JP4332124B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は,主として内燃機関の燃料供給系に使用される燃料噴射弁に関し,特に,燃料噴射弁の前方に向かって小径となる円錐面で構成されていて,弁体が開閉可能に着座する環状の弁座を有する弁座部材に,前記弁座の下流側に位置し,その弁座の中心線周りに配置される複数の燃料噴孔を有するノズルを連設すると共に,そのノズルの各燃料噴孔を,前記弁体の開弁時,前記弁座を通過した燃料の主流が各燃料噴孔の内面に直接衝突するように配置した燃料噴射弁の改良に関する。
弁体が開閉可能に着座する環状の弁座を有する弁座部材に,弁座の下流側に位置し,弁座の中心線周りに配置される複数の燃料噴孔を有するノズルを連設した電磁式燃料噴射弁は,下記特許文献1及び2に開示されるように既に知られている。
ところで,近年の内燃機関では,出力向上と排ガスの低公害化に対する要求が益々増してきている。そこで燃料噴射弁には,出力向上のために,大量の燃料を応答性良く噴射し得る大流量特性が,また排ガスの清浄化のために,噴射燃料を微粒化させながら,その燃料の吸気路内壁への付着を抑制する微粒化・ペネトレーション性が重要となる。
特開2000−97129号公報 特許第3027919号公報
しかしながら,特許文献1及び2の何れに記載されているものも,弁座部及び燃料噴孔間を繋ぐ燃料流路の曲がりが多いため,弁体の開弁時,弁座部を通過した燃料がノズルの燃料噴孔に到達するまでに,その燃料の圧力損失が大きくなり,前述のような大流量特性及び微粒化・ペネトレーション性を満足させることは困難である。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,前述のような大流量特性及び微粒化・ペネトレーション性を同時に満足させ得るようにした前記燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,燃料噴射弁の前方に向かって小径となる円錐面で構成されていて,弁体が開閉可能に着座する環状の弁座を有する弁座部材に,前記弁座の下流側に位置し,その弁座の中心線周りに配置される複数の燃料噴孔を有するノズルを連設すると共に,そのノズルの各燃料噴孔を,前記弁体の開弁時,前記弁座を通過した燃料の主流が各燃料噴孔の内面に直接衝突するように配置した燃料噴射弁であって前記ノズルを前記弁座部材と同一素材で一体に形成すると共に,そのノズルの内端面を,燃料噴射弁の前方に向かって小径となる円錐面で構成し,その内端面の円錐角を,前記弁座の円錐角よりも大きく設定して,前記弁座の母線の延長線が前記ノズルの内端面に開口する前記各燃料噴孔の内面と交差するように,それら各燃料噴孔を配置したことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記弁体は,凸状球面の一部で構成される環状封止面と,その環状封止面の先端側の,その環状封止面の接線を母線とする円錐面で形成される先端面とによって構成される弁部を有していて,その弁部が前記ノズルの内端面に対向して,その間に円錐状のスペースを形成するように配設されていることを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記ノズルの内端面の円錐角を,前記弁座の円錐角よりも10〜30°大きく設定したことを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第1〜第3の特徴の何れかに加えて,前記弁座の有効直径をD1,環状配列されて前記ノズルの内端面に開口する前記複数の燃料噴孔のピッチ円直径をD2としたとき,D1/D2≦1.5となるように,それら弁座及び燃料噴孔を相互に近接配置したことを第4の特徴とする
本発明の第1の特徴によれば,弁体の開弁時,弁座を通過した燃料の主流が殆ど圧力損失なく燃料噴孔の内面に直接衝突することになり,これにより燃料噴孔からの噴射燃料を効果的に微粒化することができると共に,高速の噴霧フォームを形成することができる。したがって,この噴霧フォームは流速が極めて速く,ペネトレーション性が高いから,エンジンの吸気ポート内壁に付着するものが少なく,また燃料の圧力損失が少ないことから燃料の大流量を確保でき,エンジンの出力向上と排ガスの低公害化に貢献することができる。特に,弁座の母線の延長線がノズルの内端面に開口する各燃料噴孔の内面と交差するようにそれら各燃料噴孔を配置することにより,弁体の開弁時,弁座を通過した燃料の主流を燃料噴孔の内面に的確に衝突させることができる。また,弁座及びノズルの内端面を,燃料噴射弁の前方に向かって小径となる円錐面とすることにより,弁座から各燃料噴孔に至る燃料流路の曲がり回数を少なくして内部圧力損失の更なる低減を図ることができるので,高エネルギの燃料の各燃料噴孔への誘導が可能となり,燃料の大流量特性の向上を図ることができる。そして,ノズルと弁座部材とを同一素材で一体に形成することにより,弁座部材へのノズルの結合工程(溶接)がなくなると共に,溶接による弁座の熱歪みの懸念から解放されるので,弁座の精度,延いては弁密性の向上を図ることができる。しかも,上述のようにノズルの内端面を円錐面とすることにより,ノズルの剛性を効果的に高めることができ,したがってノズルの切削による薄肉加工が容易となる。
また本発明の第2の特徴によれば,弁体の弁部とそれに対向するノズルの内端面との間には円錐状のスペースが形成されるが,そのスペースは,弁部及びノズルの相互接触を回避して,弁部の弁座への着座を確実にし,弁密性の確保に寄与する。しかも,弁体及びノズルの対向面が,共に燃料噴射弁の前方に向かって小径となる円錐面で構成されることにより,弁体及びノズル間のデッドスペースを極小にできて,ノズル内での燃料の圧力損失を抑えることができる。
さらに本発明の第3の特徴によればノズルの内端面の円錐角を,弁座の円錐角よりも10〜30°大きく設定するようにしたので,燃料の主流の各燃料噴内面への衝突角度が大きくなり,噴射燃料の良好な微粒化と高いペネトレーション性を得ることが可能となる。ノズルの内端面の円錐角と,それより小さい弁座の円錐角との差が30°以上であれば,燃料の主流の燃料噴孔内面への衝突角度の減少により,該主流の軸方向成分が増加して衝突エネルギが低減してしまい,燃料の良好な微粒化を得ることが困難となる。一方,その差が10°以下であれば,弁座を通過した燃料の主流の各燃料噴孔の内面に対する効果的な衝突が発生しない。
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,弁座及び燃料噴孔相互の近接配置により弁体の開弁から燃料噴射までの応答性を高めることができ,エンジンの高回転,高出力性能の向上に寄与し得る。D1/D2が1.5を超えると,弁座及び燃料噴孔間の距離が離れ過ぎ,応答性が低下するのみならず,燃料主流の燃料噴孔内面への効果的な衝突が得られなくなる
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る電磁式燃料噴射弁を装着したエンジンの要部縦断側面図,図2は上記燃料噴射弁の拡大縦断側面図,図3は同燃料噴射弁のノズル周辺部の拡大図,図4は図3の4矢視図,図5は同燃料噴射弁の開弁状態を示す,図3との対応図,図6は本発明の参考例に係る燃料噴射弁の要部縦断面図である。
先ず,図1〜図5に示す本発明の実施例の説明から始める。
図1において,エンジンEのシリンダヘッド50の,吸気ポート50aが開口する側面に吸気マニホールド51が接合されており,この吸気マニホールド51に本発明の電磁式燃料噴射弁Iが装着される。この燃料噴射弁Iの前端面は,吸気ポート50aの下流端に向けられ,吸気ポート50aの下流端を開閉する吸気弁52の開放時,燃料噴射弁Iから噴射される燃料が形成する噴霧フォームFが吸気ポート50aの下流端に向けて供給される。
図2において,上記燃料噴射弁Iの弁ハウジング2は,前端に弁座8(図3参照)を有する円筒状の弁座部材3と,この弁座部材3の後端部に同軸状に液密に結合される磁性円筒体4と,この磁性円筒体4の後端に同軸状に液密に結合される非磁性円筒体6と,この非磁性円筒体6の後端に同軸状に液密に結合される固定コア5と,この固定コア5の後端に同軸状に連設される燃料入口筒26とで構成される。
図3を併せて参照して,弁座部材3は,円筒状のガイド孔9と,このガイド孔9の前端に連なる環状の弁座8とを有しており,この弁座部材3には,弁座8の内周側,即ち下流側に位置するノズル10が一体に形成される。具体的には,同一素材に切削加工を施すことにより,弁座部材3及びノズル10は一体に構成される。また弁座部材3の前端面には,ノズル10が臨む凹部13が形成される。この凹部13の周壁は,ノズル10を他物との接触から保護する。
上記ノズル10には複数の燃料噴孔11,11…が穿設され,それらは弁座8及びノズル10の中心線Y周りに環状に配列される(図3及び図4参照)。
非磁性円筒体6の内周面には,その後端側から中空円筒状の固定コア5が液密に圧入され,これによって非磁性円筒体6及び固定コア5は互いに同軸状に結合される。その際,非磁性円筒体6の前端部には,固定コア5と嵌合しない部分が残され,その部分から弁座部材3に至る弁ハウジング2内に弁組立体Vが収容される。
弁組立体Vは,前記弁座8に対して開閉動作する弁部16及びそれを支持する弁杆部17からなる弁体18と,弁杆部17に連結され,磁性円筒体4から非磁性円筒体6に跨がって,それらに挿入されて固定コア5に同軸上で対置される可動コア12とからなっている。弁杆部17は,前記ガイド孔9より小径に形成されており,その外周には,半径方向突出して,前記ガイド孔9の内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部17aが一体に形成されている。また可動コア12外周には,磁性円筒体4の内周面に摺動可能に支承されるジャーナル部17bが形成されている。
弁組立体Vには,可動コア12の後端面から弁部16の手前で終わる縦孔19と,この縦孔19を,可動コア12外周面に連通させる複数の第1横孔20aと,同縦孔19をジャーナル部17aと弁部16との間の弁杆部17外周面に連通させる複数の第2横孔20bとが設けられる。その際,縦孔19の途中には,固定コア5側を向いた環状のばね座24が形成される。
固定コア5はフェライト系の高硬度磁性材製とされる。一方,可動コア12には,固定コア5の吸引面と対向する吸引面に,前記ばね座24に支承される弁ばね22を囲繞するカラー状の高硬度のストッパ要素14が埋設される。このストッパ要素14は,その外端を可動コア12の吸引面から僅かに突出させていて,通常,弁体18の開弁ストロークに相当する間隙を存して固定コア5の吸引面と対置される。
固定コア5は,可動コア12の縦孔19と連通する縦孔21を有し,この縦孔21に内部が連通する燃料入口筒26が固定コア5の後端に一体に連設される。燃料入口筒26は,固定コア5の後端に連なる縮径部26aと,それに続く拡径部26bとからなっており,その縮径部26aから縦孔21に圧入されるすり割り付きパイプ状のリテーナ23と前記ばね座24との間に可動コア12を弁体18の閉弁側に付勢する弁ばね22が縮設される。その際,リテーナ23の縦孔21への嵌合深さにより弁ばね22のセット荷重が調整される。拡径部26b内には燃料フィルタ27が装着される。
弁ハウジング2の外周には,固定コア5及び可動コア12に対応してコイル組立体28が嵌装される。このコイル組立体28は,磁性円筒体4の後端部から固定コア5にかけてそれらの外周面に嵌合するボビン29と,これに巻装されるコイル30とからなっており,このコイル組立体28を囲繞するコイルハウジング31の前端が磁性円筒体4の外周面に溶接され,その後端には,固定コア5の後端部外周からフランジ状に突出するヨーク5aの外周面溶接される。コイルハウジング31は円筒状をなし,且つ一側に軸方向に延びるスリット31aが形成されている。
前記磁性円筒体4の一部,コイルハウジング31,コイル組立体28,固定コア5及び燃料入口筒26の前半部は,射出成形によ合成樹脂製の円筒状モールド部32に埋封される。その際,コイルハウジング31内へのモールド部32の充填はスリット31aを通して行われる。またモールド部32の中間部には,一側方に突出するカプラ34が一体に形成され,このカプラ34は,前記コイル30に連なる通電用端子33を保持する。
図3に示すように,前記環状の弁座8は,燃料噴射弁Iの前方に向かって小径となる円錐面で構成され,これに対向する弁部16の環状封止面16aは凸状球面の一部で構成され,この弁部16の先端面16bは,封止面16aの接線を母線とする円錐面に形成される。
一方,ノズル10は,その内端面10a及び外端面も燃料噴射弁Iの前方に向かって小径となる円錐面で構成され,したがって全体的に燃料噴射弁Iの前方に向かう凸状をなしている。また弁座8ノズル10の内端面10aとの間には,ノズル10の内端面10aと弁部16との間に円錐状のスペース25を確保する環状段部15が設けられる。上記スペース25は,弁部16及びノズル10の相互接触を回避して,弁部16の弁座8への着座を確実にし,弁密性の確保に寄与する。
このノズル10に穿設されて前記中心線Y周りに環状配列される複数の燃料噴孔11,11…は,それぞれ前方に向かって前記中心線Yから離れるように傾斜し,且つ各燃料噴孔11の内面が円錐状の弁座8の母線の延長線Lと交差するように配置される。
こゝで,ノズル10の内端面10aの円錐角をα,弁座8の円錐角をβ,弁部16の先端面16bの円錐角をγとしたとき,これらは次式(1)〜(3)が成立するように設定される。
α>γ・・・・・・・・・・・(1)
α>β・・・・・・・・・・・(2)
10°≦θ≦30°・・・・・(3)
但し,θ=α−β
また弁座8の有効直径をD1,環状配列されてノズル10の内端面10aに開口する複数の燃料噴孔11,11…のピッチ円直径をD2としたとき,次式が成立するように,弁座8及び燃料噴孔11,11…は相互に近接配置される。
D1/D2≦1.5・・・・・(4)
次に,この実施例の作用について説明する。
コイル30を消磁した状態では,弁ばね22の付勢力で弁組立体Vは前方に押圧され,弁体18を弁座8に着座させている。この状態では,図示しない燃料ポンプから燃料入口筒26に圧送された燃料は,パイプ状のリテーナ23内部,弁組立体Vの縦孔19及び第1及び第2横孔20a,20bを通して弁座部材3内に待機させられ,弁組立体Vのジャーナル部17a,17b周りの潤滑に供される。
コイル30を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束が固定コア5,コイルハウジング31,磁性円筒体4及び可動コア12を順次走り,その磁力により弁組立体Vの可動コア12が弁ばね22のセット荷重に抗して固定コア5に吸引され,弁体18の弁部16が図5に示すように弁座部材3の弁座8から離座するので,弁座部材3内の高圧燃料の主流Sは,弁座8の円錐面に沿ってノズル10側に進む。
ところで,ノズル10の環状配列の複数の燃料噴孔11,11…は,各燃料噴孔11の内面が円錐状の弁座8の母線の延長線Lと交差するように配置されているから,弁座8から各燃料噴孔11に直接向かう燃料の主流Sは圧力損失することなく各燃料噴孔11の内面に勢いよく衝突し,また他の燃料は,弁部16及びノズル10間の狭小な円錐状のスペース25で素早く合流して最寄りの燃料噴孔11に向かうので,比較的多量の燃料が各燃料噴孔11で絞られることで流れを加速してノズル10の前方に噴射される。
このように,弁座8を通過した燃料の主流Sが殆ど圧力損失なく燃料噴孔11,11…の内面に直接衝突すること,円錐状のスペース25が狭小で主流S以外の燃料が素早く合流して燃料噴孔11,11…に達し,このときも圧力損失が極めて少ないこと,その結果,燃料噴孔11,11…での燃料の流れが効果的に加速さること等により,環状配列の燃料噴孔11,11…からの噴射燃料を効果的に微粒化することができると共に,高速の噴霧フォームFを形成することができる。したがって,この噴霧フォームFは流速が極めて速く,ペネトレーション性が高いから,エンジンEの吸気ポート50内壁に付着する燃料のロスが極めて少なく,燃費の低減を図ることができる。また燃料の圧力損失が少ないことは,燃料の大流量を確保できることを意味する。このようにして本発明の電磁式燃料噴射弁Iは,燃料の大流量特性及び微粒化・ペネトレーション性を同時に満足させ得るから,エンジンEの出力向上と排ガスの低公害化に大いに貢献することができる。
特に,弁座8とノズル10の内端面10aとの間に形成された環状段部15は,弁部16及びノズル10の相互干渉を回避するのみならず,弁座8を通過した燃料の主流Sの各燃料噴孔11への直接導入を容易にし,燃料の大流量特性及びペネトレーション性の向上に大いに寄与する。
また上記環状段部15の存在により,弁部16及びノズル10間にできたスペース25の,燃料噴孔11,11…群内側の部分は,燃料流路機能を持つ必要がないデッドスペースであるから,これを弁部16及びノズル10の相互干渉を回避する範囲で極力狭めて,デッドスペースを小さくし,温度変化に対する燃料噴射特性の安定化を図ることができる。
この場合,前記(1)式に示すように,ノズル10の内端面10aの円錐角αより弁部16の先端面の円錐角γを小さく設定すれば,弁部16及びノズル10間の間隙がノズル10の中心線Yに近づくにつれて減少することになり,弁部16及びノズル10間にできた,燃料噴孔11,11…群内側のデッドスペースの容積を効果的に小さくすることができて,温度変化に対する燃料噴射特性の更なる安定化を図ることができる。
さらに弁部16の先端面16b,弁座8及びノズル10の内端面10aが,燃料噴射弁Iの前方に向かって小径となる円錐面で構成されることにより,弁座8から各燃料噴孔11に至る燃料流路の曲がりを少なくして内部圧力損失の低減を図り,高エネルギの燃料の各燃料噴孔11への誘導が可能となり,燃料の大流量特性の向上を図ることができる。しかも内端面10aを円錐面としたノズル10は剛性が極めて高いので,このノズル10の切削による薄肉加工を容易行うことができる。
また前記(2)及び(3)式に示すように,ノズル10の内端面10aの円錐角αが,弁座8の円錐角βよりも10〜30°大きく設定されることにより,燃料の主流Sの各燃料噴孔11内面への衝突入射角度が90°に近づいて激しい衝突が生じ,噴射燃料の良好な微粒化と高いペネトレーション性を得ることができる。
尚,ノズル10の内端面10aの円錐角αと,それより小さい弁座8の円錐角βとの差θが30°以上であれば,燃料の主流Sの燃料噴孔11内面への衝突入射角度の減少により,該主流Sの燃料噴孔11軸方向成分が増加して衝突エネルギが低減し,燃料の良好な微粒化を得ることが困難となり,その差θが10°以下であれば,弁座8を通過した燃料の主流Sの各燃料噴孔11の内面に対する効果的な衝突が発生しない。
さらに前記(4)式に従い弁座8及び燃料噴孔11,11…を相互に近接して配置すれば,弁体18の開放から燃料噴射までの応答性を高めることができ,エンジンEの高回転,高出力性能の向上に寄与し得る。D1/D2が1.5を超えると,弁座8及び燃料噴孔11,11…間の距離が大き過ぎ,応答性が低下するのみならず,燃料主流Sの各燃料噴孔11内面への効果的な衝突が得られなくなる。
さらにまた弁座部材3及びノズル10を同一素材で一体に形成することにより,弁座部材3へのノズルの結合工程(溶接)を廃止して,燃料噴射弁Iの組立性を良好にすると共に,溶接による弁座8の熱歪みの懸念から解放される。したがって弁座の精度,延いては弁密性の向上を図ることができ,またノズル10における燃料噴孔11,11…の位置及び向きの精度の向上をも図ることができるので,燃料噴孔11,11…からの噴射燃料で形成される噴霧フォームFの安定化をもたらすことができる。また環状の弁座8の加工時には,弁座8とノズル10の内端面10aとの間の環状段部15が,刃具とノズルとの干渉を防ぐことになり,弁座8の加工を容易,正確に行うことができる。
次に図6に示す本発明の参考例について説明する。
この参考例では,弁部16の先端面16bが弁座8と同一半径R1の球面で構成され,それに対向するノズル10の内端面10aは,上記半径R1より大きい半径R2の球面で構成される。その他の構成は前実施例と同様であるので,図6中,前実施例と対応する部分に前実施例と同一の参照符号を付して,重複する説明を省略する。この参考例によっても,前実施例よりはやや劣るがそれに近い作用効果を発揮することができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
本発明の実施例に係る電磁式燃料噴射弁を装着したエンジンの要部縦断側面図。 上記燃料噴射弁の拡大縦断側面図。 同燃料噴射弁のノズル周辺部の拡大図。 図3の4矢視図。 同燃料噴射弁の開弁状態を示す,図3との対応図。 本発明の参考例に係る燃料噴射弁の要部縦断面図。
3・・・・・弁座部材
8・・・・・弁座
10・・・・ノズル
10a・・・ノズルの内端
11・・・・燃料噴孔
16・・・・弁部
16a・・・弁部の環状封止面
16b・・・弁部の先端
18・・・・弁体
25・・・・円錐状のスペース
I・・・・・燃料噴射弁
L・・・・・弁座を構成する円錐面の母線の延長線
S・・・・・燃料の主流
α・・・・・弁座を構成する円錐面の円錐角
β・・・・・ノズルの内端面を構成する円錐面の円錐角

Claims (4)

  1. 燃料噴射弁(I)の前方に向かって小径となる円錐面で構成されていて,弁体(18)が開閉可能に着座する環状の弁座(8)を有する弁座部材(3)に,前記弁座(8)の下流側に位置し,その弁座(8)の中心線(Y)周りに配置される複数の燃料噴孔(11)を有するノズル(10)を連設すると共に,そのノズル(10)の各燃料噴孔(11)を,前記弁体(18)の開弁時,前記弁座(8)を通過した燃料の主流(S)が各燃料噴孔(11)の内面に直接衝突するように配置した燃料噴射弁であって
    前記ノズル(10)を前記弁座部材(3)と同一素材で一体に形成すると共に,そのノズル(10)の内端面(10a)を,燃料噴射弁(I)の前方に向かって小径となる円錐面で構成し,その内端面(10a)の円錐角(α)を,前記弁座(8)の円錐角(β)よりも大きく設定して,前記弁座(8)の母線の延長線(L)が前記ノズル(10)の内端面(10a)に開口する前記各燃料噴孔(11)の内面と交差するように,それら各燃料噴孔(11)を配置したことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1記載の燃料噴射弁において,
    前記弁体(18)は,凸状球面の一部で構成される環状封止面(16a)と,その環状封止面(16a)の先端側の,その環状封止面(16a)の接線を母線とする円錐面で形成される先端面(16b)とによって構成される弁部(16)を有していて,その弁部(16)が前記ノズル(10)の内端面(10a)に対向して,その間に円錐状のスペース(25)を形成するように配設されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項1又は2記載の燃料噴射弁において,
    前記ノズル(10)の内端面(10a)の円錐角(α)を,前記弁座(8)の円錐角(β)よりも10〜30°大きく設定したことを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の燃料噴射弁において,
    前記弁座(8)の有効直径をD1,環状配列されて前記ノズル(10)の内端面(10a)に開口する前記複数の燃料噴孔(11)のピッチ円直径をD2としたとき,D1/D2≦1.5となるように,それら弁座(8)及び燃料噴孔(11)を相互に近接配置したことを特徴とする燃料噴射弁
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