JP4333156B2 - 2−置換−テトラヒドロピラン−4−オールの製法及びその中間体並びにその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールの新規な製法に関する。2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールは、医薬・農薬等の合成中間体や原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールの製法としては、例えば、多量の硫酸の存在下、3-ブテン-1-オールとアセトアルデヒドとを反応させて、収率83.7%(3-ブテン-1-オール基準)で2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールを製造する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、この方法は、反応終了後の硫酸の後処理が繁雑となる等の問題があり、工業的には有利な製法ではなかった。
【0003】
【非特許文献1】
J.Chem.Soc.,Perkin Trans.II,1992,779.
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、繁雑な後処理を必要とせず、2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールを製造出来る、工業的に好適な2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールの製法及びその中間体並びにその製法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、
(A)3-ブテン-1-オール、一般式(1)
【0006】
【化7】
【0007】
(式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基およびアリール基からなる群より選ばれる炭化水素基を示す。)で示されるアルデヒド化合物(その多量体も含む)及びギ酸を反応させて、一般式(2)
【0008】
【化8】
【0009】
(式中、Rは、前記と同義である。)
で示される2−置換−テトラヒドロピラニル−4−ホルメートとする環化反応工程、
(B)次いで、2−置換−テトラヒドロピラニル−4−ホルメートを、
一般式(3)で示される2−置換−テトラヒドロピラン−4−オールとする加溶媒分解工程、
【0010】
【化9】
【0011】
を含んでなることを特徴とする、2−置換−テトラヒドロピラン−4−オールの製法によって解決される。
【0012】
本発明の課題は、又、
一般式(2)
【0013】
【化10】
【0014】
(式中、Rは、前記と同義である。)
で示される2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートによっても解決される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、
(A)3-ブテン-1-オール、一般式(1)で示されるアルデヒド化合物(その多量体も含む)及びギ酸を反応させて、一般式(2)で示される2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートとする環化反応工程、
(B)次いで、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートを加溶媒分解して一般式(3)で示される2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールとする加溶媒分解工程、
を含んでなる二つの工程によって2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールを反応生成物として得るものである。
【0016】
引き続き、前記の二つの工程を順次説明する。
(A)環化反応工程
本発明の環化反応工程は、3-ブテン-1-オール、アルデヒド化合物(その多量体も含む)及びギ酸を反応させて、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートとする工程である。
【0017】
本発明の環化反応工程において使用する原料の3-ブテン-1-オールは、1,4-ブタンジオールの脱水反応(例えば、Bull.Chem.Soc.Jpn.,54,1585(1981))やブタジエンのモノエポキシ化反応とそれに続く還元反応(例えば、WO 9936379)によって容易に合成が可能な化合物である。
【0018】
本発明の環化反応工程において使用するアルデヒド化合物(その多量体も含む)は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Rは、炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体も含む。
【0019】
前記のRを有するアルデヒド化合物(その重合体も含む)の具体例としては、例えば、アセトアルデヒド(メタアルデヒド、パラアルデヒド等の多量体も含む)、プロピオンアルデヒド(メタプロピオンアルデヒド、パラプロピオンアルデヒド等の多量体も含む)、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバルアルデヒド、ヘキサナール、ヘプタナール等のアルキルアルデヒド化合物;シクロプロピルアルデヒド、シクロブチルアルデヒド、シクロペンチルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド等のシクロアルキルアルデヒド化合物;ベンジルアルデヒド、フェネチルアルデヒド等のアラルキルアルデヒド化合物;ベンズアルデヒド、トリルアルデヒド、ナフチルアルデヒド等のアリールアルデヒド化合物が挙げられる。
【0020】
前記アルデヒド化合物の使用量は、原料の3-ブテン-1-オール1モルに対して、アルデヒド換算で、好ましくは1.0〜5.0モル、更に好ましくは1.1〜2.0モルである。
【0021】
本発明の環化反応工程において使用するギ酸(又はその水溶液でも良い)の量は、原料の3-ブテン-1-オール1モルに対して、好ましくは1〜20モル、更に好ましくは2〜10モルである。
【0022】
本発明の環化反応工程は、ギ酸以外の溶媒の存在下又は非存在下において行われる。使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の有機酸エステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類が挙げられる。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0023】
前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、3-ブテン-1-オール1gに対して好ましくは0〜50ml、更に好ましくは0〜10mlである。
【0024】
本発明の環化反応工程は、例えば、不活性ガスの雰囲気にて、3-ブテン-1-オール、アルデヒド化合物及びギ酸を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは10〜110℃、更に好ましくは50〜100℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0025】
本発明の環化反応工程では、主な生成物として2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートを含んだ溶液が得られるが、本発明においては、通常、該溶液をそのまま又は濃縮した後に次の工程を行う。しかし、場合によっては、生成した2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートを、例えば、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって一旦単離・精製した後に、次の工程を行っても良い。
【0026】
(B)加溶媒分解工程
本発明の加溶媒分解工程は、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメートを加溶媒分解して2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールとする工程である。
【0027】
本発明の加溶媒分解工程は、一般的にギ酸エステルを加溶媒分解出来る方法ならば特に限定されないが、酸又は塩基の存在下、水、アルコール、又は水とアルコールの混合溶媒中で行うのが好ましい。
【0028】
前記酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸類;硫酸、クロロ硫酸等の無機スルホン酸類;フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸類;クロロ酢酸、ジクロロ酢酸等のハロゲン化カルボン酸類が挙げられるが、好ましくは有機スルホン酸類、無機スルホン酸類、更に好ましくは有機スルホン酸類が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0029】
前記酸の使用量は、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメート1モルに対して、好ましくは0.1〜300ミリモル、更に好ましくは2〜100ミリモルである。
【0030】
前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類;ピリジン、メチルピリジン等のピリジン類が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド、アミン類、更に好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、トリエチルアミンが使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、含水物でも構わない。
【0031】
前記塩基の使用量は、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメート1モルに対して、好ましくは0.001〜1モル、更に好ましくは0.05〜0.5モルである。
【0032】
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、、ペンチルアルコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等が挙げられるが、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、更に好ましくはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが使用される。なお、これらのアルコールは、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、水を含んでいても構わない。
【0033】
前記アルコールの使用量は、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメート1モルに対して、好ましくは1〜100モル、更に好ましくは5〜50モルである。
【0034】
本発明の加溶媒分解工程は、例えば、不活性ガスの雰囲気にて、2-置換-テトラヒドロピラニル-4-ホルメート、水、アルコール、又は水とアルコールの混合溶媒、及び酸又は塩基を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは20〜120℃、更に好ましくは30〜70℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0035】
なお、最終生成物である2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールは、例えば、加溶媒分解工程終了後、濃縮、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
【0036】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0037】
実施例1(2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及びDean-Stark装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、98質量%ギ酸120mlを加えて84℃まで加熱した。その後、3-ブテン-1-オール60.0g(0.83mol)及びパラアルデヒド44.0g(アセトアルデヒド換算で1.0mol)を98質量%ギ酸120mlに溶解させたものを3時間かけてゆるやかに滴下し、窒素雰囲気下、同温度で3時間環化反応させた。
次いで、反応液を室温まで冷却後、メタンスルホン酸1.2g(12.4mmol)及びエタノール120mlを加えて常圧下で反応液を74℃まで加熱し、副生するギ酸エチルを留去しながら加溶媒分解を行った。更に、この操作を3回繰り返した後、反応液を室温まで冷却し、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液1.2g(6.2mmol)を添加後に減圧蒸留(90〜92℃、2.66kPa)し、無色液体として、純度94.9%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2-メチルテトラヒドロピラン-4-オール84.5gを得た(3-ブテン-1-オール基準の単離収率:83.1%)。
2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールの物性値は以下の通りであった。
【0038】
CI-MS(m/z);117(M+1)、99、81
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.22(3H,d,J=6.3Hz)、1.42〜1.50(1H,m)、1.83〜1.98(3H,m)、3.36〜3.47(2H,m)、3.76(1H,brs)、3.97〜4.02(1H,m)
【0039】
実施例2(2-エチルテトラヒドロピラン-4-オールの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及びDean-Stark装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、3-ブテン-1-オール41.1g(574mmol)、プロピオンアルデヒド40.0g(689mol)及び98質量%ギ酸83mlを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間環化反応させた。
次いで、反応液を50℃まで冷却後、メタンスルホン酸0.83g(8.6mmol)及びエタノール83mlを加えて常圧下で反応液を80℃まで加熱し、副生するギ酸エチルを留去しながら加溶媒分解を行った。更に、この操作を5回繰り返した後、反応液を室温まで冷却し、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液3.3g(17.1mmol)を添加後に減圧蒸留(98〜99℃、3.20kPa)し、無色液体として、純度92.9%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2-エチルテトラヒドロピラン-4-オール70.6gを得た(3-ブテン-1-オール基準の単離収率:87.9%)。
2-エチルテトラヒドロピラン-4-オールの物性値は以下の通りであった。
【0040】
CI-MS(m/z);131(M+1)、113、95
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.93(3H,t,J=5.0Hz)、1.18(1H,q,J=11.6Hz)、1.43〜1.64(3H,m)、1.85〜2.00(3H,m)、3.14〜3.21(1H,m)、3.39(1H,dt,J=12.0,2.1Hz)、3.83〜3.80(1H,m)、3.98(1H,ddd,J=11.7,4.8,1.8Hz)
【0041】
実施例3(2-フェニルテトラヒドロピラン-4-オールの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及びDean-Stark装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、3-ブテン-1-オール40.0g(549mmol)、ベンズアルデヒド69.8g(658mol)及び98質量%ギ酸80mlを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間環化反応させた。
次いで、反応液を50℃まで冷却後、メタンスルホン酸0.83g(8.6mmol)及びエタノール200mlを加えて常圧下で反応液を80℃まで加熱し、副生するギ酸エチルを留去しながら加溶媒分解を行った。更に、この操作を5回繰り返した後、反応液を室温まで冷却し、28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液4.0g(20.7mmol)を添加後に反応液を減圧下で濃縮した。濃縮物をトルエン100mlに溶解させた後、水100mlで洗浄した。トルエン層を分液して濃縮し、無色液体として、純度96.4%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2-フェニルテトラヒドロピラン-4-オール24.5gを得た(3-ブテン-1-オール基準の単離収率:55.8%)。
2-フェニルテトラヒドロピラン-4-オールの物性値は以下の通りであった。
【0042】
CI-MS(m/z);179(M+1)、161、105
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.50〜1.72(3H,m)、1.95〜2.01(1H,m)、2.16〜2.23(1H,m)、3.59(1H,dt,J=12.3,1.8Hz)、3.90〜4.00(1H,m)、4.18(1H,ddd,J=11.7,4.8,1.8Hz)、4.32(1H,dd,J=11.4,2.1Hz)、7.25〜7.35(5H,m)
【0043】
実施例4(2-メチルテトラヒドロピラン-4-ホルメートの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及びDean-Stark装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、98質量%ギ酸120mlを加えて84℃まで加熱した。その後、3-ブテン-1-オール60.0g(0.83mol)及びパラアルデヒド44.0g(アセトアルデヒド換算で1.0mol)を98質量%ギ酸120mlに溶解させたものを3時間かけてゆるやかに滴下し、窒素雰囲気下、同温度で3時間環化反応させた。反応終了後、反応液を減圧蒸留(72〜74℃、2.66kPa)し、無色液体として、純度99.0%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2-メチルテトラヒドロピラン-4-ホルメート70.2gを得た(3-ブテン-1-オール基準の単離収率:58.0%)。
2-メチルテトラヒドロピラン-4-ホルメートは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
【0044】
CI-MS(m/z);145(M+1)、99、81
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.23(3H,d,J=6.3Hz)、1.37(1H,q,J=11.4Hz)、1.59〜1.73(1H,m)、1.90〜2.05(2H,m)、3.44〜3.57(2H,m)、4.04(1H,ddd,J=12.0,4.8,1.8Hz)、4.97〜5.07(1H,m)、8.03(1H,d,J=0.9Hz)
【0045】
実施例5(2-エチルテトラヒドロピラン-4-ホルメートの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及びDean-Stark装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、3-ブテン-1-オール41.1g(574mmol)、プロピオンアルデヒド40.0g(689mol)及び98質量%ギ酸83mlを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間環化反応させた。反応終了後、反応液を減圧蒸留(81〜82℃、2.50kPa)し、無色液体として、純度99.0%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2-エチルテトラヒドロピラン-4-ホルメート72.4gを得た(3-ブテン-1-オール基準の単離収率:79.0%)。
2-エチルテトラヒドロピラン-4-ホルメートは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
【0046】
CI-MS(m/z);159(M+1)、113、83
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));0.94(3H,t,J=7.4Hz)、1.34(1H,q,J=11.1Hz)、1.49〜1.69(3H,m)、1.91〜2.05(2H,m)、3.22〜3.31(1H,m)、3.46(1H,dt,J=12.3,2.1Hz)、4.06(1H,ddd,J=12.0,4.8,1.8Hz)、4.97〜5.07(1H,m)、8.03(1H,s)
【0047】
実施例6(2-フェニルテトラヒドロピラン-4-ホルメートの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及びDean-Stark装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、3-ブテン-1-オール40.0g(549mmol)、ベンズアルデヒド69.8g(658mmol)及び98質量%ギ酸80mlを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間環化反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した。濃縮物をトルエン100mlに溶解させた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで洗浄した。トルエン層を分液して濃縮し、無色液体として、純度99.0%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2-フェニルテトラヒドロピラン-4-ホルメート80.0gを得た(3-ブテン-1-オール基準の単離収率:70.0%)。
2-フェニルテトラヒドロピラン-4-ホルメートは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
【0048】
CI-MS(m/z);207(M+1)、161、117
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.64〜1.87(2H,m)、1.98〜2.08(1H,m)、2.21〜2.36(1H,m)、3.66(1H,dt,J=12.3,2.4Hz)、4.22(1H,ddd,J=12.0,4.8,1.5Hz)、4.41(1H,dd,J=11.7,2.1Hz)、5.14〜5.25(1H,m)、7.28〜7.36(5H,m)、8.05(1H,s)
【0049】
実施例7(2-エチルテトラヒドロピラン-4-オールの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、実施例5と同様な方法で合成した2-エチルテトラヒドロピラン-4-ホルメート851mg(5.04mmol)、メタンスルホン酸17mg(0.18mmol)及びエタノール10mlを加え、攪拌しながら80℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却してガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)したところ、2-エチルテトラヒドロピラン-4-オールが544mg生成していた(反応収率:83.0%)。
【0050】
実施例8(2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールの合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、実施例4と同様な方法で合成した2-メチルテトラヒドロピラン-4-ホルメート452mg(3.14mmol)、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液1ml(1mmol)及びエタノール10mlを加え、攪拌しながら80℃で1時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却してガスクロマトグラフィーで分析(内部標準法)したところ、2-メチルテトラヒドロピラン-4-オールが343mg生成していた(反応収率:94.2%)
【0051】
【発明の効果】
本発明により、繁雑な後処理を必要とせず、2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールを製造出来る、工業的に好適な2-置換-テトラヒドロピラン-4-オールの製法及びその中間体並びにその製法を提供することが出来る。
Claims (4)
- (A)3−ブテン−1−オール、
一般式(1)
アリール基からなる群より選ばれる炭化水素基を示す。)
で示されるアルデヒド化合物(その多量体も含む)及びギ酸を反応させて、
一般式(2)
で示される2−置換−テトラヒドロピラニル−4−ホルメートとする環化反応工程、
(B)次いで、2−置換−テトラヒドロピラニル−4−ホルメートを、
一般式(3)で示される2−置換−テトラヒドロピラン−4−オールとする加溶媒分解工程、
を含んでなることを特徴とする、2−置換−テトラヒドロピラン−4−オールの製法。 - 加溶媒分解を、酸又は塩基の存在下、水、アルコール、又は水とアルコールの混合溶媒中で行う請求項1に記載の2−置換−テトラヒドロピラン−4−オールの製法。
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JP2006188460A (ja) * | 2005-01-06 | 2006-07-20 | Ube Ind Ltd | 3−置換テトラヒドロピラニル−4−カルボキシレート化合物の製法 |
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