JP4341890B2 - 焼成炉 - Google Patents

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JP4341890B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス成形体等を焼結する際に用いられる焼成炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セラミックス成形体等を焼結する際には、燃焼式焼成炉、電気加熱式焼成炉などが用いられる。この電気加熱式焼成炉は、炉の外枠である炉体の内部に、断熱材で囲まれた加熱室が設けられている。そして、炉体の外部から炉体及び断熱材を貫通して、加熱室内のヒータに通電するための電極が挿入されている。この場合、一般的に電極と断熱材の隙間を絶縁材で封止する。絶縁材を用いるのは、電極から断熱材への漏電を防止するためである。
【0003】
この絶縁材の材質は、絶縁する箇所の温度により決定されるが、2000℃程度の焼成炉ではボロンナイトライド(BN)、アルミナ(Al23)を用いることが一般的である。セラミックスなどが高温で焼成される場合、水分や成形用バインダなどの成分、助剤成分あるいは断熱材劣化によるカーボン粉、ハイドロカーボンなどが絶縁材表面に付着し、絶縁性が劣化することがある。このため、定期的に電極部分の分解清掃や絶縁材の交換を実施している。
【0004】
一方、この付着による絶縁性の劣化を防ぐため、電極の外周面と断熱材に設けられた貫通孔の内周面が、凹部と凸部が入り組んだ構造を有する焼成炉が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭62−183388号公報(第4−5頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示された構造を有する焼成炉であっても、カーボン粉などが凸部及び凹部に付着し、絶縁不良が発生する。又、凸部及び凹部に付着した微粉は容易に分解清掃できないという問題があった。
【0007】
上記の問題に鑑み、本発明は、電極部分の分解清掃の頻度を低下し、清掃時間を短縮することができる焼成炉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、内部にヒータを備えた加熱室を有する炉体と、前記加熱室を囲み、一部に貫通孔を有する断熱材と、前記貫通孔を通り、前記ヒータに接続される電極とを有する焼成炉において、前記電極は、第1の電極と、第2の電極とを有し、前記第1の電極の前記貫通孔の内周面に対向する位置には遮蔽板が取り付けられており、前記第1の電極の一方の端部は、前記ヒータに接続され、前記第1の電極の他方の端部は、前記第2の電極に接続され、前記第2の電極は、前記第1の電極と接続された端部と反対の端部において絶縁体を介して前記炉体に固定され、前記貫通孔の内周面と前記遮熱板の外周面との間隙、及び、前記貫通孔の内周面と前記第2の電極の外周面との間隙が10mm以上であることを特徴とする焼成炉である。断熱材の貫通孔の内周面と遮熱板の外周面との間隙があることにより、電極と断熱材の絶縁が可能となる。又、セラミックスなどが高温で焼成される場合、水分や成形用バインダなどの助材成分、あるいは断熱材劣化によるカーボン粉、ハイドロカーボンなどが断熱材や電極の表面に付着し、漏電を起こす要因となる。しかし、本発明の第1の特徴に係る焼成炉では、断熱材の貫通孔と遮熱板の間隙を10mm以上にすることにより、断熱材や電極の表面にカーボン粉、ハイドロカーボンなどが付着しにくく、カーボン粉、ハイドロカーボンなどによって、電極と断熱材の間隙が埋められることもない。第1の特徴に係る焼成炉によると、絶縁低下が起こりにくいので、電極部分の分解清掃の頻度を低下させることができる。
また、電極は、遮蔽板が取り付けられた第1の電極と、炉体に固定された第2の電極とから形成されるため、電極部分を容易に分解することができ、貫通孔及び遮熱板の清掃を容易にすることができる。従って、設備効率及び生産効率を向上させることが可能となる。
【0009】
又、第1の特徴に係る焼成炉は、貫通孔の内周面と遮熱板の外周面との間隙に、加熱室へ向かう方向で不活性ガスを流しても良い。不活性ガスを流すことにより、電極部付近のカーボン粉、ハイドロカーボンの堆積を防ぎ、より安定した絶縁状態で焼結を行うことができる。又、不活性ガスを流すことにより清掃を行うため、分解が不要となり、清掃時間を大幅に短縮することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
第1〜第3の実施の形態において、ホットプレス方式の焼成炉を例にとり、説明する。ホットプレス方式は、カーボン治具内に原料粉末や成形体を充填、あるいは挿入し、10〜50MPaの一軸加圧下で焼成するもので、通常の常圧焼結では、緻密化が困難なセラミックス材料の焼成に適する。
【0012】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る焼成炉は、図1に示すように、焼成炉1の外枠である炉体5の内部に、断熱材9で囲まれた加熱室を有する。そして、炉体5の外部から炉体5及び断熱材9を貫通して、加熱室内のヒータ8に通電するための電極7が挿入されている。この断熱材9としては、炭素繊維マット等が使用可能である。又、電極7には、銅電極、カーボン電極等が用いられる。焼成の対象となる成形体又は粉体は、上ラム2と下ラム3の間に設置されている。成形体又は粉体はモールド4内に1枚または複数枚収容される。成形体又は粉体をヒータ8で加熱し、同時に上ラム2と下ラム3の上下から一軸性の油圧で圧力を加えることによって、焼結を促進する。
【0013】
図1における電極7部分を拡大すると、図2に示すように、断熱材9と炉体5には、電極を挿入するための貫通孔があり、断熱材9の貫通孔の表面はカーボン板11で覆われている。カーボン板11はビス12により断熱材9に止められている。電極は、第1の電極7aと第2の電極7bを備え、第1の電極7aは雌ネジ構造となっており、第2の電極7bと接続されている。例えば、第1の電極7aをカーボン電極とし、第2の電極7bを銅電極としても良い。電極7a、7bは、炉体5の外部から炉体5及び断熱材9を貫通し、第1のナット13によりヒータ8に接続されている。断熱材9の貫通孔内面に対向する位置には、第2のナット14により、電極7a、7bの外周を囲む円筒状の遮熱板10が固定されている。遮熱板10は、加熱室6内の熱輻射を外部に逃さないために貫通孔の一部を塞ぐように、電極7a、7bに設置される。遮熱板10は、断熱材を覆うカーボン製のケースから構成され、遮熱板10に用いられる断熱材としては、炭素繊維マット等が使用可能である。炉体5の外部に露出している電極7a、7bの末端は、樹脂製絶縁物15により覆われ、ボルト16により炉体5に固定されている。電極7a、7bと樹脂製絶縁物15の間、及び炉体5と樹脂製絶縁物15の間はOリング17で気密性を保つようにシールされている。樹脂製絶縁物15は、具体的には、MCナイロン、ベークライト等が使用可能である。
【0014】
ここで、断熱材9の貫通孔の内周面と遮熱板10の外周面との間隙aは、10mm以上である。又、断熱材9の貫通孔の内周面と電極7a、7bの外周面との間隙も10mm以上である。図2では、断熱材9の貫通孔をカーボン板11で覆っているので、カーボン板11の表面と遮熱板10の表面の間隙aが10mm以上となる。これらの間隙により、絶縁材等を使用することなく、電極7a、7bと断熱材9の絶縁が可能となる。又、セラミックスなどが高温で焼成される場合、水分や成形用バインダなどの成分、助剤成分あるいは断熱材劣化によるカーボン粉、ハイドロカーボンなどが電極7a、7bや断熱材9の表面に付着し、漏電を起こす要因となる。間隙a等を10mm以上にすることにより、電極7a、7bや断熱材9の表面にカーボン粉、ハイドロカーボンなどが付着しにくく、カーボン粉、ハイドロカーボンなどによって、電極7a、7bと断熱材9の間隙が埋められることもない。従って、電極部分の分解清掃の頻度を低下させることができる。尚、断熱材9とヒータ8の距離は10mm以上としても構わない。
【0015】
又、焼結処理を複数回繰り返し、電極7a、7bと断熱材9の絶縁性が低下した場合は、電極部分の分解清掃を行う。分解清掃の手順としては、まず、電極7a、7bの先端部にある第1のナット13を外し、第1の電極7aとヒータ8を分離する。その後、第2のナット14を緩め、遮熱板10を取り外し、清掃を行う。併せて、カーボン板11の内面を清掃する。図2では、第2のナット14は遮熱板10の前に存在するが、後にあっても差し支えない。この場合、第1の電極7aを接続箇所であるネジ部において第2の電極7bから取り外した後、別途、遮熱板10と第2のナット14を分離してもよい。
【0016】
第1の実施の形態に係る焼成炉によると、電極部分の分解清掃の頻度を低下させ、又、分解清掃を容易にすることができる。従って、設備効率及び生産効率を向上させることができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る焼成炉は、図1に示すように、第1の実施の形態に係る焼成炉と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0018】
第2の実施の形態に係る電極7の部分は、図3に示すように、第1の実施の形態に係る電極7部分にガスフロー配管19が追加された構造である。ガスフロー配管19部分以外の構造は、第1の実施の形態に係る電極7部分と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0019】
ガスフロー配管19は、炉体5外部から炉体5及び断熱材9を貫通して、断熱材9の貫通孔の内周面と遮熱板10の外周面との間隙bに、窒素等の不活性ガスを、加熱室6へ向かう方向で流す。ガスフロー配管19は、カーボン製であり、配管途中の温度が低い部分で金属と接続されても構わない。ガスフロー配管19の内径は2〜3mmで、8〜9kg/cm2程度のガス圧で炉外5からのガス噴射装置(GUN)により不活性ガスを供給する。又、炉体5の外部に露出しているガスフロー配管19は、樹脂製絶縁物15により覆われ、ボルト16により炉体5に固定されている。ガスフロー配管19と樹脂製絶縁物15の間、及び炉体5と樹脂製絶縁物15の間はOリング17で気密性を保つようにシールされている。樹脂製絶縁物15は、具体的には、MCナイロン、ベークライト等が使用可能である。
【0020】
又、図3では、ガスフロー配管19は上下2箇所に備えられているが、カーボン粉、ハイドロカーボンなどは下部に堆積しやすいため、少なくとも下の部分に1箇所設置することが必要である。更に、寸法の制約がない限り、4箇所、8箇所など複数のガスフロー配管19を備えても構わない。
【0021】
ここで、断熱材9の貫通孔の内周面と遮熱板10の外周面との間隙bは、10mm以上である。又、貫通孔の内周面と電極7a、7bの外周面との間隙も10mm以上である。図3では、断熱材9の貫通孔をカーボン板11で覆っているので、カーボン板11の表面と遮熱板10の表面の間隙bが10mm以上となる。これらの間隙により、絶縁材等を使用することなく、電極7a、7bと断熱材9の絶縁が可能となる。又、セラミックスなどが高温で焼成される場合、水分や成形用バインダなどの成分、助剤成分あるいは断熱材劣化によるカーボン粉、ハイドロカーボンなどが電極7a、7bや断熱材9の表面に付着し、漏電を起こす要因となる。間隙b等を10mm以上にすることにより、電極7a、7bや断熱材9の表面にカーボン粉、ハイドロカーボンなどが付着しにくく、カーボン粉、ハイドロカーボンなどによって、電極7a、7bと断熱材9の間隙が埋められることもない。尚、断熱材9とヒータ8の距離は10mm以上としても構わない。
【0022】
更に、この間隙bに不活性ガスを流すことにより、加熱室内におけるカーボン粉、ハイドロカーボン、助材成分の揮発分などの堆積を防止でき、より安定した絶縁状態で焼結を行うことができる。
【0023】
又、第2の実施の形態に係る焼成炉は、焼結処理を複数回繰り返し、電極7a、7bと断熱材9の絶縁性が低下した場合は、電極部分の分解をせず清掃を行うことができる。即ち、炉外より不活性ガスを間隙bに吹き付けることにより堆積物を除去するため、分解が不要となる。従来、分解、清掃、組み立てに8時間程度かかっていたが、第2の実施の形態に係る焼成炉は、10分程度で清掃が可能となる。間隙bに不活性ガスを流す処理は、焼成中に行っても、焼成中以外で行っても構わない。焼成中に不活性ガスを流す処理を行うと、清掃時間が不要となり、設備効率及び生産効率を向上させることに貢献する。
【0024】
第2の実施の形態に係る焼成炉によると、不活性ガスを流すことにより、電極部付近のカーボン粉、ハイドロカーボンの堆積を防ぎ、より安定した絶縁状態で焼結を行うことができる。又、清掃時間を大幅に短縮することができる。
【0025】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る焼成炉は、図1に示すように、第1の実施の形態に係る焼成炉と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0026】
第3の実施の形態に係る電極7の部分は、図4に示すように、第1の実施の形態に係る電極7部分にガスフロー配管20、21が追加された構造である。ガスフロー配管20、21部分以外の構造は、第1の実施の形態に係る電極7部分と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0027】
第1のガスフロー配管20は、樹脂製絶縁物15を貫通して、加熱室6へ窒素等の不活性ガスを供給する。電極7a、7bの外側を覆う第2のガスフロー配管21は、第1のガスフロー配管20から供給された不活性ガスを、断熱材9の貫通孔の内周面と遮熱板10の外周面との間隙cに流す。第2のガスフロー配管21は、炉体5及び断熱材9に固定されている。第1のガスフロー配管20の内径は2〜3mmであり、第2のガスフロー配管21は電極7a、7bよりも大きい直径を有する。ガスフロー配管20、21には、8〜9kg/cm2程度のガス圧で炉外5からのガス噴射装置(GUN)により不活性ガスが供給される。又、炉体5の外部に露出している第1のガスフロー配管20は、樹脂製絶縁物15により覆われ、ボルト16により炉体5に固定されている。第1のガスフロー配管20と樹脂製絶縁物15の間、及び炉体5と樹脂製絶縁物15の間はOリング17で気密性を保つようにシールされている。樹脂製絶縁物15は、具体的には、MCナイロン、ベークライト等が使用可能である。
【0028】
又、図4では、第1のガスフロー配管20は上下2箇所に備えられているが、1箇所でも構わず、寸法の制約がない限り、4箇所、8箇所など複数の第1のガスフロー配管20を備えても構わない。
【0029】
ここで、断熱材9の貫通孔の内周面と遮熱板10の外周面との間隙cは、10mm以上である。又、断熱材9の貫通孔の内周面と電極7a、7bの外周面との間隙も10mm以上である。図4では、断熱材9の貫通孔をカーボン板11で覆っているので、カーボン板11の表面と遮熱板10の表面の間隙cが10mm以上となる。これらの間隙により、絶縁材等を使用することなく、電極7a、7bと断熱材9の絶縁が可能となる。又、セラミックスなどが高温で焼成される場合、水分や成形用バインダなどの成分、助剤成分あるいは断熱材劣化によるカーボン粉、ハイドロカーボンなどが電極7a、7bや断熱材9の表面に付着し、漏電を起こす要因となる。間隙c等を10mm以上にすることにより、電極7a、7bや断熱材9の表面にカーボン粉、ハイドロカーボンなどが付着しにくく、カーボン粉、ハイドロカーボンなどによって、電極7a、7bと断熱材9の間隙が埋められることもない。尚、断熱材9とヒータ8の距離は10mm以上としても構わない。
【0030】
更に、この間隙cに不活性ガスを流すことにより、加熱室内におけるカーボン粉、ハイドロカーボン、助材成分の揮発分などの堆積を防止でき、より安定した絶縁状態で焼結を行うことができる。
【0031】
又、第3の実施の形態に係る焼成炉は、焼結処理を複数回繰り返し、電極7a、7bと断熱材9の絶縁性が低下した場合は、電極部分の分解をせず清掃を行うことができる。即ち、炉外より不活性ガスを間隙cに吹き付けることにより堆積物を除去するため、分解が不要となる。従来、分解、清掃、組み立てに8時間程度かかっていたが、第3の実施の形態に係る焼成炉は、10分程度で清掃が可能となる。間隙cに不活性ガスを流す処理は、焼成中に行っても、焼成中以外で行っても構わない。焼成中に不活性ガスを流す処理を行うと、清掃時間が不要となり、設備効率及び生産効率を向上させることに貢献する。
【0032】
第3の実施の形態に係る焼成炉によると、不活性ガスを流すことにより、電極部付近のカーボン粉、ハイドロカーボンの堆積を防ぎ、より安定した絶縁状態で焼結を行うことができる。又、清掃時間を大幅に短縮することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。以下の実施例及び比較例では、図1に示すホットプレス方式の焼成炉を用い、窒化アルミニウムを含むセラミックス成形体の焼結を行った。電極構造は、第1の実施の形態に係る図2に示す構造を用いた。
【0034】
(実施例1)
図2に示す電極構造の遮熱板10とカーボン板11の間隙a、及び断熱材9の貫通孔の内周面と電極7a、7bの間隙を20mm、遮熱板10の直径を100mmとした焼成炉を用い、セラミックス成形体の焼結を行った。焼結の条件は、焼結温度1900℃、焼結時間4時間、窒素雰囲気とした。そして、1回の焼結が終わるごとに、室温付近で断熱材とヒータの間の絶縁抵抗を測定し、抵抗値と焼成回数の関係を調査した。この結果、表1に示すように、200回以上焼結を行っても抵抗値が150Ω以下に下がらないことが確認できた。設備に付帯した電気部品が正常に作動するための許容漏電電流とヒータに印加する電圧から、10倍の安全率を持つ抵抗値を算出すると、150Ωとなる。10倍の安全率を持つので、焼成時の高温で絶縁抵抗が低下しても、一定の抵抗値を保持することができる。
【0035】
(実施例2)
図2に示す電極構造の遮熱板10とカーボン板11の間隙a、及び断熱材9の貫通孔の内周面と電極7a、7bの間隙を10mm、遮熱板10の直径を100mmとした焼成炉を用い、セラミックス成形体の焼結を行った。焼結の条件は実施例1と同様であった。そして、1回の焼結が終わるごとに、室温付近で断熱材とヒータの間の絶縁抵抗を測定し、抵抗値と焼成回数の関係を調査した。この結果、表1に示すように、200回以上焼結を行っても抵抗値が150Ω以下に下がらないことが確認できた。
【0036】
(比較例1)
実施例1〜2に対する比較例1として、図2に示す電極構造の遮熱板10とカーボン板11の間隔a、及び断熱材9の貫通孔の内周面と電極7a、7bの間隙を7.5mm、遮熱板10の直径を100mmとした焼成炉を用い、セラミックス成形体の焼結を行った。焼結の条件は実施例1と同様であった。そして、1回の焼結が終わるごとに、室温付近で断熱材とヒータの間の絶縁抵抗を測定し、抵抗値と焼成回数の関係を調査した。この結果、表1に示すように、焼結を30回行った時点で、抵抗値が150Ω以下まで下がることが確認できた。
【0037】
(比較例2)
実施例1〜2に対する比較例1として、図2に示す電極構造の遮熱板10とカーボン板11の間隙a、及び断熱材9の貫通孔の内周面と電極7a、7bの間隙を5mm、遮熱板10の直径を100mmとした焼成炉を用い、セラミックス成形体の焼結を行った。焼結の条件は実施例1と同様であった。そして、1回の焼結が終わるごとに、室温付近で断熱材とヒータの間の絶縁抵抗を測定し、抵抗値と焼成回数の関係を調査した。この結果、表1に示すように、焼結を10回行った時点で、抵抗値が150Ω以下まで下がることが確認できた。
【0038】
【表1】
Figure 0004341890
(結果)
比較例1、2が焼成回数10〜30回で、抵抗値が150Ω以下まで下がることに対し、実施例1、2は、焼成回数を200回以上行っても抵抗値が下がらなかった。このため、遮熱板10とカーボン板11の間隔aを10mm以上とすることで、電極部分の分解清掃の頻度が低下し、メンテナンス費用が軽減できることが確認できた。
【0039】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかである。
【0040】
例えば、本発明の第1〜第3の実施の形態において、加圧式の焼成炉について説明したが、加圧式に限らず無加圧式の焼成炉を用いても構わない。又、加圧式の焼成炉についても、ホットプレス焼結に限らず、ガス圧焼結や熱間等方圧焼結を行う焼成炉を用いても構わない。
【0041】
又、図2〜図4において、断熱材9の貫通孔の内周面は、カーボン板11で覆われていると説明したが、この材質はカーボンに限らず、カーボンコンポジット板、BN、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの耐熱性のあるセラミック等でも構わない。更に、断熱材9の貫通孔の内周面及びカーボン板11の形状は、図2〜図4の構造に限らず、図5に示すような凸型構造でも構わない。又、断熱材9の貫通孔の内周面をカーボン板11等で被覆しない構造としても構わないが、カーボン板11で断熱材9を被覆することにより、エッジ部分からの毛羽立ちを防止し、絶縁を確保することができる。
【0042】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0043】
【発明の効果】
本発明によると、電極部分の分解清掃の頻度を低下し、清掃時間を短縮することができる焼成炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第3の実施の形態に係る焼成炉の断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る焼成炉の電極部分の断面図である。
【図3】第2の実施の形態に係る焼成炉の電極部分の断面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る焼成炉の電極部分の断面図である。
【図5】その他の実施の形態に係る焼成炉の電極部分の断面図である。
【符号の説明】
1 焼成炉
2 上ラム
3 下ラム
4 モールド
5 炉体
6 加熱室
7 電極
7a 第1の電極
7b 第2の電極
8 ヒータ
9 断熱材
10 遮熱板
11 カーボン板
12 ビス
13 第1のナット
14 第2のナット
15 樹脂製絶縁物
16 ボルト
17 Oリング
19 ガスフロー配管
20 第1のガスフロー配管
21 第2のガスフロー配管

Claims (2)

  1. 内部にヒータを備えた加熱室を有する炉体と、
    前記加熱室を囲み、一部に貫通孔を有する断熱材と、
    前記貫通孔を通り、前記ヒータに接続される電極とを有する焼成炉において、
    前記電極は、第1の電極と、第2の電極とを有し、
    前記第1の電極の前記貫通孔の内周面に対向する位置には遮蔽板が取り付けられており、前記第1の電極の一方の端部は、前記ヒータに接続され、前記第1の電極の他方の端部は、前記第2の電極に接続され、
    前記第2の電極は、前記第1の電極と接続された端部と反対の端部において絶縁体を介して前記炉体に固定され、
    前記貫通孔の内周面と前記遮熱板の外周面との間隙、及び、前記貫通孔の内周面と前記第2の電極の外周面との間隙が10mm以上であることを特徴とする焼成炉。
  2. 前記貫通孔の内周面と前記遮熱板の外周面との間隙に、前記加熱室へ向かう方向で不活性ガスを流すことを特徴とする請求項1に記載の焼成炉。
JP2003033745A 2003-02-12 2003-02-12 焼成炉 Expired - Lifetime JP4341890B2 (ja)

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