JP2002360296A - 大腸菌群の検出法並びに検出キット - Google Patents
大腸菌群の検出法並びに検出キットInfo
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Abstract
も、大腸菌群の迅速、簡易、正確な検出を可能にする方
法及びこの方法に使用する検出キットを提供する。 【解決手段】 検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地
にて培養した後、酸化還元色素を変色させる細菌集落に
ついて、β‐ガラクトシダーゼにより発色する発色合成
酵素基質の発色性を指標として大腸菌群を検出すること
を特徴とする大腸菌群の検出法と、酸化還元色素液及び
これを収容する酸化還元色素液滴下用容器と、β−ガラ
クトシダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質液
及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを
備えた大腸菌群の検出キット。
Description
検出法及びこの方法に使用する検出キットに関するもの
である。特に本発明は、β−ガラクトシダーゼを含む食
品、医薬品、化粧品等の大腸菌群の迅速、簡易、高感度
の検出法及びこの方法に使用する検出キットに関するも
のである。尚、本明細書において、百分率(%)の表示
は、特に断らない限り重量による値である。
ンドリル誘導体として、6−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトピラノシド0.03〜0.2mg/m
l及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
D−グルクロニド0.01〜0.2mg/mlを含有す
るβ−ガラクトシダーゼ活性及びβ−グルクロニダーゼ
活性の検出に基づく大腸菌群及び/又は大腸菌の同時検
出のための栄養培地が開示されている(特表平9-501314
号公報。以下従来技術1と記載する)。更に、培養試薬
を含有するブイヨン培地に反応基質として5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノ
シド0.01〜0.5mg/mlを添加した検出液をシ
ート状の基体に含浸させてなることを特徴とする大腸菌
群検出用シートが開示されている(特開2000-100号公
報。以下従来技術2と記載する)。
ロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド等の
発色合成酵素基質を含有する培地は、大腸菌群を検出す
るために、24時間程度培養する必要があることから、迅
速な方法とはいえない問題があった。従来技術2の発色
合成酵素基質として5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリル−β−D−ガラクトピラノシドを使用した大腸菌
群検出用試験シートは、簡易ではあるが、前記培地と同
様に大腸菌群を検出するために、24時間程度培養する必
要があることから、迅速な方法とはいえない問題があっ
た。本発明は、迅速で、簡易かつ正確に、大腸菌群の検
出法及びこの方法に使用する検出キットを提供するもの
である。特に、本発明は、β−ガラクトシダーゼを含む
検体であっても、大腸菌群の迅速、簡易、正確な検出を
可能にする方法及びこの方法に使用する検出キットを提
供することを目的とする。
検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養した
後、酸化還元色素を変色させる細菌集落について、β−
ガラクトシダーゼにより発色する発色合成酵素基質の発
色性を指標として大腸菌群を検出することを特徴とする
大腸菌群の検出法である。本発明の大腸菌群の検出法の
第一の態様は、検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地
にて培養し、生育した細菌集落と酸化還元色素とを接触
した後、該色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシ
ダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下
することを特徴とした大腸菌群の検出法である。本発明
の大腸菌群の検出法の第二の態様は、酸化還元色素を含
むグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて検体を培養し、
該色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの
存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下すること
を特徴とした大腸菌群の検出法である。発色合成酵素基
質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3
−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロ
ロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、又
はこれらの塩類であることを望ましい態様としてもい
る。本発明の第二の発明は、大腸菌群の検出キットであ
って、その第一の態様は、酸化還元色素液及びこれを収
容する酸化還元色素液滴下用容器と、β−ガラクトシダ
ーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質液及びこ
れを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた
大腸菌群の検出キットである。さらに、任意に前記酸化
還元色素液及び/または前記発色合成酵素基質液を吸収
させるための吸収体を備えた大腸菌群の検出キットとす
ることができる。本発明の大腸菌群の検出キットの第二
の態様は、酸化還元色素が予め添加された吸収体と、β
−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵
素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用
容器とを備えた大腸菌群の検出キットである。本発明の
大腸菌群の検出キットの第三の態様は、酸化還元色素が
予め添加されたグラム陽性菌生育阻害平板培地と、β−
ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素
基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容
器とを備えた大腸菌群の検出キットである。発色合成酵
素基質が、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ
−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、6−
クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシ
ド、又はこれらの塩類であることを望ましい態様として
もいる。
の検出法であって、その原理は、検体をグラム陽性細菌
生育阻害平板培地にて培養することにより、グラム陰性
細菌の集落を形成させ、さらに検体中の固体夾雑物と細
菌集落を区別するために酸化還元色素の還元性を確認し
た後、β−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色
合成酵素基質の発色性を調べて、グラム陰性のβ−ガラ
クトシダーゼを発現する細菌として大腸菌群を検出する
ものである。
ラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養し、生育した細
菌集落と酸化還元色素とを接触した後、該色素を変色さ
せた細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在によって発
色する発色合成酵素基質を滴下することを特徴とした大
腸菌群の検出法である。また、本発明の大腸菌群の検出
法の第二の態様は、酸化還元色素を含むグラム陽性細菌
生育阻害平板培地にて検体を培養し、生育した細菌集落
のうち、該色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシ
ダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下
することを特徴とした大腸菌群の検出法である。
害平板培地としては、選択的にグラム陽性細菌(グラム
染色性が陽性の細菌)の生育を阻害し、グラム陰性細菌
(グラム染色性が陰性の細菌)が生育し、細菌集落を形
成しうるものであればいかなるものでもあってもよい
が、具体的には市販の赤色色素を含有するデオキシコー
ル酸寒天培地(メルク・ジャパン社製等)、VRB寒天
培地(バイオレッド−レッド−胆汁酸寒天培地。メルク
・ジャパン社製等)、市販の色素を含有しないラウリル
硫酸ブロス(日本ベクトン・ディッキンソン社製等)に
1.5%濃度で寒天を加えて調製した寒天培地等を例示
できる。
素は、微生物によって還元され、変色する指示薬であれ
ば、如何なるものであってもよく、レサズリンナトリウ
ム、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTCと
もいう)等が例示される。レサズリンナトリウム溶液は
暗紫色〜濃青色であるが微生物により還元されて淡紅色
に変化する。また、トリフェニルテトラゾリウムクロラ
イド溶液(TTC)は無色であるが、微生物により還元
されて赤色に変化する。
上に細菌集落を形成してから酸化還元色素を接触させる
ものである。すなわち、検体をそのまま、又は必要に応
じて滅菌した生理食塩水中に分散させた後、これをグラ
ム陽性細菌生育阻害平板培地に塗抹し、8〜12時間程
度培養する。ついで、形成された細菌集落と酸化還元色
素を接触させるが、方法としては、生育した集落が存在
する平板培地面上に、直接酸化還元色素を滴下する方
法、ろ紙等の酸化還元色素の吸収体を平板培地表面に載
せた後、酸化還元色素を滴下して吸収させる方法、また
は、予め酸化還元色素を吸収したろ紙等の吸収体を平板
培地表面に載せる方法のいずれでもよい。この後、酸化
還元色素と反応させるために、25〜40℃、好ましく
は約35℃で、10分間〜2時間程度、好ましくは10
分間〜1時間程度培養する。こうして培養すると、平板
培地表面または酸化還元色素吸収体表面では、グラム陽
性細菌生育阻害平板培地で発育する細菌は酸化還元色素
を還元し、変色する。この場合、滴下又は吸収させる酸
化還元色素溶液の濃度は、レサズリンナトリウム及びT
TCの場合で、0.1〜10mg/ml、好ましくは
0.5〜5mg/ml程度である。
の第二の態様に示すように、予め酸化還元色素を含むグ
ラム陽性細菌生育阻害平板培地に、同様に検体を塗抹
し、25〜40℃、好ましくは約35℃で、8〜24時
間、好ましくは8〜14時間程度培養することもでき
る。この場合も、平板培地表面では、グラム陽性細菌生
育阻害平板培地で発育する細菌は酸化還元色素を還元
し、変色する。この場合、酸化還元色素の添加量は、レ
サズリンナトリウム及びTTCの場合で、培地1000
ml当たり0.01〜1g、好ましくは0.05〜0.
5g程度である。
後、更に、上記酸化還元色素を変色させた細菌集落にβ
−ガラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵
素基質を滴下し、10分間〜2時間程度、好ましくは1
0分間〜1時間程度、25〜40℃程度、好ましくは約
35℃程度で培養し、発色を観察する。
する発色合成酵素基質は、特に限定されないが、培地中
への拡散性、培地色調との色調コントラスト、及び可視
光で観察可能であるか否かを考慮して、大腸菌群かつ大
腸菌の集落を青色に発色する5−ブロモ−4−クロロ−
3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド、大腸菌
群かつ大腸菌の集落を紫色に発色する5−ブロモ−6−
クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシ
ド、大腸菌群かつ大腸菌の集落を赤紫色に発色する6−
クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシ
ド、又はこれらの塩類であることが望ましい。
酵素基質(5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インド
リル−β−D−ガラクトピラノシド)を使用する場合
は、赤色及び/または紫色素を含有する培地(デスオキ
シコレイト培地、VRB寒天培地等)では、観察しづら
いことから、色素を含有しないグラム陽性細菌生育阻害
培地(ラウリル硫酸寒天培地等)を使用することが望ま
しい。
ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラク
トピラノシド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリ
ル−β−D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−イ
ンドリル−β−D−ガラクトピラノシド、レサズリンナ
トリウム、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(T
TC)等は、いずれも市販品(和光純薬工業社製、ナカ
ライテスク社製等)が使用できる。
ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラク
トピラノシド(X−GAL)等β−ガラクトシダーゼの
存在によって発色する発色合成酵素基質を直接滴下し、
滴下後短時間で(10分間〜2時間で)、大腸菌群を検
出出来ることを特徴とするβ−ガラクトシダーゼを含む
検体の大腸菌群の検出法が、検体の接種(塗抹)から8
〜16時間という短時間で、迅速に、簡便かつ高感度で
β−ガラクトシダーゼを含む検体の検査における大腸菌
群を検出できるものである。特に、本発明の検出法は、
検体がβ‐ガラクトシダーゼを含む場合も、検体に存在
するβ−ガラクトシダーゼを大腸菌群の集落と誤判定す
ることがない。
質は、溶液状、粉末状等各種の実施形態が可能である
が、直接滴下して使用されることから、溶液状であるこ
とが望ましい。本発明の細菌集落への直接滴下は、発色
合成酵素基質を滴状で滴下することに限定されず、霧状
で滴下することもできる。発色合成酵素基質の滴下量
は、細菌集落の大きさ、発色合成酵素基質の濃度等によ
り適宜選択されるが、目標細菌集落を覆うのに十分な量
滴下することが望ましい。本発明の大腸菌群には、好気
性又は通性嫌気性の無芽胞桿菌で、乳糖を分解してガス
を形成するグラム陰性菌であるエシェリキア属、エンテ
ロバクター属などの各菌を示す。
ゼを含む検体の大腸菌群の検出法は、グラム陽性細菌生
育阻害平板培地に生育する細菌集落を酸化還元色素の変
色によって、固形夾雑物と識別し、更に、その変色部の
細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在により発色する
発色合成酵素基質を滴下し、細菌集落の菌のβ−ガラク
トシダーゼ活性の有無を確認する検出法であって、培養
後、短時間(10分間〜4時間)で酸化還元色素の変色
及び発色合成酵素基質の発色反応が検出でき、また、生
鮮食品、ヨーグルト等の検体に含まれるβ−ガラクトシ
ダーゼによる誤判定がないことから、簡易かつ正確に大
腸菌群を検出できる。
質を培養後、酸化還元色素変色部の細菌集落に直接滴下
することから、比較的高濃度の発色合成酵素基質を使用
出来、概ね細菌集落が形成される8〜16時間という短
い時間で、迅速に大腸菌群を検出できる。
明する。第二の発明は、第一の発明の検査法を実施する
ためのキットに関する。本発明の検出キットの第一の態
様は、大腸菌群の検出キットであって、その第一の態様
は、酸化還元色素液及びこれを収容する酸化還元色素液
滴下用容器と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発
色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成
酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キット
である。このキットを用いて、大腸菌群を検出するに
は、グラム陽性細菌生育阻害平板培地に生育した細菌集
落に、酸化還元色素液滴下用容器を用いて酸化還元色素
を平板培地面に滴下し、これを培養する。ついで発色合
成酵素基質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴
下する。
元色素液及び/または前記発色合成酵素基質液を吸収さ
せるための吸収体を備えた大腸菌群の検出キットとする
ことができる。この場合、吸収体を平板培地表面に載せ
た後、酸化還元色素液滴下用容器を用いて酸化還元色素
を吸収させるか、または、予め酸化還元色素液滴下用容
器を用いて吸収体に酸化還元色素を吸収させて平板培地
表面に載せ、培養することができる。ついで発色合成酵
素基質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴下す
る。
様は、酸化還元色素が予め添加された吸収体と、β−ガ
ラクトシダーゼの存在によって発色する発色合成酵素基
質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴下用容器
とを備えた大腸菌群の検出キットである。このキットを
用いて大腸菌群を検出するには、グラム陽性細菌生育阻
害平板培地に生育した細菌集落に、酸化還元色素を吸収
したろ紙等の吸収体を平板培地表面に載せ、これを培養
する。ついで発色合成酵素基質液滴下用容器を用いて発
色合成酵素基質を滴下する。
様は、酸化還元色素が予め添加されたグラム陽性菌生育
阻害培地と、β−ガラクトシダーゼの存在によって発色
する発色合成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵
素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検出キットで
ある。このキットを用いて大腸菌群を検出するには、酸
化還元色素が予め添加されたグラム陽性細菌生育阻害平
板培地にて検体を培養し、この培地の酸化還元色素を還
元し、該色素を変色させた細菌集落に、発色合成酵素基
質液滴下用容器を用いて発色合成酵素基質を滴下する。
素及び/または発色合成酵素基質を収容する滴下用容器
は、細菌集落または、以下の吸収体に直接滴下すること
が出来る容器であれば、如何なるものであってもよい
が、具体的には、市販の点眼ボトル、スポイト瓶、ノズ
ルバイアル、ノズルキャップ付き容器等(竹中容器社
製、マルコム社製等)が例示できる。
色合成酵素基質を吸収、保持させ得るものであればいず
れのものでも使用でき、市販のろ紙、メッシュ、紙シー
ト等(東洋ろ紙社製等)が例示される。酸化還元色素を
予め添加された吸収体は、細菌集落によって還元され変
色するために十分量の酸化還元色素が予め添加された吸
収体であり、酸化還元色素液を添加後、乾燥処理をほど
こすことが保管上望ましい。
菌集落によって還元され変色するために十分量の酸化還
元色素が予め添加された培地であり、生培地であること
が、利便性上望ましい。
ら明らかなとおり、6mg/ml未満では、直接滴下に
より鑑別に十分な発色が得られないこと、80mg/m
lを超えると、発色合成酵素基質の結晶の析出が認めら
れることから、6〜80mg/mlであることが好まし
い。なお、培地中に含有させる場合と異なり、発色合成
酵素基質溶液の溶媒による細菌の生育などの影響を考慮
する必要はなく、強い発色が可能な6〜80mg/ml
という比較的高濃度での実施が可能となる。なお、本発
明において、発色合成酵素基質は、ジメチルホルムアミ
ド(和光純薬工業社製等)又はジメチルホルムアミドの
水溶液に前記濃度で溶解して使用でき、ジメチルホルム
アミド水溶液は50%濃度以上の溶液であることが望ま
しい。
ットは、前期本発明の第一の発明の大腸菌群の迅速判定
法に好適に使用することが出来、迅速で、簡易かつ高精
度な大腸菌群の検出を可能とする。
発色の判定は、以下の発色度合の判定方法を採用する。 (発色度合の判定方法)肉眼により細菌集落の発色度合
を日本工業規格(JIS Z 8721)に準拠した日
本規格協会発行の標準色票と比較して判定する。具体的
には、各発色合成酵素基質による発色の色彩に対応した
次に示す各標準色票と比較して、明度(V)が7以下の
値を示すものを鑑別に十分な発色有りと判定する。
質である5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β
−D−ガラクトピラノシドを使用した場合には、色相別
チャート5Bの彩度(C)が6の列の標準色票と比較す
る。発色の色彩が紫色を呈する発色合成酵素基質である
5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D−ガ
ラクトピラノシドを使用した場合には、色相別チャート
5Pの彩度(C)が6の列の標準色票と比較する。発色
の色彩が赤紫色を呈する発色合成酵素基質である6−ク
ロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシドを
使用した場合には、色相別チャート5RPの彩度(C)
が8の列の標準色票と比較する。次に試験例を示して本
発明を詳記する。
含む食品の大腸菌群の検出においても有効であることを
調べるために行った。
シコール酸寒天培地(メルク・ジャパン社製)を常法に
より、調製して、無菌室内で、直径9cmのプラスチッ
ク製滅菌シャーレ(栄研器材社製)に1枚当り20ml
分注し、冷却し、水平に固めた後、試験菌液の吸収を高
めるため、クリーンブース内で、培地表面をよく乾燥し
たものを使用した。
研究所より分譲されたエシェリキア・コリ(Escherichi
a coli)IID 562B、及び発酵研究所より分譲さ
れたエンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter clo
acae)IFO13535を使用した。前記試験菌株の各
1菌株の滅菌生理食塩水による希釈液(100 CFU(co
lonyforming unit)/ml)9mlとプレーンヨーグルト
(森永乳業社製)1gとを混合して作製した試験菌液
を、前記試験培地の各1平板に対して、0.4gを塗抹
し、35℃で14時間培養し、検出対象である細菌集落
を形成させた(計算上菌数:36 CFU/平板)。
イド(和光純薬工業社製)を精製水に5mg/mlの濃
度で溶解し、TTC試薬とした。発色合成酵素基質とし
て、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトピラノシド(和光純薬社製)をジメチルホル
ムアミド(和光純薬社製)に、30mg/mlの濃度で
溶解し、X−GAL試薬とした。
TTC試薬を滴下、35℃20分間反応させ、赤く変色し
た細菌集落に、X−GAL試薬を滴下、35℃30分間反応
させ、青く変色した数を計測した。一方、比較実験とし
て、酸化還元色素を滴下していない培地の入ったシャー
レ表面にX−GAL試薬を滴下、35℃30分間発色反応さ
せ、青く変色した数を計測した。また、ブランクとし
て、上記試験菌を含まないプレーンヨーグルトの滅菌生
理食塩水による10倍希釈液を用いて、本発明による方
法と酸化還元色素を滴下していない培地を用いた方法と
を同様に試験し、青変色の数を計測した。
確にかつ迅速に大腸菌群を計測可能であった。一方、酸
化還元色素を用いずに、そのままX-GAL試薬を滴下する
方法では、培地表面で細かく分散したヨーグルトカード
が青く変色し、大腸菌群の集落と誤判定してしまう欠点
があった。
の適正な濃度を調べるために行った。なお、以下の試薬
の調製、試験方法以外については、試験例1と同じ方法
にて実施した。
n sodium salt、和光純薬工業社製)を精製水に5mg
/mlの濃度で溶解し、レサズリン試薬とした。発色合
成酵素基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリル−β−D−ガラクトピラノシド(和光純薬工業社
製)をジメチルホルムアミド(ナカライテスク社製)
に、表2に示す通りに3,6,80、及び90mg/m
lの各濃度で溶解し、X−GAL試薬とした。
サズリン試薬をろ紙全体に滴下し、35℃30分間変色
反応させ、このろ紙がうすいピンク色または無色に変色
した部分に、X−GAL試薬を滴下、35℃30分間発色反
応させ、発色度合を前記発色度合いの判定方法により判
定した。
らかな通り、発色合成酵素基質の濃度が6mg/ml未
満では、鑑別に十分な発色が得られなかった。また80
mg/mlを超えると、発色合成酵素基質の結晶の析出
が認められた。従って、発色合成酵素基質の適正な濃度
は、6〜80mg/mlであることが判明した。なお、
大腸菌群に属する試験菌株の種類、グラム陽性細菌生育
阻害培地の種類(具体的には、硫酸ラウリル寒天培地
等)、大腸菌群を直接検出できる発色合成酵素基質の種
類(5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトピラノシド等)、10〜60分間の発
色時間の範囲で、又は8〜14時間の細菌培養時間の範
囲で、適宜変更して試験したがほぼ同様の結果が得られ
た。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 酸化還元色素として、トリフェニルテトラゾリウムクロ
ライド(和光純薬工業社製)を精製水に1%(W/W)
の濃度で溶解し、TTC試薬として使用した。発色合成酵
素基質として、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリ
ル−β−D−ガラクトピラノシド(MAGENTA−GAL 和
光純薬工業社製)をジメチルホルムアミド(和光純薬工
業社製)の50%濃度の水溶液に40mg/mlの濃度
で溶解し、MAGENTA−GAL 試薬として使用した。これ
ら試薬を使用して、次に示すとおり、β−ガラクトシダ
ーゼを含む検体の大腸菌群の検出法を実施した。
のラウリル硫酸ブロス調製用粉末培地(日本ベクトン・
デッキンソン社製)に1.5%濃度で寒天(ディフコ社
製)、を加えて常法により、調製して、上記TTC試薬
(1%)を5ml/培地1Lとなるように、無菌的に添
加、攪拌後、無菌室内で、直径9cmのプラスチック製
滅菌シャーレ(栄研器材社製)に1枚あたり20ml分
注し、冷却固化、室温に1週間放置し、十分に乾操した
ものを使用した。
なお、パイン果肉(生)はβ−ガラクトシダーゼ活性が
あることが知られている。上記パイン果肉を細かく磨砕
した後、滅菌生理食塩水で5倍に希釈した分散液0.5
mlに、発酵研究所より分譲されたエンテロバクター・
クロアカエ(Enterobacter cloacae)IFO13535
及びアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションよ
り分譲されたシュードモナス・エルジノーザ(Pseudomo
nas aeruginosa)ATCC5516のそれぞれの菌数を
滅菌生理食塩水にて、1,000CFU/mlに調製した
菌液を各々0.01ml添加した試験検体0.52ml
を、上記培地に塗抹し、35℃で12時間培養した。そ
の結果、培地表面全体に、赤く変色した18の細菌集落
が観察され、その細菌集落に、MAGENTA−GAL試薬を
ピペットを用いて滴下、35℃30分後の発色を観察し
た。
集落と、赤いままの8の細菌集落が観察された。紫に発
色した細菌集落と、赤色の細菌集落について、常法(厚
生省生活衛生局監修、「食品衛生検査指針 微生物
編」、日本食品衛生協会発行、1990年12月25日)に基づ
き細菌の同定を行った結果、紫に発色した細菌集落はエ
ンテロバクター・クロアカエ、赤色の細菌集落はシュー
ドモナス・エルジノーザであることが確認された。即
ち、前記検出試薬キットを使用したβ−ガラクトシダー
ゼ活性のある生フルーツを含む大腸菌群の検出法は、生
フルーツの細かい小片を大腸菌群と誤判定することな
く、大腸菌群であるエンテロバクター・クロアカエと大
腸菌群ではないグラム陰性菌のシュードモナス・エルジ
ノーザとの鑑別に有効であり、迅速に、簡易に高感度で
大腸菌群を検出できることから優れている。
n sodium salt、和光純薬工業社製)をエタノール(和
光純薬工業社製)の50%濃度の水溶液に1mg/ml
の濃度で溶解し、5ml容量のポリプロピレン製点眼ボ
トル(竹本容器社製)に分注した。発色合成酵素基質と
して、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
D−ガラクトピラノシド(X−GAL 和光純薬工業社
製)をジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)の50
%濃度の水溶液に20mg/mlの濃度で溶解し、5m
l容量のポリプロピレン製点眼ボトル(竹本容器社製)
に分注した。これらボトル入りキット及び酸化還元色素
の吸収体としてのろ紙(東洋ろ紙社製)を使用して、次
に示すとおり、β−ガラクトシダーゼを含む検体の大腸
菌群の検出法を実施した。グラム陽性細菌生育阻害培地
として、市販のデオキシコール酸寒天培地(栄研化学社
製)を常法により調製して、無菌室内で、直径9cmの
プラスチック製滅菌シャーレ(栄研器材社製)に1枚あ
たり20ml分注し、冷却固化、室温に1週間放置し、
十分に乾操したものを使用した。
生野菜等を使用した手作りハンバーグ(未加熱品)を用
いた。なお、この生肉、玉ねぎはβ−ガラクトシダーゼ
活性があることが知られている。上記ハンバーグを更に
細かく挽いた後、滅菌生理食塩水で5倍に希釈した分散
液0.5mlを、上記培地に塗抹し、35℃で10時間
培養した。培地表面に市販のろ紙(東洋ろ紙社製)を載
せ、上記レサズリン溶液をろ紙全体に滴下、35℃30
分間後、ろ紙が淡紅色から無色となった25区域に、X
−GAL溶液を滴下、35℃30分間後の発色を観察し
た。
全く発色が認められない7区域が観察された。培地表面
より、ろ紙を取り除き、青く発色した区域の細菌集落
と、発色の認められない区域の細菌集落について、常法
(厚生省生活衛生局監修、「食品衛生検査指針 微生物
編」、日本食品衛生協会発行、1990年12月25日)に基づ
き細菌の同定を行った結果、青色発色ありの細菌集落は
大腸菌群であり、青色発色なしの細菌集落は大腸菌群で
ないことが確認された。即ち、前記検出キットを使用す
ることにより、β−ガラクトシダーゼ活性のある生肉、
玉ねぎ等を含むハンバーグについて、生肉、玉ねぎの細
かく挽かれた小片を大腸菌群と誤判定することなく、迅
速に、簡易に高感度で大腸菌群を検出できることから優
れている。
体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地にて培養した後、
酸化還元色素を変色させる細菌集落について、β‐ガラ
クトシダーゼにより発色する発色合成酵素基質の発色性
を指標として大腸菌群を検出することを特徴とする大腸
菌群の迅速、簡易かつ高感度の検出法、並びにこの方法
に使用する検出キットに関するものであり、本発明によ
って奏せられる効果は以下の通りである。 (1)本発明の大腸菌群の検出法は、8〜16時間とい
う短時間で、迅速に、大腸菌群を検出できる。 (2)本発明の大腸菌群の検出法及び検出キットは、グ
ラム陽性細菌生育阻害培地に生育した細菌集落と酸化還
元色素とを接触した後、変色部にβ−ガラクトシダーゼ
の存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下する構
成よりなることから、極めて簡易である。 (3)本発明の大腸菌群の検出法及び検出キットは、グ
ラム陽性細菌生育阻害培地に生育した細菌集落と酸化還
元色素とを接触した後、変色部にβ−ガラクトシダーゼ
の存在によって発色する発色合成酵素基質を滴下するこ
とを特徴とし、検体に含まれるβ−ガラクトシダーゼの
影響を考慮することなく、発色合成酵素基質による発色
を計測可能で、正確な検出が可能である。 (4)本発明の大腸菌群の検出法及び検出キットは、培
地中の発色合成酵素基質を含有させる場合と異なり、発
色合成酵素基質の溶媒による細菌の生育阻害等の影響を
考慮することなく、強い発色が可能な6〜80mg/m
lという比較的高濃度での実施が可能で高感度である。
Claims (9)
- 【請求項1】 検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地
にて培養した後、酸化還元色素を変色させる細菌集落に
ついて、β‐ガラクトシダーゼにより発色する発色合成
酵素基質の発色性を指標として大腸菌群を検出すること
を特徴とする大腸菌群の検出法。 - 【請求項2】 検体をグラム陽性細菌生育阻害平板培地
にて培養し、生育した細菌集落と酸化還元色素とを接触
した後、該色素を変色させた細菌集落にβ−ガラクトシ
ダーゼの存在により発色する発色合成酵素基質を滴下す
ることを特徴とした請求項1記載の大腸菌群の検出法。 - 【請求項3】 検体を、酸化還元色素を含むグラム陽性
細菌生育阻害平板培地にて培養し、該色素を変色させた
細菌集落にβ−ガラクトシダーゼの存在により発色する
発色合成酵素基質を滴下することを特徴とした請求項1
記載の大腸菌群の検出法。 - 【請求項4】 前記発色合成酵素基質が、5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノ
シド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−
D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル
−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であ
ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載
の大腸菌群の検出法。 - 【請求項5】 酸化還元色素液及びこれを収容する酸化
還元色素液滴下用容器と、β−ガラクトシダーゼの存在
により発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する
発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検
出キット。 - 【請求項6】 前記酸化還元色素液及び/または前記発
色合成酵素基質液を吸収させるための吸収体を備えた請
求項5記載の大腸菌群の検出キット。 - 【請求項7】 酸化還元色素が予め添加された吸収体
と、β−ガラクトシダーゼの存在により発色する発色合
成酵素基質液及びこれを収容する発色合成酵素基質液滴
下用容器とを備えた大腸菌群の検出キット。 - 【請求項8】 酸化還元色素が予め添加されたグラム陽
性菌生育阻害平板培地と、β−ガラクトシダーゼの存在
により発色する発色合成酵素基質液及びこれを収容する
発色合成酵素基質液滴下用容器とを備えた大腸菌群の検
出キット。 - 【請求項9】 前記発色合成酵素基質が、5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノ
シド、5−ブロモ−6−クロロ−3−インドリル−β−
D−ガラクトピラノシド、6−クロロ−3−インドリル
−β−D−ガラクトピラノシド、又はこれらの塩類であ
ることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項記載
の大腸菌群の検出キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001178648A JP4338909B2 (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 大腸菌群の検出法並びに検出キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002360296A true JP2002360296A (ja) | 2002-12-17 |
JP4338909B2 JP4338909B2 (ja) | 2009-10-07 |
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ID=19019314
Family Applications (1)
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JP2001178648A Expired - Lifetime JP4338909B2 (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 大腸菌群の検出法並びに検出キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4338909B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104007111A (zh) * | 2014-06-18 | 2014-08-27 | 南京麦思德餐饮管理有限公司 | 一种用于食品中硼砂检测的试剂盒 |
CN106811403A (zh) * | 2017-01-22 | 2017-06-09 | 贵州勤邦食品安全科学技术有限公司 | 一种快速检测蜡样芽孢杆菌的测试片及其制备方法、检测方法 |
CN112557381A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-03-26 | 河南省科学院生物研究所有限责任公司 | 一种用于α-半乳糖苷酶的检测测试条及其检测方法 |
-
2001
- 2001-06-13 JP JP2001178648A patent/JP4338909B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN112557381A (zh) * | 2021-01-25 | 2021-03-26 | 河南省科学院生物研究所有限责任公司 | 一种用于α-半乳糖苷酶的检测测试条及其检测方法 |
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