JP4332014B2 - 抄紙用プレスフェルト及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、抄紙機械に使用される、抄紙用プレスフェルトに関する。
従来、製紙工程において紙の原料から水分を除去するため、抄紙機には成形(フォーミング)、プレス、乾燥の大きく分けて3つのパートがあり、それぞれのパートにおいて水分が連続的に脱水される。
そして、それぞれのパートで脱水の機能に対応した抄紙用具が用いられている。
従来、プレスパートには抄紙用フェルトが使用され、プレスパート内に設けられたプレス加圧部内へフェルトと湿紙とを通過させ、湿紙中の水分を抄紙用フェルトへと移行させることにより、湿紙から水分を脱水している。
なお、プレス加圧部は、一対のプレスロールにより構成されるものや、プレスロールとプレスロールの周面に対応した形状を有するシューとにより構成されるものが一般的である。
この抄紙用フェルトの構成を図1に基づき説明する。抄紙用フェルト10は、基体20にバット層として、表面側バット層31と裏面側バット層32にそれぞれを積層し、ニードルパンチング等により植毛して構成されている。
なお、基体20は経糸21と緯糸22とを製織して構成される織布が通常使用されている。
抄紙用フェルトの基本的な機能は、湿紙から水を搾る(搾水性)、湿紙の平滑性を高める(平滑性)、湿紙を搬送すると云った役割(湿紙搬送性)を果たしている。
とりわけ、抄紙用フェルト機能の中の湿紙から水を搾る機能が重要視されている。
抄紙用フェルト機能の中の湿紙から水を搾る機能としては、一対のプレスロール間を通過する際、加圧により湿紙から水をフェルトに移行し、フェルト中の水は加圧によりフェルト裏面側から排出するか、抄紙機のサクションボックスで吸引しフェルト系外に排出する。この為、加圧下で圧縮され、除圧時に回復する圧縮回復性の持続とフェルトの水透過性が重要視されている。
最近の抄紙技術の動向として、生産性向上のため抄紙機の高速化とプレスパートにおいてロール又はシュープレス等による高加圧化が進んでおり、抄紙用フェルトが高加圧下において扁平化して水透過性や圧縮回復性が低下し、搾水性が著しく低下する等の問題があった。
そこで、この問題を解決する手法の1つとして、フェルトを構成する繊維に弾性を有する繊維を使用する方法がある。
弾性を有する繊維を使用する一例として、糸材を織製してなる基布と、基布に短繊維をニードリングにより絡合一体化した抄紙用プレスフェルトにおいて、基布の糸材又は短繊維として、弾性を有する繊維を使用するものである。具体的な弾性繊維としては、ポリアミド成分からなるハードセグメントと、ポリエーテル成分からなるソフトセグメントとを有するポリアミド系ブロックコポリマーからなる繊維が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
ところが、このような弾性を有する繊維を用いても、使用中に繰り返しの圧縮疲労により繊維の弾性が低下し、フェルト中の繊維間に形成されている空隙が減少し、水透過性が低下すると共に、繊維断面の扁平化により圧縮回復性が低下する。
また、フェルトの基材上に合成重合体樹脂からなる不規則な形状の粒状物の層を配置し、その不規則な粒状物が互いに及び基布と融着結合され、複数個の粒状物間に水が流通する細孔が形成されたものが有る(例えば、特許文献2参照)。
この場合、粒状物間の融着結合が弱い場合、フェルトの使用中の磨耗等により粒状物が剥離し、湿紙に付着し製品トラブルとなる場合がある。また、剥離対策として粒状物間の融着結合を強固にする手段として、粒状物の剛性を高めた場合、フェルトが非圧縮となり圧縮回復性が阻害されることがある。また、細孔の径を小さくするか細孔の数を少なくする場合、水透過性が低下することがある。
また、中空繊維の空洞内に布を処理するための薬剤が収容された中空繊維を有する抄紙機クロージングにおいて、合成重合体樹脂発泡体の粒状粒子を含むものが記載されているが(例えば、特許文献3参照)、該粒子は、繊維のからみ合いにより位置が保持されたものであるために、抄紙機クロージング中の繊維に結合されたものでなく、粒子が抄紙機クロージングより脱離しやすく、使用中に脱落し長期使用の圧縮回復性に乏しいものである。
実用新案登録第2514509号公報 特公平3−77316号公報 特公平3−46594号公報
したがって、本発明の課題は、繰り返し加圧においても繊維間の空隙が閉塞されることが無く、抄紙用フェルトの圧縮回復性を長期にわたり持続し、搾水性、湿紙平滑性、湿紙搬送性といった機能をフェルトの使用期間末期まで維持する抄紙用プレスフェルトを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、抄紙用フェルトの構成成分である繊維に粒子を結合することにより、上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基体の片面または両面にバット層を有する抄紙用プレスフェルトにおいて、該抄紙用プレスフェルトの繊維に結合された粒子を有する、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
また、本発明は、粒子が、バット層の繊維に結合されたものである、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
さらに、本発明は、粒子が、弾性変形可能なものである、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
さらに、本発明は、弾性変形可能な粒子が、ソフトセグメントとしてポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物をブロック共重合する、ポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマー、およびポリオレフィン系エラストマ−の熱可塑性弾性樹脂およびゴムからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
また、本発明は、粒子の粒子径が、1〜1000μmであることを特徴とする、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
さらに、本発明は、粒子が熱膨張性を有することを特徴とする、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
本発明の抄紙用プレスフェルトは、繊維に粒子が結合されたものであり、繊維間に空隙を保持することができ、繰り返しの加圧においてもフェルト中の繊維間の空隙が閉塞されることなく、圧縮回復性を維持することができ、搾水性に優れるものである。
プレスフェルト中の粒子は、結合され、繊維に一体化されたものであるため、長期間使用しても脱離することなく、使用期間中の圧縮回復性を保ち、また粒子が製品に影響を与えることがない。
該粒子に弾性変形可能なものを用いた場合には、さらに粒子の耐圧力効果により繊維間の空隙が潰されることがなく、圧縮回復性に優れるものである。
本発明の抄紙用フェルトの実施形態を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1はCD方向に沿って切断した断面図である。抄紙用フェルト10は基体20にバット層を積層し、絡合一体化した抄紙用ニードルフェルトである。
基体20は経糸21と緯糸22を織機等により製織した織物を通常用い、経糸21と緯糸22は、ナイロン、ポリエステル、オレフィンなどのモノフィラメント及びマルチフィラメントを用いる。
織物の構造としては、1重織、または2重織、3重織などの多重織構造を有してよい。また、織物の他、経糸と緯糸を織込むことなく接着剤等により接着形成した物や、不織布、フィルムや樹脂成型体等を用いてもよい。
バット層にはナイロン繊維等の合成繊維や羊毛等の天然繊維をウェッブ状に形成し積層したもので、太さや材質の異なる繊維をブレンドして用いても良い。
バット層は湿紙側に位置する表面側バット層31と抄紙機のプレスロール又はシュー側に位置する裏面側バット層32からなるが、場合によっては表面側バット層31のみで構成する場合もある。また、表面性を高める為、最も表面側のバット層311に細い繊維を用い、内層側のバット層312及び裏面側バット層32には水透過性を高める為に太い繊維を用いても良い。
図2は本発明の一態様である抄紙用プレスフェルトにおいてバット層の繊維30に粒子40を結合している状態を示すもので、加圧されていない状態を示す。
図3は本発明の抄紙用プレスフェルトにおいてバット層の繊維30に粒子40を結合している状態を示すもので、加圧されている状態を示す。
このように、バット層の繊維30と粒子40が結合しているため、該フェルトがプレス圧力による圧縮が繰返されても、該バット層は粒子の耐圧力効果によって、該バット層内に形成された空隙が潰されずに残る為、水透過性と圧縮回復性は低下しない。また、該粒子がバット層の繊維30に結合しているため、該粒子がプレス圧力やフェルトの使用期間中でも脱離したり脱落したりすることはなく持続性も高くなるものである。
よって、粒子が繊維に結合されていない場合、繰り返し圧縮によるフェルトの変形や水流により、粒子がフェルト中を移動してしまい充分な耐圧力効果が得られないので好ましくない。
本発明において、粒子の材質は繰り返し圧縮に対して耐圧力効果があるものであればいずれでも良いが、さらに良好な圧縮回復性を得るために、粒子が弾性変形可能なものであることが好ましい。
本発明における弾性変形可能な粒子とは、加圧により弾性変形しエネルギー変換により変形応力を吸収し、変形応力が解除されると、除圧時には元の形態に回復する機能を有するものであれば良く、熱可塑性弾性樹脂およびゴムが挙げられる。熱可塑性弾性樹脂としては、具体的には、ソフトセグメントとしてポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等をブロック共重合した、ポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−等を用いることができる。
また、ゴムとしては、EPDM(エチレン―プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレンプロピレンゴム)、EPM(エチレン−プロピレン共重合体;エチレンプロピレンゴム)、NBM(完全水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、FKM(フッ素ゴム)等のポリメチレンタイプの飽和主鎖をもつゴム、CO(エピクロロヒドリンゴム)等の主鎖に酸素をもつゴム、VMQ(ビニルメチルシリコーンゴム)等の主鎖にケイ素と酸素をもつゴム、BR(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、IIR(イソブテン−イソプレンゴム)、NR(天然ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)等の主鎖に不飽和炭素結合をもつゴム、EU(ポリエーテルウレタン)等の主鎖に炭素、酸素、および窒素をもつゴム、EOT(ポリスルフィドゴム)等の主鎖に硫黄をもつゴム、PZ(フォスファゼンゴム)等の主鎖にリンおよび窒素をもつゴム、主鎖に酸素もしくはリンをもたないで窒素をもつゴム等が挙げられる。
本発明に用いられる粒子としては非中空粒子、中空粒子、多孔質粒子のいずれでも良く、粒子の形状はいずれの形状であってもよいが、耐圧力効果の観点から球状であることが好ましい。
粒子の粒子径は、1〜1000μmであることが好ましく、粒子径については使用する繊維径の10分の1から10倍程度が好ましい。
また、粒子の粒子径については粒子径の大きなものほど耐圧効果が高くなるが、粒子径の大きなものはフェルト製造工程において内部に配置することが難しい。したがって、熱処理温度により粒子径を調節することができる熱膨張性を具備してなる粒子を用いることが好ましく、熱膨張前の粒子径の小さい粒子を用いることで、粒子をプレスフェルトの繊維中に容易に均一に配置することができる。
また、バット層および基体のそれぞれの層に粒子径の異なる粒子を配置することにより、それぞれの繊維層において空隙率の異なった層を形成することも可能である。この場合、熱膨張率や粒子径の異なる粒子を混ぜて使用することによって、粒子径を調整しても良い。
また、製造中に粒子を熱膨張させることもできるが、製造工程中の熱処理条件を調整または熱膨張率の温度特性の異なる粒子を混ぜることにより、フェルト製造工程中ばかりでなく、フェルト使用中において扁平化したフェルトにスチームシャワー等によりフェルトを加熱し、粒子を膨張させることもできる。この場合、使用により扁平化したフェルトの厚みを再度回復し、寿命を延ばすことも可能である。
本発明の抄紙用プレスフェルトにおける粒子の結合とは、粒子が、該プレスフェルト中の繊維から脱離することなく、結合され、一体化されたものであり、付着し、結合するのであればいずれの方法を用いてもよい。一体化することにより、安定して粒子が繊維に保持され、使用期間中に脱離することを防止することができる。
繊維表面に粒子を結合する方法としては、繊維との融着性を有する粒子を用いる場合は接着剤等を用いなくても良いが、融着性を有しない粒子を用いる場合や粒子の結合を高める場合、繊維表面又は粒子に接着剤等を塗布又は散布し粒子を結合一体化する方法や、バット層の繊維に熱溶融繊維を混ぜたり、鞘部が融点の低い様な芯鞘複合繊維を用い、鞘部を溶融することにより粒子を融着一体化してもよい。
本発明の抄紙用プレスフェルトにおける粒子は、基体、バット層の繊維両方または片方のいずれに結合しても圧縮回復性、水透過性の効果が得られる。 バット層の繊維に粒子を結合する場合、フェルトの湿紙側に位置する表面側バット層31と抄紙機のプレスロール又はシュー側に位置する裏面側バット層32の全層の繊維に結合しても、表面側バット層の内層側のバット層312の繊維にのみ結合しても良い。
本発明に係る抄紙用プレスフェルトの効果を確認すべく、以下のような実験を行った。
ここで、実施例、比較例ともに諸条件を共通にするため、全てのフェルトの基本構成を次の通りとした。
基体(ナイロンモノフィラメントの撚糸を平織):坪量750g/m
バット層(ナイロン6の短繊維(45μm)):坪量750g/m
総坪量1500g/m
(実施例1〜3)
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有しない球状の非中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/mとなるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
(実施例4)
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有する球状の多孔粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/mとなるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
(実施例5〜7)
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有する球状の中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/mとなるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
(実施例8)
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような実施例7と同じ熱膨張性を有する球状の中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/mとなるようスプレー散布し、180℃で熱処理を実施した。
(実施例9)
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような実施例7と同じ熱膨張性を有する球状の中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が150g/mとなるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
(比較例1)
実施例に用いた、フェルト10の基体20と、基体20の表裏にバット層をニードリングにより絡合一体化して構成されるもので、150℃の熱処理を実施したものを用いた。
(比較例2)
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有しない球状の非中空粒子(材質:アクリル)を用い、水と混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/mとなるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
Figure 0004332014
ここで、図4に示す実験装置により、実施例、比較例のフェルトの扁平化試験を実施し、扁平化試験後の試料の厚み保持率と、扁平化試験前後の圧縮回復性能と水透過性の比較を行った。
図4の実験装置は、一対のプレスロールPにフェルトFに一定の張力を掛けてフェルトFを回転させ繰り返しプレスする装置である。実験装置の駆動条件は、プレス圧力が100kg/cm、フェルト駆動速度が1000m/分で、120時間継続して行った。
また、厚み保持率と実験開始前と実験終了後の試料の圧縮率、回復率、水透過性はそれぞれ下記の評価方法により求めた。
厚み保持率(%)=(実験終了後の厚み÷実験開始前の厚み)×100
また、圧縮率、回復率は水に1時間浸漬したフェルトに一定の加圧(30kg/cm)を掛けた時の厚みを求め、次式により求めたものである。
圧縮率(%)=100×(加圧前の厚み−加圧厚み)/加圧前の厚み
回復率(%)=100×(除圧後の厚み−加圧厚み)/加圧厚み
水透過性は水に1時間浸漬したフェルトに初荷重を掛け、フェルト表面から裏面へ30リットルの水が透過する時間を測定し、比較例1の実験開始前の試料の透過時間を100として相対評価を行った。
(水透過性:サンプルの透過時間/比較例1の実験前の透過時間×100)
この結果を、表2に示す。
これにより、実施例においては、圧縮回復性能も高いレベルで維持でき、繰返し加圧に対する持続性に優れており、抄紙用プレスフェルトとして最適な特性、特に湿紙への搾水性向上に役立つことが確認された。
Figure 0004332014
本発明によれば、抄紙用プレスフェルト中の繊維に粒子が結合しているため、該フェルトがプレス圧力による圧縮が繰返されても、粒子の耐圧力効果によって、持続性に優れた圧縮回復効果を発揮することが出来、長期使用が不可欠な用途に適用できる。
さらに、粒子の粒子径の大きいものほど、耐扁平化性に優れ、圧縮回復性及び水透過性の持続効果に優れるものである。
熱膨張性を有する粒子を用いることで、熱膨張率や熱処理温度を変えることができ、粒子の粒子径を容易に調整することができる。
また、製造工程において、熱膨張前の小さい粒子を用いることでフェルト中に均一に配置することが容易である。
抄紙用フェルトの構成を説明する図である。 本発明の抄紙用プレスフェルトのバット層の繊維に粒子を結合している一態様を示すもので、加圧されていない状態を示す図である。 本発明の抄紙用プレスフェルトのバット層の繊維に粒子を結合している一態様を示すもので、加圧されている状態を示す図である。 フェルトの扁平化試験を行う実験装置の模式図である。
符号の説明
10:抄紙用フェルト
20:基材
21:経糸
22:緯糸
30:バット層の繊維
31:表層側バット層
311:表層側バット層の最表面層
312:表層側バット層の内層
32:裏面側バット層
40:粒子
F:抄紙フェルト
P:プレスロール
W:水シャワー

Claims (5)

  1. 基体の片面または両面にバット層を有する抄紙用プレスフェルトにおいて、熱可塑性弾性樹脂またはゴムからなる粒子であって、加圧により弾性変形しエネルギー変換により変形応力を吸収し、変形応力が解除されると、除圧時には元の形態に回復する耐圧力効果のある前記粒子が、前記基体およびバット層の繊維両方または片方に融着または接着され、一体化されている、前記抄紙用プレスフェルト。
  2. 粒子が、バット層の繊維に融着または接着されたものである、請求項1に記載の抄紙用プレスフェルト。
  3. 熱可塑性弾性樹脂が、ソフトセグメントとしてポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物をブロック共重合する、ポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマー、およびポリオレフィン系エラストマーからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の抄紙用プレスフェルト。
  4. 粒子の粒子径が、1〜1000μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の抄紙用プレスフェルト。
  5. 粒子が熱処理により粒子径を調節することができる熱膨張性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の抄紙用プレスフェルト。
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