JP2013076874A - 偏光分離フィルム、面光源装置および液晶表示装置 - Google Patents

偏光分離フィルム、面光源装置および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】反射型の偏光分離機能を発揮し得る偏光分離フィルムであって、簡易な構成を有する偏光分離フィルムを提供する。
【解決手段】偏光分離フィルム10は、透光性の基材部20と、基材部中に分散された透光性の粒子25と、を有する。偏光分離フィルムのフィルム面と平行なx方向に沿った基材部の屈折率Nxと、x方向沿った粒子の屈折率nxと、の屈折率差(|Nx−nx|)が、偏光分離フィルムのフィルム面と平行且つx方向と直交するy方向に沿った基材部の屈折率Nyと、y方向に沿った粒子の屈折率nyと、の屈折率差(|Ny−ny|)よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射型の偏光分離フィルム、並びに、この偏光分離フィルムを有する面光源装置および表示装置に関する。
従来、反射型の偏光分離フィルムが種々の光学デバイスに用いられてきた。反射型の偏光分離フィルムに入射した光のうち一方の偏光成分は、他の偏光成分よりも高い透過率で当該偏光分離フィルムを透過し、且つ、他の偏光成分は、一方の偏光成分よりも高い反射率にて当該偏光分離フィルムで反射する。
特許文献1に開示されているように、この偏光分離フィルムが、液晶表示パネルとの組み合わせで用いられた場合、液晶表示パネルに入射し得る偏光成分を選択的に液晶表示パネルに入射させることができ、同時に、液晶表示パネルの偏光板で吸収され得る偏光成分を反射してリサイクルにまわすこともできる。偏光分離フィルムで反射された光は、その後の反射等によって偏光状態を変えた後、液晶表示パネルへ再入射することができる。
特開2004−046216号公報
反射型の偏光分離フィルムは、有用な光学機能を発揮し得る。しかしながら、特許文献1に開示されているように、現在普及している偏光分離フィルムは、多層堆積膜として構成されており、その製造コストは、光学デバイス(例えば面光源装置や表示装置)に組み込まれる他の光学シート類から突出して高価となっている。
本発明は、このような点を考慮して成されたものであり、反射型の偏光分離機能を発揮し得る偏光分離フィルムであって、簡易な構成を有する偏光分離フィルムを提供することを目的とする。
本発明による偏光分離フィルムは、
透光性の基材部と、
前記基材部中に分散された透光性の粒子と、を備える偏光分離フィルムであって、
当該偏光分離フィルムのフィルム面と平行なx方向に沿った前記基材部の屈折率Nxと、前記x方向沿った前記粒子の屈折率nxと、の屈折率差(|Nx−nx|)が、当該偏光分離フィルムのフィルム面と平行且つ前記x方向と直交するy方向に沿った前記基材部の屈折率Nyと、前記y方向に沿った前記粒子の屈折率nyと、の屈折率差(|Ny−ny|)よりも大きい。
本発明による偏光分離フィルムにおいて、前記粒子は、長手方向を有し、方向性を持って前記基材部内に分散されており、前記長手方向に沿った前記粒子の屈折率と、前記長手方向に直交する方向に沿った前記粒子の屈折率と、は異なっていてもよい。
本発明による偏光分離フィルムにおいて、前記基材部は延伸されていてもよい。
本発明による面光源装置は、
光源と、
上述した本発明による偏光分離フィルムのいずれかであって、光源からの光を受ける偏光分離フィルムと、を備える。
本発明による表示装置は、
上述した本発明による面光源装置のいずれかと、
前記面光源装置と対面する位置に配置された液晶表示パネルと、を備える。
本発明による表示装置において、前記偏光分離フィルムは、当該偏光分離フィルムのy方向と液晶表示パネルの下偏光板の透過軸とが平行となるようにして、配置されていてもよい。
本発明による光学シートは、
単位光学要素を備える光学シートであって、
上述した本発明による偏光分離フィルムのいずれかを含んでいる。
本発明による偏光板は、
上述した本発明による偏光分離フィルムのいずれかと、
前記偏光分離フィルムと積層された偏光子と、を備える。
本発明によれば、反射型の偏光分機能を有した偏光分離フィルムを簡易に構成することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、偏光分離フィルムを示す斜視図である。 図2は、図1の偏光分離フィルムの基材部および粒子の屈折異方性を示すグラフである。 図3は、基材部内に含有された一つの粒子の屈折楕円体を示す斜視図である。 図4は、屈折率異方性を有した粒子を作製する方法の一例を説明するための図である。 図5は、偏光分離フィルムを作製する方法の一例を説明するための図である。 図6は、図1に対応する図であって、偏光分離フィルムの他の例を示す斜視図である。 図7は、図2に対応する図であって、図6の偏光分離フィルムの基材部および粒子の屈折異方性を示すグラフである。 図8は、図6に示された偏光分離フィルムを作製する方法の一例を説明するための図である。 図9は、偏光分離フィルムのさらに他の例の基材部および粒子の屈折異方性を示すグラフである。 図10は、屈折率異方性を有した粒子を作製する方法の他の例を説明するための図である。 図11は、偏光分離フィルムを含む面光源装置および表示装置の一例を示す斜視図である。 図12は、偏光分離フィルムを含む面光源装置および表示装置の他の例を示す側断面図である。 図13は、偏光分離フィルムを含む光学シート、面光源装置および表示装置の一例を示す側断面図である。 図14は、偏光分離フィルムを含む偏光板および表示装置の一例を示す側断面図である。
図1〜図14は本発明による一実施の形態およびその変形例を説明するための図である。以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
<<偏光分離フィルム>>
偏光分離フィルム10は、基材部(母材部)20と、基材部20中に分散された透光性の粒子(粒状物)25と、を有している。ここで説明する偏光分離フィルム10において、この偏光分離シート10のフィルム面と平行なx方向に沿った基材部20の屈折率Nxと粒子25の屈折率nxとの間での屈折率差(|Nx−nx|)は、当該偏光分離フィルム10のフィルム面と平行且つx方向と直交するy方向に沿った基材部20の屈折率Nyと粒子25の屈折率nyとの間での屈折率差(|Ny−ny|)よりも大きくなっている。すなわち、基材部20のx方向の屈折率Nxと、粒子25のx方向の屈折率nxと、基材部20のy方向の屈折率Nyと、粒子25のy方向の屈折率nyと、が次の式(A)を満たすようになっている。
|Nx−nx|>|Ny−ny| ・・・式(A)
基材部20および粒子25は、屈折率が式(A)の条件を満たす範囲において、光学シートに適用され得る公知の透光性材料を用いて形成され得る。基材部20は、典型的には、透光性を有する樹脂材料、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメタノール−テレフタル酸共重合体等のポリエステル樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂(なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリシクロオレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマーおよび/またはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エポキシ系等の単量体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系のモノマー等からなる電離放射線硬化性樹脂を紫外線または電子線等の電磁放射線で硬化させた樹脂、等を挙げることができる。
また、粒子25は、一例として、スチレン樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子、ポリオレフィン系樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、MS樹脂(メタクリル−スチレン共重合樹脂)粒子等の有機系粒子、ガラス粒子、ガラスビーズ等の無機系粒子等を用いることができる。また、粒子25の表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、易接着プライマ層塗布処理等の、基材部20との接着性を強化する易接着処理を施してもよい。粒子25の粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均値)は0.1μm以上100μm以下の範囲とすることができる。
この偏光分離フィルム10に入射した光は、基材部20と粒子25との界面を通過することになる。この際、基材部20と粒子25との界面は、入射光のうちのx方向に振動する偏光成分に対して、基材部20のx方向の屈折率Nxと粒子25のx方向の屈折率nxとの差に相当する大きさ(|Nx−nx|)の屈折率差を有した界面として機能する。同様に、基材部20と粒子25との界面は、入射光のうちのy方向に振動する偏光成分に対して、基材部20のy方向の屈折率Nyと粒子25のy方向の屈折率nyとの差に相当する大きさ(|Ny−ny|)の屈折率差を有した界面として機能する。そして、光は屈折率差のより大きい界面においてより高い反射率で反射するようなることから、この偏光分離フィルム10への入射光のうちのx方向に振動する偏光成分は、入射光のうちのy方向に振動する偏光成分と比較して、より高い反射率にて当該偏光分離フィルム10で反射されて進行方向を折り返す。逆に、偏光分離フィルム10への入射光のうちのy方向に振動する偏光成分は、入射光のうちのx方向に振動する偏光成分と比較して、より高い透過率にて当該偏光分離フィルム10を透過するようになる。
以上のメカニズムにより、ここで説明する偏光分離フィルム10は、極めて簡易な構成に基づいて反射型の偏光分離機能を発現し、この偏光分離フィルム10への入射光のうちの一方の偏光成分(y方向の偏光成分)が、他方の偏光成分(x方向の偏光成分)よりも高い透過率で当該偏光分離フィルム10を透過し、且つ、他方の偏光成分(x方向の偏光成分)は、一方の偏光成分(y方向の偏光成分)よりも高い反射率にて当該偏光分離フィルムで反射する。
なお、より優れた偏光分離機能を確保するためには、y方向における基材部20と粒子25との屈折率差の値が0となっていること(|Ny−ny|=0)、すなわち、基材部20のy方向の屈折率Nyと粒子25のy方向の屈折率nyとが同一なっていること(Ny=ny)が好ましい。なお、基材部20のy方向における屈折率Nyと粒子25のy方向における屈折率nyの屈折率差の評価は、該屈折率Nyおよび該屈折率nyを四捨五入によって少数第一位までの数値として行うこととする。y方向における基材部20と粒子25との屈折率差が0の場合、基材部20と粒子25との界面は、y方向へ振動する偏光成分に対して光学界面として機能しない。すなわち、y方向へ振動する偏光成分は、基材部20と粒子25との界面において反射および屈折することなく、当該界面を通過する。このため、y方向へ振動する偏光成分は極めて高い透過率で偏光分離フィルム10を透過するようになる。
また、x方向に振動する偏光成分の一部は、基材部20と粒子25との界面で反射されることなく、当該界面を通過し得る。このため、x方向に振動する偏光成分の一部は、偏光分離フィルム10を透過し得る。しかしながら、このようなx方向に振動する偏光成分は、y方向に振動する偏光成分と比較して、基材部20と粒子25との界面での屈折によってより大きく進行方向を変化させる。すなわち、偏光分離フィルム10を透過するx方向に振動する偏光成分は、偏光分離フィルム10を透過するy方向に振動する偏光成分と比較して、偏光分離フィルム10でより拡散されるようになる。このため、例えば偏光分離フィルム10への入射光が、或る方向に進む平行光束である場合、進行方向を大きく変化させることなく偏光分離フィルム10を透過して当該或る方向及びその近傍の方向へ進む光のほとんどが、一方の偏光成分(y方向に振動する偏光成分)となる。すなわち、この偏光分離フィルム10によれば、透過光の進行方向もさらに考慮することによって、適用される環境や光学デバイスに応じて、一方の偏光成分(y方向に振動する偏光成分)を非偏光光から高精度に取り出すことが可能となる。
なお、この作用効果を期待する上でも、y方向における基材部20と粒子25との屈折率差の値が0となっていること(|Ny−ny|=0)、すなわち、基材部20のy方向の屈折率Nyと粒子25のy方向の屈折率nyとが同一なっていること(Ny=ny)が好ましい。この場合、y方向に振動する偏光成分は、理論上、進行方向を変化させることなく偏光分離フィルム10を透過するようになるので、偏光分離フィルム10を透過したy方向に振動する偏光成分を、x方向に振動する偏光成分からより高い精度で区別して取り出すことが可能となる。
ところで、偏光分離フィルム10の偏光分離機能を確保するためには、基材部20と粒子25との間の界面の存在が必須となる。そして、偏光分離フィルム10が十分な偏光分離機能を確保する観点からは、偏光分離フィルム10の平面視した場合(偏光分離フィルム10のフィルム面への法線方向と平行な方向から観察した場合)の単位面積当たりの密度において、平面視で1cm当たり10個〜3000個となっていることが好ましい。
さらに、偏光分離フィルム10が偏光分離機能を有効に発揮する観点からは、基材部20内における粒子25と粒子25との間の離間間隔d、すなわち、隣り合う二つの粒子25の外表面間の距離dが、偏光分離機能を及ぼそうとする光の周波数λと、次の条件(X)を満たすことが好ましい。
2×d=m×λ ・・・条件(X)
なお、条件(X)中のmは自然数であり、とりわけm=1の場合に、偏光分離フィルム10が極めて有効に偏光分離機能を波長λの光に対して及ぼすようになる。
同様に、偏光分離フィルム10が偏光分離機能を有効に発揮する観点からは、粒子25の粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均値)Dが、偏光分離機能を及ぼそうとする光の周波数λと、次の条件(Y)を満たすことが好ましい。
2×D=n×λ ・・・条件(Y)
なお、条件(Y)中のnは自然数であり、とりわけn=1の場合に、偏光分離フィルム10が極めて有効に偏光分離機能を波長λの光に対して及ぼすようになる。この条件(Y)を考慮すると、粒子25の粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均値)Dは、0.1μm以上0.4μm以下とすることが好ましい。また、偏光分離フィルム10が偏光分離機能を有効に発揮する観点からは、粒子25の形状は、非球状、例えば扁平状または楕円体状となっていることが好ましい。
なお、ここで説明する偏光分離フィルム10は、偏光分離フィルム10のフィルム面と平行な面内における基材部20の屈折率異方性および/または偏光分離フィルム10のフィルム面と平行な面内における粒子25の屈折率異方性とによって、式(A)が満たされるようになっている。より具体的に説明すると、次の三つのパターンで、式(A)が満たされるようになる。
・第1の形態:基材部20が、偏光分離フィルム10のフィルム面内において屈折率等方性であり、且つ、粒子25が、偏光分離フィルム10のフィルム面内において屈折率異方性である。
・第2の形態:基材部20が、偏光分離フィルム10のフィルム面内において屈折率異方性であり、且つ、粒子25が、偏光分離フィルム10のフィルム面内において屈折率等方性である。
・第3の形態:基材部20が、偏光分離フィルム10のフィルム面内において屈折率異方性であり、且つ、粒子25が、偏光分離フィルム10のフィルム面内において屈折率異方性である。
以下においては、この三つのパターンの偏光分離フィルムの各々について、順に、より具体的に説明していく。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「フィルム」はシートや板と呼ばれ得るような部材も含む概念であり、したがって、「偏光分離フィルム」は、「偏光分離シート」や「偏光分離板」と呼ばれる部材と呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「フィルム面(シート面、板面)」とは、対象となるフィルム状(シート状、板状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材(シート状部材、板状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本件明細書において用いる形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」等の用語は、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差範囲を含めて解釈することとする。
<第1形態>
まず、図1〜図5を主として参照しながら、第1の形態としての偏光分離フィルム10について説明する。第1形態の偏光分離フィルム10は、基材部20が偏光分離フィルム10のフィルム面内における屈折率等方性を有し且つ粒子25が偏光分離フィルム10のフィルム面内における屈折率異方性を有している。図2に示された例において、屈折率等方性の基材部20内に分散している粒子25は、y方向と比較してx方向において、高い屈折率を有している。また、基材部20のx方向の屈折率Nxおよび基材部20のy方向の屈折率Nyが等しく、基材部20のx方向およびy方向の屈折率Nx,Nyが、粒子25のy方向の屈折率nyと等しい又はこれより低くなっている。これにより、式(A)が満たされるようになっている。
|Nx−nx|>|Ny−ny| ・・・式(A)
図1に示された例では、基材部20内に分散された状態での粒子25の屈折率異方性を確保するため、粒子25は次のように構成されている。まず、図1に示すように、粒子25は、細長状に形成され、長手方向ldを有している。この粒子25は、その長手方向ldと関連した屈折率異方性を有している。すなわち、図3に示すように、長手方向ldに沿った粒子25の屈折率nlと、長手方向ldに直交する幅方向wd沿った粒子25の屈折率nwと、は異なっている。ここで、粒子25の長手方向とは、対象となる粒子25の長さが最も長くなる方向として特定することができる。そして、細長状の粒子25は、その長手方向ldが特定の方向への方向性を持つようにして、偏光分離フィルム10の基材部20内に配置されている。言い換えると、長手方向を有する粒子25は、特定の方向への方向または向きに関する規則性を持って基材部20内に分散されている。さらに言い換えると、基材部20内に分散された各粒子25の長手方向ldが特定の方向に対してなす角度θaが、0°以上45°未満となっている。
一具体例として図3に示す例では、長手方向ldに沿った粒子25の屈折率nlは、長手方向ldに直交する幅方向wd沿った粒子25の屈折率nwよりも高くなっている。そして、粒子25は、その長手方向ldが偏光分離フィルム10のx方向に方向性を持つようにして配列されている。言い換えると、粒子25は、その長手方向ldがx方向に対してなす角度θaが0°以上45°未満となるようにして、基材部20内に分散されている。この結果、偏光分離フィルム10内に分散された各粒子25について、x方向への屈折率nxがy方向への屈折率nyよりも高くなる。
そして、屈折率等方性である基材部20の屈折率Nx,Nyが、粒子25のy方向への屈折率ny以下であれば、必然的に、上述した式(A)が満たされ、偏光分離フィルム10が偏光分離機能を発現するようになる。とりわけ、屈折率等方性である基材部20の屈折率Nx,Nyが粒子25のy方向への屈折率nyと等しい場合、y方向に振動する偏光成分が、偏光分離フィルム10の内部で反射することが防止され、偏光分離フィルム10は、より優れた偏光分離機能を発揮するようになる。
なお、粒子25の長手方向ldがx方向に対してなす角度θaが厳密に一定の値を取らない場合には、基材部20内に多数含まれている粒子25の間で、長手方向ldに沿った屈折率nlが互いに同一であり且つ幅方向wdに沿った屈折率nwが互いに同一であったとしても、x方向への屈折率nxは互いに異なり、同様に、y方向への屈折率nxも互いに異なる。このような場合、上述した式(A)内の充足を評価する上でのx方向に沿った粒子25の屈折率nxとは、各粒子25についてのx方向に沿った屈折率nxの平均値として取り扱う。同様に、y方向に沿った粒子25の屈折率nyとは、各粒子25についてのy方向に沿った屈折率nyの平均値として取り扱う。
ところで、粒子25の屈折率nxまたは屈折率nyの平均を算出する場合、基材部20内に分散されたすべての粒子25の屈折率nxおよび屈折率nyを特定して平均値を算出する必要は必ずしもない。粒子25の作製方法や粒子25を基材部20内に分散させる方法等を適宜考慮した上で、基材部20内に分散された粒子25の全体的な傾向を示し得る一部の粒子25についての屈折率nxおよび屈折率nyから、当該偏光分離フィルム10についての屈折率nxおよび屈折率nyを特定するようにしてもよい。一例として、次に説明する図4の方法で作製された粒子25を、後述する図5の方法で基材部20内に配向する場合には、作製された偏光分離フィルム10内の100個程度の粒子に基づいて、偏光分離フィルム10の粒子25のx方向への屈折率nxおよびy方向への屈折率nyを特定することできる。
ここで、図1に示された偏光分離フィルム10の作製方法の一例について、図4および図5を参照して説明する。まず、長手方向ldを有し且つ長手方向ldに関連した屈折率異方性を呈する粒子25は、市販されているものを使用することができる。また、長手方向ldを有し且つ長手方向ldに関連した屈折率異方性を呈する粒子25は、図4に示す方法によっても、作製され得る。すなわち、フィルム面内における屈折率異方性を呈する樹脂フィルム30を、屈折率異方性の方向を考慮した上で、切断や打ち抜き等によって細長状に断裁することにより、長手方向ldを有し且つ長手方向ldに関連した屈折率異方性を呈する粒子25を作製することができる。
図4に示された例では、好ましくはフィルム面内における屈折率等方性を呈する樹脂フィルム30を、まず、図4に矢印で示すように一軸延伸し、次に、図4の点線に沿って当該延伸樹脂フィルムを断裁することにより、粒子25を作製している。一般に、樹脂製フィルムが延伸されると、延伸方向への屈折率が上昇する。このため、図4の方法で得られた粒子(細長状片)は、図3に示された屈折率楕円体を有するようになり、その長手方向ldに沿った屈折率nlが、その幅方向wdに沿った屈折率nwよりも高くなる。
次に、図3の方法で作製された粒子25を、基材部20内に規則性を持つようにして、分散させて、偏光分離フィルム10を作製する方法について説明する。まず、粒子25と、固化して基材部20をなすようになる樹脂材料と、当該樹脂材料を溶解するとともに粒子を分散させるための溶剤と、を含む樹脂組成物31を用意し、ライン35上に塗布する。図5に示す例では、ライン35は、ベルト状の搬送支持部材36と、搬送支持部材36を駆動するローラー37と、を有している。そして、樹脂組成物31が、吐出ノズル40から、ライン35の搬送支持部材36上に塗布される。粒子25を含有した樹脂組成物31は、ライン35によって機械方向(図5参照)に搬送され、固化装置39に対面する位置を通過する。固化装置39は、搬送支持部材36上の樹脂組成物31を乾燥し、さらに、基材部20をなすようになる樹脂材料を固化させる。これにより、基材部20と、基材部20内に分散された粒子25と、を有する偏光分離フィルム10が得られる。
図5に示すように、吐出ノズル40と固化装置39との間には、配向手段45が配置されている。配向手段45は、搬送支持部材36上の樹脂組成物31を掻き取り、樹脂組成物31の厚みを調節する。この際、樹脂組成物31中の粒子25は、その長手方向ldが機械方向(搬送方向、移動方向)に沿うように、配向される。配向手段45による配向の程度は、粒子25の形状、例えば長手方向ldへの長さや幅方向wdへの最大幅、或いは、配向手段45によって調節された後の樹脂組成物31の厚み等によって、制御することができる。より具体的には、最終的に得られる偏光分離フィルム10の厚みが、粒子25の長手方向ldへの平均長さよりも薄く、粒子25の幅方向wdへの最大幅の平均値よりも厚い場合に、偏光分離フィルム10内において粒子25の長手方向ldの向きを高精度に揃えることができる。以上のようにして、得られた偏光分離フィルム10内において、長手方向ldを有した粒子25が、機械方向への方向性を持つようにして、基材部20内に分散するようになる。
図5に示された方法において、長手方向ldを有した粒子25の樹脂組成物31内での配向は、吐出ノズル40によっても実現することができる。具体的には、粒子25の形状、例えば長手方向ldへの長さや幅方向wdへの最大幅に対して、吐出ノズル40の吐出口の大きさを調節しておくことによって、ライン35上に塗布された樹脂組成物31内において、粒子25の長手方向ldが吐出方向および機械方向に方向性を持つようにすることも可能である。
図4の方法で得られた粒子25を用いて、図5の方法で作製された偏光分離フィルム10は、作製時における機械方向(搬送方向、移動方向)と平行になるようにx方向を定義した場合に、上述した式(A)を満たすようになる。
なお、以上で説明した第1の形態に係る偏光分離フィルム10は、一例に過ぎず、種々の変更が可能である。
例えば、図3に示す例とは異なり、長手方向ldに沿った粒子25の屈折率nlが、長手方向ldに直交する幅方向wd沿った粒子25の屈折率nwよりも低くなるようにしてもよい。このような粒子25は、一例として、後において参照する図10に示されているように、その長手方向ldが樹脂フィルム30の延伸方向と直交するようにして、延伸樹脂フィルム30から切り出すことによって得られる。長手方向ldの屈折率nlが幅方向wdの屈折率nwよりも低い粒子25を用いて、上述した図5の方法で偏光分離フィルム10を作製した場合、得られた偏光分離フィルム10中の粒子25の屈折率は、作製時における機械方向と平行な方向に沿って低くなり、作製時における機械方向と直交する方向に沿って高くなる。したがって、屈折率等方性を呈する基材部20の屈折率Nx,Nyが、粒子25の長手方向ldに沿った屈折率nlよりも粒子25の幅方向wd沿った屈折率nwに近い場合、作製された偏光分離フィルム10は、作製時における機械方向と平行になるようにx方向を定義した場合に、上述した式(A)を満たすようになる。一方、屈折率等方性を呈する基材部20の屈折率Nx,Nyが、粒子25の幅方向wd沿った屈折率nwよりも粒子25の長手方向ldに沿った屈折率nlに近い場合、作製された偏光分離フィルム10は、作製時における機械方向と平行になるようにy方向を定義した場合に、上述した式(A)を満たすようになる。
また、既に説明したように、延伸樹脂フィルム31の断裁片から粒子25を作製する必要はなく、一般に市販されている、例えば非樹脂製の光学異方性粒子を用いることもできる。また、図5を参照しながら説明した上述の方法に限られることなく、長手方向ldを有し且つ長手方向ldに関連した屈折率異方性を呈する粒子25を、規則性を持って、基材部20内に分散させることもできる。例えば、長手方向ldを有し且つ長手方向ldに関連した屈折率異方性を呈する粒子25を熱可塑性樹脂とともに溶融押出成形することによって、偏光分離フィルム10を作製することもできる。溶融押出成形によっても、粒子25の長手方向ldが機械方向(押し出し方向)に沿うようになり、粒子25を基材部20内に規則性を持って分散させることができる。
<第2形態>
次に、図6〜図8を主として参照しながら、第2の形態としての偏光分離フィルム10について説明する。第2形態の偏光分離フィルム10は、基材部20が偏光分離フィルム10のフィルム面内における屈折率異方性を有し且つ粒子25が偏光分離フィルム10のフィルム面内における屈折率等方性を有している。図7に示された例において、屈折率等方性の粒子25を含有する基材部20は、y方向と比較してx方向において、高い屈折率を有している。また、粒子25のx方向の屈折率nxおよび粒子25のy方向の屈折率nyが等しく、粒子25のx方向およびy方向の屈折率nx,nyが、基材部20のy方向の屈折率Nyと等しい又はこれより低くなっている。これにより、式(A)が満たされるようになっている。
|Nx−nx|>|Ny−ny| ・・・式(A)
第2の形態に係る偏光分離フィルム10は、一例として図8に示すように、屈折率等方性の粒子25を含有した基材部20を一軸延伸することによって、作製され得る。樹脂からなる基材部20が延伸されると、一般に、延伸方向への屈折率が上昇する。このため、例えば延伸前に屈折率等方性であった基材部20をx方向に沿って延伸することにより、図2に示すように、基材部20のx方向への屈折率Nxが、基材部20のy方向への屈折率Nyよりも高くなる。そして、延伸前の基材部20の屈折率Nx,Nyが粒子25の屈折率nx,nyと概ね同一である場合には、式(A)が満たされるようになるだけでなく、さらに、得られた偏光分離フィルム10において、y方向における基材部20と粒子25との屈折率差(|Ny−ny|)が概ね0となる。これにより、y方向に振動する偏光成分の透過率が上昇し、偏光分離フィルム10は、非常に優れた偏光分離機能を発現することが可能となる。
図6および図8に示された例において、偏光分離フィルム10の基材部20内に分散された粒子25は、球状の外輪郭を有している。ただし、粒子25の形状は、種々の形状、例えば、回転楕円体、粒状(米粒状)、針状、鱗状、微細板状等の種々の形状を採用することができる。また、延伸の際に粒子25と基材部20との間に空隙部が発生することを防止したい場合、例えば、偏光分離フィルム10に光拡散機能を付与したくない場合には、粒子25の表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、易接着プライマ層塗布処理等の、基材部20との接着性を強化する易接着処理を施すと良い。
<第3形態>
次に、図9および図10を主として参照しながら、第3の形態としての偏光分離フィルム10について説明する。第3形態の偏光分離フィルム10は、基材部20が偏光分離フィルム10のフィルム面内における屈折率異方性を有し且つ粒子25が偏光分離フィルム10のフィルム面内における屈折率異方性を有している。図9に示された例において、屈折率異方性の粒子25は、x方向と比較してy方向において、高い屈折率を有している。また、この粒子25を含有する屈折率異方性の基材部20は、y方向と比較してx方向において、高い屈折率を有している。また、基材部20のy方向の屈折率Nyが、粒子25のy方向の屈折率nyと等しい又はこれより高くなっている。これにより、式(A)が満たされるようになっている。
|Nx−nx|>|Ny−ny| ・・・式(A)
第2の形態に係る偏光分離フィルム10は、一例として、まず第1の形態に係る偏光分離フィルムを作製し、次に、得られた偏光分離フィルム10の基材部20を一軸延伸することによって、得られる。具体的には、次のようにして作製され得る。
まず、長手方向ldを有し且つ長手方向ldに関連した屈折率異方性を呈する粒子25を準備する。例えば、図10に示すように、好ましくはフィルム面内における屈折率等方性を呈する樹脂フィルム30を、まず、図10に矢印で示すように一軸延伸し、次に、図10の点線に沿って当該延伸樹脂フィルム30を断裁することにより、粒子25を作製する。一般に、樹脂製フィルム30が延伸されると、延伸方向への屈折率が上昇する。このため、図10の方法で得られた粒子(細長状片)は、その長手方向ldに沿った屈折率nlが、その幅方向wdに沿った屈折率nwよりも低くなる。
次に、例えば図5を参照しながら説明した方法を用いて、粒子25の長手方向ldが特定の方向を向くように、粒子25を基材部20内に分散させる。図5の方法を用いた場合、粒子25の長手方向は機械方向を向くようになる。したがって、基材部20内に分散された粒子25の機械方向に沿った屈折率は、機械方向に直交する方向に沿った屈折率よりも低くなる。ここで、得られた偏光分離フィルム10について、機械方向をx方向として定義し、機械方向に直交する方向をy方向と定義する。すなわち、基材部20内に分散された粒子25のx方向に沿った屈折率nxが、粒子25のy方向に沿った屈折率nyよりも低くなることになる。
その後、基材部20をx方向に一軸延伸する。この結果、基材部20のy方向における屈折率を概ねそのままに維持しながら、基材部20のx方向における屈折率を上昇させることができる。また、延伸の際に粒子25と基材部20との間に空隙部が発生することを防止したい場合、例えば、偏光分離フィルム10に光拡散機能を付与したくない場合には、粒子25の表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、易接着プライマ層塗布処理等の、基材部20との接着性を強化する易接着処理を施すと良い。
このようにして偏光分離フィルム10が作製される。この方法において、粒子25をなす樹脂材料の屈折率を、基材部20をなす樹脂材料の屈折率より低く設定し、最終的な偏光分離フィルム10において、粒子25のy方向に沿った屈折率nyが基材部20のy方向に沿った屈折率Ny以下となるようにしておけば、上述した式(A)が必然的に満たされるようになる。また、このような方法によれば、基材部20のフィルム面内における屈折率異方性および粒子25のフィルム面内における屈折率異方性の両方を利用することにより、x方向における基材部20と粒子25との屈折率差(|Nx−nx|)を大きくすることができる。この場合、x方向に振動する偏光成分が、偏光分離フィルム10の基材部20と粒子25との界面において高い反射率で反射するようになり、偏光分離フィルム10が優れた偏光分離機能を発揮するようになる。
また、さらに、得られた偏光分離フィルム10において、y方向における基材部20と粒子25との屈折率差(|Ny−ny|)が概ね0となることが好ましい。この場合、y方向に振動する偏光成分の透過率が上昇し、偏光分離フィルム10は、非常に優れた偏光分離機能を発現することが可能となる。
<<面光源装置および表示装置等への適用>>
以上に説明したように、ここで説明する偏光分離フィルム10は、一方の直線偏光成分と、これと直交する他方の直線偏光成分と、を分離することに適している。そして、この偏光分離フィルム10は、一方の偏光成分と他方の偏光成分とを分離することが有用とされる種々の光学デバイスに組み込まれて好適に用いられる。典型例として、偏光分離フィルム10は、図11に示すように、面光源装置および表示装置に組み込まれて好適に使用され得る。
図11に示された例において、表示装置50は、液晶表示装置として構成されており、液晶表示パネル55と、液晶表示パネル60を背面側から照明するバックライトとして機能する面光源装置60と、を有している。図示された例において、面光源装置60は、直下型として構成されており、発光部61aを有した光源61と、発光部61aに対面する位置に配置された光拡散板63と、光拡散板63の出光側に配置された光学シート64と、光学シート64の出光側に配置された偏光分離フィルム10と、光源61を背面側から覆う反射板62と、を有している。光拡散板63は、光源61からの光を拡散させて、発光部61aの配列に応じた輝度ムラを目立たなくさせる。光学シート64は、集光機能を有した集光シートとして機能し、光の進行方向を変化させて正面方向輝度を向上させる。反射板62は、光を反射して、液晶表示パネル55の側へ光を向ける。このような構成の面光源装置60は、液晶表示パネル15を面状光によって照明する。そして、偏光分離フィルム10は、面光源装置60の最出光側に設けられ、液晶表示パネル55と隣り合って配置されている。
一方、液晶表示パネル55は、面光源装置60からの光の透過または遮断を画素毎に制御して、面光源装置60からの光を用いて表示されるべき像を形成する。液晶表示パネル55は、一対の偏光板57,58と、一対の偏光板57,58の間に配置された液晶層56と、を有している。偏光板57,58は、吸収型の偏光板であり、透過軸と、透過軸に直交する吸収軸と、を有している。偏光板57,58は、入射した光を直交する二つの偏光成分に分解し、その透過軸と平行な方向に振動する一方の偏光成分を透過させ、その吸収軸と平行な方向に振動する他方の偏光成分を吸収する機能を有している。
液晶層56には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加によって液晶層56の配向は変化するようになる。入光側に配置された下偏光板57を透過した特定方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分は、一例として、電界印加されている液晶層56を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、電界印加されていない液晶層56を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶層56への電界印加の有無によって、下偏光板57を透過した特定方向の偏光成分が、下偏光板57の出光側に配置された上偏光板58をさらに透過するか、あるいは、上偏光板58で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。尚、本明細書に於いて、「上偏光板17」及び「下偏光板16」に於ける「上下」とは、液晶層18に対して出光側、即ち画像観察者側を「上」、入光側を「下」と呼稱し、必ずしも重力の方向(鉛直方向)に於ける上下とは対応し無い。
上述した式(A)を満たす偏光分離フィルム10は、当該偏光分離フィルム10におけるy方向と、当該偏光分離フィルム10に対面する位置に配置された下偏光板57の透過軸と、が正面視において0°以上45°未満の角度をなすようにして、とりわけ正面視において平行となるようにして、面光源装置60および表示装置50に組み込まれていることが好ましい。この場合、偏光分離フィルム10を高い透過率で透過する偏光成分は、液晶表示パネル55の下偏光板57を透過して像の形成に有効に利用され得る偏光成分となる。その一方で、液晶表示パネル55の下偏光板57で吸収されてしまい像の形成に有効に利用され得ない偏光成分は、液晶表示パネル55へ入射する前に偏光分離フィルム10で反射されて進行方向を光源の側へ折り返すようになる。偏光分離フィルム10で反射された光は、その後に光学シート類や反射板62等で反射することにより、偏光状態を変えて、液晶表示パネル55へ向かうことができる。すなわち、偏光分離フィルム10を設けることによって、光源61の発光部61aで発光された光の有効利用を図ることができる。
偏光分離フィルム10が適用される面光源装置60および表示装置50は、図11に示された例に限られない。例えば、図12に示すように、導光板66と、導光板66の側方に設けられた発光部61aを含んだ光源61と、を有したサイドライト型(エッジライト型)の面光源装置60に、偏光分離フィルム10を適用することができる。図12に示された例では、導光板66の出光側に、集光機能を有した集光シートとして機能する光学シート68が設けられている。偏光分離フィルム10は、光学シート68の出光側に配置されている。また、導光板66の背面側に反射板62が設けられている。
また、偏光分離フィルム10が面光源装置60に組み込まれる場合には、図13に示すように、偏光分離フィルム10が、偏光分離機能以外の光学機能を発揮し得る光学シート70に組み込まれ、当該光学シート70の一部分を構成するようにしてもよい。図13に示す例において、偏光分離フィルム10を含んで構成された光学シート70は、一例として並列配置された多数の細長状の単位光学要素(単位形状要素、単位プリズム、単位レンズ)75を含んでおり、この多数の単位光学要素75によって、集光機能を発揮し得るプリズム面(レンズ面)を構成する光学要素73が形成されている。
図13に示された光学シート70は、例えば、上述した方法で作製された偏光分離フィルム10上に単位光学要素75を賦型することによって、作製され得る。また、図13に示された光学シート70は、溶融押出成形によって、偏光分離フィルム10と単位光学要素75とが一体的に形成されるようにして、作製され得る。また、図13に示された例においては、一次元配列された単位光学要素75が、偏光分離フィルム10に設けられている例を示したが、これに限られず、マイクロレンズ(フライアイレンズ)として機能する光学要素73を構成するようになる二次元配列された単位光学要素75が、偏光分離フィルム10を含んでなる光学シート70に設けられていてもよい。
なお、本明細書における「単位光学要素」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、「単位形状要素」、「単位プリズム」および「単位レンズ」といった要素と呼称の違いのみに基づいて区別されるものではない。同様に、「プリズム」および「レンズ」は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
さらに、図14に示す例のように、偏光分離フィルム10が、吸収型の偏光分離機能を発現する偏光子57aと接合されて、偏光板57を構成するようにしてもよい。図14に示す例においては、偏光分離フィルム10が、液晶表示パネル15に組み込まれて下偏光板57の一部をなすようになっている。偏光板57は、通常、偏光子57aを保護するために偏光子57aと接合された保護フィルムを有している。図14に示された例では、この専用の保護フィルムが排除され、偏光分離フィルム10が偏光子57aを保護するための保護フィルムとしても機能するようになっている。なお、このような偏光板57において、偏光分離フィルム10と偏光子57aとは、隣接して接合されていてもよいし、間に他の層が積層されていてもよい。
図13や図14に示す例によれば、単独の偏光分離フィルムを設けることに代えて、偏光分離フィルム10を他の光学部材に組み込んで、当該他の光学部材に反射型の偏光分離機能を付与するようになっている。このような形態によれば、面光源装置60や表示装置50等の光学デバイスに組み込まれる部材数を低減することができる。これにより、面光源装置60や表示装置50等の光学デバイスの製造コストを直接的に低減することができ、且つ、面光源装置60や表示装置50等の光学デバイスの組み立てを容易化することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4に係る偏光分離フィルムおよび比較例1に係る樹脂フィルムを、次のようにして用意した。用意された実施例1〜4に係る偏光分離フィルムおよび比較例1に係る樹脂フィルムの屈折率や材料等は、表1に示すとおりとした。
〔実施例1〜3〕
まず、図8を参照しながら説明した方法により、図6〜図8を参照しながら説明した、第2の形態に係る偏光分離フィルムを、実施例1〜3に係る偏光分離フィルムとして作製した。具体的には、まず、屈折率等方性である球状のスチレン/アクリル粒子を含有した樹脂フィルム材を用意した。次に、この樹脂フィルムをx軸方向に一軸延伸し、実施例1〜3に係る偏光分離フィルムを作製した。
〔実施例4〕
図4および図5を参照しながら説明した方法により、図1〜図5を参照しながら説明した、第1の形態に係る偏光分離フィルムを、実施例4に係る偏光分離フィルムとして作製した。具体的には、まず、屈折率等方性のポリカーボネート製の樹脂フィルムを用意し、この樹脂フィルムを延伸倍率4倍で、x軸方向に一軸延伸した。なお、一軸延伸された後、樹脂フィルムのx軸方向への屈折率Nxは1.63となり、樹脂フィルムのy軸方向への屈折率Nyは1.57となり、樹脂フィルムのz軸方向への屈折率Nzは1.56となった。延伸された樹脂フィルムを細長状に裁断することによって、粒子を作製した。粒子は、延伸された方向(x軸方向)に細長状に延びるようにした。長手方向(x軸方向)に沿った粒子の長さが略30μmとなり、長手方向に直交する幅方向(y軸方向またはz軸方向)に沿った粒子の最大幅が5μmとなるようにした。
次に、図5を参照しながら説明した方法により、得られた粒子を基材部中に分散させ、実施例に係る偏光分離フィルムを作製した。粒子の長手方向と機械方向とによってなされる角度が45未満となるよう、粒子が方向に関する規則性を持って基材部中に分散された。なお、基材部をなす材料は、粒子をなす樹脂材料と同一のポリカーボネート樹脂とし、屈折率は1.58であった。
〔比較例〕
屈折率等方性である球状のスチレン/アクリル粒子を含有した樹脂フィルムを用意し、この樹脂フィルムをX軸方向に一軸延伸し、比較例1に係る樹脂フィルムを作製した。比較例1に係る樹脂フィルムでは、アクリル系樹脂を基材部に用いたため、一軸延伸後の比較例1に係る樹脂フィルムの基材部は屈折率等方性を維持していた。
〔評価方法〕
市販されている液晶表示装置(液晶テレビ受像器)から面光源装置を取り出した。この面光源装置上に実施例1〜4に係る偏光分離フィルムを載置し、さらに、実施例1〜4に係る偏光分離フィルム上に吸収型の偏光板を載置した。光源の発光部を点灯した状態にて、偏光分離フィルムのフィルム面への法線方向と平行な方向を中心として偏光板を90°回転させた際に、偏光板上での明るさが変化するか否かを目視にて確認した。また、実施例1〜4について、偏光板上での正面方向輝度を測定した。輝度の測定には、輝度計BM−7(TOPCON社製)を用いた。
次に、比較例1に係る樹脂フィルムを面光源装置と偏光板との間に配置して、偏光板を90°回転させた際に、偏光板上での明るさが変化するか否かを目視にて確認した。また、比較例1について、偏光板上での正面方向輝度を測定した。輝度の測定には、輝度計BM−7(TOPCON社製)を用いた。
〔評価結果〕
実施例1〜4に係る偏光分離フィルムを面光源装置と偏光板との間に配置した場合、偏光板を90°回転させた際に、明るさの変化を目視にて確認することができた。一方、比較例1に係る樹脂フィルムを面光源装置と偏光板との間に配置した場合、偏光板を90°回転させた際に、明るさの変化を目視にて感じ取ることはできなかった。比較例1に係る樹脂フィルムを用いた場合の正面方向輝度の最高値を100%とした場合、実施例1に係る偏光分離フィルムを用いた場合の正面方向輝度の最高値は121%となり、実施例2に係る偏光分離フィルムを用いた場合の正面方向輝度の最高値は131%となり、実施例3に係る偏光分離フィルムを用いた場合の正面方向輝度の最高値は123%となり、実施例4に係る偏光分離フィルムを用いた場合の正面方向輝度の最高値は125%となった。
Figure 2013076874
10 偏光分離フィルム
20 基材部、母材部
25 粒子、粒状物
30 樹脂フィルム
31 樹脂組成物
35 ライン
36 搬送支持部材
37 ローラー
39 固化装置
40 吐出ノズル
45 配向手段
50 表示装置
55 液晶表示パネル
57 偏光板、下偏光板
57a 偏光子
60 面光源装置
63 拡散板
62 反射板
64 光学シート
66 導光板
70 光学シート
73 光学要素
75 単位光学要素、単位プリズム、単位レンズ、単位形状要素

Claims (5)

  1. 透光性の基材部と、
    前記基材部中に分散された透光性の粒子と、を備える偏光分離フィルムであって、
    当該偏光分離フィルムのフィルム面と平行なx方向に沿った前記基材部の屈折率Nxと、前記x方向沿った前記粒子の屈折率nxと、の屈折率差(|Nx−nx|)が、当該偏光分離フィルムのフィルム面と平行且つ前記x方向と直交するy方向に沿った前記基材部の屈折率Nyと、前記y方向に沿った前記粒子の屈折率nyと、の屈折率差(|Ny−ny|)よりも大きい、偏光分離フィルム。
  2. 光源と、
    光源からの光を受ける請求項1に記載の偏光分離フィルムと、を備える、面光源装置。
  3. 請求項2に記載の面光源装置と、
    前記面光源装置と対面する位置に配置された液晶表示パネルと、を備える、表示装置。
  4. 単位光学要素を備える光学シートであって、
    請求項1に記載の偏光分離フィルムを含んでいる、光学シート。
  5. 請求項1に記載の偏光分離フィルムと、
    前記偏光分離フィルムと積層された偏光子と、を備える、偏光板。
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