JP4331513B2 - コンピュータトモグラフの絞り調節方法およびコンピュータトモグラフ - Google Patents

コンピュータトモグラフの絞り調節方法およびコンピュータトモグラフ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータトモグラフ装置の絞り位置決め手段を制御手段が制御する方法であって、放射線源および放射線検出器から成る測定ユニットと、検査すべき対象物が載せられ放射線源と放射線検出器との間に配置されている対象物台とがシステム軸線を中心に互いに相対的に回転し、コンピュータシステムを用いて、放射線源からファン状に放射線検出器へ送出された放射線の強度分布が検出器領域により測定され、この検出器領域が、検査すべき対象物の少なくとも1つの平面における減弱分布を算出するために放射線源の焦点に向けられ放射線に感応する少なくとも1行の像検出器を有し、対象物が放射線検出器へ送出されたファン状放射線の一部分のみを陰影化するコンピュータトモグラフの絞り調節方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、調節可能な絞りにより限定されてファン状放射線束を送出する放射線源、および放射線源の焦点を中心に配置されている少なくとも1行の像検出器を持つ検出器領域を有する放射線検出器を備えた可動の測定ユニットと、測定を評価し像検出器行と相関する少なくとも1つの平面の減弱分布を算出するためのデータおよびプログラム記憶装置を有するコンピュータシステムと、絞り位置決め手段とを備えたコンピュータトモグラフにも関する。
【0003】
【従来の技術】
絞り設定のために、例えば輪郭検知による像評価を行う従来のX線装置は知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
コンピュータトモグラフは一般に知られている。コンピュータトモグラフは、組織透過性の放射線を用いて、検査すべき対象物(多くの場合患者)の断層撮像を作成するのに用いられる。コンピュータトモグラフィ、特にX線コンピュータトモグラフィの原理は刊行物により知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
本発明は主として、X線束が放射線源から出て設定可能な絞りにより制限されて、検査すべき対象物を透過するいわゆるファン放射線装置に関する。続いて、X線の減弱が、患者の放射線源とは反対側において、放射線源の焦点を中心に円弧状に湾曲した検出器領域で測定され、放射線源および放射線検出器から成る測定ユニット全体が対象物を中心に回転する。この場合、回転軸線はシステム軸線と呼ばれる。個々のセクタにおいて、測定ユニットの異なった回転角で放射線の減弱が測定されるので、透過された対象物の減弱特性が1つもしくは複数の平面で算出され、ディスプレイもしくは像担体上に再生される。この場合、放射線としてはすべての電離性放射線が使用される。X線は通常は回転陽極を有するX線管により発生され、通常使用されている放射線である。
【0006】
良質の断層撮像を達成するには、検出器領域の良好な照射を保持し、できるだけ全撮像動作中に維持することが必要である。トモグラフ撮像の作成時の患者への放射線負荷はできるだけ少なくしなければならないので、ファン状に形成された放射線束を可動の絞りによりできるだけ常に狭く限定することが試みられる。絞りの変形例は前述の特許文献1に記載されている。
【0007】
ただし、絞りを狭く設定することにより、少ない運動あるいは境界条件の変化、例えば熱焦点運動もしくは測定ユニットの傾動(=ガントリ傾動)が、照射の質にしばしば悪影響を及ぼす。
【0008】
上記の理由により絞り調節を有するX線コンピュータトモグラフが公知である(例えば、特許文献3参照)。この絞り調節は以下のように行われる。すなわち、検出器領域の縁部側に特別な位置検出器が取付けられ、この位置検出器にファン状に送出された放射線が当たり、この位置検出器がこの特別な位置検出器に当たる放射線の強度分布を測定することにより、X線管内の焦点位置の変動による放射線の移動を検知し、それによって直ちに絞りの追従調節が行われ、再び検出器領域の良好な照射が達成される。
【0009】
この絞り設定装置および方法には、追加的な特別な位置検出器が必要であり、その構成も比較的複雑であるという欠点がある。というのは、位置検出器は放射線の位置的分布を決定しなければならないからである。
【0010】
【特許文献1】
独国特許出願公開第19905974号明細書
【特許文献2】
米国特許第5287396号明細書
【特許文献3】
独国特許第4207006号明細書
【非特許文献】
Heinz Morneburg著 「医療診断用画像診断装置」第3版、特に第5章「X線コンピュータトモグラフィの原理」
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は費用のかかる追加的な位置検出器がなくても済むコンピュータトモグラフの絞り調節方法を見出すことにある。
【0012】
さらに本発明の課題は追加的な特別な位置検出器がなくても相応の絞り調節を行うことができるコンピュータトモグラフを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
これらの課題は独立請求項により解決される。本発明による実施態様は従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明者らは、コンピュータトモグラフの複数列もしくは複数行の検出器領域において、本来像形成用に存在する検出器信号(像検出情報)を絞り調節のために使用して、例えば照射の質および場合によっては照射内のずれを決定し、絞り調節用の調節回路をこれらの信号を介して形成することが可能であることに気付いた。
【0015】
このため、本発明者らは、コンピュータトモグラフの絞り調節のための公知の方法を改良し、コンピュータトモグラフには放射線源および放射線検出器から成る測定ユニットと、検査すべき対象物が載せられ放射線源と放射線検出器との間に配置されている対象物台とが配置され、測定ユニットと対象物台とがシステム軸線を中心に互いに相対的に回転するようにすることを提案する。コンピュータシステムを用いて、放射線源からファン状に放射線検出器へ送出された放射線の強度分布が、放射線源の焦点に向けられ放射線に感応する少なくとも1行の像検出器を有する検出器領域により測定され、検査すべき対象物の少なくとも1つの平面における減弱分布が算出される。本発明の改良は、その検出器領域では少なくとも2つの平行な行の像検出器が使用されるコンピュータトモグラフにおいて、減弱分布を算出するために利用される像検出器情報が少なくとも部分的に絞り位置を調節するために使用される点にある。像検出器情報は行ごとに評価することができる。
【0016】
例えば、異なった検出器列の同一のセクタから検出された強度を比較することにより、これらのセクタにおける強度分布の変化に基づいて、照射の変化を推測し、それにより調節信号を絞りへ伝送することが可能となり、その結果この絞りの迅速な調節が可能となる。
【0017】
この場合、特に検出器領域の陰影化されていない領域から発せられる検出器情報のみが使用されるので、減弱係数の分布が同じでない対象物では対象物自体への影響が排除できる。ただし、患者の検査では陰影化されていない領域からの検出器情報のみに常に基づかなければならない。
【0018】
本発明によれば、陰影化されていない領域は例えば検出された放射線強度の閾値の超過により決定可能である。というのは、陰影化された領域では当然のことながら放射線強度が減弱されているからである。この場合も陰影化されていない領域と陰影化された領域との間の一種の安全領域が絞り調節のための使用から除外されると有利である。
【0019】
本発明によれば、絞り位置決めのための制御量として、それぞれ同一のチャネル角部分における像検出器の少なくとも2つの行間の差値が使用され、特にこの差値はそれぞれ1群の検出器の平均値から決定される。その場合、異常値を除外するために、群ごとに少なくとも1つの最大個別値と少なくとも1つの最小個別値とが捨てられる。この処理により、測定時のノイズが抑制される。
【0020】
コンピュータトモグラフが放射線源として回転陽極を有するX線管により作動される場合もしくはそれ以外の作用によって放射線の強度が時間的に迅速に変動させられる場合、本発明者によって、この時間的変動を補償することができる期間に亘って、測定されたすべての値の平均値を求めることが提案される。
【0021】
対象物自体は通常、検出器領域の上方の中央に載せられ、この中央領域には陰影化されていない領域が確実に存在しないので、前設定され特に縁部に位置するチャネル角部分およびその像検出器情報を絞り位置の調節のために使用すると有利である。
【0022】
さらに、測定ユニットの特定の回転角(特に、発生する力が加算されるより寧ろ補償されるような回転角)で行われた測定のみを絞り位置の調節のために使用できる。従って、支承されている回転陽極に作用する遠心力および重力は加算もしくは減算されない。
【0023】
コンピュータトモグラフの作動からは、特に測定ユニットが運動する、すなわちシステム軸線を中心に回転する場合に絞りの調節が必要となることが知られている。この場合、遠心力が生じ、かつ、様々な影響を及ぼす重力が作用し、その影響は補償されなければならない。測定ユニットが停止している場合は主として熱に起因する変化のみを補償すればよい。従って、このような状態に整合させ、かつ、回転していない測定ユニットにおける絞り位置の調節のための測定データ評価の回数を一定に保つことで十分でありかつ有利である、一方、測定ユニットが回転する場合は測定データの評価の回数が増加する。この測定データの評価の回数は回転速度に比例して設定される。基本回数に基づいて、増加自体を回転速度に比例して整合することも可能である。
【0024】
3行以上の像検出器が使用される場合、測定費用および計算費用を減少させるために、最適な行、特に第1行および最終行の像検出器の測定のみを絞り位置の調節に利用すると有利である。
【0025】
一方、3行以上の像検出器が使用される場合、絞り位置の調節のために複数の行の同一のチャネル角部分からの測定が使用されて、列上の放射線の強度経過が求められ、強度経過の最大値の位置が絞り位置決めの制御量として使用されるとようにもできる。
【0026】
絞り調節のさらなる改善が冗長性によって達成される場合、公知の特別の位置検出器を別個に使用することができる。これらの位置検出器は放射線源側だけでなく、放射線検出器側にも取付け可能である。追加的な位置検出器は、陰影化されていない像検出器信号が利用できない場合に絞り調節に使用できる。
【0027】
この種の実施態様では、重なる2つの調節回路が用いられ、第1の調節回路は制御量として像検出器からの信号を、第2の調節回路は制御量として特別な位置検出器からの信号を受け取る。この場合、特に調節回路は制御量の質および/または信頼性に基づいて重み付けされ、その結果絞り調節の最適化が達成される。
【0028】
上記の方法により記述されている本発明思想に従って本発明者は、調節可能な絞りにより限定されてファン状放射線束を送出する放射線源および放射線源の焦点を中心に特に円弧状に配置されている少なくとも1行の像検出器を持つ放射線検出器を備えた可動の測定ユニットと、測定を評価し像検出器行と相関する少なくとも1つの平面の減弱分布を算出するためのデータおよびプログラム記憶装置を有するコンピュータシステムと、絞り位置決め手段とを備えた公知のコンピュータトモグラフにおいて、検出器領域が少なくとも2つの平行な行の像検出器を有し、絞り位置決め手段が像検出器情報を伝送するための入力を有するように改良した。
【0029】
本発明による方法の利点および別の実施態様はコンピュータトモグラフの場合と同様である。
【0030】
本発明によれば、絞り位置決め手段は少なくとも1つの調節回路を有し、上記の方法の内の1つの方法を実施するためのコンピュータプログラムもしくはプログラムモジュールを設けられている。
【0031】
上記の本発明の有利な効果は特別な位置検出器を選択的に省略できることにあるだけでなく、放射線源側の絞りが極めて正確になるので、可動の検出器絞りを省略することができる点にもある。これによって、照射線量の利用率も改善され、その結果検査される患者の全放射線負荷量が全体として軽減される。
【0032】
調節信号は絞りの制御のために存在するので、これらの調節信号を、コンピュータトモグラフを較正する較正表の作成時にシステム軸線の方向の照射線量曲線が極めて良好に位置決めされている撮像のみが評価されるように利用することも可能である。これにより結果として質的に優れた有効な較正表が作成され、この較正表で絞りの誤調節が排除される。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明について以下に実施例に基づいて図面を用いて詳細に説明する。
【0034】
本発明によるコンピュータトモグラフ、ここではX線コンピュータトモグラフの実施例が図1に概略横断面図で示されている。断面はシステム軸線4に対して垂直に延びており、断層像の作成時にはこのコンピュータトモグラフの測定ユニット1もしくはガントリがシステム軸線4を中心に回転可能である。測定ユニット1は、X線を発生させるための回転陽極2.1を備えたX線管2から成る。回転陽極2.1のX線は、横方向の絞り3.1と縦方向の絞り3.2とが組込まれている絞り調節装置3により限定され、設定される。X線管2の下部にはn列m行の多数の検出器6.1.1〜6.n.mから構成されている検出器領域6を有する検出器が存在する。ただし、断面図であるので連続して配置されている行はこの図では直接見ることができず、検出器6.1.1〜6.n.1を有する第1行のみが示されている。なお、検出器6.n.mにおいて、nは列を示し、mは行を示す。
【0035】
X線管2と検出器領域もしくは放射線検出器6との間には、患者寝台板もしくは対象物台9が存在し、その上に検査すべき患者5(対象物)が胴および頭部により概略的に示されている。患者はファン状に形成されたX線7の投射路内に存在し、検出器領域をX線管2に対して、破線で示された放射線8によって示されている区域内で陰影化(遮光)する。放射線8により限定された区域の外では、X線は陰影化(遮光)されずに検出器領域まで到達する。
【0036】
検出器領域ではn列m行の像検出器を用いて、測定された放射線強度値が信号配線16.1.1〜16.n.1および母線16を介して信号検出器15へ伝送される。当然のことながら、ここには見られないが、別の検出器行も信号検出器15により評価され、デジタル方式でコンピュータユニット10へ伝送され、そこで像処理用に使用可能となる。
【0037】
しかし、本発明によれば検出器領域に存在する信号は像処理に使用されるだけでなく、ファン状のX線による検出器領域への照射を検出するためにも使用される。この場合、検出器領域の照射の不均等および変化が制御配線17を介して信号を絞り調節装置3へ伝送する調節回路を駆動し、その結果相応の絞り調節が行われ、検出器領域の均等な照射を再び達成することができる。
【0038】
測定された検出器信号は本発明による利用のほかに、従来通り断層撮像を作成するためにも用いられ、これらの断層撮像は次にキーボード12により制御され、ディスプレイ11上に表示される。
【0039】
ファンはシステム軸線4の方向で設定される。というのは、この場合特に狭い放射線領域に注意を払わなければならないからである。さらにシステム軸線におけるこの放射領域の幅は、CT撮像の作成時における患者に投射される線量負荷を主として共に決定するものだからである。このため、図2および3は、本発明によるX線CT装置による長手方向での断面を再度示しており、図2は、2行(すなわちn列2行)に形成されている検出器領域6を示し、一方、図3は4行(すなわちn列4行)に形成されている検出器領域を示している。
【0040】
検出器6の下側にはそれぞれ1つの座標系に、検出器の位置に関係する強度分布I(z)が示されている。座標系のZ軸(横軸)はコンピュータトモグラフのシステム軸線4に一致するが、縦軸にはX線の強度Iが記入されている。図示されている実施例では、撮像時点におけるX線の最大値および限界値が右方向へややずれていることが認められる。従って、異なった行で同一の列の検出器でもX線の異なった強度が測定される。この差信号は通常、断層撮像の作成に使用される情報から取出せるので、調節回路を介して絞りの相応の変更が制御され、次にその変更によって検出器領域の均等な照射が再生される。
【0041】
従って、図3に示されている4行(すなわちn列4行)の検出器領域6.1.1〜6.n.4を有するコンピュータトモグラフの場合にも同様のことが当てはまる。この場合、検出器領域照射ないし絞り調節を設定するための上述の方法に基づいてそれぞれ外側の行の検出器のみを使用することができ、その差信号が決定され、次にこの差信号が絞りを調節するための制御量として使用される。最も簡単なケースでは、n列m行の検出器の場合、例えば検出器6.1.1、6.1.m、6.n.1および6.n.m.のみが絞り制御に使用され、これらによって幅調節および長さ調節に加えて垂直軸を中心にした絞り開口部の回転も必要な場合には調節することができる。
【0042】
代替として、4以上の検出器行の場合には個々の列の測定値をも、方程式の近似計算もしくは直接の解により、強度曲線のz方向で設定するために使用することができる。これによって、この強度分布の算出された最大値の位置および検出器行の実際の中心からのそのずれを絞り制御を設定するための制御量として用いることができる。最大値の位置が検出器領域の両側で決定された場合、それによってシステム軸線に対して垂直方向への投射ファンの回転が検出され、場合によっては補償される。
【0043】
図1〜3の概略図では図を見やすくするために像検出器およびその間隔が互いに比較的大きく図示されている。典型的なファン角は50°である。z方向での検出器の長さは標準的に約20mmである。
【0044】
本発明によるコンピュータトモグラフ、特に絞り調節の実施例および絞り調節方法の適用により、本来は像形成用にのみ使用される検出器信号をX線管の絞り制御のための調節回路に用いることができ、その結果極めて有効かつ安価な絞り調節が可能となる。
【0045】
さらに、ここに図示されているX線コンピュータトモグラフの例は本発明の望ましい1つの実施例にすぎないことも指摘しておく。また、この種の絞り制御はγ線、β線、その他の電離性放射線を用いる場合、さらに超音波トモグラフの場合にも適用可能である。
【0046】
上記の本発明の特徴はそのつど挙げられている組合わせだけでなく、本発明の枠組みを外れなければその他の組合わせでも、また単独でも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンピュータユニットを含むX線コンピュータトモグラフのシステム軸線に対して垂直な横断面概略図。
【図2】2行の像検出器を有するX線コンピュータトモグラフのシステム軸線に沿った縦断面図。
【図3】4行の像検出器を有するX線コンピュータトモグラフのシステム軸線に沿った縦断面図。
【符号の説明】
1 CTの測定ユニット
2 X線管
2.1 回転陽極
3 絞り調節装置
3.1 横方向の絞り
3.2 長手方向の絞り
4 システム軸線
5 患者
6 検出器領域
6.1.1〜6.n.m 像検出器領域
7 ファン放射線
8 放射線
9 対象物台
10 コンピュータ
11 ディスプレイ
12 キーボード
13 測定装置の回転方向
14 焦点
15 信号検出
16 検出器の母線
16.1.1〜16.n.m 検出器の信号配線
17 制御配線
18 絞り調節
19 像処理
20 投射角
21 深度角
I 放射線強度
I(z) 位置に関係する放射線強度

Claims (17)

  1. コンピュータトモグラフ装置の絞り位置決め手段を制御手段が制御する方法であって、
    放射線源(2)および放射線検出器(6)から成る測定ユニット(1)と、検査すべき対象物(5)が載せられ放射線源(2)と放射線検出器(6)との間に配置されている対象物台(9)とが、システム軸線(4)を中心に互いに相対的に回転し、コンピュータシステム(10)を用いて、放射線源(2)からファン状に放射線検出器(6)へ送出された放射線(7)の強度分布が検出器領域により測定され、この検出器領域が、検査すべき対象物(5)の少なくとも1つの平面における減弱分布(I(z))を算出するために放射線源(2)の焦点(14)に向けられ放射線に感応する少なくとも1行の像検出器(6.1.1〜6.n.m)を有し、対象物(5)が放射線検出器(6)へ送出されたファン状放射線(7)の一部分のみを陰影化するコンピュータトモグラフの絞り調節方法において、
    放射線検出器(6)では少なくとも2つの平行な行の像検出器(6.1.1〜6.n.m)が使用され、減弱分布を算出するために利用される像検出器情報が少なくとも部分的に絞り位置を調節するために使用され、検出器領域の陰影化されていない領域からの像検出器情報のみが使用され、検出器領域の陰影化されていない領域は、検出された放射線強度(I)の閾値を超過していることにより決定されることを特徴とするコンピュータトモグラフの絞り調節方法。
  2. 絞り位置決めのための制御量として、同一のチャネル角部分における像検出器(6.1.1〜6.n.m)の少なくとも2つの行の互いに一致するチャネル間の差値が使用されることを特徴とする請求項記載の方法。
  3. 差値が1群の検出器の平均値から決定され、各群ごとに少なくとも1つの最小値と1つの最大値とが捨てられることを特徴とする請求項記載の方法。
  4. 測定された放射線強度の時間的変動を補償することができる期間に亘って、測定されたすべての値の平均値が求められることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  5. 前設定され縁部に位置するチャネル角部分(6.1.1、6.1.m、6.n.1、6.n.m)およびその像検出器情報が絞り位置の調節のために使用されることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  6. 測定ユニットの特定の回転角で行われた測定のみが絞り位置の調節に使用されることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  7. 絞り位置を調節するための測定値評価の回数が、測定ユニット(1)が回転しない場合は一定に、測定ユニット(1)が回転する場合は測定ユニット(1)の回転速度に比例するように設定されることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  8. 3行以上の像検出器(6.1.1〜6.n.m)が使用され、最適な行の像検出器の測定のみが絞り位置の調節のために使用されることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  9. 3行以上の像検出器が使用される場合絞り位置の調節のために複数の行の同一チャネル角部分からの測定が使用され、列上の放射線の強度経過(I(z))が求められ、強度経過の最大値の位置が制御量として利用されることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  10. 位置検出器が使用されることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の方法。
  11. 陰影化されていない像検出器信号が利用できない場合、位置検出器が絞り調節に使用されることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 重なる2つの調節回路が用いられ、第1の調節回路は制御量として像検出器からの信号を、第2の調節回路は制御量として位置検出器からの信号を受け取ることを特徴とする請求項10記載の方法。
  13. 調節回路が制御量の質および/または信頼性に基づいて重み付けされることを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 較正表を作成するために、調節信号に基づいて測定放射の極めて良好な位置決めとシステム軸線の方向での検出器領域の均等な照射とを示す撮像のみが評価されることを特徴とする請求項1乃至13の1つに記載の方法。
  15. 調節可能な絞り(3)により限定されてファン状放射線束(7)を送出する放射線源(2)、および放射線源(2)の焦点(14)を中心に配置されている少なくとも1行の像検出器(6.1.1〜6.n.m)を持つ検出器領域を有する放射線検出器(6)を備えた可動の測定ユニット(1)と、
    測定を評価し像検出器行と相関する少なくとも1つの平面の減弱分布を算出するためのデータおよびプログラム記憶装置(19)を有するコンピュータシステム(10)と、
    絞り位置決め手段と
    を備え、検査すべき対象物(5)が放射線検出器(6)へ送出されたファン状放射線(7)の一部分のみを陰影化するコンピュータトモグラフにおいて、
    検出器領域が少なくとも2つの平行な行の像検出器(6.1.1〜6.n.m)を有し、絞り位置決め手段が像検出器情報を伝送するための入力を有し、検出器領域の陰影化されていない領域からの像検出器情報のみが使用され、検出器領域の陰影化されていない領域は、検出された放射線強度(I)の閾値を超過していることにより決定されることを特徴とするコンピュータトモグラフ。
  16. 絞り位置決め手段が少なくとも1つの調節回路を有することを特徴とする請求項15記載のコンピュータトモグラフ。
  17. 絞り位置決め手段が、請求項1乃至14の1つに記載の方法を実施するためのコンピュータプログラムもしくはプログラムモジュールを有することを特徴とする請求項15又は16記載のコンピュータトモグラフ。
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