JP4337187B2 - 符号化装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号を符号化する符号化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像信号を符号化する符号化装置が提供されている。符号化装置は、例えば電荷結合素子(charge-coupled device; CCD)を用いて対象物を撮影する撮影装置や、例えばチューナーのように画像信号を選択して受信する画像受信装置から出力された画像信号に対して符号化を施すものである。
【0003】
図9に示すように、従来の符号化装置においては、その主要部を構成する画像符号化部103に、CCD等を用いた画像撮影装置101やチューナー等の画像受信装置102から画像信号が入力される。
【0004】
画像符号化部103においては、例えばいわゆるMPEG2(moving picture coding experts group phase 2 )のような画像情報圧縮技術により、入力された画像信号に符号化を施す。画像符号化部103は、符号化により圧縮された画像符号化情報をビットストリームとして出力する。
【0005】
記録部104は、画像符号化部103から出力されたビットストリームを記録する。なお、画像符号化部103から出力されたビットストリームは、図示しない画像表示部や再送信部に送られることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の符号化装置においては、入力された画像信号に対して、画像符号化部103において一つの画像符号化方式により画像符号化を施す。
【0007】
しかし、一つの画像符号化方式により符号化されたビットストリームを、他の符号化方式に変換する必要が生じることがある。これは、例えばビットストリームの出力先が、他の符号化方式を採用している場合に必要となる。
【0008】
このような場合には、図10に示すように、画像符号化部103にて得られた一の画像符号化方式によるビットストリームを、画像符号化方式変換部111にて他の画像符号化方式のビットストリームに変換することになる。
【0009】
画像符号化方式変換部111には、画像符号化部103にて得られた一の画像符号化方式による第1のフォーマットによるビットストリームが入力される。第1のフォーマットによるビットストリームは、画像符号化部103から直接に、又は一旦第1の記録部104に記録されてから読み出されて入力される。
【0010】
画像符号化方式変換部111は、入力された一の画像符号化方式の第1のフォーマットによるビットストリームを、他の画像符号化方式の第2のフォーマットによるビットストリームに変換する。
【0011】
画像符号化方式変換部111から出力された他の画像符号化方式による第2のフォーマットのビットストリームは、画像表示部112、記録部113及び再送信部114に送られる。これら画像表示部112、記録部113及び再送信部14は、他の画像符号化方式による第2のフォーマットに対応するものである。
【0012】
このように、従来の符号化装置においては、画像表示、記録、再送信等の出力先が、画像符号化部の画像符号化方式と異なる画像符号化方式を採用している場合には、画像符号化部にて得られた第1の画像符号化方式によるビットストリームを第2の画像符号化方式によるビットストリームに変換していた。
【0013】
このため、画像符号化方式を変換するために装置の構成が複雑になっていた。また、画像符号化により得られたビットストリームに対して画像符号化方式の変換を施すために、画像の品質が劣化したり、画像方式の変換のために時間遅延が生じていた。
【0014】
本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、簡易な構成であり、画像の品質を劣化や遅延時間の発生を低減するような符号化装置及び方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る符号化装置は、入力された画像信号に対して符号化を施す符号化装置において、上記画像信号に対して動き補償を行う動き補償手段と、上記動き補償のマクロブロック位置と一致するように、上記画像信号の画像を切り出す際の切り出し位置を設定し、設定した切り出し位置に対応する画像を切り出すことにより第1の低解像度画像に変換する第1の画像変換手段と、上記動き補償による動きベクトルを、上記第1の画像変換手段により変換された第1の低解像度画像にあわせて変換する第1の動きベクトル変換手段と、上記第1の動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記第1の画像変換手段により切り出された第1の低解像度画像を符号化する第1の符号化手段と、上記画像信号に対して、上記第1の変換手段で変換とは異なる変換を施す第2の画像変換手段と、上記動き補償による動きベクトルを、上記第2の画像変換手段により変換された第2の画像にあわせて変換する第2の動きベクトル変換手段と、上記第2の動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記第2の画像変換手段により変換された画像を符号化する第2の符号化手段とを備える。
【0016】
本発明に係る符号化方法は、入力された画像信号に対して符号化を施す符号化方法において、上記画像信号に対して動き補償を行う動き補償工程と、上記動き補償のマクロブロック位置と一致するように、上記画像信号の画像を切り出す際の切り出し位置を設定し、設定した切り出し位置に対応する画像を切り出すことにより第1の低解像度画像に変換する第1の画像変換工程と、上記動き補償による動きベクトルを、上記第1の画像変換工程により変換された第1の低解像度画像にあわせて変換する第1の動きベクトル変換工程と、上記第1の動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記第1の画像変換工程により切り出された第1の低解像度画像を符号化する第1の符号化工程と、上記画像信号に対して、上記第1の変換工程で変換とは異なる変換を施す第2の画像変換工程と、上記動き補償による動きベクトルを、上記第2の画像変換工程により変換された第2の画像にあわせて変換する第2の動きベクトル変換工程と、上記第2の動きベクトル変換工程により変換された動きベクトルを用いて、上記第2の画像変換工程により変換された画像を符号化する第2の符号化工程とを備える。
【0019】
このように、本発明では、入力された画像信号を符号化する際に、複数の画像符号化方式により符号化を行うことを特徴とする。
【0020】
すなわち、画像符号化方式を変換するために要する時間遅延及び画質劣化を回避するため、入力された画像信号を異なる符号化装置へ入力し、それぞれ目的の画像符号化ビットストリームを出力する。
【0021】
このような符号化を行うことにより少ない時間遅延において、目的とする複数の画像符号化ビットストリームを得ることができ、また画像符号化方式による画質の劣化を防ぐことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1の符号化方法及び装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
まず、第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。この第1の実施の形態は、画像撮影装置101や画像再生装置等102から入力された画像信号を、異なる符号化方式、解像度、フレームレート及び/又はビットレートにより、複数のビットストリームに符号化する符号化装置である。
【0024】
この符号化装置には、例えばCCDカメラのような画像撮影装置101や例えばチューナーのような画像受信装置102から画像信号が入力される。符号化装置に入力された画像信号は、第1の解像度/フレームレート変換部11及び第2の解像度/フレームレート変換部16に送られる。
【0025】
第1の解像度/フレームレート変換部11は、入力された画像信号を所定のフレームレート及び/又は解像度に変換する。
【0026】
ここで、第1の解像度/フレームレート変換部11は、必要がない場合には、画像信号の解像度及び/又はフレームレートの変換は行わない。すなわち、第1の解像度/フレームレート変換部11は、入力された画像信号の解像度及び/又はフレームレートと等しい解像度及び/又はフレームレートの画像信号を出力することもできる。
【0027】
第1の画像符号化部12では、第1の解像度/フレームレート変換部11からの出力を受け取り、それを予め指定された画像符号化方式により第1のフォーマットのビットストリームに変換する。
【0028】
第1の画像符号化部12は、符号化により作成したビットストリームを第1の記録部13、第1の画像表示部14、第1の伝送部15に対して出力する。
【0029】
ここで、第1の解像度/フレームレート変換部11における解像度の変換の処理について、図2を用いて説明する。
【0030】
第1の解像度/フレームレート変換部11では、入力された画像201に対しアップサンプリング(Up-sampling),ダウンサンプリング(Down-sampling)等の処理を行い、入力画像を指定の解像度に変換する。このとき画像の解像度変換を行わず、等倍の解像度の画像を出力しても良い。
【0031】
例えば、入力された画像201を、ダウンサンプリングにより縮小した画像203にしたり、アップサンプリングにより拡大した画像204にしたりする。また、解像度変換を行わず、等倍の画像202を出力することもできる。
【0032】
また、画像の解像度を落とす場合には、画像全体をダウンサンプリングせず、必要な部分の画像信号、例えば中心部分もしくは人物が移っている部分のみを切り出し、低解像度用の画像として用いても良い。例えば、入力画像201に対して、斜線部を切りとった画像205とすることもできる。
【0033】
なお、第2の解像度/フレームレート変換部16においても、同様の処理が行われる。
【0034】
図1に示した第1の実施の形態において、第1の画像記録部13では、第1の画像符号化部12から出力されたビットストリームを記録する。第1の画像記録部13は、例えばハードディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、半導体メモリ等により構成することができる。
【0035】
第1の画像表示部14は、第1の画像符号化部12から出力されたビットストリームを復号し、画像信号として表示する。第1の画像表示部14は、例えばCRTのようなモニターにより構成することができる。
【0036】
第1の伝送部15は、第1の画像符号化部12から出力されたビットストリームの多重化等を行い、伝送信号として出力する。第1の伝送部15は、例えばネットワークに対して所定のプロトコルに従ってビットストリームを送出する。
【0037】
第2の解像度/フレームレート変換部16は、第1の解像度/フレームレート変換部11と同様に、入力された画像信号のフレームレート及び/又は解像度を所定の解像度及び/又はフレームレートへ変換する。
【0038】
ここで、第2の解像度/フレームレート変換部16は、第1の解像度/フレームレート変換部11と同じ解像度及び/又はフレームレートで出力することも可能である。
【0039】
また、解像度及び/又はフレームレートの変換を行わず、入力された画像信号の解像度及び/又はフレームレートと等しい解像度及び/又はフレームレートの画像信号を出力することも可能である。
【0040】
第2の画像符号化部17では、第1の画像符号化部12と同様に、第2の解像度/フレームレート変換部16から出力された画像信号を指定された符号化方法に従って第2のフォーマットのビットストリームに変換して出力する。
【0041】
第2の画像符号化部17から出力されたビットストリームは、第2の画像記録部18、第2の画像表示部19、第2の伝送部20へ送られる。
【0042】
第2の画像記録部18、第2の画像表示部19、第2の伝送部20は、それぞれ第1の記録部13、第1の画像表示部14、第1の伝送部15と同様の処理を行う。
【0043】
また、第2の画像符号化部17で行われる符号化方法は、第1の画像符号化部12で用いられた符号化方法と同様の符号化方法を行うことも可能である。しかし、第2の画像符号化部17で用いられる符号化方法は、第1の画像符号化部12で用いられた符号化方法に限定されるものではない。
【0044】
例えば、第1の解像度/フレームレート変換部11、第2の解像度/フレームレート変換部16で等しい解像度及び/又はフレームレートの画像信号に変換し、第1の画像符号化部12と第2の画像符号化部17で同じ符号化方法を採用するが、ビットレートのみを変更することにより、同じ符号化方法でかつビットレートのみ異なる画像符号化ビットストリームを作成することも可能である。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態の符号化装置について、図3を参照して説明する。この第2の実施の形態は、上述の第1の形態に動き補償を追加した符号化装置である。
【0046】
画像撮影装置101や画像受信装置102は、第1の実施の形態と同様の構成である。符号化装置には、画像撮影装置101や画像受信装置102から画像信号が入力される。符号化装置に入力された画像信号は、画像前処理フィルタ21に送られる。
【0047】
画像前処理フィルタ21は、画像信号に対してノイズ除去等の前処理を施すものである。画像前処理フィルタ21は、必要に応じ設置されるべきであり、不要な場合には省略することも可能である。
【0048】
画像前処理フィルタ21にて前処理が施された画像信号は、第1の解像度/フレームレート変換部22、動き補償部25、第2の解像度/フレームレート変換部27へ送られる。
【0049】
画像前処理フィルタ21を設置しない場合には、符号化装置に入力された画像信号は、直接、第1の解像度/フレームレート変換部22、動き補償部25、第2の解像度/フレームレート変換部27へ送られる。
【0050】
動き補償部25は、画像前処理フィルタ21より入力された画像信号の各フレームに対し、動きベクトルの検出を行う。動き補償部25にて検出された動きベクトルは、第1の動きベクトル変換部23及び第2の動きベクトル変換部26へ送られる。
【0051】
第1の解像度/フレームレート変換部22は、画像前処理フィルタ21にて前処理が施された画像信号に対して、外部から入力された第1のフレームレート及び/又は解像度によってフレームレート及び/又は解像度の変換を行う。
【0052】
この第1の解像度/フレームレート変換部22は、第1の実施の形態の第1の解像度/フレーム変換部11と同様の処理を行う。第1の解像度/フレームレート変換部22にて解像度及び/又はフレームレートの変換が施された画像信号は、第1の画像符号化部24に送られる。
【0053】
第1の動きベクトル変換部23は、動き補償部25から動きベクトルが、第1の解像度/フレームレート変換部22から第1のフレームレート及び/又は解像度の画像信号がそれぞれ入力される。
【0054】
第1の動きベクトル変換部23は、入力された動きベクトルを第1の解像度/フレームレート変換部22より出力される画像信号の解像度及び/又はフレームレートにあわせて変換し、第1の画像符号化部24へ出力する。
【0055】
このとき、第1の解像度/フレームレート変換部22では、第1の実施の形態の第1の解像度/フレームレート変換部11と同様に、画像の切り出しにより低解像度への変換が可能である。
【0056】
ここで、画像切り出しの位置を以下の手順で決めることにより、第1の動きベクトル変換部23の処理を簡略化することができる。この手順を図4を用いて説明する。
【0057】
いわゆるMPEG2等の符号化方法においては、各フレーム毎にフレーム間の動きベクトルの検出を行う。このとき、いわゆるMPEG2では、画像の動きベクトルはマクロブロックと呼ばれる16×16画素の正方形毎に検出が行われる。
【0058】
マクロブロックは図4のAに示すように、画像の左上より16×16画素毎に区切られ、その各正方ブロックが一つのマクロブロックとして、動きベクトルの検出が行われる。
【0059】
そのため、画像の切り出し位置をこのマクロブロックの格子にあわせて設定することにより第1の動きベクトル変換部23での処理を低減することができる。
【0060】
動きベクトルの検出に用いたマクロブロックの正方格子にあわせ、画像の切り出し位置を設定した例を図4のBに示す。ここで、切り出し部分及び切り出し後のマクロブロックの位置を太線で示す。
【0061】
このように、動き補償のマクロブロック位置と画像の切り出し位置を等しく設定することにより、動き補償及び切り出し後のマクロブロックの位置が一致する。これにより切り出し後の画像のマクロブロックでは、そのまま動き補償により求められた動きベクトルを使用することが可能である。
【0062】
すなわち、動き補償を行ったマクロブロック単位に切り出しを行った場合、動き補償を行ったマクロブロックと符号化を行うマクロブロックの位置が一致するため、動きベクトル変換等の処理が軽減される。
【0063】
一方、図4のCは、動きベクトルを求めたマクロブロックの位置と切り出し位置との相関を持たなかった場合の例である。
【0064】
このように、動き補償のマクロブロック位置と画像の切り出し位置が異なる場合、切り出し後のマクロブロックは、動き補償で使用されたマクロブロック4つにまたがることとなり、切り出し後の動きベクトルは重み付け平均等の処理により決定されるため、第1の動きベクトル変換部23の処理は煩雑となる。
【0065】
すなわち、動き補償を行ったマクロブロックと異なるブロックで符号化を行った場合、動き補償を行ったマクロブロックと符号化を行うマクロブロックが一致せず、動きベクトル変換等の処理量が多くなる可能性がある。
【0066】
なお、このような画像の切り出し位置の設定は、第2の動きベクトル変換部26における処理を簡略化するためにも同様に行うことができる。
【0067】
図3に示した第2の実施の形態において、第1の画像符号化部24には、第1の解像度/フレームレート変換部22から出力された画像信号及び第1の動きベクトル変換部23より出力された動きベクトルが入力される。
【0068】
第1の画像符号化部24では、指定された符号化方法及びビットレートにより画像の符号化が行われる。符号化されたビットストリームは多重化部29に出力される。
【0069】
第2の解像度/フレームレート変換部27は、画像前処理フィルタ21から出力された画像信号及び、外部より入力された第2のフレームレート及び/又は解像度を元に解像度及び/又はフレームレートの変換を行う。
【0070】
第2の解像度フレームレート変換部27は、第1の解像度/フレームレート変換部22と同様の動作をする。
【0071】
第2の動きベクトル変換部26は、動き補償部25及び外部より入力された第2のフレームレート及び/又は解像度を入力とされる。第2の動きベクトル変換部26は、第2のフレームレート及び/又は解像度にあわせて動きベクトルを変換し、第2の画像符号化部28に出力する。第2の動きベクトル変換部26は、第1の動きベクトル変換部23と同様の動作を行う。
【0072】
第2の画像符号化部28は、第1の画像符号化部24と同様の動作をし、動きベクトル変換部26にて得られた動きベクトル及び第2の解像度/フレームレート変換部27にて得られた画像信号を入力され、指定された画像符号化方式及びビットレートで画像の符号化を行う。
【0073】
多重化部29は、第1の画像符号化部24及び第2の画像符号化部28にて得られたビットストリームがそれぞれ入力される。多重化部29は、入力されたビットストリームを多重化し、画像記録部30及び伝送部31に出力する。
【0074】
画像記録部30は、上述した第1の実施の形態の第1の記録部13と同様に多重化されたデータの記録を行う。
【0075】
伝送部31は、第1の実施の形態の第1の伝送部15と同様に、多重化されたデータの伝送を行う。
【0076】
なお、この第2の実施の形態においては、第1の画像符号化部24及び第2の画像符号化部28より出力された画像信号を多重化部29で多重化を行い記録もしくは伝送を行う例を紹介したが、これは多重化及び一つの記録装置による記録、もしくは伝送に限定したものではない。第1の実施の形態に示したように、各符号化装置からの出力を多重化せず、各々の記録、表示もしくは伝送を行っても良い。
【0077】
またこれは、上述した第1の実施の形態の場合にも同様であり、この第2の実施の形態に示すように、画像符号化部からの出力を多重化後一つの記録装置もしくは伝送路で伝送しても良い。
【0078】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図5を用いて説明する。この第3の実施の形態は、第2の画像符号化部17の後段にビットストリーム出力部40が配置されている以外、図1に示した第1の実施の形態と同様の構成である。
【0079】
なお、第3の実施の形態において、第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略することにする。
【0080】
第1の解像度/フレームレート変換部11及び第2の解像度/フレームレート変換部16には、画像撮影装置101や画像受信装置102から画像信号がそれぞれ入力される。
【0081】
第1の解像度/フレームレート変換部11は、入力された画像信号に対して解像度及び/又はフレームレートの変換を施し、第1の画像符号化部12に出力する。
【0082】
第2の解像度/フレームレート変換部16は、入力された画像信号に対して解像度及び/又はフレームレートの変換を施し、第2の画像符号化部17に出力する。
【0083】
第1の画像符号化部12は、第1の解像度/フレームレート変換部11から入力された画像信号に対して符号化を施して出力する。
【0084】
第1の画像符号化部12から出力された第1のフォーマットによるビットストリームは、第1の記録部13、第1の画像表示部14又は第1の伝送部15に出力される。
【0085】
第2の画像符号化部17は、第2の解像度/フレームレート変換部16から入力された画像信号に対して符号化を施して、ビットストリーム出力部40に出力する。
【0086】
このビットストリーム出力部40の動作について、ビットストリーム出力部40の構成を示す図6を参照して説明する。
【0087】
以後、ビットストリーム出力部40の動作の説明を便宜上MPFG4ビデオ(video )(ISO/IEC 14496-2 )の構文(syntax)を用いて説明を行うが、これは本発明をMPEG4ビデオの使用したものに限定するものではない。
【0088】
第2の画像符号化部17より出力されたビットストリームは、ビットストリーム振り分け部41に入力される。ビットストリーム振り分け部41は、入力されたビットストリームを、ビットストリームの先頭に位置しビットストリームの初期化情報を示す部分と、それ以外の部分とに分割する。
【0089】
ビットストリームの先頭に位置し、ビットストリームの初期化情報を示す部分とは、例えばいわゆるMPEG4の場合Video_Object_Layer_header (以後VOLヘッダという。)である。
【0090】
ビットストリーム振り分け部41は、分割したビットストリームのVOLヘッダをVOLヘッダバッファ43へ出力する。
【0091】
またビットストリーム振り分け部41により出力された、VOLヘッダ以外のビットストリームはGOV(Group of Video Object Plane )バッファ44へ出力される。
【0092】
ここで、GOVとは、ビデオを構成するフレーム単位を表すVOP(Video Object Plane)単数もしくは複数個より構成される。このGOVは、いわゆるMPEG2(Moving Pictures Expert Group Phase 2 )のGOP(Group of Pictures)に対応するものである。
【0093】
VOLヘッダバッファ43ではビットストリーム振り分け部41より出力されたVOLヘッダのビットストリームを保存する。またタイミング調整部42よりバッファ出力フラグが入力された場合、バッファ内に蓄えられたVOLヘッダの情報をビットストリーム合成部45へ出力する。
【0094】
このとき、VOLヘッダバッファ43はビットストリーム合成部45への出力を行うが、ビットストリームのVOL部分の情報は保持される。この情報は新たにビットストリーム振り分け部41よりビットストリームのVOLヘッダが入力されるまで保持され、新たにビットストリームのVOLヘッダが入力された場合、新たに入力されたVOLヘッダの情報を用いて上書きされる。
【0095】
GOVバッファ44はビットストリーム振り分け部41より出力されたビットストリームのVOLヘッダ以外の部分を入力とし、これを保持する。このとき、ビットストリームは例えばGOV単位等の再生が可能な最小単位毎に分割され保存される。
【0096】
ここで、GOVは、本実施の形態を説明する上で便宜上用いたものであり、再構成可能であれば、VOP等のさらに小さな構成単位もしくは2つのGOV等大きい構成単位でも問題ない。
【0097】
GOVバッファ44の容量がいっぱいになった場合には、古い順にビットストリームが消去される。このときビットストリームの消去は再生が可能な最小単位毎に行われ、新たにビットストリームを保存するのに使用される。
【0098】
GOVバッファ44はタイミング調整部42からのバッファ出力フラグを受けるとそのバッファ内に蓄積したビットストリームの一部もしくは全部をビットストリーム合成部45へ出力する。
【0099】
タイミング調節部42では、外部より出力フラグを受け、これを必要に応じ所定の遅延時間にわたって遅延させてバッファ出力フラグを出力する。
【0100】
例えば、GOVバッファ44が30秒分のビットストリームを保持するバッファ容量を有している場合でかつ出力フラグを入力された10秒後にバッファ出力フラグを出力したとすると、GOVバッファ44より出力されるビットストリームは、出力フラグが入力される20秒前より、出力フラグが出力された10秒後までのビットストリームがGOVバッファ44よりビットストリーム合成部45に出力されることとなる。
【0101】
同様にタイミング調節部42の遅延時間を0秒にした場合には、出力フラグが入力される30秒前より出力フラグが入力された時点までに保存されているビットストリームデータが出力される。
【0102】
このようにタイミング調整部42での遅延時間の大きさを調整することで、後段に出力するビットストリームの範囲を調整することが可能となる。
【0103】
ビットストリーム合成部45では、VOLヘッダバッファ43及びGOVバッファ44から出力されるビットストリームを入力とし、この二つのビットストリームを合成し、出力を行う。
【0104】
ビットストリーム合成部45では、VOLヘッダのビットストリームの直後にGOVバッファ44からのデータを追加し、再生可能なビットストリームを作成する。
【0105】
ここで、ビットストリーム出力部40におけるビットストリームに対する処理について、図7を用いて説明する。図中には、入力されたビットストリーム210と、出力されるビットストリーム220との関係が示されている。
【0106】
例えばGOV5 の蓄積時に出力フラグが入力されたとし、GOVバッファ44は4個のGOVのビット量に相当するバッファが可能であるとする。
【0107】
このとき、実際にビットストリーム出力部から出力が行われるタイミングは時刻Te に相当し、この時刻はタイミング調整部42の遅延時間及び出力フラグが入力された時刻To から求められる。
【0108】
この例では、GOVバッファ44が4個のGOVのビット量に相当するバッファを保持しているものとした。時刻Teにおいて、GOVバッファ44に蓄積されている再構成可能なGOVビットストリームは、GOV4 ,GOV5 ,GOV6 となる。
【0109】
そのため、GOVバッファ44から出力されるビットストリームはGOV4 ,GOV5 ,GOV6 となり、このビットストリームの先頭にVOLヘッダバッファ43に蓄積されたデータを添付することで再生可能なビットストリームの合成が可能となる。
【0110】
図5に示した第3の実施の形態において、ビットストリーム出力部40から出力されたビットストリームは、第2の記録部18、第2の画像表示部19及び第2の伝送部20に出力される。
【0111】
この第3の実施の形態の符号化装置を利用することにより、第2の画像符号化部17により符号化されたビットストリームの一部のみを切り出し、蓄積、伝送表示することが可能である。
【0112】
この動作と同時に、第1の符号化装置より出力された画像ビットストリームを蓄積、伝送、表示することが可能である。
【0113】
また、第3の実施の形態においては、一部を切り出すビットストリーム及びシーケンス全体を保存するビットストリームの符号化方式が同じでも問題ない場合、第2の解像度/フレームレート変換部16及び第2の画像符号化部17を省略することが可能である。
【0114】
次に、第3の実施の形態の変形例について、図8を用いて説明する。この変形例は、上述の第3の実施の形態において、第2の解像度/フレームレート変換部16及び第2の画像符号化部17を省略し、第1の画像符号化部12の出力をビットストリーム出力部40に入力したものである。
【0115】
この変形例は、一部を切り出すビットストリーム及びシーケンス全体を保存するビットストリームの符号化方式が同じでも問題がない場合に、第3の実施の形態おいて、第2の解像度/フレームレート変換部16及び第2の画像符号化部17を省略したものである。
【0116】
なお、図5に示した第3の実施の形態及び図10に示した第3の実施の形態の変形例においては、第1の符号化装置12の出力は第1の記録部13、第1の画像表示部14及び第1の伝送部15に送られ、ビットストリーム出力部40の出力は第2の記録部18、第2の画像表示部19及び第2の伝送部20に送られる。しかし、図3に示した第2の実施の形態のように、多重化を行った後で、単一の記録部30及び伝送部31に出力することもできる。
【0117】
また、図5に示した第3の実施の形態においては、画像シーケンスの全体及び一部のビットストリームを符号化する例を示したが、画像の一部のビットストリームのみが必要な場合には、第1の解像度/フレームレート変換部11、第1の画像符号化部12、第1の記録部13、第1の画像表示部14及び第1の伝送部15を省略することもできる。
【0118】
以上説明した実施の形態は、例えば、光磁気ディスクや磁気テープ、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録し、これを再生してディスプレイ等に表示したり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、インターネットやテレビ放送機器など、伝送路を介して送信側から受信側に伝送し、受信側において、これを受信して表示する場合などに用いて好適である。
【0119】
なお、上述の第1の実施の形態においては、第1の画像符号化部12から出力されるビットストリームは第1の記録部13、第1の画像表示部14及び第1の伝送部15に、第2の画像符号化部17から出力されるビットストリームは第2の記録部18、第2の画像表示部19及び第2の伝送部20に入力されるものとしたが、これに限定されない。
【0120】
例えば、第1の画像符号化部12から出力されるビットストリームは第1の記録部13に、第2の画像符号化部17から出力されるビットストリームは第2の記録部に入力されるように、出力先を選択することができる。
【0121】
上述の第2の実施の形態、第3の実施の形態、及び第3の実施の形態の変形例においても、同様にして出力先を選択できるのはいうまでもない。
【0122】
【発明の効果】
本発明により、一つの入力画像信号に対し、複数の符号化方法、ビットレート、解像度等に応じた画像符号化ビットストリームを作成すること可能となる。従って、本発明によると、従来の作成したビットストリームを目的のものに変更する場合におこる画質劣化を抑制することができる。
【0123】
また、本発明によると、ビットストリーム全体からビットストリームの一部を切り出し、再生可能なビットストリームとして蓄積、伝送等を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】解像度/フレームレート変換部における解像度変換を説明する図である。
【図3】第2の実施の形態の符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図4】画像の切り出し位置を説明する図である。
【図5】第3の実施の形態の符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図6】ビットストリーム出力部の構成を示すブロック図である。
【図7】ビットストリーム出力部におけるビットストリームの処理を示す図である。
【図8】第3の実施の形態の符号化装置の変形例の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の符号化装置を説明する図である。
【図10】従来の符号化装置にて得られたビットストリームの画像変換方式の変換を説明する図である。
【符号の説明】
11 第1の解像度/フレームレート変換部、12 第1の画像符号化部、13 第1の画像記録部、14 第1の画像表示部、15 第1の伝送部、16 第2の解像度/フレームレート変換部、17 第2の画像符号化部、18 第2の画像記録部、19 第2の画像表示部、20 第2の伝送部

Claims (12)

  1. 入力された画像信号に対して符号化を施す符号化装置において、
    上記画像信号に対して動き補償を行う動き補償手段と、
    上記動き補償のマクロブロック位置と一致するように、上記画像信号の画像を切り出す際の切り出し位置を設定し、設定した切り出し位置に対応する画像を切り出すことにより第1の低解像度画像に変換する第1の画像変換手段と、
    上記動き補償による動きベクトルを、上記第1の画像変換手段により変換された第1の低解像度画像にあわせて変換する第1の動きベクトル変換手段と、
    上記第1の動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記第1の画像変換手段により切り出された第1の低解像度画像を符号化する第1の符号化手段と、
    上記画像信号に対して、上記第1の変換手段で変換とは異なる変換を施す第2の画像変換手段と、
    上記動き補償による動きベクトルを、上記第2の画像変換手段により変換された第2の画像にあわせて変換する第2の動きベクトル変換手段と、
    上記第2の動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記第2の画像変換手段により変換された画像を符号化する第2の符号化手段と
    を備え符号化装置。
  2. 上記第2の画像変換手段は、上記動き補償のマクロブロック位置と一致するように、上記画像信号の画像を切り出す際の切り出し位置を設定し、設定した切り出し位置に対応する画像を切り出すことにより第2の低解像度画像に変換し、
    上記第2の動きベクトル変換手段は、上記動き補償による動きベクトルを、上記第2の画像変換手段により変換された第2の低解像度画像にあわせて変換し、
    上記第2の符号化手段は、上記動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記画像変換手段により切り出された第2の低解像度画像を符号化する請求項1記載の符号化装置。
  3. 上記第1の符号化手段により生成された第1のビットストリームと上記第2の符号化手段により生成された第2のビットストリームとを記録媒体に記録する記録手段を更に備える請求項1記載の符号化装置。
  4. 上記第1の符号化手段により生成された第1のビットストリームと上記第2の符号化手段により生成された第2のビットストリームとを多重化する多重化手段を更に備え、
    上記記録手段は、上記多重化手段により多重化されたビットストリームを前記記録媒体に記録する請求項3記載の符号化装置。
  5. 上記第1の符号化手段により生成された第1のビットストリームと上記第2の符号化手段により生成された第2のビットストリームとを伝送する伝送手段を更に備える請求項1記載の符号化装置。
  6. タイミング調整フラグを利用して、第2のビットストリームの一部を伝送する請求項5記載の符号化装置。
  7. 上記第1の符号化手段により生成された第1のビットストリームと上記第2の符号化手段により生成された第2のビットストリームとを多重化する多重化手段を更に備え、
    上記伝送手段は、上記多重化手段により多重化されたビットストリームを伝送する請求項5記載の符号化装置。
  8. 上記第1の符号化手段と上記第2の符号化手段とは、同じ符号化方式に従って符号化する請求項1記載の符号化装置。
  9. 上記第1の符号化手段と上記第2の符号化手段とは、異なるビットレートで符号化する請求項1記載の符号化装置。
  10. 上記第1の符号化手段と上記第2の符号化手段とは、MPEG−2規格又はMPEG−4規格に従って符号化する請求項1記載の符号化装置。
  11. 入力された画像信号に対して符号化を施す符号化方法において、
    上記画像信号に対して動き補償を行う動き補償工程と、
    上記動き補償のマクロブロック位置と一致するように、上記画像信号の画像を切り出す際の切り出し位置を設定し、設定した切り出し位置に対応する画像を切り出すことにより第1の低解像度画像に変換する第1の画像変換工程と、
    上記動き補償による動きベクトルを、上記第1の画像変換工程により変換された第1の低解像度画像にあわせて変換する第1の動きベクトル変換工程と、
    上記第1の動きベクトル変換手段により変換された動きベクトルを用いて、上記第1の画像変換工程により切り出された第1の低解像度画像を符号化する第1の符号化工程と、
    上記画像信号に対して、上記第1の変換工程で変換とは異なる変換を施す第2の画像変換工程と、
    上記動き補償による動きベクトルを、上記第2の画像変換工程により変換された第2の画像にあわせて変換する第2の動きベクトル変換工程と、
    上記第2の動きベクトル変換工程により変換された動きベクトルを用いて、上記第2の画像変換工程により変換された画像を符号化する第2の符号化工程と
    を備え符号化方法。
  12. 上記第2の画像変換工程では、上記動き補償のマクロブロック位置と一致するように、上記画像信号の画像を切り出す際の切り出し位置を設定し、設定した切り出し位置に対応する画像を切り出すことにより第2の低解像度画像に変換し、
    上記第2の動きベクトル変換工程では、上記動き補償による動きベクトルを、上記第2の画像変換工程により変換された第2の低解像度画像にあわせて変換し、
    上記第2の符号化工程では、上記動きベクトル変換工程により変換された動きベクトルを用いて、上記画像変換工程により切り出された第2の低解像度画像を符号化する請求項11記載の符号化方法。
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