JP4335579B2 - 水平搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ島にて用いられ、そのパチンコ島を構成するパチンコ機にパチンコ玉を搬送する水平搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的には、パチンコ島に配設されているパチンコ機にパチンコ玉を搬送するには、補給経路を傾斜上に形成し、その傾斜を利用し、補給タンクから供給されたパチンコ玉を各々のパチンコ機に供給していた。しかしながら、このような構成の補給経路を備えたパチンコ島では、パチンコ島の上部が高く且つ大きくなり、その傾向は補給経路が長くなるほど顕著になる。このため、パチンコ島が防犯カメラの死角となる。また、遊技場内の照明が必要以上多くなる等、遊技場の内装設備等の設計自由度を阻害する恐れがあった。
このため、それらの問題点を解決するために、特許第2518490号(特許文献1)のような構成が開示されている。この構成は、固定経路部を流下してきたパチンコ玉を、駆動モータ26(特許文献1中符号)によって回転駆動される駆動ローラ22(特許文献1中符号)と、従動ローラ23(特許文献1中符号)と、その間に掛け渡される水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)によって搬送するものである。
【0003】
そして、この特許文献1において、パチンコ玉を分離器41(特許文献1中符号)に導くために、膨出側壁44(特許文献1中符号)を設け、水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)によって送られてきたパチンコ玉を分離器41に振り分けていた。
【0004】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特許第2518490号(特開平6−39136)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)によるパチンコ玉の搬送構造では、パチンコ島の上部が高く且つ大きくなる、パチンコ島が防犯カメラの死角となる、遊技場の内装設備等の設計自由度を阻害する等の問題点は解消されるが、水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)に不都合が生じた場合等、ベルト自体を停止して修理する必要がある等、装置の保守点検が困難であるばかりか、ベルトを張設する部品であるテンションローラ24(特許文献1中符号)やベルト支持部材25(特許文献1中符号)が必要となり、部品点数が増加し、コスト高となる。更に、水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)は、駆動ローラ22(特許文献1中符号)と従動ローラ23(特許文献1中符号)との間に無端状に掛け渡されている。このためパチンコ玉の搬送は、常時、水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)の一面で行われているが、装置としては、使用されていない部分のスペースまでを確保する必要があり、パチンコ島の上部の高さを低くするには限度があった。
【0006】
更に、水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)で搬送されたパチンコ玉は、樽状に形成されたテンションローラ24(特許文献1中符号)と板状のベルト支持部材25(特許文献1中符号)とを交互に設けて保持される水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)から玉待機経路部40(特許文献1中符号)に転動され、膨出側壁44(特許文献1中符号)によって、分離器41(特許文献1中符号)にパチンコ玉を導くため、パチンコ玉の搬送流は、水平搬送ベルト21(特許文献1中符号)からの自然(傾斜による)な流れに委ねられており、且つ、玉待機経路部40(特許文献1中符号)に一旦待機させた後に、分離器41(特許文献1中符号)への振り分けられるものであるから、パチンコ機2(特許文献1中符号)の作動状況に機敏に対応することができなかった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、保守点検が容易で、しかもパチンコ島の高さを低くするとともに、パチンコ玉の搬送効率を向上させ、且つ部品点数が少なく、コスト的に有利で、しかも、パチンコ玉の搬送流を制御し、パチンコ玉を積極的に補給シュートに供給することができる水平搬送装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明においては、列設したパチンコ機に、水平搬送装置に付設された補給シュートを介してパチンコ玉を補給する水平搬送装置であって、前記水平搬送装置は、前記列設したパチンコ機によって形成されるパチンコ島上に該パチンコ島の長手方向に沿って架設された補給レールと、前記補給レール内の長手方向に形成された搬送経路と、該搬送経路の回廊に水平に配置されるとともにその上面が搬送経路の底面を構成する隔板の上面と略同一平面をなすように並設された複数の回転ディスクと、前記搬送経路中に配設された複数のガイドと、前記回転ディスクの駆動装置を備え、前記搬送経路中に供給されたパチンコ玉を回転ディスクを同一方向に回転させることにより搬送するとともに、前記ガイドを前記回転ディスクが前記搬送経路の下流から上流に向けて回転する側の前記搬送経路の一側面に配設したことを特徴とする、水平搬送装置である。
【0009】
補給タンクから補給レール内に並設された複数の回転ディスクの内、補給タンク側の回転ディスク上に供給されたパチンコ玉は、該回転ディスクの回転による遠心力により、直接或いはガイドによって、その搬送流が制御され、隣設された回転ディスクに搬送される。この制御されたパチンコ玉の一部は、直接或いは、ガイドによって弾かれ、且つまた、ガイドによって堰き止められた後に補給シュートに供給される。このように回転ディスクの回転による遠心力によって搬送されたパチンコ玉は、強制的に隣設する回転ディスクに搬送され、且つ、補給シュートに供給される。
このようにして、パチンコ玉は、水平面上を順次下流に搬送されつつ、補給シュートを介して各々のパチンコ機に補給される。
【0010】
このことにより、回転ディスクの一部が故障してもカバーを開けて、その部分のみ交換(回転ディスク、ガイド等)するなど、保守点検が容易で、しかもパチンコ島の高さを低くするとともに、強制的に、確実、多量のパチンコ玉をパチンコ機に搬送制御することができ、且つ部品点数が少なく、コスト的に有利な水平搬送装置が得られる。
【0011】
次の発明は、ガイドは、略直角三角形板状または直角台形状をなす四角形板状に形成されて前記搬送経路の前記一側面にその下坦面が当接されるとともに、前記下坦面に対する垂直面を前記補給シュートの開口に臨ませ、前記下坦面に対する傾斜面を上流に向けて配設したものである。
【0012】
このことにより、搬送経路のガイドが配設された側の補給シュートへのパチンコ玉の搬送流は、回転ディスクから直接、且つガイドによって堰き止められた後に搬送され、補給シュートに供給される。また、反対側の補給シュートへのパチンコ玉の搬送流は、回転ディスクから直接、且つガイドによって弾かれた後に搬送され、補給シュートに供給される。このように、パチンコ玉の搬送分流は、回転ディスクの遠心力とガイドの堰き止め機能と反発機能を有効に利用することによって制御される。そして、回転ディスク上で搬送されたパチンコ玉は、水平面上を滑らかに、且つ効率的に流下するように制御され、容易に補給シュートに供給される。
【0013】
更に、次の発明は、前記ガイドに垂直面を形成し、該垂直面を補給シュートの開口に臨ませたものである。
【0014】
このことにより、回転ディスクにより搬送されたパチンコ玉は、この垂直面によって、搬送流が制御され、確実に補給シュートに供給される。
【0015】
更に、次の発明は、ガイドに、垂直面に対向した傾斜面と、該垂直面と前記傾斜面との間に平坦面を形成し、該傾斜面を上流に向けて配設したものである。
【0016】
この場合、回転ディスク上に供給されたパチンコ玉の搬送流は、傾斜面に沿って回転ディスクの中心方向に移動し、平坦面を経て、垂直面側に案内され、補給シュートに供給される流れに制御される。したがって、パチンコ玉は、回転ディスクの回転により、平坦面上においては、常に補給シュート方向に力が作用しているため、垂直面に達した時に強制的に補給シュートに供給されるように制御されており、パチンコ玉が効率的にパチンコ機に供給される。
【0017】
更に、次の発明は、ガイドの上面を複数の回転ディスクの中心を結ぶ中心線近傍にまで臨ましたものである。
【0018】
このことにより、回転ディスクとともに回転搬送されてきたパチンコ玉が、ガイドの垂直面により規制され、再回転し、元の位置に戻ることを極力回避するように制御し、搬送効率の向上を図っている。
【0019】
更に、次の発明は、ガイドを合成樹脂にて形成したものである。
【0020】
このことにより、ガイドを容易、安価に製作でき、かつ、パチンコ玉との間に生ずる騒音も軽減できる。
【0021】
[用語の定義等]「上流と下流とは」、水平搬送装置に、パチンコ玉を供給する補給タンク側とその反対側を言い、隣設するもの同士では、補給タンク側を上流、反対側を下流と言う。
【0022】
「搬送流とは」、水平搬送装置上でのパチンコ玉の搬送状態を言い、水平搬送装置上で滞留している状態も含む。
【0023】
「直接とは」、パチンコ玉の搬送流の説明中に用いられる「直接」とは、パチンコ玉単独の流れに用いるものの他に、パチンコ玉同士が干渉しあってその方向に流れるものも含まれる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施に係る水平搬送装置を備えたパチンコ島を示した正面図である。図2は、本発明の水平搬送装置の配列を示した平面図である。図3は、本発明の要部平面図である。図4は、図3のA−A矢視図である。図5は、本発明の水平搬送装置の側面図である。図6は、補給レールと回転ディスクとの嵌合状態を示した分解斜視図、図7は、第一のガイドを示した斜視図、図8は、第二のガイドを示した斜視図、図9は、パチンコ玉の搬送流を示した説明図、図10は、補給シュートを示した概略平面図、図11は、補給シュートを示した概略正面図である。
【0025】
本発明の水平搬送装置1は、図1に示すように、補給タンク4内部に貯留されたパチンコ玉3を、補給シュート5を経由してパチンコ機2に供給するとともに、残ったパチンコ玉3を、循環ホース6と下タンク7を経由し、研磨塔を兼ねる揚送装置8によって補給タンク4に還流する循環システムに用いるもので、パチンコ機2を列設したパチンコ島100上に水平に架設されている。
【0026】
水平搬送装置1は、図2に示すように、補給レール10と、その補給レール10の内部に配設された複数の回転ディスク20a、20b、・・・20lと、その回転ディスク20a、20b、・・・20lを回転させる駆動装置30と、駆動装置30の駆動を回転ディスク20a、20b、・・・20lに伝達する伝達機構40と、パチンコ玉3の流れを制御するガイド50,60と、補給レール10を覆うカバー17(図5参照)とを備えている。
【0027】
補給レール10は、図5並びに図6に詳述するように、底板11と、断面略チャンネル形状のレール枠体12と、帯状の側板13、13′と、平板状の隔板14を備えている。
【0028】
レール枠体12は、天板12aと、側壁12b、12b′と、該側壁12b、12b′の下端を内側に折曲して形成された取付片12c、12c′を備えた断面略チャンネル形状を成している。この取付片12c、12c′の下側には、底板11が、スクリュー12dで取付けられている。
【0029】
側板13、13′は、帯状の本体13a、13a′と、その本体13a、13a′の上端を内側に折曲して形成した取付片13b、13b′を備えている。そして、本体13a、13a′には、複数の矩形形状を成す連通孔13c、13c′が形成されている。前述の取付片13b、13b′の上側には、カバー17が着脱可能にスクリュー13dで固定されている。
【0030】
側板13、13′に形成された連通孔13c、13c′の外側には、補給シュート5が、その開口5aを連通孔13c、13c′の下縁に臨まして取付けられており、搬送経路16内を流下するパチンコ玉3を連通孔13c、13c′を通過させ、開口5aから補給シュート5内に供給する。このため、回転ディスク20a、20b、・・・20lの上面と、隔板14の上面と、連通孔13c、13c′の下縁と、開口5aの下縁とは、略同一平面上に並設されている。
【0031】
平板状の隔板14は、レール枠体12の天板12aに載置され、スクリュー等任意の方法で取付固定されている。
【0032】
尚、補給レール10を、レール枠体12と側板13,13′とを一体成形し、その側板13,13′間に隔板14を架設して構成しても良い。
【0033】
そして、この補給レール10には、底板11とレール枠体12で画成された伝達機構40の収納部15と、側板13,13′と隔板14とカバー17で画成された搬送経路16が設けられている。
【0034】
補給シュート5は、図10、図11に示すように、搬送経路16内を流下するパチンコ玉3を側板13、13′に形成された連通孔13c、13c′を介して導入するための開口5aが形成されている。そして、その開口5aを連通孔13c、13c′の外枠に当接させて、補給レール10に取付けられている。(図3参照)そして、開口5aから導入されたパチンコ玉3は、傾斜路5b、円筒5cを経由してパチンコ機2に供給される。
【0035】
この補給シュート5は、透明または半透明な合成樹脂等で形成されており、開口5aの少なくとも1つが、回転ディスク20a、20b、・・・20lの垂直中心線V−V上に、位置するように、両側板13,13′に取付配置されている。即ち、側板13側には、回転ディスク20b,20c,20e、20g、20j、20lに対応して補給シュート5が、他方の側板13′側には、回転ディスク20a,20c,20e,20g,20i、20kに対応して補給シュート5が配置されている。そして、回転ディスク20a、20b、・・・20lの上面と、隔板14の上面と、連通孔13c、13c′の下縁と、開口5aの下縁とは、略同一平面上に並設されている。
【0036】
また、このカバー17と隔板14(回転ディスク20a、20b、・・・20l)との間隔(高さ)は、パチンコ玉3の径より若干広く設定してある。即ち、パチンコ玉3が重ならないように構成されているが、特に、このカバー17と隔板14の間隔を空けて、パチンコ玉3が重なるようにしても支障はない。
【0037】
隔板14には、回転ディスク20a、20b、・・・20lの嵌合凹部14aが形成され、回転ディスク20a、20b、・・・20lの円盤を若干の隙間(パチンコ玉3が落下しない程度)を設けて嵌合している。
【0038】
図5に示すように、この嵌合凹部14aには、中心に回転ディスク20a、20b、・・・20lを取付板22に固定するためボルト14eと取付孔14dが形成されている。また、周壁14bには、排出口14cが設けられている。この排出口14cから嵌合凹部14a内に侵入したごみや塵を外部に排出する。
【0039】
回転ディスク20a、20b、・・・20lは、合成樹脂製(ポリアセタール,ABS,PP、ポリアミド、高分子ポリエチレン、ポリカーボネイト等)の円盤21と、金属製の取付板22とより構成されている。この円盤21は、隔板14に形成された嵌合凹部14aに嵌合され、且つ取付板22を介して、ボルト14e、14fで伝達機構40の回転軸41にネジ止めされている。
【0040】
側板13、13′と回転ディスク20a、20b、・・・20lとの水平方向の間隔D(図3参照)は、側板13、13′にパチンコ玉3が当接した状態で、パチンコ玉3の一部が、回転ディスク20a、20b、・・・20lの上面に接触するように設定されている。本発明の実施形態では、側板13、13′間を160mmに、その側板13、13′間の短手方向中心(80mm)に、回転ディスク20a、20b、・・・20lの中心を位置させるとともに、円盤21の径を140mmに設定している。尚、回転ディスク20a、20b、・・・20lの中心を長手方向に結んだ線を水平方向の中心軸線L−Lとしている。ちなみに、一般的なパチンコ玉3の径は11mmに形成されている。
【0041】
駆動装置30は、図3および図4に示すように、一般的に直交軸ギアモータと呼ばれるモータ31と、ギアヘッド32と、出力軸33と、その出力軸33に取付られている平歯車34とよりなり、補給レール10の上方に、補給レール10の短手方向に平行に配設されている。このことによって、駆動装置30の出力軸33は、モータ31に対して垂直に伸び、平歯車34を介して、伝達機構40の平歯車42に噛合っている。この噛合いにより駆動装置30の駆動が伝達機構40に伝達される。
【0042】
また、駆動装置として、一般的なモータを用い、ウォームギア、平歯車等の公知の伝達機構を介して回転ディスクを駆動する構造や、回転ディスク毎に駆動装置を配設する方法、等任意の方法を採用しても良い。
【0043】
伝達機構40は、各回転ディスク20a、20b、・・・20l毎に設けられた回転軸41と、駆動装置30の出力軸33に取付られた平歯車34と噛合う平歯車42と、その平歯車42の間に配設されたアイドルギア43とを備えている。この回転軸41は、隔板14と、底板11と、底板11の外側に取付けられたブラケット46に軸受44,45を介して軸支されている。これらの隣設する平歯車42は、中間にアイドルギア43を配設することによって、回転方向が同一方向となるように設定されている。このことによって、回転ディスク20a、20b、・・・20l、のすべてが同一方向に回転する。
【0044】
尚、伝達機構40は、平歯車42とアイドルギア43の組合せを採用しているが、平歯車同士、タイミングベルトなど他の手段を用いても良い。
【0045】
この実施例のように、回転ディスクの回転方向を同一方向にした水平搬送装置1に配設されるガイド50,60は、搬送経路16を形成する側板13b、13b′の一方の側板13bにスクリューで固定されている。そして、このガイド50,60の取付位置は、高さ方向で、隔板14の表面からパチンコ玉3がガイド50,60の下側にもぐり込まない程度の間隔をあけてある。側板13bの長手方向には、回転ディスク20cに対応してガイド50が、回転ディスク20b、20e、20g、20j、20lに対応してガイド60が配設されている。この実施例では、図7、図8に詳述するように、2種類のガイドが配設されている。
【0046】
図7は、第一のガイド50を示した斜視図であって、このガイド50は、傾斜面51と垂直面52と下坦面53を有する略直角三角形板状に形成され、図2に示すように、補給シュート5の開口5aの近傍に、垂直面52が臨むようにし、且つ傾斜面51を搬送経路16の上流に向け、下坦面53を側板13に当接させ、スクリューで固定されている。
【0047】
図8は、第二のガイド60を示した斜視図で、ガイド60は、一辺に傾斜面61を形成するとともに傾斜面61に対向する垂直面62と、平坦な上坦面63と上坦面63より長い下坦面64を有する直角台形状をなす四角板状に形成され、図2に示すように、傾斜面61を搬送経路16の上流(補給タンク4側)向け、垂直面62が補給シュート5の開口5aの近傍に来るようにスクリューで固定されている。
【0048】
これらのガイド50とガイド60に形成された傾斜面51と61は、上流から下流に向けて、側板13から回転ディスク20a、20b、・・・20lの回転中心を結ぶ中心軸線L−Lの方向へ傾斜している。尚、この傾斜面51と61の傾斜勾配は、回転ディスク20a、20b、・・・20lの回転数、径等により任意に設定される。
【0049】
この略直角三角形板状のガイド50と、四角板状のガイド60は、パチンコ島の設計時に、パチンコ島の長さ、その繋ぎの台数などの条件によって決定されるもので、各補給シュート5の間隔が狭い場合にはガイド50を、間隔が広い場合には、平坦な上坦面63と上坦面63より長い下坦面64の長さを長手方向に調整することができるガイド60を用いている。
【0050】
次に、図9により、水平搬送装置1におけるパチンコ玉3の搬送流Rについて詳述する。
【0051】
補給タンク4の貯留されているパチンコ玉3を重ならないように補給レール10の搬送経路16内に供給すると、パチンコ玉3は、その補給レール10の内部に配設された複数の回転ディスク20a、20b、20c(以下、省略する。)のもっとも補給タンク4に近い回転ディスク20a上に転がされる。転がされたパチンコ玉3は、回転ディスク20aの回転(本実施例では、反時計回りに回転している)による遠心力で運ばれ、更に、次の回転ディスク20bの遠心力が付加され、順次、各回転ディスク20cの回転による遠心力も加わり、搬送時の抵抗などによる搬送効率の低下を防止しつつ流下する。そして、パチンコ玉3は、まず、回転ディスク20bに対応して配設されているガイド60の傾斜面61に沿って運ばれた後に、ガイド60の上坦面63上を転がり、また一方には、上坦面63上で弾かれ、回転ディスク20bに送りこまれる。そして、ガイド60の垂直面62に沿って、補給シュート5の開口5aよりパチンコ機2(図1参照)に供給される。
【0052】
まず、最も上流(補給タンク4側)に位置する回転ディスク20aと隣設する回転ディスク20bと、この間に配設されたガイド60によってパチンコ玉3がどのように制御されて搬送されるかを詳述する。この間には、搬送経路16の入口と補給シュート5間の間隔が広いのでガイド60が配設されている。このガイド60の垂直面62は、回転ディスク20bに対応して側板13、13′に配設された補給シュート5の開口5aに臨んでいる。
【0053】
まず、補給タンク4より、供給されたパチンコ玉3は、最も上流に配置された回転ディスク20aに送り込まれる。この時、パチンコ玉3は、ガイド60の傾斜面61とガイド60が存在しない範囲に広がって供給され、補給タンク4からの供給時の押圧力やパチンコ玉3の自重などによって、回転ディスク20a上に搬送され、その後、各々別の搬送流R(R1〜R5)を形成し、次の回転ディスク20bに送り込まれる。
【0054】
第一の搬送流R1は、ガイド60の傾斜面61に補給タンク4からの押出し力によって、押し付けられ、傾斜面61に沿って駆け上がり上坦面63に送られる。そして上坦面63の端から垂直面62を経て補給シュート5の開口5aに至る。(一部は、開口5aの近傍に形成された貯留空地Sに滞留する。)
【0055】
第二の搬送流R2は、パチンコ玉3をガイド50,60が取付けられている側板13と反対側の側板13′に取付けられている補給シュート5へ供給する搬送流である。この搬送流R2は、回転ディスク20aの回転による遠心力によって直接、あるいは、ガイド60によって、はじかれたパチンコ玉3によって行われる。
【0056】
搬送流R3は、回転ディスク20aの回転力や遠心力によって、他方の側板13′に沿って、回転ディスク20b・・・20lの方向、即ち下流に運ばれる流れである。この流れの一部は、途中、ガイド50,60が取付られている方向にも搬送され、次のガイド50或いは60によって制御されたり、補給シュート5に供給されたりする。
【0057】
次に、回転ディスク20cに対応する位置には、隣設する補給シュート5の間が狭いためガイド50が配設されている
【0058】
まず、ガイド50の傾斜面51には、搬送流R4が送り込まれる。この搬送流R4は、ガイド60と50の間に形成された貯留空地Sに溜まったパチンコ玉3が回転ディスク20bの回転力や自重によって送りこまれる流れである。この流れによるパチンコ玉3は、垂直面52に沿って補給シュート5の開口5aを経由してパチンコ機2に送りこまれる。
【0059】
搬送流R3は、回転ディスク20b、20cの回転力や遠心力によって、ガイド50の垂直面52方向へ流れる搬送流R5を形成する。
【0060】
このように、補給タンク4から回転ディスク20aに供給されたパチンコ玉3は、供給時の押圧力、自重並びに各回転ディスク20a、20b、・・・20lの回転力、遠心力などによって、強制的に搬送流Rを形成し、その搬送流Rは、ガイド50,60によって、搬送流R1〜R5に制御され、最も効率的な搬送流Rとなり、パチンコ玉3を下流、或いは補給シュート5に供給される。
【0061】
このようにして、補給レール10の下流に搬送されたパチンコ玉3は、補給レール10の下流に連結された循環ホース6、下タンク7を経由して、研磨塔を兼ねる揚送装置8に送り込まれ、再び、補給タンク4へと還流される。
【0062】
尚、本発明の水平搬送装置1は、パチンコ島上に水平に配置されているが、若干の傾斜を設けても良い。この場合には、パチンコ玉3の搬送量が増加する。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、列設したパチンコ機に補給シュートを介してパチンコ玉を補給する水平搬送装置を、パチンコ機上に架設された補給レールと、補給レール内の長手方向に並設された複数の回転ディスクと、該回転ディスクの駆動装置を備え、パチンコ機に補給すべきパチンコ玉を回転ディスクの同一方向の回転力により搬送することにより、回転ディスクの一部が故障してもカバーを開けて、その部分のみ交換するなど、保守点検が容易で、しかもパチンコ島の高さを低くするとともに、強制的にパチンコ玉を搬送制御することによって、搬送効率に優れ、且つ部品点数が少なく、コスト的に有利な水平搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に係る水平搬送装置を備えたパチンコ島を示した正面図である。
【図2】本発明の実施に係る水平搬送装置を示す平面図である。
【図3】本発明の要部平面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】本発明の水平搬送装置の側面図である。
【図6】本発明の補給レールと回転ディスクとの嵌合状態を示した分解斜視図である。
【図7】第一のガイドを示した斜視図である。
【図8】第二のガイドを示した斜視図である。
【図9】パチンコ玉の搬送流を示した説明図である。
【図10】補給シュートを示した概略平面図である。
【図11】補給シュートを示した概略正面図である。
【符号の説明】
1…水平搬送装置
10…補給レール
11…底板
12…レール本体
13、13′…側板
13c、13c′…連通孔
14…隔板
14a…嵌合凹部
15…収納部
16…搬送経路
17…カバー
20a、20b、…20l…回転ディスク
21…円盤
22…取付板
30…駆動装置
31…モータ
32…ギアヘッド
33…出力軸
40…伝達機構
41…回転軸
42…平歯車
43…アイドルギア
50…ガイド
51…傾斜面
52…垂直面
60…ガイド
61…傾斜面
62…垂直面
63…上坦面
64…下坦面
2…パチンコ機
3…パチンコ玉
4…補給タンク
5…補給シュート
5a…開口
6…循環ホース
7…下タンク
8…研磨塔兼揚送装置
100…パチンコ島
R(R1〜R5)…搬送流
Claims (2)
- 列設したパチンコ機に、水平搬送装置に付設された補給シュートを介してパチンコ玉を補給する水平搬送装置であって、
前記水平搬送装置は、前記列設したパチンコ機によって形成されるパチンコ島上に該パチンコ島の長手方向に沿って架設された補給レールと、
前記補給レール内の長手方向に形成された搬送経路と、
該搬送経路の回廊に水平に配置されるとともにその上面が搬送経路の底面を構成する隔板の上面と略同一平面をなすように並設された複数の回転ディスクと、
前記搬送経路中に配設された複数のガイドと、
前記回転ディスクの駆動装置を備え、
前記搬送経路中に供給されたパチンコ玉を回転ディスクを同一方向に回転させることにより搬送するとともに、
前記ガイドを前記回転ディスクが前記搬送経路の下流から上流に向けて回転する側の前記搬送経路の一側面に配設したことを特徴とする、水平搬送装置。 - 請求項1項に記載の水平搬送装置において、
前記ガイドは、略直角三角形板状または直角台形状をなす四角形板状に形成されて前記搬送経路の前記一側面にその下坦面が当接されるとともに、前記下坦面に対する垂直面を前記補給シュートの開口に臨ませ、前記下坦面に対する傾斜面を上流に向けて配設したことを特徴とする、水平搬送装置。
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