JP4339968B2 - プローブの流体チャンバに異物が入り込むのを防止する装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波トランスデューサ・プローブに関する。詳細には、本発明は、超音波トランスデューサ・プローブの流体チャンバに気体などの異物が入り込むのを防止することに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の内視鏡技法は、訓練された医療要員が超音波トランスデューサ・プローブを体内に挿入し、超音波技法を使用することによって人体の内部画像を得ることができる。このような超音波画像は、侵襲性の診査手術を施す必要なしに様々な内部状態を診断するのに技術者を助ける。
【0003】
従来型の超音波トランスデューサ・プローブは音響流体チャンバ内に密閉されたトランスデューサ・アレイを備えている。チャンバ内に含まれる音響流体は、トランスデューサ・アレイとトランスデューサ・アレイ・レンズの間の領域内で超音波パルスを伝搬するのを助ける。さらに、トランスデューサ・チップは、機械的シールとガスケットの組合せを使用してチャンバ内に音響流体を保持する。
【0004】
通常、トランスデューサ・アレイ又はトランスデューサ・チップをプローブに対して操作または移動させるためにプローブ内に移送アセンブリが設けられる。トランスデューサ・チップは通常、縦長の可撓性プローブ・チューブに結合されている。このチューブはトランスデューサ・チューブを人体の外側の遠隔位置から体内に挿入するためのものである。縦長の可撓性プローブ・チップ自体は、その移動および方向を制御するためのステアリング装置を有する制御ハンドルに取り付けられている。
【0005】
動作時には、チャンバ内に含まれるトランスデューサ・アレイが一連の超音波パルスを生成し、これらのパルスがトランスデューサ・アレイから、チャンバ内に含まれる音響流体を介し、トランスデューサ・アレイ・レンズを介して、目標領域の方へ伝送される。したがって、パルスは目標からトランスデューサ・アレイ・レンズを介してチャンバ内に反射され、音響流体を介してトランスデューサ・アレイに至る。
【0006】
しかし、意図されたように動作させるには、チャンバ内に含まれる音響流体から気体などの異物を除去しなければならない。それにもかかわらず、このような異物は、チャンバ内に流体を保持するために使用されている機械的シールおよびガスケットを通してチャンバに入り込み、音響流体を汚染する恐れがある。異物が機械的シールおよびガスケットを通して流体チャンバに進入することができるのは主として、チャンバ内に含まれる音響流体に直接的または間接的に作用する圧力変動および温度変動のためである。音響流体が実際に汚染された場合、異物は、音響流体を通した超音波パルスの伝搬に干渉し、超音波パルスをチャンバのあちこちに無作為に反射させ分散させる。このような異物の干渉は、超音波パルスから生成される画像の画質を著しく低下させる。
【0007】
たとえば、通常の動作および輸送中に、チャンバ内に含まれる音響流体は温度と圧力の両方の変動を受ける。温度が変動すると、チャンバ内の流体が膨張し圧縮し、それによって異物が流体およびチャンバに導入される可能性が生じる。
【0008】
たとえば、プローブが体内に挿入される通常の動作時には、チャンバ内の音響流体の温度は通常、上昇する。温度の上昇は主として、体内の熱や、超音波パルスが生成されるときにトランスデューサ・アレイによって生成される熱などの熱源によるものである。チャンバ内の音響流体の温度が上昇を開始すると、音響流体は、膨張を開始すると共にチャンバの内面に圧力を加え始める。チャンバの内面に圧力が加わると、チャンバの内圧が上昇し、チャンバの音響流体が、関連する機械的シールおよびガスケットから押し出される。これに対応して、チャンバ内の音響流体がこのような加熱状態から冷却されると、音響流体は必然的に収縮し、チャンバ内に真空を形成する。チャンバ内の真空は空気または気体、あるいは場合によっては体液を機械的シールおよびガスケットを通してチャンバ内に引き込み、それによってチャンバの音響流体に異物が導入される。
【0009】
同様に、プローブが体内に挿入されると、チャンバ内の圧力は通常アレイ・レンズに加えられている圧力よりも高くなる。このような圧力は通常人体の内臓がアレイ・レンズに圧力を加えることによって生じる。アレイ・レンズに作用する圧力が上昇すると、これに対応して、チャンバ内に含まれる音響流体は、この圧力に比例する圧力をチャンバの内面に加える。チャンバの内面に圧力が加わると、チャンバの内圧が上昇し、チャンバの音響流体が、関連する機械的シールおよびガスケットから押し出される。したがって、アレイ・レンズに作用する圧力が弱まると、チャンバの内圧が弱まり、チャンバ内に真空が形成される。チャンバ内の真空は空気または気体、あるいは場合によっては体液を機械的シールおよびガスケットを通してチャンバ内に引き込み、それによってチャンバの音響流体に異物が導入される。
【0010】
同様に、トランスデューサ・プローブが輸送されるときにも同様な温度変動および圧力変動が起こり、それによってプローブのチャンバに異物が導入される可能性が生じる。たとえば、航空機による輸送では、上記で指摘したのと同様な状態をもたらす温度変動および圧力変動が起こり、チャンバの音響流体に異物が導入される恐れがある。
【0011】
現在利用可能なトランスデューサ・プローブは、異物、通常は気泡の、音響液体からの除去に関する様々な解決策によって汚染問題に対処している。このような解決策は、音響流体容器を使用することから、異物汚染を除去するためにチャンバ通気弁を使用することまで様々である。しかし、現行の技術は汚染問題を防止することに関する技術ではない。したがって、現在利用可能な解決策は、汚染を防止する問題には対処しておらず、汚染が起こった後に汚染を除去するものに過ぎない。さらに、この分野の現行の技術は、音響流体チャンバ内で起こり、異物を導入させる圧力変動および温度変動の一般的な問題には対処しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、音響流体チャンバ内で起こるこのような圧力変動および温度変動の結果として音響流体チャンバに異物が入り込むのを防止することのできる装置を提供することが望ましい。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プローブの流体チャンバに異物が入り込むのを防止する装置に関する。一実施態様では、この装置は、第1の端部と第2の端部を有する毛細管を備え、第1の端部は、音響流体チャンバと開放連通する。この開放連通により、音響流体チャンバのある体積の流体が毛細管内で膨張し収縮することが可能になる。毛細管内に含まれる音響流体は、毛管力によって毛細管内に維持される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下の詳細な説明では、本発明を完全に理解していただくために多数の特定の詳細について述べる。しかし、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが理解されよう。他の例では、本発明をわかりにくくしないように、周知の方法、手順、構成要素については詳しく説明しない。
【0015】
本発明は、音響流体チャンバ内で起こる圧力変動や温度変動の結果として音響流体チャンバに異物が入り込むのを防止することのできる装置に関する。
【0016】
図1は、超音波プローブと共に使用される超音波トランスデューサ・チップ100内に組み込まれる本発明の一実施形態を示す。超音波トランスデューサ・チップ100は、図1に示されており、トランスデューサ・アレイ・レンズ(アレイ・レンズ)104が結合されたトランスデューサ・チップ・ケーシング102を含む。トランスデューサ・チップ・ケーシング102とアレイ・レンズ104の間の最適な位置に配置されたトランスデューサ・アレイ106をケーシング内に備えている。アレイ・レンズ104は、相互にネジを設けられた表面、熱結合継手、他の様々な固定方法など様々な方法によってトランスデューサ・チップ・ケーシング102に結合することができる。前述の各結合方法で、アレイ・レンズ104およびトランスデューサ・チップ・ケーシング102のそれぞれの接触かみ合い表面の間には通常、ガスケットまたは密閉材料108が使用される。アレイ・レンズ104は、トランスデューサ・アレイ106による超音波パルスの妨害されない送信および受信を可能にするために設けられる。アレイ・レンズ104の内面とトランスデューサ・アレイ106との間に音響流体チャンバ領域(音響チャンバ)110が配設される。音響チャンバ110は、トランスデューサ・チップの一部、すなわちケーシング102、トランスデューサ・アレイ・レンズ104、トランスデューサ・アレイ106の一部によって形成される。音響流チャンバ110には音響結合流体(音響流体)112が充填される。音響流体112は、トランスデューサ・アレイ106とアレイ・レンズ104の間の領域内で超音波パルスが伝搬するのを助けるために使用される。
【0017】
図4に示すように、毛細管型チューブ114が超音波トランスデューサ・チップ100に用意されている。毛細管114はオリフィス(図示せず)を介して音響チャンバ110に結合され、音響チャンバ110からの音響流体112はこのオリフィスを通して膨張し収縮することができる。毛細管114は、音響チャンバ110に含まれる音響流体112と開放流体連通する。毛細管114は、音響チャンバ110内の音響流体112がオリフィスを通して毛細管114内で膨張または収縮できるようにし、音響チャンバ110内を比較的安定な内圧に維持する。毛細管114は、特定の応用例に必要な毛細管114の所望の長さに応じて、超音波トランスデューサ・チップ100を越えてプローブ自体内へ延びるか、あるいはその全体を超音波トランスデューサ・チップ100内に残すことができる。
【0018】
本発明の一実施形態では、毛細管114は侵襲性の手術のための寸法にすることができる。たとえば、チューブ114の寸法は、超音波プローブで使用される従来型の毛細管に対して小さくされる(たとえば、長さが短くされ、かつ/または幅が狭くされる)。その結果、流体チャンバ110に入れられる流体114が少なくなり、チャンバおよびプローブの全体的な寸法が小さくなる。したがって、侵襲性の技術に対してプローブの使用可能性が高まる。
【0019】
また、移送アセンブリ118は、一連の歯車および関連する機械的シールを介してトランスデューサ・アレイ106に結合されるように示されている。移送アセンブリ118は、トランスデューサ・チップ100内でのトランスデューサ・アレイ106の移動を可能にする。図のように、トランスデューサ・アレイ106は、音響チャンバ110内に音響流体112を保持するように機械的シール126を組み込んだ可動カップ状装置124内に保持されている。トランスデューサ・アレイ106を、トランスデューサ・アレイ106の所望の操作を可能にする任意の種類の装置内に保持させることができる。トランスデューサ・チップ100は、縦長の可撓性プローブ・チューブ128の一部に結合されるように示されており、プローブ・チューブ128は、トランスデューサ・チップ100を小さな挿入点から体内に挿入させることができる。一実施形態では、縦長の可撓性プローブ・チューブ128自体が、その移動および方向を制御するためにステアリング装置を有するハンドル(図示せず)に取り付けられる。
【0020】
図2は、図1のトランスデューサ・チップの一部をさらに詳しく示し、毛細管200と音響チャンバ205の間の相互接続を示す。毛細管200は通常、音響チャンバ205内で行われる音響流体210の膨張および収縮を補償するために毛細管200内に音響流体210の一部を含む。実際の毛細管200の音響チャンバ205との接続点は、トランスデューサ・アレイ215に関連する超音波パルスの送信および受信に干渉しないように音響チャンバ205の周りの任意の点に位置させておく。
【0021】
毛細管200は、図2に示すように、オリフィス220を介して音響チャンバ205に結合され、音響チャンバ205の音響流体210がオリフィス220を介して膨張し収縮することを可能にする。具体的には、毛細管200はチューブ支持部材225に結合されるように示されており、支持部材225は、支持部材225の上部のある領域、音響チャンバ205に隣接する領域が除去されている。支持チューブ230は支持部材225の上部の底部に結合され、オリフィス220は上部の底部を通過して支持チューブ230に入る。毛細管220は支持チューブ230に動作可能に結合され、それによって音響チャンバ205内の音響流体210が毛細管200と開放流体連通させている。したがって、オリフィス220は、音響チャンバ205からの音響流体210用の開放流体連通経路が毛細管200内で膨張または収縮することができ、それによって、音響チャンバ205に作用する圧力や温度が変動する場合でも、音響チャンバ205内の圧力を比較的一定の値(動作可能圧力値)にすることができる。同様に、毛細管200は毛管力を介して、音響チャンバ205に作用する圧力および温度を変動させずに音響チャンバ205内で動作可能圧力値を維持する。
【0022】
毛細管200の設計は、音響流体210とアレイ・レンズ235の両方に関連する因子に基づいて行うことができる。たとえば、特定のプローブの使用は主として温度の変動の影響を受け、この場合、毛細管200の設計は主として、音響流体210の体積膨張係数(E)に関連する因子によって決定することができる。他のプローブの使用は主として、アレイ・レンズ235に作用する圧力の変動の影響を受け、この場合、毛細管200の設計は、アレイ・レンズ235の最大たわみに関連する因子によって決定することができる。さらに、特定のプローブの使用は温度および圧力の変動の両方の影響を受け、この場合、毛細管200の設計は、最大膨張係数(E)とアレイ・レンズ235に作用する圧力の両方に関連する因子によって決定することができる。
【0023】
温度の変動に関して、音響流体210の体積膨張係数(E)は、プローブ内で使用される音響流体210と関係を有する。音響流体210に関連する体積膨張係数(E)は、毛細管200の適切な動作長および動作直径を決定する際に使用される。音響流体210の体積膨張係数(E)は知られているので、音響流体210の熱膨張または収縮による流体体積の変化(ΔV)を温度の変化(ΔT)に対して決定することができる。
【0024】
一実施形態では、流体の体積膨張係数(E)に関する物理公式[E=(1/V)×(ΔV/ΔT)]を使用することによって流体体積の変化(ΔV)を決定することができる。この場合、Vは液体の初期体積を表す。たとえば、体積膨張係数(E)が0.2に等しく、流体の初期体積が10立方インチに等しく、温度変化が2度と予想される場合、流体体積の変化(ΔV)は4立方インチに等しくなる。したがって、熱膨張および収縮による流体の体積の変化(ΔV)を算出することができるので、音響に対処するのに必要な毛細管200の対応する動作長を容易に算出することができる。
【0025】
したがって、音響流体の温度がT1からT2まで(ΔT)上昇した場合、音響チャンバ205内の音響流体210の体積の膨張(ΔV)が起こる。音響チャンバ205内の音響流体210の体積の膨張(ΔV)によって、対応する体積の音響流体210が音響チャンバ205からオリフィス220を介して毛細管200に押し出される。膨張した流体210の体積によって、膨張中に、毛細管200内に含まれる流体210の一部が、毛細管200の内部に沿って第1の位置から第2の位置に変位されるか、あるいは押される。同様に、音響流体の温度がT1からT2まで低下した(ΔT)場合、対応する体積の音響流体210が、収縮中に毛細管200から音響チャンバ205に引き込まれ、毛細管200内の流体210が、毛細管200の内部に沿って第1の位置から第2の位置へ移動する。したがって、毛細管200の全体的な適切な体積容量および長さを、音響流体210に関連する体積膨張係数(E)および予想される体積変化(ΔV)に対して数学的に求めることができる。
【0026】
圧力の変動に関して、アレイ・レンズ235のたわみが、製造業者から供給されるか、あるいはレンズたわみの簡単な測定を行うことによって求められるので、アレイ・レンズ235の最大たわみ(D)は通常、既知の値である。アレイ・レンズ235の最大たわみ(D)は、毛細管200の適切な動作長および動作直径を求める際に使用される。アレイ・レンズ235の最大たわみ(D)が知られているので、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)の変化に基づいて音響流体210の体積変位値(VD)を求めることができる。体積変位値(VD)は、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)の変化のために変位されるある体積の音響流体210に対応する。したがって、流体210の体積変位値(VD)はアレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)の関数でよい。あるいは、アレイ・レンズ235の最大たわみ(D)点で変位された流体210の体積を測定することによって最大体積変位値(VDmax)を求めることができる。したがって、体積変位値(VD)はアレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)の関数であり、すなわちVD=f(ΔD)である。したがって、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)による体積変位値(VD)を算出することができるので、毛細管200の全体的な適切な体積容量および長さを、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)と、アレイ・レンズ235がたわんだために起こる音響流体235の体積変位(VD)の予想される変化に関して数学的に求めることができる。
【0027】
したがって、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)がD1からD2に増大した場合、対応する体積の音響流体210が、正のたわみ(すなわち、アレイ・レンズ235がトランスデューサ・アレイ215の方へ押される)中に音響チャンバ205から毛細管210に進入し、毛細管200の内部に沿って第1の位置(P1)から第2の位置(P2)へ移動する。同様に、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)がD1からD2に減少した場合、対応する体積の音響流体210が、負のたわみ(すなわち、アレイ・レンズ235がトランスデューサ・アレイ215から解放されトランスデューサ・アレイから離れる方向へ移動する)中に毛細管200から音響チャンバ205に進入し、毛細管200の内部に沿って第1の位置(P1)から第2の位置(P3)へ移動する。したがって、毛細管200の全体的な適切な体積容量および長さを、アレイ・レンズ235のたわみ(ΔD)による体積変位値(VD)に関して数学的に求めることができる。
【0028】
図3aは、音響チャンバ310内の音響流体305の温度が上昇するときの開放端付き毛細管300の動作を示す。初期開始温度(T1)では、毛細管300内の音響流体305の位置は初期位置(P1)に対応する。音響チャンバ310内の音響流体305の温度が(T2)に上昇すると、これに対応して、音響チャンバ310の内壁に加わる圧力が増大する。音響チャンバ310内の圧力が増大するにつれて、特定の体積の音響流体305が音響チャンバ310からオリフィス315を介して毛細管300内に押し出される。したがって、毛細管300内に含まれる音響流体305の一部が毛細管300の開放端320の方へ、初期位置(P1)から第2の位置(P2)へ押される。この場合、音響流体305は毛細管300の内部に沿って特定の長さ(L1)だけ移動する。毛細管300は、ある体積の音響流体305が音響チャンバ310から延び出すが、毛細管300内には残り、音響チャンバ310内に一定の安定な圧力を維持するように設計される。
【0029】
図3bは、音響チャンバ310内の音響流体305の温度が低下するときの開放端付き毛細管300の動作を示す。初期開始温度(T1)では、毛細管300内の音響流体305の位置は初期位置(P1)に対応する。音響チャンバ310内の音響流体305の温度が(T2)に低下すると、これに対応して、真空の形で音響チャンバ310の内壁に加わる圧力が低下する。音響チャンバ310内の圧力が低下するにつれて、特定の体積の音響流体305が毛細管300からオリフィス315を介して音響チャンバ310に引き込まれる。したがって、毛細管300内に含まれる音響流体305の一部からこの特定の体積の音響流体305が引き込まれる。したがって、毛細管内の流体305の一部が、オリフィス315に隣接する毛細管300の結合端325の方へ、初期位置(P1)から第2の位置(P2)へ引き込まれる。この場合、音響流体305は毛細管300の内部に沿って特定の長さ(L1)だけ移動する。毛細管300は、ある体積の音響流体305が音響チャンバ310内で収縮し、一部の音響流体305が毛細管300内に残るようにし、音響チャンバ310内に一定の安定な圧力を維持するように設計される。
【0030】
図4aは、アレイ・レンズ410を介して音響流体405に作用する圧力が増大し、それによって音響チャンバ415内の圧力が増大するときの開放端付き毛細管400の動作を示す。初期中立圧力(PR1)では、毛細管400内の音響流体405の位置は初期位置(P1)に対応する。音響チャンバ415内の音響流体405に作用する圧力が(PR2)に増大すると、これに対応して、音響チャンバ415の内壁に加わる圧力が増大する。音響チャンバ415内の圧力が増大するにつれて、特定の体積の音響流体405が音響チャンバ415からオリフィス420を介して毛細管400内に押し出される。したがって、毛細管400内の音響流体405の一部が毛細管400の開放端425の方へ、初期位置(P1)から第2の位置(P2)へ押される。この場合、音響流体405は毛細管400の内部に沿って特定の長さ(L1)だけ移動する。毛細管400は、ある体積の音響流体405が音響チャンバ415から伸び出すが毛細管400内には残るようにし、音響チャンバ415の内部に一定の安定な圧力を維持するように設計される。
【0031】
図4bは、アレイ・レンズ410を介して音響流体405に作用する圧力が低下し、それによって音響チャンバ415内の圧力が低下するときの開放端付き毛細管400の動作を示す。初期中立圧力(PR1)では、毛細管400内の音響流体405の位置は初期位置(P1)に対応する。音響チャンバ415内の音響流体405に作用する圧力が(PR2)に低下すると、これに対応して、音響チャンバ415の内壁に加わる圧力が低下し、真空が形成される。音響チャンバ415内の圧力が低下するにつれて、特定の体積の音響流体405が毛細管400からオリフィス420を介して音響チャンバ415に引き込まれる。したがって、毛細管400内に含まれる音響流体405の一部からこの特定の体積の音響流体405が引き込まれる。したがって、毛細管400内の音響流体405の一部が、オリフィス420に隣接する毛細管400の結合端430の方へ、初期位置(P1)から第2の位置(P2)へ引き込まれる。この場合、音響流体405は毛細管400の内部に沿って特定の長さ(L1)だけ移動する。毛細管400は、ある体積の音響流体405が音響チャンバ415内で収縮し、一部の音響流体405が毛細管400内に残るようにし、音響チャンバ415の内部に一定の安定な圧力を維持するように設計される。
【0032】
前述の装置の代替実施形態では、毛細管を閉鎖端付き毛細管として構成することができる。この場合、毛細管の閉鎖端に存在するある体積の気体は、指定された体積の音響流体が音響チャンバから毛細管内に膨張することを可能にし、同時に音響チャンバの内部に動作可能圧力を維持する、所定の体積の気体である。
【0033】
上記の説明および図面から、当業者には、図示し説明した特定の実施形態が例示のみのためのものであり、本発明の範囲を制限するものではないことが理解されよう。当業者には、本発明をその趣旨または基本特性から逸脱せずに他の特定の形態で実施できることが認識されよう。特定の実施形態の詳細の参照は、特許請求の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の教示を実施することのできるトランスデューサ・チップ・アセンブリの断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるトランスデューサ・チップ・アセンブリの部分断面図である。
【図3】図3aおよび図3bは、温度変動に関する本発明の一実施形態の動作を示すトランスデューサ・チップ・アセンブリの一実施形態の断面図である。
【図4】図4aおよび図4bは、圧力変動に関する本発明の一実施形態の動作を示すトランスデューサ・チップ・アセンブリの一実施形態の断面図である。
【符号の説明】
100 超音波トランスデューサ・チップ
102 トランスデューサ・チップ・ケーシング
104 トランスデューサ・アレイ・レンズ
106 トランスデューサ・アレイ
108 ガスケットまたは密閉材料
110 音響流体チャンバ領域(音響チャンバ)
112 音響結合流体(音響流体)
114 毛細管
118 移送アセンブリ
124 可動コップ状装置
126 機械的シール
128 縦長の可撓性プローブ・チューブ
200 毛細管
205 音響チャンバ
210 音響流体
215 トランスデューサ・アレイ
220 オリフィス
225 支持部材
230 支持チューブ
235 アレイ・レンズ
Claims (21)
- 第1の端部と第2の端部を有するチューブを備え、チューブの第1の端部が流体チャンバと開放連通し、チューブの第2の端部が大気圧と開放連通し、前記チューブが侵襲性の手術で操作可能な寸法を有することを特徴とするプローブ。
- チューブが、毛管力を介して流体チャンバ内の圧力を維持するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
- 流体チャンバ内の圧力を維持しながら、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体を流体チャンバに対して膨張または収縮させるようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
- 流体チャンバ内の圧力が増大したときに、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体がチューブ内で膨張するようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項3に記載のプローブ。
- 流体チャンバ内の圧力が減少したときに、チューブ内に含まれる流体の一部が流体チャンバに進入するようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項3に記載のプローブ。
- 流体チャンバ内に含まれるある体積の流体が所定の基準温度を有し、流体チャンバ内のある体積の流体の基準温度が上昇したときに、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体がチューブ内で膨張するするようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項3に記載のプローブ。
- 流体チャンバ内に含まれるある体積の流体が、関連する基準温度を有し、流体チャンバ内の体積の基準温度が低下したときに、チューブ内に含まれる流体の一部が流体チャンバに進入するようにチューブが構成されることを特徴とする請求項3に記載のプローブ。
- チューブが所定のチューブ長を有し、そのチューブ長が流体に関連する熱膨張係数に対応することを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
- チューブが所定のチューブ長を有し、そのチューブ長が流体チャンバのプローブ・レンズに関連するレンズ偏りに対応することを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
- 流体チャンバに結合されたチューブを備え、チューブが第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部が流体チャンバと開放流体連通し、第2の端部が大気圧と開放連通し、前記チューブが、流体チャンバ内の様々な圧力変化時に毛管力を介して流体チャンバ内の圧力を維持するように構成され、前記チューブが、侵襲性の手術で操作可能な寸法を有することを特徴とする改良された装置。
- 流体チャンバ内の圧力を維持しながら、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体を流体チャンバに対して膨張または収縮させるようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
- 流体チャンバ内の圧力を維持しながら、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体を毛細管の第1の端部内に保持された流体の一部に関連して膨張または収縮させるようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
- 流体チャンバ内に含まれるある体積の流体が膨張したときに、毛細管の第1の端部内に保持された流体の一部が毛細管の第2の端部の方へ移動するようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
- 流体チャンバ内に含まれるある体積の流体が収縮したときに、毛細管の第1の端部内に保持された流体の一部が毛細管の開放流体連通の方へ移動するようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
- チューブがあるチューブ長を有し、チューブ長が、流体に関連する熱膨張係数に対応し、それによってチューブ内で流体の動作可能範囲を維持することを特徴とする請求項10に記載の装置。
- チューブがあるチューブ長を有し、チューブ長が、流体チャンバのプローブ・レンズに関連するレンズ偏りに対応し、それによってチューブ内に流体の動作可能範囲を維持することを特徴とする請求項10に記載の装置。
- 流体チャンバに結合され、第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部が流体チャンバと開放流体連通し、第2の端部が大気圧と開放連通する毛細管を備え、
前記第1の端部が、毛細管を介してチューブ内に流体の一部を保持するように構成され、流体の一部が、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体に対して保持され、前記ある体積の流体が、チューブ内に含まれる流体の一部に作用する毛管力を介して流体チャンバ内に保持され、前記チューブが、侵襲性の手術での操作可能寸法を有することを特徴とする装置。 - チューブが、毛管力を介して流体チャンバ内の圧力を維持するように構成されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
- 流体チャンバ内の圧力を維持しながら、流体チャンバ内に含まれるある体積の流体が流体チャンバに対して膨張または収縮することを可能にするようにチューブが構成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
- チューブが、所定のチューブ長を有し、チューブ長が、流体に関連する熱膨張係数に対応することを特徴とする請求項17に記載の装置。
- チューブが、関連するチューブ長を有し、チューブ長が、流体チャンバのプローブ・レンズに関連するレンズ偏りに対応することを特徴とする請求項17に記載の装置。
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