JP4334933B2 - 保険約款交付のための情報処理方法及び装置 - Google Patents

保険約款交付のための情報処理方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、保険約款交付に関する情報処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特開2002−133098号公報には以下のような技術が開示されている。すなわち、保険契約等手続方法およびシステムにおいて、保険会社または代理店は、顧客からの保険契約申込み情報に基づいて、インターネット等の通信ネットワークを介して顧客端末へ契約情報を送信する。また、顧客端末へ送信される契約情報のうち、契約した保険内容にとって必要な約款および特約条項のみを送信する。また、保険会社または代理店(媒介人、仲介人を含む)は、顧客端末に送信した契約情報について、顧客の要求に応じて、顧客がインターネット等の通信ネットワークを介して閲覧できるようにする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上で述べた従来技術では、例えば保険契約申込みの修正があった場合や、異動があった場合などの約款の交付方法については考慮されていない。すなわち、共通する保険契約内容を含み、顧客に交付すべき約款データに重複があったとしても、最新の保険契約について必要な約款データを全て送信するような構成となっている。そのため、例えば特約を1つだけ追加した場合などには、該当する部分についてだけの約款データを交付すれば十分であるにも拘わらず、保険契約全体に対応した約款データを送信する。また、特約を減らした場合など、対応する約款データを顧客が既に取得済みであり、その約款が不適用となることを通知する必要がある場合でも、それに対応した通知を行うための手段が存在していなかった。このように、保険会社や顧客にとって通信及び処理負荷の削減等につながりにくい構成となっている。
【0004】
また、約款などのデータを顧客にインターネット等の通信ネットワークを介して送信するとしても、顧客によってはこうしてネットワークへの対応ができていない場合がある。そのため、顧客によっては郵送などの別途の方法によって約款等を送付することが必要となる。
【0005】
従って本発明の目的は、顧客に対して適切な内容の約款交付を適切な方法で行うための情報処理技術を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に係る、保険約款交付のための情報処理方法は、顧客の保険契約に関連するデータと顧客の属性データとを受信し、記憶装置に格納する受信ステップと、受信ステップにおいて記憶装置に格納された保険契約に関連するデータに基づき顧客に交付が必要な約款を特定し、当該約款の識別データを必要約款識別データ格納部に格納する約款特定ステップと、受信ステップにおいて記憶装置に格納された顧客の属性データに基づき、約款特定ステップにおいて特定され且つ必要約款識別データ格納部に識別データが格納された約款の約款データを顧客が受信可能か否かを判断する受信可能性判断ステップと、受信可能性判断ステップにおいて受信可能であると判断された顧客に対して、約款特定ステップにおいて特定され且つ必要約款識別データ格納部に識別データが格納された約款の約款データを送信する送信ステップとを含む。これにより、ネットワーク対応が可能な顧客にはネットワークを介して約款データを送信することができ、保険会社は省力化を図ることができる。
【0007】
また、本発明の第1の態様において、受信可能性判断ステップにおいて受信不可能であると判断された顧客に対して、約款特定ステップにおいて特定され且つ必要約款識別データ格納部に識別データが格納された約款の約款データを印刷処理する印刷処理ステップをさらに含むようにしてもよい。ネットワーク対応が不可能な顧客等には印刷処理ステップにおいて印刷された約款を送付するようにするものである。なお、この場合においても交付が必要な約款だけが印刷されるので、消費資源の減量を図ることができるようになる。
【0008】
また、上で述べた約款特定ステップが、受信した保険契約に関連するデータに基づき顧客に交付が必要な約款を特定し、当該約款の識別データを必要約款識別データ格納部に格納する第1特定ステップと、受信ステップにおいて記憶装置に格納されたデータに含まれる顧客の識別データを用いて顧客データ格納部を検索することにより読み出された顧客のデータに基づき当該顧客に交付済みの約款を特定し、当該顧客に交付済みの約款の識別データを交付済約款識別データ格納部に格納する第2特定ステップと、第1特定ステップにおいて特定され且つ必要約款識別データ格納部に格納された約款の識別データと、第2特定ステップにおいて特定され且つ交付済約款識別データ格納部に格納された顧客に交付済みの約款の識別データとを用いて今回交付すべき約款を特定し、当該約款の識別データを交付約款識別データ格納部に格納する第3特定ステップとを含み、上で述べた送信ステップにおいて、第3特定ステップにおいて特定され且つ交付約款識別データ格納部に識別データが格納された今回交付すべき約款の約款データを顧客宛に送信ような構成とすることも可能である。このように顧客に交付が必要な約款の約款データのうち、当該顧客に対して既に交付済みの約款の約款データを除いて送信することにより、通信負荷を減らすことができるようになる。
【0009】
本発明の第2の態様に係る、保険約款交付ための情報処理方法は、顧客の保険契約に関連するデータを受信し、記憶装置に格納する受信ステップと、受信ステップにおいて記憶装置に格納された保険契約に関連するデータに基づき顧客に交付が必要な約款を特定し、当該約款の識別データを必要約款識別データ格納部に格納する第1特定ステップと、受信ステップにおいて記憶装置に格納されたデータに含まれる顧客の識別データを用いて顧客データ格納部を検索することにより読み出された顧客のデータに基づき当該顧客に交付済みの約款を特定し、当該顧客に交付済みの約款の識別データを交付済約款識別データ格納部に格納する第2特定ステップと、第1特定ステップにおいて特定され且つ必要約款識別データ格納部に格納された約款の識別データと、第2特定ステップにおいて特定され且つ交付済約款識別データ格納部に格納された顧客に交付済みの約款の識別データとを用いて今回交付すべき約款を特定し、当該約款の識別データを交付約款識別データ格納部に格納する第3特定ステップと、第3特定ステップにおいて特定され且つ交付約款識別データ格納部に識別データが格納された今回交付すべき約款の約款データを顧客宛に送信する送信ステップとを含む。すなわち、顧客に交付が必要な約款の約款データのうち、当該顧客に対して既に交付済みの約款の約款データを除いて送信することにより、重複した約款データを送信しないようにする。これにより、約款データを電子ファイルで送信する際には通信負荷の軽減を図ることができる。また、保険会社や顧客が約款データを紙に印刷するような場合には消費資源の削減を図ることができる。
【0010】
本発明の第1及び第2の態様において、第2特定ステップにおいて交付済約款識別データ格納部に格納された約款の識別データのうち、第1特定ステップにおいて必要約款識別データ格納部に格納された約款の識別データに含まれていない、不適用とされる約款の識別データを不適用約款識別データ格納部に格納する不適用約款特定ステップをさらに含むようにしてもよい。
【0011】
さらに、上で述べた不適用約款特定ステップにおいて不適用約款識別データ格納部に格納された約款の識別データに対応する約款についての情報を含む約款適用取消情報を生成し、取消情報格納部に格納する取消情報生成ステップと、取消情報格納部に格納された約款適用取消情報を顧客宛に送信するステップとをさらに含むようにしてもよい。これにより、顧客は読むべき約款を正確に把握できるようになる。
【0012】
また、本発明の第1及び第2の態様において、記憶装置に格納された保険契約に関連するデータは、顧客の保険契約申込データ又は保険契約計上データである場合もある。これにより、例えば代理店端末から保険契約申込又は保険契約計上を受け付けた際に、未だ交付済みでない約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。すなわち、以前に保険契約申込を受けて交付した約款の約款データの一部又は全部を、再び同じ顧客に送信するようなことはせず、追加で交付が必要な約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。
【0013】
また、本発明の第1及び第2の態様において、記憶装置に格納された保険契約に関連するデータは、顧客の保険異動データである場合もある。これにより、代理店端末から保険異動要求を受け付けた際に、未だ交付済みでない約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。すなわち、既契約保険の契約の際に交付した約款の約款データの一部又は全部を再び同じ顧客に送信するようなことはせず、追加で交付が必要な約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の第1及び第2の態様において、記憶装置に格納された保険契約に関連するデータに基づき生成された保険証券データを顧客宛に送信するステップをさらに含むようにしてもよい。顧客は保険証券のデータ及び保険証券に対応した約款データを取得することができる。
【0015】
また、上で述べた本発明の第1及び第2の態様において、送信ステップにおいて交付が必要な約款の約款データ又は今回送付すべき約款の約款データをメールの添付ファイルとして顧客に対して送信する、又は顧客のダウンロード要求により今回送付すべき約款の約款データを送信するようにしてもよい。保険会社及び顧客のシステム環境や通信環境に合わせた形態での約款送信が可能となる。
【0016】
さらに、本発明の第1及び第2の態様において、交付が必要な約款の約款データ又は今回交付すべき約款の約款データが複数ある場合、1つの約款ファイルに合成し、約款ファイル記憶部に格納するステップと、約款ファイル記憶部に格納された約款ファイルのダウンロード用リンク情報を生成し、リンク情報格納部に格納するステップと、リンク情報格納部に格納されたダウンロード用リンク情報を顧客に対して通知するステップとをさらに含み、顧客がダウンロード用リンク情報を用いてダウンロードを指示した場合、上記送信ステップが実行されるようにしてもよい。顧客は、約款ダウンロード用ホームページから今回の契約又は異動に対応した約款データを一括でダウンロードすることが可能となる。これにより、約款交付の管理も簡単になる。
【0017】
また、本発明の第1及び第2の態様において、送信ステップにおいて送信された約款データを顧客が受信したと判定された場合、記憶装置に格納されたデータに含まれる顧客の識別データを用いて顧客データ格納部を検索することにより読み出された顧客のデータに、約款データが交付済みであることを表す情報を追加し、顧客データ格納部に格納するステップをさらに含むようにしてもよい。これにより、顧客に対して既に交付された約款の約款データを特定することが可能となる。また一方で、約款データを送信してから又はダウンロードを要求するメールを送信してから所定の期間、交付済みであることを表す情報が顧客のデータに追加されなかった場合には、約款を紙に印刷して郵送するような構成とすることも可能になる。
【0018】
さらに、本発明の第1及び第2の態様において、送信ステップにおいて約款データを顧客に送信した時、又は記憶装置に格納された保険契約に関連するデータに基づき保険契約が計上された時に基づいて特定される時点において、送信ステップにおいて送信された約款データを顧客が受信したと判定されない場合、当該約款データを印刷処理するステップをさらに含むようにしてもよい。何らかの理由で受信されなかった約款を別途顧客に送付するためである。
【0019】
本発明に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することも可能であって、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介して頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリに一時保管される。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明の第1の実施の形態に係るシステム構成図を図1に示す。例えばパーソナル・コンピュータであるユーザ端末13は、図示しないがメーラ機能及びウェブ(Web)ブラウザ機能を備えており、無線又は有線によりメールの送受信を行うこと及びインターネットに接続してホームページを閲覧することが可能となっている。
【0021】
例えばインターネットであるネットワーク11には、1又は複数のユーザ端末13の他、保険契約の計上処理等を行う1又は複数の契約計上サーバ155、例えばメーラ機能及び保険契約申込機能を備えたパーソナル・コンピュータである1又は複数の代理店端末17が接続されている。
【0022】
契約計上サーバ155には、顧客に対する約款交付状況に関連するデータが格納されている約款交付管理データベース(DB)1551及び保険証券の印刷を行う保険証券印刷機1553が接続されている。また、契約計上サーバ155のハードディスク・ドライブ(HDD)1555には、顧客に交付するための約款データが例えば約款ファイルとして格納されている。保険契約の分類方法や特約の種類によって、対応する約款ファイルは何種類であってもよい。HDD1555は、その他データの記憶装置としても機能する。
【0023】
また、保険会社15には、図示しないWebサーバがあり、約款ファイルのダウンロード用ホームページの管理を行う。また、図示しないメール・サーバにより、顧客に対してメール送信等を実施する。その他、契約計上サーバ155又は図示しないその他のサーバによって管理される保険契約DB、顧客管理DB及び代理店DB等、保険業務処理を行うためのシステムが設置されている。
【0024】
また、契約計上サーバ155には、図示しないが制御部と通信部とが設けられている。制御部の処理の詳細については、後の処理フローの説明において述べるが、例えば、約款交付管理DB1551の管理や、HDD1555に格納されている約款ファイルやその他データの管理等の処理を行う。通信部は、約款ファイルの顧客などへの伝送等の処理を行うための通信インタフェイスである。
【0025】
なお、契約計上サーバ155及び保険証券印刷機1553は必ずしも保険会社15の内部に設置されている必要はなく、同様の機能が実現できればアウトソーシング等により外部に設置されるような構成であってもよい。
【0026】
また、ネットワーク11を経由する通信には、図示していないがドメイン・ネーム・サーバ(DNS)、メール・サーバ、ファイア・ウォール等の、インターネット接続やメール送受信に必要な機器及び機能を使用するものとする。
【0027】
約款交付管理DB1551のテーブル構成及び格納されるデータの一例を図2及び図3に示す。約款交付管理DB1551には、例えば図2に示す約款テーブルと図3に示す交付管理テーブルとが含まれている。
【0028】
図2に示す約款テーブルの例には、約款番号の列200、名称の列202及びファイル保存場所の列204が含まれている。本テーブルでは、例えば自動車保険の約款に関するデータが登録されており、約款番号の列200の値がキーとなって約款の名称及び物理的な約款ファイルの保存(格納)場所を特定できるような構成となっている。なお、約款の種類や名称については各保険会社の保険商品の特徴や分類方法などによって変わる場合もあり、物理的な約款ファイルの格納場所についてもシステム環境に合わせて変わる場合もある。
【0029】
図3に示す交付管理テーブルの例には、申込書番号の列300、顧客番号の列302、顧客メール・アドレスの列304、契約申込内容の列306、約款交付済フラグの列308、交付約款の列310、登録日時の列312及び計上フラグの列314が含まれている。レコードは保険契約申込みのデータを代理店端末17から受信する毎に生成され、キーとなる申込書番号の列300によって特定される。顧客番号の列302には顧客を特定するIDが登録され、図示しない顧客管理DB等によって顧客の氏名や住所などの情報が導出できるような構成になっている。顧客メール・アドレスの列304には約款データ送信の際の宛先となる電子メール・アドレスが登録される。本実施の形態では、一連の処理において参照するテーブルの数を少なくするために非正規化しているが、正規化して交付管理テーブル(図3)には顧客メール・アドレスの列304を含めず、メール送信する際には顧客番号の列302の値から導出するような構成であってもよい。
【0030】
契約申込内容の列306には、当該保険契約申込の内容に対応する、交付が必要な約款を表すデータが契約計上サーバ155の制御部によって登録される。制御部は、保険契約申し込みの内容に基づき対応する約款を特定し、契約申込内容の列306に登録する。本テーブルの例では約款テーブル(図2)の約款番号の列200の値が1つ又は複数登録される。具体的には、例えばある顧客の契約申込内容が、総合自動車保険であり運転者家族限定特約を付加したものであった場合、約款テーブル(図2)の参照によって約款番号の列の値"00"及び"01"が特定される。この交付が必要な約款番号の特定は、特約等の契約内容の設定と必要な約款を対応付けしておき保険契約申込の際に自動になされるような構成であってもよいし、契約内容から代理店が判断するような構成であってもよい。そして、特定された約款番号を合成したデータが登録される。ここでは"00"及び"01"から合成された"0001"が、契約申込内容の列306に登録される。従って、契約申込内容の列300の値を使用した処理を行う際には、約款番号の桁数である例えば2桁づつに区切って処理を行うような構成となっている。
【0031】
約款交付済フラグの列308には、レコード生成時には"0"が設定され、送信した約款データを顧客が受信したと判定された場合には"1"が設定される。契約計上サーバ155の制御部は、通信部を介して約款データを送信し、例えばメールの開封通知等により顧客が約款データを確認したというデータを取得した時点で、フラグを"1"とする。
【0032】
交付約款の列310には、顧客に対して今回交付すべき(未だ交付済みでない)約款を表すデータが契約計上サーバ155の制御部によって登録される。なお、契約申込内容の列306と同様に、約款番号によってデータが構成される。レコード生成時には、顧客番号の列302の値が同じレコードを抽出することにより、交付約款の列310の値と約款交付済フラグの列308の値から既に交付済みの約款番号が特定される。そして契約申込内容の列306の値と既に交付済みの約款番号とから今回交付すべき(未だ交付済みでない)約款番号が特定され、合成したものが交付約款の列310に登録される。例えば、顧客番号の列302の値が"00001111"で、契約申込内容の列306の値が"00010210"であるレコードが生成される。ここで、契約申込内容に対応する約款の番号は、"00"、"01"、"02"及び"10"である。そして、顧客番号の列302の値が"00001111"である既存レコードが抽出される。
【0033】
例えば抽出されたレコードが1つあり、約款交付済フラグの列308の値が"1"で且つ交付約款の列310の値が"0001"であった場合には、"00"及び"01"の約款番号が示す約款データは当該顧客に対して既に交付済みであることが分かる。そこで、契約申込内容に対応する約款の番号である"00"、"01"、"02"及び"10"から、既に交付済みの約款の番号である"00"及び"01"を除いた"02"及び"10"が今回交付すべき約款の番号となる。"02"及び"10"を合成して"0210"という値が交付約款の列310に登録される。このように、今回交付すべき約款は、交付が必要な約款の一部若しくは全部により構成されることになる。
【0034】
登録日時の列312には、レコードが生成された日時が登録される。また、計上フラグの列314には、レコード生成時には"0"が設定され、当該レコードのデータで計上(顧客が申込み内容を確定し、その確定内容に基づいた保険契約データが保険会社に送られ、受け付けられること)が行われる場合には"1"が設定される。
【0035】
次に、図4乃至図8を用いて図1に示したシステムの動作を説明する。
【0036】
代理店端末17は、例えば、図示しない保険契約申込用システムの画面において、代理店による顧客に関するデータ(顧客データ又は顧客属性データとも呼ぶ)と保険契約の申込書データとの入力を受け付ける(ステップS1)。続いて代理店端末17は、代理店の指示に応じて、入力を受け付けた顧客データと受け付けた申込書データとを契約計上サーバ155に対して送信する(ステップS3)。契約計上サーバ155の制御部(以下、契約計上サーバ155における処理の説明において、単に契約計上サーバ155と表示する場合は、制御部による処理を示す。または契約計上サーバ155(制御部)と表示する場合もある。)は、代理店端末17から顧客データと申込書データとを受信し、図示しない保険契約申込DB等に格納する(ステップS5)。また、契約計上サーバ155(制御部)は、通信部を介して代理店端末17から受信した申込書データを用いて交付管理テーブル(図3)用のレコードを生成し、約款交付管理DB1551内の交付管理テーブル(図3)に格納する(ステップS7)。
【0037】
この段階では、レコードには申込書番号の列300、顧客番号の列302、顧客メール・アドレスの列304、契約申込内容の列306及び登録日時の列312の値が記録され、約款交付済フラグの列308及び計上フラグの列314には初期値として"0"が記録される。交付約款の列310の値については、以下に述べる処理によって特定されるため、NULL値が記録されるか又は何も記録されない。なお、顧客がメール・アドレスを有しない等、約款データの受信が不可能な場合は、顧客メール・アドレスの列304には何も記録されない。例えば、図3の交付管理テーブルにおいて顧客番号の列304のうち、00007777の顧客については、約款データの受信が不可能な顧客であるため、顧客メール・アドレスの列304には空白のまま何も記されていない。
【0038】
一方で、代理店端末17は、保険契約の申込み処理を終了するかどうかを判定する(ステップS9)。例えば、図示しない保険契約申込用システムの画面で、終了ボタンが押されたかどうかを判定する。まだ終了しないと判定された場合には、ステップS1からの申込書データ受付処理を繰り返す。終了と判定された場合には、代理店による申込書番号の入力を受け付ける(ステップS11)。ここでは、複数の保険契約申込みが存在した場合に、代理店が顧客に対して約款を送信するために特定した、交付管理テーブル(図3)のレコードにおける申込書番号の入力を受け付ける。というのも、顧客はどんな内容で加入するかを検討するために、暫時、複数タイプの保険契約の申込みがなされる場合があるためである。そして代理店端末17は、入力された申込書番号を契約計上サーバ155に対して送信する(ステップS13)。
【0039】
契約計上サーバ155(制御部)は、代理店端末17から申込書番号を受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS15)。処理は端子Aを介して図5の処理に移行する。
【0040】
契約計上サーバ155(制御部)は、代理店端末17から受信した申込書番号を用いて約款交付管理DB1551を検索し、交付管理テーブル(図3)のレコードを特定する(ステップS17)。そして、特定されたレコードの契約申込内容の列306の値に対応する約款ファイルを特定する(ステップS19)。例えば約款番号を記憶装置(HDD1555など)に格納する。また、契約計上サーバ155(制御部)は、特定されたレコードの顧客番号の列302の値と同じ顧客番号を含み且つ約款交付済みフラグが"1"であるレコードを検索して抽出する(ステップS21)。抽出した結果、レコードが存在するかどうか判定し(ステップS23)、存在しないと判定された場合には、特定されたレコードの交付約款の列310に契約申込内容の列306の値をそのまま登録する(ステップS27)。すなわち、当該顧客に対しては以前に約款を送付していないため、今回の契約申込内容に対応し且つ交付が必要な約款を全て交付するように設定する。
【0041】
一方で、ステップS23においてレコードが存在すると判定された場合には、契約計上サーバ155(制御部)は、ステップS17の処理で特定されたレコードの契約申込内容の列306の値と、ステップS21の処理で抽出されたレコードの交付約款の列310の値とから、未だ交付済みでない約款を特定する(ステップS25)。例えば約款番号を記憶装置に格納する。この場合には、ステップS17の処理で特定されたレコードの交付約款の列310に、ステップS25で特定された未だ交付済みでない約款を表すデータ(約款番号)を登録する(ステップS26)。なお、ステップS21の処理で抽出されたレコードが複数存在する場合には、契約計上サーバ155(制御部)は、交付約款の列310の値をレコード数分合わせて交付済みの約款を特定する。例えば2つのレコードが抽出され、交付約款の列310の値が"0001"及び"0203"であった場合には、交付済みの約款の約款番号は"00"、"01"、"02"及び"03"である。また、交付が必要な約款が全て交付済みであった場合には、ステップS27の処理において、ステップS17の処理で特定されたレコードの交付約款の列310に、所定の「交付約款なし」を表す値を登録するか、又は何も登録しないようにする。
【0042】
契約計上サーバ155(制御部)は、交付が必要な約款(ここでは既に交付済みの約款が無い場合)又は今回交付すべき約款が特定できたら、顧客が約款データの受信が可能かどうかを判定する(ステップS27)。そして、約款データを受信不可能であると判定された場合(ステップS27:Noルート)、契約計上サーバ155(制御部)は図示しないプリンタ等を用いて約款データの印刷処理を行う(ステップS28)。そして印刷された約款は、別途、保険会社などから顧客に対して送付される。一方、顧客が約款データを受信可能であると判定された場合(ステップS27:Yesルート)、契約計上サーバ155(制御部)は約款データの顧客への送信方法を判定する(ステップS30)。この判定は、予め定められたいずれかの方法に固定してもよいし、顧客の希望に合わせてもよい。メールの添付ファイルで送信すると判定された場合には、端子Bを介して図6の処理に移行する。また、メールの添付ファイルでは送信しないと判定された場合には、顧客にファイルをダウンロードしてもらうため、申込書番号毎のダウンロード用ページのURL(Uniform Resource Locator)を生成してURL記憶部に格納し(ステップS31)、端子Cを介して図7の処理に移行する。契約計上サーバ155の制御部は、通信部を介していずれかの方法で送信する。
【0043】
次に、端子Bを介して遷移した処理について図6を用いて説明する。
【0044】
契約計上サーバ155(制御部)は通信部を介して、今回顧客に交付すべき約款データを、例えば1つのファイルに合成した上で、メールの添付ファイルとして顧客(例えばユーザ端末13を使用する)に送信する(ステップS33)。但し、1つのファイルに合成せずに送る場合もある。ユーザ端末13は、顧客の指示に応じて、契約計上サーバ155からのメールを受信して表示装置に表示する(ステップS35)。そしてユーザ端末13は、メールを受信したことを通知するために、開封確認メールを契約計上サーバ155に送信する(ステップS37)。ここで、開封確認メール送信の仕組みとしては、メーラの機能を使用するような構成であってもよいし、例えば開封確認ボタンを顧客が押すことによってメールが送信されるような構成であってもよい。そしてユーザ端末13は、自動的に又は顧客の操作に従い、図示しないユーザ端末13のHDD等の記憶装置に、受信したメールの添付ファイル(約款データ)を格納する(ステップS39)。
【0045】
一方で契約計上サーバ155(制御部)は、通信部を介してユーザ端末13からの開封確認メールを受信(ステップS41)した場合には、対応する交付管理テーブル(図3)のレコードを特定し、約款交付済フラグの列308の値を"1"に設定する(ステップS43)。
【0046】
次に、端子Cを介して遷移した処理について図7を用いて説明する。
【0047】
契約計上サーバ155(制御部)は、ステップS31の処理で生成した約款ダウンロード用ページのURLを、通信部を介して顧客(例えばユーザ端末13を使用する)に送信する(ステップS45)。ユーザ端末13は、顧客の指示に応じて、契約計上サーバ155(制御部)からのメールを受信して表示装置に表示する(ステップS47)。表示されたURLを、顧客がクリックしたりWebブラウザのアドレス欄に入力した場合には、ユーザ端末13は顧客からの操作を受け付け、約款ダウンロード用ページ・データの要求を契約計上サーバ155に送信する(ステップS49)。なお、ユーザ端末13が送信するデータは、Webページを表示するためのものであり、実際には図示しないWebサーバに対して送信する。そしてWebサーバは、契約計上サーバ155のHDD1555や契約計上サーバ155(制御部)が管理する約款交付管理DB1551にアクセスして処理を行う。ここでは説明を分かりやすくするために、サーバ側の処理は契約計上サーバ155が行うものとしている。
【0048】
契約計上サーバ155(制御部)は、ユーザ端末13から約款ダウンロード用ページ・データの要求を通信部を介して受信する(ステップS51)。なお、約款ダウンロード用ページのURLは、ステップS31において申込書番号毎に生成されているため、逆にURLから申込書番号を特定することができる。契約計上サーバ155(制御部)は、受信したURLから申込書番号を特定する(ステップS53)。さらに、特定した申込書番号を用いて約款交付管理DB1551を検索し、交付管理テーブル(図3)のレコードを特定する。特定されたレコードの交付約款の列310の値から、今回交付すべき約款を特定する(ステップS55)。特定された約款番号は記憶装置に格納される。例えば、特定されたレコードの交付約款の列310の値が"0001"であった場合には、今回交付すべき約款の番号は、"00"及び"01"である。
【0049】
契約計上サーバ155(制御部)は、約款ダウンロード用ページ・データを生成し、ユーザ端末13に通信部を介して送信する(ステップS57)。ユーザ端末13は、契約計上サーバ155から通信部を介して送信された約款ダウンロード用ページ・データを受信し、表示装置に表示する(ステップS59)。ユーザ端末13は、顧客による約款ダウンロードの操作を受け付けた場合には、約款ダウンロード要求を契約計上サーバ155に対して送信する(ステップS61)。契約計上サーバ155(制御部)は通信部を介して、ユーザ端末13から約款ダウンロード要求を受信する(ステップS63)。そして契約計上サーバ155(制御部)は、今回交付すべき約款データを1つのファイルに合成してユーザ端末13に対して送信する(ステップS65)。約款データを1つのファイルに合成することにより、顧客の約款のダウンロード処理及び保険会社のダウンロード(交付)管理が容易になる。契約計上サーバ155(制御部)は、ユーザ端末13への送信が完了した時点で、顧客に対して約款を送信したことを示す記録として、交付管理テーブル(図3)の対応するレコードの約款交付済フラグを"1"に設定する(ステップS67)。
【0050】
一方、ユーザ端末13は、通信部を介して契約計上サーバ155(制御部)から送信された約款ファイルを受信する(ステップS69)。そしてユーザ端末13は、自動的に又は顧客の操作に従い、図示しないユーザ端末13のHDD等の記憶装置に、受信した約款ファイルを格納する(ステップS71)。
【0051】
以上では、申込書が作成される際に、都度、交付が必要な約款や今回交付すべき約款データを特定した交付するようにしていたが、約款データの交付は計上時点にまとめて行うようにしてもよい。この場合、契約計上サーバ155(制御部)は顧客の新規の保険契約を計上した時点で、約款交付管理DB1551を検索し、交付管理テーブル(図3)のレコードを特定する。そして、交付管理テーブル(図3)において、計上フラグを"1"に設定するのと併せて、当該申込書番号の契約内容の列306の値に対応する約款ファイルを特定する。その上で、約款データの受信が可能な顧客については、当該保険契約に対応して顧客に交付することが必要な約款データとして特定された約款ファイルを送信する。この場合、図5のステップS21からステップS26までの処理は省略することになる。また、約款データの受信が不可能な顧客については、契約計上サーバ155(制御部)は保険証券印刷機1553に対して交付が必要な約款の印刷処理の指示を行う。
【0052】
次に、図8における処理について説明する。契約計上サーバ155(制御部)は、約款交付管理DB1551の交付管理テーブル(図3)を検索して、計上フラグの列314の値が"1"であるレコードを抽出する(ステップS73)。すなわち、計上指示が代理店端末17から受信された申込書番号に対応して計上フラグの列314に"1"を登録しておくものとする。そして、ステップS73において抽出されたレコードから、さらに特定の顧客のレコードを顧客番号を用いて抽出する(ステップS75)。そして顧客番号によって抽出されたレコードの約款交付済フラグの列308の値を判定する(ステップS77)。全て"1"であるかどうか判定し(ステップS79)、全て"1"であると判定された場合には、交付すべき約款は顧客に交付済みであるため、当該保険契約の証券を例えばハガキ形式で保険証券印刷機1553により印刷する(ステップS81)。または、図示しない証券印刷システムに印刷指示を出力するような構成でもよい。また、ステップS79において、全て"1"ではない(少なくとも1つは"1"ではない)と判定された場合には、約款交付済フラグの列308の値が"0"であるレコードの交付約款の列310の値から、約款(約款番号)を特定する(ステップS83)。特定された約款番号は記憶装置に格納される。
【0053】
交付約款の列310の値の特性から、顧客単位で重複する値(約款番号)は存在しないため、顧客に交付すべき約款のうち、未だ顧客に交付済みでない約款(約款番号)が、以上の処理により特定できる。例えば、同一顧客(交付管理テーブル(図3)の顧客番号00001111)について、第1のレコード(申込書番号00000001)において契約申込内容の列306の値が"0001"、約款交付済みフラグの列308の値が"1"、交付約款の列310の値が"0001"、計上フラグの列314の値が"0"であり、第2のレコード(申込書番号00000002)において契約申込内容の列306の値が"00010210"、約款交付済みフラグの列308の値が"1"、交付約款の列310の値が"0210"、計上フラグの列314の値が"1"であり、第3のレコード(申込書番号00000003)において契約申込内容の列306の値が"00010510"、約款交付済みフラグの列308の値が"0"、交付約款の列310の値が"05"、計上フラグの列314の値が"0"であったとする。つまり、顧客が3つの契約タイプの内、申込書番号00000002を最終的に選択して契約したとする。計上フラグの列314の値から、計上の対象となるのは第2のレコードだけであり、顧客に交付が必要な約款(約款番号)は、契約申込内容の列306の値の"00010210"に示される"00"、"01"、"02"及び"10"である。ここで、第1のレコード及び第2のレコードの、約款交付済みフラグの列308の値及び交付約款の列310の値から、約款が"00"及び"01"と、"02"及び"10"との2回に分けて交付され、顧客は必要とする"00"、"01"、"02"及び"10"で示される約款を全て受信したことが分かる。
【0054】
これを図8の処理フローに当てはめてみると、ステップS73において第2のレコードだけが抽出される。ステップS75は、ステップS73で抽出したレコードを同一顧客についてさらに抽出するステップがあり、ここでは既に同一顧客のレコードが抽出されているためそのまま通過する。そして、ステップS77において約款交付済フラグが"1"と判定される。レコードは1つなのでステップS79において「Yes」と判定され、ステップS81の処理へ進む。約款の追加送信は必要ないケースであったため、正しく処理が行われることが分かる。
【0055】
一方、第3のレコードの計上フラグの列314の値が"1"であり、他の全ての条件は上で述べたケースと同じ場合であったとする。すなわち、第2のレコード及び第3のレコードの計上フラグの列314の値が"1"であるものとする。その場合、計上フラグの列314の値から、計上の対象となるのは第2のレコードと第3のレコードとなる。顧客に交付が必要な約款(約款番号)は、契約申込内容の列306の値からの重複を除くと"00"、"01"、"02"、"05"及び"10"である。ここで、第2のレコード及び第3のレコードの、約款交付済みフラグの列308の値及び交付約款の列310の値から、約款が"00"及び"01"と、"02"及び"10"との2回に分けて交付され、顧客は必要とする"00"、"01"、"02"、"05"及び"10"で示される約款のうち、"00"、"01"、"02"、及び"10"を受信したことが分かる。すなわち、"05"で示される約款を顧客に追加送信する必要がある。こうした判定処理が契約計上サーバ155(制御部)によってなされる。
【0056】
これを図8の処理フローに当てはめてみると、ステップS73において、契約計上サーバ155(制御部)により第2のレコード及び第3のレコードが抽出される。ステップS75は、ステップS73で抽出したレコードを同一顧客についてさらに抽出するステップであり、ここでは既に同一顧客のレコードが抽出されているためそのまま通過する。そして、ステップS77において第2のレコードの約款交付済フラグは"1"、第3のレコードの約款交付済フラグは"0"と判定される。第3のレコードが"0"のため、ステップS79において「No」と判定され、契約計上サーバ155(制御部)による処理はステップS83の処理へ進む。そして、ステップS83の処理において第3のレコードの交付約款の列310の値から約款番号"05"が特定される。"05"で示される約款の顧客への追加送信が必要なケースであったため、正しく処理が行われることが分かる。
【0057】
このように、同一顧客が1つの契約タイプを選択した場合だけではなく、例えば同一顧客が2台以上の車両についてそれぞれ異なる契約タイプの自動車保険を申し込む場合であっても本実施の形態では対処可能である。
【0058】
なお、ここでは同一顧客が例えば複数の車両にそれぞれ自動車保険契約を申し込む場合、複数の自動車保険契約間で約款を共有して利用するような仕組みとしている。しかし本実施の形態に代えて、同一契約者であっても、例えば個々の自動車保険契約毎に交付が必要な約款を全て交付するようにしても良い。すなわち、約款交付の管理を個々の保険対象毎(あるいは保険契約毎)に行い、各保険対象毎に約款交付状況を管理しても良い。そして、同一の保険契約のために複数の申し込み(複数タイプの契約申し込み)がなされた場合、その都度重複した約款を交付するのではなく、先の申し込みで交付済みの約款を改めて交付せずに後の申し込みに対応して未交付の約款(今回交付が必要な約款)のみを交付する。
【0059】
以上説明したようにステップS83では、何らかの原因により、顧客が約款を受信したという確認がとれなかったケースを契約計上サーバ155(制御部)が抽出している。そして、このようなケースでは約款を紙(冊子)で顧客に対して送付するため、契約計上サーバ155(制御部)はステップS83で特定された約款及び当該契約の証券を保険証券印刷機1553を使用して印刷する(ステップS85)か、または印刷処理するように指示をする。あるいは、既存の約款冊子が印刷された証券と共に封筒に封入される。
【0060】
なお、図8の処理フローは、契約計上サーバ155におけるシステム時間を制御部が取得することによって、所定の周期(例えば1日)で実施することを前提としたフローとなっている。しかし、あるレコードの計上フラグが"1"にセットされた場合や他の任意のタイミングを制御部が検知して、その時点で実施するようにしても良い。また、あるレコードに着目して、当該レコードの計上タイミングから所定時間経過後に実行するといった構成を採用する場合もある。
【0061】
なお、ステップS79において「No」と判定された場合、ステップS83の処理に代えて、顧客が最終的に選択して計上された契約申込内容に対応し且つ交付が必要な約款(約款番号)を特定して、そのすべてを印刷するようにしてもよい。つまり、計上された契約申込内容に対応し、交付が必要な約款(約款番号)として、契約申込内容の列306の値から約款番号(例えば第3レコードが計上された場合には、"00"、"01"、"05"及び"10")を特定して、それらを印刷処理するようにしてもよい。
【0062】
契約計上サーバ155(制御部)は、ステップS73において抽出されたレコードの全顧客について、以上の処理を行ったかどうか判定し(ステップS87)、全顧客について処理が終了していないと判定された場合には、ステップS75からの処理を繰り返す。また、全顧客について処理が終了したと判定された場合には、交付管理テーブルの計上済みのレコードをクリアする(ステップS89)。
【0063】
次に、交付済みの約款データの内、実際の契約にいたらなかったために適用されないものを、顧客に通知する処理について説明する。
【0064】
例えば、交付管理テーブル(図3)の顧客番号00002222の顧客について見ると、申込書番号00000004については、契約申込内容の列306の値が"00010203"であり、交付約款の列310の値も"00010203"であり、約款交付済みフラグの列308の値が"1"であることから"00"、"01"、"02"、及び"03"の約款データが交付済みであることが契約計上サーバ155(制御部)によって確認される。また、申込書番号00000005については、契約申込内容の列306の値が"000102"であり、申込書番号00000004においてすでにこれに対応する約款データが交付済みであることから、交付約款の列310は空白となっている。そして、申込書番号00000005については、計上フラグの列314の値が"1"であり、申込書番号00000004の計上フラグの列314の値が"0"となっている。つまり、顧客番号000022の顧客は、申込書番号00000004と、申込書番号0000005の契約内容で検討した結果、最終的に申込書番号00000005の内容で契約締結し、その契約データが計上されたことになる。
【0065】
すなわち、申込書番号00000004の交付約款の列310の値のうち、"03"に対応する約款がすでに交付されたにもかかわらず、最終的には計上された契約に照らすと不必要な約款であったことになる。そこで、契約計上サーバ155(制御部)は、申込書番号00000005について計上フラグを"1"に更新した時点で、図示しないが交付管理テーブル(図3)の別途設けられた削除約款の列に"03"の値を設定する。さらに、契約計上サーバ155(制御部)は、"03"に対応する約款が実際に契約された保険契約においては適用されないことを知らせるために、図9に例として示した内容の通知を通信部を介して行う。図9には、契約加入へのお礼の言葉、送信内容の説明文、適用とならない約款の名称、約款番号、さらに約款の内容が記載されている。契約計上サーバ155(制御部)は、図9に示した送信内容を所定のデータ記録領域(例えばHDD1555)から抽出して生成する。
【0066】
また、交付管理テーブル(図3)の顧客番号00004444の顧客について見ると、申込書番号00000007については、契約申込内容の列306の値が"000103"であり、交付約款の列310の値が"000103"となっており、約款交付済みフラグの列308の値が"1"であることから"00"、"01"及び"03"の約款データが交付済みであることが契約計上サーバ155(制御部)によって確認される。なお、計上フラッグの列の314の値が"1"となっており、この内容で契約が締結されたことが確認できる。また、申込書番号00000008については、契約申込内容の列306の値が"00010414"であり、交付約款の列310の値が"0414"となっており、約款交付済みフラグの列308の値が"1"であることから"04"及び"14"の約款データがすでに交付済みであることが契約計上サーバ155(制御部)によって確認される。
【0067】
そして、申込書番号00000008については、計上フラグの列314の値は"0"となっている。すなわち顧客番号00004444の顧客は、申込書番号000000007と、申込書番号00000008の内容で検討した結果、最終的に申込書番号000000007の内容で契約締結し、その契約データが計上されたことになる。つまり、申込書番号00000008の交付約款の列310の値、"0414"に対応する約款はすでに交付されたにもかかわらず、最終的に計上された契約に照らすと不必要な約款であったことになる。そこで、契約計上サーバ155(制御部)は、申込書番号00000007について計上フラグを"1"に更新した時点で、図示しないが交付管理テーブル(図3)の申込書番号00000008の別途設けられた削除約款の列の値を"0414"と設定する。さらに、契約計上サーバ155(制御部)は、"0414"に対応する約款が実際に契約された保険契約においては適用されないことを知らせるための通知を通信部を介して行う。通知内容は、図9に示したのと同様の方法を採ることができる。
【0068】
なお、適用されない約款を通知するための方法は、以上で示したような方法に代えて、あらためて交付が必要な約款をすべて送信し直してもよい。その場合、送信内容の説明文としては、例えば「この度ご契約いただきました保険契約については、下記記載の約款の内容が適用されることになります。過日お送りした約款データは削除いただき、本データを保存いただきますようお願いいたします。」といった内容になる。契約計上サーバ155(制御部)は、交付が必要な約款をすべて抽出し、併せてそれに対応する説明文を付加して送信内容を生成し、通信部を介して顧客に送信する。
【0069】
このように約款データを受信可能な顧客に対して交付が必要な約款をネットワークを介した送信によって交付することで、保険会社は郵送によって約款を交付することよる通信費や負荷を削減できる。また、顧客は適用される約款のみを、都度、入手することが可能となり、保険加入の参考資料として利用することができる。さらに、今回交付すべき約款を特定することで、複数の保険契約タイプについて検討したうえで契約内容を決定したり、保険契約申込書の修正を行うなどの原因によって、約款を交付済みの顧客に対してさらに約款を交付するような場合に、顧客に交付済みの約款データを特定することにより、重複した約款データの送信を避けることができる。また、不必要となった約款について、対象外という通知を行うことで、顧客の契約内容に関する誤解を防止することができる。こうして、保険会社や顧客は通信及び処理負荷の削減を図ることができる。また、顧客が何らかの理由により約款を受信しなかった場合又は受信できなかった場合にも、冊子に印刷して郵送するなどの対応処理が可能となる。
【0070】
[実施の形態2]
本発明の第2の実施の形態に係るシステム構成図を図10に示す。例えばパーソナル・コンピュータであるユーザ端末23は、図示しないがメーラ機能及びウェブ(Web)ブラウザ機能を備えており、無線又は有線によりメールの送受信を行うこと及びインターネットに接続してホームページを閲覧することが可能となっている。
【0071】
例えばインターネットであるネットワーク21には、1又は複数のユーザ端末23の他、保険契約の計上処理等を行う1又は複数の契約計上サーバ255、例えばメーラ機能及び保険契約申込機能を備えたパーソナル・コンピュータである1又は複数の代理店端末27が接続されている。
【0072】
契約計上サーバ255には、顧客の保険契約状況に関連するデータが格納されている契約管理DB2551が接続されている。また、契約計上サーバ255のHDD2555には、顧客に交付するための約款データが例えば約款ファイルとして格納されている。保険契約の分類方法や特約の種類によって、対応する約款ファイルは何種類であってもよい。 また、契約計上サーバ255には、図示しないが制御部と通信部とが設けられている。制御部の処理の詳細については、後の処理フローの説明において述べるが、例えば、約款交付管理DB2551の管理や、HDD2555に格納されている約款ファイルやその他データの管理等の処理を行う。通信部は、約款ファイルの顧客などへの伝送等の処理を行うための通信インタフェイスである。
【0073】
また、保険会社25には、図示しないWebサーバがあり、約款ファイルのダウンロード用ホームページの管理を行う。また、図示しないメール・サーバにより、顧客に対してメール送信等を実施する。その他、契約計上サーバ255又は図示しないその他のサーバによって管理される保険契約DB、顧客管理DB及び代理店DB等、保険業務処理を行うためのシステムが設置されている。また、契約計上サーバ255には図示しない保険証券又は異動承認書印刷機が接続されている。
【0074】
なお、契約計上サーバ255やその他の図示しないサーバは必ずしも保険会社25の内部に設置されている必要はなく、同様の機能が実現できればアウトソーシング等により外部に設置されるような構成であってもよい。
【0075】
また、ネットワーク21を経由する通信には、図示していないがドメイン・ネーム・サーバ(DNS)、メール・サーバ、ファイア・ウォール等の、インターネット接続やメール送受信に必要な機器及び機能を使用するものとする。
【0076】
契約管理DB2551には、例えば約款テーブル(図2)と以下に説明する契約管理テーブルとが含まれている。契約管理テーブルの構成及び格納されるデータの一例を図11に示す。
【0077】
図11に示す契約管理テーブルの例では、証券番号の列100、証券ファイル保存場所の列102、顧客番号の列104、顧客メール・アドレスの列106、契約内容の列108、交付約款の列110、約款交付済フラグの列112、顧客交付済約款の列114、契約計上日/異動承認日の列116及び削除フラグの列118が含まれている。レコードは顧客の保険契約毎に生成され、キーとなる証券番号の列100によって特定される。なお、図11の例では証券番号の列100の値だけを見ると重複しているレコードが存在するが、削除フラグの列118の値によって、有効なレコードと無効なレコードとの判別を可能にし、有効なレコードは重複しないような構成となっている。
【0078】
証券ファイル保存場所の列102には、例えば図示しない保険証券発行システムによって生成された保険証券ファイルの物理的な保存(格納)場所が登録される。本実施の形態では保険証券を電子ファイルで取扱うため、保険証券を印刷したり顧客に送信したりする時に、この証券ファイル保存場所の列102の値から保険証券ファイルを特定する。
【0079】
顧客番号の列104には顧客を特定するIDが登録され、図示しない顧客管理DB等によって顧客の氏名や住所などの情報が導出できるような構成になっている。顧客メール・アドレスの列106には保険証券データ及び約款データ送信の際の宛先となる電子メール・アドレスが登録される。本実施の形態では、一連の処理において参照するテーブルの数を少なくするために非正規化しているが、正規化して契約管理テーブル(図11)には顧客メール・アドレスの列106を含めず、メール送信する際には顧客番号の列104の値から導出するような構成であってもよい。
【0080】
契約内容の列108には、当該保険契約の内容に対応した約款を表すデータが登録される。本テーブルの例では約款テーブル(図2)の約款番号の列200の値が1つ又は複数登録される。具体的には、例えばある顧客の契約内容が、総合自動車保険であり運転者家族限定特約を付加したものであった場合、約款テーブル(図2)の参照によって約款番号の列の値"00"及び"01"が特定される。この交付が必要な約款番号の特定は、特約等の契約内容の設定と必要な約款を対応付けしておき保険契約の際に自動になされるような構成であってもよいし、契約内容から代理店が判断するような構成であってもよい。そして、特定された約款番号を合成したデータが登録される。ここでは"00"及び"01"から合成された"0001"が、契約内容の列108に登録される。従って、契約内容の列108の値を使用した処理を行う際には、約款番号の桁数である例えば2桁づつに区切って処理を行うような構成となっている。
【0081】
交付約款の列110には、顧客に対して今回交付すべき(未だ交付済みでない)約款又は当該契約時に交付した約款を表すデータが登録される。なお、契約内容の列108と同様に、約款番号によってデータが構成される。このように、今回交付すべき約款は、交付が必要な約款の一部もしくは全部を含むことになる。また、約款交付済フラグの列112には、レコード生成時には"0"が設定され、送信した約款データを顧客が受信したと判定された場合には"1"が設定される。
【0082】
顧客交付済約款の列114には、当該顧客に対してこれまでに交付済みである約款の番号が全て登録される。例えば、これまでの契約に対応するレコードの顧客交付済約款の列114の値が"0001"であり、保険の異動が発生し、今回の保険契約の異動に対応するレコードの交付約款の列110の値が"05"であった場合には、今回の契約に対応するレコードの生成時には、顧客交付済約款の列114の値は"0001"が登録されているが、約款交付済フラグの列112の値が"1"に設定される際に顧客交付済約款の列114の値は"000105"に更新される。すなわち、顧客は既に約款番号"00"及び"01"に対応する約款の交付を受けており、今回は追加で約款番号"05"に対応する約款の交付を受けたので、これまでに当該顧客が交付を受けた約款は"00"、"01"及び"05"であるということを表している。そのため、交付約款の列110の値を登録する際には、当該顧客の前回の契約に対応するレコードの顧客交付済約款の列114の値と、今回の契約に対応するレコードの契約内容の列108の値とから今回交付すべき約款番号を特定して登録する。
【0083】
契約計上日/異動承認日の列116には、契約を計上した日付又は保険の異動が確定した日付が登録される。また、削除フラグの列118には、レコード生成時には"0"が設定(又は空白と)され、保険の異動処理などにより、これまでの契約に対応するレコードを無効にする場合には"1"が設定される。なお、不要になったレコードを削除するような構成であってもよい。
【0084】
次に、図12乃至図14を用いて図10に示したシステムの動作を説明する。
【0085】
契約計上サーバ255の制御部は、代理店(例えば代理店端末27)から顧客の保険契約に関するデータを通信部を介して受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS91)。契約計上サーバ255の制御部(以下、契約計上サーバ255における処理の説明において、単に契約計上サーバ255と表示したときは、制御部による処理を意味する。また契約計上サーバ255(制御部)と表示する場合もある。)は、契約内容から、交付が必要な約款ファイルを特定する(ステップS93)。この交付すべき約款ファイルの特定については、特約等の契約内容の設定と必要な約款を対応付けしておき保険契約申込の際に自動になされるような構成であってもよいし、契約内容から代理店が判断して契約計上サーバ255に送信するデータに含めておくような構成であってもよい。
【0086】
また、契約計上サーバ255(制御部)が代理店端末27から通信部を介して受信したデータには、例えば新規の保険契約か既契約保険の異動かを判定することができる情報が含まれており、契約計上サーバ255(制御部)は、当該保険契約は保険の異動であるかどうかを判定する(ステップS95)。新規の保険契約か既契約保険の異動かの判定は、例えば既存契約の証券番号データが含まれていなければ新規の保険契約であると判断し、既存契約の証券番号データが含まれていれば異動であると判断することができる。あるいは、新規の保険契約と既契約保険の異動のぞれぞれに固有のコード番号を保持させてもよい。契約計上サーバ255(制御部)は、これらデータの有無やデータの内容に基づき、新規の保険契約か既契約保険の異動かの判定を行う。
【0087】
異動であると判定した場合、契約計上サーバ255(制御部)は、受信したデータに含まれる契約番号をキーとして契約管理DB2551の契約管理テーブル(図11)を検索し、既契約保険のレコードを特定する(ステップS97)。特定されたレコードの顧客交付済約款の列114の値から、顧客に交付済みの約款ファイルを特定する(ステップS99)。契約計上サーバ255(制御部)は、ステップS93において特定された契約内容に対応した約款ファイルの情報と、ステップS99において特定された顧客に交付済みの約款ファイルの情報とから、今回顧客に交付すべき約款ファイルを特定する(ステップS101)。そして、ステップS97において特定されたレコードの削除フラグの列118の値を"1"に更新する(ステップS103)。また、ステップS99において特定された顧客に交付済みの約款ファイルの情報を顧客交付済約款の列114に含むレコードを生成し、契約管理DB2551の契約管理テーブル(図11)に新規に格納する(ステップS105)。
【0088】
例えば、保険の特約の追加(対応する約款の番号は"02")が発生し、今回の契約内容に対応する交付が必要な約款(約款番号)が"00"、"01"及び"02"であるとする。既契約内容に対応して交付済みの約款(約款番号)が"00"及び"01"である場合、今回顧客に対して送信すべき約款(約款番号)は"02"となる。ここで、契約計上サーバ255(制御部)は、顧客に交付済みの約款(約款番号)が"00"及び"01"であることを示す新しいレコードをDBに格納しておき、今回交付すべき"02"で示される約款を顧客が受信したことが確認された時に、顧客に交付済みの約款(約款番号)の情報に"02"が含まれるようにレコードを更新する。
【0089】
一方、ステップS95において異動ではないと判定した場合、契約計上サーバ255(制御部)は、契約管理DB2551の契約管理テーブル(図11)にレコードを新たに生成して格納する(ステップS107)。証券番号の列100、顧客番号の列104、顧客メール・アドレスの列106、契約内容の列108及び契約計上日/異動承認日の列116にはステップS91において受信したデータに基づいた値が記録され、約款交付済フラグの列112及び削除フラグの列118には初期値として"0"が記録される。また、証券ファイル保存場所の列102には保険証券データの物理的な格納場所が記録される。なお、当該顧客に対して交付済みの約款はないため、顧客交付済約款の列114にはNULL値が記録されるか又は何も記録されない。そして、今回交付すべき約款は契約内容に対応した全ての約款(すなわち交付が必要な約款)であるため、交付約款の列110には契約内容の列108と同じ値が記録される。
【0090】
今回交付すべき約款(又はステップS107経由の場合には交付が必要な約款)が特定できたら、契約計上サーバ255(制御部)は、顧客が約款データの受信が可能かどうかを判定する(ステップS108)。そして、約款データを受信不可能であると判定した場合(ステップS108:Noルート)、契約計上サーバ255(制御部)は図示しないプリンタ等に約款データの印刷指示を発することにより、約款の印刷処理を行う(ステップS109)。顧客が約款データを受信可能であると判定した場合(ステップS108:Yesルート)、契約計上サーバ255(制御部)は約款データ及び保険証券データの顧客への送信方法を判定する(ステップS110)。送信方法は予め固定的に設定してもよいし、顧客毎に異なる方法を採用してもよい。メールの添付ファイルで送信すると判定された場合には、端子Dを介して図13の処理に移行する。また、メールの添付ファイルでは送信しないと判定された場合には、顧客にファイルをダウンロードしてもらうため、保険証券番号毎のダウンロード用ページのURLを生成してURL記憶部に格納し(ステップS111)、端子Eを介して図14の処理に移行する。
【0091】
次に、端子Dを介して遷移した処理について図13を用いて説明する。
【0092】
契約計上サーバ255(制御部)は通信部を介して、今回顧客に交付すべき約款データ(複数の約款データが存在する場合にはそれらを合成した約款ファイルとしての約款データである場合もある)及び保険証券又は異動承認書をメールの添付ファイルとして顧客(例えばユーザ端末23を使用する)に送信する(ステップS113)。ユーザ端末23は、顧客の指示に応じて、契約計上サーバ255からのメールを受信して表示装置に表示する(ステップS115)。そしてユーザ端末23は、メールを受信したことを通知するために、開封確認メールを契約計上サーバ255に送信する(ステップS117)。ここで、開封確認メール送信の仕組みとしては、メーラの機能を使用するような構成であってもよいし、例えば開封確認ボタンを顧客が押すことによってメールが送信されるような構成であってもよい。そしてユーザ端末23は、自動的に又は顧客の操作に従い、図示しないユーザ端末23のHDD等の記憶装置に、受信したメールの添付ファイル(保険証券又は異動承認書データ及び約款データ)を格納する(ステップS119)。
【0093】
一方で契約計上サーバ255(制御部)は、ユーザ端末23からの開封確認メールを通信部を介して受信(ステップS121)した場合には、対応する契約管理テーブル(図11)のレコードを特定し、約款交付済フラグの列112の値を"1"に設定し、顧客交付済約款の列114の値を更新する(ステップS123)。顧客交付済約款の列114の値については、レコード生成時に既契約のデータ(交付済みの約款番号)が登録されていたのに対し、今回交付した約款番号を合せたものを更新データとする。例えば、交付約款の列110の値が"05"で、顧客交付済約款の列114の値が"0001"であった場合、ステップS123において顧客交付済約款の列114の値を"000105"に更新する。また例えば、交付約款の列110の値が"0001"で、顧客交付済約款の列114の値がNULL値であったか又は何も登録されていなかった場合、ステップS123において顧客交付済約款の列114の値を"0001"に更新する。
【0094】
次に、端子Eを介して遷移した処理について図14を用いて説明する。
【0095】
契約計上サーバ255(制御部)は、ステップS111の処理で生成した保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページのURLを通信部を介して顧客(例えばユーザ端末23を使用する)に送信する(ステップS125)。ユーザ端末23は、顧客の指示に応じて、契約計上サーバ255からのメールを受信して表示装置に表示する(ステップS127)。表示されたURLを、顧客がクリックしたりWebブラウザのアドレス欄に入力した場合には、ユーザ端末23は顧客からの操作を受け付け、約款ダウンロード用ページ・データの要求を契約計上サーバ255に送信する(ステップS129)。なお、ユーザ端末23が送信するデータは、Webページを表示するためのものであり、実際には図示しないWebサーバに対して送信する。そしてWebサーバは、契約計上サーバ255のHDD2555や契約計上サーバ255が管理する契約管理DB2551にアクセスして処理を行う。ここでは説明を分かりやすくするために、サーバ側の処理は契約計上サーバ255(制御部)が行うものとしている。
【0096】
契約計上サーバ255(制御部)は、ユーザ端末23から保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページ・データの要求を通信部を介して受信する(ステップS131)。契約計上サーバ255(制御部)は、保険証券又は異動承認書データを当該顧客以外に参照させないために、例えばパスワードによる認証処理を行う(ステップS133)。パスワードは例えば代理店等から顧客に提供されるものとする。また、生年月日を仮パスワードとしてもよい。また、契約計上サーバ255の通信部を介して行われる契約計上サーバ255(制御部)とユーザ端末23との通信には、例えばSSL(Secure Socket Layer)等の暗号化通信を利用するような構成であってもよい。
【0097】
また、保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページのURLは、ステップS111において保険証券番号毎に生成されているため、逆にURLから保険証券番号を特定することができる。契約計上サーバ255(制御部)は、受信したURLから保険証券番号を特定する(ステップS135)。さらに、特定した保険証券番号を用いて契約管理DB2551を検索し、契約管理テーブル(図11)のレコードを特定する。特定されたレコードの交付約款の列110の値から、今回交付すべき約款を特定する(ステップS137)。例えば、特定されたレコードの交付約款の列110の値が"0001"であった場合には、今回交付すべき約款の番号は、"00"及び"01"である。
【0098】
契約計上サーバ255(制御部)は、保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページ・データを生成し、通信部を介してユーザ端末23に送信する(ステップS139)。保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページには、契約管理テーブル(図11)の証券ファイル保存場所の列102の値を用いて生成されたリンク情報が含まれる。ユーザ端末23は、契約計上サーバ255から保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページ・データを受信し、表示装置に表示する(ステップS141)。
【0099】
ユーザ端末23は、顧客による保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロードの操作を受け付けた場合には、保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード要求を契約計上サーバ255に対して送信する(ステップS143)。契約計上サーバ255(制御部)は、ユーザ端末23から保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード要求を通信部を介して受信する(ステップS145)。そして受信したデータに基づいて契約計上サーバ255(制御部)は、今回交付すべき約款データを1つのファイルに合成して保険証券又は異動承認書データと共にユーザ端末23に対して通信部を介して送信する(ステップS147)。
【0100】
なお、保険証券又は異動承認書データと約款データとは別ファイルとして送信するが、対応関係にあるため、一回の送信処理で両方のファイルを顧客に送信できることが望ましい。例えば図示しないが保険証券又は異動承認書及び約款ダウンロード用ページに含まれるダウンロード・ボタンが顧客によって押された場合には、保険証券又は異動承認書ファイルと今回交付すべき約款ファイルと、の両方を顧客に送信するような構成であってもよい。契約計上サーバ255(制御部)は、ユーザ端末23への送信が完了した時点で、顧客に対して約款を送信したことを示す記録として、対応する契約管理テーブル(図11)のレコードを特定し、約款交付済フラグの列112の値を"1"に設定し、顧客交付済約款の列114の値を更新する(ステップS149)。
【0101】
一方、ユーザ端末23は、契約計上サーバ255から保険証券又は異動承認書及び約款ファイルを受信する(ステップS151)。そしてユーザ端末23は、自動的に又は顧客の操作に従い、図示しないユーザ端末23のHDD等の記憶装置に、受信した保険証券又は異動承認書及び約款ファイルを格納する(ステップS153)。
【0102】
ところで、何らかの原因により、顧客が約款を受信したという確認がとれなかった場合、約款等を紙(冊子)で顧客に対して送付するための処理を実施する必要がある。そのため、契約計上サーバ255(制御部)は、ステップS101で特定された約款及び当該異動に関する異動承認書を異動承認書印刷機などを使用して印刷するための指示を印刷機に対して発する。または、保険会社によって、既存の約款冊子が印刷された異動承認書と共に封筒に封入される。
【0103】
なお、契約計上サーバ255(制御部)は、約款データが交付済みであるかどうかの確認を、保険契約又は異動の計上時点若しくはその他の任意の時点において行うことができる。例えば、今回交付すべき約款データを送信した時や保険契約又は異動を計上した時などに基づいて特定される、所定の時点において確認することができる。例えば、約款データを送信した時もしくは計上した時から所定時間(例えば24時間)が経過した時点や、約款データを送信した時もしくは計上した時の含まれる日から2日後の午後3時(翌々日の午後3時)になった時点など、あらかじめ設定された所定の時点において確認する。
【0104】
約款データを送信した時もしくは計上した時から所定時間(例えば24時間)が経過した時点に確認する場合は、図示しないが契約管理テーブル(図11)において、約款データを送信した時もしくは計上した時刻データが契約計上サーバ255(制御部)によって記録され、かつそれ以降の経過時間が同様に記録される。また、翌々日の午後3時などといった所定の時点において確認する場合には、図示しないが契約管理テーブル(図11)において、約款データを送信した時もしくは計上した時刻データが契約計上サーバ255(制御部)によって記録され、それと共に予め設定されたルールに基づいて、確認すべき時点のデータが記録される。そして、契約計上サーバ255(制御部)は、契約計上サーバ255におけるシステム時間を取得して、経過時間を測定し、所定時間が経過した時点で上で述べたような必要な処理を実施する。
【0105】
また、既契約に対応して交付済みであった約款データの内、異動に伴って適用されなくなったものについては、契約計上サーバ255(制御部)は、通信部を介して顧客にその旨の通知をする。例えば、契約内容の列108の値が"00010203"で、交付約款の列110および顧客交付済約款の列114の値も"00010203"であり、そして約款交付済フラグの列112の値が"1"であった場合(契約管理テーブル(図11)の証券番号xxxzzz0012のケース)に、後日、異動によって、「運転者家族限定特約(約款番号「01」)」が削除されることとなったとする。この場合、契約計上サーバ255(制御部)は、"01"に対応する約款が適用されなくなることを知らせるために、図15に例として示した内容の通知を行う。図15には、契約加入に対するお礼の言葉、送信内容の説明文、対象の保険契約、適用とならない当該約款の内容等が記載されている。
【0106】
このようにすると、保険の異動などの原因によって、約款を交付済みの顧客に対してさらに約款を交付するような場合に、顧客に交付済みの約款データを特定することにより、重複した約款データの送信を避けることができる。そのため、保険会社や顧客は通信及び処理負荷の削減を図ることができる。また、異動によって適用されなくなった約款について、顧客に通知することで、顧客の契約内容に関する誤解を防止することができる。さらに、約款データとともに保険証券又は異動承認書データも送信することにより、保険会社及び顧客の、保険証券及び約款の管理が楽になる。また、顧客が何らかの理由により保険証券及び約款を受信しなかった場合又は受信できなかった場合にも、紙及び冊子を郵送するなどの対応処理が可能となる。
【0107】
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図1及び図10に示したシステム構成は一例であって他の構成であっても図1及び図10に示した実施パターンを実現することができればよい。例えばDB構成についても一例であって同様のデータを格納するためであれば、別の構成を採用するようにしてもよい。また、必要に応じて項目を追加又は削除するようにしてもよい。例えば約款テーブル(図2)については、同じ特約でも約款の改定等があれば新しい約款番号を付与して登録しておくような構成であってもよい。また、各サーバは1台による構成に限らず、複数台による構成であってもよい。例えば契約計上サーバ155や契約計上サーバ255が複数台で構成されていてもよい。また、保険証券ファイルを顧客に送信する際には、ファイルを暗号化して送信するような構成であってもよい。
【0108】
また、本実施の形態をまとめると以下のようになる。
【0109】
本実施の形態の第1の態様に係る、保険約款交付のための情報処理方法は、顧客の保険契約に関連するデータと顧客の属性データとを受信した場合、受信した保険契約に関連するデータに基づき顧客に交付が必要な約款を特定する約款特定ステップと、受信した顧客の属性データに基づき、約款特定ステップにおいて特定された約款の約款データを顧客が受信可能か否かを判断する受信可能性判断ステップと、受信可能性判断ステップにおいて受信可能であると判断された顧客に対して、約款特定ステップにおいて特定された約款の約款データを顧客宛に送信する送信ステップとを含む。これにより、ネットワーク対応が可能な顧客にはネットワークを介して約款データを送信することができ、保険会社は省力化を図ることができる。
【0110】
また、本実施の形態の第1の態様において、受信可能性判断ステップにおいて受信不可能であると判断された顧客に対して、約款特定ステップにおいて特定された約款の約款データを印刷処理する印刷処理ステップをさらに含むような構成であってもよい。ネットワーク対応が不可能な顧客等には印刷処理ステップにおいて印刷された約款を送付するようにするものである。なお、この場合においても交付が必要な約款だけが印刷されるので、消費資源の減量を図ることができるようになる。
【0111】
また、上で述べた約款特定ステップが、受信した保険契約に関連するデータに基づき顧客に交付が必要な約款を特定する第1特定ステップと、予め記憶装置に格納された顧客のデータに基づき当該顧客に交付済みの約款を特定する第2特定ステップと、第1特定ステップにおいて特定された約款と、第2特定ステップにおいて特定された約款とを用いて今回交付すべき約款を特定する第3特定ステップとを含み、上で述べた送信ステップにおいて、第3特定ステップにおいて特定された今回交付すべき約款の約款データを顧客宛に送信するような構成とすることも可能である。このように顧客に交付が必要な約款の約款データのうち、当該顧客に対して既に交付済みの約款の約款データを除いて送信することにより、通信負荷を減らすことができるようになる。
【0112】
本実施の形態の第2の態様に係る、保険約款交付ための情報処理方法は、顧客の保険契約に関連するデータを受信した場合、受信した保険契約に関連するデータに基づき顧客に交付が必要な約款を特定する第1特定ステップと、予め記憶装置に格納された顧客のデータに基づき当該顧客に交付済みの約款を特定する第2特定ステップと、第1特定ステップにおいて特定された約款と、第2特定ステップにおいて特定された約款とを用いて今回交付すべき約款を特定する第3特定ステップと、第3特定ステップにおいて特定された今回交付すべき約款の約款データを顧客宛に送信する送信ステップとを含む。すなわち、顧客に交付が必要な約款の約款データのうち、当該顧客に対して既に交付済みの約款の約款データを除いて送信することにより、重複した約款データを送信しないようにする。これにより、約款データを電子ファイルで送信する際には通信負荷の軽減を図ることができる。また、保険会社や顧客が約款データを紙に印刷するような場合には消費資源の削減を図ることができる。
【0113】
本実施の形態の第1及び第2の態様において、第2特定ステップにおいて特定された約款のうち、第1特定ステップにおいて特定された約款に含まれていない、不適用とされる約款を特定する不適用約款特定ステップをさらに含むような構成であってもよい。
【0114】
さらに、上で述べた不適用約款特定ステップにおいて特定された不適用とされる約款についての情報を含む約款適用取消情報を生成する取消情報生成ステップと、生成された約款適用取消情報を顧客宛に送信するステップとをさらに含むような構成であってもよい。これにより、顧客は読むべき約款を正確に把握できるようになる。
【0115】
また、本実施の形態の第1及び第2の態様において、受信した保険契約に関連するデータは、顧客の保険契約申込データ又は保険契約計上データである場合もある。これにより、例えば代理店端末から保険契約申込又は保険契約計上を受け付けた際に、未だ交付済みでない約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。すなわち、以前に保険契約申込を受けて交付した約款の約款データの一部又は全部を、再び同じ顧客に送信するようなことはせず、追加で交付が必要な約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。
【0116】
また、本実施の形態の第1及び第2の態様において、受信した保険契約に関連するデータは、顧客の保険異動データである場合もある。これにより、代理店端末から保険異動要求を受け付けた際に、未だ交付済みでない約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。すなわち、既契約保険の契約の際に交付した約款の約款データの一部又は全部を再び同じ顧客に送信するようなことはせず、追加で交付が必要な約款の約款データのみを顧客に送信することが可能となる。
【0117】
さらに、本実施の形態の第1及び第2の態様において、保険証券データを顧客宛に送信するステップをさらに含むような構成であってもよい。顧客は保険証券のデータ及び保険証券に対応した約款データを取得することができる。
【0118】
また、上で述べた本実施の形態の第1及び第2の態様における送信ステップにおいて、交付が必要な約款の約款データ又は今回送付すべき約款の約款データをメールの添付ファイルとして顧客に対して送信する、又は顧客のダウンロード要求により今回送付すべき約款の約款データを送信するような構成であってもよい。保険会社及び顧客のシステム環境や通信環境に合わせた形態での約款送信が可能となる。
【0119】
さらに、本実施の形態の第1及び第2の態様において、交付が必要な約款の約款データ又は今回交付すべき約款の約款データが複数ある場合、1つの約款ファイルに合成し、約款ファイル記憶部に格納するステップと、合成された約款ファイルのダウンロード用リンク情報を生成するステップと、生成されたダウンロード用リンク情報を顧客に対して通知するステップとをさらに含み、顧客がダウンロード用リンク情報を用いてダウンロードを指示した場合、送信ステップが実行されるような構成であってもよい。顧客は、約款ダウンロード用ホームページから今回の契約又は異動に対応した約款データを一括でダウンロードすることが可能となる。これにより、約款交付の管理も簡単になる。
【0120】
また、本実施の形態の第1及び第2の態様において、交付が必要な約款の約款データ又は今回交付すべき約款の約款データを顧客が受信したと判定された場合、顧客のデータに、交付が必要な約款の約款データ又は今回送付すべき約款の約款データが交付済みであることを表す情報を追加するステップをさらに含むような構成であってもよい。これにより、顧客に対して既に交付された約款の約款データを特定することが可能となる。また一方で、約款データを送信してから又はダウンロードを要求するメールを送信してから所定の期間、交付済みであることを表す情報が顧客のデータに追加されなかった場合には、約款を紙に印刷して郵送するような構成とすることも可能になる。
【0121】
さらに、本実施の形態の第1及び第2の態様において、交付が必要な約款の約款データ又は今回交付すべき約款の約款データを顧客に送信した時、又は保険契約に関連するデータに基づいて保険契約が計上された時、に基づいて特定される時点において、交付が必要な約款の約款データ又は今回交付すべき約款の約款データを顧客が受信したと判定されない場合、当該約款データを印刷処理するステップをさらに含むような構成であってもよい。これにより、何らかの理由で受信されなかった約款を別途顧客に送付するためである。
【0122】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、顧客に対して適切な内容の約款交付を適切な方法にて行うための情報処理技術を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるシステム概要図である。
【図2】約款テーブルの構成及び格納されるデータの一例を示す図である。
【図3】交付管理テーブルの構成及び格納されるデータの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態における処理フロー(その1)を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態における処理フロー(その2)を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態における処理フロー(その3)を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態における処理フロー(その4)を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態における処理フロー(その5)を示す図である。
【図9】約款の不適用通知の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2におけるシステム概要図である。
【図11】契約管理テーブルの構成及び格納されるデータの一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2における処理フロー(その1)を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態2における処理フロー(その2)を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2における処理フロー(その3)を示す図である。
【図15】約款の不適用通知の一例を示す図である。
【符号の説明】
11 ネットワーク 13 ユーザ端末
15 保険会社 17 代理店端末
155 契約計上サーバ 1551 約款交付管理DB
1553 保険証券印刷機 1555 契約計上サーバHDD
21 ネットワーク 23 ユーザ端末
25 保険会社 27 代理店端末
255 契約計上サーバ 2551 契約管理DB
2555 契約計上サーバHDD

Claims (6)

  1. 顧客の保険契約に関連するデータと顧客の属性データとを受信し、記憶装置に格納する受信ステップと、
    前記受信ステップにおいて前記記憶装置に格納された前記保険契約に関連するデータに基づき前記顧客に交付が必要な約款を特定し、当該約款の識別データを必要約款識別データ格納部に格納する約款特定ステップと、
    前記受信ステップにおいて前記記憶装置に格納された前記顧客の属性データに基づき、前記約款特定ステップにおいて特定され且つ前記必要約款識別データ格納部に識別データが格納された約款の約款データを前記顧客が受信可能か否かを判断する受信可能性判断ステップと、
    前記受信可能性判断ステップにおいて受信可能であると判断された前記顧客に対して、前記約款特定ステップにおいて特定され且つ前記必要約款識別データ格納部に識別データが格納された前記約款の約款データを送信する送信ステップと、
    を含み、
    前記約款特定ステップが、
    受信した前記保険契約に関連するデータに基づき前記顧客に交付が必要な約款を特定し、当該約款の識別データを前記必要約款識別データ格納部に格納する第1特定ステップと、
    前記受信ステップにおいて前記記憶装置に格納されたデータに含まれる前記顧客の識別データを用いて顧客データ格納部を検索することにより読み出された前記顧客のデータに基づき当該顧客に交付済みの約款を特定し、当該顧客に交付済みの約款の識別データを交付済約款識別データ格納部に格納する第2特定ステップと、
    前記第1特定ステップにおいて特定され且つ前記必要約款識別データ格納部に格納された前記約款の識別データと、前記第2特定ステップにおいて特定され且つ前記交付済約款識別データ格納部に格納された前記顧客に交付済みの約款の識別データとを用いて今回交付すべき約款を特定し、当該約款の識別データを交付約款識別データ格納部に格納する第3特定ステップと、
    を含み、
    前記送信ステップにおいて、前記第3特定ステップにおいて特定され且つ前記交付約款識別データ格納部に識別データが格納された前記今回交付すべき約款の約款データを前記顧客宛に送信することを特徴とする
    コンピュータにより実行される、保険約款交付のための情報処理方法。
  2. 顧客の保険契約に関連するデータを受信し、記憶装置に格納する受信ステップと、
    前記受信ステップにおいて前記記憶装置に格納された前記保険契約に関連するデータに基づき前記顧客に交付が必要な約款を特定し、当該約款の識別データを必要約款識別データ格納部に格納する第1特定ステップと、
    前記受信ステップにおいて前記記憶装置に格納されたデータに含まれる前記顧客の識別データを用いて顧客データ格納部を検索することにより読み出された前記顧客のデータに基づき当該顧客に交付済みの約款を特定し、当該顧客に交付済みの約款の識別データを交付済約款識別データ格納部に格納する第2特定ステップと、
    前記第1特定ステップにおいて特定され且つ前記必要約款識別データ格納部に格納された前記約款の識別データと、前記第2特定ステップにおいて特定され且つ前記交付済約款識別データ格納部に格納された前記顧客に交付済みの約款の識別データとを用いて今回交付すべき約款を特定し、当該約款の識別データを交付約款識別データ格納部に格納する第3特定ステップと、
    前記第3特定ステップにおいて特定され且つ前記交付約款識別データ格納部に識別データが格納された前記今回交付すべき約款の約款データを前記顧客宛に送信する送信ステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される保険約款交付のための情報処理方法。
  3. 前記第2特定ステップにおいて前記交付済約款識別データ格納部に格納された約款の識別データのうち、前記第1特定ステップにおいて前記必要約款識別データ格納部に格納された約款の識別データに含まれていない、不適用とされる約款の識別データを不適用約款識別データ格納部に格納する不適用約款特定ステップ
    をさらに含む請求項1又は2記載の保険約款交付のための情報処理方法。
  4. 前記不適用約款特定ステップにおいて前記不適用約款識別データ格納部に格納された前記約款の識別データに対応する約款についての情報を含む約款適用取消情報を生成し、取消情報格納部に格納する取消情報生成ステップと、
    前記取消情報格納部に格納された前記約款適用取消情報を前記顧客宛に送信するステップと、
    をさらに含む請求項3記載の保険約款交付のための情報処理方法。
  5. 前記送信ステップにおいて送信された前記約款データを前記顧客が受信したと判定された場合、前記記憶装置に格納されたデータに含まれる前記顧客の識別データを用いて前記顧客データ格納部を検索することにより読み出された前記顧客のデータに、前記約款データが交付済みであることを表す情報を追加し、前記顧客データ格納部に格納するステップ
    をさらに含む請求項1又は2記載の保険約款交付のための情報処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の保険約款交付のための情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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