JP4333393B2 - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ内へ燃料を噴射する筒内噴射インジェクタと吸気管内へ燃料を噴射する管内噴射インジェクタとを備えたエンジンにおいて、エンジンの運転状態に基づいて各インジェクタの駆動態様を制御するエンジンの燃料噴射制御装置に関する。
こうしたエンジンでは、筒内噴射インジェクタと管内噴射インジェクタとにより要求噴射量の燃料をエンジンへ供給することが可能となっている。
この場合、要求噴射量(燃料噴射量の要求値)の一部が管内噴射インジェクタの噴射量として、残りが筒内噴射インジェクタの噴射量として設定されて各インジェクタによる燃料噴射が行われる。
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、以下に示す特許文献1が挙げられる。
特開2000−8916号公報
ところで、筒内噴射インジェクタは燃焼ガスに直接さらされるため、先端部へのデポジットの付着による噴射性能の低下が懸念される。デポジットは、インジェクタ先端部に残留している液状燃料から生成されるため、インジェクタ先端部の温度が低いとき(先端部に液状燃料が残留しやすいとき)には、デポジットの付着が促進される傾向にある。
上記エンジンにおいては、筒内噴射インジェクタと管内噴射インジェクタとを通じて燃料の噴射供給を行う場合、要求噴射量に占める筒内噴射インジェクタの燃料噴射量の割合が小さくなるため、混合気の燃焼速度が低下する。これにより、筒内噴射インジェクタが低温の状態となるため、デポジットの付着量の増加をまねくようになる。
こうした問題を回避するために、デポジットの付着量の増加が懸念される状況下では、要求噴射量に占める筒内噴射インジェクタの噴射量の割合を大きくすることもできるが、この場合には管内噴射インジェクタの噴射量の減量により燃焼状態の悪化をまねくことが想定される。
なお、従来のエンジンの燃料噴射制御装置としては、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。
同文献に記載の装置では、エンジンの始動時、要求噴射量の一部を管内噴射インジェクタにより噴射するとともに、同インジェクタの噴射量をエンジンの冷却水の温度に応じて可変設定するようにしている。
こうした装置を適用したエンジンにおいては、冷却水の温度が低いとき、筒内噴射インジェクタの燃料噴射量が少量となるため、デポジットの付着量の低減を図ることは困難といえる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼状態の悪化を極力抑制しつつ、筒内噴射インジェクタへのデポジットの付着を低減することのできるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、燃焼室に燃料を噴射する第1インジェクタ及び吸気通路に燃料を噴射する第2インジェクタを備えるとともに機関運転状態に基づいて要求噴射量を設定するエンジンにおいて前記第1インジェクタの燃料噴射量である第1噴射量及び前記第2インジェクタの燃料噴射量である第2噴射量を調整するものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの双方を用いる噴射形態Aと、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの一方を用いる噴射形態Bとを切り換えて燃料噴射を行うエンジンの燃料噴射制御装置において、前記噴射形態Aを選択しているとき、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記要求噴射量に対する前記第2噴射量の割合よりも大きく設定する第1噴射モードと、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記要求噴射量に対する前記第2噴射量の割合よりも小さく設定する第2噴射モードとを切り換えるものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタによる燃料噴射が実行される毎にそのときに選択している前記第1噴射モード及び前記第2噴射モードの一方の噴射モードを他方の噴射モードに切り換えて次の燃料噴射を行う制御手段を備えることを要旨としている。
(2)請求項2に記載の発明は、燃焼室に燃料を噴射する第1インジェクタ及び吸気通路に燃料を噴射する第2インジェクタを備えるとともに機関運転状態に基づいて要求噴射量を設定するエンジンにおいて前記第1インジェクタの燃料噴射量である第1噴射量及び前記第2インジェクタの燃料噴射量である第2噴射量を調整するものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの双方を用いる噴射形態Aと、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの一方を用いる噴射形態Bとを切り換えて燃料噴射を行うエンジンの燃料噴射制御装置において、前記噴射形態Aを選択しているとき、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合について機関運転状態に基づいて設定されるものを基本割合として、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記基本割合よりも大きく設定する第1噴射モードと、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記基本割合に設定する第2噴射モードとを切り換えるものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタによる燃料噴射が実行される毎にそのときに選択している前記第1噴射モード及び前記第2噴射モードの一方の噴射モードを他方の噴射モードに切り換えて次の燃料噴射を行う制御手段を備えることを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、前記第1噴射モードと前記第2噴射モードとの切り換えを気筒毎に行うことを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、エンジンに設けられる複数の気筒を第1グループ及び第2グループに区分し、これらグループのそれぞれに対して前記第1噴射モード及び前記第2噴射モードのうちの互いに異なる噴射モードを適用し、前記第1噴射モードと前記第2噴射モードとを切り換える条件が成立する毎に前記第1グループ及び前記第2グループのそれぞれに適用する噴射モードをそのときに適用している一方の噴射モードから他方の噴射モードに切り換えることを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、点火順序が奇数の番号となるシリンダを前記第1グループに設定し、点火順序が偶数の番号となるシリンダを前記第2グループに設定することを要旨としている。
以下、上記発明による作用効果について記載する。
・上記(1)の発明では、第1インジェクタと第2インジェクタとにより燃料の噴射供給を行うとき、第1噴射モードと第2噴射モードとを選択的に切り換えるようにしている。
第1噴射モードを通じて燃料噴射を行う場合、第2噴射モードによる燃料噴射時に比べて要求噴射量(燃料噴射量の要求値)に占める第1インジェクタの燃料噴射量の割合が大きいため、相対的に混合気の燃焼速度が高められるようになる。これにより、シリンダ内の温度上昇にともなって筒内噴射インジェクタの温度の低下が抑制されるため、デポジットの付着量が低減されるようになる。
一方、第2噴射モードを通じて燃料噴射を行う場合、要求噴射量の多くは第2インジェクタを通じて噴射供給されるため、燃焼状態の悪化が抑制されるようになる。
そして、上記構成においては、これら第1噴射モードと第2噴射モードとを選択的に切り換えてエンジンへの燃料噴射を行うようにしているため、燃焼状態の悪化を極力抑制しつつ、筒内噴射インジェクタへのデポジットの付着を低減することができるようになる。
・上記(2)の発明では、第1インジェクタと第2インジェクタとにより燃料の噴射供給を行うとき、第1噴射モードと第2噴射モードとを選択的に切り換えるようにしている。なお、上記構成において、基本割合はエンジンの燃焼状態の悪化を抑制すべく管内噴射インジェクタにより適正量の燃料が噴射されるように設定される。
第1噴射モードを通じて燃料噴射を行う場合、第2噴射モードの選択時に比べて要求噴射量に占める第1インジェクタの燃料噴射量の割合が大きいため、相対的に混合気の燃焼速度が高められるようになる。これにより、シリンダ内の温度上昇にともなって筒内噴射インジェクタの温度の低下が抑制されるため、デポジットの付着量が低減されるようになる。
一方、第2噴射モードを通じて燃料噴射を行う場合、第1インジェクタの燃料噴射量の割合としてエンジンの運転状態に基づいて設定された値(基本割合)が採用されるため、燃焼状態の悪化が抑制されるようになる。
そして、上記構成においては、これら第1噴射モードと第2噴射モードとを選択的に切り換えてエンジンへの燃料噴射を行うようにしているため、燃焼状態の悪化を極力抑制しつつ、筒内噴射インジェクタへのデポジットの付着を低減することができるようになる。
・上記(1)または(2)の発明では、第1インジェクタ及び第2インジェクタによる燃料噴射の実行毎に第1噴射モードと第2噴射モードとの切り換えを行うようにしている。即ち、第1噴射モードによる燃料噴射と第2噴射モードによる燃料噴射とが交互に繰り返される。
これにより、第2噴射モードに比べ燃焼状態の悪化に対する耐性が低い第1噴射モードを通じての燃料噴射が行われるものの、燃焼状態の悪化がエンジンのトルク変動として現れにくくなるため、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
・上記(5)の発明では、以下の[a]及び[b]の態様をもってシリンダに対して各噴射モードを適用するようにしている。
[a]第1グループの気筒に対して第1噴射モードを適用するとき、第2グループの気筒に対して第2噴射モードを適用する。
[b]第1グループの気筒に対して第2噴射モードを適用するとき、第2グループの気筒に対して第1噴射モードを適用する。
従って、上記構成においては、1つの点火サイクル内において、混合気の点火毎に第1噴射モードと第2噴射モードとが交互に行われるようになる。
これにより、第2噴射モードに比べ燃焼状態の悪化に対する耐性が低い第1噴射モードを通じての燃料噴射が行われるものの、燃焼状態の悪化がエンジンのトルク変動として現れにくくなるためドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に、本実施形態の適用対象となるV型6気筒ガソリンエンジンの概略構造を示す。
エンジン1は、第1バンク11と第2バンク12とを備えて構成される。
第1バンク11には、第1シリンダC1、第3シリンダC3及び第5シリンダC5が設けられている。
第2バンク12には、第2シリンダC2、第4シリンダC4及び第6シリンダC6が設けられている。
各シリンダC1〜C6には、吸気管21が接続されている。
吸気管21は、スロットルバルブ22が設けられた主管21aと、各シリンダC1〜C6に対応して分岐した支管21bとを含めて構成されている。各シリンダC1〜C6へは、対応する支管21bがそれぞれ接続されている。
各シリンダC1〜C6には、それぞれのシリンダ内へ燃料を直接噴射する筒内噴射インジェクタDIが設けられている。
吸気管21の支管21bには、各シリンダC1〜C6のそれぞれの吸気ポート23へ燃料を噴射するポート噴射インジェクタPI(管内噴射インジェクタ)が設けられている。
エンジン1は、電子制御装置9を通じて統括的に制御される。
電子制御装置9は、主に筒内噴射インジェクタDI及びポート噴射インジェクタPIの駆動態様をエンジン1の運転状態等に基づいて制御する。なお、制御手段は、電子制御装置9を備えて構成される。
図2に、エンジン1のシリンダ周辺構造に加え、その燃料系及び制御系の構造を模式的に示す。なお、同図において示すシリンダCの構造は各シリンダC1〜C6に共通となっている。
エンジン1のシリンダC(シリンダC1〜C6)内には、ピストン31が往復動可能に収容されている。
シリンダC内には、ピストン31の頂面とシリンダCの壁面とにより燃焼室32が区画形成されている。
シリンダCには、吸気管21及び排気管24が接続されている。
吸気管21は、吸気ポート23を介して燃焼室32に接続されている。
吸気ポート23には、同吸気ポート23を開閉することにより吸気管21(支管21a)と燃焼室32との接続状態を変更する吸気バルブ33が配設されている。
ポート噴射インジェクタPIは、吸気ポート23において吸気バルブ33よりも上流側(吸気管21側)に設けられている。
排気管24は、排気ポート25を介して燃焼室32に接続されている。
排気ポート25には、同排気ポート25を開閉することにより排気管24と燃焼室32との接続状態を変更する排気バルブ34が配設されている。
燃焼室32の頂部には、燃料と空気とにより形成された混合気を火花着火するイグニッションプラグ35が配設されている。
イグニッションプラグ35により、第1シリンダC1→第2シリンダC2→第3シリンダC3→第4シリンダC4→第5シリンダC5→第6シリンダC6の順序で混合気の燃焼が行われる。なお、エンジン1においては、第1シリンダC1から第6シリンダC6までの一巡の点火がエンジン1の点火サイクルとなる。
筒内噴射インジェクタDIは、噴射口が燃焼室32へ露出するようにシリンダCに設けられている。
シリンダCの周囲には、ウォータジャケット36が形成されている。
燃料系4は、筒内噴射インジェクタDI及びポート噴射インジェクタPIへ燃料を供給する。
燃料系4は、燃料タンク41、フィードポンプ42、高圧燃料ポンプ43及び高圧燃料配管44を備えて構成されている。
燃料タンク41とフィードポンプ42とは、第1燃料配管45aにより接続されている。
フィードポンプ42と高圧燃料ポンプ43とは、第2燃料配管45bにより接続されている。
ポート噴射インジェクタPIと第2燃料配管45bとは、第3燃料配管45cにより接続されている。
筒内噴射インジェクタDIと高圧燃料ポンプ43とは、高圧燃料配管44により接続されている。
フィードポンプ42は、燃料タンク41内の燃料を吸引し、ポート噴射インジェクタPI及び高圧燃料ポンプ43へ圧送する。
高圧燃料ポンプ43は、フィードポンプ42により圧送された燃料をさらに加圧する。
高圧燃料ポンプ43により加圧された燃料は、高圧燃料配管44により畜圧される。同配管44内の燃料は、筒内噴射インジェクタDIへ供給される。
電子制御装置9は、エンジン制御にかかる演算処理を実行するCPU、エンジン制御に必要なプログラムや情報の記憶するためのメモリ、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポートを備えて構成される。
電子制御装置9の入力ポートには、エンジン運転状況を検出する以下の各種センサが接続されている。
回転速度センサ51は、エンジン1のクランクシャフトの回転速度(エンジン回転速度Ne)を検出する。
冷却水温度センサ52は、エンジン1の冷却水の温度(冷却水温度THw)を検出する。
エアフロメータ53は、エンジン1の吸入空気量(吸入空気量GA)を検出する。
アクセルセンサ54は、エンジン1を搭載した車両のアクセルの操作量(アクセル操作量Accp)を検出する。
電子制御装置9の出力ポートには、筒内噴射インジェクタDI、ポート噴射インジェクタPI及びイグニッションプラグ35等が接続されている。
<筒内噴射及びポート噴射の特徴>
筒内噴射インジェクタDIによる燃料噴射(筒内噴射)は、出力や燃費の向上を図ることができるが、シリンダ内でのみ空気と燃料との混合が行われるため、燃料が気化され難い状況のとき、空気と燃料とが良好に混合されないことにより、燃焼状態の悪化をまねくことがある。
これに対して、ポート噴射インジェクタPIによる燃料噴射(ポート噴射)は、吸気ポートへ燃料噴射を行うため、筒内噴射に比べて噴射燃料の気化が促進されやすく混合気の形成が良好に行われる。
従って、燃料の気化が促進されにくいときには、燃料噴射量の要求値(要求噴射量)に占めるポート噴射インジェクタの燃料噴射量の割合を多くすることにより燃焼状態の悪化を抑制することが可能となる。
そこで、本実施形態では、燃料の気化が促進されにくいエンジン1の冷間時(冷却水温度が判定温度未満のとき)には、ポート噴射インジェクタPIのみを通じて燃料噴射を行うようにしている。
ちなみに、エンジン1の始動直後には、高圧燃料配管44内の燃圧を直ちには十分に高めることができず、筒内噴射インジェクタDIからの燃料の噴射圧を十分に確保することが困難となっている。そのため、筒内噴射でエンジン1を始動する場合には、十分な燃圧が確保されるまで待機する必要があり、ポート噴射で始動する場合に比べて始動性が悪化する傾向にもある。
こうしたことからも、エンジン1の冷間時はポート噴射インジェクタPIのみを通じて燃料噴射を行うことが好ましいといえる。
また、エンジン1の温間時(冷却水の温度が判定温度以上のとき)であっても、燃料噴射量が比較的少量となることにより均質な混合気を形成することが困難な低回転低負荷時には、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとを通じて燃料噴射を行うようにしている。これより、燃焼状態の悪化の抑制を図りつつも筒内噴射の利点を得ることができるようになる。
本実施形態では、こうした態様による各インジェクタDI,PIの選択を図3及び図4に示すマップに基づいて行うようにしている。
図3は、エンジン1の冷間時に使用されるマップを示す。
図4は、エンジン1の温間時に使用されるマップを示す。
これらマップにおいては、エンジン1の各運転領域で使用するインジェクタが次のように設定されている。

第1領域R1:ポート噴射インジェクタPI
第2領域R2:ポート噴射インジェクタPI+筒内噴射インジェクタDI
第3領域R3:筒内噴射インジェクタDI
第4領域R4:筒内噴射インジェクタDI

ところで、筒内噴射インジェクタDIの先端部は燃焼ガスに直接さらされるため、先端部へのデポジットの付着による噴射性能の低下が懸念される。デポジットは、インジェクタ先端部に残留している液状燃料から生成されるため、インジェクタ先端部の温度が低いとき(先端部に液状燃料が残留しやすいとき)には、デポジットの付着が促進される傾向にある。
エンジン1においては、エンジン運転状態が低回転低負荷のとき(第2領域R2のとき)、燃料噴射量の要求値に占める筒内噴射インジェクタDIの燃料噴射量の割合が小さくなるため、混合気の燃焼速度が低下する。これにより、筒内噴射インジェクタDIの温度が低下するため、デポジットの付着量の増加をまねくようになる。
こうした問題を回避するために、デポジットの付着が懸念される状況下では、要求噴射量に占める筒内噴射インジェクタDIの噴射量の割合を大きくすることもできるが、この場合にはポート噴射インジェクタPIの噴射量の減量により燃焼状態の悪化をまねくことが想定される。
そこで、本実施形態では、こうしたことを考慮して、以下の「燃料噴射処理」及び「噴射比率設定処理」を通じて各インジェクタDI,PIの燃料噴射態様を制御するようにしている。なお、「噴射比率設定処理」が制御手段を通じて行われる処理に相当する。
<燃料噴射処理>
図5を参照して、「燃料噴射処理」について説明する。なお、以降では、電子制御装置9を通じて、筒内噴射インジェクタDIに対して設定される燃料噴射量の指令値を筒内噴射量FiD、ポート噴射インジェクタPIに対して設定される燃料噴射量の指令値をポート噴射量FiPとする。
本処理は、エンジン1の運転中、電子制御装置9により所定クランク角毎の定角割り込み処理として周期的に実行される。
[ステップS100]以下の(a)及び(b)の処理を通じて、燃料噴射量の要求値(要求噴射量reqFi)を算出する。
(a)エンジン回転速度Ne及びアクセル操作量Accpなどに基づいてエンジン1の負荷(エンジン負荷Le)を算出する。なお、エンジン負荷Leは、最大エンジン負荷に対する現在の負荷の割合を示す。また、エンジン負荷Leは、予め設定されたマップを通じて算出することができる。
(b)エンジン負荷Leに基づいて要求噴射量reqFiを算出する。なお、要求噴射量reqFiは、予め設定されたマップを通じて算出することができる。
[ステップS200]冷却水温度THwが判定温度THwX以上か否かを判定する。即ち、下記条件

THw≧THwX

が満たされているか否かを判定する。
判定温度THwXは、エンジン1が冷間状態よりも暖機された状態(暖機完了を含む)にあることを判定するための閾値として予め設定される。
[ステップS300]エンジン1が冷間状態にあるとき、図3に示すマップへエンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Leを適用し、燃料噴射に用いるインジェクタを選択する。
この処理により、冷却水温度THwが判定温度THwX未満のときは、エンジン1の運転状態にかかわらずポート噴射インジェクタPIにより要求噴射量reqFiの燃料をエンジン1へ供給する第1噴射形態が選択される。
第1噴射形態において、要求噴射量reqFiは下記計算式

reqFi=FiP

により示される。
[ステップS400]エンジン1が冷間状態よりも暖機された状態にあるとき、図4に示すマップへエンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Leを適用し、燃料噴射に用いるインジェクタを選択する。
(a)エンジン1の運転状態が低回転低負荷の状態にあるとき、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとにより要求噴射量reqFiの燃料をエンジン1へ供給する第2噴射形態が選択される。
第2噴射形態において、要求噴射量reqFiは下記計算式

reqFi=FiD+FiP

により示される。
(b)エンジン1の運転状態が高回転及び高負荷の少なくとも一方の状態にあるとき、筒内噴射インジェクタDIにより要求噴射量reqFiの燃料をエンジン1へ供給する第3噴射形態が選択される。
第3噴射形態において、要求噴射量reqFiは下記計算式

reqFi=FiD

により示される。
[ステップS500]燃料噴射形態として第2噴射形態が選択されているか否かを判定する。
[ステップS600]第2噴射形態が選択されているとき、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとの燃料噴射量の比率を設定する噴射比率設定処理(図6)を行う。同処理の詳細については、後述する。
[ステップS700]エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Le等に基づいて、筒内噴射インジェクタDI及びポート噴射インジェクタPIのそれぞれの燃料噴射開始時期を算出する。
[ステップS800]筒内噴射インジェクタDI及びポート噴射インジェクタPIのそれぞれに設定された燃料噴射量とエンジン回転速度Neとに基づいて、設定された燃料噴射量の噴射に必要となる各インジェクタDI,PIのそれぞれの噴射期間(クランク角)を算出する。
[ステップS900]上記各処理を通じて算出された燃料噴射時期、及び燃料噴射期間に基づいて、燃料噴射信号をシリンダ毎に生成し、各シリンダのインジェクタDI,PIに出力する。燃料噴射信号は、燃料噴射時期により指定された時期から燃料噴射期間により指定された期間が経過するまでオンとなる。
「燃料噴射処理」の制御態様の要約を以下に示す。
(a)「冷却水温度THwが判定温度THwX未満」のとき、ポート噴射インジェクタPIにより燃料噴射を行う。
(b)「冷却水温度THwが判定温度THwX以上」、且つ「エンジン1の運転状態が低回転低負荷」のとき、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとにより燃料噴射を行う。各インジェクタDI,PIの燃料噴射量は、噴射比率設定処理(図6)を通じて設定する。
(c)「冷却水温度THwが判定温度THwX以上」、且つ「エンジン1の運転状態が高回転及び高負荷の少なくとも一方」のとき、筒内噴射インジェクタDIにより燃料噴射を行う。
<噴射比率設定処理>
本処理の概要について説明する。なお、以降では、要求噴射量reqFiに対する筒内噴射量FiDの割合を筒内噴射比率RD、要求噴射量reqFiに対するポート噴射量FiPの割合をポート噴射比率RPとする。
筒内噴射比率RDは下記計算式

RD=(FiD/reqFi)×100 [%]

により示すことができる。
ポート噴射比率RPは下記計算式

RP=(FiP/reqFi)×100 [%]

により示すことができる。
本処理では、各シリンダに対して次の第1噴射モード及び第2噴射モードのいずれかを適用するとともに、適用する噴射モードを選択的に切り換えるようにしている。
第1噴射モードでは、筒内噴射比率RDをポート噴射比率RPよりも大きく設定する。また、要求噴射量reqFiに相当する割合(100%)よりも小さく設定する。
第2噴射モードでは、筒内噴射比率RDをポート噴射比率RPよりも小さく設定する。また、「0%」よりも大きく設定する。
第1噴射モードにおいて、筒内噴射比率RDを第1筒内噴射比率RD1、ポート噴射比率RPを第1ポート噴射比率RP1とすると、これら各噴射比率は以下の関係式

100>RD1>RP1>0 [%]

により示される。
第2噴射モードにおいて、筒内噴射比率RDを第2筒内噴射比率RD2、ポート噴射比率RPを第2ポート噴射比率RP2とすると、これら各噴射比率は以下の関係式

100>RP2>RD2>0 [%]

により示される。
また、本処理では、各シリンダC1〜C6をイグニッションプラグ35の点火順序が奇数となる第1シリンダ群CAと点火順序が偶数となる第2シリンダ群CBとに区分して管理する。

第1シリンダ群CA:第1シリンダC1、第3シリンダC3、第5シリンダC5
第2シリンダ群CB:第2シリンダC2、第4シリンダC4、第6シリンダC6

そして、これら各シリンダ群CA,CBに対して異なる噴射モード(第1噴射モード及び第2噴射モードのいずれか)をそれぞれ適用するようにしている。
具体的には、以下のように各噴射モードの適用が行われる。
(a)第1シリンダ群CAに対して第1噴射モードを適用するとき、第2シリンダ群CBに対して第2噴射モードを適用する。
(b)第1シリンダ群CAに対して第2噴射モードを適用するとき、第2シリンダ群CBに対して第1噴射モードを適用する。
以下、図6を参照して、「噴射比率設定処理」の詳細について説明する。
[ステップS601]前回の処理の終了から現在までにエアフロメータ53を通じて検出された吸入空気量GAを積算して吸入空気量積算値GATを算出する。即ち、下記計算

GAT←GAT+GA

が検出データ(前回処理の終了から現在までの検出データ)の数に応じて繰り返し実行されて吸入空気量積算値GATが算出される。
[ステップS602]吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上か否かを判定する。即ち、下記条件

GAT≧GATX

が満たされているか否かを判定する。
判定積算値GATXは、第1噴射モードを適用したシリンダCにおいて、筒内噴射インジェクタDIの平均温度を基準温度THd(デポジットの付着が抑制される温度)以上に維持するための値として、試験等を通じて予め設定される。
従って、吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上となるまで任意のシリンダに第1噴射モードを継続して適用した場合、同噴射モードが適用されていないときに比べて筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着が抑制されるようになる。
ちなみに、筒内噴射インジェクタDIの温度はエンジン1への燃料噴射量(吸入空気量)と相関があるため、吸入空気量積算値GATに基づいて第1噴射モードの適用期間を設定することで、筒内噴射インジェクタDIの平均温度を的確に上記基準温度THd以上に維持することが可能となる。
[ステップS603]第1噴射モードが選択されているシリンダ群において、適用する噴射モードを第1噴射モードから第2噴射モードへ切り換える。そして、エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Leに基づいて、第2筒内噴射比率RD2及び第2ポート噴射比率RP2を設定する。
第2筒内噴射比率RD2及び第2ポート噴射比率RP2は、エンジン1の運転状態が好適な状態に維持される範囲内で「100>RP2>RD2>0」の関係が満たされるように設定することができる。
[ステップS604]第2噴射モードが選択されているシリンダ群において、適用する噴射モードを第2噴射モードから第1噴射モードへ切り換える。そして、エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Leに基づいて、第1筒内噴射比率RD1及び第1ポート噴射比率RP1を設定する。
第1筒内噴射比率RD1及び第1ポート噴射比率RP1は、エンジン1の運転状態が好適な状態に維持される範囲内で「100>RD1>RP1>0」の関係が満たされるように設定することができる。
なお、本実施形態においては、以下の関係が満たされるように各噴射比率が設定される。

第1筒内噴射比率RD1≒第2ポート噴射比率RP2
第2筒内噴射比率RD2≒第1ポート噴射比率RP1

[ステップS605]吸入空気量積算値GATをクリアする。即ち、下記処理

GAT←0

を行う。なお、燃料噴射形態が第1噴射形態からその他の噴射形態へ変更されたときも吸入空気量積算値GATがクリアされる。
ステップS605の処理の終了後、「燃料噴射処理」(図5)のステップS700へ復帰する。
「噴射比率設定処理」の制御態様の要約を以下に示す。
(a)第1シリンダ群CAと第2シリンダ群CBとに異なる噴射モードを適用するとともに、吸入空気量GAの積算が開始されてから吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上となるまでの間、各シリンダ群CA,CBのそれぞれにおいて同じ噴射モードを継続して適用する。
(b)吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上となったとき、第1シリンダ群CAと第2シリンダ群CBとのそれぞれに適用する噴射モードをそれまで適用していた噴射モードからもう一方の噴射モードへ切り換える。
<作用効果>
図7を参照して、本実施形態の作用効果について説明する。
図7(a)は、第1シリンダ群CAに対して第1噴射モードを、第2シリンダ群CBに対して第2噴射モードを適用したときの筒内噴射インジェクタDI及びポート噴射インジェクタPIの燃料噴射比率を示す。
図7(b)は、第1シリンダ群CAに対して第2噴射モードを、第2シリンダ群CBに対して第1噴射モードを適用したときの筒内噴射インジェクタDI及びポート噴射インジェクタPIの燃料噴射比率を示す。
「噴射比率設定処理」では、吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上となる毎に、図7(a)に示した噴射状態[1]と図7(b)に示した噴射状態[2]との間でエンジン1の噴射状態を変更する。
〔a〕「噴射状態[1]について」
第1シリンダ群CAにおいては、第2噴射モードによる燃料噴射時に比べて筒内噴射比率RDが大きいため、相対的に混合気の燃焼速度が大きくなる。これにより、シリンダ内の温度が上昇するため、筒内噴射インジェクタDIの先端部の温度が高められるようになる。
第2シリンダ群CBにおいては、第1噴射モードによる燃料噴射時に比べてポート噴射比率RPが大きいため、良好な燃焼状態が得られるようになる。
〔b〕「噴射状態[2]について」
第1シリンダ群CAにおいては、第1噴射モードによる燃料噴射時に比べてポート噴射比率RPが大きいため、良好な燃焼状態が得られるようになる。一方で、燃焼速度が小さくなるため、筒内噴射インジェクタDIの先端部の温度が低下するものの、「GAT≧判定積算値GATX」の条件が満たされるまで噴射状態[1]が継続されているため、先端部の平均温度は基準温度THd以上に維持される。
第2シリンダ群CBにおいては、第2噴射モードによる燃料噴射時に比べて筒内噴射比率RDが大きいため、相対的に混合気の燃焼速度が大きくなる。これにより、シリンダ内の温度が上昇するため、筒内噴射インジェクタDIの先端部の温度が高められるようになる。また、噴射状態[1]により、筒内噴射インジェクタDIの先端部の温度が低下しているものの、「GAT≧判定積算値GATX」の条件が満たされるまで噴射状態[2]が継続されるため、先端部の平均温度は基準温度THd以上に維持される。
そして、「噴射比率設定処理」では、こうした各噴射状態を各シリンダ群CA,CBのそれぞれに対して交互に適用するようにしているため、筒内噴射インジェクタDIの燃焼状態の悪化を極力抑制しつつ、筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着を低減することができるようになる。
また、「噴射比率設定処理」では、エンジン1の燃料噴射サイクル(点火サイクル)内において、第1噴射モードと第2噴射モードとによる燃料噴射が交互に行われるようにしているため、第2噴射モードに比べ燃焼状態の悪化に対する耐性が低い第1噴射モードを通じての燃料噴射が行われるものの、燃焼状態の悪化がエンジン1のトルク変動として現れにくくなる。これにより、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
<制御態様の一例>
図8を参照して、「燃料噴射処理」及び「噴射比率設定処理」による制御態様の一例について説明する。
図8において、各時刻tはそれぞれ次のタイミングを示している。
[イ]時刻t81は、エンジン1の運転が開始された時刻を示す。
[ロ]時刻t82は、エンジン運転領域が第2領域R2に移行した時刻を示す。
[ハ]時刻t83は、「GAT≧GATX」となった時刻を示す。
[ニ]時刻t84は、「GAT≧GATX」となった時刻を示す。
[ホ]時刻t85は、「GAT≧GATX」となった時刻を示す。
[へ]時刻t86は、エンジン運転領域が第3領域R3に移行した時刻を示す。
本処理によれば、次のような態様をもって燃料噴射が行われる。
時刻t81から時刻t82の期間は、エンジン運転領域が第1領域R1であること基づいて、ポート噴射インジェクタPIのみを通じて燃料噴射が行われる。
このとき、筒内噴射比率RDとポート噴射比率RPとの比は、次のように示される。

[第1シリンダ群CA] RD:RP=0:100
[第2シリンダ群CB] RD:RP=0:100

時刻t82から時刻t83の期間は、エンジン運転領域が第2領域R2であること基づいて、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとにより燃料噴射が行われる。ここでは、第1シリンダ群CAに対して第1噴射モードが、第2シリンダ群CBに対して第2噴射モードがそれぞれ適用されたとする。
このとき、筒内噴射比率RDとポート噴射比率RPとの比は、次のように示される。

[第1シリンダ群CA] RD:RP=RD1:RP1(RD1>RP1)
[第2シリンダ群CB] RD:RP=RD2:RP2(RD2<RP2)

時刻t84においては、吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上となったこと基づいて、第1シリンダ群CAに対して第2噴射モードが、第2シリンダ群CBに対して第1噴射モードがそれぞれ適用される。
このとき、筒内噴射比率RDとポート噴射比率RPとの比は、次のように示される。

[第1シリンダ群CA] RD:RP=RD2:RP2(RD2<RP2)
[第2シリンダ群CB] RD:RP=RD1:RP1(RD1>RP1)

時刻t85においては、吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上となったこと基づいて、第1シリンダ群CAに対して第1噴射モードが、第2シリンダ群CBに対して第2噴射モードがそれぞれ適用される。
時刻t86以降においては、エンジン運転領域が第3領域R3であること基づいて、筒内噴射インジェクタDIのみを通じて燃料噴射が行われる。
このとき、筒内噴射比率RDとポート噴射比率RPとの比は、次のように示される。

[第1シリンダ群CA] RD:RP=100:0
[第2シリンダ群CB] RD:RP=100:0

なお、時刻t86以降においては、エンジン運転領域が遷移するたびに、上記に準じた態様をもって各インジェクタDI,PIによる燃料噴射が行われる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第1実施形態にかかるエンジンの燃料噴射制御装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施形態によれば、燃焼状態の悪化を極力抑制しつつ、筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着を低減することができるようになる。
(2)本実施形態によれば、第1噴射モードを通じての燃料噴射により燃焼状態の悪化が生じた場合にあっても、こうした燃焼状態の悪化がエンジン1のトルク変動として現れにくくなるため、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
(3)本実施形態によれば、第1シリンダ群CAと第2シリンダ群CBとに異なる噴射モードを適用するようにしていることにより、第2噴射モードの実行間隔の長期化が回避されるため、燃焼状態の悪化をより好適に抑制することができるようになる。
(4)本実施形態によれば、吸入空気量積算値GATに基づいて噴射モードの切り換えを行うようにしていることにより、インジェクタの温度低下が的確に抑制されるため、デポジットの付着をより好適に低減することができるようになる。
<変更例>
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1実施形態では、「第1筒内噴射比率RD1≒第2ポート噴射比率RP2」の関係、及び「第2筒内噴射比率RD2≒第1ポート噴射比率RP1」の関係が満たされるように各噴射比率を設定する構成としたが、各噴射比率の設定態様は実施形態に例示した態様に限られるものではない。要するに、「第1筒内噴射比率RD1>第1ポート噴射比率RP1」の関係、及び「第2筒内噴射比率RD2<第2ポート噴射比率RP2」の関係が満たされる構成であれば、各噴射比率の設定態様は適宜変更可能である。
・上記第1実施形態では、シリンダ群CA,CB毎に噴射モードを適用する構成としたが、各シリンダC1〜C6への噴射モードの適用態様は実施形態に例示した態様に限られるものではない。要するに、第2噴射形態を選択しているとき、第1噴射モードと第2噴射モードとのそれぞれを各シリンダC1〜C6の少なくとも1つに適用するとともに、各シリンダC1〜C6のすべてに対して第1噴射モード及び第2噴射モードのいずれか一方を適用する構成であれば、各噴射モードの適用態様は適宜変更可能である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態では、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとにより燃料噴射を行う際にエンジン1の運転状態(ここでは冷却水温度)に基づいて筒内噴射比率RD及びポート噴射比率RPを設定するエンジン1に対して本発明を適用した場合を想定している。
即ち、本実施形態は、筒内噴射比率RD及びポート噴射比率RPの設定処理が予め組み込まれている既存の装置に対して、燃焼状態の悪化の抑制と筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着低減との両立を図るべく本発明を適用した構成に相当する。
本実施形態は、基本的には前記第1実施形態と同様となっているが、「燃料噴射処理」(図5)の一部が図9に示す処理へ、「噴射比率設定処理」(図6)が図10に示す「噴射比率設定処理[2]」へ変更されている。
<燃料噴射処理>
図9を参照して、燃料噴射処理について説明する。
ステップS200までの処理は前記第1実施形態と同様の態様をもって行われる。
[ステップT300]冷却水温度THwが判定温度THwX以上のとき、筒内噴射インジェクタDIのみを通じて燃料噴射を行う第3噴射形態を選択する。
[ステップT400]冷却水温度THwが判定温度THwX未満のとき、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとを通じて燃料噴射を行う第2噴射形態を選択する。
[ステップT500]燃料噴射形態として第2噴射形態が選択されているか否かを判定する。
[ステップT600]第2噴射形態が選択されているとき、冷却水温度THwに基づいて、筒内噴射比率RD及びポート噴射比率RPを算出する。なお、以降では、この処理を通じて設定された筒内噴射比率RDを基本筒内噴射比率RDbase(エンジン1の運転状態に基づいて設定された基本割合に相当)、ポート噴射比率RPを基本ポート噴射比率RPbaseとする。
ここで、基本筒内噴射比率RDbaseは、燃焼状態の悪化の抑制を図るために、冷却水温度THwが低温となるほど小さな値に設定される。即ち、冷却水温度THwが低温となるほど基本ポート噴射比率RPbaseが大きな値に設定される。
このため、基本筒内噴射比率RDbaseを採用して各インジェクタDI,PIによる燃料噴射を行った場合には、燃焼状態の悪化の抑制と筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着低減との両立を図ることが困難となる。
[ステップT700]基本筒内噴射比率RDbase及び基本ポート噴射比率RPbaseに基づいて、筒内噴射インジェクタDIとポート噴射インジェクタPIとの燃料噴射量の最終的な比率を設定する「噴射比率設定処理[2]」(図10)を行う。
<噴射比率設定処理[2]>
本処理の概要について説明する。
本処理では、シリンダに対して次の第3噴射モード及び第4噴射モードのいずれかを適用するとともに、適用する噴射モードを選択的に切り換えるようにしている。
第3噴射モードでは、筒内噴射比率RDを基本筒内噴射比率RDbaseよりも大きく設定する。また、要求噴射量reqFiに相当する割合(100%)よりも小さく設定する。
第4噴射モードでは、筒内噴射比率RD及びポート噴射比率RPとして、基本筒内噴射比率RDbase及び基本ポート噴射比率RPbaseを採用する。
第3噴射モードにおいて、筒内噴射比率RDを第3筒内噴射比率RD3、ポート噴射比率RPを第3ポート噴射比率RP3とすると、これら各噴射比率は以下の関係式

100>RD3>RDbase [%]
0 <RP3<RPbase [%]

により示される。
第4噴射モードにおいて、筒内噴射比率RDを第4筒内噴射比率RD4、ポート噴射比率RPを第4ポート噴射比率RP4とすると、これら各噴射比率は以下の関係式

RD4=RDbase [%]
RP4=RPbase [%]

により示される。
本処理では、各シリンダC1〜C6をイグニッションプラグ35の点火順序が奇数となる第1シリンダ群CAと点火順序が偶数となる第2シリンダ群CBとに区分して管理する。
そして、これら各シリンダ群CA,CBに対して異なる噴射モード(第3噴射モード及び第4噴射モードのいずれか)をそれぞれ適用するようにしている。
具体的には、以下のように各噴射モードの適用が行われる。
(a)第1シリンダ群CAに対して第3噴射モードを適用するとき、第2シリンダ群CBに対して第4噴射モードを適用する。
(b)第1シリンダ群CAに対して第4噴射モードを適用するとき、第2シリンダ群CBに対して第3噴射モードを適用する。
以下、図10を参照して、「噴射比率設定処理[2]」の詳細について説明する。
[ステップT701]前回の処理の終了から現在までにエアフロメータ53を通じて検出された吸入空気量GAを積算して吸入空気量積算値GATを算出する。
[ステップT702]吸入空気量積算値GATが判定積算値GATX以上か否かを判定する。
[ステップT703]第4噴射モードが選択されているシリンダ群において、適用する噴射モードを第4噴射モードから第3噴射モードへ切り換える。
そして、エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Leに基づいて、基本筒内噴射比率RDbaseに対する補正量(補正比率α)を算出して、第3筒内噴射比率RD3及び第3ポート噴射比率RP3を設定する。即ち、下記計算

RD3←RDbase+α
RP3←RPbase−α

を通じて第3筒内噴射比率RD3及び第3ポート噴射比率RP3の算出が行われる。
補正比率αは、エンジン1の運転状態が好適な状態に維持される範囲内で「100>RD3>0」の条件が満たされるように設定される。
[ステップT704]第3噴射モードが選択されているシリンダ群において、適用する噴射モードを第4噴射モードへ切り換える。
[ステップT705]吸入空気量積算値GATをクリアする。
ステップT705の処理の終了後、「燃料噴射処理」(図5)のステップS700へ復帰する。
<作用効果>
第3噴射モードを通じて燃料噴射を行う場合、第4噴射モードによる燃料噴射時に比べて筒内噴射比率RDが大きいため、相対的に混合気の燃焼速度が高められるようになる。これにより、シリンダ内の温度上昇にともなって筒内噴射インジェクタDIの温度の低下が抑制されるため、デポジットの付着量が低減されるようになる。
一方、第4噴射モードを通じて燃料噴射を行う場合、基本筒内噴射比率RDbase及び基本ポート噴射比率RPbaseに基づいて燃料噴射が行われるため、燃焼状態の悪化が好適に抑制されるようになる。
そして、「噴射比率設定処理」では、第1シリンダ群CAと第2シリンダ群CBとのそれぞれに対して異なる噴射モードを適用するとともに、各シリンダ群CA,CBに対して適用する噴射モードを吸入空気量積算値GATに基づいて切り換えるようにしているため、燃焼状態の悪化を極力抑制しつつ、筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着を低減することができるようになる。
また、「噴射比率設定処理」では、エンジン1の燃料噴射サイクル(点火サイクル)内において、第3噴射モードと第4噴射モードとによる燃料噴射が交互に行われるようにしているため、第4噴射モードに比べ燃焼状態の悪化に対する耐性が低い第3噴射モードを通じての燃料噴射が行われるものの、燃焼状態の悪化がエンジン1のトルク変動として現れにくくなる。これにより、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第2実施形態にかかるエンジンの燃料噴射制御装置によれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(4)の効果に準じた効果に加えて、以下に示すような効果が得られるようになる。
(5)本実施形態によれば、筒内噴射比率RD及びポート噴射比率RPの設定処理が予め組み込まれている既存の装置において、同装置の構成を極力維持しつつ、燃焼状態の悪化の抑制と筒内噴射インジェクタDIへのデポジットの付着低減との両立を図ることができるようになる。
<変更例>
なお、上記第2実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2実施形態では、基本筒内噴射比率RDbaseに対する補正比率αの加算を通じて、第3筒内噴射比率RD3を算出する構成としたが、同噴射比率RD3の算出態様は実施形態にて例示した態様に限られるものではない。要するに、「基本筒内噴射比率RDbase<第3筒内噴射比率RD3」の関係が満たされるように、基本筒内噴射比率RDbaseに基づいて第3筒内噴射比率RD3を算出する構成であれば、同噴射比率RD3の算出態様は適宜変更可能である。
・上記第2実施形態の「噴射比率噴射処理[2]」(図10)対して、さらに次のような構成を追加することもできる。なお、以下のステップT711の処理は、ステップT701の処理の前に行われる。
[ステップT710]要求噴射量reqFiに基づいてシリンダ内の温度(燃焼室温度THc)を推定する。
[ステップT720]燃焼室温度THcが判定燃焼室温度THcX以上か否かを判定する。即ち、下記条件

THc≧THcX

が満たされているか否かを判定する。
燃焼室温度THcが判定燃焼室温度THcX以上のとき、ステップT705の処理(図10)へ移行する。
燃焼室温度THcが判定燃焼室温度THcX未満のとき、ステップT701の処理(図10)へ移行する。
判定燃焼室温度THcXは、筒内噴射インジェクタDIの平均温度が基準温度(デポジットの付着が抑制される温度)以上に維持されるか否かの閾値に相当し、試験等を通じて予め設定される。即ち、燃焼室温度THcが判定燃焼室温度THcX以上のときは、平均温度が基準温度以上に維持される。これに対して、燃焼室温度THcが判定燃焼室温度THcX未満のときは、平均温度が基準温度未満となることによりデポジットの付着量の増加をまねくようになる。
こうした構成を採用することにより、デポジットの付着が懸念されない状況下にあっては、第3噴射モードが適用されなくなるため、同噴射モードを通じての燃料噴射が不要に行われることによる燃焼状態の悪化を好適に回避することができるようになる。
・上記第2実施形態では、シリンダ群CA,CB毎に噴射モードを適用する構成としたが、各シリンダC1〜C6への噴射モードの適用態様は実施形態に例示した態様に限られるものではない。要するに、第2噴射形態を選択しているとき、第3噴射モードと第4噴射モードとのそれぞれを各シリンダC1〜C6の少なくとも1つに適用するとともに、各シリンダC1〜C6のすべてに対して第3噴射モード及び第4噴射モードのいずれか一方を適用する構成であれば、各噴射モードの適用態様は適宜変更可能である。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することができる要素を以下に列挙する。
・上記各実施形態では、図3及び図4に例示したマップに基づいて、燃料噴射に用いるインジェクタを選択する構成としたが、これら各マップの構成は例示した内容に限られるものではない。要するに、筒内噴射インジェクタとポート噴射インジェクタとにより燃料噴射を行う運転領域を含めて構成されたマップであれば、適宜のマップを採用することができる。
・上記各実施形態では、エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷Leに基づいて、燃料噴射に用いるインジェクタを選択する構成としたが、さらに他のパラメータを加味してインジェクタの選択を行うこともできる。
・上記各実施形態では、吸入空気量積算値GATに基づいて各シリンダ群CA,CBの噴射モードを切り換える構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、吸入空気量積算値GATに換えて、要求噴射量reqFiの積算値が判定値以上となる毎に各シリンダ群CA,CBの噴射モードを切り換えることもできる。なお、上記判定値は、判定積算値GATXに準じた態様をもって設定される。ちなみに、ディーゼルエンジンにおいては、上記要求噴射量reqFiの積算値に基づく噴射モードの切り換えを適用することができる。
・上記各実施形態では、図1及び図2に例示したV型6気筒のガソリンエンジンを想定したが、本発明の適用対象はこうした型式のエンジンに限られるものではない。要するに、筒内噴射インジェクタとポート噴射インジェクタとを備え、これら各インジェクタにより要求噴射量の燃料を噴射供給するエンジン(ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンを含む)であれば、いずれのエンジンに対しても本発明を適用することが可能である。こうした構成を採用した場合にも、上記各実施形態の作用効果に準じた作用効果が奏せられるようになる。
本発明にかかるエンジンの燃料噴射制御装置を具体化した第1実施形態について、装置の全体構成を示す概略構成図。 同実施形態のエンジンの構成を示す構成図。 同実施形態において、エンジン運転領域と使用するインジェクタとの関係を規定したマップ。 同実施形態において、エンジン運転領域と使用するインジェクタとの関係を規定したマップ。 同実施形態にて実行される「燃料噴射処理」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にて実行される「噴射比率設定処理」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の「噴射比率設定処理」による各インジェクタの噴射比率設定態様の一例を示す図。 同実施形態の「噴射比率設定処理」による各インジェクタの制御態様の一例を示すタイムチャート。 本発明にかかるエンジンの燃料噴射制御装置を具体化した第2実施形態について、同実施形態にて実行される「燃料噴射処理」の処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態にて実行される「噴射比率設定処理[2]」の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、11…第1バンク、12…第2バンク、21…吸気管、21a…主管、21b…支管、22…スロットルバルブ、23…吸気ポート、24…排気管、25…排気ポート、31…ピストン、32…燃焼室、33…吸気バルブ、34…排気バルブ、35…イグニッションプラグ、36…ウォータジャケット、4…燃料系、41…燃料タンク、42…フィードポンプ、43…高圧燃料ポンプ、44…高圧燃料配管、45a…第1燃料配管、45b…第2燃料配管、45c…第3燃料配管、51…回転速度センサ、52…冷却水温度センサ、53…エアフロメータ、54…アクセルセンサ、9…電子制御装置、C…シリンダ、C1…第1シリンダ、C2…第2シリンダ、C3…第3シリンダ、C4…第4シリンダ、C5…第5シリンダ、C6…第6シリンダ、DI…筒内噴射インジェクタ、PI…ポート噴射インジェクタ。

Claims (5)

  1. 燃焼室に燃料を噴射する第1インジェクタ及び吸気通路に燃料を噴射する第2インジェクタを備えるとともに機関運転状態に基づいて要求噴射量を設定するエンジンにおいて前記第1インジェクタの燃料噴射量である第1噴射量及び前記第2インジェクタの燃料噴射量である第2噴射量を調整するものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの双方を用いる噴射形態Aと、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの一方を用いる噴射形態Bとを切り換えて燃料噴射を行うエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記噴射形態Aを選択しているとき、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記要求噴射量に対する前記第2噴射量の割合よりも大きく設定する第1噴射モードと、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記要求噴射量に対する前記第2噴射量の割合よりも小さく設定する第2噴射モードとを切り換えるものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタによる燃料噴射が実行される毎にそのときに選択している前記第1噴射モード及び前記第2噴射モードの一方の噴射モードを他方の噴射モードに切り換えて次の燃料噴射を行う制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 燃焼室に燃料を噴射する第1インジェクタ及び吸気通路に燃料を噴射する第2インジェクタを備えるとともに機関運転状態に基づいて要求噴射量を設定するエンジンにおいて前記第1インジェクタの燃料噴射量である第1噴射量及び前記第2インジェクタの燃料噴射量である第2噴射量を調整するものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの双方を用いる噴射形態Aと、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタの一方を用いる噴射形態Bとを切り換えて燃料噴射を行うエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記噴射形態Aを選択しているとき、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合について機関運転状態に基づいて設定されるものを基本割合として、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記基本割合よりも大きく設定する第1噴射モードと、前記要求噴射量に対する前記第1噴射量の割合を前記基本割合に設定する第2噴射モードとを切り換えるものであって、前記第1インジェクタ及び前記第2インジェクタによる燃料噴射が実行される毎にそのときに選択している前記第1噴射モード及び前記第2噴射モードの一方の噴射モードを他方の噴射モードに切り換えて次の燃料噴射を行う制御手段を備える
    ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、前記第1噴射モードと前記第2噴射モードとの切り換えを気筒毎に行う
    ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、エンジンに設けられる複数の気筒を第1グループ及び第2グループに区分し、これらグループのそれぞれに対して前記第1噴射モード及び前記第2噴射モードのうちの互いに異なる噴射モードを適用し、前記第1噴射モードと前記第2噴射モードとを切り換える条件が成立する毎に前記第1グループ及び前記第2グループのそれぞれに適用する噴射モードをそのときに適用している一方の噴射モードから他方の噴射モードに切り換える
    ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 請求項4に記載のエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、点火順序が奇数の番号となるシリンダを前記第1グループに設定し、点火順序が偶数の番号となるシリンダを前記第2グループに設定する
    ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
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