実施の形態1.
図1は本発明の空気調和機のシステム構成図で、冷凍サイクルおよび制御システムを含む構成図である。本発明の空気調和機を図1に示す様に、室内機と室外機を有するセパレート形空気調和装置の例で説明する。冷凍サイクルは吐出配管、吸入配管2、3を通して冷媒を循環させる圧縮機1、冷房、暖房など設定される運転モードに応じて冷媒の流れる方向を切り替える電子制御式膨張弁などが使用される冷媒流路切換え弁5(以下四方弁と称す)、室外機側に配置され外気と冷媒間の熱交換を行う室外側熱交換器8、冷媒を膨張させる減圧装置7、室内機側に配置され室内空気と冷媒との熱交換を行う室内側熱交換器6、などを配管で接続されて構成している。室内機は一つでも複数でも良いし、また室内機が室外機から遠く離れて設置されていてもガス側延長配管13や液側延長配管14にてそれぞれの配管接続口13a、13b、14a、14bにより接続できる。また冷凍サイクルに冷媒量の調整が可能なアキュムレータ4などを設けても良いし必要なければ外してもかまわない。
室内側熱交換器6の熱交換は室内フアンモータ10により駆動される室内ファン9により行われ、室外側熱交換器8の熱交換は室外フアンモータ12により駆動される室外ファン11により行われる。それぞれのファンモータの駆動制御は、室内制御装置15、室外制御装置16にて設定され、室内ファン駆動部15b、室外ファン駆動部16bにて行われる。即ち空気調和機の操作に使用する集中制御装置、例えばリモコン22にて空気調和機の運転停止、運転モード切換え、温度設定値の変更等が行われる。更には、必要に応じ風速の変更、運転時間をタイマーで設定など多くの機能がリモコン22には設けられている。リモコン22からの赤外線信号は室内機31に設けられたリモコン受光部15cを介して、室内制御装置15から室外制御装置16に通信線により伝送される。室内制御装置15にて換気排気ファン駆動部15aを通して換気排気用ダクト202を通して室外への排気などを行う換気排気装置201の運転停止など、また抗酸化剤放出コントロール部15dを通して面状ヒーターのオンオフを制御し植物抽出剤を加熱して徐放量をコントロールするし、また一方室外制御装置16にて圧縮機駆動部16aを通して圧縮機の運転停止や周波数の調整など、減圧装置7の開度調整等、また真空ポンプ駆動部16cを通して真空ポンプ102の運転停止などを行う。
真空ポンプ102は酸素富化膜101を通過させて外気を吸い込み酸素の多い空気となり、酸素富化空気様ダクトの室外機側103aから室内機側103bを介して室内機内に設けられた酸素富化空気の吹出口105から吹出され、室内ファンにより室内空気と混合される。また必要な長さに応じてダクト104を接続ジョイント104a、104bにて接続して延長することが出来る。本発明の空気調和機の冷媒を循環させている圧縮機1の回転制御としては回転速度が可変可能なインバータ駆動方式を使用するとした場合、室内機に取り付けた室内制御装置15が室内機内蔵の室温検出サーミスタ19により検知された室温と、リモコン22により所望する室内空調条件として設定された設定温度との差を算出して、室外機に設けた室外制御装置16に運転情報を伝送する。この室外制御装置16は、室内制御装置15からの運転情報に基づき自動的に圧縮機駆動回転数の制御を行い、これにより圧縮機から吐出する冷媒を凝縮器側熱交換器、減圧装置、蒸発器側熱交換器から形成される冷凍サイクル内を循環させている。冷媒は炭化水素や炭酸ガスのような自然冷媒や塩素を含まないR410Aのような代替フロンガスなどを使用することにより自然環境対策となる。
室外機には、室内空気に対し酸素濃度を高める酸素富化膜101を内蔵し酸素富化膜支持構造体45と酸素富化膜101を内蔵するユニットと真空ポンプ102を備えるとともに、室外機内に収納され真空ポンプ102を介して酸素富化膜内蔵ユニットに接続した酸素富化空気用ダクト(室外機側)103aを備えている。この酸素富化膜101で生成した酸素富化空気を室内側へ導入するため室内機側と室外機側をダクトで接続する酸素富化空気用接続ダクト104を備え、その接続ジョイント104a、104bで容易に接続が可能である。又室内機には酸素富化空気用ダクト(室内側)103bとそれに接続されて酸素富化空気を室内に吹出すための酸素富化空気吹出し口105が設けられる。なお酸素富化空気用接続ダクト104及び室内機側の酸素富化空気用ダクト103Bは外径6mm程度の小径チューブを使用している。なお室外機1台に対し複数の室内機を設けるマルチシステムの場合は、各室内機には酸素富化空気用ダクト(室内側)103bとそれに接続されて酸素富化空気を室内に吹出すための酸素富化空気吹出し口105が設けられ、室外機内で分流されたり、あるいは室外制御装置16の制御で弁により供給先がコントロールされる。又同様に室外制御装置16の制御でダクト内乾燥用外気導入弁106を制御して、一定間隔で酸素富化空気用ダクト内に付着した結露水を乾燥させる運転を行うことが出来、室内機に余計な水分を送ることが無い。
酸素富化膜内蔵ユニットに用いる機能膜101は、空気中の酸素や窒素などの分子に対し、特に酸素を透過し易い機能膜、あるいは酸素富化膜であり、この酸素富化膜である機能膜を透過した空気は酸素濃度が高くなり、自然界の酸素濃度が約21パーセントであるのに対し、約30パーセントの濃度の空気を作り出すことが可能である。又酸素富化膜に空気を透過しやすくするため、この酸素富化膜を空気を通過させるため2次側に設けた真空ポンプ102により減圧することで高濃度酸素を抽出し、更にこの真空ポンプ102の吐出口から室内機の中へ高濃度酸素を導き、室内機が室内に室内ファン9により吹き出す空気と混合することにより室内の広い範囲にわたり高濃度酸素を含む空気を分布させることができる。
又室内機には換気装置201と換気用ダクト202を備えている。此処では換気用ダクト202には内径25mm口径のダクトを使用している。又各種制御に必要なセンサー類が設けられている。圧縮機の異常保護のため圧縮機温度サーミスタ17が圧縮機1に、冷凍サイクルの運転や空気温度など空調機運転のため室内機配管温度サーミスタ18が室内側熱交換器6に、室外機配管温度サーミスタが室外側熱交換器8に、圧縮機駆動や温度所運表示などに使用する室温検出サーミスタ19が室内機の空気吸い込み口に設けられている。これらの検出器は空調機の運転など必要に応じて減らしたり、あるいは冷凍サイクルを循環する冷媒の圧力検知などを増やしたりしている。更に、室内空気の汚れを検出する空質検知手段である室内空気汚れ検知センサー21を室内機の室内空気を吸い込む吸い込み口に設けており、このセンサー21により例えば室内の空気がタバコの煙に反応して汚れていると判断したときには換気装置201の換気排気ファン204を、室内の空気を室外に排気する方向、すなわち排気を行う回転方向に換気排気ファン駆動部15aにて駆動させ換気排気用ダクト202を通して室内から室外へ汚れた空気を排気する。又、このセンサー21が室内空気の汚れを所定基準以下と判断すれば、外気の空気を室内に吸気する回転方向に換気排気ファン駆動部15aにて換気装置201の換気排気ファン204を駆動させ室外の新鮮な空気を換気排気用ダクト202を通じて室内に取り入れる。
なお、空気質を検知する空気汚れ検知センサー21として、各種目的に応じたセンサー類が存在する。埃、花粉、タバコ、などに反応するセンサー、二酸化炭素濃度に応じて反応するセンサー、酸素濃度に反応するセンサーなど、さまざまに存在するので、検出したい対象成分に応じたセンサーを選択すればよい。もちろん複数のセンサーを設けても良いし、空気の汚れの種類に応じて、空気質を改善する装置を作動させることが可能になる。上記に説明した換気排気装置201ではなく、例えばタバコの煙を感知し室内機に取り付けた空気清浄装置28の電極に通電し電圧により空気をイオン化して空気の清浄化を図ったり、酸素濃度低下により酸素濃度を上げた空気を酸素富化膜101を有する酸素富化ユニットのポンプ102から供給したり、二酸化炭素が増加したことを検知した場合に換気排気装置201で外部から室内にフレッシュな外気を取り入れるなどが可能である。
なお此処では室内空気の空気調和を行い空気質を改善する空調機本体としてセバレート型空調機の室内機を中心に説明してきたが、室内から空気を吸い込み室内に空気を噴出すものであれば室外機・室内機一体型のものでも、室内との間をダクトで室内空気をやり取りするダクト型空調機でも良いことは当然である。この場合室内に一体型空調機を設ける場合は酸素富化ユニットや換気排気装置には室内と室外との空気導通路であるダクトを設けておけばよいし、ダクト通風の場合は空調機用ダクトを室内の範囲と考えて空気質を改善する装置を設ければ良い。
次に本発明の空調機本体の構造を、図2,図3により室内機の構造として説明する。図2aは前から見た室内機を示し、図2bはこの室内機の部分断面を示す図である。図2aが示すように室内機31の上部には格子状で示すように室内の空気を吸い込む空気吸い込み口があり、その下には化粧パネル30が周囲を取り囲む室内機本体54の中央部をカバーするように設けられ、その下部には吸い込んだ室内の空気を空調して吹出す吹出し口33が設けられている。この吹出し口33の上部で化粧パネルの境目には窓状の開口部32が配置されている。なお、この室内機の構造では吹出し口33の右端部には空調機を運転するスイッチや運転状況を表示する表示ランプなどが設けられている。
図2bの断面構造説明図が示すように室内機31の上部の空気吸い込み口には図の矢印35aのように空気の流れが内部に吸い込まれることを示している。又前面を覆う化粧パネル30の内部には上部から吸い込まれた空気の塵埃を取り除く集塵フィルター51が設けられ、その下部には室内側熱交換器6の下部に設置されドレン水を集めるドレンパン53の前に、植物抽出剤を貯蔵する透過膜、例えば一つの貯蔵用透過膜で覆われた包みの中に植物成分を含む液状の精油をいれたものや複数の粒子状の透過膜の中に粉末を入れたものなどを、ケースに収め、このケースを格納するケースホルダー40が室内機前面部に固定されている。このケースホルダー40のケース内の透過膜から室内機本体にあいた窓である開口部32が室内機外部である室内へ植物抽出剤が水蒸気分子やガスの形で徐々に放出され、そのときにこの植物抽出剤中の抗酸化剤が室内空気の中に放出される。更にこの窓である開口部32から植物抽出剤を貯蔵するケースを外部から覗くことが出来、半透明又は透明の膜を通して液の貯蔵量を確認したり、透過膜全体の変化により揮発して減少した量、即ち残留量を知ることが出来る。
又、室内機31の吹出し口33から室内へ空調された空気35bが吹き出されるのでこの吹出し流35bに吸い込まれるように化粧パネル前面の空気は矢印35cの流れのように吹出し口33からの吹き出した空気に混合される。このとき開口部32から抗酸化剤が室内空気の中に放出されるので室内空気への吹出し風へこの徐放された抗酸化剤が含まれることになる。
図3は室内機の斜視説明図であり、この図3にて別の室内機33の構造における開口部32から抗酸化剤が室内空気の中に放出される室内空気への吹出し風の流れを説明する。化粧パネル30には前面を開閉する前面パネル34があり、この前の空気は風の流れ35のように吹出し口33から吹出される噴流に吸い込まれるようにながれる。このとき室内機本体54に設けられた開口部32から徐放された抗酸化剤をも吸い出している。なお室内機の中央で、且つ、開口部32の横には空調機を運転するスイッチや運転状況を表示する表示ランプ、各種センサー類が設けられている。この室内機の内部には室内側熱交換器6、室内ファンモータ10により駆動される室内ファン9、室内制御装置15などが内蔵されている。
なお図2、図3の例では吹出口33近傍の吹出口の上部であって前面パネルの中に抗酸化物質を含む抗酸化物質徐放剤である植物抽出剤を貯蔵するとともに空気中に徐放する透過膜を有する保有体を設ける構造を説明している。このように抗酸化物質を徐放することは、第1に吹出口から吹出される室内に送り出される空調された空気の流れに揮発され、あるいは徐々に放出された抗酸化物を吸込まれる構成であれば、室内へ拡散させる特別な構造が無く、簡単な構造で安価なものとすることが出来る。したがって、吹出口の下部に室内機、即ち空調機本体の外部に取りつけたり、室内機内部の吹出口につながる風路内の壁面、例えば上面や側面や下面などから吸い出せる窓のようなものでも良い。
第2に吹出口の上部であれば室内に送風される風の中の上の部分の流体に先ず混合することが出来る。吹出し風の上部の流体は室内全体に拡散しやすいので特定の個所に集中せず何処に人がいても効果を得ることが出来る。更に室内全体に拡散しやすいということは、室内の壁や家具などが酸化によって色落ち、劣化、埃・ダニ・黴が酸化により腐敗し臭いが発生などを防ぐことが容易になる。抗酸化物質徐放剤に含まれる抗酸化物質としては、分子量の大きい高分子抗酸化剤では、たとえば、SOD、カタラーゼ、グルタチオン、リン酸グルコース、パーオキスターゼ、脱水素酵素などの酵素類、分子量の小さい低分子抗酸化剤では、たとえば、ビタミンE、C、B2、カテキンなどに代表されるポリフェノール類、フラボノイド、タンニン、カロチンなどがあげられる。この中から例えば、抗酸化物質徐放剤として、植物抽出剤であるローズマリー精油を使用する場合、比重が空気より重く、加熱などにより抗酸化物の放出量を増加させるコントロールしない場合でも、自然的に徐放される抗酸化物は徐々に吹出口などの室内機下部の方向へ下がり室内にいる人などへ良い影響を与える。吹出口の上部に抗酸化物を放出する保有体や窓である開口部32を設けるとは、室内機の外部でも、あるいは吹出口につながる風路の上面の壁でも良いということである。
なお植物抽出剤とは、例えばローズマリーの葉を水蒸気と1、3ブチレングリコールで蒸して出てきた気体では、水や1、3ブチレングリコールとローズマリーからの抽出物が交じり合ったものとなる。又精油として取り出したい場合は水蒸気で蒸して、出てきた液体の内油と水が分離するのでこの油を取り出す。この様に抗酸化物成分を含む植物から取出し、液体状あるいは粉末状にしたものが植物抽出剤であり、この植物抽出剤を他の有機物や無機物に混合したり練りこんだり坦持させたりなどで固形体としても良いことは当然である。又植物抽出という過程を経なくとも抗酸化作用の有る物質はすでに知られており。このような純物質を化学合成で製造することも出来る。即ち抗酸化物質徐放剤として抗酸化作用の有る物質を含むものであれば良く、且つ本発明はそのようなものを徐放させて空調機から吹出される空気中に混入し空気質を改善しようというものである。
第3に前面パネルの中に保有体を設けているが、前面パネルは集塵用のフィルター清掃などメインテナンスの為、簡単に開放できる様になっている。したがって、抗酸化物質を含む植物抽出剤を貯蔵している保有体の貯蔵量は空調機の運転に応じて減少していき、例えば1年ごとに取替えや充填が必要になっても簡単にこの保有体のメインテナンスが行える。なお空気中に徐放する透過膜を有するこの保有体の透過膜は貯蔵された植物抽出剤の残留量が目視可能なように透明部分もしくは半透明部分を有するので、室内機の外部から目視で窓である開口部32を通して残留量を確認することが出来る。なお残留量の確認は重さなどの物理量や、1年間などのあらかじめ設定した期限でも良い。
図4乃至図8は空気調和機本体の吹出し口近傍に設けられ抗酸化物質を含む抗酸化物質徐放剤である植物抽出液を貯蔵するとともに空気中に徐放する透過膜を有する保有体周りの構造を説明する図である。図4は保有体を説明する側面と断面を示す図で、包み状の透過膜37の内部に植物抽出液36が貯蔵されている。この保有体の透過膜37を通して植物抽出液から気化したガスが徐々に放出され内部の液は減少していく。図5はこの保有体を格納するケース38を説明する図で、ケースの斜視図並びに断面図である。ケース38は上部で二つに割れて内部に保有体を収納できる様になっている。ケース38の側面には複数の孔39が設けられており、この穴から徐放された抗酸化物がケースの外へ放出される。更にこの穴を通して内部の保有体の状況、例えば半透明な透過膜37を通して植物抽出液36の減り具合を覗き見ることが出来る。このようなケース39を使用することによりフレキシブルな包み状の透過膜を使用しても、複数の粒体状の抗酸化物質徐放剤を貯蔵する透過膜を使用しても、孔39の径の大小を変えたりするなどでケース内に収納できる。もちろんケース無しにケースホルダーに直接保有体である抗酸化物質徐放剤を貯蔵する透過膜をそのまま収納しても良い。
図6は室内機の前面パネルを開放した状態で見える構造で、この前面パネル内側に取りつけられた保有体の構造を説明する図である。透過膜37の中に抗酸化物を含む植物抽出剤36を貯蔵した保有体はケース38の中にしまわれている。このケース38を収納するケースホルダー40が前面パネル34を上に上げて開放すると見えてくる。ケースホルダー40はドレンパンなどと同様に室内機本体54に差し込まれて固定されるなど取りつけられ、プラスチック製で下にケース収納部が上に開放される蓋が付いている。図6ではこの蓋が開放されケース38が取り出された状態を示す。ケースホルダー40には前面に孔である残量確認窓42が、吹出口33の上部にある開口部32に対応した位置に設けられている。パネル内側には集塵用のフィルター51がフィルター枠57に取り付けられ室内機本体54等に固定されているが、このフィルターの固定状態での取りつけと、ケースホルダーの固定は、全く独立した別個のものであり、したがって、フィルター51の着脱とケース38の取替えは個々に別個行われるものである。
また図のようにフィルター51とケースホルダー40は相互に邪魔にならない様にフィルターの一部が切り欠きがあり、例えばケースホルダー40の着脱動作をスムースに行える様にしてある。図6ではフィルターを切り欠いて奥行きがこのフィルター51と同じ程度の位置にケースホルダー40を設ける構造を示したが、ケースホルダーをフィルターに無関係な位置に設けることによりそれぞれを独立して扱えるし、例えフィルターを化粧パネル側に出し入れ自在に固定すればフィルターの後側にケースホルダーを設けても独立したメンテナンスが行えることは当然である。なお図2、図3の説明では室内機の室内空気を吸込む吸込口3は上部に設けているが、前面に設けても良く、その場合は吹出口33につながる室内機の内部風路に開口部32を設けると良い。また図6のようにフィルターが前面パネル下端部のような下のほうまで伸びているが、この背部まで室内側熱交換器が存在し、上部から吸込まれた空気はフィルターを通り、熱交換器を通って空気調和が行われる。なお前面パネルを開くとケースの取っ手が見える構造であり、植物精油の残留量が無くなっても簡単に交換できる様に一目見ただけで誰でも扱える構造としている。
図7、8はケース38をケースホルダー40の内部に収納した説明図で、この時室内機の開口部32から残量確認窓である孔42が覗けるようになっている。ケーホルダー40の内部裏側を説明する図で、ケースホルダー40内部にはケース38に接触する形で面状ヒーター43が設けられている。ヒーターは通電することにより絶縁物で完全に覆われた電線ヒーターのような加熱体が加熱されケースを最大60℃くらいまでの温度にすることが可能である。したがってケース38はこの熱に十分耐えられる様ポリプロピレンなどを使用している。植物抽出剤の徐放時の放出速度は温度に依存し、例えば60℃では25℃の約20倍に加速される。このヒーターは、保有体を加熱して植物抽出剤の徐放量を変化させて抗酸化物質の放出量を調整する放出量調整手段としても受けられており、加熱以外の手段、例えばケースホルダー部へ気流の流をバイパスさせるなどの構造でも良く、効果的に放出量を調整できるものなら何でもよい。又、抗酸化物質を放出していることをリモコンや室内機に表示することで心理的にも生理的にも良い影響を与えるが、ヒーターをオンオフさせると放出量の揺らぎを発生し、このオンオフ、即ち放出量の大小の変化を画像で表示させることによりユーザーに対し覚睡作用や鎮静作用など一層の心理生理作用効果をも与えることが出来る。
以上説明した様に、図1−3に示す熱交換器8と送風機9からなる空気調和機の室内機
31は、図4に示す抗酸化作用をもつ1、8−シネオールを含むローズマリー、ユーカリなどの植物抽出液36をEVAコポリマーやポリエチレンなどの透過膜37で封止した保有体を図5−図8の様に内部に取りつけている。このように、植物抽出液36を透過膜37に封止することで、植物抽出液36に含まれる揮発成分の徐放量を調整する。抗酸化作用をもつ成分である1、8−シネオールはCH37Oを含む分子構造を持ち、ビタミンCやビタミンEに比べて分子量が小さく常温で揮発するため、透過膜7の材質、膜厚を選定することにより空気中への空調機停止時などの通常時の放出量を設定できる。これにたいし例えば肌細胞で活性酸素を除去する効果がある放出濃度と時間を維持する放出量を設定した放出量調整手段である加熱などでの放出量と透過膜内の貯蔵量から寿命を考えれば良い。実験結果などより透過膜は透明性の高い不織布であり数十ミクロンの厚みが望ましく、特に1、8−シネオールが比較的透過し易いことを考えると1年間以上の徐放寿命を確保するため厚みを厚く例えば50ミクロン以上、望ましくは60ミクロン程度の厚みのものを使用する。なお図5、図6の様に植物抽出液36の貯蔵した中間の位置で覗き窓から残留量を確認するようにしているが、これは植物抽出液中の抗酸化物の放出が比較的早いことから、この辺まで貯蔵液が減少すれば、抗酸化物の大半が放出されたとしてケース38の交換時期が来ていることを示している。
そして、透過膜37を透過した抗酸化作用をもつ1、8-シネオールを含む植物抽出液の揮発成分は、室内機31の室内ファンである送風機9の吹きだし口33の上部に設けられた開口部32から室内機31の外部に放出される。放出された揮発成分は室内機の前面のパネル34表面を吹きだし口33に向かって流れる風35に乗って、吹きだし口33から吹き出される風とともに室内に拡散する。このように、室内に拡散することで、人の皮膚表面や呼吸により肺から抗酸化物質が人の体に吸収され、更には室内にいるペット、室内に配置された家具や壁面にいたるまで良い影響を与える。なお、室内ファンが停止するとこの影響を受けてヒーターの温度が上昇することなどを考えて室内ファン停止時は面状ヒーターへの通電を停止するなど空調機の運転状況に合わせて抗酸化物質放出量を調整する放出量調整手段のオンオフや温度の設定を換えるなどの制御を行うことにより、木目細かな省エネルギー対策と空気質改善対策が可能になる。
図9ないし図13は酸素富化ユニットを空調機に設ける構造を説明する図である。図9は室内機31の前面パネル34を開放した状態の図で内部構造説明図、図10は空調機の室内機と室外機の接続概要図、図11は酸素富化装置の取りつけ説明図、図12は酸素富化装置の主要構成説明図、図13は酸素富化装置の動作説明図である。
図9の様に室内機の前面パネル34を上部に上げて開放すると、空気清浄装置28が左側略全体に設置され、このハニカム形状の風路が前面側から背面側に通しその後でフィルター51を通して吸込まれた室内空気から塵埃などが取り除かれ、更に室内側熱交換器6から室内ファン9を介して再び室内に吹出される。この間空気清浄装置28とフィルター51では空気が清浄化されるとともに熱交換器で冷却されたり温められたりする。向かって右側の室内空気を吸込んだ流を妨げないような吹出口に近い下端位置に、透過膜37を透過した抗酸化作用をもつ1、8−シネオールを含む植物抽出液を内蔵する保有体を収納するケースホルダー40が設置され、徐放される抗酸化物は熱交換器とは逆の方向である前面側へ放出する様に開口部32が位置している。酸素富化用吹出口105が熱交換器側を開口してケースホルダーの上部に図示しない取りつけ桟に固定され設けられている。更に、換気排気給排気口208が前面パネル34の直ぐ内側で、ケースホルダー40や開口部32とは離れた位置に設けられ、その開口は空気の流れとは直角方向の空調機の長手方向に向けられている。これにより室内空気を吸込み空気調和を行う空気の流れを極力乱さないようにしている。
即ち、空気調和機の室内空気を吸込み室内に再び戻すという空調機本体の内部構造を通過させるメインの流れに対し、開口部32、酸素富化用吹出口105、換気排気給排気口208はそれぞれ極力メインの空気の流に影響しないような位置および気流を発生させる開口の向きとするとともに、空気質を改善するそれぞれの装置の気流を発生させたり気流を乱す開口は、即ち空気清浄装置28の通風路、抗酸化物放出の開口部32、酸素富化用吹出口105、換気排気給排気口208は、即ちそれぞれの開口は、室内側熱交換器6に対する位置・方向の選択がそれぞれ相互に異なる位置で、且つ、相互に異なる方向に向けられ相互の効果が打ち消されない様、且つ、空気清浄の目的に対し相乗効果が得られるように選択される。
図10では壁を挟んだ室内には室内機31が壁に取り付けられ、室外には室外機55が設置され、室内機31と室外機55の間を図1で説明した冷凍サイクル用の配管が接続している。また酸素富化装置の酸素富化膜101、真空ポンプ102が室外機に配置されており、酸素富化用吹出口105が室内機に設けられているので、その間で酸素富化空気を室内側に流すダクト103bなどがやはり同様に室内機と室外機を接続している。又室内機から室外へ室内の汚れた空気を排気する等の為に換気排気用ダクト202が冷凍サイクルの冷媒を循環させる配管が壁や床面に設けられた孔と同じ孔を通した直接外部へ貫通させる。これにより無駄な穴をあける必要がない。
図11、図12では酸素富化装置の構成を説明する。酸素富化膜101を設けてある酸素富化ユニット44と真空ポンプ102は室外機55には位置され、この酸素富化膜101に新鮮な外気を送風する送風機として室外ファン11が使用される。真空ポンプ102にて室外機から酸素富化した空気が室内機に送られて酸素富化用吹出口105から室内機31の中へ吹出される。酸素富化用吹出口105が室内機の吸込み側に設けられているので、この酸素富化空気は室内空気と混合されて室内側熱交換器6で冷やされたり温められたりし、室内ファン9で再び室内へ戻される。これにより室内にいる人にリフレッシュ効果を与えることが出来る。
図12は真空ポンプ102に接続される酸素富化ユニット44が酸素富化膜101と減圧室を形成する酸素富化膜支持構造体45で構成されていることを示す。この酸素富化作用の動作を図13にて説明する。図13は保有体の正面図と断面図で、酸素富化膜支持構造体45が形成する減圧室は真空ポンプ102にて減圧されるとともに高濃度酸素空気を減圧室から室内機へ送り出している。一方広い面積を有する正面、もしくは裏面等にも設けられた酸素富化膜101の反減圧室側は室外ファン11の送風により1次空気として外気が導入されて通過し常に新鮮な外気が供給され、酸素富化膜101にて酸素が減圧室側へ取られるので窒素が高濃度になった2次側空気として再び大気中に放出される。
このように図11に示すように室外機55に酸素富化ユニット44と真空ポンプ102、送風機11を搭載することで、屋外の空気から酸素濃度の高い空気を取り出し、高酸素濃度空気を室内に放出する。酸素富化ユニットは図12に示すように、酸素富化膜101とその支持構造体45で構成されており、支持構造体45の内部を真空ポンプ102で大気よりも低圧にすることで、屋外の空気が酸素富化膜101を透過して支持構造体45内部に移動する。酸素富化膜101は酸素に比べて窒素を透過しないめ、支持構造体45内部に透過した空気の酸素濃度は高くなる。この酸素濃度が高くなった空気を真空ポンプの吐出力によりチューブであるダクトを通して室内機31に送り、室内機から部屋の中に放出することで、室内の酸素濃度を高めることができる。このように、室内の酸素濃度を高めることで、人が呼吸で体内に取り込む酸素量が増加し、細胞の代謝が活発になり、同時に活性酸素が発生しやすくなる。このとき、開口部32から抗酸化物質を同時に放出するようにすれば、抗酸化物質も同時に体内に取り込まれるため、抗酸化物質が活性酸素を消去する働きをして、酸化の悪影響を抑制することで、濃度の高い酸素を呼吸することの悪影響を抑制することができる。
図14−16は換気排気装置を説明する図である。図14は室内機31に室内ファン9とは別に換気排気ファン204を設けた構成を説明しており、換気排気ファンの回転方向を排気方向に回転させれば室内の汚れた空気を室内機の中から外部に排気することが出来る。一方このファンの回転方向を排気方向と逆回転させれば、新鮮な外気を室外から室内に導くことが出来る。この場合、図10にて示す様に換気排気ダクト202の外部の空気給排気口は酸素富化ユニット45、特に酸素富化膜101から離すことにより高濃度窒素を含む2次空気を外気として吸込むことを防止できる。これは換気装置と酸素富化装置を一緒に運転しないときにも室外機の配置によっては有効となる。又、換気排気給排気口208を室内機の中にも受ける構造を示したが、換気もしくは廃棄を行うのに都合の良い場所であれば例えば室内機の外であっても良いことは当然である。
図15は換気排気装置の分解説明図で、換気排気ファン204は換気排気モーターケーシング207に覆われた換気排気モーター205にて駆動され、換気排気ケーシングで周囲を覆われているので、室内機の中に配置されたとしても室内へ騒音を伝えることを押さえられる。この換気を行うか排気行うかの動作は図1で説明した様に室内空気汚れセンサーの検出結果等に基づき自動的に行われる。室内制御装置15に設けたマイコンに設定されたソフトウエアがセンサー信号を受けて判断し行う。
図16は室内機に換気排気装置を設けた構造の説明図である。換気排気装置201は室内機31の側部で室内制御装置15のような電機品が設置された端部とは反対側の端部に、室内側熱交換器6の通風面を妨げない様に配置される。この装置の給排気口208は同様に熱交換器6の通風面を妨げない熱交換器6吸込み面の端部に、その開口を熱交換器通風面と略直角に向けて給排気するように設けられる。なお熱交換器6の吸込み面である前面パネル側には34側には同様に酸素富化空気の吹出口105が設けられているが、給排気口208とは離して熱交換器6の中央より反対側に設け相互の干渉や排気時に高濃度酸素を排気するなどの無駄を防止している。。且つ、吹出口105の高濃度酸素を吹出す方向は熱交換器6の吸込み面を向いている。これにより室内ファン9の吸込み力により酸素富化膜を通す空気が例え真空ポンプの動力が低い状態でも有効に働くことになる。
なお以上の説明では各種空気質改善装置の各開口をフィルター部51の吸込み側の前面パネル34との間に設けている。これは室内ファン9の通風特性に与える影響を少なくするためである。空気清浄装置28の場合は電極に電圧を加え発生するオゾンやイオンなどで空気の汚れを清浄にし室内の空気にマイナスイオンを多すぎない自然界に存在する量を吹出させるために熱交換器6を通すことが有効であるが、この考えでは空気清浄装置28をフィルター部51と熱交換器6の間に設けても良い。次に換気排気装置の給排気口208は室内機の側部であって、酸素富化空気の吹出口105や抗酸化物質を放出する開口部32と熱交換器6の中央より反対側であれば相互の影響に問題がないため、特に前面パネルに近い位置でなくともよい。換気排気装置の給排気口208は室内機31の側面のメイン風路から外れた位置で、汚れた空気が対流する部分や直接室内への換気排気を行う位置などでも良く、比較的自由に選択できる。又、逆に酸素富化空気の吹出口105と抗酸化物質を放出する開口部32を配置する位置は換気排気装置の給排気口208と異なる位置であって、酸素富化空気の吹出口105は人体に向け全体的に分散されるようにすると良く、一方抗酸化物質を放出する開口部32は空気より比重が重い事と室内に広く分散することが良いので、室内に吹出す空気調和機の吹出し気流の上方に混合することが望ましい。即ち酸素富化空気の吹出口105は吸込み側に近いほうに設け、抗酸化物質を放出する開口部32は吹出し側に近いほうに設けると良い。
次に各種空気改善装置の運転についてを図1の制御システムに基づき説明する。既に説明した様に換気排気装置201は室内制御装置の設定に基づき、室内汚れ検知センサー21の信号を受けて換気と排気が行われるが、このセンサー無しでもリモコンに設けるスイッチにより手動で運転を行っても良い。又空気清浄装置28の動作についても換気排気装置201と同様に自動的、あるいは手動にて行うことが出来る。
酸素富化装置201と抗酸化物を放出する放出量調整手段43の動作については、リモコンに設けた1つの押しボタンスイッチにより、切換えて行うことが出来る。リモコン22の酸素・サプリメント用スイッチとして、1回押せば酸素富化空気の吹出口105から高酸素濃度空気の放出と開口部32から抗酸化物質の放出が同時に行われ、2回押すと前者のみが、3回押すと後者のみが、4回押すと両方ともオフする動作の様に、1つのスイッチで放出物などが切りかえられる。すなわちリモコンを手に取ったユーザーの気分や必要に応じて空気質改善の選択をすることが可能である。例え疲労が溜まったと感じた時には両方を一緒にオンさせる動作とし、普段は抗酸化物質の放出だけにしておくと1時間連続して抗酸化物質の放出が行われ、3時間休んだあと、また1時間連続して抗酸化物質の放出が繰り返され、良好な空気室を保つことが出来る。これらの運転状況はリモコンの液晶表示画面や室内機の表示部に表示されるので、現在どのような空気質改善が運転が行われているか、更には運転予定を含め読み取ることが出来る。
同様な動作を空気清浄装置と汚れた空気の排気の組合せ、抗酸化物質の放出と換気としての新鮮な空気の供給の組合せ、高濃度酸素空気の供給と換気の組合せなども、好みに合わせてリモコンのスイッチで行える。このスイッチは1つのスイッチによる選択でも、それぞれ別のスイッチによるオン動作でも良いことは当然である。又ユーザーが希望のメニューをリモコン内のマイコンに記憶させておけばエアコンの動作に応じて毎日同一動作のサービスが受けられる。この作業はリモコンのスイッチ操作で簡単に記憶させたり、記憶内容を変更させたりすることが可能である。以上までは空調機のリモコンスイッチの操作で説明してきたが、携帯電話のマイコンにリモコンと同様なソフトウエアを記憶させれば外部から予め設定しておくことが出来る。これにより帰宅する前に室内の空気質を改善しておき、最もリラックスできる状態を予め設定することが出来る。携帯電話の送信は自宅の中継器等を通じてエアコンに電力線や無線などで伝えられる。
この発明にかかわる室内から空気を吸い込み熱交換器と送風機を有し空気調和された空気を室内に吹出す空気調和機は、空気調和機の吹出し口近傍の開口部より抗酸化物質を空気中に徐放する透過膜を有する保有体を設け、更に室外空気中の酸素と窒素等を分離して酸素を透過する機能膜の酸素を透過する側に圧力差を発生させるポンプを有する酸素富化装置を設け、保有体から徐放される抗酸化物質の放出量を調整する放出量調整手段をオンオフし抗酸化物質を室内に放出するステップと、酸素富化装置のポンプをオンオフし酸素富化した空気を室内に吹出すステップと、を備え、放出量調整手段及びポンブの運転を切り替えて同時に運転したり、別々に運転させるものである。
更にこの発明は、空気調和機本体内部の空気と屋外の大気との間を連通する排気可能な排気口を設けた排気ダクトを室内から室外に通し、更に排気ダクトに接続され室内空気の排気を行う排気ファンとで形成される排気装置を設け、排気ファンの運転は、保有体から徐放される抗酸化物質の放出量を調整する放出量調整手段の運転及び前記酸素富化装置のポンプの運転と、異なる時間帯で行う。これにより、室内の空気質を改善している最中に室内空気を排気するなどの無駄な動作が無くなり省エネルギーにも効果がある。
又この発明は、空気調和機本体内に吸い込んだ室内空気を電極に電圧を加えて清浄化する空気清浄装置を設け、空気清浄装置の電圧印加は、保有体から徐放される抗酸化物質の放出量を調整する放出量調整手段の運転と前記酸素富化装置の前記ポンプの運転と、異なる時間帯で行うことで、あるいは換気装置をも動かさない様にすることで、電力の使用を集中することなくピーク電力を抑えることが出来、電気代を少なくすることになる。又環境対策としても有効である。
又この発明は、図14に示すように、室内機に排気用送風機204を設置することで、喫煙等で室内に生じた窒素酸化物NO2など酸化刺激をもつ汚染物質を屋外に排気する。ここで、排気用送風機は室外機に設置しても良い。このように、室内の空気を屋外に排出することで窒素酸化物等の汚染物質は屋外に排出されるが、汚染物質が完全に排出されるまでには時間がかかるため、それまでの間、人は汚染物質の酸化刺激を受けることになる。このため、リモコンのスイッチを動作させて前述した、抗酸化物質を室内に放出することにより、汚染物質と同時に抗酸化物質を吸収することにより、人体が汚染物質から受ける酸化刺激を抑制することができる。又リモコンのスイッチは、抗酸化物質を室内に放出することと酸素濃度を高めた空気を室内に供給することを同時に行うスイッチに切りかえる様にすると、細胞の活性を高めると同時に、抗酸化物質も室内に供給することで、皮膚または肺から抗酸化物質を体内に摂取し、体内で発生する活性酸素が細胞へ与える悪影響を抑制することが出来る。排気用送風機204の運転を室内機の空気清浄とは別個に、即ち空調機の冷凍サイクルや室内ファンを停止した状態で単独にて行っても良い。その場合、エアコンは冷房や暖房などの運転をしないで停止していても排気用送風機204を回転させて排気が行えるだけでなく、新鮮な空気を室内に供給し、且つ、同時に抗酸化物質を室内に放出したり、酸素濃度を高めた空気を室内に供給することも出来る。即ち空気調和における温度の調整に無関係な空気質改善が行える。
またこの発明は、空気調和と同時に喫煙等で汚れた室内の空気を屋外に排出することで、汚染物質を除去しつつ、抗酸化物質を室内に放出することで、汚染物質による肌や肺の細胞への酸化の影響を抑制することで、空気の汚れによる体への悪影響を抑制することである。又この発明は濃度の高い酸素を呼吸することにより、体の細胞は活性化されるが、同時に、細胞での活性酸素の発生量も増加させ健康を保つことが出来る。揮発性が高く、空気中に容易に拡散する抗酸化物質を含む植物抽出液の揮発成分を空気調和機から空気中に放出することで、呼吸による肺細胞への接触および血中への溶解、または、皮膚表面へ接触により、細胞に対して抗酸化作用をおよぼして細胞膜の脂質が酸化されえることによる悪影響を抑制することで、酸素濃度の高い空気を呼吸すること悪影響を抑制する。
また、喫煙や多くの人の存在・往来、車の排気ガスの影響などによって発生する窒素酸化物等で汚れた室内や車内の空気を屋外や社外に排出しつつ、前記抗酸化物質を放出することにより、汚染物質による肌や肺の細胞が酸化されることを抑制することで、空気の汚れによる体への悪影響を抑制することである。これらにより、住宅内環境、病院や公的設備などの屋内環境、自動車・電車などの車内環境、ペットや動物飼育場所における室内環境などにおける空気質を改善でき、ストレスを抑えたり、健康の保持、病気や寿命の改善などを簡単な構造でエネルギーを使わずに達成させることが出来る。
1 圧縮機、 2 吐出配管、 3 吸入配管、 4 アキュムレータ、 5 四方弁、 6 室内側熱交換器、 7 減圧装置(電子制御式膨張弁)、 8 空気調和機の室内機、 9 室内ファン、 10 室内ファンモーター、 11 室外ファン、 12 室外ファンモーター、 13 ガス側延長配管、 14 液側延長配管、 15 室内制御装置、 16 室外制御装置、 17 圧縮機温度サーミスタ、 18 室内機配管温度センサー、 19 室温検出サーミスタ、 20 室外機配管温度サーミスタ、 21 室内空気汚れ検知センサー、 22 リモコン、 28 空気清浄装置、 31 室内機、 32 開口部、 33 吹出し口、 34 前面パネル、 35 風の流れ、 36 植物抽出剤(抗酸化作用を持つ1,8-シネオールを含む植物抽出液) 37 透過膜、 38 ケース、 39 孔、 40 ケースホルダー、 42 残量確認窓、 43 面状ヒーター、 44 酸素富化ユニット、 45 酸素富化膜支持構造体、 51 フィルター、 53 ドレンパン、 54 空調機本体(室内機本体)、 55 室外機、 56 冷凍サイクル配管、 57 フィルター枠、 101 酸素富化膜、 102 真空ポンプ、 103 酸素富化空気用ダクト、 104 空気用ダクトの接続ジョイント、 105 酸素富化空気の吹出口、 106 ダクト内乾燥用外気導入弁、 201 換気排気装置、 202 換気排気用ダクト、 204 換気排気ファン、 205 換気排気モーター、 206 換気排気ケーシング、 207 換気排気モーターケース、 208 換気排気給排気口。