JP4342817B2 - 製紙用充填剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填紙に好適に使用できる充填剤、及びこの充填剤を内填して成る、不透明度、白色度等の光学特性に優れ、また、このような光学特性と、引張り強さ、紙の腰の強さ等の物理的特性とのバランスが良好であり、更に、このバランスの程度を調整し得る、高品質で安価な粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙に関するものである。本発明は、アート紙、コート紙のような塗工原紙や、PPC用紙、感熱紙、感圧紙、熱転写紙、インクジェット用紙、静電記録紙、磁気記録紙などの情報用紙や、上級印刷紙、中級印刷紙などの非塗工印刷用紙や、工業用雑種紙として、特に内填剤の性能差を生じやすいバックカーボン紙やインディアンペーパーやライスペーパー等の填料及びその内填紙を提供するものとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷あるいは筆記用に使用される紙には、通常、白色度、不透明度、平滑性、筆記性、手触り、印刷適性等の改良を目的として、填料が内添される。この場合の抄紙方法として、填料にタルク、粘土、酸化チタン等を使用し、pH4.5付近で紙を抄く酸性抄紙と、pH7〜8.5の中性〜弱アルカリ性域で紙を抄く中性抄紙がある。これらのうち、中性抄紙では、輸入品で、しかも高価なタルク、粘土に代わって、国産の炭酸カルシウムを填料として使用することが可能である。近年、紙の保存性等の問題から、中性抄紙によって得られる中性紙が着目されるようになり、また、この他にも、紙質、コスト、環境対策等の面でも中性抄紙のメリットが多いことから、中性抄紙への移行が進んできており、今後とも、その普及が拡大する情勢にある。
【0003】
また、最近の紙の需要面からみると、商業印刷では、チラシ、カタログ、パンフレット、ダイレクトメール等の分野、また、出版印刷では、情報化社会の進展と共に、コンピュータ、マルチメデイア、ファミコン関連書籍、雑誌や写真集、ムック、コミック紙の分野、の伸びが大きいのが特徴であり、このことから、紙ユーザーのコストダウン指向は一層強まってきており、使用する紙についても、より低グレード化、軽量化が求められている。
【0004】
上述のように、安価で軽量な中性紙への要求が高まってくる中で、填料としての炭酸カルシウムの位置づけは、非常に重要である。この中性抄紙で填料として用いられる炭酸カルシウムには、天然石灰石を乾式あるいは湿式で機械粉砕して得られる重質炭酸カルシウムと、化学的方法によって得られる沈降性炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)がある。
【0005】
ところが、天然石灰石をボールミル等の粉砕機を使用して得られる重質炭酸カルシウムは、形状をコントロールし難いため、内添填料として使用した場合、抄紙の際に激しくプラスチックワイヤを磨耗させてしまうという問題を有する。更に、この填料を使用して、通常の上質紙、塗工紙を製造した場合、嵩、白色度、不透明度、平滑性、筆記性、手触り、印刷適性等において不十分であるという問題がある。
【0006】
最近のように、紙の軽量化が進んでくると、更に、上記問題は深刻化してくる。これまで、軽量印刷用紙の不透明度を向上させる通常の手段としては、比表面積の大きな填料、例えば、微粉砕シリカ、ホワイトカーボン等や、屈折率の高い填料、例えば、二酸化チタン等が使用されていた。しかし、これらの填料の使用により、紙の不透明度は向上するが、嵩高にする(低密度化する)ことはできないため、靱性が低下した。この嵩を高くする手段の一つとして、使用するパルプの濾水度を高くすることがあげられるが、この場合は、嵩高で低密度にはなるものの、同時に紙層構造がポーラスになり、透気度、平滑度が低下してしまう。このポーラスで透気度の低い原紙に、顔料を含む塗工液を塗工すると、塗工液が原紙中に染み込み過ぎるため、原紙被覆性が低下し、乾燥後の表面平滑性、白紙光沢度が低下し、光沢ムラが多く、面状に劣り、各種印刷適性が低下するという問題が生じる。
【0007】
これらの問題点を改善するために使用されてきたのが、沈降性炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)である。この沈降性炭酸カルシウムを製造する方法としては、石灰の焼成装置その他から得られる炭酸ガスと石灰乳との反応、アンモニアソーダ法における炭酸アンモニウムと塩化カルシウムとの反応、炭酸ナトリウムの苛性化における石灰乳と炭酸ナトリウムとの反応等が知られている。しかしながら、これらの反応方法は、非常に製造コストが高く、ユーザーの要望する低コスト化にはそぐわず、安価な紙には使用できないか、あるいはその使用量も大きく制限されるのが実状である。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−125683号公報
【特許文献2】
特開平10−226974号公報
【特許文献3】
特開平10−226517号公報
【特許文献4】
特開平6−73698号公報
【特許文献5】
特開2002−115196号公報
【0009】
このような状況の中で、本発明者らは、以上のような状況に鑑み、上記従来技術の諸問題を抜本的に改善し得る新しい製紙用填料を開発することを目標として種々検討を重ねる中で、安価な重質炭酸カルシウムと、やはり安価で平滑性に優れる2:1型粘土鉱物を抄紙用填料として有効利用することができれば、合成炭酸カルシウムの苛性化工程で発生する副産物を系外へ出さずに済むことになり、環境保全面は勿論のこと、製品のコスト削減効果への寄与も極めて大きくなることに着目した。そこで、本発明者らは、前記した如く、そのままの使用では紙製品の品質低下、更には、抄紙適性(耐ワイヤー摩耗性)の劣る炭酸カルシウムを、従来の填料用合成炭酸カルシウムと比較して遜色のない抄紙用填料として利用することを可能なものとするべく鋭意検討、及び研究を重ねた結果、重質炭酸カルシウムと、平滑性に優れる2:1型粘土鉱物のクロライトを複合化することで、両者の相乗効果により、抄紙時にはウェットエンドでの歩留まりが良く、ワイヤー磨耗性に優れた材料が得られること、2:1型粘土鉱物のクロライトと重質炭酸カルシウムとの混合物を填料として使用することにより、所期の目的を達成し得ること、を見出し、この知見に基づいて、本発明を創出するに至った。
【0010】
本発明は、ウェットエンドでの歩留まりが良く、ワイヤー磨耗性に優れ、抄紙工程において、好適に使用できる新規製紙用填料を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、パルプ原料に対し、上記填料を配合して、不透明度が高く、印刷品質等の優れた上質紙や塗工紙を製造することを可能とする粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)充填紙に使用できる充填剤であって、2:1型粘土鉱物のクロライトと重質炭酸カルシウムの混合物であって、当該粘土鉱物/炭酸カルシウム混合物が、SEM観察粒子径で長径が0.5〜5μm、短径が0.1〜3μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜20μmである2:1型粘土鉱物と、SEM観察粒子径で長径が0.1〜3μm、短径が0.1〜1μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜15μmである重質炭酸カルシウムとの混合物から成ることを特徴とする粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
(2)上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとの重量比が5:95〜50:50である前記(1)記載の粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
(3)上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウム混合物によるプラスチックワイヤー摩耗度が大きくても50mg/3hrである前記(1)記載の粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
(4)充填紙が、複写原紙、薄葉印刷紙又はライスペーパーである前記(1)記載の粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
(5)パルプ原料に対し、その単位乾燥重量に対して、前記(1)から(4)のいずれかに記載の2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウム混合物から成る充填剤を5〜80wt%を含有することを特徴とする粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、そのパルプ原料は、通常、製紙原料として使用されているパルプの中から使用目的に応じて任意に選ぶことができる。このようなパルプとしては、例えば、木綿パルプ、亜麻パルプ、麻パルプ、こうぞ、みつまた、雁皮パルプ、マニラ麻パルプ、わらパルプ、バガスパルプ、各種木材パルプ、古紙パルプ及びこれらの混合パルプなどを挙げることができるが、薄葉紙用には、亜麻パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、麻パルプなどの草木類パルプ及びこれらの混合パルプが好適である。本発明においては、これらのパルプ原料へ内填剤としての配合する成分として、粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとの混合物が用いられる。
【0013】
本発明に用いる2:1型粘土鉱物としては、クロライトが挙げられる。当該粒子の大きさは、SEM観察粒子径で長径が0.5〜5μm、短径が0.1〜3μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜20μmである。
【0014】
また、本発明に用いる重質炭酸カルシウムとして、特に好適に用いられるものは、アラゴナイト系、カルサイト系のいずれでも、或いは両者の混合物でもよいが、SEM観察粒子径で長径が0.1〜3μm、短径が0.1〜1μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜15μmであり、ワイヤー摩耗度が100mg/3hr以下である。
【0015】
本発明に用いる粘土鉱物/炭酸カルシウム混合物としては、好適には、SEM観察粒子径で長径が0.5〜5μm、短径が0.1〜3μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜20μmである2:1型粘土鉱物のクロライトと、SEM観察粒子径で長径が0.1〜3μm、短径が0.1〜1μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜15μmであり、ワイヤー摩耗度が100mg/3hr以下であって、カルサイトを主体とする重質炭酸カルシウムとの混合物である。
【0016】
本発明に用いる粘土鉱物/炭酸カルシウム混合物において、上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとの好適な配合割合は、5:95〜50:50の範囲内で選ばれる。これよりも重質炭酸カルシウムの割合が多くなると、抄造の際のワイヤー摩耗度が高くなり、また、得られた紙の不透明度が低くなる。これらの配合方法としては、上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムをあらかじめ混合した状態でパルプ原料に加えることもできるし、また、2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとを、別々にパルプ原料中に加えることもできる。
【0017】
本発明においては、上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとの混合物の配合割合は、パルプ原料に対し、その単位乾燥重量に対して5〜95wt%、好ましくは5〜30wt%の割合で配合する必要がある。この配合割合が、これよりも少ないと十分な白色度、不透明度が得られないし、これよりも多いと、コストが上昇してしまう。
【0018】
本発明においては、これらの成分の他に、更に、その本来の目的をそこなわない範囲で、従来、内填紙に通常用いられている種々の添加成分を配合することができる。この添加成分としては、サイズ剤、例えば、アルキルケテンダイマーやアルケニル無水コハク酸や中性ロジンなどの中性サイズ剤、酸性ロジンや石油系サイズ剤などの酸性サイズ剤、ポリアクリルアミドなどの歩留り向上剤、カチオンデンプンや硫酸バンドなどのサイズ定着剤、とうもろこしデンプンなどの紙力増強剤が挙げられる。
【0019】
本発明によって得られる上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとの混合物は、従来、苛性化工程で得られた合成炭酸カルシウムに比べて、ワイヤー磨耗性、歩留まり性に優れ、これを内填することで、上質紙、塗工紙のこしが強く、白色度、不透明度、平滑性、筆記性、手触り、印刷適性等に優れた特徴を与える。このことは、これを、新聞用紙、中質紙、印刷用紙、書籍用紙、証券用紙、辞典用紙、両更クラフト紙、晒クラフト紙、薄葉紙、ライスペーパー、インディアンペーパー、板紙、ノーカーボンペーパー、アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、壁紙、感熱紙等に使用すれば、こしが強く、白色度、不透明度、平滑性、筆記性、手触り、印刷適性等に優れた特徴を与えることが可能となる。更に、これを、各種顔料に用いることで、光沢性、平滑性、印刷適性等に優れた特徴を与える。また、上記混合物は、製紙用のほか、ゴム、プラスチック、ペイント、シーリング剤、粘着剤、肥料等にも使用可能である。
【0020】
本発明の粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙は、従来慣用されている方法、例えば、パルプと上記の填料とを所定の割合で混合し、水、サイズ剤及び適当な添加成分を加えて抄造する方法を応用することにより製造することができる。
【0021】
本発明の粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙は、最終的に電気炉などで焼尽したときに残留する灰分が95wt%以下、pH7〜10になるような組成で構成されるのが好ましい。
【0022】
なお、本発明の粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙の調製時においては、pH、温度、添加方法等については特に限定するものではない。また、本発明により得られる粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙を含有するパルプを抄紙する場合には、公知の抄紙方法がそのまま適用し得ることは勿論である。
【0023】
【実施例】
以下、本願発明の実施例を記載するが、本願発明の範囲は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
重質炭酸カルシウム粉体を脱イオン水に分散させて、固形分濃度約60wt%のスラリーを調製した。その後、これを湿式粉砕器(アイメックス株式会社製ディスク回転式サンドミル)で粉砕し、平均粒子径が10μm程度になるまで粉砕した。この時、粉砕メディアとして、ニッカトー製3mm径アルミナボールを使用した。尚、この時の粉砕工程は、湿式乾式のどちらであっても構わない。粉砕後の平均粒子径は5μm程度とした。この重質炭酸カルシウムの粒度分布、及び電子顕微鏡写真を図1及び図2に示す。
【0024】
上記スラリーの正確な重質炭酸カルシウム濃度を、乾燥法により正確に算出した。この重質炭酸カルシウムに対して、撹拌しながら10wt%、或いは20wt%になるようにクロライトを添加した。この時、添加するクロライトは、平均粒子径が10μm程度が好適である。10μm以下であれば良く、必要であれば湿式或いは乾式粉砕を行っても良い。このクロライトの添加により、スラリーの粘度が上昇して流動性が低下するので、脱イオン水を添加してスラリー濃度を50wt%程度に調整した。この時、添加したカルサイトの粒度分布、及び電子顕微鏡写真を、図3及び図4に示す。
【0025】
粘土鉱物/炭酸カルシウム混合物を調製した後、使用するのに適当な平均粒子径になるまで湿式或いは乾式粉砕を行った。得られたスラリーを粒度分布測定装置(Sympatec製レーザー回折式粒度分布測定装置)を用いて粒径を測定した。
【0026】
上記で得た、それぞれの粘土鉱物/炭酸カルシウム混合物を2wt%の濃度に調整したスラリーについて、ワイヤー摩耗試験を実施した。摩耗度試験は、回転しているセラミックスロール上3カ所に、3枚のテストワイヤーをそれぞれ接触させ、ワイヤーにスラリーを滴下させて所定時間後のワイヤー摩耗度で判断する方法を採用した。スラリーの滴下流量は3リットル/分、セラミックスロールへのワイヤー圧接加重を770gとした。ワイヤーはプラスチックワイヤー(日本フィルコン製)を使用し、磨耗時間を3時間とした。試験終了後、3枚のワイヤーについて、平均磨耗量を磨耗試験前後のワイヤー重量減量(mg/3hr)で判別した。重量誤差は0.1mg以内であった。
【0027】
比較例として、重質炭酸カルシウムのみ2wt%のスラリーを調製し、ワイヤー摩耗試験を実施した。平均粒子径が1.6μmのスラリー用いた場合に得られた結果を表1に示す。この表における数値は、抄紙を行った時のワイヤー摩耗度である。重質炭酸カルシウムのみの摩耗度が48.3mgであるのに対し、クロライト10wt%と20wt%添加時の摩耗度は、それぞれ、4.6、及び6.27mgであった。
【0028】
【表1】
【0029】
平均粒子径が4.0μmのスラリー用いた場合に得られた結果を表2に示す。重質炭酸カルシウムのみの摩耗度が153.8mgであるのに対し、クロライト10wt%と20wt%添加時の摩耗度は、それぞれ、11.6、及び7.4mgであった。
【0030】
【表2】
【0031】
平均粒子径が5.0μmのスラリー用いた場合に得られた結果を表3に示す。重質炭酸カルシウムのみの摩耗度が363.5mgであるのに対し、クロライト10wt%と20wt%添加時の摩耗度は、それぞれ、9.3、及び9.7mgであった。
【0032】
【表3】
【0033】
上記の結果より、重質炭酸カルシウムのみを添加した場合と比較して、クロライトのような2:1型粘土鉱物を添加することにより、抄紙時のブレード摩耗が低減することが明らかであり、価格の高い合成炭酸カルシウムを使用することなく、所望の紙の製造が可能であり、それにより紙の製造コストを低減し得ることが明らかとなった。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、充填剤及び内填紙に係るものであり、本発明により、1)二酸化チタンや高価な合成炭酸カルシウムを併用することなく、紙に優れた不透明度及び白色度を付与する填料を提供できる、2)填料として、重質炭酸カルシウム単独あるいは焼成クレーを用いた場合の欠点、すなわち、不透明度が低かったり、引張強さが小さく紙の腰が弱かったりするなどの欠点、を改善し、所望の紙としての要求特性について良好なバランスを示す、3)また、このバランスの程度を調整した、例えば、引張強さよりも不透明度を相対的に重視して高めた内填紙を提供できる、4)抄紙時における、ウェットエンドでの歩留りが良く、ワイヤー摩耗性に優れた材料が得られる、5)二酸化チタンを通常の使用量配合したものにほぼ匹敵する優れた白色度、不透明度及び剛度を有する内填紙を提供できる、6)そして、この粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙は、アート紙、コート紙などの塗工原紙や、PPC用紙、感熱紙、感圧紙、熱転写紙、インクジェット用紙、静電記録紙、磁気記録紙などの情報用紙や、上級印刷紙、中級印刷紙などの非塗工印刷用紙、特に、内填剤の性能差を生じやすいバックカーボン紙などの複写原紙やインディアペーパーなどの薄葉印刷紙やライスペーパーとして好適に使用できる、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、重質炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真である。
【図2】この図は、重質炭酸カルシウムの粒度分布を示すものである。
【図3】この図は、2:1型粘土鉱物であるクロライトの電子顕微鏡写真である。
【図4】この図は、2:1型粘土鉱物であるクロライトの粒度分布を示すものである。
Claims (5)
- 充填紙に使用できる充填剤であって、2:1型粘土鉱物のクロライトと重質炭酸カルシウムの混合物であって、当該粘土鉱物/炭酸カルシウム混合物が、SEM観察粒子径で長径が0.5〜5μm、短径が0.1〜3μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜20μmである2:1型粘土鉱物と、SEM観察粒子径で長径が0.1〜3μm、短径が0.1〜1μmであり、レーザー式粒度分布の平均粒子径が1〜15μmである重質炭酸カルシウムとの混合物から成ることを特徴とする粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
- 上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウムとの重量比が5:95〜50:50である請求項1記載の粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
- 上記2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウム混合物によるプラスチックワイヤー摩耗度が大きくても50mg/3hrである請求項1記載の粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
- 充填紙が、複写原紙、薄葉印刷紙又はライスペーパーである請求項1記載の粘土鉱物/炭酸カルシウム充填剤。
- パルプ原料に対し、その単位乾燥重量に対して、請求項1から4のいずれかに記載の2:1型粘土鉱物と重質炭酸カルシウム混合物から成る充填剤を5〜80wt%を含有することを特徴とする粘土鉱物/炭酸カルシウム内填紙。
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