JP4338909B2 - 大腸菌群の検出法並びに検出キット - Google Patents

大腸菌群の検出法並びに検出キット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検体の大腸菌群の検出法及びこの方法に使用する検出キットに関するものである。特に本発明は、β−ガラクトシダーゼを含む食品、医薬品、化粧品等の大腸菌群の迅速、簡易、高感度の検出法及びこの方法に使用する検出キットに関するものである。
尚、本明細書において、百分率(%)の表示は、特に断らない限り重量による値である。
【0002】
【従来の技術】
検体中の大腸菌群の検出法としては、インドリル誘導体として、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド0.03〜0.2mg/ml及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロニド0.01〜0.2mg/mlを含有するβ−ガラクトシダーゼ活性及びβ−グルクロニダーゼ活性の検出に基づく大腸菌群及び/又は大腸菌の同時検出のための栄養培地が開示されている(特表平9-501314号公報。以下従来技術1と記載する)。
更に、培養試薬を含有するブイヨン培地に反応基質として5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド0.01〜0.5mg/mlを添加した検出液をシート状の基体に含浸させてなることを特徴とする大腸菌群検出用シートが開示されている(特開2000-100号公報。以下従来技術2と記載する)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1の6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド等の発色合成酵素基質を含有する培地は、大腸菌群を検出するために、24時間程度培養する必要があることから、迅速な方法とはいえない問題があった。
従来技術2の発色合成酵素基質として5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを使用した大腸菌群検出用試験シートは、簡易ではあるが、前記培地と同様に大腸菌群を検出するために、24時間程度培養する必要があることから、迅速な方法とはいえない問題があった。
本発明は、迅速で、簡易かつ正確に、大腸菌群の検出法及びこの方法に使用する検出キットを提供するものである。特に、本発明は、β−ガラクトシダーゼを含む検体であっても、大腸菌群の迅速、簡易、正確な検出を可能にする方法及びこの方法に使用する検出キットを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する方法であって、その第一の態様は、前記食品検体を、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有しないグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、該グラム陽性細菌生育阻害平板培地に生育する細菌集落を、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素の変色によって識別した後、該識別された細菌集落に前記発色合成酵素基質を滴下し、その発色性を指標として肉眼により大腸菌群を検出することを特徴とする大腸菌群の検出法である。
本発明の大腸菌群の検出法の第二の態様は、前記食品検体を、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有しないグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、生育した細菌集落と、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素とを接触させた後、該酸化還元色素を変色させた細菌集落に前記発色合成酵素基質を滴下し、発色反応させてその発色度合を肉眼により観察することを特徴とした大腸菌群の検出法である。
本発明の大腸菌群の検出法の第三の態様は、前記食品検体を、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有せず、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素を含むグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、該酸化還元色素を変色させた細菌集落に前記発色合成酵素基質を滴下し、発色反応させてその発色度合を肉眼により観察することを特徴とした大腸菌群の検出法である。
発色合成酵素基質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であること、および前記食品検体が、β−ガラクトシダーゼを含む食品検体であることを望ましい態様としてもいる。
本発明の第二の発明は、食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する検出キットであって、その第一の態様は、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素液及びこれを収容する酸化還元色素液滴下用容器と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。さらに、任意に前記酸化還元色素液及び/または前記発色合成酵素基質液を吸収させるための吸収体を備えた大腸菌群の検出キットとすることができる。
本発明の大腸菌群の検出キットの第二の態様は、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素が予め添加された吸収体と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。
本発明の大腸菌群の検出キットの第三の態様は、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有せず、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素が予め添加されたグラム陽性細菌生育阻害平板培地と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。
発色合成酵素基質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であること、および前記食品検体が、β−ガラクトシダーゼを含む食品検体であることを望ましい態様としてもいる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の発明は、大腸菌群の検出法であって、その原理は、検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養することにより、グラム陰性細菌の集落を形成させ、さらに検体中の固体夾雑物と細菌集落を区別するために酸化還元色素の還元性を確認した後、β−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質の発色性を調べて、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として大腸菌群を検出するものである。
【0006】
本発明の方法の第一の態様は、検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、生育した細菌集落と酸化還元色素とを接触した後、該色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下することを特徴とした大腸菌群の検出法である。また、本発明の大腸菌群の検出法の第二の態様は、酸化還元色素を含むグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて検体を培養し、生育した細菌集落のうち、該色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下することを特徴とした大腸菌群の検出法である。
【0007】
本発明において、グラム陽性細菌生育阻害平板培地としては、選択的にグラム陽性細菌(グラム染色性が陽性の細菌)の生育を阻害し、グラム陰性細菌(グラム染色性が陰性の細菌)が生育し、細菌集落を形成しうるものであればいかなるものでもあってもよいが、具体的には市販の赤色色素を含有するデオキシコール酸寒天培地(メルク・ジャパン社製等)、VRB寒天培地(バイオレッド−レッド−胆汁酸寒天培地。メルク・ジャパン社製等)、市販の色素を含有しないラウリル硫酸ブロス(日本ベクトン・ディッキンソン社製等)に1.5%濃度で寒天を加えて調製した寒天培地等を例示できる。
【0008】
本発明において用いられる、酸化還元色素は、微生物によって還元され、変色する指示薬であれば、如何なるものであってもよく、レサズリンナトリウム、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTCともいう)等が例示される。レサズリンナトリウム溶液は暗紫色〜濃青色であるが微生物により還元されて淡紅色に変化する。また、トリフェニルテトラゾリウムクロライド溶液(TTC)は無色であるが、微生物により還元されて赤色に変化する。
【0009】
本発明の方法の第一の態様は、平板培地上に細菌集落を形成してから酸化還元色素を接触させるものである。すなわち、検体をそのまま、又は必要に応じて滅菌した生理食塩水中に分散させた後、これをグラム陽性細菌生育阻害平板培地に塗抹し、8〜12時間程度培養する。ついで、形成された細菌集落と酸化還元色素を接触させるが、方法としては、生育した集落が存在する平板培地面上に、直接酸化還元色素を滴下する方法、ろ紙等の酸化還元色素の吸収体を平板培地表面に載せた後、酸化還元色素を滴下して吸収させる方法、または、予め酸化還元色素を吸収したろ紙等の吸収体を平板培地表面に載せる方法のいずれでもよい。
この後、酸化還元色素と反応させるために、25〜40℃、好ましくは約35℃で、10分間〜2時間程度、好ましくは10分間〜1時間程度培養する。こうして培養すると、平板培地表面または酸化還元色素吸収体表面では、グラム陽性細菌生育阻害平板培地で発育する細菌は酸化還元色素を還元し、変色する。この場合、滴下又は吸収させる酸化還元色素溶液の濃度は、レサズリンナトリウム及びTTCの場合で、0.1〜10mg/ml、好ましくは0.5〜5mg/ml程度である。
【0010】
また、本発明においては、本発明の検出法の第二の態様に示すように、予め酸化還元色素を含むグラム陽性細菌生育阻害平板培地に、同様に検体を塗抹し、25〜40℃、好ましくは約35℃で、8〜24時間、好ましくは8〜14時間程度培養することもできる。この場合も、平板培地表面では、グラム陽性細菌生育阻害平板培地で発育する細菌は酸化還元色素を還元し、変色する。この場合、酸化還元色素の添加量は、レサズリンナトリウム及びTTCの場合で、培地1000ml当たり0.01〜1g、好ましくは0.05〜0.5g程度である。
【0011】
本発明の方法では、こうして発色させた後、更に、上記酸化還元色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下し、10分間〜2時間程度、好ましくは10分間〜1時間程度、25〜40℃程度、好ましくは約35℃程度で培養し、発色を観察する。
【0012】
β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質は、特に限定されないが、培地中への拡散性、培地色調との色調コントラスト、及び可視光で観察可能であるか否かを考慮して、大腸菌群かつ大腸菌の集落を青色に発色する5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、大腸菌群かつ大腸菌の集落を紫色に発色する5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、大腸菌群かつ大腸菌の集落を赤紫色に発色する6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であることが望ましい。
【0013】
また、紫色又は赤紫色に発色する発色合成酵素基質(5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)を使用する場合は、赤色及び/または紫色素を含有する培地(デスオキシコレイト培地、VRB寒天培地等)では、観察しづらいことから、色素を含有しないグラム陽性細菌生育阻害培地(ラウリル硫酸寒天培地等)を使用することが望ましい。
【0014】
本発明において好ましく用いられる、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、レサズリンナトリウム、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)等は、いずれも市販品(和光純薬工業社製、ナカライテスク社製等)が使用できる。
【0015】
本発明の大腸菌群の検出法によれば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−GAL)等β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を直接滴下し、滴下後短時間で(10分間〜2時間で)、大腸菌群を検出出来ることを特徴とするβ−ガラクトシダーゼを含む検体の大腸菌群の検出法が、検体の接種(塗抹)から8〜16時間という短時間で、迅速に、簡便かつ高感度でβ−ガラクトシダーゼを含む検体の検査における大腸菌群を検出できるものである。特に、本発明の検出法は、検体がβ‐ガラクトシダーゼを含む場合も、検体に存在するβ−ガラクトシダーゼを大腸菌群の集落と誤判定することがない。
【0016】
本発明の酸化還元色素及び発色合成酵素基質は、溶液状、粉末状等各種の実施形態が可能であるが、直接滴下して使用されることから、溶液状であることが望ましい。本発明の細菌集落への直接滴下は、発色合成酵素基質を滴状で滴下することに限定されず、霧状で滴下することもできる。発色合成酵素基質の滴下量は、細菌集落の大きさ、発色合成酵素基質の濃度等により適宜選択されるが、目標細菌集落を覆うのに十分な量滴下することが望ましい。本発明の大腸菌群には、好気性又は通性嫌気性の無芽胞桿菌で、乳糖を分解してガスを形成するグラム陰性菌であるエシェリキア属、エンテロバクター属などの各菌を示す。
【0017】
以上の通り、本発明のβ−ガラクトシダーゼを含む検体の大腸菌群の検出法は、グラム陽性細菌生育阻害平板培地に生育する細菌集落を酸化還元色素の変色によって、固形夾雑物と識別し、更に、その変色部の細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質を滴下し、細菌集落の菌のβ−ガラクトシダーゼ活性の有無を確認する検出法であって、培養後、短時間(10分間〜4時間)で酸化還元色素の変色及び発色合成酵素基質の発色反応が検出でき、また、生鮮食品、ヨーグルト等の検体に含まれるβ−ガラクトシダーゼによる誤判定がないことから、簡易かつ正確に大腸菌群を検出できる。
【0018】
また、本発明の検出法は、発色合成酵素基質を培養後、酸化還元色素変色部の細菌集落に直接滴下することから、比較的高濃度の発色合成酵素基質を使用出来、概ね細菌集落が形成される8〜16時間という短い時間で、迅速に大腸菌群を検出できる。
【0019】
次に本発明の第二の発明について詳細に説明する。
第二の発明は、第一の発明の検査法を実施するためのキットに関する。
本発明の検出キットの第一の態様は、大腸菌群の検出キットであって、その第一の態様は、酸化還元色素液及びこれを収容する酸化還元色素液滴下用容器と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。
このキットを用いて、大腸菌群を検出するには、グラム陽性細菌生育阻害平板培地に生育した細菌集落に、酸化還元色素液滴下用容器を用いて酸化還元色素を平板培地面に滴下し、これを培養する。ついで発色合成酵素基質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴下する。
【0020】
このキットは、さらに、任意に前記酸化還元色素液及び/または前記発色合成酵素基質液を吸収させるための吸収体を備えた大腸菌群の検出キットとすることができる。この場合、吸収体を平板培地表面に載せた後、酸化還元色素液滴下用容器を用いて酸化還元色素を吸収させるか、または、予め酸化還元色素液滴下用容器を用いて吸収体に酸化還元色素を吸収させて平板培地表面に載せ、培養することができる。ついで発色合成酵素基質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴下する。
【0021】
本発明の大腸菌群の検出キットの第二の態様は、酸化還元色素が予め添加された吸収体と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。
このキットを用いて大腸菌群を検出するには、グラム陽性細菌生育阻害平板培地に生育した細菌集落に、酸化還元色素を吸収したろ紙等の吸収体を平板培地表面に載せ、これを培養する。ついで発色合成酵素基質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴下する。
【0022】
本発明の大腸菌群の検出キットの第三の態様は、酸化還元色素が予め添加されたグラム陽性菌生育阻害培地と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。
このキットを用いて大腸菌群を検出するには、酸化還元色素が予め添加されたグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて検体を培養し、この培地の酸化還元色素を還元し、該色素を変色させた細菌集落に、発色合成酵素基質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴下する。
【0023】
本発明の検出キットにおいて、酸化還元色素及び/または発色合成酵素基質を収容する滴下用容器は、細菌集落または、以下の吸収体に直接滴下することが出来る容器であれば、如何なるものであってもよいが、具体的には、市販の点眼ボトル、スポイト瓶、ノズルバイアル、ノズルキャップ付き容器等(竹中容器社製、マルコム社製等)が例示できる。
【0024】
吸収体は、酸化還元色素液及び/または発色合成酵素基質を吸収、保持させ得るものであればいずれのものでも使用でき、市販のろ紙、メッシュ、紙シート等(東洋ろ紙社製等)が例示される。
酸化還元色素を予め添加された吸収体は、細菌集落によって還元され変色するために十分量の酸化還元色素が予め添加された吸収体であり、酸化還元色素液を添加後、乾燥処理をほどこすことが保管上望ましい。
【0025】
酸化還元色素を予め添加された培地は、細菌集落によって還元され変色するために十分量の酸化還元色素が予め添加された培地であり、生培地であることが、利便性上望ましい。
【0026】
発色合成酵素基質の濃度は、後記試験例から明らかなとおり、6mg/ml未満では、直接滴下により鑑別に十分な発色が得られないこと、80mg/mlを超えると、発色合成酵素基質の結晶の析出が認められることから、6〜80mg/mlであることが好ましい。なお、培地中に含有させる場合と異なり、発色合成酵素基質溶液の溶媒による細菌の生育などの影響を考慮する必要はなく、強い発色が可能な6〜80mg/mlという比較的高濃度での実施が可能となる。なお、本発明において、発色合成酵素基質は、ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製等)又はジメチルホルムアミドの水溶液に前記濃度で溶解して使用でき、ジメチルホルムアミド水溶液は50%濃度以上の溶液であることが望ましい。
【0027】
以上の通り、本発明の第二の発明の迅速キットは、前期本発明の第一の発明の大腸菌群の迅速判定法に好適に使用することが出来、迅速で、簡易かつ高精度な大腸菌群の検出を可能とする。
【0028】
なお、本発明において発色合成酵素基質の発色の判定は、以下の発色度合の判定方法を採用する。
(発色度合の判定方法)
肉眼により細菌集落の発色度合を日本工業規格(JIS Z 8721)に準拠した日本規格協会発行の標準色票と比較して判定する。
具体的には、各発色合成酵素基質による発色の色彩に対応した次に示す各標準色票と比較して、明度(V)が7以下の値を示すものを鑑別に十分な発色有りと判定する。
【0029】
発色の色彩が青色を呈する発色合成酵素基質である5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを使用した場合には、色相別チャート5Bの彩度(C)が6の列の標準色票と比較する。
発色の色彩が紫色を呈する発色合成酵素基質である5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを使用した場合には、色相別チャート5Pの彩度(C)が6の列の標準色票と比較する。
発色の色彩が赤紫色を呈する発色合成酵素基質である6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを使用した場合には、色相別チャート5RPの彩度(C)が8の列の標準色票と比較する。
次に試験例を示して本発明を詳記する。
【0030】
【実施例】
試験例1
この試験は、本発明の方法が、β−ガラクトシダーゼを含む食品の大腸菌群の検出においても有効であることを調べるために行った。
【0031】
(1)試験培地
グラム陽性細菌生育阻害平板培地として、市販のデオキシコール酸寒天培地(メルク・ジャパン社製)を常法により、調製して、無菌室内で、直径9cmのプラスチック製滅菌シャーレ(栄研器材社製)に1枚当り20ml分注し、冷却し、水平に固めた後、試験菌液の吸収を高めるため、クリーンブース内で、培地表面をよく乾燥したものを使用した。
【0032】
(2)試験菌液の調製
試験菌株として、微生物保存機関である東京大学医科学研究所より分譲されたエシェリキア・コリ(Escherichia coli)IID 562B、及び発酵研究所より分譲されたエンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)IFO13535を使用した。
前記試験菌株の各1菌株の滅菌生理食塩水による希釈液(100 CFU(colony forming unit)/ml)9mlとプレーンヨーグルト(森永乳業社製)1gとを混合して作製した試験菌液を、前記試験培地の各1平板に対して、0.4gを塗抹し、35℃で14時間培養し、検出対象である細菌集落を形成させた(計算上菌数:36 CFU/平板)。
【0033】
(3)試薬の調製
酸化還元色素としてトリフェニルテトラゾリウムクロライド(和光純薬工業社製)を精製水に5mg/mlの濃度で溶解し、TTC試薬とした。
発色合成酵素基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(和光純薬社製)をジメチルホルムアミド(和光純薬社製)に、30mg/mlの濃度で溶解し、X−GAL試薬とした。
【0034】
(4)試験方法
ヨーグルトカードと細菌集落が混在したシャーレ表面にTTC試薬を滴下、35℃20分間反応させ、赤く変色した細菌集落に、X−GAL試薬を滴下、35℃30分間反応させ、青く変色した数を計測した。
一方、比較実験として、酸化還元色素を滴下していない培地の入ったシャーレ表面にX−GAL試薬を滴下、35℃30分間発色反応させ、青く変色した数を計測した。
また、ブランクとして、上記試験菌を含まないプレーンヨーグルトの滅菌生理食塩水による10倍希釈液を用いて、本発明による方法と酸化還元色素を滴下していない培地を用いた方法とを同様に試験し、青変色の数を計測した。
【0035】
(5)試験結果
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004338909
【0037】
上記結果から、本発明の方法によって、正確にかつ迅速に大腸菌群を計測可能であった。
一方、酸化還元色素を用いずに、そのままX-GAL試薬を滴下する方法では、培地表面で細かく分散したヨーグルトカードが青く変色し、大腸菌群の集落と誤判定してしまう欠点があった。
【0038】
試験例2
この試験は、発色度合を指標として、発色合成酵素基質の適正な濃度を調べるために行った。
なお、以下の試薬の調製、試験方法以外については、試験例1と同じ方法にて実施した。
【0039】
(1)試薬の調製
酸化還元色素として、レサズリンナトリウム(Resazurin sodium salt、和光純薬工業社製)を精製水に5mg/mlの濃度で溶解し、レサズリン試薬とした。
発色合成酵素基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(和光純薬工業社製)をジメチルホルムアミド(ナカライテスク社製)に、表2に示す通りに3,6,80、及び90mg/mlの各濃度で溶解し、X−GAL試薬とした。
【0040】
(2)試験方法
培地表面全体にろ紙を載せ密着させた後、濃い青色のレサズリン試薬をろ紙全体に滴下し、35℃30分間変色反応させ、このろ紙がうすいピンク色または無色に変色した部分に、X−GAL試薬を滴下、35℃30分間発色反応させ、発色度合を前記発色度合いの判定方法により判定した。
【0041】
(3)試験結果
この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明らかな通り、発色合成酵素基質の濃度が6mg/ml未満では、鑑別に十分な発色が得られなかった。また80mg/mlを超えると、発色合成酵素基質の結晶の析出が認められた。従って、発色合成酵素基質の適正な濃度は、6〜80mg/mlであることが判明した。
なお、大腸菌群に属する試験菌株の種類、グラム陽性細菌生育阻害培地の種類(具体的には、硫酸ラウリル寒天培地等)、大腸菌群を直接検出できる発色合成酵素基質の種類(5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド等)、10〜60分間の発色時間の範囲で、又は8〜14時間の細菌培養時間の範囲で、適宜変更して試験したがほぼ同様の結果が得られた。
【0042】
【表2】
Figure 0004338909
【0043】
次に実施例を示してさらに本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
酸化還元色素として、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(和光純薬工業社製)を精製水に1%(W/W)の濃度で溶解し、TTC試薬として使用した。
発色合成酵素基質として、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(MAGENTA−GAL 和光純薬工業社製)をジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)の50%濃度の水溶液に40mg/mlの濃度で溶解し、MAGENTA−GAL 試薬として使用した。
これら試薬を使用して、次に示すとおり、β−ガラクトシダーゼを含む検体の大腸菌群の検出法を実施した。
【0044】
グラム陽性細菌生育阻害培地として、市販のラウリル硫酸ブロス調製用粉末培地(日本ベクトン・デッキンソン社製)に1.5%濃度で寒天(ディフコ社製)、を加えて常法により、調製して、上記TTC試薬(1%)を5ml/培地1Lとなるように、無菌的に添加、攪拌後、無菌室内で、直径9cmのプラスチック製滅菌シャーレ(栄研器材社製)に1枚あたり20ml分注し、冷却固化、室温に1週間放置し、十分に乾操したものを使用した。
【0045】
検体は市販のパイン果肉(生)を用いた。
なお、パイン果肉(生)はβ−ガラクトシダーゼ活性があることが知られている。
上記パイン果肉を細かく磨砕した後、滅菌生理食塩水で5倍に希釈した分散液0.5mlに、発酵研究所より分譲されたエンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)IFO13535及びアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより分譲されたシュードモナス・エルジノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC5516のそれぞれの菌数を滅菌生理食塩水にて、1,000CFU/mlに調製した菌液を各々0.01ml添加した試験検体0.52mlを、上記培地に塗抹し、35℃で12時間培養した。
その結果、培地表面全体に、赤く変色した18の細菌集落が観察され、その細菌集落に、MAGENTA−GAL試薬をピペットを用いて滴下、35℃30分後の発色を観察した。
【0046】
その結果、赤から紫に発色した10の細菌集落と、赤いままの8の細菌集落が観察された。
紫に発色した細菌集落と、赤色の細菌集落について、常法(厚生省生活衛生局監修、「食品衛生検査指針 微生物編」、日本食品衛生協会発行、1990年12月25日)に基づき細菌の同定を行った結果、紫に発色した細菌集落はエンテロバクター・クロアカエ、赤色の細菌集落はシュードモナス・エルジノーザであることが確認された。
即ち、前記検出試薬キットを使用したβ−ガラクトシダーゼ活性のある生フルーツを含む大腸菌群の検出法は、生フルーツの細かい小片を大腸菌群と誤判定することなく、大腸菌群であるエンテロバクター・クロアカエと大腸菌群ではないグラム陰性菌のシュードモナス・エルジノーザとの鑑別に有効であり、迅速に、簡易に高感度で大腸菌群を検出できることから優れている。
【0047】
実施例2
酸化還元色素として、レサズリンナトリウム(Resazurin sodium salt、和光純薬工業社製)をエタノール(和光純薬工業社製)の50%濃度の水溶液に1mg/mlの濃度で溶解し、5ml容量のポリプロピレン製点眼ボトル(竹本容器社製)に分注した。
発色合成酵素基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−GAL 和光純薬工業社製)をジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)の50%濃度の水溶液に20mg/mlの濃度で溶解し、5ml容量のポリプロピレン製点眼ボトル(竹本容器社製)に分注した。
これらボトル入りキット及び酸化還元色素の吸収体としてのろ紙(東洋ろ紙社製)を使用して、次に示すとおり、β−ガラクトシダーゼを含む検体の大腸菌群の検出法を実施した。
グラム陽性細菌生育阻害培地として、市販のデオキシコール酸寒天培地(栄研化学社製)を常法により調製して、無菌室内で、直径9cmのプラスチック製滅菌シャーレ(栄研器材社製)に1枚あたり20ml分注し、冷却固化、室温に1週間放置し、十分に乾操したものを使用した。
【0048】
検体は、市販の挽き肉(生)、玉ねぎ等の生野菜等を使用した手作りハンバーグ(未加熱品)を用いた。なお、この生肉、玉ねぎはβ−ガラクトシダーゼ活性があることが知られている。
上記ハンバーグを更に細かく挽いた後、滅菌生理食塩水で5倍に希釈した分散液0.5mlを、上記培地に塗抹し、35℃で10時間培養した。
培地表面に市販のろ紙(東洋ろ紙社製)を載せ、上記レサズリン溶液をろ紙全体に滴下、35℃30分間後、ろ紙が淡紅色から無色となった25区域に、X−GAL溶液を滴下、35℃30分間後の発色を観察した。
【0049】
その結果、明確に青く発色した18区域と全く発色が認められない7区域が観察された。
培地表面より、ろ紙を取り除き、青く発色した区域の細菌集落と、発色の認められない区域の細菌集落について、常法(厚生省生活衛生局監修、「食品衛生検査指針 微生物編」、日本食品衛生協会発行、1990年12月25日)に基づき細菌の同定を行った結果、青色発色ありの細菌集落は大腸菌群であり、青色発色なしの細菌集落は大腸菌群でないことが確認された。
即ち、前記検出キットを使用することにより、β−ガラクトシダーゼ活性のある生肉、玉ねぎ等を含むハンバーグについて、生肉、玉ねぎの細かく挽かれた小片を大腸菌群と誤判定することなく、迅速に、簡易に高感度で大腸菌群を検出できることから優れている。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に記載した通り、本発明は、検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養した後、酸化還元色素を変色させる細菌集落について、β‐ガラクトシダーゼにより発色する発色合成酵素基質の発色性を指標として大腸菌群を検出することを特徴とする大腸菌群の迅速、簡易かつ高感度の検出法、並びにこの方法に使用する検出キットに関するものであり、本発明によって奏せられる効果は以下の通りである。
(1)本発明の大腸菌群の検出法は、8〜16時間という短時間で、迅速に、大腸菌群を検出できる。
(2)本発明の大腸菌群の検出法及び検出キットは、グラム陽性細菌生育阻害培地に生育した細菌集落と酸化還元色素とを接触した後、変色部にβ−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下する構成よりなることから、極めて簡易である。
(3)本発明の大腸菌群の検出法及び検出キットは、グラム陽性細菌生育阻害培地に生育した細菌集落と酸化還元色素とを接触した後、変色部にβ−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下することを特徴とし、検体に含まれるβ−ガラクトシダーゼの影響を考慮することなく、発色合成酵素基質による発色を計測可能で、正確な検出が可能である。
(4)本発明の大腸菌群の検出法及び検出キットは、培地中の発色合成酵素基質を含有させる場合と異なり、発色合成酵素基質の溶媒による細菌の生育阻害等の影響を考慮することなく、強い発色が可能な6〜80mg/mlという比較的高濃度での実施が可能で高感度である。

Claims (11)

  1. 食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する方法であって、前記食品検体を、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有しないグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、該グラム陽性細菌生育阻害平板培地に生育する細菌集落を、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素の変色によって識別した後、該識別された細菌集落に前記発色合成酵素基質を滴下し、その発色性を指標として肉眼により大腸菌群を検出することを特徴とする大腸菌群の検出法。
  2. 食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する方法であって、前記食品検体を、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有しないグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、生育した細菌集落と、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素とを接触させた後、該酸化還元色素を変色させた細菌集落に前記発色合成酵素基質を滴下し、発色反応させてその発色度合を肉眼により観察することを特徴とした大腸菌群の検出法。
  3. 食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する方法であって、前記食品検体を、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有せず、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素を含むグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、該酸化還元色素を変色させた細菌集落に前記発色合成酵素基質を滴下し、発色反応させてその発色度合を肉眼により観察することを特徴とした大腸菌群の検出法。
  4. 前記発色合成酵素基質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の大腸菌群の検出法。
  5. 前記食品検体が、β−ガラクトシダーゼを含む食品検体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の大腸菌群の検出法。
  6. 食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する検出キットであって、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素液及びこれを収容する酸化還元色素液滴下用容器と、β−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キット。
  7. 前記酸化還元色素液及び/または前記発色合成酵素基質液を吸収させるための吸収体を備えた請求項記載の大腸菌群の検出キット。
  8. 食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する検出キットであって、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素が予め添加された吸収体と、β−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キット。
  9. 食品検体中に存在する大腸菌群を、グラム陰性のβ−ガラクトシダーゼを発現する細菌として検出する検出キットであって、β‐ガラクトシダーゼにより可視光で観察可能に発色する発色合成酵素基質を含有せず、レサズリンナトリウムおよびトリフェニルテトラゾリウムクロライドから選ばれる酸化還元色素が予め添加されたグラム陽性細菌生育阻害平板培地と、β−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キット。
  10. 前記発色合成酵素基質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の大腸菌群の検出キット。
  11. 前記食品検体が、β−ガラクトシダーゼを含む食品検体である請求項6〜10のいずれか一項に記載の大腸菌群の検出キット。
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