JP4336839B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、反射率や透過率などの光学特性を制御するための好適な構造物を含んでなる光学材料に関する。更なる態様において、本発明は、反射光または透過光の比偏光の制御に関する。
背景
光学フィルムは、連続マトリックス中に分散れさた混在物から構成された光学フィルムは、当該技術分野で周知である。これらの混在物の特性を操作することにより、所定の範囲の反射特性および透過特性をフィルムに付与することができる。これらの特性としては、フィルム内の波長に対する混在物のサイズ、混在物の形状および配置、混在物の容積充填率、およびフィルムの3つの直交軸に沿った連続マトリックスとの屈折率差の程度が挙げられる。
従来の吸収性(ダイクロイック)偏光子は、それらの混在物相として、ポリママトリックス内に配列された光吸収性ヨウ素の無機ロッド状鎖を有する。このようなフィルムは、ロッド状ヨウ素鎖に平行に配列された電場ベクトルで偏光された光を吸収する傾向があるだろう。ヨウ素鎖は可視光の波長と比較して小さい2つ以上の寸法を有するため、更に、光の波長の三乗あたりの鎖の数が多いため、このようなフィルムの光学特性は鏡面的(specular)性質が優位であり、フィルムを介した拡散透過またはフィルム表面からの拡散反射は非常に少ない。ほとんどの他の市販の偏光子と同じように、これらの偏光フィルムは、偏光選択的吸収に基づいている。
異なる特性を有する無機混在物が充填されたフィルムは、他の光学的透過および反射特性を提供する。例えば、金属的光輝を付与するために、可視波長と比較して大きな2つ以上の寸法を有する被覆雲母フレークが、ポリマフィルム中へおよびペイント中へ添加された。これらのフレークはフィルムの面内に置くように操作でき、これにより、反射外観に強い方向依存性が付与される。このような効果を利用すると、特定の観察角に対しては反射性が高く、それ以外の観察角に対しては透過性であるセキュリティスクリーンが提供できる。入射光に対する向きに依存した着色(鏡面的選択反射)を有する大きなフレークをフィルム中に添加すると、改変の証拠を提供することができる。この用途では、フィルム中のすべてのフレークが互いに同じように配向している必要がある。
しかしながら、無機混在物が充填されたポリマから作製された光学フィルムは、様々な弱点を呈する。典型的には、無機粒子とポリママトリックスとの接着は悪い。従って、マトリックスを横切って応力または歪みが加わると、フィルムの光学特性は劣化する。この理由としては、マトリックスと混在物との結合が抑制されること、および硬質な無機混在物が破壊される恐れがあること、の両方が挙げられる。更に、無機混在物を整列させるには、製造を複雑にする加工工程および配慮が必要である。
米国特許第4,688,900号(Doaneら)に開示されているような他のフィルムは、光変調液晶の液滴が分散された透明光透過性連続ポリママトリックスから成っている。報告によれば、この材料を延伸すると、液晶の液滴が歪んで球形から楕円体形に変化し、その楕円体の長軸は延伸方向に平行となる。米国特許第5,301,041号(Konumaら)にも同様な開示がなされているが、加圧することにより液晶の液滴を変形させている。A.Aphonin著,「延伸ポリマ分散液晶フィルムの光学特性:角度依存性偏光散乱」,Liquid Crystals,Vol.19,No.4,469-480(1995)には、液晶液滴をポリママトリックス中に配置して成る延伸フィルムの光学特性が記載されている。彼の報告によれば、液滴を、長軸が延伸方向と平行である楕円体形に伸長させると、その液滴に配向複屈折(液滴の寸法軸間の屈折率差)が付与され、その結果、特定のフィルム軸に沿った分散相と連続相の相対屈折率は一致しないが、それ以外のフィルム軸に沿った相対屈折率は一致するようになる。こうした液晶液滴は可視波長と比べて小さくないので、このようなフィルムの光学特性は、その反射および透過特性に対して実質的な拡散成分を有する。Aphoninは、バックライト照射ねじれネマチックLCD用の偏光拡散板としてこれらの材料を使用することを提案している。しかしながら、分散相として液晶を利用した光学フィルムでは、マトリックス相と分散相との屈折率差は実質的に制限される。更に、このようなフィルムの液晶成分の複屈折は、典型的には、温度に敏感である。
米国特許第5,268,225号(Isayev)には、サーモトロピック液晶ポリマブレンドから作製された複合ラミネートが開示されている。このブレンドは、互いに混じり合わない2つの液晶ポリマから成る。このブレンドをキァストして、分散混在物相と連続相とから成るフィルムを形成することも可能である。フィルムを延伸した場合、分散相は、軸が延伸方向に配向した一連の繊維を形成する。このフィルムは改良された機械的性質をもつとの説明はあるが、フィルムの光学特性についての記載はない。しかしながら、それらの液晶の性質上、このタイプのフィルムは、上述した液晶材料の弱点を呈するであろう。
電場または磁場を印加することにより所望の光学特性を呈するような更に他のフィルムも作製された。例えば、米国特許第5,008,807号(Watersら)には、液晶材料を浸透させ、2つの電極の間に配置された繊維の層から成る液晶デバイスが記載されている。電極間に電圧を印加すると、液晶材料の複屈折特性を変化させる電場を生じ、その結果、繊維と液晶の屈折率の差が様々に変化する。しかしながら、電場または磁場に対する要件は、多くの用途、特に既存の場が干渉を起こす恐れのある用途では、不便で望ましからぬものである。
第1のポリマの混在物の分散物を第2のポリマ中に添加し、次に、得られた複合体を1つまたは2つの方向に延伸することによって、他の光学フィルムが作製された。米国特許第4,871,784号(Otonariら)は、この技術の例である。ポリマを選択する際、分散相と周囲のマトリックスポリマとの接着性を低くし、その結果、フィルムを延伸したときに、各混在物の周りに楕円形のボイドが形成されるようにする。このようなボイドは、可視波長程度の寸法である。これらの「ミクロボイド」フィルム中のボイドとポリマとの屈折率差は、典型的にはかなり大きく(約0.5)、実質的な拡散反射を生じる。しかしながら、ミクロボイド材料は界面の幾何学構造が様々であるため、その光学特性を制御することが難しく、更に、偏光感応光学特性を得るのに有用と思われる、比較的屈折率の一致したフィルム軸を生成することは不可能である。更に、このような材料のボイドは、熱および圧力への曝露により容易に壊れる可能性がある。
分散相が連続マトリックス中に規則的なパターンで位置決めされて配置された光学フィルムも作製された。米国特許第5,217,794号(Schrenk)は、この技術の例である。この特許には、他のポリマ材料の連続マトリックス中に分散された2つの軸上の波長と比べて大きなポリマ混在物から作製されたラメラポリマフィルムが開示されている。分散相の屈折率は、1つ以上のラミネート軸に沿って、連続相の屈折率と顕著に異なり、他の軸に沿って、比較的よく一致している。分散相が規則的であるため、このタイプのフィルムは、実質的に反射性である場合には強い真珠光(すなわち、干渉に基づく角度依存性着色)を呈する。この結果、こうしたフィルムは、光拡散が望ましい光学用途での使用が制限されてきた。
従って、連続相と分散相とから成る光学材料であって、しかも2つの相の屈折率差は材料の3つの寸法軸に沿って便利にかつ永久的に操作でき、結果として所望の程度の拡散および鏡面型の反射および透過が得られ;該光学材料は、応力、歪み、温度差、ならびに電場および磁場に対して安定であり;更に、該光学材料は有意なレベルの真珠光を呈しない、光学材料に対する必要性が当該技術分野に存在する。これらのおよび他の必要性は、これ以降で開示れさるように、本発明により満たされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に従って作製された光学体(optical body)を示す略図であり、分散相は、本質的に円形の断面を有する一連の細長い塊として配置されている。
図2は、本発明に従って作製された光学体を示す略図であり、分散相は、本質的に楕円形の断面を有する一連の細長い塊として配置されている。
図3a〜eは、本発明に従って作製された光学体中の分散相の種々の形状を示す略図である。
図4aは、配向方向に垂直に偏光された光に関して、本発明に係る配向フィルムに対する散乱角の関数として複屈折散乱分布を示したグラフである。
図4bは、配向方向に垂直に偏光された光に関して、本発明に係る配向フィルムに対する散乱角の関数として複屈折散乱分布を示したグラフである。
図5は、本発明に従って作製された多層フィルムの略図である。
発明の概要
1態様において、本発明は、複屈折連続ポリマ相と、該連続相中に分散された実質的に非複屈折の分散相と、を含んでなる拡散反射フィルムまたはその他の光学体に関する。連続相および分散相の屈折率は、3つの互いに直交する軸のうちの第1の軸に沿って実質的に不一致であり(すなわち、互いに約0.05よりも大きく異なっている)、3つの互いに直交する軸のうちの第2の軸に沿って実質的に一致する。いくつかの実施態様において、鏡または偏光子を作製するうえで、連続相および分散相の屈折率は、3つの互いに直交する軸のうちの第3の軸に沿って、すなわちその軸に平行に、実質的に一致していても一致していなくてもよい。不一致軸に沿って、すなわちその軸に平行に、偏光された入射光は散乱されて、顕著な拡散反射を生じる。一致軸に沿って偏光された入射光の散乱はかなり少なく、実質的にスペクトルに応じて透過される。これらの性質を使用すると、顕著な透過を示さない偏極の光は拡散反射される低損失(顕著な吸収を示さない)反射偏光子などの様々な用途の光学フィルムが作製できる。
関連する態様において、本発明は、複屈折連続相と分散相とを含んでなる光学フィルムまたはその他の光学体であって、しかも該連続相と分散相の屈折率は、光学体の表面に垂直な軸に沿って実質的に一致する(すなわち、連続相と分散相との屈折率差が約0.05未満である)光学体に関する。
もう1つの態様において、本発明は、ポリマ連続複屈折第1相を有する複合光学体であって、しかも分散第2相は複屈折を示してもよいが、少なくとも2つの直交方向における一致および不一致の程度が主に第1相の複屈折に起因する複合光学体に関する。
更にもう1つの態様において、本発明は、寸法配向(dimensionalorientation)および印加電場を介して力場を加えることにより複屈折の大きさを変更でき、その結果、得られた樹脂材料が、少なくとも2つの直交方向に対して、約0.05を超える屈折率差を呈する第1の樹脂を提供する工程と;第1の樹脂中に分散される第2の樹脂を提供する工程と;2つの樹脂の屈折率が2つの方向のうちの一方において約0.05未満の範囲内でほぼ一致し、かつ2つの方向のうちの他方において第1の樹脂と第2の樹脂の屈折率差が約0.05を超えるように、これらの樹脂の複合体に前記力場を加える工程と、を含む、拡散反射偏光子の作製方法に関する。関連する実施態様において、第2の樹脂を第1の樹脂中に分散する前に、力場を加えて第1の樹脂の複屈折の変更を行う。
更にもう1つの態様において、本発明は、高い消光比を有する反射偏光子として作用する光学体に関する。この態様では、一致軸における屈折率差はできるかぎり小さくし、不一致軸における差は最大にする。容積分率、厚さ、ならびに分散相の粒子サイズおよび形状は、消光比を最大にするように選択できるが、様々な偏光に対する光の透過および反射の相対的重要性は、様々な用途に応じて変化する可能性がある。
もう1つの態様において、本発明は、連続相と、該連続相との屈折率差が第1の軸に沿って約0.05より大きく、該第1の軸に直交する第2の軸に沿って約0.05未満である分散相と、二色性染料と、を含んで成る光学体に関する。この光学体は、好ましくは、少なくとも1つの軸に沿って配向している。二色性染料は、配向軸に平行に偏光された光を散乱させるほかにこうした光を吸収することによって、光学体の消衰係数を改良する。
本発明の様々な態様において、入射光の少なくとも2つの直交する偏光に対する反射および透過特性は、連続相および分散相の光学指数、分散相粒子のサイズおよび形状、分散相の容積分率、入射光の一部分が透過する光学体の厚さ、ならびに対象の電磁線の波長または波長バンドなどの種々のパラメータを選択または操作することによって決定される。
特定の軸に沿った屈折率の一致または不一致の大きさは、その軸に沿って偏光された光の散乱の度合に直接影響するであろう。一般的には、散乱能は、屈折率差の二乗で変化する。従って、特定の軸に沿って屈折率差が大きくなると、その軸に沿って偏光された光の散乱はより強くなる。逆に、特定の軸に沿ってその差が小さい場合は、その軸に沿って偏光された光は、より少ない散乱を受けるため、光学体の容積を介した正透過が起こる。
また、分散相のサイズが、散乱に著しい影響を与えることもある。分散相粒子が小さすぎる場合(すなわち、対象の媒体中における光の波長の約1/30未満の場合)、かつ波長の三乗あたりの粒子数が多い場合、光学体は、任意の所定の軸に沿って2つの相の屈折率のほぼ間の有効屈折率を有する媒体の挙動を示す。この場合、光はほとんど散乱されない。粒子が大きすぎる場合、粒子表面から光が正反射され、他の方向への拡散はほとんで起こらない。少なくとも2つの直交する方向に対して粒子が大きすぎる場合、望ましからぬ真珠光効果が起こることもある。また、粒子が大きくなると、光学体の厚さが大きくなり、所望の機械的性質が抑制されてしまうので、実質的な限界に達する可能性がある。
分散相の粒子の形状が光の散乱に影響を与えることもある。屈折率の一致および不一致方向の電場に対する粒子の減偏光率は、所定の方向における散乱の量を低減または増強することがある。この効果により、屈折率不一致に起因した散乱の量が増加または低下することもあるが、一般的には、本発明における好ましい特性範囲内で散乱に与える影響は小さい。
粒子の形状はまた、粒子から散乱される光の拡散の度合に影響を及ぼすこともある。この形状効果は一般的には小さいが、光の入射方向に垂直な面における粒子の幾何学的断面のアスペクト比が増大するにつれて、また粒子が相対的に大きくなるにつれて、増大する。一般的には、本発明を実施するにあたり、正反射ではなく拡散反射が好ましい場合、1つまたは2つの互いに直交する寸法に関して、分散相粒子のサイズは光のいくつかの波長よりも小さくなければならない。
寸法配列もまた、分散相の散乱挙動に影響を及ぼすことが分かっている。特に、本発明に従って作製された光学体では、整列された散乱体は、ランダムに配列された散乱体の場合のように正透過または正反射の方向に関して光を対称的に散乱することはないだろう。特に、配向処理によりロッドの形状に伸長された混在物は、主に、配向方向に中心を有しかつ正透過方向に沿ってエッジを有する円錐に沿って(またはその近傍に)光を散乱する。例えば、このような伸長されたロッド上へ配向方向に垂直な方向に入射した光に対して、散乱光は、配向方向に垂直な面の光のバンドとして現れ、その強度は、正反射方向からの角度が増大するにつれて減少する。混在物の幾何学構造を調整することにより、透過性半球および反射性半球のいずれにおいても、散乱光の分布をいくらか制御することができる。
分散相の容積分率もまた、本発明の光学体中における光の散乱に影響を与える。ある限度内で、分散相の容積分率が増大すると、偏光の一致および不一致方向の両方に対して、光学体に入射した後で光線が受ける散乱の量を増大させる傾向がある。この因子は、所定の用途に対する反射および透過特性を制御するために重要である。しかしながら、分散相の容積分率が大きくなりすぎると、光の散乱は減少する。理論に束縛されるものではないが、このことは、分散相粒子が光の波長程度に互いに近接し、その結果、粒子が少数の大きな有効粒子として互いに作用する傾向を呈するという事実に起因するものと思われる。
光学体の厚さもまた、本発明において反射および透過特性を与えるように操作可能な重要な制御パラメータである。光学体の厚さが増大するにつれて、拡散反射も増大し、正透過および拡散透過はいずれも減少する。
本明細書中において、可視スペクトル領域に関連させて本発明をしばしば説明するが、本発明の種々の実施態様を使用して光学体の成分の大きさを適切に調節するこにより、電磁線の様々な波長において作動させことができる。この場合、波長が増大するにつれて、波長単位で測定した場合の寸法がほぼ一定に保たれるように、光学体の成分の直線サイズを増大させる。波長を変化させるもう1つの主要な効果は、対象のほとんどの材料に対して、屈折率および吸収係数が変化することである。しかしながら、屈折率の一致および不一致の原理は、依然として、対象の各波長において適用される。
発明の詳細な説明

本明細書中で使用する場合、「正反射」および「正反射率」という用語は、正(specular)角を中心に16度の頂角を有する仮想(emergent)円錐中に入る光の反射を意味する。「拡散反射」および「拡散反射率」という用語は、上で定義された正(specular)円錐の外側への光線の反射を意味する。従って、全反射は、正反射と拡散反射との合計である。
同様に、本明細書中では、「正透過」および「正透過率」という用語は、正(specular)方向を中心に16度の頂角を有する仮想円錐中に入る光の透過に関連して使用される。「拡散透過」および「拡散透過率」という用語は、上で定義された正円錐の外側への光線の透過に関連して使用される。「全透過」または「全透過率」という用語は、光学体を介したすべての光の透過を合わせたものを意味する。従って、全透過は、正透過と拡散透過との合計である。
本明細書中で使用する場合、「消光比」という用語は、一つの偏光の全透過光と、直交する偏光の透過光との比を意味するものと定義される。
図1〜2は、本発明の第1の実施態様を示している。本発明に従えば、複屈折マトリックス相または連続相12と、不連続相または分散相14とから成る拡散反射光学フィルム10または他の光学体が作製される。連続相の複屈折率は、典型的には、少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.01、より好ましくは少なくとも約0.15、最も好ましくは少なくとも約0.2である。
連続相と分散相の屈折率は、3つの直交軸のうちの第1の軸に沿って実質的に一致しており(すなわち、その差は約0.05未満である)、3つの直交軸のうちの第2の軸に沿って実質的に不一致である((すなわち、その差は0.05を超える)。好ましくは、連続相と分散相との屈折率差は、一致軸に沿って約0.03未満、より好ましくは約0.02未満、最も好ましくは約0.01未満である。連続相と分散相との屈折率差は、不一致軸に沿って、好ましくは少なくとも約0.07、より好ましくは少なくとも約0.1、最も好ましくは少なくとも約0.2である。
特定の軸に沿った屈折率の不一致は、その軸に沿って偏光された入射光が実質的に散乱され、その結果、かなりの反射量となるという効果をもつ。これとは対照的に、透過率が一致している軸に沿って偏光された入射光は、散乱の量はかなり少なく、正透過または正反射されるであろう。この効果を利用すると、反射偏光子および鏡などの様々な光学デバイスを作製することができる。
本発明は、反射偏光子を作製するための実用的で単純な光学体および方法を提供し、更に、本明細書中に記載の原理に従った光学特性の連続領域を得る手段を提供する。また、高い消光比を有する非常に効率てきな低損失偏光子を得ることもできる。他の利点は、分散相と連続相に対する実用材料の範囲が広いこと、およびばらつきのない予測可能な高品質の性能の光学体を高度な制御下で提供できることである。
屈折率の一致/不一致の効果
好ましい実施態様において、連続相および分散相のうちの少なくとも1つの材料は、配向処理により屈折率変化を起こすタイプである。従って、フィルムが1つ以上の方向に延伸されると、1つ以上の軸に沿って屈折率の一致または不一致を生じる。配向パラメータおよび他の処理条件を注意深く操作することにより、正または負の複屈折のマトリックスを使用して、所定の軸に沿って1つまたは両方の偏光の拡散反射または透過を誘発することができる。透過と拡散反射との相対比は、分散相混在物の濃度、フィルムの厚さ、連続相と分散相との屈折率差の二乗、分散相混在物のサイズおよび幾何学構造、ならびに入射放射線の波長または波長バンドに依存する。
特定の軸に沿った屈折率の一致または不一致の大きさは、その軸に沿って偏光された光の散乱の度合に直接影響を及ぼす。一般的には、散乱能は、屈折率差の二乗で変化する。従って、特定の軸に沿って屈折率差が大きくなると、その軸に沿って偏光された光の散乱はより強くなる。逆に、特定の軸に沿ってその差が小さい場合は、その軸に沿って偏光された光は、より少ない散乱を受けるため、光学体の容積を介した正透過が起こる。
図4a〜bは、本発明に従って作製された配向フィルムにおけるこうした効果を示している。ここでは、632.8nmの垂直入射光に対して、典型的な二方向散乱分布関数(BSDF)が示されている。BSDFについては、J.Stover,“Optical Scattering Measurement and Analysis”(1990)に記載がある。BSDFは、配向軸に対して垂直な偏光および平行な偏光の両方に対して散乱角の関数として示されている。散乱角ゼロは、非散乱(正透過)光に対応する。図4aに示されていように、屈折率一致方向に(すなわち、配向方向に垂直に)偏光された光に対して、顕著な正透過ピークが存在し、かなりの量の拡散透過光成分(8〜80度の散乱角)および少量の拡散反射光成分(100度を超える散乱角)が含まれる。図4bに示されていように、屈折率不一致方向に(すなわち、配向方向に平行に)偏光された光に対して、無視しうる正透過光およびかなり減少した拡散透過光成分ならびにかなりの量の拡散反射成分が存在する。これらのグラフで示された散乱面は、配向方向に垂直な面であり、この面には、これらの伸長された混在物に対する散乱光のほとんどが存在することに注目すべきである。この面の外側の散乱光の寄与は、大きく低下する。
ある軸に沿って、混在物(すなわち、分散相)の屈折率が連続ホスト媒体の屈折率と一致した場合、この軸に平行な電場で偏光された入射光は、混在物のサイズ、形状、および密度にかかわりなく、散乱されずに透過するであろう。ある軸に沿って屈折率が一致しない場合、混在物は、この軸に沿って偏光された光を散乱するだろう。約λ/30(ただし、λは媒体中の光の波長である)を超える寸法の所定の断面の散乱体に対して、散乱強度は、主に、屈折率差によって決まる。不一致の混在物の正確なサイズ、形状、および配置は、どれほどの光がその混在物から種々の方向に散乱されるかを決定する役割を担う。多重散乱理論によれば、散乱層の密度および厚さが十分な場合、入射光は反射または吸収されるであろうが、散乱体のサイズおよび形状の細部にかかわらず透過されるであろう。
こうした材料を偏光子として使用する場合、面内横延伸方向に延伸およびいくらかの寸法緩和を行い、結果として、連続相と分散相との屈折率差が、材料の表面に平行な面にある第1の軸に沿って大きく、他の2つの直交軸に沿って小さくなるように処理することが好ましい。これにより、異なる偏光の電磁線に対して、大きな光学的異方性を生じる。
本発明の範囲内にある偏光子のいくつかは、楕円偏光子である。一般的には、楕円偏光子は、延伸方向および横延伸方向の両方に対して、分散相と連続相との屈折率差を有するであろう。前方散乱と後方散乱との比は、分散相と連続相との屈折率差、分散相の濃度、分散相のサイズおよび形状、ならびにフィルム全体の厚さに依存する。一般的には、楕円偏光子は、分散相の粒子と連続相との屈折率差が比較的小さい。複屈折ポリマに基づく拡散体を使用することにより、高い楕円偏光感度(すなわち、光の偏極に依存した拡散反射)を得ることができる。極限の状態において、ポリマの屈折率が1つの軸上で一致した場合、楕円偏光子は拡散反射偏光子になるであろう。
屈折率の一致/不一致を決める方法
本発明に係る偏光子に使用するために選択される材料、およびこうした材料の配向の度合を決める場合、好ましくは、完成偏光子中の相が、関連する屈折率が実質的に等しい少なくとも1つの軸を有するようする。この軸、典型的には、ただし、必ずしも必要というわけではないが、配向方向を横切る軸、に関連した屈折率が一致すると、その偏光面における光の反射は実質的に起こらなくなる。
また、分散相は、延伸後、配向方向に関連した屈折率の低下を示す場合もある。ホストの複屈折が正の場合、歪みに誘発される分散相の負の複屈折は、配向軸に関連した隣接相の屈折率差を増大させ、しかも、依然として、配向軸に垂直な偏光面の光の反射は無視できるという利点を有する。配向方向に直交する方向における隣接相間の屈折率差は、配向処理後、約0.05未満、好ましくは約0.02未満にしなければならない。
分散相はまた、歪みに誘発されて正の複屈折を呈することもある。しかしながら、これは、熱処理によって、連続相の配向方向に垂直な軸の屈折率と一致させるように変えることができる。熱処理の温度は、連続用の複屈折を緩和するほど高くしてはならない。
分散相のサイズ
分散相のサイズもまた、散乱に著しい影響を及ぼすことがある。分散相粒子が小さすぎる場合(すなわち、対象の媒体中における光の波長の約1/30未満の場合)、かつ波長の三乗あたりの粒子数が多い場合、光学体は、任意の所定の軸に沿って2つの相の屈折率のほぼ間の有効屈折率を有する媒体の挙動を示す。この場合、光はほとんど散乱されない。粒子が大きすぎる場合、粒子表面から光が正反射され、他の方向への拡散はほとんで起こらない。少なくとも2つの直交する方向に対して粒子が大きすぎる場合、望ましからぬ真珠光効果が起こることもある。また、粒子が大きくなると、光学体の厚さが大きくなり、所望の機械的性質が抑制されてしまうので、実質的な限界に達する可能性がある。
配列後の分散相の粒子の寸法は、光学材料の所望の用途により変わることもある。この場合、例えば、粒子の寸法は、反射または透過する可視、紫外、赤外、およびマイクロ波の放射線に対して異なる寸法が必要となる特定の用途において、対象となる電磁線の波長に応じて変化させてもよい。しかしながら、一般的には、粒子の長さは、媒体中における対象の電磁線の波長を30で割った値よりもほぼ大きくなるようにしなければならない。
好ましくは、光学体が低損失反射偏光子として使用される用途において、粒子の長さは、対象の波長域にわたり電磁線の波長の約2倍よりも大きく、好ましくは波長の4倍を超える。粒子の平均直径は、好ましくは、対象の波長域にわたり電磁線の波長以下であり、好ましくは、所望の波長の0.5未満である。ほとんどの用途において分散相の寸法は二次的な要因として考慮されるが、比較的拡散反射が起こらない薄いフィルム用途では、重要性は増大する。
分散相の幾何学構造
屈折率の不一致は、本発明のフィルム中での散乱を確実に促進するための主要な因子であるが(すなわち、本発明に従って作製された拡散鏡または偏光子は、少なくとも1つの軸に沿って、連続相と分散相の屈折率の実質的な不一致を有する)、分散相の粒子の幾何学構造が、散乱に対して二次的な影響を与えることもある。この場合、屈折率の一致および不一致の方向における電場に対する粒子の減偏光率は、所定の方向における散乱の量を低下または増大させることがある。例えば、分散相が配向軸に垂直な面に沿った断面において楕円形である場合、分散相の楕円形断面図形状は、前方散乱光および後方散乱光のいずれにおいても非対称拡散に寄与する。この効果により、屈折率差による散乱の量が増大または低下することもあるが、一般的には、本発明における好ましい特性範囲内で散乱に与える影響は小さい。
分散相粒子の形状はまた、粒子から散乱される光の拡散の度合に影響を及ぼすこともある。この形状効果は一般的には小さいが、光の入射方向に垂直な面における粒子の幾何学的断面のアスペクト比が増大するにつれて、また粒子が相対的に大きくなるにつれて、増大する。一般的には、本発明を実施するにあたり、正反射ではなく拡散反射が好ましい場合、1つまたは2つの互いに直交する寸法に関して、分散相粒子のサイズは光のいくつかの波長よりも小さくなければならない。
好ましくは、低損失反射偏光子に対して、好ましい実施態様は、一連のロッド状構造物として連続相中に分散された分類相からなるが、このロッド状構造物は、配向の結果として、配向方向に平行な偏光に対する反射を、この偏光に対する散乱強度および分散を配向方向に垂直な偏光に対するものよりも大きくすることによって増強することができる。しかしながら、図3a〜eに示されているように、分散相は多くの異なる幾何学構造で提供することが可能である。この場合、分散相は、図3a〜cに示されているようにディスク状もしくは細長いディスク状であってもよいし、図3d〜eに示されているようにロッド状であってもよいし、または球状であってもよい。分散相の断面がほぼ楕円形(円形を含む)、多角形、不規則形、またはこれらの形状の1つ以上の組合せである他の実施態様も考えられる。また、分散相の粒子の断面形状およびサイズは、粒子ごとに、またはフィルムの領域ごとに(すなわち、表面からコアまで)異なる場合もある。
いくつかの実施態様において、分散相は、コアおよびシェルの構造をとることもできる。この構造では、コアおよびシェルは、同じかもしくは異なる材料から作製されるか、またはコアは中空である。この場合、例えば、分散相は、同じかまたはランダムな長さの、および均一かまたは非均一な断面の中空繊維から成っていてもよい。繊維の内部空間は空洞であってもよいし、好適な媒体で充填されていてもよく、更に、この媒体は、固体、液体、もしくは気体であってもよいし、有機物または無機物であってもよい。媒体の屈折率は、所望の光学効果(すなわち、所定の軸に沿った反射または偏光)が得られるように、分散相と連続相の屈折率を考慮して選ぶことができる。
分散相の幾何学構造は、光学材料の好適な配向もしくは加工により、特定の幾何学構造をもつ粒子を使用することにより、またはこれら2つの組合せにより、得ることができる。この場合、例えば、実質的にロッド状構造物をもつ分散相は、単一の軸に沿ってほぼ球状の分散相粒子から成るフィルムを配向させることにより、作製することができる。ロッド状構造物は、第1の軸に垂直な第2の方向にフィルムを配向させることにより、楕円形の断面にすることができる。更なる例として、一連の実質的に矩形のフレークから成る分散相を含むフィルムを単一方向に配向させることにより、ロッドの断面が矩形である実質的にロッド状構造物を有する分散相を作製することができる。
延伸を行うことにより材料内に屈折率差を誘発することもできるので、延伸は、所望の幾何学構造を得るための1つの便利な方法である。上述したように、本発明に係るフィルムの配向は、2つ以上の方向に行ってもよく、更に、逐次的もしく同時に行っても良い。
もう1つの例として、連続相および分散相の成分は、分散相が非配向フィルム中の1つの軸においてロッド状となるように、押出することもできる。高いアスペクト比のロッドは、押出フィルム中のロッドの主軸の方向に配向させることにより、発生することができる。板状構造物は、押出フィルム中のロッドの主軸と直交する方向に配向させることにより、発生することができる。
図2の構造物は、連続マトリックス中の本質的に球状の粒子のブレンドを非対称二軸配向させることによって作製することができる。この他、この構造物は、複数の繊維をマトリックス材料中に添加する工程と、単一の軸に沿ってこの構造物を配列させる工程と、この軸を横切る方向に混合物を配向させる工程と、により得ることもできる。この構造物を得るための更にもう1つの方法は、ブレンドを押出してフィルムを形成するときに繊維状分散相が形成されるように、ポリマブレンドの成分の比粘度、剪断力、または表面張力を制御する方法である。一般的には、押出方向に剪断力を加えた場合に最良の結果が得られることが分かっている。
分散相の寸法配列
寸法配列もまた、分散相の散乱挙動に影響を与えることが分かっている。特に、本発明に従って作製された光学体では、整列された散乱体は、ランダムに配列された散乱体の場合のように正透過または正反射の方向に関して光を対称的に散乱することはないだろう。特に、配向処理によりロッドの形状に伸長された混在物は、主に、配向方向に中心を有しかつ正透過方向に沿った円錐の表面に沿って(またはその近傍に)光を散乱する。これにより、ほぼ正反射方向および正透過方向に散乱される光の異方的分配を生じることもある。例えば、このような伸長されたロッド上へ配向方向に垂直な方向に入射した光に対して、散乱光は、配向方向に垂直な面の光のバンドとして現れ、その強度は、正反射方向からの角度が増大するにつれて減少する。混在物の幾何学構造を調整することにより、透過性半球および反射性半球のいずれにおいても、散乱光の分布をいくらか制御することができる。
分散相の寸法
低損失反射偏光子として光学体が使用される用途において、分散相の構造物は、好ましくは、高いアスペクト比を有する。すなわち、この構造物は、1つの寸法がそれ以外の任意の寸法よりも実質的に大きい。アスペクト比は、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも5である。最大の寸法(すなわち、長さ)は、好ましくは、対象の波長域にわたり電磁線の波長の少なくとも2倍、より好ましくは、所望の波長の少なくとも4倍である。分散相の構造物のより小さい(すなわち、断面の)寸法は、好ましくは、対象の波長以下、より好ましくは、対象の波長の0.5倍未満である。
分散相の容積分率
分散相の容積分率もまた、本発明の光学体中における光の散乱に影響を与える。ある限度内で、分散相の容積分率が増大すると、偏光の一致および不一致方向の両方に対して、光学体に入射した後で光線が受ける散乱の量を増大させる傾向がある。この因子は、所定の用途に対する反射および透過特性を制御するために重要である。
分散相の所望の容積分率は、連続相および分散相用材料の特定の選択などの多くの要因により変わるであろう。しかしながら、分散相の容積分率は、典型的には、連続相に対して少なくとも約1体積%、より好ましくは、約5%〜約50%の範囲内、最も好ましくは、約15%〜約30%の範囲内であろう。
光学体の厚さ
光学体の厚さもまた、本発明において、反射および透過特性を与えるように操作可能な重要なパラメータである。光学体の厚さが増大するにつれて、拡散反射も増大し、正透過および拡散透過はいずれも減少する。この場合、光学体の厚さは、典型的には、最終製品において所望の大きさの機械的強度が得られるように選択されるであろうが、この厚さを利用して、反射および透過特性を直接制御することもできる。
また、厚さを利用して、光学体の反射および透過特性の最終的な微調整を行うこともできる。この場合、例えば、フィルム用途において、押出フィルムに対する透過および反射の値を測定し、かつ予め決められた範囲内に反射および透過の値を保持するようにフィルムの厚さを変化させる(すなわち、押出速度を調節するかまたは注型用ホイールの速度を変化させることにより)下流の光学装置によって、フィルムの押出に使用される装置の制御を行うことができる。
連続相/分散相用の材料
光学体が利用される特定の用途にもよるが、本発明の光学体において、連続相または分散相として、多くの異なる材料を使用することができる。このような材料としては、シリカを基剤としたポリマなどの無機材料、液晶などの有機材料、ならびにモノマ、コポリマ、グラフトポリマ、およびこれらの混合物もしくはブレンドなどのポリマ材料が挙げられる。所定の用途に対する材料の厳密な選択は、特定の軸に沿った連続相および分散相の屈折率の所望の一致度および不一致度ならびに得られる製品の所望の物理的特性に基づいて行われるであろう。しかしながら、連続相の材料は、一般的には、所望のスペクトル領域において実質的に透明であるという特徴をもつであろう。
材料の選択にあって更に考慮すべき点は、得られる製品が少なくとも2つの異なる相を含まなければならないという点である。このことは、互いに不混和性の2つ以上の材料から得られた光学材料をキャストすることによって達成することができる。この他、互いに不混和性でない第1の材料と第2の材料を含む光学材料を作製することが望まれる場合、かつ第1の材料が第2の材料よりも高い融点をもつ場合、第1の材料の融点未満の温度において第2の材料の溶融マトリックス中に適切な寸法の第1の材料の粒子を包埋することが可能な場合がある。次に、得られた混合物をキャストしてフィルムを形成し、続いて配向処理を行うかまたは行わずに、光学デバイスを作製することができる。
本発明において連続相または分散相として使用するための好適なポリマ材料としては、非晶質、半結晶質、または結晶質のポリマ材料が挙げられるが、具体的には、イソフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、二安息香酸、テレフタル酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ビ安息香酸(4,4-ビ安息香酸を含む)などのカルボン酸を基剤としたモノマから形成された材料、または上記の酸の対応するエステル(すなわち、ジメチルテレフタレート)から形成された材料が含まれる。これらのうちで、2,6-ポリエチレンナフタレン(PEN)が特に好ましい。なぜなら、歪みに誘発される複屈折、および延伸後に複屈折を永久的に保持する能力が得られるからである。波長550nmの偏光された入射光に対するPENの屈折率は、偏光面が、延伸軸に平行な場合、延伸後、約1.64から約1.9程度の大きさまで増大し、一方、延伸軸に垂直に偏光された光に対する屈折率は低下する。PENは、可視スペクトル域において、0.25〜0.40の複屈折率(この場合は、延伸方向に沿った屈折率と延伸方向に垂直な屈折率との差)を呈する。分子配向を増大させることにより、複屈折率を増大させることができる。フィルム製造時に利用される加工条件にもよるが、PENは、約155℃から約230℃にわたり実質的に熱安定性を示すことができる。
ポリブチレンナフタレートもまた、他の結晶質ナフタレンジカルボン酸ポリエステルと同様に好適な材料である。結晶質ナフタレンジカルボン酸ポリエステルは、異なる面内軸に関連した屈折率の差が少なくとも0.05、好ましくは0.20を超える。
PENを本発明の光学材料中の1つの相として使用する場合、他方の相は、好ましくは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはシンジオタクチックポリスチレン(sPS)などのシンジオタクチックビニル芳香族ポリマである。PENと併用される他の好ましいポリマは、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、もしくはシクロヘキサンジカルボン酸、またはこれらの材料の関連したアルキルエステルを基剤としたものである。相関の接着性を改良するために、少量のナフタレンジカルボン酸を利用することもできる。ジオール成分は、エチレングリコールまたは関連したジオールであってもよい。好ましくは、選択されたポリマの屈折率は、約1.65未満、より好ましくは約1.55未満であるが、同じ屈折率差が得られるならば、より高い屈折率を有するポリマを使用することによって類似の結果を得ることも可能である。
本発明において有用なシンジオタクチックビニル芳香族ポリマとしては、ポリ(スチレン)、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(スチレンハリド)、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ビニルエステルスチレン)、ならびにこれらの水素化ポリマおよび混合物、またはこれらの構造単位を含有したコポリマが挙げられる。ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(プロピルスチレン)、ポリ(ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルスチレン)、およびポリ(アセナフタレン)が挙げられる。ポリ(スチレンハリド)に関しては、例えば、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、およびポリ(フルオロスチレン)が挙げられる。ポリ(アルコキシスチレン)としては、例えば、ポリ(メトキシスチレン)、およびポリ(エトキシスチレン)が挙げられる。これらの例のうち、特に好ましいスチレングループのポリマとしては、ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(m-メチルスチレン)、ポリ(p-第三級ブチルスチレン)、ポリ(p-クロロスチレン)、ポリ(m-クロロスチレン)、ポリ(p-フルオロスチレン)、ならびにスチレンおよびp-メチルスチレンのコポリマが挙げられる。
更に、シンジオタクチックビニル芳香族グループのコポリマのコモノマとしては、先に説明したスチレングループのポリマのモノマの他に、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、もしくはオクテンなどのオレフィンモノマ;ブタジエン、イソプレンなどのジエンモノマ;環状ジエンモノマ、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、もしくはアクリロニトリルなどの極性ビニルモノマが挙げられる。
本発明のシンジオタクチックビニル芳香族ポリマは、ブロックコポリマ、ランダムコポリマ、または交互コポリマであってもよい。
本発明において参照される高レベルのシンジオタクチック構造を有するビニル芳香族ポリマとしては、一般的には、炭素-13核磁気共鳴により測定した場合、75%よりも大きいシンジオタクチシティを有するポリスチレンが挙げられる。好ましくは、シンジオタクチシティの度合は、80%よりも大きいラセミダイアド、または30%より大きい、好ましくは50%より大きいラセミペンタドである。
更に、このシンジオタクチックビニル芳香族グループのポリマの分子量に関しては特に制限があるわけではないが、好ましくは、その重量平均分子量は、10,000より大きくかつ1,000,000未満、より好ましくは、50,000より大きくかつ800,000未満である。
こうした他の樹脂に関しては、種々のタイプが挙げられているが、例えば、アタクチック構造をもつビニル芳香族グループのポリマ、および混和性のあるすべてのポリマが含まれる。具体的には、ポリエチレンエーテルは、先に説明したビニル芳香族グループのポリマとの良好な混和性を呈する。更に、これらの混和性樹脂成分の組成は、好ましくは70重量%〜1重量%、より好ましくは、50重量%〜2重量%である。混和性樹脂成分の組成が70重量%を超えると、耐熱性の劣化を生じる恐れがあり、通常は望ましくない。
特定の相に対して選択されたポリマがコポリエステルまたはコポリカーボネートである必要はない。ビニルナフタレン、スチレン、エチレン、無水マレイン酸、アクリレート、およびメタクリレートなどのモノマから調製されたビニルポリマおよびコポリマを利用することもできる。ポリエステルおよびポリカーボネート以外の縮合ポリマを利用することもできる。好適な縮合ポリマとしては、ポリスルホン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアミド酸、およびポリイミドが挙げられる。PENがホストであるときに屈折率を実質的に一致される必要がある場合、ナフタレン基、ならびに塩素、臭素、およびヨウ素などのハロゲンは、選択されたポリマの屈折率を所望のレベル(1.59〜1.69)まで高めるうえで有用である。アクリレート基およびフッ素は、屈折率を低下させるうえで特に有用である。
配向方向における大きな屈折率差が実質的に抑制されないかぎり、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル中に少量のコモノマを置換してもよい。より小さい屈折率差(従って、反射率は低下する)は、次の利点:すなわち、連続相と分散相との接着性の改良、押出温度の低下、および溶融粘度の一致度の向上、により釣合をとってもよい。
スペクトル領域
本明細書中において、本発明は、可視スペクトル領域に関連させてしばしば説明されるが、本発明の種々の実施態様を使用して光学体の成分の大きさを適切に調節するこにより、電磁線の様々な波長において作動させことができる。この場合、波長が増大するにつれて、波長単位で測定した場合の光学体の成分の寸法がほぼ一定に保たれるように、これらの成分の直線サイズを増大させてもよい。
もちろん、波長を変化させる1つの主要な効果は、対象のほとんどの材料に対して、屈折率および吸収係数が変化することである。しかしながら、屈折率の一致および不一致の原理は、対象の各波長においても依然として適用でき、特定のスペクトル域にわたり作動する光学デバイスに対する材料の選択に利用することができる。この場合、例えば、寸法を適切に調節することにより、赤外、近紫外、および紫外-可視のスペクトル領域で作動するようにできる。これらの場合において、屈折率は、こうした作動波長における値を意味し、分散相散乱成分のボディ厚およびサイズについても、波長に合わせたおおまかな調整を行わなければならない。VHF、UHF、マイクロ波、およびミリメートル波などの電磁スペクトルの更に多くを使用することもできる。偏光および拡散の効果は、適切な波長の調整を行うことにより得られるであろう。また、屈折率は、誘電関数(実数部および虚数部を含む)の平方根から得ることができる。これらのより長い波長バンドにおいて有用な製品は、拡散反射偏光子および部分偏光子であってもよい。
本発明のいくつかの実施態様において、光学体の光学特性は、対象の波長バンドにわたり変化する。これらの実施態様において、屈折率が1つ以上の軸に沿って波長領域ごとに変化する連続相および/または分散相のための材料を使用してもよい。連続相および分散相の材料の選択、および特定の材料の選択の結果として得られる光学特性(すなわち、拡散反射および分散反射または正透過)は、対象の波長バンドに依存するであろう。
スキン層
実質的に分散相を含まない材料の層を、フィルム、すなわち、分散相および連続相の押出ブレンド、の一方または両方の主要面上に同一の拡がりをもたせて配置してもよい。スキン層とも呼ばれるこの層は、例えば、押出ブレンド中での分散相の一体性を保護するために、最終フィルムに機械的または物理的性質を付与するために、または最終フィルムに光学的機能を付与するために、選択してもよい。選択される好適な材料としては、連続相の材料または分散相の材料が挙げられる。押出ブレンドと類似した溶融粘度をもつ他の材料も有用な場合がある。
一層または複数層のスキン層は、押出処理中、特にダイにおいて押出ブレンドが受ける恐れのある広範囲にわたる剪断強度を低下させることができる。高剪断雰囲気は、望ましからぬ表面でのボイド形成を引き起こす恐れがあり、更に、テクスチャ−ド表面を生じることもある。また、フィルムの厚さにわたる広範囲の剪断力値は、分散相がブレンド中に所望の粒子サイズを形成するのを妨害する恐れがある。
更に、一層または複数層のスキン層は、得られた複合体に物理的強度を付与することもあるし、または、例えば、フィルムが配向処理中に分離する傾向を軽減するなどの、処理中の問題を小さくすることもある。非晶質の状態が保たれたスキン層用材料は、より大きい靱性を有するフィルムを形成する傾向があり、一方、半結晶質であるスキン層用材料は、より大きい引張弾性率を有するフィルムを形成する傾向がある。帯電防止剤、UV吸収剤、染料、酸化防止剤、顔料などの他の機能性成分をスキン層に添加してもよいが、ただし、得られる製品の種々の光学特性に実質的な影響を与えるものであってはならない。
スキン層は、押出処理中のいくつかの時点で、すなわち、押出ブレンドおよびスキン層が押出ダイから送出される前に、押出ブレンドの1つまたは2つの面に設けてもよい。この処理は、従来の同時押出技術を使用して行うことができるが、こうした技術としては三層同時押出ダイの使用が挙げられる。既に押出ブレンドから形成されたフィルムにスキン層をラミネートすることも可能である。スキン層の全厚は、ブレンド層/スキン層全体の厚さの約2%〜約50%にしてもよい。
広範囲にわたるポリマがスキン層用として好適である。主に非晶質であるポリマとしては、1つ以上のテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、またはそれらに対応するアルキルエステルと、エチレングリコールなどのアルキレングリコールと、を基剤としたコポリエステルが挙げられる。半結晶質ポリマとしては、例えば、2,6-ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、およびナイロン材料が挙げられる。
反射防止層
本発明に従って作製されるフィルムおよび他の光学デバイスには、1つ以上の反射防止層が含まれていてもよい。偏光感応性であってもなくてもよいこのような層は、透過を増大し、反射性グレアを低減する働きをする。反射防止層は、コーティングやスパッタエッチングなどの適切な表面処理を介して、本発明のフィルムおよび光学デバイスに設けることができる。
本発明のいくつかの実施態様において、特定の偏光に対して、透過を最大にすることおよび/または正反射を最小限に抑えることが望ましい。これらの実施態様において、光学体は、連続相および分散相を提供する層に近接して少なくとも一方の層が反射防止系を含んでなる2つ以上の層を含むものであってもよい。このような反射防止系は、入射光の正反射を低下させ、連続層および分散層を含む光学体の一部分に入り込む入射光の量を増大させる働きをする。このような機能は、当該技術分野で周知の様々な手段により達成することができる。具体的には、1/4波長反射防止層、2層以上の反射防止積層、分布屈折率層、および分布密度層が挙げられる。このような反射防止機能はまた、必要に応じて、透過光を増大させるために、光学体の透過光側で使用することができる。
ミクロボイド形成
いくつかの実施態様において、2つの層の界面が十分に弱く、フィルムを配向させたときにボイドが形成されるように、連続相および分散相の材料を選択してもよい。ボイドの平均寸法は、処理パラメータおよび延伸比を注意深く操作することによって、または相溶化剤を選択的に使用することによって、制御可能である。最終製品において、ボイドは、液体、気体、または固体で埋戻してもよい。ボイド形成を、アスペクト比、ならびに分散相および連続相の屈折率を関連付けて利用し、得られるフィルムの所望の光学特性を得ることができる。
3つ以上の相
本発明に従って作製された光学体は、3つ以上の相から成っていてもよい。この場合、例えば、本発明に従って作製された光学体は、連続相中に2つの異なる分散相を含有することができる。第2の分散相は、連続相全体にわたってランダムに分散させてもよいし、非ランダムに分散させてもよく、更に、ランダムに配列することもできるし、共通の軸に沿って整列させることもできる。
本発明に従って作製された光学体はまた、2つ以上の連続相から成っていてもよい。この場合、いくつかの実施態様において、光学体には、第1の連続相と分散相のほかに、第1の連続相と少なくとも1つの寸法が共連続である第2の相が含まれていてもよい。特定の1実施態様において、第2の連続相は、多孔性のスポンジ状材料であり、しかも第1の連続相と共連続である(すなわち、第1の連続相は、湿潤したスポンジの中でチャネルの網目を介して水が拡がるのと同じように、第2の連続相中に延在するチャネルまたは空間の網目を介して拡がる)。関連した実施態様において、第2の連続相は、少なくとも1つの寸法が第1の連続相と同じ拡がりをもつ樹枝状構造の形態をとる。
多層の組合せ
必要な場合には、本発明に従って作製された連続相/分散相フィルムの1つ以上のシートを、多層フィルムと併用するかまたは多層フィルム中のコンポーネントとして使用してもよい(すなわち、反射率を増大させるために)。好適な多層フィルムとしては、WO95/17303(Ouderkirkら)に記載されているタイプのフィルムが挙げられる。このような構成において、個々のシートをラミネートするか、さもなければ互いに接着させるか、あるいは離間させておいてもよい。シート内の相の光学的厚さが実質的に等しい場合(すなわち、2つのシートが、所定の軸に沿った入射光に対して、実質的に同数かつ多数の散乱体を提供する場合)、複合体は、いくらか高い効率で、個々のシートと実質的に同じである、反射率のバンド幅およびスペクトル域(すなわち、「バンド」)で反射を起こすであろう。シート内の相の光学的厚さが実質的に等しくない場合、複合体は、個々の相よりも広いバンド幅にわたる反射を呈するであろう。鏡シートと偏光子シートとを組合わせた複合体は、全反射率を増大させるうえで有用であるが、依然として、透過光は偏光されたままである。この他、単一シートを非対称に二軸延伸することにより、選択的な反射特性および偏光特性をもつフィルムを作製することが可能である。
図5は、本発明のこの実施態様の1例を示している。ここでは、光学体は、PENの層22とco-PENの層24とが交互に配置されてなる層を有する多層フィルム20から成る。各PEN層は、PENのマトリックス中にシンジオタクチックポリスチレン(sPS)の分散相を含む。このタイプの構成は、オフアングル(off-angle)色の低下を促進するという点で望ましい。更に、層状化または散乱体の混入により光の漏れが平均化されるので、層の厚さを制御することの重要性が低下し、その結果、このフィルムは加工パラメータの変動に対する許容度が増大する。
先に述べた材料はいずれも、この実施態様において、どの層として使用してもよく、または特定の層中の連続相もしくは分散相として使用してもよい。しかしながら、PENおよびco-PENは、隣接層の主成分として特に望ましいものである。なぜなら、これらの材料は、積層接着性の改良を促進するからである。
また、層の配置については、いくつかの変更が可能である。この場合、例えば、構造物の一部分または全部にわたり、繰り返して配置することができる。この1例としては、...ABCABC...という層のパターンを有する構成が挙げられる。ただし、A、B、およびCは、識別可能な材料、または同一もしくは異なる材料の識別可能なブレンドもしくは混合物であり、しかもA、B、またはCのうちの1つ以上に、少なくとも1つの分散相と少なくとも1つの連続相とが含まれる。スキン層は、好ましくは、同一の材料または化学的に類似した材料である。
添加剤
本発明の光学材料には、当該技術分野で周知の他の材料または添加剤が含まれていてもよい。このような材料としては、顔料、染料、バインダ、塗料、充填剤、相溶化剤、酸化防止剤(立体障害型フェノールを含む)、界面活性剤、抗微生物剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、滑剤、強化剤、光安定剤(UV安定剤またはブロッカ)、熱安定剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、粘度調節剤などが挙げられる。更に、本発明に従って作製されるフィルムおよび他の光学デバイスには、摩耗、衝撃、もしくは他の損傷からデバイスを保護する働きをするか、またはデバイスの加工性もしくは耐久性を向上させる1つ以上の外層が含まれていてもよい。
本発明に使用するための好適な滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸コバルト、ネオドデカン酸モリブデン、およびアセチルアセトン酸ルテニウム(III)が挙げられる。
本発明に有用な酸化防止剤としては、4,4’-チオビス-(6-t-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート、ビス-(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、IrganoxTM1093(1979)(((3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-ジオクタデシルエステルホスホン酸)、IrganoxTM1098(N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス(3,5-ビス(1,1-ジメチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパンアミド)、NaugaardTM445(アリールアミン)、IrganoxTML 57(アルキル化ジフェニルアミン)、IrganoxTML 115(硫黄含有ビスフェノール)、IrganoxTMLO 6(アルキル化フェニル-δ-ナフチルアミン)、Ethanox398(フルオロホスホニット)、および2,2’-エチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フルオロホスニットが挙げられる。
特に好ましい酸化防止剤のグループは、立体障害型フェノールであり、具体的には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンE(ジ-α-トコフェロール)、IrganoxTM1425WL(カルシウムビス-(O-エチル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル))ホスホネート)、IrganoxTM1010(テトラキス(3,5,ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)メタン)、IrganoxTM1076(オクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)、EthanoxTM702(ヒンダードビスフェノール系化合物)、Etanox 330(高分子量ヒンダードフェノール系化合物)、およびEthanoxTM703(ヒンダードフェノール系アミン)が挙げられる。
二色性染料は、本発明のフィルムおよび光学デバイスが利用される多くの用途に対して特に有用な添加剤である。なぜなら、二色性染料は、材料中で分子を整列させたときに、特定の偏光を吸収することができるからである。1つの偏光だけを主に散乱するフィルムまたは他の材料の中で二色性染料を使用すると、こうした材料は、1つの偏光を他の偏光よりも多く吸収するようになる。本発明に使用するための好適な二色性染料としては、コンゴーレッド(ジフェニル-ビス-α-ナフチルアミンスルホン酸ナトリウム)、メチレンブルー、スチルベン染料(Color Index(CI)=620)、および1,1’-ジエチル-2,2’-シアニンクロリド(CI=374(橙色)またはCI=518(青色))が挙げられる。これらの染料の性質およびその製法については、E.H.Land,Colloid Chemistry(1946)に記載されている。これらの染料は、ポリビニルアルコール中で著しい二色性を示し、セルロース中でより少ない二色性を示す。PEN中のコンゴーレッドでは、わずかな二色性が観測される。
他の好適な染料としては、次の物質が挙げられる。
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これらの染料の性質およびその製法については、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.8,pp.652-661(4th Ed.1993)およびそこで引用されている文献中に記載されている。
本発明の光学体中で二色性染料を使用する場合、連続相または分散相のいずれかに添加してもよい。しかしながら、分散相に二色性染料を添加することが好ましい。
特定のポリマ系と併用された二色性染料は、様々な程度に光を偏光する能力を呈する。ポリビニルアルコールおよび特定の二色性染料を使用して、光を偏光する能力をもつフィルムを作製することが可能である。ポリエチレンテレフタートまたはポリアミドなどの他のポリマを二色性染料と併用した場合、光を偏光する能力はそれほど大きくならない。ポリビニルアルコールと二色性染料との組合せは、例えば、ポリマ系を形成する他のフィルム中で該染料を使用した場合よりも大きな二色性比を呈すると言われている。二色性比が大きいことは、光を偏光する能力が高いことを示唆する。
本発明に従って作製された光学体中における二色性染料の分子整列は、好ましくは、光学体中に染料を添加した後で光学体を延伸することにより行われる。しかしながら、他の方法を使用して分子整列を行ってもよい。この場合、1つの方法において、昇華を介してまたは溶液から結晶化させることにより二色性染料を結晶化させ、光学体を配向させる前または配向させた後でフィルムまたは他の光学体の表面に切削、エッチング、または成形処理により形成された一連の細長いノッチの中に配置する。次に、処理された表面に1つ以上の表面層をコーティングしてもよいし、該表面をポリママトリックス中に組込むかもしくは多層構造中で使用してもよいし、該表面を他の光学体のコンポーネントとして利用してもよい。所望の光学特性を得るために、予め決められたパターンまたは図形および予め決められたノッチ間の距離に合わせてノッチを形成してもよい。
関連する実施態様において、中空の繊維または導管を光学体中に配置する前または配置した後のいずれかで、1つ以上の中空の繊維または導管中に二色性染料を配置してもよい。中空の繊維または導管は、光学体の周囲材料と同じかまたは異なる材料から作製してもよい。
更にもう1つの実施態様において、二色性染料は、多層構成体の層界面に沿って配置されるが、この処理は、例えば、二色性染料を多層構成体中に配置する前に、昇華により層表面上に付着させることによって行われる。更に他の実施態様において、本発明に従って作製されたミクロボイドフィルム中のボイドを少なくとも部分的に埋戻すために二色性染料を使用する。
本発明の用途
本発明の光学体は、拡散偏光子として特に有用である。しかしながら、反射偏光子または拡散鏡として機能する光学体を、本発明に従って作製することもできる。このような用途における光学材料の構成は、上述の拡散体用途の場合と類似している。しかしながら、これらの反射体は、少なくとも1つの軸に沿って屈折率のかなり大きな差を有する。この屈折率差は、典型的には、少なくとも約0.1、より好ましくは約0.15、最も好ましくは約0.2である。
反射偏光子は、1つの軸に沿って屈折率差を有し、もう1つの軸に沿って実質的に一致した屈折率を有する。一方、反射フィルムは、少なくとも2つのフィルム面内直交軸に沿って屈折率が異なる。しかしながら、これらの実施態様の反射特性は、屈折率差のみに頼って達成する必要はない。この場合、例えば、フィルムの厚さを調節することにより所望の程度の反射を得ることも可能である。いくつかの場合において、フィルムの厚さを調節すると、フィルムが透過拡散体から拡散反射体に変化することがある。
本発明の反射偏光子は、多くの異なる用途を有し、特に、液晶ディスプレイパネルに有用である。この他、良好な紫外フィルタでありかつ可視スペクトルの端まで効率的に紫外光を吸収するPENまたは類似の材料から偏光子を作製することもできる。反射偏光子はまた、薄い赤外シート偏光子として使用することもできる。
実施例の概説
以下の実施例では、本発明に係る種々の光学材料の製造ならびにこれらの材料の分光特性について説明する。他に記載のない限り、組成パーセントは、重量基準の組成パーセントを意味する。使用したポリエチレンナフタレート樹脂は、これらのサンプル用として、エチレングリコールと、イリノイ州ChicagoのAmoco Corp.から入手可能なジメチル-2,6-ナフタレンジカルボキシレートと、を使用して調製した。従来のポリエステル樹脂の重合技術を使用して、これらの試薬を重合し、種々の固有粘度(IV)のものを得た。シンジオタクチックポリスチレン(sPS)は、米国特許第4,680,353号(Ishiharaら)に開示されている方法に従って調製することができる。実施例には、種々のポリマ対、連続相および分散相の種々の分率、および他の添加剤、または以下に述べるプロセス変更が含まれる。
サンプルの延伸または配向は、ポリエステルフィルムの製造に使用される従来型配向処理装置、または実験用バッチ式配向処理装置のいずれかを使用して行った。使用した実験用バッチ式配向処理装置は、押出キャストウェブから切り出されたキャスト材料の小片(7.5cm×7.5cm)を使用できるようにデザインした。配向処理温度は、熱風ブロアにより制御し、フィルムサンプルは、制御された速度で1方向または両方向にグリッパ間の距離を増大させる機械的システムを介して配向させた。両方向に延伸したサンプルについては、逐次的または同時に配向させることができた。束縛モード(C)で配向させたサンプルに対しては、すべてのグリッパはウェブを保持し、かつグリッパは1寸法方向に移動する。一方、非束縛モード(U)では、延伸方向に垂直に一定の寸法でフィルムを保持するグリッパは係合させず、フィルムは、その寸法方向に緩和またはネックダウンを起こすことができる。
偏光拡散透過率および反射率は、Perken Elmer LabsphereS900-1000型150ミリメートル積分球アクセサリおよびGlan-Thompsonキューブ偏光子を備えたPerkin Elmer Lambda 19紫外/可視/近赤外分光光度計を用いて測定した。平行および横方向の透過率および反射率の値はそれぞれ、フィルムの延伸方向に平行または垂直な偏光のe-ベクトルを用いて測定した。スキャンはすべて連続的であり、480ナノメートル毎分のスキャン速度および2ナノメートルのスリット幅で行った。反射率は、「V-反射率」モードで測定した。透過率および反射率の値は、400〜700ナノメートルにわたるすべての波長の平均である。
実施例1
実施例1において、75%ポリエチレンナフタレート(PEN)を連続相または主要層として、更に25%ポリメチルメタクリレート(PMMA)を分散相または従属層として含むブレンドを、従来方式の押出およびキャスト技術を用いて押出し、厚さ約380ミクロンのキャストフィルムまたはシートを形成することによって、本発明に係る光学フィルムを作製した。PENの固有粘度(IV)は0.52であった(60%フェノール、40%ジクロロベンゼン中で測定)。PMMAは、製品識別記号CP82としてデラウェア州WilmingtonのICIAmericas,Inc.から入手した。使用した押出機は、1チューブ60μmTegraフィルタを備えた3.15cm(1,24”)Brabenderであった。ダイは、30.4cm(12”)EDI UltraflexTM40であった。
フィルム押出の約24時間後、ポリエステルフィルム用幅出機を用いて、幅方向または横方向(TD)にキャストフィルムを配向させた。延伸は、約0.1メートル毎分(30ft/分)、最終幅約140cm(55インチ)、および延伸温度約160℃(320°F)の条件で行った。Lambda19分光光度計に積分球を取付け、Glan-Thompsonキューブ偏光子で偏光させたサンプルビームを利用して、延伸サンプルの全反射率を測定した。サンプルの平行反射率(すなわち、フィルムの延伸方向を偏光のe-ベクトルに平行になるようにして反射率を測定した)は75%であり、横方向反射率(すなわち、偏光のe-ベクトルが延伸方向に垂直になるようにして反射率を測定した)は52%であった。
実施例2
実施例2において、実施例1と類似の方法で光学フィルムの作製および評価を行った。ただし、75%PEN、25%シンジオタクチックポリスチレン(sPS)、0.2%ポリスチレングリシジルメタクリレート相溶化剤、ならびにそれぞれ0.25%のIrganoxTM1010およびUltranoxTM626、のブレンドを使用した。ポリスチレングリシジルメタクリレートの合成については、Polymer Processes,“Chemical Technology of Plastics,Resins,Rubbers,Adhesives and Fibers”,Vol.10,Chap.3,pp.69-109(1956)(Ed.by Calvin E.Schildknecht)に記載されている。
60%フェノール、40%ジクロロベンゼン中で測定したときのPENの固有粘度は0.52であった。sPSはDow Chemical Co.から入手したものであり、その重量平均分子量は約200,000であった。これ以降ではsPS-200-0と記した。延伸フィルムサンプルに対する平行反射率の測定値は73.3%であり、横方向反射率の測定値は35%であった。
実施例3
実施例3において、実施例2と類似の方法で光学フィルムの作製および評価を行った。ただし、相溶化剤のレベルを0.6%まで増大させた。得られた平行反射率の測定値は81%であり、横方向反射率の測定値は35.6%であった。
実施例4
実施例4において、従来型の3層同時押出技術を利用して、本発明に係る3層光学フィルムを作製した。フィルムには、コア層とコア層のそれぞれの側のスキン層とが含まれていた。コア層は、75%PENおよび25% sPS 200-4(識別記号sPS-200-4は、4モル%のパラメチルスチレンを含有したシンジオタクチックポリスチレンのコポリマを意味する)のブレンドから成り、各スキン層は、60%フェノール、40%ジクロロベンゼン中で測定したときの固有粘度が0.56である100%PENから成っていた。
得られた3層キャストフィルムのコア層の厚さは約415ミクロンであり、各スキン層の厚さは約110ミクロンであり、全体の厚さは約635ミクロンであった。得られた3層キャストフィルムを、実験用バッチ式伸張機を用いて約129℃の温度で機械方向(MD)に約6対1で延伸した。フィルムサンプルの延伸方向に平行な縁は実験用伸張機により把持しなかったので、サンプルは横方向(TD)の束縛は受けず、延伸処理の結果として、サンプルはTD方向に約50%のネックダウンを起こした。
光学的性能は、実施例1と類似した方法で評価した。平行反射率の測定値は80.1%であり、横方向反射率の測定値は15%であった。これらの結果は、このフィルムが低吸収性エネルギー保存系として機能することを示している。
実施例5〜29
実施例5〜29において、実施例4と類似の方法で一連の光学フィルムの作製および評価を行った。ただし、コア層中のsPS分率および使用したPEN樹脂のIVは、表1に示されているように変化させた。コア層中のPEN樹脂のIVとスキン層中のPEN樹脂のIVとは、所定のサンプルに対して同じであった。キャストフィルムの全厚は約625ミクロンであり、この全厚の約2/3はコア層であり、のこりは、ほぼ同じ厚さのコア層であった。表1に示されているように、コア層中のPENおよびsPSの種々のブレンドを調製した。表1に示されているように種々の温度で、機械方向(MD)および横方向(TD)のいずれかの方向に約6:1の延伸比でフィルムを延伸した。延伸中にサンプルがネックダウンを起こすのを防ぐために、いくつかのサンプルを延伸方向に垂直な方向に束縛(C)した。表1中に「U」と記されたサンプルの束縛は行わず、非束縛寸法方向にネックダウンを起こさせた。透過パーセント、反射パーセント、および吸収パーセントなど、延伸サンプルの特定の光学特性については、延伸方向に平行な方向および横方向すなわち垂直な方向の両方の軸に沿って測定を行った。結果は、表1にまとめられている。
実施例24〜27に対して示されたヒートセットは次のように行った。すなわち、ほぼ所定のサイズを持たせた硬質フレームで掴持することにより延伸方向に垂直な延伸サンプルの2つの縁を束縛し、掴持されたサンプルを記載の温度のオーブン中に約1分間入れた。延伸方向に平行なサンプルの2つの端は束縛せず(U)すなわち掴持せず、ネックダウンを起こさせた。実施例29のヒートセットも同様に行ったが、ただし、延伸サンプルの4つの縁すべてを束縛(C)すなわち掴持した。実施例28はヒートセットを行わなかった。
Figure 0004336839
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上記サンプルはすべて、フィルムサンプルの本体内の分散相の位置に依存して変化する分散相の形状が観測された。サンプル表面のより近傍に位置した分散相混在物は、より球形に近いというよりも細長い形状であることが観測された。サンプル表面の間のより中央に近い混在物は、より球形に近い可能性がある。このことは、たとえスキン層をもつサンプルであっても成立することであるが、この効果の大きさはスキン層があると低下する。スキン層を追加すると、延伸処理中に剥離を起こす傾向が軽減されるため、フィルムの処理性が向上する。
理論に拘束されるものではないが、キャストフィルムのコア層中の混在物(分散相)の伸びは、ダイを介して移送されるときにブレンドに剪断力が加わった結果であると考えられる。この伸びの特性は、ダイの物理的寸法、押出温度、押出物の流量、ならびに連続相および分散相の材料の化学的状態に変えることにより、変化させることができる。押出中に分散相をいくらか伸長させることにより、特定の用途または使用で、その恩恵を受ける可能性がある。続いて機械方向に延伸する用途に対して、押出中に伸長された分散相を用いて延伸を開始すると、生じた分散相中において、より大きなアスペクト比が得られる。
もう1つの注目すべき特徴は、同じサンプルを非束縛条件下で延伸した場合に、性能の著しい改良が観測されるという事実である。例えば、実施例9では、透過%は、平行方向および垂直方向に対してそれぞれ79.5%、および20.3%であった。これとは対照的に、実施例16の透過率は、平行方向および垂直方向に対してそれぞれ75.8%、および28.7%であった。サンプルを非束縛条件下で延伸した場合、束縛条件下で延伸した場合よりも厚さが増大するが、屈折率の一致は恐らく改良されるだろう。
屈折率を制御する他の方法は、材料の化学的側面を変えることである。例えば、テレフタル酸から誘導されたインタポリマ単位(interpolymerized unit)30重量%と、2,6-ナフタル酸から誘導された単位70重量%と、のコポリマの屈折率は、100%PENポリマのものよりも0.02小さい。このタイプの変化を利用すると、大きな差が望まれる軸方向には僅かな低下を引き起こすだけで、1つの軸方向に対して屈折率の一致度を高めることができる。言い換えると、1つの軸方向に対して屈折率の一致度を高めることにより、大きな差が望まれる直交軸方向の低下を補償する以上の恩恵が得られる。第2に、延伸させる温度範囲を変えるために、化学的変更が望まれる場合もある。sPSのコポリマおよび種々の比のパラメチルスチレンモノマは、最適延伸温度を変化させるであろう。加工ならびに得られる屈折率の一致および差に対して系全体を最も効果的に最適化するために、これらの技術を組合せることが必要な場合もある。この場合、延伸条件に関して加工および化学を最適化し、更に、材料の化学を調節して少なくとも1つの軸方向の屈折率差を最大化し、かつ少なくとも1つの直交軸方向の差を最小化することにより、最終性能の制御を改良することができる。
これらのサンプルは、TD方向よりもMD方向に配向させた場合、より良好な光学性能を呈した(実施例14-15を比較されたい)。理論に拘束されるものではないが、TD配向ではなくMD配向を有する異なる幾何学構造の混在物を開発し、かつこれらの混在物はより大きなアスペクト比を有し、その結果、非理想的な末端効果の重要性を低下させるようにできるものと考えられる。非理想的な末端効果とは、伸長された粒子の各末端における複合体幾何学構造/屈折率の関係を意味する。粒子の内部または非末端は、望ましいと考えられる均一な幾何学構造および屈折率を有するものと思われる。この場合、伸長された均一な粒子のパーセントが大きくなれば、光学性能は良くなる。
これらの材料の消光比は、延伸方向に垂直な偏光に対する透過率と延伸方向に平行な偏光に対する透過率との比である。表1に記載の実施例に対して、消光比は、約2〜約5の間で変化するが、本発明に従って作製された光学体について、7までの消光比が観測された。フィルムの厚さ、混在物の容積分率、粒子サイズ、および屈折率の一致および不一致を調節することにより、更に高い消光比が得られるものと期待される。
実施例30〜100
実施例30〜100において、表2に列挙されている種々の材料を使用して、本発明のサンプルを作製した。PEN42、PEN47、PEN53、PEN56、およびPEN60は、60%フェノール、40%ジクロロベンゼン中で測定したときの固有粘度(IV)がそれぞれ、0.42、0.47、0.53、0.56、および0.60であるポリエチレンナフタレートを意味する。使用した特定のsPSは、Dow Chemical Co.から入手した。EcdelTM9967およびEastarTMは、ニューヨーク州RochesterのEastman Chemical Co.から市販されているコポリエステルである。SurlynTM1706は、デラウェア州WilmingtonのE.I.du Pont de Nemours & Co.から入手可能なイオノマである。添加剤1または2として記載されている材料には、ポリスチレングリシジルメタクリレートが含まれている。識別記号GMAPS2、GMAPS5、およびGMAPS8は、全コポリマ中に、グリシジルメタクリレートがそれぞれ2重量%、5重量%、および8重量%含まれていることを意味する。ETPBは、架橋剤エチルトリフェニルホスホニウムブロミドを意味する。PMMA VO44は、Atohaas North America, Inc.から市販されているポリメチルメタクリレートを意味する。
実施例4と類似した方法により光学フィルムサンプルを作製したが、ただし、違いについては、表2中に記載されているが、更に、以下で説明する。連続相およびそれが全体に対して占める割合は、主要層として報告されている。分散相およびそれが全体に対して占める割合は、従属層として報告されている。ブレンドの厚さに対する報告値は、コア層のおよその厚さをミクロン単位で表している。コア層の厚さを変化させた場合、スキン層の厚さも変化させたが、ただし、一定の比を保った。すなわち、2つのスキン層は、ほぼ同じ厚さであり、そのスキン層の合計厚は、全厚の約1/3であった。分散相のサイズは、いくつかのサンプルに対して、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)により測定した。続いて、実験用バッチ式配向処理装置を用いて延伸を行ったサンプルについては、パッチ式延伸と記された欄に「x」の印がつけられている。
Figure 0004336839
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種々の相溶化剤を存在させると、包含された相すなわち分散相のサイズは減少することが分かった。
実施例101
実施例101において、実施例4と類似の方法により光学フィルムを作製したが、ただし、得られたコアの厚さは約420ミクロン厚であり、各スキン層は約105ミクロン厚であった。PENは0.56IVを有していた。キャストフィルムを実施例1にように配向させたが、ただし、延伸温度は165℃であり、キャスティングと延伸との間には15日間の遅れがあった。平行偏光および垂直偏光に対する透過率はそれぞれ、87.1%および39.7%であった。
実施例102〜121
実施例102〜121において、実施例101に従って光学フィルムを作製したが、ただし、配向処理条件を変化させ、および/またはsPS-200-0の代わりに、表3に列挙されているように、4モル%もしくは8モル%のパラ-メチルスチレンを含有するsPSのコポリマを利用するか、またはアタクチック型スチレンStyron 663(ミシガン州MidlandのDow Chemical Co.から入手可能)を利用した。透過特性の評価についても報告されている。
透過率の値は、450nm〜700nmの全波長にわたり平均した。
Figure 0004336839
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これらの実施例は、包含された相の粒子が低IV PEN中よりも高IV PEN中の方が機械方向に伸長されることを示している。このことは、低IV PENにおいて、フィルムの内部の点よりもフィルムの表面近傍の方がより多く延伸され、その結果、表面近傍には繊維状構造物が形成され、中央に近づくにつれて球状構造物が形成されるという観測結果と一致する。
これらの実施例のいくつかは、配向温度および配向の度合が所望の効果を得るための重要な変数であることを示唆している。実施例109〜114は、穏やかな(quiescent)結晶化が、必ずしも、好ましい偏光の透過不足の唯一の理由であるわけではないことを示唆している。
実施例122〜124
実施例122〜124において、209層フィードブロック(feed block)を利用し、本発明に従って多層光学フィルムを作製した。2つの材料:すなわち、(1)38.6kg毎時のPEN(固有粘度0.48)、および(2)95重量% coPENと5重量%sPSホモポリマ(分子量200,000)とのブレンドを、フィードブロックに仕込んだ。coPENは、70モル%ナフタレンジカルボキシレートおよび30モル%ジメチルイソフタレートをエチレングリコールを用いて重合し、固有粘度0.59としたものであった。coPEN/sPSブレンドは、34.1kg毎時の速度でフィードブロックに仕込んだ。
coPENブレンド材料は押出物の外側に配置し、生成する積層の層組成は、2つの材料の間で交互に変化させた。直線勾配の厚さを有し、かつ最も薄い層から最も厚い層まで1.3の比で変化する1/4波長積層が得られるように、層の厚さをデザインした。次に、sPSを全く含まないcoPENのより薄いスキン層(coPEN/sPSブレンドを調製する上述の方法に従って調製したが、ただし、モル比は、70/15/15ナフタレンジカルボキシレート/ジメチルテレフタート/ジメチルイソフタレートであった)を、209層複合体の両側に追加した。29.5kg毎時の速度で全スキン層を追加したが、その際、この量の約1/2を積層のそれぞれの側すなわちそれぞれの表面に追加した。
こうして得られたスキン層クラッド多層複合体を、マルチプライヤ(multiplier)を介して押出し、421層の多層複合体を作製した。次に、得られた多層複合体の両側に、70/15/15coPEN/の更なるスキン層を、29.5kg毎時の合計速度でかつこの量の約1/2をそれぞれの側に分配してクラッディングした。この第2のスキン層は、既存のスキン層と区別して検出することはできないので(材料が同じであるため)、この説明の目的に対しては、得られた追加の厚いスキン層を、1層のみとしてカウントする。
得られた421層複合体を、比1.40の非対称マルチプライヤを介して再び押出するこにより、841層フィルムを作製し、更に、このフィルムをキャストしてシートにしたが、この際、ダイを介した押出および冷却を行って、厚さ約30ミルのシートにした。その後、得られたキャストシートを、従来型のフィルム製造用幅出機を用いて、幅方向に配向させた。シートの延伸は、約300F°(149℃)の温度において、約20%毎秒の延伸速度で、延伸比約6:1になるまで行った。得られた延伸フィルムは厚さ約5ミルであった。
実施例123において、実施例122に従って、多層光学フィルムを作製したが、ただし、coPEN/sPS中のsPSの量は5%ではなく20%にした。
実施例124において、実施例122に従って、多層光学フィルムを作製したが、ただし、sPSをフィルムに添加しなかった。
表4に報告されている結果には、フィルムの光学利得の測定値が含まれる。フィルムの光学利得とは、LCDとバックライトとの間にフィルムを挿入してなる構成においてバックライトからLCDを介して透過された光と、所定の位置にフィルムを配置しないときに透過された光と、の比である。光学フィルムにおける光学利得の重要性については、WO 95/17692の中で該特許の図2と関連させて説明されている。一般的には、より大きい利得値が望ましい。透過率の値には、延伸方向に平行に光が偏光された場合(T)および延伸方向に垂直に光が偏光された場合(T)に得られた値が含まれる。オフアングル色(OAC)は、波長400nm〜700nmの50度入射光におけるp偏光透過率の二乗平均偏差として、Oriel分光光度計を用いて測定した。
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オフアングル色(OAC)の値は、本発明の範囲内で多層構成体を使用することにより得られる利点を示している。特に、このような構成体を使用すると、実質的にOACが低下し、しかも、利得は僅かに低下するにすぎない。このトレードオフは、いくつかの用途において利点となることもある。sPS分散相により散乱された光は検出器に届かない可能性もあるため、例えば、本発明のTの値は、期待値よりも小さくなることがある。
本発明の以上の説明は単なる例示にすぎず、これらに限定されるものではない。従って、本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参照することによってのみ解釈されるべきものである。

Claims (3)

  1. 連続ポリマ相と分散ポリマ相とを含んでなる組成物を提供する工程であって、該連続ポリマ相および該分散ポリマ相のうちの少なくとも一方の屈折率は配向により調節可能である工程と、
    該連続ポリマ相の複屈折率が少なくとも0.05であり;該組成物の拡散反射率が30%より大きく;更に、該第1および第2の相の屈折率の差が、3つの互いに直交した軸のうちの第1の軸に沿って0.05より大きいが、3つの互いに直交した軸のうちの第2の軸に沿って0.05より小さい状態になるまで、該組成物を配向させる工程と、
    を含む光学体の製造方法。
  2. 第1の偏光を有する波長λの電磁線を拡散反射し、かつ第2の偏光を有する波長λの電磁線を正透過する光学体の製造方法であって、
    配向に誘発される複屈折材料の連続ポリマ相と、該連続ポリマ相内に配置された分散ポリマ相と、を含んでなる組成物を提供する工程であって、該分散ポリマ相は、長さ方向の寸法が2λよりも大きくかつ断面方向の寸法がλよりも小さい複数の粒子を含む工程と、
    該連続ポリマ相および該分散ポリマ相の屈折率の差が、3つの互いに直交した軸のうちの第1の軸に沿って偏光された波長λの電磁線に対しては0.05よりも大きいが、3つの互いに直交した軸のうちの第2の軸に沿って偏光された波長λの電磁線に対しては0.05よりも小さく;更に、該組成物の拡散反射率が、少なくとも1つの軸に沿って、波長λの電磁線の少なくとも1つの偏光に対して、少なくとも30%である状態になるまで、該組成物を配向させる工程と、
    を含む前記方法。
  3. 前記複数の粒子が、前記断面方向の寸法の両方において、0.5λよりも小さい、請求項2記載の方法。
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