎燕医药化工有限公司 取代芳烃氟化氢重氮盐热解氟代反应的废物利用

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005033079A1 (ja) 2003-09-30 2005-04-14 Eisai Co., Ltd. ヘテロ環化合物を含有する新規な抗真菌剤
JP4748411B2 (ja) 2005-01-06 2011-08-17 株式会社フジクラ 発光デバイス、発光デバイスの色度調節方法及び照明装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8524946B2 (en) 2013-09-03
EP2039697B1 (en) 2013-09-04
CN101490063A (zh) 2009-07-22
EP2039697A4 (en) 2011-05-25
EP2039697A1 (en) 2009-03-25
US20080015351A1 (en) 2008-01-17
WO2008007670A1 (fr) 2008-01-17
US20120010403A1 (en) 2012-01-12
US8044216B2 (en) 2011-10-25
JPWO2008007670A1 (ja) 2009-12-10
CN101490063B (zh) 2014-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI679203B (zh) 製備抗病毒化合物之方法
Yang et al. Facile One‐Pot Synthesis of Monosubstituted 1‐Aryl‐1H‐1, 2, 3‐triazoles from Arylboronic Acids and Prop‐2‐ynoic Acid (= Propiolic Acid) or Calcium Acetylide (= Calcium Carbide) as Acetylene Source
JP6147856B2 (ja) インテグラーゼインヒビターを調製するためのプロセスおよび中間体
TW202026280A (zh) 6-(2,4-二氯苯基)-5-[4-[(3s)-1-(3-氟丙基)吡咯啶-3-基]氧基苯基]-8,9-二氫-7h-苯並[7]輪烯-2-甲酸甲酯的鹽及其製備方法
JP5567139B2 (ja) 芳香族ボロン酸エステル化合物の調製方法
JP4343260B2 (ja) フルオロホウ素化合物およびそれからなる芳香環のアミノメチル化剤、ならびに前記アミノメチル化剤を用いたアミノメチル芳香環を有する化合物の製造方法
CN108329285B (zh) 一种合成2,3-二氢苯并呋喃类化合物的方法
CN107216307A (zh) 一种高效合成1,1‑二芳基烷烃类化合物的方法
CN110437068B (zh) 一种芳烃甲基化的制备方法
JP5265368B2 (ja) 芳香環を有するフルオロホウ素化合物もしくはその塩、およびそれらを用いた環状エーテル縮合芳香環を有する化合物の製造方法
CN113698432A (zh) 一种四齿铂(ii)配合物的制备及应用
CN111517964A (zh) 一种拆分手性化合物的方法
CN111689993B (zh) 一种新的含硼类佐米药物关键中间体手性α-氨基硼酸酯的制备方法
JP4198742B2 (ja) オキシメチルホウ素化合物
KR102082532B1 (ko) 보린산 유도체의 제조 방법 및 신규 보린산 유도체
CN111747956A (zh) 制备三环内酰胺化合物的方法
Zhang Enantioselective Synthesis of Tertiary Boronic Esters Through Conjunctive Cross-Coupling and Cyclobutene Diboration
JP2015067552A (ja) 新規なジアミン化合物および金属錯体、並びに光学活性化合物の製造方法
WO2023277120A1 (ja) 二環性ピペラジン環を有するベンゾオキサゾール誘導体又はその塩の製造方法、並びに、その原料の製造方法
JP2022035954A (ja) N-Boc-ラクタム誘導体及びその製造方法、並びに、環状アミン誘導体の製造方法
Trammel et al. Nickel-Catalyzed Regiodivergent Dearomative Arylboration of Indoles
US20120149908A1 (en) Triazolylpiperidine derivatives and method for making the same
Betz A Novel, General Method for the Construction of C-Si Bonds by an Earth-Abundant Metal Catalyst
EP2465848A1 (en) Triazolylpiperidine derivatives and method for making the same
JP2018154570A (ja) ジシアノアリール若しくはジシアノヘテロアリールの電子供与性基の二置換体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090609

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4343260

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150717

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees