JP4336789B2 - 2次元直交変換と量子化方法及びその装置並びにプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル静止画像信号またはデジタル動画像信号の圧縮符号化に関し、特に2次元直交変換と量子化を処理する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル静止画像信号およびデジタル動画像信号を高能率圧縮符号化する方法として、変換符号化と量子化の2つの技術を組み合わせた符号化方式が広く使われており、その重要な一部分となる2次元直交変換と量子化を、高速に、かつ低い消費電力で実現する方法が強く求められている。
【0003】
変換符号化と量子化を利用する静止画像圧縮符号化方式の例としては、ISO(International Organization for Standardization)とCCITT(Consulting Committee of International Telegraph and Telephone)(現在はITU−T(International Telecommunication Union−Telecommunication Standardization Sector))のJPEG(Joint Photographic Expert Group)が勧告するJPEG方式がある。これらの方式では、入力画像を一定サイズの矩形領域に分割し、分割された各画素ブロックに対し、2次元の直交変換と量子化を施し、得られる係数ブロックをビット列に符号化する。直交変換には、周波数成分に分解する性質を持つ変換が利用され、特に離散コサイン変換の利用が多い。一般に、自然画像と呼ばれる画像では、隣接する画素同士が相関性を持っているため、離散コサイン変換などの直交変換を行うことで、信号の電力を低い周波数成分に集中させて、信号情報の冗長度を削減することが可能となる。さらに、低周波成分の変化には敏感であるが高周波成分の変化には比較的鈍感であるといった、人間の視覚特性を利用した量子化を組み合わせることで、圧縮に伴う画質劣化をなるべく抑えた効率的な圧縮符号化が可能になる。
【0004】
図2に、このような符号化方式による静止画像圧縮符号化装置の構成を示す。図2において、201は入力画像を所定の大きさの矩形ブロック単位に分割するブロック化部、202はブロック化部201より入力された画素ブロックに対し2次元直交変換を施す2次元直交変換部、203は2次元直交変換部202から出力された変換係数に対し量子化処理を行う量子化部、204は量子化部203より出力された係数ブロックをビット列に符号化する可変長符号化部である。破線で囲まれた部分は、2次元直交変換と量子化の処理部を示している。
【0005】
変換符号化と量子化を利用する動画像圧縮符号化の代表例としては、ISOのMPEG(Moving Picture Expert Group)が勧告するMPEG−1、MPEG−2、MPEG−4方式がある。これらの方式では、時間的に前後のフレームから符号化画像を予測するフレーム間予測と、予測誤差信号の変換符号化を組み合わせた符号化を行う。図3に、このような方式による動画像圧縮符号化装置の構成を示す。図3において、301は入力フレームを適当な順番に並び替えるフレーム走査部、302はフレーム走査部301より入力されたフレームを所定の大きさの矩形ブロック単位に分割するブロック化部、303は符号化されたフレームの復号画像を予測のための参照フレームとして記憶するフレームメモリ、304は入力画像ブロック信号とフレームメモリ303中の復号画像よりフレーム間予測を行って予測画像を生成するフレーム間予測部、305は入力画像ブロックと予測画像から予測誤差を算出する予測誤差算出部、306は予測誤差に対し2次元直交変換を施す2次元直交変換部、307は直交変換係数に対し量子化を行う量子化部、308は量子化係数とフレーム間予測パラメータをビット列に符号化する可変長符号化部、309は量子化係数を逆量子化する逆量子化部、310は逆量子化係数に対し2次元直交変換の逆変換を施す逆2次元直交変換部、311は逆変換信号と予測画像の和から復号画像を算出し、復号画像をフレームメモリ303に格納する復号画像算出部である。破線で囲まれた部分は、2次元直交変換と量子化の処理部を示している。
【0006】
以上で示したように、静止画像圧縮符号化と動画像圧縮符号化のいずれにおいても、2次元画像信号の直交変換と量子化が大きな役割を果たしている。しかし、一般に、直交変換と量子化処理は多数の乗除演算を要するため、それに伴う処理時間や消費電力の増大が大きな問題となっている。このため、2次元直交変換と量子化処理に要する演算量を削減する演算手法が強く求められている。
【0007】
2次元直交変換と量子化の演算量を削減し、高速に処理するための従来の技術として、特に、2次元離散コサイン変換と量子化に関する演算量削減技術を紹介する。
【0008】
2次元直交変換を高速に演算する手法に関しては、古くから数多くの研究がなされてきた。これらの多くは、大別すると以下の2つに分類される。第1は、行列分解性により2次元の直交変換を1次元直交変換の繰り返しに帰着させて、1次元直交変換の高速手法を取り入れる方法である。第2は、特願平8−335885号公報に記載の2次元離散コサイン高速演算手法のように、行列分解を行わずに、乗算と加算の回数を削減する方法である。
【0009】
量子化を高速に演算する手法に関しても、数多くの研究がなされてきた。近年では、特開平03−085871号公報に記載されるように、自然画像を圧縮符号化する際に高周波成分の量子化信号が0に集中する性質を利用して、高負荷な乗除算の回数を削減するといった方法が多い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2次元直交変換と量子化処理の高速化と低電力化への要求は、強まる一方である。本発明の目的は、従来の技術よりも一層演算量の少ない2次元直交変換と量子化の処理方法を提供し、その結果、従来の技術よりも一層の高速化と低電力化を実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う方法であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向として、その第1方向の1次元直交変換、その第2方向の1次元直交変換、量子化の順で処理する過程で、
前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうち1個以上の信号列に対し、信号列から算出された電力値が、所定の判定閾値を下回っている場合は、該当する信号列に対する前記第2方向の1次元直交変換と量子化処理を省略し、0からなる量子化係数信号列を前記量子化の演算結果として出力し、前記電力が前記判定閾値を下回らない場合は、前記第2方向の1次元直交変換と前記量子化を行い、
前記判定の対象としない信号列が存在する場合は、該当する全信号列に対して、前記第2方向の1次元直交変換と量子化を行い、
前記判定閾値は、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定されることを基本とする。
【0012】
より具体的には、本発明の第1の2次元直交変換と量子化方法は、入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う方法であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、その第1方向の1次元直交変換、その第2方向の1次元直交変換、量子化の順で処理する過程で、
a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行うステップ、
b)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうち一個以上の信号列について、その信号列の電力が、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定された判定閾値を下回っているときには全ての量子化係数が0である量子化係数列を前記量子化の出力として生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
c)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在する場合は、該当する全信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化するステップ、
を含んでいる。
【0013】
ここで、好ましい実施例においては、前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が第2方向の1次元離散コサイン変換であり、ステップbで処理の対象とする部分信号列は、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の最高次変換係数に対応する部分信号列から次数の大きい順に選択された1個または複数個の部分信号列である。
【0016】
また、本発明の第の2次元直交変換と量子化方法は、入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う方法であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、その第1方向の1次元直交変換、その第2方向の1次元直交変換、量子化の順で処理する過程で、
a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行うステップ、
b)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列を所定の順序に従って1個ずつ取得し、取得した信号列から算出された電力が、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定された判定閾値を下回っているときには全係数が0である量子化係数列を当該信号列に対する量子化結果として生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成する処理を、予め定められた数の信号列を処理し終えるか、処理し終えなくても前記判定閾値を下回らない電力を有する最初の信号列を処理し終えるまで繰り返すステップ、
c)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在する場合は、該当する全信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
を含んでいる。
【0017】
ここで、第2乃至第4の2次元直交変換と量子化方法の好ましい実施例においては、前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が第2方向の1次元離散コサイン変換であり、ステップbでは、量子化係数が全て0になる確率が高い部分信号列の順として、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の次数の大きい順を用いる。
【0018】
また、本発明の第1の2次元直交変換と量子化装置は、入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う装置であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、入力画素ブロックに対してその第1方向の1次元直交変換を行う第1方向直交変換手段と、前記第1方向直交変換手段が出力する係数信号ブロックを格納するメモリと、前記メモリから前記第2方向の信号列を取り出す信号列送出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列に対し前記第2方向の1次元直交変換を行う第2方向直交変換手段と、前記第2方向直交変換手段の出力である係数信号列を量子化する量子化手段と、前記第2方向の信号列単位毎に、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値を判定閾値として設定する判定閾値算出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列の電力を算出する電力算出手段と、前記電力算出手段により算出された電力が前記判定閾値算出手段が算出した判定閾値を下回っているかどうかを判定する大小比較手段と、全ての量子化係数が0である前記第2方向の信号列を生成する零係数列生成手段と、前記量子化手段と前記零係数列生成手段の出力の何れかを前記第2方向の信号列毎に選択して量子化後の出力係数信号とする量子化係数選択出力手段と、下記aおよびbの制御を行う制御手段とを備えている。
a)前記メモリに格納された係数信号ブロックが含む前記第2方向の信号列のうち1個以上について、その信号列を前記信号列送出手段によって取り出して前記電力算出手段にその電力を算出させると共に前記判定閾値算出手段に当該信号列に対応する判定閾値を算出させて前記大小比較手段に両者を比較させ、算出された電力が判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を前記零係数列生成手段に生成させて前記量子化係数選択出力手段に選択させ、算出された電力が判定閾値を下回っていないときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を前記第2方向直交変換手段に行わせて得られた係数信号列を前記量子化手段で量子化させて量子化係数列を生成させ、前記量子化係数選択出力手段に選択させる。
b)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうち前記aで処理の対象としなかった信号列が存在する場合、該当する全信号列に対して、前記信号列送出手段によって信号列を取り出して前記第2方向直交変換手段に前記第2方向の1次元直交変換を行わせ、得られた係数信号列を前記量子化手段に量子化させて前記量子化係数選択出力手段に選択させる。
【0019】
ここで、好ましい実施例においては、前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が第2方向の1次元離散コサイン変換であり、前記メモリに格納された係数信号ブロックの少なくとも一部の第2方向の部分信号列は、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の最高次変換係数に対応する部分信号列から次数の大きい順に選択された1個または複数個の部分信号列である。
【0022】
また、本発明の第3の2次元直交変換と量子化装置は、入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う装置であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、入力画素ブロックに対してその第1方向の1次元直交変換を行う第1方向直交変換手段と、前記第1方向直交変換手段が出力する係数信号ブロックを格納するメモリと、前記メモリから前記第2方向の信号列を取り出す信号列送出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列に対し前記第2方向の1次元直交変換を行う第2方向直交変換手段と、前記第2方向直交変換手段の出力である係数信号列を量子化する量子化手段と、前記第2方向の信号列単位毎に、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値を判定閾値として設定する判定閾値算出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列の電力を算出する電力算出手段と、前記電力算出手段により算出された電力が前記判定閾値算出手段により算出された判定閾値を下回っているかどうかを判定する大小比較手段と、全ての量子化係数が0である前記第2方向の信号列を生成する零係数列生成手段と、前記量子化手段と前記零係数列生成手段の出力の何れかを前記第2方向の信号列毎に選択して量子化後の出力係数信号とする量子化係数選択出力手段と、下記aおよびbの制御を行う制御手段とを備えている。
a)前記メモリに格納された係数信号ブロックに含まれる前記第2方向の信号列を前記信号列送出手段によって所定の順序で1個ずつ取り出して、前記電力算出手段にその電力を算出させると共に前記判定閾値算出手段に当該信号列に対応する判定閾値を算出させて前記大小比較手段に両者を比較させ、算出された電力が判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を前記零係数列生成手段に生成させて前記量子化係数選択出力手段に選択させ、算出された電力が判定閾値を下回っていないときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を前記第2方向直交変換手段に行わせて得られた係数信号列を前記量子化手段で量子化させて量子化係数列を生成させ、前記量子化係数選択出力手段に選択させる処理を、予め定められた数の信号列を処理し終えるか、処理し終えなくても前記判定閾値を下回らない電力を有する最初の信号列を処理し終えるまで繰り返す。
b)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうち前記aで処理の対象としなかった信号列が存在する場合、該当する全信号列に対して、前記信号列送出手段によって信号列を取り出して前記第2方向直交変換手段に前記第2方向の1次元直交変換を行わせ、得られた係数信号列を前記量子化手段に量子化させて前記量子化係数選択出力手段に選択させる。
【0023】
ここで、第2乃至第4の2次元直交変換と量子化装置の好ましい実施例においては、前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が第2方向の1次元離散コサイン変換であり、量子化係数が全て0になる確率が高い部分信号列の順として、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の次数の大きい順を用いる。
【0024】
【作用】
本発明の原理を、数式を用いて説明する。
【0025】
まず準備として、以下のように定式化する。本発明が適用される2次元直交変換と量子化の処理部が入力する画素ブロックの大きさをM×N(N行M列)(M,Nは正整数)とする。入力画素ブロックの信号値をf(x,y)(0≦x<M,0≦y<N)(x,yは整数)とし、f(x,y)に2次元直交変換Tを施した後の係数をF(u,v)(0≦u<M,0≦v<N)(u,vは整数)とする。さらに、F(u,v)に対し量子化を施した後の量子化係数をQF(u,v)(0≦u<M,0≦v<N)(u,vは整数)で表す。
【0026】
次に本発明が前提とする条件を示す。
【0027】
第1の条件として、本発明により実現される2次元直交変換Tは、2次元離散コサイン変換のように、行方向の1次元直交変換T1と列方向の1次元直交変換T2の繰り返しに分解される性質(行列分解性)を持った2次元直交変換とする。すなわち、入力画素ブロックf(x,y)の各行に対し水平方向の直交変換T1を施した後の中間信号をg(u,y)(0≦u<M,0≦y<N)(u,yは整数)で表すと、F(u,v)はg(u,y)の各列に垂直方向の直交変換T2を施した結果に一致する必要がある。
【0028】
例えば、数式1で表される2次元離散コサイン変換は、数式2と数式3で示すように、水平方向のM点1次元離散コサイン変換と垂直方向のN点1次元離散コサイン変換の繰り返しに分解される。
【数式1】
Figure 0004336789
【数式2】
Figure 0004336789
【数式3】
Figure 0004336789
【0029】
第2の条件として、本発明により実現される量子化は、0付近の一定範囲の値を持つ直交変換係数を0に量子化する特性を持った量子化とする。線形や非線形といった性質についてはどちらでも構わない。
【0030】
これらの条件のもと、任意の整数の組(u,v)(0≦u<M,0≦v<N)に対しZ(u,v)を、量子化係数の(u,v)成分QF(u,v)が0以外の値を取るために、量子化前の信号F(u,v)が下回ってはならない電力の最小値、すなわち数式4の関係を成り立たせる最大のZ(u,v)として定義する。数式中の記号「⇒」は、「⇒」の左側の条件式が「⇒」の右側の条件式を成立させるための十分条件であることを表す。さらに、任意の整数u(0≦u<M)に対しZ(u)を、Z(u,v)のvに関する最小値として定義する(数式5)。
【数式4】
Figure 0004336789
【数式5】
Figure 0004336789
【0031】
例として、数式6および図4に示される量子化を考える。数式6において、round関数は最も近い値の整数への整数化を表し、Q(u,v)は量子化マトリックスの(u,v)成分である。図4のグラフの横軸は量子化前の信号F(u,v)を、縦軸は、量子化後の信号QF(u,v)に対し逆量子化を行って得られる信号値を示す。図4から分かるように、Q(u,v)とZ(u,v)の間に数式7の関係が成り立つ。さらに数式5より、Q(u,v)とZ(u)の間に数式8の関係が成り立つ。
【数式6】
Figure 0004336789
【数式7】
Figure 0004336789
【数式8】
Figure 0004336789
【0032】
別の例として、数式9および図5に示される量子化を考える。数式9において、floor関数は元の数値を上回らない最大の整数を、Qは量子化パラメータを表す。Qの値は(u,v)に依存せず、全ての成分に対し一様な量子化が行われるものとする。図から分かるように、Q(u,v)とZ(u,v)およびとZ(u)の間に数式10の関係が成り立つ。
【数式9】
Figure 0004336789
【数式10】
Figure 0004336789
【0033】
さて、Z(u)の定義より、F(u,v)の電力が閾値Z(u)を下回る場合は常にF(u,v)の電力が閾値Z(u,v)を下回ることになるから、数式4より数式11の関係が成り立つ。
【数式11】
Figure 0004336789
【0034】
電力は非負の値をとるため、一信号値F(u,v)の電力がF(u,v)を含む信号列全体の電力を上回ることは起こり得ない。すなわち、任意の(u,v)に対して数式12が成立する。この関係から数式13の関係が成立する。数式13の関係が任意のvに対し成立することと、数式11の関係から、数式14の関係が導かれる。
【数式12】
Figure 0004336789
【数式13】
Figure 0004336789
【数式14】
Figure 0004336789
【0035】
直交変換の特徴の一つは、信号の電力が保存される、すなわち、入力信号の電力と出力信号の電力が一致することである。この性質を数式2で示される垂直方向の直交変換で考えると、水平方向の直交変換後の信号g(u,y)における第u列の部分信号列と、g(u,y)に対しさらに垂直方向の直交変換を施した後の変換係数F(u,v)における第u列の部分信号列の電力が一致する。すなわち、数式15の関係が成立する。
【数式15】
Figure 0004336789
【0036】
数式15を数式14の関係に適用すると、任意のuに対し、数式16の関係が成り立つことが導かれる。この関係は、水平方向の直交変換後の信号g(u,y)における第u信号列の電力P(u)が電力閾値Z(u)を下回っている場合、量子化後の係数QF(u,v)の第u列は全て0になることを示している。
【数式16】
Figure 0004336789
【0037】
数式16の結果を利用すれば、入力画素ブロックf(x,y)に対し水平方向の直交変換を施すことで得られたg(u,y)と、ある整数u(0≦u<M)に対し、g(u,y)の第u信号列の電力P(u)を算出し、P(u)が電力閾値Z(u)を下回っている場合は、量子化係数ブロックQF(u,v)の第u係数列を計算するための垂直方向直交変換と量子化処理を省略し、代わりに全ての係数が0からなる零係数列を生成し、量子化係数QF(u,v)の第u列の計算結果として出力することが可能である。P(u)が電力閾値Z(u)を超えるか等しい場合は、g(u,y)の第u信号列に対し、通常の垂直方向直交変換と量子化処理を行う。以下の説明では、このような垂直方向直交変換と量子化の方法を、零列検出法と呼ぶことにする。
【0038】
一般に、直交変換と量子化処理に要する演算量は大きい。それに対し、全ての係数が0である量子化係数列を出力する処理に要する演算量は小さい。また、部分信号列の電力計算に要する演算量も小さい。このため、第u信号列の電力P(u)が電力閾値Z(u)を下回っている確率が高い性質を持った信号列に対し、零列検出法を適用することで、画像全体で垂直方向直交変換と量子化処理に要する演算量を削減することができる。その結果、高速かつ低い消費電力での2次元直交変換と量子化処理を実現できる。
【0039】
静止画像圧縮符号化方式および動画像圧縮符号化方式の多くは、入力画素ブロックの信号電量分布を直交変換により一部の変換係数に集中させることで、高能率の圧縮符号化を実現している。このような圧縮符号化では、信号電力が0付近の小さい値に分布する変換係数が多数存在する。このため、0付近に分布する性質を持った変換係数からなる信号列の量子化値の計算に対しては、前記の零列検出法を適用することで、画像全体で垂直方向直交変換と量子化に要する演算量を大きく削減できる。
【0040】
本発明の第1ないし第2の2次元直交変換と量子化方法および装置によれば、水平方向の直交変換後のM×N信号ブロックに含まれるM個の信号列の中から、一部または全部の信号列に対しては零列検出法による垂直方向直交変換と量子化処理を行い、残りの信号列に対しては通常の垂直方向直交変換と量子化を行う。このため、量子化後の出力結果が0になる確率の高い性質を持つ、一部または全部の信号列に対し零列検出法を適用することで、画像全体で垂直方向の直交変換と量子化処理に要する演算量を効果的に削減できる。また、残りの信号列に対しては、零列検出法を適用しないことで、不要な演算量の増加を防ぐことが可能である。
【0041】
また、本発明の第3ないし第4の2次元直交変換と量子化方法および装置によれば、水平方向の直交変換後のM×N信号ブロックに含まれるM個の信号列から、順位付けされた一部または全部の信号列に対しては、前記の順位付けに従った順番で零列検出法を適用し、零列検出法により演算量が削減されなかった信号列よりも順位の低い信号列と、前記の一部または全部の信号列に含まれない信号列に対しては、通常の垂直方向直交変換と量子化を行う。このため、量子化後の出力結果が0になる確率が高い信号列から順に零列検出法を適用することで、画像全体で垂直方向直交変換と量子化処理に要する演算量を効果的に削減可能である。また、演算量の削減が期待されない信号列に対しては零列検出法を適用しないことで、不要な演算量の増加を防ぐことが可能である。
【0042】
【発明の第1の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態では、水平方向あるいは垂直方向のいずれかを第1方向とし、水平方向あるいは垂直方向のいずれかの方向で第1方向と相異なる方向を第2方向とし、入力画素ブロックに対し第1方向の1次元直交変換を行う第1方向直交変換手段と、第1方向直交変換手段が出力する係数信号を格納するブロックメモリと、前記ブロックメモリに格納された係数信号を走査して第2方向の部分信号列単位で取り出す信号列送出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列に対し第2方向の1次元直交変換を行う第2方向直交変換手段と、第2方向直交変換手段の出力係数信号を所定の量子化特性に従って量子化を行う量子化手段と、前記の量子化特性に従った量子化により0以外の値に量子化される2次元直交変換係数が取り得る最小の電力を第2方向の信号列単位で算出する判定閾値算出手段と、前記信号列送出手段より送出される部分信号列の電力を算出する電力算出手段と、前記電力算出手段の算出電力が前記判定閾値算出手段の算出閾値を下回っているかを判定し結果を真偽で出力する大小比較手段と、全ての量子化係数が0である第2方向の信号列を生成する零係数列生成手段と、前記量子化手段と前記零係数列生成手段の出力からいずれかを第2方向の信号列毎に選択して量子化後の出力係数信号とする量子化係数選択出力手段と、前記の信号列送出手段と判定閾値算出手段と零係数生成手段と量子化係数選択出力手段の動作を制御する制御部を備えている。
【0043】
そして、前記制御部は、前記ブロックメモリに格納された第2方向信号列の中から、一部または全部の信号列に対しては、前記の信号列送出手段と電力算出手段と判定閾値算出手段と大小比較手段を動作させて、該当する信号列の電力と算出された閾値の大小判定を行い、前記大小比較の判定結果が真である場合は、前記の零係数生成手段を動作させて得られる信号列を量子化信号として出力するように、前記の零係数生成手段と量子化係数選択出力手段を動作させ、前記大小比較の判定結果が偽である場合は、該当する信号列に対し前記の第2方向直交変換手段と量子化手段を動作させて得られる信号列を出力量子化信号として出力するように、前記の信号列送出手段と第2方向直交変換手段と量子化手段と量子化係数選択出力手段を動作させ、前記の一部または全部の信号列に含まれない信号列に対しては、該当する信号列に対し前記の第2方向直交変換手段と量子化手段を動作させて得られる信号列を量子化信号として出力するように、前記の信号列送出手段と第2方向直交変換手段と量子化手段と量子化係数選択出力手段を動作させるように制御する。
【0044】
【第1の実施例】
次に本実施の形態の実施例を、本発明の第1の実施例として図面を参照しながら説明する。
【0045】
図1は本発明の第1の実施例を示しており、デジタル静止画像圧縮符号化装置またはデジタル動画像圧縮符号化装置における、2次元直交変換と量子化の処理部の構成を示している。図1に示される2次元直交変換と量子化の処理部は、M×N(N行M列)の画素ブロックと量子化特性を指定するパラメータを入力し、同じくM×N(N行M列)の量子化係数ブロックを出力する。
【0046】
図1において、101は入力画素ブロックに対し水平方向のM点直交変換を行う水平方向直交変換部、102は水平方向直交変換部101の出力信号を記憶するブロックメモリ、103はブロックメモリ102から垂直方向の列単位で信号を取り出す信号列送出部、104は信号列送出部103が送出する信号列にN点直交変換を行う垂直方向直交変換部、105は垂直方向直交変換部104の出力信号を量子化する量子化部、106は信号列送出部103が送出する信号列の電力を算出する電力算出部、107は所定の量子化特性に従って判定閾値を算出する判定閾値算出部、108は電力算出部106が算出した電力値と判定閾値算出部107が算出した閾値の大小を比較する大小比較部、109は全てが0の量子化係数列を生成する零係数列生成部、110は量子化部105と零係数列生成部109の出力から片方を選択して出力する選択出力部、111は以上の処理部の動作を制御する動作制御部である。
【0047】
本発明の第1の実施例の動作を、図6に示されるフローチャートをもとに説明する。
【0048】
説明において、ブロックメモリ102に格納された信号ブロックの部分信号列と、出力される量子化係数ブロックの部分信号列を、第u信号列(0≦u<M)(uは整数)と表記する。第1の実施例において、列番号uと実際の信号間の対応はいかなる対応でも構わないが、2次元直交変換と量子化の演算量をなるべく削減するためには、水平方向直交変換の出力係数の電力分布特性に従い、電力が大きく分布すると予期される変換係数からなる信号列に対し、小さい列番号uを対応させておくのが望ましい。例えば、直交変換として離散コサイン変換を用いる場合は、列番号u=0に対しては直流成分からなる信号列を、u>0に対してはu次の交流成分からなる信号列を割り当てるのが良い。
【0049】
そして、零列検出法の適用範囲を規定する後述するkの値は、直交変換後の信号の電力分布特性と量子化特性(換言すれば零列の検出確率)と、垂直方向直交変換と量子化処理を0からなる信号列の零列検出処理に置き換えた場合に削減される演算量と零列検出処理に要する演算量の比とを考慮して事前に決定される。即ち、kの値は、零列検出にかかる費用を上回る効果が期待される列に対してのみ零列検出が適用されるような値が好ましい。圧縮対象となるデジタル静止画像やデジタル動画像の種別(自然画、人物画など)によって好ましいkの値がほぼ一意に決まる場合、画像の種別毎に好ましいkの値を事前に決定してテーブルに記憶しておき、圧縮する画像の種別に応じた値のkをテーブルから読み込んで設定するのも一つの方法である。
【0050】
図6のステップS101からの一連の手順は、2次元直交変換と量子化の処理部にM×N(N行M列)の画素ブロックが入力された時点で開始される。
【0051】
はじめに、ステップS101では、入力画素ブロック内の全ての行に対し水平方向の1次元M点直交変換を水平方向直交変換部101が施して、変換結果をブロックメモリ102に格納する。
【0052】
次に、ステップS102で、動作制御部111内に設けられた列番号カウンタuを、列数Mから1を引いた値に初期化する。
【0053】
ステップS103で、信号列送出部103は列番号カウンタuの値に従い、ブロックメモリ102中の第u信号列を取り出して、電力算出部106は取り出された信号列の電力P(u)を、信号列を構成するN個の信号値の平方和によって算出する。
【0054】
ステップS104で、判定閾値算出部107は量子化制御パラメータと列番号カウンタuを参照しながら判定閾値Z(u)を算出する。判定閾値Z(u)は、以下のように定義される。2次元直交変換後の係数の(u,v)成分を、量子化制御パラメータで定まる量子化特性に従って量子化した結果、0以外に量子化される信号電力の最小値をZ(u,v)として、整数vを0からN−1まで変化させた中でのZ(u,v)の最小値をZ(u)とする。
【0055】
ステップS105で、大小比較部108は電力P(u)と判定閾値Z(u)の大小を比較し、電力P(u)が閾値Z(u)を下回っているならばステップS106に進み、電力P(u)が閾値Z(u)以上であるならばステップS107に進む。
【0056】
ステップS106に進んだ場合、零係数列生成部109で、全ての係数が0である量子化係数列を生成し、生成された零係数列を選択出力部110が選択し、量子化係数ブロックの第u列の計算結果として出力する。その後、ステップS108に進む。
【0057】
一方、ステップS107に進んだ場合は、ブロックメモリ102中の第u信号列を、信号列送出部103により取り出して、取り出した信号列に対し垂直方向直交変換部104で垂直方向の1次元N点直交変換を施す。次に、得られた変換係数を量子化パラメータで指定される所定の量子化特性に基づき量子化部105で量子化し、その出力を選択出力部110が選択して、量子化係数の第u列の計算結果として出力する。その後、ステップS108に進む。
【0058】
ステップS108では、列番号カウンタuの値を1減少させ、ステップS109に進む。ステップS109では、列番号カウンタuの値が所定の整数k(0≦k<M)を下回っていないか判定し、列番号uがkを下回っているならば、ステップS110に進む。列番号uがk以上であるならば、ステップS103に戻り次の信号列に対する量子化係数出力処理を繰り返す。
【0059】
ステップS110では、列番号カウンタuの値が0以上であるか判定する。列番号uが0以上であるならば、ステップS111に進む。列番号uが負の値であるならば、全ての2次元直交変換と量子化の処理が完了しているので、一連の処理を終了し、次の画素ブロック入力を待機する。
【0060】
ステップS111に進んだ場合、ステップS107と同様に、ブロックメモリ102中の第u信号列に対する2次元直交変換と量子化の処理を施し、得られる係数を第u列の計算結果として出力する。
【0061】
ステップS112では、列番号カウンタuの値を1減少させ、ステップS110からの処理を再び繰り返す。
【0062】
以上が、本発明の第1の実施例の動作である。
【0063】
なお、本発明の第1の実施例における水平方向直交変換部101の具体的実現方法については、M×N入力画素ブロックに含まれるN個の信号行に対し、所定のM点1次元直交変換を施す方法であれば、いかなる方法でも構わない。
【0064】
また、垂直方向直交変換部104の具体的実現方法については、信号列送出部103から送出される信号列に対し、所定のN点1次元直交変換を施す方法であれば、いかなる方法でも構わない。
【0065】
量子化部105の具体的実現方法については、垂直方向直交変換部104から出力される直交変換係数列を所定の量子化特性に従って量子化する方法であれば、いかなる方法でも構わない。
【0066】
判定閾値算出部107の具体的実現方法については、定義された閾値Z(u)を算出する方法であれば、いかなる方法でも構わない。例えば、異なる量子化パラメータ毎にZ(u)を算出した値を、予めテーブルメモリに格納しておき、判定閾値算出部107が必要時に前記テーブルメモリに格納された値を取り出しても良い。あるいは、量子化パラメータと列番号uから閾値Z(u)を算出する関係式に従って、判定閾値算出部107が必要時に計算して求めても良い。
【0067】
以上で説明した第1の実施例によれば、入力画素ブロックに対して水平方向の直交変換を施した変換係数中のM個の信号列の中から、第k列から第(M−1)列までの(M−k)個の信号列に対しては、各量子化後の係数値が全て0になる十分条件が成立するかどうかを信号列の電力値を元に判定して、前記条件が成立する信号列に対しては、垂直方向直交変換と量子化処理を省略し、単純に0の量子化係数を出力することで、画像全体で垂直方向直交変換と量子化処理に要する演算量を削減できる。また、第0列から第(k−1)列までのk個の信号列に対しては、前記の判定処理を行うことなく、垂直方向直交変換と量子化処理を実行することで、不要な演算量の増大を防ぐことが可能である。これらの結果、本発明の第1の実施例を用いることで、2次元直交変換と量子化処理を高速化し、消費電力を小さく抑えることが可能である。
【0068】
【発明の第2の実施の形態】
本実施の形態では、水平方向あるいは垂直方向のいずれかを第1方向とし、水平方向あるいは垂直方向のいずれかの方向で第1方向と相異なる方向を第2方向とし、入力画素ブロックに対し第1方向の1次元直交変換を行う第1方向直交変換手段と、第1方向直交変換手段が出力する係数信号を格納するブロックメモリと、前記ブロックメモリに格納された係数信号を走査して第2方向の部分信号列単位で取り出す信号列送出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列に対し第2方向の1次元直交変換を行う第2方向直交変換手段と、第2方向直交変換手段の出力係数信号を所定の量子化特性に従って量子化を行う量子化手段と、前記の量子化特性に従った量子化により0以外の値に量子化される2次元直交変換係数が取り得る最小の電力を第2方向の信号列単位で算出する判定閾値算出手段と、前記信号列送出手段より送出される部分信号列の電力を算出する電力算出手段と、前記電力算出手段の算出電力が前記判定閾値算出手段の算出閾値を下回っているかを判定し結果を真偽で出力する大小比較手段と、全ての量子化係数が0である第2方向の信号列を生成する零係数列生成手段と、前記量子化手段と前記零係数列生成手段の出力からいずれかを第2方向の信号列毎に選択して量子化後の出力係数信号とする量子化係数選択出力手段と、前記の信号列送出手段と判定閾値算出手段と零係数生成手段と量子化係数選択出力手段の動作を制御する制御部を備える。
【0069】
そして、前記制御部は、前記ブロックメモリに格納された第2方向信号列の中から、順位付けされた一部または全部の信号列に対しては、前記の信号列送出手段と電力算出手段と判定閾値算出手段と大小比較手段を動作させて、該当する信号列の電力と算出された閾値の大小判定を行う処理を、前記の大小判定結果が偽となるまで、前記の順位付けに従って先頭から順に繰り返し、前記繰り返し処理において前記の大小判定結果が真であった信号列に対しては、前記の零係数生成手段を動作させて得られる信号列を量子化信号として出力するように、前記の零係数生成手段と量子化係数選択出力手段を動作させ、前記の繰り返し処理において前記の大小判定結果が偽であったため繰り返し処理が中断された信号列と、前記の繰り返し処理が中断された信号列よりも低い順位付けがされている信号列に対しては、該当する信号列に対し前記の第2方向直交変換手段と量子化手段を動作させて得られる信号列を出力量子化信号として出力するように、前記の信号列送出手段と第2方向直交変換手段と量子化手段と量子化係数選択出力手段を動作させ、前記の一部または全部の信号列に含まれない信号列に対しては、該当する信号列に対し前記の第2方向直交変換手段と量子化手段を動作させて得られる信号列を量子化信号として出力するように、前記の信号列送出手段と第2方向直交変換手段と量子化手段と量子化係数選択出力手段を動作させる。
【0070】
【第2の実施例】
次に本発明の第2の実施の形態にかかる実施例を第2の実施例として説明する。第2の実施例も第1の実施例と基本的な構成は図1で示される構成と同じであり、動作制御部111の制御動作を主に相違する。以下、第2の実施例における動作手順を、第1の実施例との相違点を中心に、図7に示されるフローチャートをもとに説明する。
【0071】
図7のステップS201からの一連の手順は、2次元直交変換と量子化の処理部にM×N(N行M列)の画素ブロックが入力された時点で開始される。
【0072】
はじめに、ステップS201では、入力画素ブロック内の全ての行に対し水平方向の1次元M点直交変換を水平方向直交変換部101が施して、変換結果をブロックメモリ102に格納する。
【0073】
次に、ステップS202で、動作制御部111内に設けられた列番号カウンタuを、列数Mから1を引いた値に初期化する。
【0074】
ステップS203で、信号列送出部103は列番号カウンタuの値に従い、ブロックメモリ102中の第u信号列を取り出して、電力算出部106は取り出された信号列の電力P(u)を、信号列を構成するN個の信号値の平方和によって算出する。
【0075】
ステップS204で、判定閾値算出部107は量子化制御パラメータと列番号カウンタuを参照しながら判定閾値Z(u)を算出する。判定閾値Z(u)の定義は、第1の実施例と同様であるとする。
【0076】
ステップS205で、大小比較部108は電力P(u)と判定閾値Z(u)の大小を比較し、電力P(u)が閾値Z(u)を下回っているならばステップS206に進み、電力P(u)が閾値Z(u)以上であるならばステップS210に進む。
【0077】
ステップS206に進んだ場合、零係数列生成部109で、全ての係数が0である量子化係数列を生成し、生成された零係数列を選択出力部110が選択し、量子化係数ブロックの第u列の計算結果として出力する。その後、ステップS207に進む。
【0078】
ステップS207では、列番号カウンタuの値を1減少させ、ステップS208に進む。ステップS208では、列番号カウンタuの値が所定の整数k(0≦k<M)を下回っていないか判定し、列番号uがkを下回っているならば、ステップS209に進む。列番号uがk以上であるならば、ステップS203に戻り次の信号列に対する量子化係数出力処理を繰り返す。
【0079】
ステップS209では、列番号カウンタuの値が0以上であるか判定する。列番号uが0以上であるならば、ステップS210に進む。列番号uが負の値であるならば、全ての2次元直交変換と量子化の処理が完了しているので、一連の処理を終了し、次の画素ブロック入力を待機する。
【0080】
ステップS210では、ブロックメモリ102中の第u信号列を、信号列送出部103により取り出して、取り出した信号列に対し垂直方向直交変換部104で垂直方向の1次元N点直交変換を施す。次に、得られた変換係数を量子化パラメータで指定される所定の量子化特性に基づき量子化部105で量子化し、その出力を選択出力部110が選択して、量子化係数の第u列の計算結果として出力する。その後、ステップS211に進む。
【0081】
ステップS211では、列番号カウンタuの値を1減少させた後、ステップS209からの処理を繰り返す。以上が、本発明の第2の実施例の動作である。
【0082】
第2の実施例によれば、入力画素ブロックに対して水平方向の直交変換を施した変換係数中のM個の信号列の中から、第k列から第(M−1)列までの(M−k)個の信号列に対しては、列番号の大きい信号列から順番に、量子化後の係数値が全て0になる十分条件が成立するか判定し、前記の十分条件が成立する信号列に対しては、垂直方向直交変換と量子化処理を省略し、単純に0の量子化係数を出力することで、画像全体で垂直方向直交変換と量子化処理に要する演算量を削減できる。また、前記の判定の結果、十分条件が成立しなかった信号列より小さい番号に対応する信号列と、第0列から第(k−1)列までの信号列に対しては、前記の判定処理を行うことなく、所定の垂直方向直交変換と量子化処理を実行することで、不要な電力計算に伴う演算量の増大を防ぐことが可能である。これらの結果、本発明の第2の実施例を用いることで、2次元直交変換と量子化処理を高速化し、消費電力を小さく抑えることが可能である。
【0083】
以上本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は以上の例に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、図6のフローチャートのステップS109、S111、S112を省略し、ステップS108の次にステップS110を実行し、ステップS110でYesと判定されたときにステップS103に制御を戻し、Noと判定されたときに終了するようにしても良い。即ち、ブロックメモリ102中の全ての列の信号に対して零列検出法を常に適用するようにしても良い。また、図7のフローチャートのステップS208の代わりに、uが0以上かどうかを判定し、0以上であればステップS203に制御を戻し、0以上でなければ終了するステップを設けるようにしても良い。即ち、予め定められた数の部分信号列を零列検出法で処理し終えたかどうかに関係なく、ステップS205でNoと判定されない限り零列検出法を適用し続けるようにしても良い。
【0084】
また、図6または図7に例示したような処理をパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行するようにしても良い。その場合、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に2次元直交変換・量子化用プログラムが記憶され、このプログラムがコンピュータに読み取られ、コンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に図1に示した各機能手段を実現し、またそのコンピュータに図6または図7に例示した処理を行わせる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を用いれば、静止画像圧縮符号化および動画像圧縮符号化における2次元直交変換と量子化の処理を、従来の技術よりも一層高速化し、かつ消費電力を低く抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す図である。
【図2】変換符号化と量子化の技術を組み合わせた静止画像圧縮符号化装置の例を示す図である。
【図3】変換符号化と量子化の技術を組み合わせた動画像圧縮符号化装置の例を示す図である。
【図4】本発明を適用できる量子化の量子化特性の例その1を示す図である。
【図5】本発明を適用できる量子化の量子化特性の例その2を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例の動作手順を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例の動作手順を示す図である。
【符号の説明】
101 水平方向直交変換部
102 ブロックメモリ
103 信号列送出部
104 垂直方向直交変換部
105 量子化部
106 電力算出部
107 判定閾値算出部
108 大小比較部
109 零係数列生成部
110 量子化係数選択出力部
111 動作制御部
201 画像ブロック化部
202 2次元直交変換部
203 量子化部
204 可変長符号化部
301 フレーム走査部
302 画像ブロック化部
303 フレームメモリ
304 フレーム間予測部
305 予測誤差算出部
306 2次元直交変換部
307 量子化部
308 可変長符号化部
309 逆量子化部
310 逆2次元直交変換部
311 復号画像算出部

Claims (14)

  1. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う方法であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向として、その第1方向の1次元直交変換、その第2方向の1次元直交変換、量子化の順で処理する過程で、
    前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうち1個以上の信号列に対し、信号列から算出された電力値が、所定の判定閾値を下回っている場合は、該当する信号列に対する前記第2方向の1次元直交変換と量子化処理を省略し、0からなる量子化係数信号列を前記量子化の演算結果として出力し、前記電力が前記判定閾値を下回らない場合は、前記第2方向の1次元直交変換と前記量子化を行い、
    前記判定の対象としない信号列が存在する場合は、該当する全信号列に対して、前記第2方向の1次元直交変換と量子化を行い、
    前記判定閾値は、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定される2次元直交変換と量子化方法。
  2. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う方法であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、その第1方向の1次元直交変換、その第2方向の1次元直交変換、量子化の順で処理する過程で、
    a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行うステップ、
    b)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうち一個以上の信号列について、その信号列の電力が、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定された判定閾値を下回っているときには全ての量子化係数が0である量子化係数列を前記量子化の出力として生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
    c)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在する場合は、該当する全信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化するステップ、
    を含む2次元直交変換と量子化方法。
  3. 前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が前記第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が前記第2方向の1次元離散コサイン変換であり、ステップbで処理の対象とする信号列は、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の最高次変換係数に対応する信号列から次数の大きい順に選択された1個または複数個の信号列である請求項2に記載の2次元直交変換と量子化方法。
  4. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う方法であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、その第1方向の1次元直交変換、その第2方向の1次元直交変換、量子化の順で処理する過程で、
    a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行うステップ、
    b)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列を所定の順序に従って1個ずつ取得し、取得した信号列から算出された電力が、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定された判定閾値を下回っているときには全係数が0である量子化係数列を当該信号列に対する量子化結果として生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成する処理を、予め定められた数の信号列を処理し終えるか、処理し終えなくても前記判定閾値を下回らない電力を有する最初の信号列を処理し終えるまで繰り返すステップ、
    c)前記第2方向の1次元直交変換における入力信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在する場合は、該当する全信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
    を含む2次元直交変換と量子化方法。
  5. 前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が前記第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が前記第2方向の1次元離散コサイン変換であり、ステップbで、信号列を取得する順序として、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の次数の大きい順を用いる請求項に記載の2次元直交変換と量子化方法。
  6. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う装置であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、入力画素ブロックに対してその第1方向の1次元直交変換を行う第1方向直交変換手段と、前記第1方向直交変換手段が出力する係数信号ブロックを格納するメモリと、前記メモリから前記第2方向の信号列を取り出す信号列送出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列に対し前記第2方向の1次元直交変換を行う第2方向直交変換手段と、前記第2方向直交変換手段の出力である係数信号列を量子化する量子化手段と、前記第2方向の信号列単位毎に、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値を判定閾値として設定する判定閾値算出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列の電力を算出する電力算出手段と、前記電力算出手段により算出された電力が前記判定閾値算出手段が算出した判定閾値を下回っているかどうかを判定する大小比較手段と、全ての量子化係数が0である前記第2方向の信号列を生成する零係数列生成手段と、前記量子化手段と前記零係数列生成手段の出力の何れかを前記第2方向の信号列毎に選択して量子化後の出力係数信号とする量子化係数選択出力手段と、下記aおよびbの制御を行う制御手段とを備えた2次元直交変換と量子化装置。
    a)前記メモリに格納された係数信号ブロックが含む前記第2方向の信号列のうち1個以上について、その信号列を前記信号列送出手段によって取り出して前記電力算出手段にその電力を算出させると共に前記判定閾値算出手段に当該信号列に対応する判定閾値を算出させて前記大小比較手段に両者を比較させ、算出された電力が判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を前記零係数列生成手段に生成させて前記量子化係数選択出力手段に選択させ、算出された電力が判定閾値を下回っていないときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を前記第2方向直交変換手段に行わせて得られた係数信号列を前記量子化手段で量子化させて量子化係数列を生成させ、前記量子化係数選択出力手段に選択させる。
    b)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうち前記aで処理の対象としなかった信号列が存在する場合、該当する全信号列に対して、前記信号列送出手段によって信号列を取り出して前記第2方向直交変換手段に前記第2方向の1次元直交変換を行わせ、得られた係数信号列を前記量子化手段に量子化させて前記量子化係数選択出力手段に選択させる。
  7. 前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が前記第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が前記第2方向の1次元離散コサイン変換であり、前記制御aが処理対象とする前記第2方向の信号列は、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の最高次変換係数に対応する信号列から次数の大きい順に選択された1個または複数個の信号列である請求項に記載の2次元直交変換と量子化装置。
  8. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行う装置であって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とし、入力画素ブロックに対してその第1方向の1次元直交変換を行う第1方向直交変換手段と、前記第1方向直交変換手段が出力する係数信号ブロックを格納するメモリと、前記メモリから前記第2方向の信号列を取り出す信号列送出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列に対し前記第2方向の1次元直交変換を行う第2方向直交変換手段と、前記第2方向直交変換手段の出力である係数信号列を量子化する量子化手段と、前記第2方向の信号列単位毎に、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値を判定閾値として設定する判定閾値算出手段と、前記信号列送出手段より送出される信号列の電力を算出する電力算出手段と、前記電力算出手段により算出された電力が前記判定閾値算出手段により算出された判定閾値を下回っているかどうかを判定する大小比較手段と、全ての量子化係数が0である前記第2方向の信号列を生成する零係数列生成手段と、前記量子化手段と前記零係数列生成手段の出力の何れかを前記第2方向の信号列毎に選択して量子化後の出力係数信号とする量子化係数選択出力手段と、下記aおよびbの制御を行う制御手段とを備えた2次元直交変換と量子化装置。
    a)前記メモリに格納された係数信号ブロックに含まれる前記第2方向の信号列を前記信号列送出手段によって所定の順序で1個ずつ取り出して、前記電力算出手段にその電力を算出させると共に前記判定閾値算出手段に当該信号列に対応する判定閾値を算出させて前記大小比較手段に両者を比較させ、算出された電力が判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を前記零係数列生成手段に生成させて前記量子化係数選択出力手段に選択させ、算出された電力が判定閾値を下回っていないときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を前記第2方向直交変換手段に行わせて得られた係数信号列を前記量子化手段で量子化させて量子化係数列を生成させ、前記量子化係数選択出力手段に選択させる処理を、予め定められた数の信号列を処理し終えるか、処理し終えなくても前記判定閾値を下回らない電力を有する最初の信号列を処理し終えるまで繰り返す。
    b)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうち前記aで処理の対象としなかった信号列が存在する場合、該当する全信号列に対して、前記信号列送出手段によって信号列を取り出して前記第2方向直交変換手段に前記第2方向の1次元直交変換を行わせ、得られた係数信号列を前記量子化手段に量子化させて前記量子化係数選択出力手段に選択させる。
  9. 前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が前記第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が前記第2方向の1次元離散コサイン変換であり、前記制御aにおいて処理対象の信号列が取り出される順序として、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の次数の大きい順を用いる請求項に記載の2次元直交変換と量子化装置。
  10. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化を行うコンピュータに実行させるプログラムであって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とするとき、前記コンピュータに、
    a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行い、得られた係数信号ブロックをメモリに格納するステップ、
    b)前記メモリに格納された係数信号ブロックに含まれる1個以上の前記第2方向の信号列について、その信号列の電力を算出し、得られた電力が判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
    c)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在するならば、該当する全信号列について前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
    を実行させ、前記判定閾値は、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定されるプログラム。
  11. 前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が前記第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が前記第2方向の1次元離散コサイン変換であり、ステップbで処理の対象とする信号列は、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の最高次変換係数に対応する信号列から次数の大きい順に選択された1個または複数個の信号列である請求項10に記載のプログラム。
  12. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化をコンピュータに行わせるプログラムであって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とするとき、前記コンピュータに、
    a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行い、得られた係数信号ブロックをメモリに格納するステップ、
    b)前記メモリに格納された係数信号ブロックに含まれる前記第2方向の信号列を所定の順序で1個ずつ取得して電力を算出し、算出された電力が所定の判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成する処理を、前記判定閾値を下回らない電力を有する最初の信号列まで繰り返すステップ、
    c)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在するならば、該当する全信号列について、前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
    を実行させ、前記判定閾値は、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定されるプログラム。
  13. 入力画素ブロックに対して2次元直交変換と量子化をコンピュータに実行させるプログラムであって、水平方向および垂直方向の何れか一方を第1方向、他方を第2方向とするとき、前記コンピュータに、
    a)入力画素ブロックに対して前記第1方向の1次元直交変換を行い、得られた係数信号ブロックをメモリに格納するステップ、
    b)前記メモリに格納された係数信号ブロックに含まれる前記第2方向の信号列を所定の順序で1個ずつ取得し、取得した信号列から電力を算出し、算出された電力が所定の判定閾値を下回っているときには当該信号列に対して全ての量子化係数が0である量子化係数列を生成し、それ以外のときには当該信号列に対して前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成する処理を、予め定められた数の信号列を処理し終えるか、処理し終えなくても前記判定閾値を下回らない電力を有する最初の信号列を処理し終えるまで繰り返すステップ、
    c)前記メモリに格納された係数信号ブロックの前記第2方向の信号列のうちステップbで処理の対象としなかった信号列が存在するならば、該当する全信号列について、前記第2方向の1次元直交変換を行って得られた係数信号列を量子化して量子化係数列を生成するステップ、
    を実行させ、前記判定閾値は、前記第2方向の信号列単位で算出され、前記量子化により0以外に量子化される各2次元直交変換係数が取り得る最小の電力の当該信号列に属する2次元直交変換係数の中での最小値に設定されるプログラム。
  14. 前記2次元直交変換が2次元離散コサイン変換、前記第1方向の1次元直交変換が前記第1方向の1次元離散コサイン変換、前記第2方向の1次元直交変換が前記第2方向の1次元離散コサイン変換であり、ステップbで信号列を取得する順序として、前記第1方向の1次元離散コサイン変換の次数の大きい順を用いる請求項12または13に記載のプログラム。
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