JP4332370B2 - 放送受信システムおよび妨害波除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,放送信号を受信するための放送受信システム、および、この放送受信システムを構成可能な妨害波除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ放送における放送信号を受信するための放送受信システムは、VHF帯やUHF帯ばかりで無く、BS放送,CS放送,BS・110°CSデジタル放送等の受信をするシステムが一般的となってきており、それに伴い、宅内に引き込むアンテナからの放送信号も、例えばVHF帯から2.6GHz帯までの広帯域を取扱うようになっている。
【0003】
更にこのようなシステムにおいては、受信信号のVHF帯,UHF帯,コンバータの出力である中間周波数帯を複数の端子に伝送する場合、分配器,伝送線そしてテレビ端子等の損失を補償する衛星放送対応のテレビ受信用増幅装置を設置する必要が生じると共に、当該テレビ受信増幅装置や衛星アンテナのコンバータ等を動作させるため、電源供給装置を備えさせたシステムを構成してきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−136703号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年において、更に地上波デジタル放送が開始されることになり、当分の間は、従来のアナログ放送と,地上波デジタル放送とがサイマル放送されることとなった。この地上波デジタル放送は、UHF帯のch13〜ch31の内から使って行うことになり、これによって地上波デジタル放送に使われる周波数帯で電波を出していた従来のアナログ放送は、上記地上波デジタルより高い周波数帯へ周波数変更することになった(アナログ周波数変更対策。アナ・アナ変換)。
【0006】
この周波数変更では、それぞれの地域の状況に合わせて、各家庭における受信システムやテレビのチャンネル設定等を対応させる必要が生じた。このような状況の中で一部地域において、UHF局から周波数変更されたチャネルと、従来から放送されていたUHF局とによって、同一チャンネルの混信によるオフセットビートなどの妨害波成分が発生してしまう場合があった。
【0007】
そのため、近年、このような妨害波成分を除去するための何らかの対策となる技術が要望されていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、放送信号を受信するための放送受信システムにおいて、放送信号に含まれる妨害波成分を除去するための技術を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため第1の構成に係る放送受信システムは、 放送信号を受信するアンテナ部と、このアンテナ部により受信された放送信号を、この放送信号のうち所定のチャネルを選局可能なチューナ側へ伝送させるための信号伝送経路と、からなる。また、信号伝送経路中には、アンテナ部により受信された放送信号に基づき、この放送信号から妨害波成分が除去された放送信号を生成し、生成した放送信号をチューナ側へ出力する妨害波除去部が配設されている。
【0009】
このように構成された放送受信システムによれば、信号伝送経路中に配設された妨害波除去部によって、アンテナ部により受信された放送信号から妨害波成分が除去された放送信号をチューナ側へ出力することができる。
なお、この構成におけるアンテナ部は、放送信号を受信するものであるが、例えば、放送信号とは異なる周波数成分(例えば、直流成分)の駆動信号により作動する構成要素を備えている場合、このアンテナ部へ駆動信号を供給しなければならない。
【0010】
そこで、以下に示す第2の構成のように、妨害波除去部に、放送信号と重畳された状態でチューナ側の信号伝送経路から伝送されてくる信号のうち、放送信号とは異なる周波数成分を選択的にアンテナ部側の信号伝送経路へ通過させる信号通過回路を備えておき、アンテナ部を、第1駆動信号により作動する構成要素が、チューナ側の信号伝送経路から信号通過回路を経て伝送されてきた第1駆動信号によって作動するように構成すればよい。
【0011】
このように構成された放送受信システムによれば、妨害波除去部は、チューナ側から伝送されてくる第1供給信号を信号通過回路によってアンテナ部側へ通過させることができる。そのため、妨害波除去部が設けられていない従来の放送受信システムに後付で妨害波除去部を配設することにより本放送受信システムを構成する場合に、従来の放送受信システムが第1駆動信号により作動する構成要素を備えていたとしても、第1供給信号をアンテナ部に供給するための専用の伝送経路を設ける必要がない。
【0012】
なお、この構成において、アンテナ部の備える「第1駆動信号により作動する構成要素」とは、アンテナ素子により受信された放送信号の信号レベルを増幅する増幅器、アンテナ素子により受信する放送信号の周波数を変換するコンバータなどのことである。
【0013】
また、上述の妨害波除去部を作動させるためには、以下に示す第3の構成のように、信号通過回路の一部として、少なくとも信号通過回路を通過する信号の一部を、妨害波除去部を駆動するための第2駆動信号として分岐させる分岐経路として形成しておき、この分岐経路で分岐された第2駆動信号により妨害波除去部が作動するように構成すればよい。
【0014】
このように構成された放送受信システムによれば、妨害波除去部へはチューナ側に設置した電源装置から電源供給(第2駆動信号を供給)できるため、容易に放送信号に対する妨害波成分の除去が行える放送受信システムを構成できる。
また、妨害波除去部を作動させるためには、以下に示す第5の構成のように、妨害波除去部に、妨害波除去部を駆動するための第2駆動信号を入力する電源端子を備えておき、この電源端子から供給される第2駆動信号により妨害波除去部が動作するように構成してもよい。
【0015】
このように構成された放送受信システムによれば、妨害波除去部の外部に設置された電源装置により妨害波除去部に電源端子を介して第2駆動信号を供給することによって、妨害波除去部を動作させることができる。そのため、妨害波除去部が設けられていない従来の放送受信システムに後付で妨害波除去部を配設するだけで、従来からあるシステムを生かしつつ、妨害波除去部へは、外部の電源装置からケーブルなどにより電源供給(第2駆動信号を供給)可能な放送受信システムを構成できる。これにより、妨害波除去部を外部の電源装置付近に設置しなければならないといった設置場所の制限や、新たな電源装置を妨害波除去部付近に設置するためにコストがかかると言った問題が無く、容易に妨害波除去部を備えた放送受信システムを提供できる。
【0016】
また、これら第3,5の構成においては、妨害波除去部を、信号通過回路の分岐経路で分岐された第2駆動信号、または、電源端子から供給される第2駆動信号により動作するように構成しておき、さらに、第4,6の構成のように、外部からの指令を受けて、妨害波除去部の動作モードを妨害波除去部が電源端子から供給される第2駆動信号により作動する外部電源モード、または、信号通過回路により分岐された第2駆動信号により作動する分岐電源モードに切り替え可能な切替手段を備えるとよい。
【0017】
このように構成された放送受信システムによれば、妨害波除去部への第2駆動信号の供給を、チューナ側に設置した電源装置により行うか、妨害波除去部自身の備える電源端子から行うかを切替手段によって切り替えることができる。そのため、例えば、妨害波除去部を配設する場所付近に電源装置が配設されている場合には電源端子から第2駆動信号を供給するようにして、チューナ側にしか電源装置が設置されていない場合にはチューナ側に設置した電源装置から第2駆動信号を供給する、といった使い分けが可能になる。このように、放送受信システムの施設状態に応じて自由に妨害波除去部への第2駆動信号の供給元を切り替えられるため、放送受信システムとしての汎用性が高い。
【0018】
ところで、この構成においては、妨害波除去部の動作モードが分岐電源モードに切り替えられた際、妨害波除去部がチューナ側の信号伝送経路から第2駆動信号の供給を受けられるようになるが、この第2駆動信号は信号通過回路を伝送するため、その成分がアンテナ部側の信号伝送経路へも通過することになる。このとき、例えば、アンテナ部の構成要素が自身を駆動する電源を備えており、第1駆動信号を供給する必要がない場合、妨害波除去部の信号通過回路を通過した信号成分がアンテナ部まで伝送されて、上述の構成要素に不必要な信号成分が供給されることにより、アンテナ部だけでなく妨害波除去部の動作が不安定になってしまう恐れがある。さらには、アンテナ部に供給された不必要な信号成分によりアンテナ部の各構成要素に故障などの悪影響を与えてしまう恐れもある。そこで、このような不必要な信号成分がアンテナ部に伝送されてしまうことを防止するためには、例えば、以下に示す第7の構成のようにすればよい。
【0019】
この第7の構成に係る放送受信システムは、妨害波除去部が、切替手段により妨害波除去部の動作モードが分岐電源モードに切り替えられた際に、信号通過回路からアンテナ部側の信号伝送経路への信号の伝送を規制する伝送規制手段を備えている。
【0020】
このように構成された放送受信システムによれば、妨害波除去部の動作モードが分岐電源モードに切り替えられている状態においては、チューナ側から供給される信号がアンテナ部側まで伝送されにくくなる。
このように、妨害波除去部の動作モードが分岐電源モードに切り替えられた際、信号通過回路からアンテナ部側の信号伝送経路への信号の伝送が規制されるため、チューナ側の信号伝送経路から供給された第2駆動信号の信号成分がアンテナ部側の信号伝送経路へ通過してしまうことを抑制することができる。これにより、アンテナ部および妨害波除去部の動作が不安定になったり、アンテナ部および妨害波除去部に悪影響を与えたりといったことを防止できる。
【0021】
なお、上述の伝送規制手段は、アンテナ部側の信号伝送経路への信号の伝送を規制する手段であって、例えば、切替手段の動作と連動して、信号通過回路の一部を開放(または閉鎖)したり、信号通過回路の一部に配設した可変抵抗器の抵抗値を増加(または減少)させたりすることで信号成分の伝送を規制するように構成すればよい。
【0022】
また、上述した切替手段が動作モードを切り替える契機としては、例えば、利用者による操作を受けたことが考えられる。
このためには、以下に示す第8の構成のように、切替手段が、利用者の操作を受けた際に妨害波除去部の動作モードを切り替えるように構成すればよい。
【0023】
このように構成された放送受信システムによれば、利用者は、妨害波除去部の動作モードを任意に切り替えることができる。
なお、この構成における切替手段は、妨害波除去部の動作モードを切り替え可能な手段であって、例えば、信号通過回路における一部経路を開放(および閉鎖)するスイッチ、信号通過回路における一部経路の抵抗値を変化させる抵抗器が考えられる。
【0024】
また、切替手段が妨害波除去部の動作モードを切り替える契機としては、チューナ側の信号伝送経路(に設置された電源装置)、または、妨害波除去部の備える電源端子(に接続された電源装置)から実際に第2駆動信号が供給されてきたことが考えられる。
【0025】
このためには、以下に示す第9の構成のように、妨害波除去部においては、電源端子から第2駆動信号が供給されたこと、または、信号通過回路により第2駆動信号が分岐されることを検出する検出手段が備えられ、切替手段が、検出手段により第2駆動信号が検出された場合は、妨害波除去部の動作モードを外部電源モードまたは分岐電源モードに切り替える一方、第2駆動信号が検出されない場合には、妨害波除去部の動作モードを分岐電源モードまたは外部電源モードに切り替える、ように構成すればよい。
【0026】
このように構成された放送受信システムによれば、妨害波除去部の外部から第2駆動信号が供給されてきた際、この供給元からの第2駆動信号により自動的に妨害波除去部を作動させることができる。よって、妨害波除去部の動作モードを切り替えるために利用者が何らかの操作を行う必要がない。
【0027】
なお、上述した妨害波除去部は、アンテナ部により受信された放送信号を、この放送信号に含まれる妨害波成分を除去してチューナ側へ出力するものであるが、具体的な構成としては、以下に示す第10の構成のものを利用することが考えられる。
【0028】
この第10の構成に係る放送受信システムは、妨害波除去部が、アンテナ部により受信された放送信号のうち特定チャネルの放送信号に含まれる妨害波成分を除去する除去手段と、除去手段により妨害成分の除去された放送信号を、アンテナ部により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネルに変換した後、チューナ側へ出力する変換手段と、を備えている。
【0029】
このように構成された放送受信システムによれば、アンテナ部により受信された放送信号は、特定チャネルの放送信号に含まれる妨害波成分が除去されると共に、この放送信号がアンテナ部により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネルに変換されたものとなる。そのため、利用者は、アンテナ部により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネルをチューナ側で選局することによって、妨害波成分を含んだ特定チャネルの放送信号で示される放送内容を、妨害波成分が除去された状態で視聴することができる。
【0030】
また、第11の構成に係る放送受信システムは、アンテナ部を構成するアンテナ素子の中に、少なくともUHF帯の放送信号を受信可能なアンテナ素子が含まれていることを特徴とする。
このように構成された放送受信システムによれば、UHF帯の放送信号に含まれている妨害波成分を妨害波除去部によって除去することができる。
【0031】
また、第12の構成に係る妨害波除去装置は、第1から11のいずれかの構成に係る妨害波除去部として機能する装置である。
このように構成された妨害波除去装置によれば、第1から11のいずれかの構成に係る放送受信システムの一部を構成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した実施形態の例を、図面を基に詳細に説明する。
[第1実施形態]
放送受信システム1は、図1に示すように、放送信号を受信するアンテナ部10、アンテナ部10により受信された放送信号を伝送させる信号伝送経路20、アンテナ部10により受信された放送信号から妨害波成分の除去された放送信号を生成する妨害波除去部30、チューナを内蔵する利用者端末40などからなる。
【0033】
アンテナ部10は、VHF帯の放送信号を受信するVHFアンテナ11、UHF帯の放送信号を受信するUHFアンテナ12、BS,CSなど衛星放送の放送信号を受信する衛星アンテナ13、各アンテナにより受信された放送信号を入力して信号レベルを増幅する放送受信用増幅装置14などにより構成されている。これらのうち、衛星アンテナ13には、アンテナ本体により受信する放送信号の周波数を変換する衛星コンバータ13aが備えられている。また、衛星アンテナ13の衛星コンバータ13a,放送受信用増幅装置14は、利用者端末40側から供給されるアンテナ駆動信号(本実施形態においては、DC15V)により作動する。
【0034】
信号伝送経路20は、アンテナ部10の放送受信用増幅装置14により信号レベルの増幅された放送信号を利用者端末40側まで伝送させるための伝送線である。なお、利用者端末40は、電源供給器42,分波器44,テレビ受像機46やBS・CSチューナ48などで構成され、テレビ端子52および分配器54を経て信号伝送経路20に接続されている。
【0035】
妨害波除去部30は、信号伝送経路20中に配設されるものであって、アンテナ部10側の信号伝送経路20に接続される入力端子112、利用者端末40側の信号伝送経路20に接続される出力端子114、妨害波除去部30を駆動するための除去駆動信号を入力する電源供給端子116などの他、複数の構成要素によって、入力端子112に入力される放送信号の伝送経路である第1から第3の伝送経路、出力端子114から入力されるアンテナ駆動信号の伝送経路である第4の伝送経路などが形成されている。なお、この妨害波除去部30は、地上波デジタル放送開始に伴う,アナログ周波数変更対策(アナ・アナ変換)に用いられるものであり、変更後におけるアナログ周波数帯の一つのまたは複数のチャネルにおいて、妨害波成分(オフセットビート成分)が発生したチャネルの放送信号からこの妨害波成分を除去すると共に、この放送信号を既存のチャネルとは異なるチャネルに周波数変換して出力するよう構成されたビートキャンセラーである。
【0036】
これらのうち、第1の伝送経路は、アンテナ部10のうち衛星アンテナ13により受信された放送信号が伝送される経路であって、図2に示すように、放送信号が伝送される順番に、入力側電源フィルタ122,入力側ハイパスフィルタ(以降、「入力側HPF」とする)124,第1パス回路126,出力側ハイパスフィルタ(以降、「出力側HPF」とする)128,出力側電源フィルタ130により形成される。
【0037】
この第1の伝送経路を形成する入力側HPF124,出力側HPF128は、アンテナ部10により受信された放送信号のうち、衛星放送に対応する周波数帯(BS・CS−IF帯)を選択的に通過させるフィルタ(本実施形態においては、カットオフ周波数が1032MHz程度のHPF)である。このHPF124,128によって、衛星アンテナ13により受信された放送信号のみが、第1パス回路126を通過するように構成されている。
【0038】
また、第2の伝送経路は、アンテナ部10のうちVHF,UHFアンテナ11,12により受信された放送信号が伝送される経路であって、放送信号が伝送される順番に、入力側電源フィルタ122,入力側ローパスフィルタ(以降、「入力側LPF」とする)132,分配器134,第2パス回路136,混合器138,増幅器140,出力側ローパスフィルタ(以降、「出力側LPF」とする)142,出力側電源フィルタ130により形成される。
【0039】
この第2の伝送経路を形成する入力側LPF132,出力側LPF142は、アンテナ部10により受信された放送信号のうち、VHF帯およびUHF帯を選択的に通過させるフィルタ(本実施形態においては、カットオフ周波数が770MHz程度のLPF)である。このLPF132,142によって、VHF,UHFアンテナ11,12により受信された放送信号のみが、第2パス回路136を通過するように構成されている。
【0040】
また、第3の伝送経路は、アンテナ部10のうちVHF,UHFアンテナ11,12により受信された放送信号の一部(特定チャネル)が伝送される経路であって、放送信号が伝送される順番に、入力側電源フィルタ122,入力側LPF132,分配器134,信号処理回路144,増幅回路146,混合器138,増幅器140,出力側LPF142,出力側電源フィルタ130により形成される。
【0041】
この第3の伝送経路を形成する増幅器140は、信号処理回路144,増幅回路146を通過した信号を最適な出力レベルまで増幅すると共に、第2パス回路136を通過する信号の入出力経路の損失を補償するためのものである。また、信号処理回路144は、アンテナ部10側から入力された放送信号のうち妨害波成分が発生するチャネルとしてあらかじめ定められたチャネルの放送信号を選択的に取り入れて妨害波成分を除去する周知の妨害波成分除去回路144aと、妨害波成分除去回路144aにより妨害波成分が除去された放送信号をアンテナ部10により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネル(つまり、使用されていないチャネル)に変換するチャネル変換回路144bとからなる。また、増幅回路146は、信号処理回路144のチャネル変換回路144bにより出力された放送信号を、第2パス回路136を伝送される放送信号と同レベルの信号レベルとなるように増幅するものであって、本実施形態においては、2つの増幅器146a,b、および、これら増幅器146a,bの間に接続された利得調整回路146cにより構成されている。
【0042】
この第3の伝送経路によって、妨害波成分の発生したチャネルの放送信号は、妨害波成分を除去され、既存のチャネルとは異なるチャネルに周波数変換された後、混合器138により第2の伝送経路を伝送される放送信号と重畳される。このとき、第2,第3の伝送経路を伝送される放送信号それぞれは、全チャネルにおける周波数帯域が重なることなく重畳されることになる。
【0043】
そして、第4の伝送経路は、アンテナ部10を駆動するために利用者端末40から信号伝送経路20に重畳された状態で出力端子114に供給されるアンテナ駆動信号が伝送される経路であって、アンテナ駆動信号が伝送される順番に、出力側電源フィルタ130,第3パス回路150,入力側電源フィルタ122により形成される。
【0044】
この第4の伝送経路を形成する入力側電源フィルタ122,出力側電源フィルタ130は、アンテナ駆動信号に対応する周波数成分(本実施形態においては、直流成分)のみを妨害成分除去部30外部(入力端子112,出力端子114)または第3パス回路150へ選択的に通過させるフィルタである。このフィルタ122,130によって、利用者端末40側から供給されたアンテナ駆動信号のみが第3パス回路150を通過するように構成されている。
【0045】
なお、上述した信号処理回路144,増幅回路146(の各増幅器146a,b)および増幅器140は、妨害成分除去部30外部に設けられた電源装置62からケーブル64,電源供給端子116および避雷回路152を介して供給される除去駆動信号によって作動する。本実施形態において、電源供給端子116には、F型コネクタが採用されており、ケーブル64として同軸ケーブルを介して電源装置62と接続するように構成されている。
【0046】
このように構成された放送受信システム1について、アンテナ部10により受信された放送信号の一部(特定チャネル)に上述のような妨害波成分が含まれている場合について考える。
妨害波除去部30が設けられていない従来の放送受信システムが、あるサービスエリアにおいて従来から受信していた希望波であるアナログ放送波をch50とする。そして、新たにアナ・アナ変換によって近隣に始まった妨害波であるアナログ放送波がch50(周波数オフセット,+10KHz)であったとすると、希望波及び妨害波のD/Uによっては妨害波成分が発生する。このような状況における対策には、屋外から屋内に引き込むための信号伝送経路20に、妨害波除去部30を配設することで、従来の放送受信システムに大幅な改修を加えることなく対応できるようにしたのが本発明の放送受信システム1である。
【0047】
即ち、まず、信号伝送経路20に伝送されている放送信号のうち、衛星放送に対応する放送信号は、上述した第1の伝送経路を介して利用者端末40側へ出力される。
また、VHF帯の放送信号と、UHF帯の妨害波成分が含まれるch50の放送信号と、アナ・アナ変換によって新しく発生した妨害波であるch50(周波数オフセット,+10kHz)の放送信号は、上述した第2の伝送線路を介して利用者端末40側へ出力される。また、希望波であるch50は、第3の伝送経路へも伝送され、信号処理回路144にて妨害波成分が除去されると共にch50とは異なるチャネル(例えば、ch45)に周波数変換され、適宜増幅された後、利用者端末40側へ出力される。なお、これら放送信号は、混合器138において混合されて出力端子114を経て利用者端末40側へ出力される。
【0048】
こうして利用者端末40側へ出力された放送信号は、VHF帯の放送信号,UHF帯の妨害波成分を除去したch45の放送信号,妨害波成分を含むch50の放送信号、アナ・アナ変換で追加されたch50(周波数オフセット,プラス10kHz)の放送信号,衛星放送の放送信号が重畳されたものとなる。
【0049】
そして、利用者端末40の利用者は、ch50の放送信号で示される放送内容を視聴する場合、ch50ではなく、アンテナ部10により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネル(ch45)をテレビ受像機46で選局すれば、妨害波成分を含んだch50の放送信号で示される放送内容を、妨害波成分が除去された状態で視聴できる。
【0050】
[第1実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム1によれば、信号伝送経路20中に配設された妨害波除去部30によって、アンテナ部10により受信された放送信号から妨害波成分が除去された放送信号を利用者端末40側へ出力することができる。
【0051】
また、妨害波除去部30が設けられていない従来の放送受信システムにおいて、妨害波除去部30を信号伝送経路20中に配設するだけで、既設の放送受信システムを大幅に改修することなく、妨害波成分を除去することのできる放送受信システム1を安価に構成できる。
【0052】
さらに、妨害波除去部30は、利用者端末40側から伝送されてくるアンテナ駆動信号を第3パス回路150によってアンテナ部10側へ通過させることができる。そのため、妨害波除去部30が設けられていない従来の放送受信システムに後付で妨害波除去部30を配設することにより放送受信システム1を構成する場合であっても、アンテナ駆動信号をアンテナ部10へ供給するために専用の伝送経路を設ける必要がない。
【0053】
また、アンテナ駆動信号を供給するための利用者端末40(の電源供給器42)とは別の電源装置62によって、妨害波除去部30を動作させることができる。そのため、妨害波除去部30が設けられていない従来の放送受信システムに後付で妨害波除去部30を配設するだけで、従来からあるシステムを生かしつつ、妨害波除去部30へは、電源装置62からケーブル64などにより電源供給(除去駆動信号を供給)できる。これにより、妨害波除去部30を電源装置62付近に設置しなければならないといった設置場所の制限や、電源装置62を妨害波除去部30付近に設置するためにコストがかかると言った問題が無く、容易に妨害波除去部30を備えた放送受信システム1を提供することができる。
【0054】
また、アンテナ部10により受信された放送信号は、特定チャネルの放送信号に含まれる妨害波成分が除去されると共に、この放送信号がアンテナ部10により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネルに変換されたものとなる。そのため、利用者は、アンテナ部10により受信される放送信号から選局可能なチャネル以外のチャネルを利用者端末40側で選局することによって、妨害波成分を含んだ特定チャネルの放送信号で示される放送内容を、妨害波成分が除去された状態で視聴することができる。
【0055】
また、アンテナ部10がUHFアンテナ12を備えているため、UHF帯の放送信号に含まれている妨害波成分を妨害波除去部30によって除去することができる。
また、第2,3の伝送経路において、分配器134,混合器138を経て分配,混合された放送信号には、第2の伝送経路を伝送された妨害波成分を含むチャネルの放送信号も含まれていることから、この第3の伝送経路を伝送された放送信号のチャネルと、第2の伝送経路を伝送された放送信号のうち妨害波成分を含むチャネルとを視覚的に比較して効果が確認できるといった優れた効果が期待できる。
【0056】
また、電源装置62と妨害波除去部30とは、ケーブル64によって接続されるように構成されているため、電源装置62は商用電源が既に配線されている場所に設置すればよく、ケーブル64の簡単な配線だけで妨害波除去部30への電源供給が可能である。
【0057】
また、妨害波除去部30における第3の伝送経路では、信号処理回路144により出力される信号を増幅回路146により最適な信号レベルとなるように増幅している。この信号レベルは、増幅回路146の利得調整回路146cによって任意に調整可能であるため、妨害波除去部30が設けられていない従来の放送受信システムに後付で妨害波除去部30を配設することにより放送受信システム1を構成する場合に、第3の伝送経路を伝送される放送信号が最適な信号レベル(例えば、放送受信用増幅装置14により出力される放送信号の出力レベルと略同じ信号レベル)となるよう容易に調整することができる。
【0058】
また、妨害波除去部30において、入出力端子112,114の間には、利用者端末40側から供給されたアンテナ駆動信号を通過させるための第4の伝送経路が形成されているため、利用者端末40側(電源供給器42)から、放送受信用増幅装置14や衛星アンテナ13の衛星コンバータ13aなどに、専用の伝送経路を設けることなく電源供給することができる。
【0059】
[第2実施形態]
放送受信システム2は、第1実施形態における放送受信システム1と一部構成が異なるだけであるため、第1実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0060】
この第2実施形態においては、図3に示すように、妨害波除去部30の電源供給端子116と避雷回路152とをつなぐ経路中に利用者による操作により作動する第1切替スイッチ154が配設されたものである。
この第1切替スイッチ154は、a接点154aが第4パス回路156を介して第3パス回路150に接続され、b接点154bが電源供給端子116に接続され、c接点154cが避雷回路152に接続されている。
【0061】
また、この第1切替スイッチ154は、初期状態において、c接点154cがb接点154b側(以降、「オン側」とする)に切り替えられており、電源供給端子116と避雷回路152とを導通している。そのため、第1実施形態と同様、増幅器140,信号処理回路144および増幅回路146への電源供給が電源装置62により行われ、アンテナ部10(衛星コンバータ13a,放送受信用増幅装置14)への電源供給が利用者端末40により第3パス回路150を介して行われる状態となる。
【0062】
一方、c接点154cがa接点154a側(以降、「オフ側」とする)に切り替えられた場合には、電源供給端子116と第3パス回路150とが導通する。そのため、増幅器140,信号処理回路144,増幅回路146およびアンテナ部10(衛星コンバータ13a,放送受信用増幅装置14)全てへの電源供給が利用者端末40により第3パス回路150を介して行われる状態となる。
【0063】
なお、この構成において、第1切替スイッチ154をオフ側に切り替えて使用する場合、利用者は、利用者端末40の電源供給器42を、アンテナ部10だけでなく妨害波除去部30をも駆動可能な容量(電流容量)で駆動信号(アンテナ駆動信号および除去駆動信号を含む信号)を出力できるように調整しておく必要がある。
【0064】
[第2実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム2では、第1実施形態における放送受信システム1と異なる構成によって、以下に示すような効果を得ることができる。
【0065】
この放送受信システム2によれば、利用者は、妨害波除去部30の増幅器140,信号処理回路144および増幅回路146への電源供給を、電源供給端子116側から行うか、若しくは出力端子114側から行うかを第1切替スイッチ154の切り替え操作により任意に切り替えることができる。そのため、例えば、妨害波除去部30を配設すべき場所付近に電源装置62が配設されている場合や妨害波除去部30の設置場所までケーブル64を敷設可能な場合には、第1切替スイッチ154をオン側に切り替え、電源装置62により電源供給するようにして使用すればよい。また、電源装置62を配設できない場合やケーブル64を敷設できない場合には、第1切替スイッチ154をオフ側に切り替え利用者端末40により電源供給するようにして使用すればよい。このように、放送受信システム2の施設状態に応じて自由に妨害波除去部30への除去駆動信号の供給元を切り替えられるため、放送受信システム2としての汎用性が高い。
【0066】
[第3実施形態]
放送受信システム3は、第2実施形態における放送受信システム2と一部構成が異なるだけであるため、第2実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0067】
この第3実施形態においては、図4に示すように、第3パス回路150中に利用者の操作により作動する第2切替スイッチ158が配設されたものである。
この第2切替スイッチ158は、第1切替スイッチ154と連動して動作するものであって、a接点158aが第4パス回路156を介して第1切替スイッチ154(のa接点154a)に接続され、b接点158bが第3パス回路150を介して入力側電源フィルタ122に接続され、c接点158cが第3パス回路150を介して出力側電源フィルタ130に接続されている。
【0068】
また、この第2切替スイッチ158は、初期状態において、c接点158cがb接点158b側(以降、「オン側」とする)に切り替えられており、電源フィルタ122,130間を導通している。そのため、第1,第2実施形態と同様、アンテナ部10への電源供給が利用者端末40により行われる状態となる。このとき、第2切替スイッチ158に連動して第1切替スイッチ154もオン側に切り替えられているため、増幅器140,信号処理回路144および増幅回路146への電源供給が電源装置62により行われる状態となる。
【0069】
一方、c接点158cがa接点158a側(以降、「オフ側」とする)に切り替えられた場合には、第3パス回路150と第1切替スイッチ154とが導通する。このとき、第1切替スイッチ154もオフ側に切り替えられるため、結果的に、第3パス回路150と避雷回路152とが導通することによって、増幅器140,信号処理回路144,増幅回路146およびアンテナ部10(衛星コンバータ13a,放送受信用増幅装置14)全てへの電源供給が利用者端末40により第3,第4パス回路150,156を介して行われる状態となる。
【0070】
なお、この構成において、切替スイッチ154,158をオフ側に切り替えて使用する場合、利用者は、利用者端末40の電源供給器42を、妨害波除去部30を駆動可能な容量(電流容量)で駆動信号(除去駆動信号となる信号)を出力できるように調整しておく必要がある。
【0071】
[第3実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム3では、第2実施形態の放送受信システム2と異なる構成によって、以下に示すような効果を得ることができる。
この放送受信システム3によれば、妨害波除去部30の切替スイッチ154,158がオフ側に切り替えられている状態においては、第3パス回路150が開放されるため、利用者端末40側から供給される駆動信号がアンテナ部10側まで伝送されなくなる。
【0072】
第2実施形態の放送受信システム2において、切替スイッチ154がオフ側に切り替えられた際には、妨害波除去部30が利用者端末40側の信号伝送経路20から駆動信号の供給を受けられるようになるが、この駆動信号は第3パス回路150を伝送するため、その成分がアンテナ部10側の信号伝送経路20へも通過することになる。
【0073】
このとき、放送受信用増幅装置14および衛星コンバータ13aとして自身を駆動する電源を備えたものを使用する場合を考えると、妨害波除去部30の第3パス回路150を通過した信号成分(換言すれば駆動信号であり、動作用の電源である)がアンテナ部10まで伝送されて、放送受信用増幅装置14および衛星コンバータ13aに供給されることにより、アンテナ部10だけでなく妨害波除去部30の動作が不安定になってしまう恐れがある。さらには、アンテナ部10に供給された不必要な信号成分によりアンテナ部10の各構成要素に故障などの悪影響を与えてしまう恐れもある。
【0074】
また、アンテナ部10(放送受信用増幅装置14および衛星コンバータ13a)を、利用者端末40側から供給される駆動信号により駆動する構成において、利用者端末40側(電源供給器42)にアンテナ部10を駆動する程度の電源容量しかない場合を考えると、利用者端末40側から供給される駆動信号は、アンテナ部10だけでなく、妨害波除去部30へも供給されることになるが、この駆動信号は電源容量が充分ではないため、アンテナ部10だけでなく妨害波除去部30の動作が不安定になってしまう恐れがある。さらには、アンテナ部10に供給された不充分な信号成分によりアンテナ部10の各構成要素に故障などの悪影響を与えてしまう恐れもある。
【0075】
そのため、上述のように、妨害波除去部30の切替スイッチ154がオフ側に切り替えられた際に第3パス回路150からアンテナ部10側の信号伝送経路20へ信号成分を通過させないようにすることは、アンテナ部10および妨害波除去部30の動作が不安定になったり、アンテナ部10および妨害波除去部30に悪影響を与えたりといったことを防止するためには好適である。
【0076】
[第4実施形態]
放送受信システム4は、第3実施形態における放送受信システム3と一部構成が異なるだけであるため、第3実施形態と同様の構成要素については同一符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0077】
この第4実施形態においては、図5に示すように、第1,第2切替スイッチ154,158が外部からの指令信号により作動するスイッチとなっており、これらスイッチの動作を電源供給端子116から入力される駆動信号に基づいて制御する制御回路160、制御回路160への電源供給を行う電源回路162などが配設されたものである。この電源回路162は、出力端子114からダイオード164を介して駆動信号の一部が入力されたら、この駆動信号に基づいて制御回路160への電源供給を行い、電源供給端子116からダイオード166を介して駆動信号の一部が入力されたら、この駆動信号に基づいて制御回路160への電源供給を行う。
・制御回路160によるスイッチ切替処理
以下に、妨害波除去部30の制御回路160により実行されるスイッチ切替処理の処理手順を図6に基づいて説明する。このスイッチ切替処理は、電源回路162からの電源供給を受けている間、繰り返し実行される。
【0078】
まず、駆動信号(除去駆動信号)の入力が電源供給端子116側から行われているかどうかをチェックする(s110)。この処理では、電源供給端子116から直流成分(DC15V)が入力されている場合に、電源供給端子116側から駆動信号の入力が行われていると判定する。なお、電源供給端子116側から駆動信号が入力されていない状態、つまり、出力端子114側から駆動信号が入力されている状態は、この第3パス回路150を通過する駆動信号が、第4パス回路156を介して避雷回路152側へ分岐される旨を検出したことを示している。
【0079】
このs110の処理で電源供給端子116側から駆動信号の入力が行われている場合(s110:YES)、第1,第2切替スイッチ154,158をオン側に切り替える(s120)。こうして、第1,第2切替スイッチ154,158がオン側に切り替えられた状態における動作は、第3実施形態と同様である。
【0080】
一方、s110の処理で電源供給端子116側から駆動信号の入力が行われていない場合(s110:NO)、第1,第2切替スイッチ154,158をオフ側に切り替える(s130)。こうして、第1,第2切替スイッチ154,158がオフ側に切り替えられた状態における動作は、第3実施形態と同様である。
【0081】
こうして、s120,s130の処理を終えた後、s110の処理へ戻る。
[第4実施形態の効果]
このように構成された放送受信システム4では、第3実施形態の放送受信システム3と異なる構成によって、以下に示すような効果を得ることができる。
【0082】
この放送受信システム4によれば、妨害波除去部30の外部から駆動信号が供給されてきた際、この供給元からの駆動信号を、妨害波除去部30を駆動するために利用する除去駆動信号とすることができる。よって、妨害波除去部30を駆動するために利用する駆動信号を切り替えるために利用者が第1,第2切替スイッチ154,158を操作する必要がない。
【0083】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、このほかにも様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態においては、妨害波除去部30が、いわゆるオフセットビートキャンセラーであるものを例示したが、これ以外に、例えば、ゴーストキャンセラーなどとして機能する構成要素を妨害波除去部30としてもよい。
【0084】
また、上記実施形態においては、妨害波除去部30の分配器134および混合器138が2端子となっているものを例示した。しかし、分配器134および混合器138は、端子数が3以上のものを採用してもよい。この場合、分配器134および混合器138をつなぐ経路のうち、いずれかの経路を第2パス回路136とし、残りの経路をそれぞれ信号処理回路144および増幅回路146からなる経路とし、各信号処理回路144の妨害波成分除去回路144aが異なるチャネルへの変換を行うものとすればよい。このように構成すれば、アンテナ部10により受信される放送信号が、妨害波成分を含む複数のチャネルからなる場合であっても、それぞれのチャネルについて妨害波成分の除去およびチャネルの変換を行うことができる。
【0085】
また、妨害波除去部30は、放送信号の経路がHPFおよびLPFにより分岐されるように構成されたものを例示したが、放送信号の経路はHPFおよびLPF以外のフィルタを用いて分岐するように構成してもよい。
また、妨害波除去部30の入力端子112,出力端子114と電源フィルタ122,130との間には、電源供給端子116に設けられているのと同様の避雷回路を設けてもよく、これによって、放送受信システム1の耐雷性能を更に強化することが可能である。
【0086】
また、上記実施形態においては、妨害波除去部30がアンテナ部10と利用者端末40との間に配設されたものを例示したが、妨害波除去部30は、アンテナ部10と利用者端末40との間以外の位置に配設してもよい。例えば、図7に示す放送受信システム5のように、アンテナ部10のUHFアンテナ12と放送受信用増幅装置14との間に配設することが考えられる。この場合、妨害波除去部30に第3パス回路150および電源フィルタ122,130を設ける必要がなくなる。なお、この構成においては、UHFアンテナ12から放送受信用増幅装置14に至る経路が信号伝送経路20となる。
【0087】
また、上記第2,第3実施形態においては、第1切替スイッチ154によって電源の供給元を切り替えるように構成されたものを例示した。しかし、電源の供給元を切り替えるための構成として、例えば、図8に示すように、避雷回路152における電源供給端子116側の端子に、アノードが電源供給端子116に接続されたダイオード172のカソード、および、アノードが第4パス回路156に接続されたダイオード174のカソードを接続する構成が考えられる。このように構成すれば、両ダイオード172,174のうち、駆動信号の入力されたダイオード側から自動的に電源供給が行われるようすることができる。
【0088】
さらに、この構成においては、電源供給端子116から供給すべき駆動信号の信号レベル(電圧値)を、利用者端末40から供給すべき駆動信号の信号レベルよりも、僅かに高くなるように設定しておくとよい。このように構成すると、妨害波除去部30を備えていない従来の放送受信システムに妨害波除去部30を配設した際に、利用者端末40の電源供給器42の定格容量が不足しても、電源供給端子116に電源装置62を接続することによって、自動的に電源装置62からの電源供給に切り替えることができる。
【0089】
また、上記実施形態においては、アンテナ部10に放送受信用増幅装置14が備えられたものを例示した。しかし、図9に示す放送受信システム6のように、アンテナ部10には放送受信用増幅装置14が備えられていなくてもよい。この場合、利用者端末40側から供給すべき電源の容量が、放送受信用増幅装置14の分だけ少なくてよいため、妨害波除去部30を、図10に示すように、電源供給端子116および避雷回路152が設けられておらず、信号処理回路144,増幅回路146,増幅器140への電源供給が、利用者端末40側の信号伝送経路20に重畳させた駆動信号の一部(除去駆動信号)により行われるように構成してもよい。
【0090】
また、上記第3,4実施形態においては、第2切替スイッチ158によって、第3パス回路150を駆動信号が通過することを規制するように構成されたものを例示した。しかし、駆動信号が通過することを規制するためには、スイッチ以外に、例えば、第1切替スイッチ154がオン側のときは抵抗値が「0」となり、オフ側のときには抵抗値が駆動信号を大きく減衰させることのできる値となるように構成した可変抵抗を採用してもよい。
【0091】
[本発明との対応関係]
本実施形態において、妨害波除去部30の電源供給端子116は本発明における電源端子、電源フィルタ122,130および第3パス回路150は本発明における信号通過回路であり、第4パス回路156は本発明における分岐経路である。
【0092】
また、第1切替スイッチ154および図6におけるs120,s130の処理は、本発明における切替手段であり、このスイッチがオン側に切り替えられている状態が、妨害波除去部30の動作モードが外部電源モードとなっている状態であり、オフ側に切り替えられている状態が、動作モードが分岐電源モードとなっている状態である。なお、図8におけるダイオード172,174についても、本発明における切替手段である。また、第2切替スイッチ158は、本発明における伝送規制手段である。
【0093】
また、信号処理回路144に形成された妨害波成分除去回路144aは、本発明における除去手段であり、チャネル変換回路144bは、本発明における変換手段である。
また、図6におけるs110の処理は、本発明における検出手段である。
【0094】
また、アンテナ駆動信号は本発明における第1駆動信号であり、除去駆動信号は本発明における第2駆動信号である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放送受信システムを示すブロック図
【図2】第1実施形態の妨害波除去部を示すブロック図
【図3】第2実施形態の妨害波除去部を示すブロック図
【図4】第3実施形態の妨害波除去部を示すブロック図
【図5】第4実施形態の妨害波除去部を示すブロック図
【図6】スイッチ切替処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】別の実施形態における放送受信システムを示すブロック図
【図8】別の実施形態における妨害波除去部を示すブロック図
【図9】別の実施形態における放送受信システムを示すブロック図
【図10】別の実施形態における妨害波除去部を示すブロック図
【符号の説明】
1,2,3,4,5・・・放送受信システム、10・・・アンテナ部、11・・・VHFアンテナ、12・・・UHFアンテナ、13・・・衛星アンテナ、13a・・・衛星コンバータ、14・・・放送受信用増幅装置、20・・・信号伝送経路、30・・・妨害波除去部、40・・・利用者端末、42・・・電源供給器、44・・・分波器、46・・・テレビ受像機、48・・・BS・CSチューナ、52・・・テレビ端子、54・・・分配器、62・・・電源装置、64・・・ケーブル、112・・・入力端子、114・・・出力端子、116・・・電源供給端子、122・・・入力側電源フィルタ、入力側ハイパスフィルタ124、126・・・第1パス回路、出力側ハイパスフィルタ128、130・・・出力側電源フィルタ、入力側ローパスフィルタ132、134・・・分配器、136・・・第2パス回路、138・・・混合器、140・・・増幅器、出力側ローパスフィルタ142、144・・・信号処理回路、144a・・・妨害波成分除去回路、144b・・・チャネル変換回路、146・・・増幅回路、146a・・・増幅器、146c・・・利得調整回路、150・・・第3パス回路、152・・・避雷回路、154・・・第1切替スイッチ、154a・・・a接点、154b・・・b接点、154c・・・c接点、156・・・第4パス回路、158・・・第2切替スイッチ、158a・・・a接点、158b・・・b接点、158c・・・c接点、160・・・制御回路、162・・・電源回路、164・・・ダイオード、166・・・ダイオード、172・・・ダイオード、174・・・ダイオード。
Claims (7)
- 放送信号を受信するアンテナ部により受信された放送信号を、該放送信号のうち所定のチャネルを選局可能なチューナ側へ伝送させるための信号伝送経路中に配設されており、前記アンテナ部により受信された放送信号に基づいて該放送信号から妨害波成分が除去された放送信号を生成し、該生成した放送信号をチューナ側へ出力する妨害波除去装置であって、
放送信号と重畳された状態でチューナ側の前記信号伝送経路から伝送されてくる信号のうち、放送信号とは異なる周波数成分を選択的に前記アンテナ部側の前記信号伝送経路へ通過させる信号通過回路を備え、
前記アンテナ部が、該アンテナ部により受信される放送信号とは異なる周波数成分の第1駆動信号により作動する構成要素を備え、該構成要素がチューナ側の前記信号伝送経路から前記信号通過回路を経て伝送されてきた第1駆動信号によって作動するように構成されている場合において、
前記信号通過回路は、少なくとも該信号通過回路を通過する信号の一部を、当該妨害波除去装置を駆動するための第2駆動信号として分岐させる分岐経路を形成しており、該分岐経路で分岐された第2駆動信号により前記妨害波除去装置が作動するように構成されており、
さらに、
前記妨害波除去装置外部から前記第2駆動信号を入力するための電源端子と、
外部からの指令を受けて、当該妨害波除去装置の動作モードを、該妨害波除去装置が前記電源端子から供給される前記第2駆動信号により作動する外部電源モード、または、前記信号通過回路により分岐された第2駆動信号により作動する分岐電源モードに切り替える切替手段と、を備えている
ことを特徴とする妨害波除去装置。 - 外部からの指令を受けて、当該妨害波除去装置の動作モードを、該妨害波除去装置が前記電源端子から供給される前記第2駆動信号により作動する外部電源モード、または、前記信号通過回路により分岐された第2駆動信号により作動する分岐電源モードに切り替え可能な切替手段を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の妨害波除去装置。 - 前記切替手段により当該妨害波除去装置の動作モードが前記分岐電源モードに切り替えられた際に、前記信号通過回路から前記アンテナ部側の前記信号伝送経路への信号の伝送を規制する伝送規制手段を備えている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の妨害波除去装置。 - 前記切替手段は、利用者の操作を受けて、当該妨害波除去装置の動作モードを切り替える
ことを特徴とする1から3のいずれかに記載の妨害波除去装置。 - 前記電源端子から前記第2駆動信号が供給されたことを検出する検出手段が備えられ、
前記切替手段が、前記検出手段により第2駆動信号の供給が検出されている場合に、当該妨害波除去装置の動作モードを前記外部電源モードに切り替える一方、前記第2駆動信号の供給が検出されない場合には、当該妨害波除去装置の動作モードを前記分岐電源モードに切り替える
ことを特徴とする1から4のいずれかに記載の妨害波除去装置。 - 前記アンテナ部により受信された放送信号のうち特定チャネルの放送信号に含まれる妨害波成分を除去する除去手段と、
該除去手段により妨害成分の除去された放送信号を、前記アンテナ部により受信される放送信号についてチューナ側で選局可能かつ使用されていないチャネルに変換した後、チューナ側へ出力する変換手段と、を備えている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の妨害波除去装置。 - 放送信号を受信するアンテナ部と、
該アンテナ部により受信された放送信号を、該放送信号のうち所定のチャネルを選局可能なチューナ側へ伝送させるための信号伝送経路と、
該信号伝送経路中に配設されており、前記アンテナ部により受信された放送信号に基づいて該放送信号から妨害波成分が除去された放送信号を生成し、該生成した放送信号をチューナ側へ出力する妨害波除去部と、からなる放送受信システムであって、
前記妨害波除去部は、放送信号と重畳された状態でチューナ側の前記信号伝送経路から伝送されてくる信号のうち、放送信号とは異なる周波数成分を選択的に前記アンテナ部側の前記信号伝送経路へ通過させる信号通過回路を備え、
前記アンテナ部は、該アンテナ部により受信される放送信号とは異なる周波数成分の第1駆動信号により作動する構成要素を備え、該構成要素がチューナ側の前記信号伝送経路から前記信号通過回路を経て伝送されてきた第1駆動信号によって作動するように構成されており、
前記妨害波除去部において、前記信号通過回路は、少なくとも該信号通過回路を通過する信号の一部を、当該妨害波除去部を駆動するための第2駆動信号として分岐させる分岐経路を形成しており、該分岐経路で分岐された第2駆動信号により前記妨害波除去部が作動するように構成されており、
さらに、
前記妨害波除去部は、
該妨害波除去部外部から前記第2駆動信号を入力するための電源端子と、
外部からの指令を受けて、当該妨害波除去部の動作モードを、該妨害波除去部が前記電源端子から供給される前記第2駆動信号により作動する外部電源モード、または、前記信号通過回路により分岐された第2駆動信号により作動する分岐電源モードに切り替える切替手段と、を備えている
ことを特徴とする放送受信システム。
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