JP4337417B2 - 画像信号処理装置とソフトウェア書換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像信号処理装置およびソフトウェア書換方法に関する。詳しくは、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアを実行するとともに、非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う際に、この信号処理のワーク用として設けた画像処理用メモリを用いる場合、ソフトウェアの書き換え指示が行われたとき、新たなソフトウェアを画像処理用メモリに格納し、この画像処理用メモリに格納した新たなソフトウェアをソフトウェア格納用メモリに書き込むことで、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えを行うものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像信号処理装置、例えばデジタルテレビジョン放送を受信して得られた画像信号を処理して、表示デバイスに応じた駆動信号を生成するデジタル放送受信機は、放送局のサービス形態の変更等に対応できるよう制御プログラムの書き換えが可能とされている。
【0003】
このデジタル放送受信機で制御プログラムの書き換えを行う場合、放送波を利用してパケット単位で順次伝送される制御プログラムを、例えば特許文献1の発明では、画像デコード用メモリに格納する。その後、画像デコード用メモリに格納された制御プログラムをフラッシュROMに書き込んで、制御プログラムの書き換えが行われている。
【0004】
また、特許文献2の発明では、ダウンロードデータを常時監視して、ダウンロードデータとして送られてくるプログラム等を受信して、不揮発性メモリの現在使用中のデータ領域以外に格納する。また、メモリが一杯になった場合は、古いバージョンのプログラムに対して、受信した新たなプログラムデータを上書きすることで、プログラムの書き換えが行われている。
【0005】
さらに、特許文献3の発明では、制御プログラムをハードディスク内の映像データや音声データ,データ放送データと区別される別領域に格納することが行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−78491号公報
【特許文献2】
特開2002−112133号公報
【特許文献3】
特開2002−152650号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像信号処理装置が符号化画像信号の復号化処理機能を有していない場合、画像デコード用メモリは設けられない。このため、プログラムデータや表示データ等からなるソフトウェアの書き換えを行うものとしたとき、新たなソフトウェアを画像デコード用メモリに格納することはできない。また、画像信号処理装置がハードディスクを備えていない場合も同様に、ソフトウェアをハードディスクに格納することができない。さらに、不揮発性メモリにおける現在使用中のデータ領域以外にソフトウェアを格納する場合には、メモリ容量の大きな不揮発性メモリが必要となりコストアップとなってしまう。さらに、使用中のソフトウェアを新たなソフトウェアに書き換えてしまうと、正しい動作を行うことが出来なくなってしまうおそれがあることから、新たなソフトウェアを上書きできない場合が生ずる。
【0008】
そこで、この発明では、復号化処理機能やハードディスクを有していなくとも、ソフトウェアの書き換えを容易かつ簡単な構成で行うことができる画像信号処理装置およびソフトウェア書き換え方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る画像信号処理装置は、画像信号が入力され、入力された画像信号を処理して、表示デバイスに応じた駆動信号を生成する本画像信号処理装置を動作させるためのソフトウェアを書き換え可能に格納するソフトウェア格納用メモリと、入力された非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う信号処理手段と、信号処理のワーク用として設けた画像処理用メモリと、ソフトウェアの書き換え指示を行う指示手段と、書き換え指示がなされたとき、画像処理用メモリの画像信号用領域を一時格納領域に設定し、外部より供給された新たなソフトウェアを画像処理用メモリに設定した一時格納領域に格納し、新たなソフトウェアの格納が終了すると、該画像処理用メモリの一時格納領域に格納した新たなソフトウェアをソフトウェア格納用メモリに書き込むと共に、ソフトウェア格納用メモリに設けた新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアを格納するバックアップ領域を、ソフトウェア格納用メモリに格納した新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアで更新することで、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えを行う書換制御手段とを有するものである。
【0010】
またソフトウェア書換方法は、画像信号が入力され、入力された画像信号を処理して、表示デバイスに応じた駆動信号を生成する画像信号処理装置を動作させるためのソフトウェアを書き換え可能に格納するソフトウェア格納用メモリ及び入力された非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う際に、該信号処理のワーク用として用いられる画像処理用メモリが設けられ、ソフトウェアの書き換え指示を行う指示工程と、書き換え指示がなされたとき、画像処理用メモリの画像信号用領域を一時格納領域に設定し、外部より供給された新たなソフトウェアを画像処理用メモリに設定した一時格納領域に格納し、新たなソフトウェアの格納が終了すると、該画像処理用メモリの一時格納領域に格納した新たなソフトウェアをソフトウェア格納用メモリに書き込むと共に、ソフトウェア格納用メモリに設けた新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアを格納するバックアップ領域を、ソフトウェア格納用メモリに格納した新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアで更新することで、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えを行う書換制御工程を有するものである。
【0011】
この発明においては、放送信号に多重化されている情報が抽出されて、この情報に新たなソフトウェアのダウンロードを行う告知が含まれているとき、あるいは新たなソフトウェアを格納した記憶媒体が装着されたとき、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換え指示が行われる。また、外部機器からの命令に基づいて、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換え指示が行われる。この書き換え指示が行われたとき、ダウンロードされた新たなソフトウェアや記憶媒体に格納されている新たなソフトウェアあるいは外部機器から供給された新たなソフトウェアが、非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う際にワーク用として用いる画像処理用メモリに格納される。その後、この画像処理用メモリに格納された新たなソフトウェアがソフトウェア格納用メモリに書き込まれて、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えが行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は画像信号処理装置が例えばテレビジョン放送受信機であるときの構成を示している。なお、説明を簡単とするため、図1に示すテレビジョン放送受信機では、音声信号に関する部分を省略している。
【0013】
テレビジョン放送受信機10の受信処理ブロック11では、利用者により指定されたチャネルの変調波を選択して復調を行い、得られた画像信号例えばコンポジットビデオ信号あるいはY/C信号を信号処理ブロック15の信号選択部16に供給する。また、利用者が指定した主チャネルとは異なる他チャネルの画像を同時に表示する場合には、主チャネルの画像信号と他チャネルの画像信号を信号選択部16に供給する。
【0014】
さらに、受信処理ブロック11がデジタル放送受信機能を有している場合は、復調を行って得られた多重化トランスポート・ストリーム・パケットから目的の画像パケットを分離する。さらに、分離したパケットの復号化を行い、得られた輝度信号や色差信号を信号選択部16に供給する。また、多重化トランスポート・ストリーム・パケットから、ダウンロードの告知情報であるSDTT(Software Download Trigger Table)のパケットを検出したときは、後述する制御部30に通知する。
【0015】
信号入力端子12は、コンポジットビデオ信号あるいはY/C信号を入力するためのものであり、この信号入力端子12から入力された画像信号は、信号選択部16に供給される。信号入力端子13は、アナログの輝度/色差コンポーネント信号を入力するためのものであり、この信号入力端子13から入力されたアナログのコンポーネント信号は、信号選択部16に供給される。デジタル入力端子14は、デジタルの輝度/色差コンポーネント信号を入力するためのものであり、このデジタル入力端子14から入力されたデジタルコンポーネント信号は、信号選択部16に供給される。
【0016】
信号処理ブロック15の信号選択部16では、受信処理ブロック11や信号入力端子12,13、デジタル入力端子14から供給された信号から、後述する表示デバイス25で表示する主画像の画像信号を選択して信号統合プロセッサ17に供給する。また、後述する表示デバイス25で表示する副画像の画像信号を選択して信号統合プロセッサ18に供給する。
【0017】
信号統合プロセッサ17は、入力される種々の形態の画像信号を所定の形態の画像信号に統合する。例えば、入力された画像信号がアナログ信号であるときは、デジタル信号に変換する。また、入力された画像信号がコンポジットビデオ信号であるときには、3次元Y/C分離を行ってY/C信号を生成する。さらに、Y/C信号に対しては、クロマデコード処理を行いコンポーネント信号に変換する。また、各信号に対してノイズ除去処理を行い、種々の形態の画像信号をノイズの少ないデジタルコンポーネント信号に統合する。この信号統合プロセッサ17で生成された所定の形態の画像信号は、高密度化プロセッサ19と、画像最適化プロセッサ20の変換処理部201に供給される。
【0018】
信号統合プロセッサ18は、信号統合プロセッサ17と同様な処理を行うものであり、入力された種々の形態の画像信号を、所定の形態の画像信号に統合して、変換処理部201に供給する。
【0019】
高密度化プロセッサ19は、入力された画像信号に基づき高密度化した画像信号を生成して出力する。例えば、入力された画像信号に基づく画像の動きベクトルを検出し、この検出した動きベクトルを考慮して画像信号の特徴に応じたクラス分類処理を行う。さらに、クラス分類処理によって生成されたクラスデータを予測係数ROMに供給して、クラスデータに対応した予測係数を予測係数ROMから読み出す。この予測係数ROMは、画像の動きベクトルを考慮して分類されたクラス毎に、学習により獲得した予測係数を記憶しているものである。さらに、読み出した予測係数と入力された画像信号とを用いて予測演算処理を行い、高密度化された画像信号を生成して変換処理部201に供給する。
【0020】
画像最適化プロセッサ20は、高密度化プロセッサ19から供給された画像信号や信号統合プロセッサ17,18から供給された画像信号を用いて、表示デバイス25に表示する画像の最適化を行う。画像最適化プロセッサ20の変換処理部201では、画像信号から表示デバイス25で画像表示を行うために用いる画像信号を選択する。また、スケーリング処理を行い、選択した画像信号を表示デバイス25の表示サイズに対応した画像サイズの画像信号に変換して多画面処理部202に供給する。
【0021】
多画面処理部202では、供給された画像信号を用いて表示デバイス25の画面上に主画像や主画像と副画像を表示する画像信号を生成して高画質化処理部203に供給する。例えば、信号統合プロセッサ17あるいは高密度化プロセッサ19から供給されたスケーリング処理後の画像信号を主画像の画像信号として用いるとともに、信号統合プロセッサ18から供給されたスケーリング処理後の画像信号を副画像の画像信号として用い、主画像と副画像を同時に表示したり、主画像と複数の静止した副画像等を表示する画像信号を生成する。
【0022】
高画質化処理部203は、ノイズ除去処理や、非線形エンハンス等の処理を行い、主画像と副画像の高画質を行う。この高画質化処理部203で処理された画像信号は、グラフィック重畳部204に供給される。
【0023】
グラフィック重畳部204は、メニュー表示やGUI(Graphical User Interface)表示、チャネル表示等を行うためのグラフィック信号を画像信号に重畳させて表示駆動ブロック24に供給する。
【0024】
また、画像最適化プロセッサ20は、メモリ制御部205,206を有しており、メモリ制御部205にはソフトウェア格納用メモリ22、メモリ制御部206には画像処理用メモリ23が接続される。メモリ制御部205は、書換制御手段である制御部30からの書き込み要求や読み出し要求に応じてソフトウェア格納用メモリ22に対する書き込みや読み出しを制御する。また、メモリ制御部206は、制御部30や変換処理部201等からの書き込み要求や読み出し要求に応じて画像処理用メモリ23に対する書き込みや読み出しを制御する。
【0025】
ソフトウェア格納用メモリ22は、テレビジョン放送受信機10を動作させるためのソフトウェアが格納されるものである。このソフトウェア格納用メモリ22は、格納したソフトウェアを書き換えることができるように、書き換え可能な不揮発性メモリ例えばフラッシュROMを用いて構成される。
【0026】
図2は、ソフトウェア格納用メモリ22のメモリマップの一例を示している。ソフトウェアが、テレビジョン放送受信機10の動作を制御するためのプログラムデータや、テレビジョン放送受信機10でメニュー表示やGUI表示など種々の表示を行うためのグラフィックデータやフォントデータで構成されている場合、ソフトウェア格納用メモリ22には、プログラムデータを格納するプログラム領域MA1,プログラムデータのバックアップ領域MA2、グラフィックデータやフォントデータを格納するデータ領域MA3が設けられる。
【0027】
画像処理用メモリ23は、画像最適化プロセッサ20で非圧縮の画像信号を用いて種々の信号処理を行うときのワーク用に用いられるものであり、揮発性メモリ例えばDRAM(Dynamic RAM)を用いて構成されている。図3は、画像処理用メモリ23のメモリマップの一例を示しており、画像処理用メモリ23には、図3Aに示すように、画像最適化プロセッサ20で表示画像を最適化する処理を行うために、画像信号を一時記憶するワーク用の画像信号用領域MB1が設けられている。なお、制御部30で上述のプログラムデータを実行したとき、種々の情報の書き込みや読み出しを行うためのワーク領域MB2を画像処理用メモリ23に設けることによって、ワーク用メモリを別個に設ける必要がない。さらに、画像処理用メモリ23がソフトウェア格納用メモリ22よりも高速に読み出しが可能であるときは、画像処理用メモリ23にプログラムキャッシュ領域MB3やデータキャッシュ領域MB4を設けて、ソフトウェア格納用メモリ22のプログラムデータや使用頻度の高いグラフィックデータやフォントデータを各キャッシュ領域にコピーして、このキャッシュ領域から読み出すものとすれば、プログラムデータや所望のグラフィックデータ等を高速に読み出すことが可能となる。
【0028】
表示駆動ブロック24は、画像最適化プロセッサ20から供給された画像信号を用いて、表示デバイス25例えば陰極線管やLCD(Liquid Crystal Display),PDP(Plasma Display Panel)等の特性に応じてコントラスト補正やγ補正、階調補正等を行うとともに、表示デバイス25に対応した駆動信号を生成する。表示デバイス25では、表示駆動ブロック24で生成した駆動信号に基づいた画像表示を行う。
【0029】
ユーザインタフェース26は、利用者の操作に応じた操作信号を生成して制御部30に供給するものである。このユーザインタフェース26は、リモートコントロール信号受信部や操作スイッチ等で構成されており、リモートコントロール装置からの送信信号やスイッチ操作に基づいて操作信号を生成する。
【0030】
制御部30は、プログラムデータを読み出して実行し、操作信号に基づいた種々の制御信号を受信処理ブロック11や信号処理ブロック15等に供給して、テレビジョン放送受信機10の動作を制御する。また、制御部30は、ソフトウェアの書換処理の制御も行う。
【0031】
ペリフェラルインタフェース32は、メモリカードやコンピュータ装置等を接続するためのインタフェースである。例えばペリフェラルインタフェース32として、カードインタフェース、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、SPI(Serial Peripheral Interface)等が用いられる。このペリフェラルインタフェース32を介して、メモリカードやコンピュータ装置から新たなソフトウェアがテレビジョン放送受信機10に供給されて、テレビジョン放送受信機10のメモリに格納されていたソフトウェアが、新たなソフトウェアに更新されて、機能の変更や拡張が行われる。
【0032】
なお、制御部30からの制御信号の供給や、ソフトウェア格納用メモリ22,画像処理用メモリ23に対する書き込みや書き込みは、バス35を介して行われる。また、画像最適化プロセッサ20内にソフトウェア格納用メモリ22や画像処理用メモリ23およびペリフェラルインタフェース32を設けるものとして、ペリフェラルインタフェース32やメモリ制御部205,206間でDMA転送を行うものとすれば、画像最適化プロセッサ20がテレビジョン放送受信機10に組み込まれる前でも、ソフトウェアの書き込みや書き換えを行うことができる。
【0033】
次に、ソフトウェア書換処理について説明する。図4は、ソフトウェア書換処理を示すフローチャートである。
ステップST1では、起動モードとされているか書換モードとされているかを判別する。ここで、テレビジョン放送受信機10で所望の選局番組を視聴する操作が行われたことを操作信号によって判別したときは、起動モードであると判別してステップST2に進み、選局番組の画像を表示デバイス25に表示する動作(以下「通常動作」という)を開始する。また、通常動作中でない場合に新たなソフトウェアへの書き換え指示が書換指示手段からなされたとき、例えば受信処理ブロック11でソフトウェアのダウンロードを告知するSDTTのパケットを検出したことが通知されたとき、あるいはペリフェラルインタフェース32を介して、外部機器からソフトウェアの書換命令がなされたとき、あるいはペリフェラルインタフェース32にメモリカードが装着されたとき、書換モードに設定されたとしてステップST3に進む。
【0034】
ステップST3では、図3Bに示すように、画像処理用メモリ23の画像信号用領域MB1を一時格納領域MB5に設定してステップST4に進む。ステップST4では、一時格納領域MB5への新たなソフトウェアの書き込みを開始する。例えば、放送波を利用してダウンロードされた新たなソフトウェア、外部機器からペリフェラルインタフェース32を介して供給された新たなソフトウェア、メモリカードに格納されている新たなソフトウェアを、一時格納領域MB5に書き込む処理を開始する。
【0035】
ステップST5では、新たなソフトウェアの書き込みが完了したか否かを判別して、完了していないときにはステップST5に戻り、書き込みが完了したときにはステップST6に進む。
【0036】
ステップST6では、一時格納領域MB5に書き込まれた新たなソフトウェアを読み出してソフトウェア格納用メモリ22に書き込み、プログラム領域MA1のプログラムデータやデータ領域MA3のフォントデータやグラフィックデータ等を更新して書換処理を終了する。
【0037】
なお、プログラム領域MA1に書き込んだプログラムデータが正しいことが確認されたとき、このプログラムデータをバックアップ領域MA2に書き込み、バックアップ領域MA2のプログラムデータを新たなプログラムデータに更新する。このようにバックアップ領域MA2のプログラムデータを更新することで、例えばプログラム領域MA1からプログラムデータを読み出すことができなくとも、バックアップ領域MA2からプログラムデータを読み出すことができる。また、バックアップ領域MA2には、更新直前のプログラムデータを格納しておくように制御しても良い。この場合、新たなプログラムデータを用いたことにより不具合が生じても、バックアップ領域MA2から更新前のプログラムデータを読み出すことで、テレビジョン放送受信機10の動作をプログラムデータ書換前の動作状態に戻すことができる。
【0038】
図5は、ソフトウェア書換時に画像最適化プロセッサ20と制御部30との間で行われる動作を示している。制御部30からリセット解除の指示を行うと画像最適化プロセッサ20から起動モードであるか書換モードであるかのモード確認を行う。ここで、書換モードであるときは書込指示を制御部30から画像最適化プロセッサ20に供給し、画像最適化プロセッサ20は書込指示に対してソフトウェアの要求を制御部30に対して行う。なお、制御部30に対する要求や制御部30からの通知に対する応答は、メモリ制御部205,206から行うものとしたり、あるいは画像最適化プロセッサ20に制御回路を設けて、この制御回路から行う。
【0039】
制御部30は、ソフトウェアの要求に対して、新たなソフトウェアを画像最適化プロセッサ20に転送する処理を行う。例えば、放送信号を用いてダウンロードされてくる新たなソフトウェアを画像最適化プロセッサ20に転送する。あるいは、外部機器に対して新たなソフトウェアの受信可能通知を行い、外部機器から供給されてくる新たなソフトウェアを画像最適化プロセッサ20に転送する。または、記憶素子から新たなソフトウェアを読み出して画像最適化プロセッサ20に転送する。
【0040】
画像最適化プロセッサ20は、転送されてきた新たなソフトウェアを一時格納領域MB5に格納する。また新たなソフトウェアの格納が終了したときには、一時格納領域MB5に格納されている新たなソフトウェアをソフトウェア格納用メモリ22に転送して、ソフトウェア格納用メモリ22に格納されているソフトウェアを新たなソフトウェアに書き換える。この書き換えが終了したときには、制御部30に書換終了を通知する。制御部30では、書換終了通知に対して画像最適化プロセッサ20をリセットして、新たなソフトウェアに基づいた動作を可能とする。
【0041】
このように、表示画像を最適化するための画像処理用メモリに対して、画像信号の書き込みや読み出しが行われないとき、画像処理用メモリの画像信号領域に新たなソフトウェアを一時格納して、この格納した新たなソフトウェアをソフトウェア格納用メモリ22に書き込むことで、ソフトウェア格納用メモリ22に格納されているソフトウェアの書き換えを行う。このため、書き換えに用いる新たなソフトウェアを一時保持しておくための一時格納用メモリを設けるものとしたり、ソフトウェア格納用メモリ22のメモリ容量を大きくして一時格納領域を設ける必要がなく、テレビジョン放送受信機10を安価に構成できる。また、画像処理用メモリを有効利用して新たなソフトウェアを一時格納できるので、復号化処理のためのメモリあるいはハードディスクを有していなくとも、ソフトウェアの書き換えが可能となる。
【0042】
また、仕向け地の違いにより、テレビジョン放送受信機における信号処理の設定や表示機能が異なる場合であっても、上述のソフトウェア書換方法を用いることで、簡単かつ速やかにテレビジョン放送受信機の動作を仕向け地に応じて設定したり、仕向け地毎に機能の変更や拡張を行うことができる。
【0043】
なお、上述の実施の形態では、画像信号処理装置としてテレビジョン放送受信機の場合について説明したが、画像処理用メモリを有した機器であればテレビジョン放送受信機に限られるものではないことは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換え指示がなされたとき、新たなソフトウェアが、非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う際にワーク用として用いる画像処理用メモリに格納されて、この画像処理用メモリに格納された新たなソフトウェアがソフトウェア格納用メモリに書き込まれて、ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えが行われる。このため、新たなソフトウェアを一時保持しておくことができるように、一時格納用メモリを設けるものとしたり、ソフトウェア格納用メモリに一時格納領域を設ける必要がなく、画像信号処理装置を安価に構成できる。
【0045】
また、放送信号に多重化されている情報が抽出されて、この情報に新たなソフトウェアのダウンロードを行う告知が含まれているとき、ダウンロードされた新たなソフトウェアが画像処理用メモリに格納されるので、放送信号を利用して画像信号処理装置の機能の更新や拡張等を容易に行うことができる。また、新たなソフトウェアを格納した記憶媒体が装着されたとき、記憶手段に格納されている新たなソフトウェアが画像処理用メモリに格納されるので、放送信号を受信する機能を有していなくとも、画像信号処理装置の機能の更新や拡張等を容易に行うことができる。さらに、外部機器からの命令に基づいて書き換え指示が行われて、外部機器から供給された新たなソフトウェアが画像処理用メモリに格納される。このため、画像信号処理装置の製造工程等で外部機器を接続して、ソフトウェア格納用メモリのソフトウェアを所望のソフトウェアに容易に書き換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビジョン放送受信機の構成を示す図である。
【図2】ソフトウェア格納用メモリのメモリマップを示す図である。
【図3】画像処理用メモリのメモリマップを示す図である。
【図4】ソフトウェア書換処理を示すフローチャートである。
【図5】画像最適化プロセッサと制御部間で行われる動作を示した図である。
【符号の説明】
10・・・テレビジョン放送受信機、11・・・受信処理ブロック、12,13・・・信号入力端子、14・・・デジタル入力端子、15・・・信号処理ブロック、16・・・信号選択部、17,18・・・信号統合プロセッサ、19・・・高密度化プロセッサ、20・・・画像最適化プロセッサ、22・・・ソフトウェア格納用メモリ、23・・・画像処理用メモリ、24・・・表示駆動ブロック、25・・・表示デバイス、26・・・ユーザインタフェース、30・・・制御部、32・・・ペリフェラルインタフェース、35・・・バス、201・・・変換処理部、202・・・多画面処理部、203・・・高画質化処理部、204・・・グラフィック重畳部、205,206・・・メモリ制御部
Claims (10)
- 画像信号が入力され、入力された画像信号を処理して、表示デバイスに応じた駆動信号を生成する本画像信号処理装置を動作させるためのソフトウェアを書き換え可能に格納するソフトウェア格納用メモリと、
入力された非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う信号処理手段と、
前記信号処理のワーク用として設けた画像処理用メモリと、
前記ソフトウェアの書き換え指示を行う指示手段と、
前記書き換え指示がなされたとき、前記画像処理用メモリの画像信号用領域を一時格納領域に設定し、外部より供給された新たなソフトウェアを前記画像処理用メモリに設定した一時格納領域に格納し、新たなソフトウェアの格納が終了すると、該画像処理用メモリの一時格納領域に格納した前記新たなソフトウェアを前記ソフトウェア格納用メモリに書き込むと共に、前記ソフトウェア格納用メモリに設けた新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアを格納するバックアップ領域を、前記ソフトウェア格納用メモリに格納した前記新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアで更新することで、前記ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えを行う書換制御手段とを有する
画像信号処理装置。 - 前記画像処理用メモリは、前記画像信号に基づく表示画像を最適化する処理のワーク用として設けたものである
ことを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。 - 前記指示手段は、放送信号に多重化されている情報を抽出して、該情報に新たなソフトウェアのダウンロードを行う告知が含まれているとき、前記書き換え指示を行い、
前記書換制御手段は、ダウンロードされた前記新たなソフトウェアを前記画像処理用メモリに格納する
ことを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。 - 前記指示手段は、新たなソフトウェアを格納した記憶媒体が装着されたとき、前記書き換え指示を行い、
前記書換制御手段は、前記記憶媒体に格納されている新たなソフトウェアを読み出して前記画像処理用メモリに格納する
ことを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。 - 前記指示手段は、外部機器からの命令に基づいて前記書き換え指示を行い、
前記書換制御手段は、前記外部機器から供給された新たなソフトウェアを前記画像処理用メモリに格納する
ことを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。 - 画像信号が入力され、入力された画像信号を処理して、表示デバイスに応じた駆動信号を生成する画像信号処理装置を動作させるためのソフトウェアを書き換え可能に格納するソフトウェア格納用メモリ及び入力された非圧縮の画像信号を用いて信号処理を行う際に、該信号処理のワーク用として用いられる画像処理用メモリが設けられ、
前記ソフトウェアの書き換え指示を行う指示工程と、
前記書き換え指示がなされたとき、前記画像処理用メモリの画像信号用領域を一時格納領域に設定し、外部より供給された新たなソフトウェアを前記画像処理用メモリに設定した一時格納領域に格納し、新たなソフトウェアの格納が終了すると、該画像処理用メモリの一時格納領域に格納した前記新たなソフトウェアを前記ソフトウェア格納用メモリに書き込むと共に、前記ソフトウェア格納用メモリに設けた新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアを格納するバックアップ領域を、前記ソフトウェア格納用メモリに格納した前記新たなソフトウェアまたは更新直前のソフトウェアで更新することで、前記ソフトウェア格納用メモリに格納されているソフトウェアの書き換えを行う書換制御工程を有する
ソフトウェア書換方法。 - 前記画像処理用メモリは、前記画像信号に基づく表示画像を最適化する処理のワーク用として設けたものである
ことを特徴とする請求項6記載のソフトウェア書換方法。 - 前記指示工程では、放送信号に多重化されている情報を抽出して、該情報に新たなソフトウェアのダウンロードを行う告知が含まれているとき、前記書き換え指示を行い、
前記書換制御工程では、ダウンロードされた前記新たなソフトウェアを前記画像処理用メモリに格納する
ことを特徴とする請求項6記載のソフトウェア書換方法。 - 前記指示工程では、新たなソフトウェアを格納した記憶媒体が装着されたとき、前記書き換え指示を行い、
前記書換制御工程では、前記記憶媒体に格納されている新たなソフトウェアを読み出して前記画像処理用メモリに格納する
ことを特徴とする請求項6記載のソフトウェア書換方法。 - 前記指示工程では、外部機器からの命令に基づいて前記書き換え指示を行い、
前記書換制御工程では、前記外部機器から供給された新たなソフトウェアを前記画像処理用メモリに格納する
ことを特徴とする請求項6記載のソフトウェア書換方法。
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