JP4332014B2 - 抄紙用プレスフェルト及びその製造方法 - Google Patents
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そして、それぞれのパートで脱水の機能に対応した抄紙用具が用いられている。
なお、プレス加圧部は、一対のプレスロールにより構成されるものや、プレスロールとプレスロールの周面に対応した形状を有するシューとにより構成されるものが一般的である。
なお、基体20は経糸21と緯糸22とを製織して構成される織布が通常使用されている。
とりわけ、抄紙用フェルト機能の中の湿紙から水を搾る機能が重要視されている。
抄紙用フェルト機能の中の湿紙から水を搾る機能としては、一対のプレスロール間を通過する際、加圧により湿紙から水をフェルトに移行し、フェルト中の水は加圧によりフェルト裏面側から排出するか、抄紙機のサクションボックスで吸引しフェルト系外に排出する。この為、加圧下で圧縮され、除圧時に回復する圧縮回復性の持続とフェルトの水透過性が重要視されている。
この場合、粒状物間の融着結合が弱い場合、フェルトの使用中の磨耗等により粒状物が剥離し、湿紙に付着し製品トラブルとなる場合がある。また、剥離対策として粒状物間の融着結合を強固にする手段として、粒状物の剛性を高めた場合、フェルトが非圧縮となり圧縮回復性が阻害されることがある。また、細孔の径を小さくするか細孔の数を少なくする場合、水透過性が低下することがある。
また、本発明は、粒子が、バット層の繊維に結合されたものである、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
さらに、本発明は、粒子が、弾性変形可能なものである、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
また、本発明は、粒子の粒子径が、1〜1000μmであることを特徴とする、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
さらに、本発明は、粒子が熱膨張性を有することを特徴とする、前記抄紙用プレスフェルトに関する。
プレスフェルト中の粒子は、結合され、繊維に一体化されたものであるため、長期間使用しても脱離することなく、使用期間中の圧縮回復性を保ち、また粒子が製品に影響を与えることがない。
該粒子に弾性変形可能なものを用いた場合には、さらに粒子の耐圧力効果により繊維間の空隙が潰されることがなく、圧縮回復性に優れるものである。
図1はCD方向に沿って切断した断面図である。抄紙用フェルト10は基体20にバット層を積層し、絡合一体化した抄紙用ニードルフェルトである。
織物の構造としては、1重織、または2重織、3重織などの多重織構造を有してよい。また、織物の他、経糸と緯糸を織込むことなく接着剤等により接着形成した物や、不織布、フィルムや樹脂成型体等を用いてもよい。
バット層は湿紙側に位置する表面側バット層31と抄紙機のプレスロール又はシュー側に位置する裏面側バット層32からなるが、場合によっては表面側バット層31のみで構成する場合もある。また、表面性を高める為、最も表面側のバット層311に細い繊維を用い、内層側のバット層312及び裏面側バット層32には水透過性を高める為に太い繊維を用いても良い。
本発明における弾性変形可能な粒子とは、加圧により弾性変形しエネルギー変換により変形応力を吸収し、変形応力が解除されると、除圧時には元の形態に回復する機能を有するものであれば良く、熱可塑性弾性樹脂およびゴムが挙げられる。熱可塑性弾性樹脂としては、具体的には、ソフトセグメントとしてポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等をブロック共重合した、ポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、ポリオレフィン系エラストマ−等を用いることができる。
また、ゴムとしては、EPDM(エチレン―プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレンプロピレンゴム)、EPM(エチレン−プロピレン共重合体;エチレンプロピレンゴム)、NBM(完全水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、FKM(フッ素ゴム)等のポリメチレンタイプの飽和主鎖をもつゴム、CO(エピクロロヒドリンゴム)等の主鎖に酸素をもつゴム、VMQ(ビニルメチルシリコーンゴム)等の主鎖にケイ素と酸素をもつゴム、BR(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、IIR(イソブテン−イソプレンゴム)、NR(天然ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)等の主鎖に不飽和炭素結合をもつゴム、EU(ポリエーテルウレタン)等の主鎖に炭素、酸素、および窒素をもつゴム、EOT(ポリスルフィドゴム)等の主鎖に硫黄をもつゴム、PZ(フォスファゼンゴム)等の主鎖にリンおよび窒素をもつゴム、主鎖に酸素もしくはリンをもたないで窒素をもつゴム等が挙げられる。
繊維表面に粒子を結合する方法としては、繊維との融着性を有する粒子を用いる場合は接着剤等を用いなくても良いが、融着性を有しない粒子を用いる場合や粒子の結合を高める場合、繊維表面又は粒子に接着剤等を塗布又は散布し粒子を結合一体化する方法や、バット層の繊維に熱溶融繊維を混ぜたり、鞘部が融点の低い様な芯鞘複合繊維を用い、鞘部を溶融することにより粒子を融着一体化してもよい。
ここで、実施例、比較例ともに諸条件を共通にするため、全てのフェルトの基本構成を次の通りとした。
基体(ナイロンモノフィラメントの撚糸を平織):坪量750g/m2
バット層(ナイロン6の短繊維(45μm)):坪量750g/m2
総坪量1500g/m2
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有しない球状の非中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/m2となるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有する球状の多孔粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/m2となるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有する球状の中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/m2となるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような実施例7と同じ熱膨張性を有する球状の中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/m2となるようスプレー散布し、180℃で熱処理を実施した。
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような実施例7と同じ熱膨張性を有する球状の中空粒子(材質:アクリル)を用い、接着用のポリアミドサスペンジョンと混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が150g/m2となるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
実施例に用いた、フェルト10の基体20と、基体20の表裏にバット層をニードリングにより絡合一体化して構成されるもので、150℃の熱処理を実施したものを用いた。
基体20に裏面側のバット層32と表層側のバット層31を積層しニードリングにより絡合した後、表1に示すような熱膨張性を有しない球状の非中空粒子(材質:アクリル)を用い、水と混ぜ合わせた後、表層側から粒子の付着量が100g/m2となるようスプレー散布し、150℃で熱処理を実施した。
図4の実験装置は、一対のプレスロールPにフェルトFに一定の張力を掛けてフェルトFを回転させ繰り返しプレスする装置である。実験装置の駆動条件は、プレス圧力が100kg/cm2、フェルト駆動速度が1000m/分で、120時間継続して行った。
厚み保持率(%)=(実験終了後の厚み÷実験開始前の厚み)×100
また、圧縮率、回復率は水に1時間浸漬したフェルトに一定の加圧(30kg/cm2)を掛けた時の厚みを求め、次式により求めたものである。
圧縮率(%)=100×(加圧前の厚み−加圧厚み)/加圧前の厚み
回復率(%)=100×(除圧後の厚み−加圧厚み)/加圧厚み
水透過性は水に1時間浸漬したフェルトに初荷重を掛け、フェルト表面から裏面へ30リットルの水が透過する時間を測定し、比較例1の実験開始前の試料の透過時間を100として相対評価を行った。
(水透過性:サンプルの透過時間/比較例1の実験前の透過時間×100)
これにより、実施例においては、圧縮回復性能も高いレベルで維持でき、繰返し加圧に対する持続性に優れており、抄紙用プレスフェルトとして最適な特性、特に湿紙への搾水性向上に役立つことが確認された。
また、製造工程において、熱膨張前の小さい粒子を用いることでフェルト中に均一に配置することが容易である。
20:基材
21:経糸
22:緯糸
30:バット層の繊維
31:表層側バット層
311:表層側バット層の最表面層
312:表層側バット層の内層
32:裏面側バット層
40:粒子
F:抄紙フェルト
P:プレスロール
W:水シャワー
Claims (5)
- 基体の片面または両面にバット層を有する抄紙用プレスフェルトにおいて、熱可塑性弾性樹脂またはゴムからなる粒子であって、加圧により弾性変形しエネルギー変換により変形応力を吸収し、変形応力が解除されると、除圧時には元の形態に回復する耐圧力効果のある前記粒子が、前記基体およびバット層の繊維両方または片方に融着または接着され、一体化されている、前記抄紙用プレスフェルト。
- 粒子が、バット層の繊維に融着または接着されたものである、請求項1に記載の抄紙用プレスフェルト。
- 熱可塑性弾性樹脂が、ソフトセグメントとしてポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端をカルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物をブロック共重合する、ポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマー、およびポリオレフィン系エラストマーからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の抄紙用プレスフェルト。
- 粒子の粒子径が、1〜1000μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の抄紙用プレスフェルト。
- 粒子が熱処理により粒子径を調節することができる熱膨張性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の抄紙用プレスフェルト。
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