JP4340003B2 - 管および導管の現場形成局部的修理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管や導管などに局部的修理および補強材を現場で形成して取り付ける方法および装置の改良に関する。特に本発明は、管または導管を露出または破壊する必要なくそれの端部の1つまたは複数から作業することによって管または導管内に修理または補強材を取り付けるいわゆる無掘削技法(trenchless technology)、および硬化性樹脂を含浸させた繊維強化材料から現場で形成されたスリーブを内部に取り付け、その硬化性樹脂の硬化過程中、膨張チューブまたはバッグの圧力によってその修理または補強材を管または導管の内壁と密接した状態に維持することによって管または導管を修理または補強するいわゆるソフト修理(soft repair)システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
下水管、水道本管、ガス本管などの管または導管の運用および維持管理では、頻繁に修理を行う必要がある。地中にあるそのような管および導管の破損は、最も一般的には、局部的地面移動、本管および引き込み管間の不等移動、全体的腐食、および局部的に流れが衝突することによる浸食によって発生する。最近の環境保護政策は、そのような管または導管からの漏れ、またはそれらへの漏れを容認できないものと見なし、そのような破損の検出時には作業員がそれを修理することを求められるのが一般的である。その結果、地中または他の接近し難い管および導管の局部的現場修理が頻繁に必要であり、このために様々ないわゆる無掘削技法が開発されている。
【0003】
下水配管の特別な問題は、下水本管またはその近くの引き込み支管の破損である。下水本管は、通常は前処理を行った基礎の上に敷設されているため、位置的に安定している。しかし、引き込み管は単にトレンチに敷設され、計画的でない場合、本管に割り込ませ、計画的である場合、斜めの分岐管に接続される。その場合、引き込み管の大部分が沈下すると、本管に固定されている部分から破断する。他の一般的な破損形式として、詰まりを取り除くための配管工によるプランジングによる境界トラップ(boundary traps)の破損、不等沈下によって発生する配管の破損、不十分な接合のための木の根の貫入がある。
【0004】
下水管の局部的現場修理のために様々な方法が開発されている。下水本管などの、直接的に接近できる管または導管に修理が必要な場合、オーストラリア特許第35101/93号に開示されているような装置および方法を用いることができるであろう。この特許は、硬化性樹脂含浸修理材料を組み付けた膨張式フォーム(inflatable form)を開示しており、その全体を予定の修理場所にウィンチで送り込む。次に膨張式フォームを高温水流で膨張させて、修理材料を下水管の内壁と密着させ、硬化が完了するまでその状態を維持する。次に、膨張式フォームを収縮させて引き出すと、硬化した修理材がその場所に残る。直接的な接近が困難である引き込み支管の修理が必要な場合、オーストラリア特許第49722/93号に開示されているような装置および方法を用いることができるであろう。この方法では、引き込み支管開口部に近い位置で下水本管内にランチャーユニット(launcher unit)を配置する。次に、流体圧力を用いて硬化性樹脂を含浸させた繊維強化材料製の閉鎖端部チューブをランチャーから突き出して引き込み管内へ外転させる。外転圧力を維持することによって、硬化が完了するまで修理材料を所定位置で引き込み管の内表面に密着した状態に保持する。次に、ランチャーを取り出し、修理部の閉鎖端部を切り取ることによって、引き込み管を再び開口させる。
【0005】
この後者の方法では、強化材料チューブが下水本管から修理場所を越える位置まで延在できる充分な長さを有する必要がある。したがって、予定の目的を達成するための修理部自体の長さが1メートル程度にすぎなくても、修理場所が本管からある程度離れている場合、無駄に長くする必要がある。また、引き込み支管内の修理場所が下水本管から遠い場合、修理材料が外転中に接合部やトラップなどの小半径のベンドを横切る必要があるであろう。その方法ではこれを確実に行うことができない。引き込み支管の引き込み端部から修理材料を配置しようとしても、同様な問題が存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長い管や導管などのいずれの場所でも、接合部や小半径のベンドを横切る必要性に関係なく、またその管や導管などを破壊する必要なく、局部的現場形成修理または補強材を確実に取り付けるための装置および方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、軟質の繊維強化材料のチューブに硬化性樹脂を含浸させて、適当な軟質可撓性の不透過性材料製の取り付けスリーブ内の適当な位置に部分的にのみ取り付ける。この強化材料を引きはがし可能な接着材などで取り付けスリーブの内表面に固定する。この取り付けスリーブに1つの閉鎖端部が設けられ、それの内部に細く強い可撓性ガイドテープまたはコードが取り付けられて、取り付けスリーブの全長に延びてそれの開放端部から適当な距離だけ延出している。細く強い可撓性回収テープまたはコードが閉鎖端部の外側に、その取り付けスリーブの長さを適当に超える長さで取り付けられている。取り付けスリーブの閉鎖端部に1つまたは複数の調整通気開口が設けられている。
【0008】
強化材料および取り付けスリーブのアセンブリをドラムに巻取るが、回収テープまたはコードの自由端部から巻き始め、続いて取り付けスリーブをその閉鎖端部から巻取る。次に、ドラムを加圧式閉鎖容器内のシャフトに設置し、ガイドテープまたはコードと取り付けスリーブの開放端部とを半径方向に配置された送り出しチューブから引き出すが、この送り出しチューブの基端部には取り付けスリーブをコンパクトな形に折り畳む作用をする装置が設けられている。当然ながら、このドラムを加圧式容器内の所定位置に置いておき、短い添え金(bridle)に連結された回収テープまたはコードおよび取り付けスリーブを送り出しチューブに通して進入させてドラムに取り付けて、ドラムの回転によって取り付けスリーブおよび強化材料のアセンブリを送り出しチューブからドラム上まで引き込むようにしてもよい。送り出しチューブは加圧式容器に固定された短尺部分と、修理または補強を行おうとする引き込み支管内への出入り開口に到達するために必要な所望長さに形成された1つまたは複数の取り外し式延出部分とを有する。次に、取り付けスリーブの開放端部を送り出しチューブの先端部に密封状に固定し、ガイドテープまたはコードを送り出しチューブの端部の外側に巻き付けて展開できるように準備する。引き込み支管を適当に洗浄した後、送り出しチューブの先端部を引き込み支管の引き込み端部への出入り開口付近にそれに整合させて配置し、ガイドテープまたはコードを引き込み支管内へ放し、大量の水流で支管から下水本管内へ運んで、下流側の最寄りのマンホールまで流し、そこにそれを固定する。必要ならば、細い引きコードを最初に引き込み支管内へ流し、それの後でガイドテープまたはコードを引き込むことができるようにする。次に、加圧式容器を低温加圧媒体で加圧し、ドラムを適当な方向に制御状態で回転させることによって、加圧式容器内の加圧媒体の作用で取り付けスリーブを送り出しチューブから直接的に引き込み支管の出入り開口内へ外転させ、その回転速度はドラムを支持しているシャフトの回転と低温加圧媒体の圧力とを制御する第1オペレータによって調整され、ガイドテープまたはコードのたるみは下水本管内の下流側マンホールに配置された第2オペレータによって除去される。取り付けスリーブが引き込み支管内へ順次外転していく時、加圧式容器内の圧力が外転部分全体に伝達され、その部分が膨張して引き込み管の内表面と密接し、また、圧力が取り付けスリーブの外転領域に作用し続けることによって、取り付けスリーブの外転を押し進め、それと共に適当な位置に含浸強化材料を含む折り畳み部分を内部に引き入れる。取り付けスリーブの外転端部がそれの進行の障害となる引き込み管内の機構を横切る場合、第2オペレータがガイドテープまたはコードに加える張力がそれを助ける。折り畳み状態の取り付けスリーブの、含浸強化材料を含む部分が取り付けスリーブの外転領域に達する点で、引きはがし可能な接着材などで取り付けスリーブに取り付けられているので、強化材料が取り付けスリーブと共に外転し、それによって引き込み支管の内表面と密接し、取り付けスリーブの外転部分の膨張によってその状態に維持される。取り付けスリーブの漸進的外転が継続されて、やがて閉鎖端部が完全に外転された時、それの移動が終了する。取り付けスリーブの外転の最終段階では、回収テープまたはコードだけが送り出しチューブに沿って進む。蒸気や熱水などの高温加圧媒体を加圧式容器に流し込み、それから外転取り付けスリーブの全長に通して、閉鎖端部の調整通気開口から出るようにし、取り付けスリーブ内の圧力は加圧式容器に流入する低温および高温加圧媒体の流量の調節によって適当な数値に調整される。取り付けスリーブ内の膨張圧力の作用によって、含浸強化材料を引き込み支管の内壁と密接した状態に維持する一方、高温加熱媒体流からの熱が強化材料に含浸させた硬化性樹脂の硬化を促進することができる。適当ならば、硬化過程では回収テープまたはコードに対する張力を維持することによって、加熱および加圧中の取り付けスリーブの伸長を抑制する。強化材料に含浸させた硬化性樹脂が完全に硬化した時、加圧媒体の流れを終了させ、加圧式容器を減圧し、回収テープまたはコードの基端部に張力を加えることによって取り付けスリーブを外転から戻し、外転戻し点が硬化修理部を順次通過する時、取り付けスリーブが硬化修理部からはがれる。下流側のマンホールでガイドテープまたはコードを解放して、取り付けスリーブと共に引き戻す。次に、取り付けスリーブ、ガイドテープまたはコードおよび回収テープまたはコードを洗浄し、検査し、必要に応じて修理して、次の使用時まで保管する。
【0009】
本発明の様々な態様は、添付の図面を参照した好適な実施形態の以下の説明からさらに容易に理解されるであろう。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2および図3を参照すると、アセンブリマンドレル2が支持構造体3から適当な作業高さに支持されており、支持構造体に開口22を設けて、その端部でアセンブリマンドレルの内部から出ることができるようにしている。アセンブリマンドレルは、それに組み付ける取り付けスリーブの最大長さよりわずかに長く形成されており、その最大長さは通常のすべての用途では、15メートルを超えない。アセンブリマンドレルの自由端部は内向きに巻かれ、丸み付き出口4が設けられている。薄く軟質のシート状ポリマー材料のチューブ5がその長さの半分に沿って外転してアセンブリシュラウドになっており、2つの端部を一致させ、その位置でそれらは一時的に互いに留め付けられている。アセンブリシュラウドを形成する材料は、絶対的ではないが好ましくはポリエチレンであり、本発明に用いられる硬化性樹脂はそれに効果的に付着しない。アセンブリシュラウドは、アセンブリマンドレルをその自由端部から、それの反対側で、図2に示されているようにそれに組み付けられる強化材料1の端部までの長さ全体をある程度完全に覆う充分な長さに形成されている。アセンブリシュラウドは、折った端部を最初にしてアセンブリマンドレルの丸み付き出口内へ挿入され、やがてその長さのわずかな部分6だけが露出して残ると、この露出部分をアセンブリマンドレルの端部に折り返す。
【0011】
繊維強化材料1を、修理しようとする管または導管の直径に適した直径のチューブにする。好ましくは、軟質で可撓性であって、良好な樹脂貯留特性を有すると共に、圧縮後にその全厚に容易に戻るニードルポリエステルフェルト(needled polyester felt)で繊維強化材料を形成する。変形実施形態では、軟質で可撓性および弾性を有すると共に含浸させる硬化性樹脂を貯留する良好な能力を備えた様々な織り地、編み地またはフェルト材料によってこの繊維強化材料チューブが形成される。強化材料を直線状の管または導管に取り付ける場合、好ましくは適当な軟質で可撓性および不透水性を有するが耐久性のある材料の外層をそれに付着させて形成され、従って最小限の弾性を有する。強化材料を湾曲または渦巻き形の管または導管に取り付けようとする場合、外層を用いないで強化材を形成して、しわやひだを生じないでその湾曲または渦巻き形に対応できる十分な弾性を与える。通常のすべての目的では、15%〜20%の局部伸長を可能にする弾性度であれば、本発明の適切な性能を満たすことができる。
【0012】
ある測定された量の混合した硬化性樹脂および触媒を繊維強化材料チューブの内部に注入してから、適当な軟質で可撓性のシート材料製の含浸スリーブ内に密封して、排気、ローリングおよび当該技術分野では周知の技法によって完全な含浸を行う。絶対的ではないが好ましくは、硬化性樹脂はビニルエステル、ポリエステルまたはエポキシであり、これらはすべて本発明の適切な性能に適したポットライフ、耐化学性、硬化収縮、硬化時間および加熱ひずみ温度の特徴を与えることができる。
【0013】
含浸スリーブから取り出した後、図1に示されているように、含浸強化材料チューブの一端部をアセンブリマンドレルの自由端部まで伸ばしてその上に載せる。次に、アセンブリシュラウド5の端部分6を含浸強化材料チューブの端部の上へ引き戻し、強化材料に不透水性外層が設けられている場合、接着テープ7などを巻いてそれに固定する。含浸強化材料に不透水性外層が設けられていない場合、アセンブリシュラウドの端部はそれに含浸させた未硬化樹脂に充分に付着する。次に、含浸強化材料チューブをアセンブリマンドレル上に滑らせて、アセンブリシュラウドがアセンブリマンドレルの内部から丸み付き出口4を越えて順次繰り出され、含浸強化材料チューブがアセンブリマンドレル上を自由に滑ることができるようにする。含浸強化材料チューブがアセンブリマンドレル上に適正に配置された時、アセンブリシュラウドの固定端部を含浸強化材料から離脱させて分離させ、内端部8は接着テープ11などによってアセンブリマンドレルの表面に固定し、外端部9は自由状態のままにしておき、必要ならばほぼ強化材料の端部まで切る。含浸強化材料チューブをアセンブリマンドレル上に適正に配置した状態で、アセンブリシュラウドの折り曲げ端部12をアセンブリマンドレルの自由端部またはその付近に配置して、引きはがし可能な接着取り付け具13を用いてアセンブリマンドレルの表面に固定する。含浸強化材料チューブをアセンブリマンドレル上に適正に配置した状態で、外側不透水性層が設けられている場合、粘着性表面が外側に露出するようにして両面接着材のリング10をアセンブリマンドレルの自由端部から遠い端部の外周に沿って配置し、同じ材料のさらなるリングまたはパッチ10を外表面にその長さに沿った適当な位置で同様に付着させる。含浸強化材料チューブに外側不透水性層が設けられていない場合、自己接着性のベルクロ材のストリップまたはパッチ10を同じ位置でそれに固定し、そのベルクロ材の粘着性がある自己接着表面を外向きにし、フック状ベルクロ表面を内向きにすることによって、ベルクロフックが強化材料のフェルト、マット、織り地または編み地表面に係合して付着する。
【0014】
取り付けスリーブ14は適当な薄く軟質で可撓性の不透水性材料で形成され、強化閉鎖端部15を備えている。この閉鎖端部および隣接領域は、下水本管のルーメンに突入することができ、したがって、膨張中は支持されないため、適当な長さを有すると共に閉鎖端部が完全に外転できるように充分に軟質で可撓性の強い非弾性材料で強化され、閉鎖端部には1つまたは複数の調整通気開口20が設けられている。絶対的ではないが好ましくは、取り付けスリーブは、比較的高度の周方向弾性伸長を可能にするが、軸方向弾性伸長を15%〜20%の範囲に制限する形に形成されている。取り付けスリーブは、薄く軟質で可撓性かつ弾性の不透水性シート材料に多数の軸方向に配置された細く平行な非弾性強化フィラメントを組み込んで形成されることが好都合である。強化フィラメントは、絶対的ではないが好ましくは振幅が約2ミリメートル、波長が6ミリメートルのある程度規則的な正弦波形の経路を描いている。取り付けスリーブの軸方向弾性伸長が発生すると、この正弦波形が徐々になくなり、やがて強化フィラメントが完全に直線状になった時、軸方向弾性伸長が終了する。強化フィラメントは交差しないで平行に形成されているので、それらは取り付けスリーブの周方向弾性伸長を妨害しない。取り付けスリーブは、複数の軸方向に配置された細く平行な非弾性強化フィラメントで強化された自己接着性の弾性ポリマー材料製の複数の軸方向の狭いストリップを適当な材料製の単一層からなる長いシートに付着させることによって製造することもできる。強化フィラメントは、絶対的ではないが好ましくは振幅が約2ミリメートル、波長が6ミリメートルのある程度規則的な正弦波形の経路を描いている。このように強化したシート材料を管状にして、シーム溶接によって閉じて取り付けスリーブを形成する。このように形成された取り付けスリーブは、比較的高度の周方向弾性伸長に対応できるが、軸方向弾性伸長は15〜20%の範囲に制限される。
【0015】
変形実施形態では、取り付けスリーブは薄く軟質で可撓性の不透水性シート材料からなる2つの完全な層を含み、そのうちの外層は、補強または修理しようとする引き込み支管の内径の100%〜110%の直径を有すると共に、事実上は引き延ばされない強化材料で形成されている。この外層の内部に、引き込み支管の内径の75%〜90%の直径を有すると共に、好ましくは15%〜20%の局部伸長を可能にする充分な弾性を有する無強化材料で形成された内層が設けられている。好ましくは、外層は約0.25mm厚さに形成され、内層は0.4mm厚さに形成されており、その間に適当な潤滑化合物が塗布されて、取り付けスリーブがベンドおよび渦巻き部分を通り抜ける必要がある時のそれらの独立移動を容易にしている。
【0016】
取り付けスリーブだけを用いて直線状の管または導管を修理しようとする別の変形実施形態では、それは比較的非弾性的な強化材料製の単層であり、その直径は修理または補強材を取り付けようとする引き込み支管の内径と同じか、それよりわずかに大きい。
さらなる変形実施形態では、取り付けスリーブは、適当な弾性チューブ片を非弾性チューブ間の適当な位置に挿入し、端部同士を密封状に結合して連続チューブにするだけで形成される。弾性部分の長さは、含浸強化材料チューブを収容できる長さであり、弾性および非弾性部分の両方の直径は、好ましくは修理または補強しようとする引き込み支管の内径の90%〜100%である。この含浸強化材料チューブは、取り付けスリーブの弾性部分内の適当な位置に配置され、好適な実施形態に関連して説明したようにして固定される。この実施形態には、それぞれの特定用途に対して個別の合成取り付けスリーブを形成しなければならないという欠点があり、このことは不都合であると共に不経済的である。
【0017】
さらに別の変形実施形態(図示せず)では、取り付けスリーブが、適当な軟質で可撓性の弾性材料製の連続的外側チューブの内部の適当な位置に、適当な軟質で可撓性であるが比較的非弾性的な材料製の2つ以上のチューブ部分を取り付けた形に形成されており、その内側および外側チューブの両方の直径は、好ましくは修理または補強しようとする引き込み支管の内径の90%〜100%である。内側チューブは、両面接着材などで外側チューブ内の所定位置に固定されて、含浸強化材料チューブが配置される部分で、外転に伴って弾性的に伸長して強化材料を修理または補強しようとする引き込み支管の内壁と密接するように押しつける必要がある部分を除いた外側チューブの全体に延在している。内側チューブの間の外側チューブの長さは、好適な実施形態に関連して説明したようにして外側チューブ内に固定された含浸強化材料チューブを収容できる長さである。この実施形態にも、それぞれの特定用途に対して個別の合成取り付けスリーブを形成しなければならないという欠点があり、このことは不都合であると共に不経済的である。
【0018】
取り付けスリーブのすべての実施形態は、好ましくはポリエチレンまたはポリ塩化ビニル材から形成され、これには本発明で使用する硬化性樹脂は事実上、付着しない。多層の材料を有する取り付けスリーブの変形実施形態を説明する上で使用される「内側」および「外側」は、引き込み管内へ外転させる直前の取り付けスリーブの層の配置を説明している。
【0019】
取り付けスリーブの閉鎖端部に短い添え金16が固定されており、それの各端部に取り付け具17、18が設けられ、外側のもの17にガイドテープまたはコード21が固着され、内側のもの18に回収テープまたはコード19が固着されている。ガイドテープまたはコードおよび回収テープまたはコードは、適当な細く強い可撓性材料で形成されている。
【0020】
このガイドテープまたはコードは、アセンブリマンドレルの自由端部に入り、それの全長に沿って進んで開口22に現れ、そこで将来の展開に備えて巻取られている。わずかな膨張圧力によって補助しながら、取り付けスリーブをアセンブリマンドレルの自由端部上に外転させ、図2に記載されているように始めて、図3に示されている状態に達するまで、外転を漸進的に継続する。取り付けスリーブが含浸強化材料チューブ上に漸進的に外転していく時、その外表面に圧力を加えて、それが両面接着材10または自己接着性ベルクロ材10の露出接着表面と接触することによって含浸強化材料チューブに確実に付着するようにする。取り付けスリーブをアセンブリマンドレル上に外転させる時、それの回収テープまたはコードの自由端部を固定して、取り付けスリーブの移動の妨害を最小限に抑える。取り付けスリーブがアセンブリマンドレル上に完全に外転し終えた時、回収テープまたはコードを解放し、後で展開できるように巻取る。特に図2を参照すると、取り付けスリーブをアセンブリマンドレル上に外転させやすくするために、任意であるがある程度剛直な材料製で適当な直径を有する薄い(light)チューブ44を取り付けスリーブの外側に被せて、取り付けスリーブをその中へ軽く膨張させる。このため、この薄いチューブは、取り付けスリーブを運びながら、アセンブリマンドレル上に押しつけられる。
【0021】
変形実施形態(図示せず)として、図14を参照しながら説明するような方法を用いて取り付けスリーブの先端部を閉鎖する前に、強化材料チューブを適当な引きコードまたはテープで取り付けスリーブ内の適切な位置に引き入れる。引きコードまたはテープは、強化材料チューブが適正に配置された時に容易に離脱または破壊されるばねクリップやタイなどによって強化材料チューブに取り付けられている。強化材料チューブが取り付けスリーブ内の適正位置にある状態で、取り付けスリーブの外表面に圧力を加えて、強化材料チューブの外表面が、製造中に取り付けスリーブの内表面の適当な位置に予め取り付けられている自己接着性ベルクロ材のストリップまたはパッチのフックに確実に係合できるようにする。ある測定された量の混合した硬化性樹脂および触媒を、強化材料チューブを配置した領域にホースで入れる。次に、取り付けスリーブは適切な吸引装置を使用して排気され、強化材料を配置した領域の各端部で取り付けスリーブを横切るようにクランプを取り付けることによってその領域を隔離する。次に、当該技術分野では周知のようにして取り付けスリーブのその領域をローラ間で前後移動させることによって、強化材料チューブに適当に含浸させる。取り付けスリーブが透明であれば、含浸過程の進行を観察することができ、好都合であろう。含浸過程が完了してから、クランプを取り付けスリーブから取り除く。
【0022】
図4および図5を参照すると、加圧式容器23は、複数の締結具25によって所定位置に固定された取り外し容易な端部24を備えている。ベアリングおよびシールアセンブリ30が加圧式容器の固定端部53内に設けられており、同様なアセンブリ31が取り外し式端部内に設けられている。シャフト32、33がベアリングおよびシールアセンブリに密封状態で回転可能に支持されており、このシャフトにドラム35が支持されている。シャフトの端部にクランクハンドル34が固定されており、これによってドラムを回転させることができる。当然ながら、何らかの形式の遠隔制御形動力作動式駆動手段を加圧式容器のいずれかの端部23または24に固定して、これを使用してシャフト32、33を、したがってドラムを回転させてもよい。加圧式容器の外周に短い円筒形延長部分28が固定されており、これの外端部に円錐形部材27が複数の締結具29で固定されている。特定の作業場所に到達するために必要な長さに形成できる送り出しチューブ26が円錐形部材の外端部に形成されている。当然ながら、送り出しチューブは、好都合な長さの複数の結合部材を有してもよい。ホースまたは圧力管37が加圧式容器に接続され、適当な加圧媒体がこれから供給されてその内部を加圧する。必要に応じて加圧媒体源、弁および調整手段(図示せず)がホースまたは圧力管に接続される。絶対的ではないが好ましくは、その加圧媒体は空気および蒸気である。当然ながら、この特徴を具現する加圧式容器は様々な形にすることができる。
【0023】
シャフト33、ベアリングおよびシールアセンブリ31、端部24およびハンドル34は一体状に取り外し可能であって、ベアリングおよびシールアセンブリ30によって支持されて所定位置に留まるシャフト32からドラム35を取り去ることができる。好ましくは、シャフト上のドッグまたはペグ(図示せず)がドラムに貫設された内孔の補足的なスロットまたはリセス(図示せず)に係合することによって、ドラムがシャフト32および33から独立的に回転しないようにする。
【0024】
図3に示されているように、取り付けスリーブがアセンブリマンドレル上に完全に外転した時、取り付けスリーブの閉鎖端部を引いて、取り付けスリーブをアセンブリマンドレルの自由端部の方へ含浸強化材料チューブと一緒に摺動させる。含浸強化材料チューブがアセンブリマンドレルに沿って移動する時、アセンブリシュラウドは徐々に外転から戻り、引きはがし可能な接着具13に張力を加えると、それが解放される。取り付けスリーブをアセンブリマンドレルから取り外す間、コイル状のガイドテープまたはコードがアセンブリマンドレルの内部を通ってそれに追従することができる。取り付けスリーブがアセンブリマンドレルから引き外される時、アセンブリシュラウドは含浸強化材料チューブの内部からはがれて、アセンブリマンドレルに付着して残る。
【0025】
強化材料を取り付けスリーブ内に取り付けて、上記の変更方法を使用して取り付け前または後に硬化性樹脂を含浸させた状態で、ドラム35を加圧式容器から取り外し、回収テープまたはコードの先端部をドラムに取り付け、テープをそれに巻取り、続いて取り付けスリーブを巻取る。アセンブリマンドレルを使用して含浸強化材料チューブを取り付けスリーブ内に取り付けた後、取り付けスリーブがアセンブリマンドレルから滑って離れる時、直ちに取り付けスリーブをドラムに巻取って、それを平坦にすることによってそれからエントラプトエアをすべて取り除くことができるように注意する。好ましくは、ばねで互いに押し合わされたローラ間に取り付けスリーブを通すことによってこれが行われる。必ずしも必要ではないが、好ましくは、取り付けスリーブをドラムに巻取る時、そのスリーブの外表面に適当な潤滑剤を塗布する。好ましくは、この潤滑剤は吹き付けシリコーンか、テフロン潤滑剤である。内部に含浸強化材料チューブを支持している取り付けスリーブをドラムに完全に巻取った後、ドラムをシャフト32、33に取り付けて、取り外し式端部24を締結具25で所定位置に固定することによって加圧式容器を閉鎖する。取り付けスリーブの開放端部を円錐形部材27および送り出しチューブ26から引き出す。さらに図5を参照すると、円錐形部材27の目的は、含浸強化材料14の管をドラム35から送り出された時の平坦形状から折り目52を生じることによって折り畳み形状36に変形することである。必要ならば、この目的のために円錐形部材内に折り畳み部材(図示せず)を設けるが、そのような折り畳み部材は当該技術分野では周知である。
【0026】
当然ながら、加圧式容器を閉鎖したままにして、ドラムを内部の所定位置に置き、短い添え金を円錐形部材および送り出しチューブに通して加圧式容器に挿入し、回収テープまたはコードの先端部をこの添え金に取り付け、シャフト32、33の回転によって回収テープまたはコードを加圧式容器に引き込んでドラムまで進め、続いて取り付けスリーブを送り込んでもよい。
【0027】
所望長さの送り出しチューブ26を加圧式容器に固定した状態で、図6に示されているように、含浸強化材料の折り畳みチューブ36の端部を開き、送り出しチューブの先端部の上に折り返して、クランプ38でそれに固定する。コイル状のガイドテープまたはコードを取り付けスリーブの端部と共に円錐形部材および送り出しチューブから繰り出して、余ったテープは後に展開できるように巻取る。次に、修理または補強を行うべき引き込み支管内への出入り開口に送り出しチューブの先端部を一致させる。
【0028】
ガイドテープまたはコード21を繰り出して大量の水と共に引き込み支管内へ放して下水本管42へ流し込み、次の下流側マンホールへ進ませてそこに固定する。ガイドテープまたはコードをそのように配置することに困難が見られる場合、細い引きコードを同様にして通し、それを使用してガイドテープおよびコードを所定位置に引く。
【0029】
図4、図6および図7を参照すると、加圧式容器の内部を好ましくは低温加圧媒体によって50〜150kPaの圧力まで加圧すると、この圧力は取り付けスリーブの開放部分から外転端部までの全体に伝達されて、その連続外転を押し進める一方、それの折り畳み部分をコンパクトな形に維持するようにする。適当な方向のドラム35の回転によって、取り付けスリーブ14がドラムから漸次的に繰り出され、それが円錐形部材27を通過する時に漸次的に折り畳まれてコンパクトな形になって送り出しチューブ26を通過し、送り出しチューブの先端部を一致させた引き込み支管40の開口39内へ外転する。ドラムをさらに回転させ、低温加圧媒体の圧力を第1オペレータで調整することによって、引き込み支管内への取り付けスリーブの外転を継続することができ、取り付けスリーブの折り畳み部分36は送り出しチューブを通過して取り付けスリーブの外転済み部分に沿って進み、それ自体が外転点43で外転する。取り付けスリーブの外表面に塗布された潤滑剤の作用によって、取り付けスリーブの折り畳み部分が外転済み部分内を通過する時の両者間の摩擦を最小限に抑えることができる。
【0030】
取り付けスリーブが漸進的に外転していく時、それに加わる低温加圧媒体の圧力が取り付けスリーブを膨張させてそれを外向きに押しつけて、それが外転中の引き込み支管の内表面と密接させる。
取り付けスリーブが引き込み支管内へ漸進的に外転していく時、ガイドテープまたはコードのたるみが下水本管の下流側マンホールに配置された第2オペレータによって取り除かれる。ベンド、トラップまたは接合部を移行する間に取り付けスリーブの外転点43が抵抗を受けた場合、第2オペレータがガイドテープまたはコードに張力を加えてその移行を助ける。取り付けスリーブの外転点は引き込み管開口41を容易に移行する。図6では送り出しチューブ26が引き込み支管40とほぼ同一の直径に描かれてるが、実際にはもっと小径に形成できることに注意されたい。
【0031】
取り付けスリーブの外転点が修理または補強を行う場所に接近した時、両面接着材のリングまたはストリップ、または(図2に示されているような)自己接着性ベルクロ材10のリングおよびストリップの接着によって、含浸強化材料チューブの端部が取り付けスリーブに追従して外転を開始し、外転し続けるのに伴って、その内表面が引き込み支管の内表面と漸次的に接触していき、その外表面が漸次的に内側に移行する。不透水性層が樹脂含浸強化材料チューブ上に設けられている場合、強化材料が外転位置にある時にそれは耐久保護作用表面を形成する。その外転が完了した後、取り付けスリーブの膨張圧力によって樹脂含浸強化材料チューブを引き込み支管の内表面と密着した状態に維持する。取り付けスリーブの閉鎖端部15が完全に外転するまで、取り付けスリーブの漸進的外転は継続され、外転過程の最終段階では回収テープまたはコード19だけがドラム35から繰り出される。
【0032】
上記の変形実施形態において、取り付けスリーブが弾性および非弾性チューブ材を端部同士で結合して合成形に形成されている場合、低温加圧媒体の圧力によってその非弾性部分が膨張して引き込み支管の内表面と接触する。含浸強化材料チューブ(訳注:said and said tube→said tube)と共にそれが外転するのに伴って、弾性部分も同様に膨張し、引き延ばされて含浸強化材料チューブにむらのない力を加えるため、それは引き込み支管の内表面と密接する位置に押しつけられる。
【0033】
取り付けスリーブの外転が完了した後、高温加圧媒体をホースまたは圧力管37から加圧式容器内へ流入させるが、取り付けスリーブの閉鎖端部の調整通気開口が露出しているので、低温および高温の両加圧媒体の流量が調整されて取り付けスリーブの適当な膨張圧力が維持される。高温加圧媒体の流量が定められた状態では、加圧式容器への低温加圧媒体の供給を必要に応じて継続して、取り付けスリーブの適当な膨張を維持する。取り付けスリーブの全長に沿って進んで閉鎖端部の調整通気開口から流出する高温加圧媒体の流れからの熱の作用によって、修理または補強部内の硬化樹脂の硬化が促進される。取り付けスリーブを硬化過程中に相当に弾性伸長することができる無強化材料で形成した場合、必要に応じて回収テープまたはコードに張力を加え続けて、加熱および加圧時に取り付けスリーブが伸長する傾向を抑制する。必要ならば、回収テープを取り付けスリーブの円周の約1/4の幅に形成し、それに加える張力によってそれを修理または補強しようとする管または導管の渦巻き形部材の内側湾曲部分に押しつけることによって、その領域での取り付けスリーブおよび含浸強化材料チューブがひだ状になる傾向を抑える。含浸強化材料チューブが引き込み支管の内表面への適当な摩擦的取り付けを行うことができる充分な長さに形成されている場合、図2および図3に図示して説明したような取り付けスリーブへの取り付け方が、加熱および加圧時に取り付けスリーブが伸長する傾向を抑制することを充分に可能にする。
【0034】
高温加圧媒体流は、純粋に硬化性樹脂の硬化を促進するためのものである。当然ながら、硬化時間が長くなっても支障がない場合、この高温加圧媒体流の使用を省略して、硬化性樹脂が室温で硬化するように配合してもよい。
当然ながら、取り付けスリーブ全体が強化または非弾性材料製である場合か、一方が非弾性材料製である2層で形成された上記の好適な実施形態では、それは加熱および加圧時に伸長する傾向がなく、したがって、硬化中に回収テープまたはコードに張力を加え続ける必要がない。
【0035】
当然ながら、取り付けスリーブの先端部の位置で熱電体または他の感温装置に接続され、加圧式容器の位置で温度表示装置に接続された回収テープまたはコード内に導線を設けることによって、外転後で樹脂含浸強化材料の硬化中の取り付けスリーブの先端部内の温度の表示を得ることができる。当然ながらさらに、加圧式容器の内部の圧力を表示するために圧力計を加圧式容器に設けてもよく、また、図4に示されているような管37から加圧式容器に流入する低温および高温加圧媒体の合計体積流量を記録するために流量計を設けてもよい。
【0036】
修理または補強部内の硬化性樹脂が適当に硬化した時、低温および高温加圧媒体の流れを終了する。回収テープまたはコードの先端部を引張り、取り付けスリーブを外転から漸次戻して、下流側マンホールで解放されたガイドテープまたはコードを伴ってそれ自体の内部を後退させることによって、取り付けスリーブを引き込み支管から引き抜く。取り付けスリーブの外転戻し点が硬化済み修理または補強部を通過する時、取り付けスリーブはそれからきれいにはがれる。好ましくは、取り付けスリーブの外転戻し過程で、わずかな膨張圧力を取り付けスリーブ内に維持して、跳ね返りやしわを生じる傾向を最小限に抑えることによって、その移動を容易にする。
【0037】
次に、取り付けスリーブ、回収テープまたはコード、およびガイドテープまたはコードを洗浄し、検査して、必要に応じて修理して、次の使用に備えて包装する。
図9、図10および図11を参照すると、より強力な修理または補修を行うために含浸強化材料チューブの端部が側方引き込み管の端部から短距離で下水本管に送り込まれている変形実施形態では、取り付けスリーブ14に、その大部分の直径よりも相当に大きく、下水本管のルーメンを完全に満たすことができる大きさの直径のほぼ球形に膨張することができる先端部が設けられている。この先端部の(収縮形での)頂部に、完全な外転が可能であるように充分に軟質で可撓性の材料からなる強化部分46が組み込まれている。この強化部分に短い添え金16が取り付けられ、その一端部にはガイドテープまたはコード21を固定的に取り付ける取り付け具17が設けられている。短い添え金の他端部には(図2および図3に19で示された)回収テープまたはコードを固定的に取り付ける(図2および図3に18で示された)取り付け具が設けられているが、そのいずれもこの図面には示されていない。1つまたは複数の調整通気開口(図示せず)が取り付けスリーブの先端部に設けられている。未膨張状態では、先端部は収縮して複数のひだ45を生じるように構成されている。図10は、図9に示されている平面を通る断面で見たこの先端部の横断面図を示している。未膨張形では、図10に示されている断面と同一の断面で見た横断面図の図11に示されているように、ひだを互いに重ねて畳むことによって先端部をさらにコンパクトな形に収縮させることができる。完全に収縮した形では、取り付けスリーブの先端部は取り付けスリーブの外転過程でその外転済み部分の内部に沿って容易に進むことができる。
【0038】
同変形実施形態である図12および図13を参照すると、含浸強化材料チューブ1に対して、その端部の一方に複数の短い軸方向切り込みを入れて、リーフ(leaves)48を半径方向にロゼット形に展開する(folded out)ことができるようにする変更が加えられている。ロゼット配置にした時にリーフ間に生じるほぼ三角形の開口部にガセット49を挿入し、その位置に縫いつけるか、接着する。好ましくは、各ガセットに折り畳み形状51にしやすくする折り目50を付けることによって、(特に図13に示されているように)元の管状配置に戻る時のリーフの移動に対するインピーダンスを最小限に抑える。(図1、図2および図3に示されているように)含浸強化材料チューブをアセンブリマンドレル2に被せる際は、折り畳み形状部分51を最初にすべて同一方向に側方へ曲げて、含浸強化材料チューブの内表面に平坦に当接させる。
【0039】
図12および図13には、含浸強化材料チューブが薄い材料で形成されているように示されているが、実際には特定の管または導管内で必要な強度の修理または補強を行うために必要ないずれの厚さにすることもできる。
図8および図12を参照すると、同変形実施形態において、含浸強化材料チューブ1は、その端部の、リーフ48を形成するように変更された部分がほぼ球形に膨張することができる先端部を越えてある程度延出するようにして、取り付けスリーブ14内に配置されている。(図6に関連して説明したように)取り付けスリーブが側方引き込み管内への外転を完了した後、含浸強化材料チューブを、そのリーフおよびガセットが下水本管のルーメン内へ延出するように配置し、取り付けスリーブの先端部を膨張させて、ルーメンを完全に満たすことによってリーフおよびガセットをロゼット形に開き、それらを側方引き込み管の開口部の周囲で下水本管の内表面に押しつけて、それらに含浸させた硬化性樹脂が硬化した時にフランジ47を形成する。硬化過程で、取り付けスリーブに沿って流れる高温膨張媒体が膨張先端部に流れ込み、それの調整通気開口(図示せず)から流出する。
【0040】
含浸強化材料チューブが適当に弾性的である場合、図12および図13に示されている構造を省略し、硬化材料チューブを充分に長くして、取り付けスリーブが完全に外転した時、それが下水本管のルーメン内へほぼ1直径分だけ突出するようにして取り付けスリーブ内に配置する。図8に示されているように、取り付けスリーブの先端部が膨張した時、含浸強化材料チューブの突出端部が後退して下水本管の内表面に当接し、側方引き込み管の開口部の周囲にカラーを形成し、取り付けスリーブの先端部が完全に膨張した時、このカラーは圧縮されて平坦になる。強化材料チューブに含浸させた硬化性樹脂が硬化した時、この平坦になったカラーは図8に示されているフランジ47と同様な目的で機能する。
【0041】
図8〜図13に関連して説明した変形実施形態の利点は、フランジまたは平坦カラー47が下水本管の内表面を押しつけることによって所定位置にさらに強く固定される側方引き込み管の修理である。
図14を参照すると、変形実施形態において、取り付けスリーブの先端部が、それらの層14a、14bを取り外し式クランプ55で側部くびれプラグ54に固定することによって閉鎖されている。側部くびれプラグは、その全長を貫通した調整通気ダクト56を備えており、取り付け具57、58が側部くびれプラグの各端部に、通気ダクトを通る流れを妨害しないようにして回動可能に取り付けられている。これらの取り付け具に回収テープまたはコード19とガイドテープまたはコード21とが取り付けられている。本実施形態は、取り付けスリーブの先端部を閉鎖するより好都合な方法を提供しており、この閉鎖方法の効果は容易に可逆的(reversible)である。当然ながら、回収テープまたはコード19とガイドテープまたはコード21とを連続した1本に形成して、クランプ55によって取り付けスリーブの端部と共に側部くびれプラグ54に固定することによって取り付けスリーブの閉鎖端部に一緒に取り付けてもよい。この構造では、側部くびれプラグの各側部およびそのすぐ近くにおいてテープまたはコードに結び目を作って、誤った滑りの可能性を取り除く。
【0042】
通常の技量を有して適当な訓練を行った作業員であれば、以上に記載した方法および装置を容易に利用して、直線状または渦巻き状の管または導管内のいずれの位置の局部的修理または補強も、それらを露出または破壊する必要なく、それらの端部の1つまたは複数から作業しながら確実に行うことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アセンブリマンドレルの長手方向断面図であって、修理材料を取り付けスリーブ内へ導入する第1段階の開始時を示している。
【図2】 アセンブリマンドレルの長手方向断面図であって、修理材料を取り付けスリーブ内へ導入する第2段階の開始時を示している。
【図3】 アセンブリマンドレルの長手方向断面図であって、修理材料を取り付けスリーブ内へ導入する過程の完了時を示している。
【図4】 取り付けスリーブを管または導管に導入するために使用される装置の断面図である。
【図5】 管または導管への導入を容易にするために取り付けスリーブをコンパクトな形に折り畳む過程を示している。
【図6】 局部的下水配管の断面図であって、取り付けスリーブを部分的に導入したところを示している。
【図7】 引き込み支管と下水配管との接合部の断面図であり、取り付けスリーブの先端部の最終的位置を示している。
【図8】 引き込み支管と下水配管との接合部の断面図であり、本発明の変形実施形態における取り付けスリーブの先端部の最終的位置を示している。
【図9】 変形実施形態での取り付けスリーブの先端部の側面図である。
【図10】 図9に示されている構造の、図中の断面で見た横断面図である。
【図11】 図10に示されている構造の、コンパクトな形に折り畳まれている横断面図である。
【図12】 フランジになるようにした変形実施形態の含浸強化材料の端部を示す図である。
【図13】 図12に示された構造の、円筒形に戻ったところを示す図である。
【図14】 取り付けスリーブの先端部を閉鎖する変更方法の長手方向断面図である。
Claims (57)
- 管または導管内に現場形成修理材を取り付ける方法であって、
軟質の不透水性シート材料のスリーブの内部であって適当な位置に部分的にのみ、硬化性樹脂を含浸させた軟質の強化材料のチューブを配置する段階と、
前記スリーブの閉鎖端部の内表面に第1テープまたはコードを取り付けて、該テープまたはコードが前記強化材料チューブを貫通して前記スリーブの全長を通り、修理しようとする管または導管部分の基端部から先端部まで延在することができる充分な距離にわたって前記スリーブの外へ出るようにする段階と、
前記閉鎖端部の外表面に前記スリーブよりも長い第2テープまたはコードを取り付ける段階と、
加圧式容器内の回転ドラムに該第2テープまたはコードを巻取り、続いて前記スリーブおよびチューブの結合体を巻取って、前記スリーブの端部を突出させておく段階と、
前記第1テープまたはコードを前記加圧式容器から修理しようとする前記管または導管部分の長さ方向に先端部まで通す段階と、
前記スリーブの開放端部を前記加圧式容器の出口に固定して、前記容器の内部を加圧し、それによって前記スリーブを直接的に修理しようとする管または導管内へ外転させることによって、それと共にチューブを運び、反転時に前記管または導管の内表面の所望領域と密接させる段階と、
前記ドラムの回転を制御して前記スリーブの回転速度を調整する段階と、
前記第1テープまたはコードの先端部に張力を加えることによって、前記スリーブの外転部分を修理しようとする前記管または導管内の方向変化部分内で案内する段階と、
外転時に前記スリーブの膨張を維持しながら、その内部に高温流体媒体を流して前記硬化性樹脂の硬化を促進する段階と、
前記硬化性樹脂が硬化した時、前記第2テープまたはコードの基端部に張力を加えて、前記スリーブを外転から戻して、それを前記管または導管内の位置に残る強化材料の前記硬化チューブから引きはがしながら、修理しようとする前記管または導管から引き出す段階と、
を含む方法。 - 前記スリーブの内部であって、適当な位置に部分的にのみ強化材料のチューブを配置する段階は、
前記強化材料チューブを所定のアセンブリマンドレル上に配置する段階と、
前記強化材料チューブを配置した状態で前記アセンブリマンドレル上に前記スリーブを外転させる段階と、
前記アセンブリマンドレルを前記スリーブから取り外す段階と、
を有する請求項1記載の方法。 - 前記スリーブは、周方向の弾性伸長を50%まで可能にするが、軸方向の弾性伸長を15〜20%に抑制する材料で形成される請求項1記載の方法。
- 前記スリーブは、軟質の不透水性シート材料に多数の軸方向に配置された平行な非弾性強化フィラメントを組み込んで形成される請求項3記載の方法。
- 前記強化フィラメントは、振幅が2ミリメートル、波長が6ミリメートルのある程度正弦波形の経路を描く請求項4記載の方法。
- 前記強化フィラメントは、他の振幅および波長を有する請求項4記載の方法。
- 前記スリーブは、自己接着性弾性ポリマー材料の複数の軸方向の狭いストリップをそれに付着させることによって強化される請求項3記載の方法。
- ポリマー材料の前記ストリップは、多数の軸方向に配置された平行な非弾性強化フィラメントをそれらに組み込むことによって強化される請求項7記載の方法。
- 前記強化フィラメントは、振幅が2ミリメートル、波長が6ミリメートルのある程度正弦波形の経路を描く請求項8記載の方法。
- 前記強化フィラメントは、他の振幅および波長を有する請求項8記載の方法。
- 前記スリーブは、軟質で可撓性の不透水性材料からなる2つの個別層を含み、そのうちの第1層は、前記管または導管の内径の100%〜110%の直径を有し、非弾性的であり、第2層は、前記管または導管の内径の75%〜90%の直径を有すると共に、15%〜20%の局部伸長を可能にする弾性を有する請求項1記載の方法。
- 前記第1層は0.25mm厚さに形成され、前記第2層は0.40mm厚さに形成される請求項11記載の方法。
- 前記第1および第2層は、他の厚さに形成される請求項11記載の方法。
- 潤滑物質を前記層の間に設けた請求項11記載の方法。
- 前記第2層は、請求項4、5、6、7、8、9、および10に請求されているようにして強化される請求項11記載の方法。
- 前記スリーブは、非弾性的な強化材料から、前記管または導管の内径と同一か、それより大きい直径で形成される請求項1記載の方法。
- 前記スリーブは、弾性のチューブ部分を2つの非弾性的チューブ部分の間に密封状に結合することによって形成され、両チューブ部分の直径は、前記管または導管の内径の90〜100%である請求項1記載の方法。
- 前記スリーブは、軟質で可撓性の弾性不透水性材料の単一連続長さ部分の形の第1チューブの内部に、(前記管または導管内への外転前に)軟質で可撓性であるが非弾性的な材料の2つ以上のチューブ部分を所定位置に固定して、それが前記第1チューブの内部の、前記樹脂含浸強化材料を配置する領域を除いた全体を覆うようにして形成される請求項1記載の方法。
- 前記スリーブを含む前記内側および外側チューブ部分は、前記管または導管の内径の90%〜100%の直径で形成される請求項18記載の方法。
- 前記スリーブは、ポリエチレンまたはポリ塩化ビニル材から形成される請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブは、両面接着テープで前記スリーブ内の所定位置に固定される請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブは、ループ状およびフック状の両方またはいずれか一方のフィラメントを他方表面に組み込み、自己接着表面を前記チューブの内表面に付着させた自己接着テープで前記スリーブ内の所定位置に固定される請求項1記載の方法。
- 前記硬化性樹脂は、ビニルエステル、ポリエステルまたはエポキシである請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブは、ニードル(needled)ポリエステルフェルトで形成される請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブは、直接的に編み地チューブに形成されるか、編み地シート材をチューブにして形成される請求項1記載の方法。
- 前記加圧式容器は、前記スリーブを前記管または導管内へ外転させるために50〜150kPaに加圧される請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブを収容している前記スリーブは、最初にドラムに巻取られ、該ドラムは次に前記加圧式容器に取り付けられる請求項1記載の方法。
- 前記ドラムは、前記加圧式容器の内部の位置に残され、前記強化材料チューブを収容している前記スリーブは、前記ドラムに取り付けられた短い添え金(bridle)に取り付けられて、前記ドラムの回転によって出口から前記加圧式容器内へ引き込まれて前記ドラムに巻取られる請求項1記載の方法。
- 前記加圧式容器内の前記ドラムは、クランクハンドルによって、または遠隔制御形動力作動式駆動手段によって回転可能なシャフト上に支持される請求項1記載の方法。
- 前記第1テープまたはコード、あるいは少なくとも前記スリーブの内部を通るそれの部分は、前記スリーブの円周の1/4の幅の平坦なテープの形に形成される請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブを前記スリーブ内に配置する前に、前記強化材料チューブに前記硬化性樹脂を含浸させる請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブを前記スリーブ内に配置した後、前記強化材料チューブに前記硬化性樹脂を含浸させる請求項1記載の方法。
- 前記スリーブの前記閉鎖端部およびその付近の領域を強化する請求項1記載の方法。
- 様々な長さの1つまたは複数の送り出しチューブを前記加圧式容器の前記出口に取り付ける請求項1記載の方法。
- 調整通気開口を前記スリーブの閉鎖端部に設ける請求項1記載の方法。
- 前記チューブおよび前記スリーブをさらにコンパクトな形に縮めるために、折り畳み装置を前記加圧式容器の前記出口内に設ける請求項1記載の方法。
- 前記スリーブの先端部に強化バルーニング部分を設ける請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブの先端部に、前記端部を拡張してフランジまたはロゼット形にすることができるリーフ(leaves)およびガセットを設ける請求項1記載の方法。
- 加圧媒体を前記加圧式容器の内部に供給するホースまたは圧力管内に流量表示装置を設け、加圧式容器にそれの内部の圧力を表示する圧力計を設ける請求項1記載の方法。
- 前記高温加圧媒体は蒸気である請求項1記載の方法。
- 前記高温加圧媒体は水である請求項1記載の方法。
- 前記高温加圧媒体は空気である請求項1記載の方法。
- 未加熱加圧媒体を用いる請求項1記載の方法。
- 前記閉鎖端部に埋め込まれて、前記第2テープまたはコード内に埋め込まれた導線によって前記加圧式容器の表示手段に接続された熱電対または他の感温装置によって、前記スリーブの前記閉鎖先端部の温度を測定する請求項1記載の方法。
- 前記スリーブの前記閉鎖端部は、前記チューブの壁を側部くびれプラグに固定することによって閉鎖される請求項1記載の方法。
- 前記第1および第2テープまたはコードを連続した1本に形成して、前記スリーブの先端部で直接的に前記側部くびれプラグに固定する請求項1記載の方法。
- 前記側部くびれプラグの全長を貫通する調整通気ダクトを設ける請求項45記載の方法。
- 修理しようとする前記管または導管内へ外転する直前に前記スリーブの外表面に潤滑化合物を塗布する請求項1記載の方法。
- 前記スリーブの伸長を最小限に抑えるために、前記硬化性樹脂の硬化過程で前記第2テープまたはコードに対して張力を維持する請求項1記載の方法。
- 硬化性樹脂を含浸させた軟質強化材料の複数のチューブを前記スリーブ内に配置してから、前記スリーブを修理しようとする管または導管内へ外転させることによって、その内部の複数の所望領域の内表面に前記チューブを密接させる請求項1記載の方法。
- 前記強化材料チューブは、いずれの平面上でも20%までの局部的伸長を可能にすることができる弾性度を有する請求項1記載の方法。
- 前記外転過程中に前記第1テープまたはコードの先端部に張力を加えて、前記チューブおよび前記スリーブの外転領域を前記管または導管内の方向変化部分、ベンド、ジョイント変位部または他の渦巻き部分内で物理的に案内することよって、前記外転領域が前記方向変化部分内で付着またはつまる傾向を克服する請求項1記載の方法。
- 前記第1テープまたはコードの先端部に加えられる張力によって、前記幅広テープ部分がベンドまたは渦巻き部分の小径部分を押しつけ、それによって、前記スリーブおよび前記強化材料チューブがひだを生じる傾向を抑制する請求項30記載の方法。
- 前記スリーブを使用して、延在する直線状または渦巻き状管または導管内のいずれの修理領域にも強化材料チューブを正確に位置決めすることができる請求項1記載の方法。
- 請求項2乃至20(包含的(inclusive))に記載の前記スリーブのいずれの形式も、請求項24または25に記載の前記強化材料チューブのいずれの形式とも組み合わされ、前記強化材料チューブは請求項21または22に記載の方法のいずれかを使用して前記スリーブ内で所定位置に固定される請求項1記載の方法。
- 前記スリーブおよび前記強化材料チューブの弾性によって、前記チューブが管または導管内のいずれの形状変化にも対応できるようにする局部的弾性変形が可能であり、それによって滑らかな一致が得られ、前記チューブにひだが生じる傾向が回避される請求項1記載の方法。
- 請求項1または2に記載の方法を実施するために使用される装置であって、
1つまたは複数のシャフトに回転可能に支持されるドラムを取り付けることができるように取り外し可能な少なくとも1つの側部または端部を有する加圧式容器と、
前記ドラムの回転を制御する手段と、
前記容器からの出口部材と、
前記出口部材内の折り畳みまたは収縮手段と、
前記出口部材の出口端部に接続される可変長さの延出部材と、
を備えた装置。
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