JP4331497B2 - リフィル皿用保護容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリフィル皿用保護容器に関し、更に詳細には、一枚のシートを成型することにより調製され、しかも保護容器中に収納されたリフィル皿が取り出しやすいリフィル皿用保護容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化粧品の分野では、ファンデーションやアイカラー、頬紅等を中心に、詰め替えが可能なリフィル容器による提供がなされるようになっている。このタイプの化粧料は使い切った後に、リフィル用化粧料を購入し、繰り返し詰め替え使用するというものである。
【0003】
このリフィル用化粧料は、リフィル皿に充填され、通常簡易なプラスチック等の保持ケースに入れられ、保護された状態で販売されていることが普通である。そして、化粧料の充填されたリフィル皿を入れた保持ケースは、通常プラスチック材料でリフィル皿の保持部と蓋部とを成型し、これらが嵌合等することにより、リフィル皿を収納する仕組みとなっていることが多い(特許文献1、特許文献2等参照)。
【0004】
しかしながら、この保持ケースは、商品が生産者から需要者へわたる間だけ必要なものであり、一旦リフィル用化粧料が需要者の手に渡ってしまえばゴミとなるだけのものであるから、環境や資源保護の立場から見れば、この保持ケースに用いるプラスチック材料等の成形材料は少なければ少ないほど好ましい。
【0005】
このような観点から、一枚のシートを成型することにより形成されるリフィル皿用保護容器の使用も検討されているが、このものは収納されたリフィル皿が取り出しにくいという問題を抱えている。
【0006】
すなわち、一枚のシートを成型したリフィル皿用保護容器では、下側が開放された状態になるため、しっかりとリフィル皿を保持し、リフィル皿の脱落を防止する必要がある。しかし、一方、しっかりと保持されたリフィル皿は、使用にあたって簡単に取り出せず、使用性の面での問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−75817号
【特許文献2】
特開平11−276240号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、最小限の成形材料を使用しながら、流通時においてリフィル皿およびそれに充填されたリフィル用化粧料を十分に保護でき、しかも使用時においては簡単に取り出すことのできるリフィル皿用保護容器の提供をその課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、化粧料の充填されたリフィル皿を確実に保持、固定する手段について鋭意検討を行った結果、リフィル皿収納部の側面に切り離し線を設け、簡単に切り欠き部を形成できるようにすることにより、リフィル皿の確実な保持と、取り出しやすさの両立が可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、リフィル皿収納部が上側に突き出した形で形成され、当該リフィル皿収納部の上部には、リフィル皿収納部内上面とリフィル皿との間で一定の間隔を与えるための空間部が設けられ、当該リフィル皿収納部側面には、リフィル皿を保持するための係止用突部が設けられた下側が開放されたリフィル皿用保護容器であって、当該リフィル皿収納部側面に、これを切り開くための切り離し線が設けられていることを特徴とするリフィル皿用保護容器を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施態様を示す図面を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明のリフィル皿用保護容器の一態様の底面図、図2は右側面図、図3は正面図であり、図5はリフィル皿用保護容器中へのリフィル容器の収納方法を示す図面である。図中、1はリフィル皿用保護容器、2は係止用突部、3はリフィル皿収納部、4は切り離し線、5は凸部、6はリフィル皿、7はジャバラ構造、8は突出部を示す。
【0013】
本発明のリフィル皿用保護容器1は、図1ないし図3で示すように、1枚のシートを成型することにより形成され、下側が開放された状態のものである。リフィル皿用保護容器1はリフィル皿収納部3の側面角部に、内側に突き出た4ヶ所係止用突部2が設けられ、更に、側面内側の突き出た山部7aを有するジャバラ構造7が各々係止用突部として設けられている。これらの係止用突部により、図5に示すように化粧料を充填したリフィル皿6を保持し、リフィル皿収納部3に収納する。
【0014】
リフィル皿6は、係止用突部2やジャバラ構造7の山部7aとの間の弾性ないし摩擦で保持されるから、このリフィル皿用保護容器1を形成する材料としては、ある程度の弾性と、リフィル用容器材料との間で摩擦のある材料を使用することが好ましい。また、充填されたリフィル皿6中の化粧料の色等を簡単に確認するために透明な材料を使用することが好ましい。このような条件を満たす材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートやこれらの再生樹脂等のプラスチック材料等を挙げることができる。
【0015】
図の態様において、係止用突部2やジャバラ構造7は、4つの角部あるいは4側面すべてに設けられているが、例えば対向する2つの角部や、前側面と後ろ側面、左右両側面のように、対応する側面にのみ設けても良い。また、ジャバラ構造7での山部7aの数は、2以上であれば特に制約されるものではない。更に、係止部としては、上記係止用突部2または上記ジャバラ構造7の何れか一方を有するものであっても良い。
【0016】
一方、本発明リフィル皿用保護容器1に設けられた切り離し線4は、そのリフィル皿収納部3の側面を切り開くためのものである。この切り離し線4は、運送中等において自然に切れることなく、使用時には簡単に切り離せる程度の強度であることが望ましく、その形態としては、点線、鎖線等のミシン目線、ハーフカット(途中まで切れている線)等が好ましい。
【0017】
この切り離し線4は、1本でも複数本でも良いが、少なくとも一つの側面に、ある程度の間隔(好ましくは指が入る大きさの間隔)を置いた2本の対として設けることが好ましい。そして、リフィル皿用保護容器1から、リフィル皿6を取り出すに当たっては、一つの側面において二本の対となっている切り離し線4の両方を切り、ここから指を入れてリフィル容器を取り出せばよい。
【0018】
なお、切り離し線4の対は、対向する辺にそれぞれ設けても、またすべての辺に設けても良いが、切り離し線4の数を多くすればリフィル皿用保護容器1の強度が低下するから、一辺または対向する二辺に設けるようにすればよい。
【0019】
一方、本発明のリフィル皿用保護容器1は、突き出した形状のリフィル皿収納部3中に、リフィル皿6の化粧料充填部側を収納、保護するのであるが、この充填面側とリフィル皿収納部3の上部平坦面の間に一定の間隔を有する空間を設けることが好ましい。この空間部の間隔としては、0.1から10mm程度が好ましく、1から8mmとすることがより好ましい。
【0020】
更に、突き出した形状のリフィル皿収納部3中の上面には、上下方向に凸部5が設けられていることが好ましい(ここでいう凸部は、リフィル皿6から見た場合であり、リフィル保護容器から見れば凹部となる)。すなわち、リフィル皿用保護容器1中に収納されたリフィル皿裏面の、左右いずれかの端部を押すと、凸部5が支点となり、他の端部が上がる。そして、対の切り離し線4の両方を切り開いて形成された切り欠き部から指を入れ、上がった端部を引き起こすことにより、簡単にリフィル皿6を取り出すことができる。この凸部5は、リフィル皿収納部3の上面から、1から5mmくぼんでいることが好ましい。
【0021】
なお、図1では、凸部5は、図の上下方向に台形形状で対向した状態で設けられているが、リフィル容器の一端を押したときに他端を上げるための支点として作用する形状であればどのような形状でも良いから、上下方向に対向する半円形や半球状の突起であっても良く、また上下方向に対向する位置を連結した直方体の形状や、平べったいかまぼこ型の形状であっても良い。
【0022】
リフィル皿用保護容器1において、リフィル皿収納部3の4角部近傍の外縁に設けられた突出部8は、製造ライン等において突出部8を設置させることによりリフィル皿用保護容器1と床面との摩擦を低減し、移動性を向上させるためのものである。また、箱容器への装填に際して、リフィル皿を装填したリフィル皿用保護容器1を箱容器へ収納した後、閉蓋時に箱容器に挿入される蓋板のフラップ(差込片)がリフィル皿用保護容器1と接触する面積を少なくし、フラップの挿入を容易にして箱容器を組み立て易くすることができるものである。更に、リフィル皿に対する緩衝作用も有するものである。突出部8は、上記の効果を損なわない範囲内において、その大きさ、位置は特に制限されない。
【0023】
以上説明したリフィル皿保護容器1は、上記のように化粧料を充填したリフィル皿の周囲を係止用突部2やジャバラ構造7で保持するものである。そして、リフィル皿収納部3中に保持されたリフィル皿6は、リフィル皿収納部3の上面との間に空間部を有するため、きれいな状態で保存、販売することができる。また、上記したように上面に凸部5を設ければ、リフィル皿の一方の端部を押すことにより、凸部5を支点として他端が上がり、対の切り離し線4を切ることにより形成される切り欠き部に指を入れ、簡単に取り出すことができるものである。
【0024】
【作用】
本発明のリフィル皿用保護容器1は、シートをプレス成形し、リフィル容器の充填部を保護するリフィル皿収納部3と、その周囲に保持手段として、係止用突部2あるいはジャバラ構造7を設け、更に切り欠き部形成のための切り離し線4を設けたものである。そして、このジャバラ構造7は、リフィル皿保護容器1の強度を高めると共に、その山部7aにより流通段階において、リフィル皿6を確実に収納する。また、使用に際しては、対の切り離し線4を切り開くことにより、切り欠き部が簡単に形成され、簡単に取り出しができるものである。
【0025】
【発明の効果】
本発明のリフィル皿用保護容器は、従来の同種のもののように蓋部と収納部に分かれておらず、極めて簡単な構成のものでありながら、十分にリフィル皿およびリフィル用化粧料を保護する目的を達成できるものである。
【0026】
そして、構造が簡単であるため、使用する成型材料は半分で済み、しかも、製造は極めて簡単なものである。
【0027】
従って、化粧品の簡易包装に貢献することのできるものであり、ひいては資源保護の立場からも価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリフィル皿用保護容器の一実施態様の底面図。
【図2】 本発明のリフィル皿用保護容器の一実施態様の右側面図。
【図3】 本発明のリフィル皿用保護容器の一実施態様の正面図。
【図4】 係止用突部の構成を示すリフィル皿用保護容器底面側からの斜視図。
【図5】 リフィル皿用保護容器中へのリフィル容器の収納方法を示す図面。
【符号の説明】
1 … … リフィル皿用保護容器
2 … … 係止用突部
3 … … リフィル皿収納部
4 … … 切り離し線
5 … … 凸部
6 … … リフィル皿
7… … ジャバラ構造
7a… …山部
8… … 突出部
以 上
Claims (4)
- リフィル皿収納部は上側に突き出した形で形成され、当該リフィル皿収納部の上部には、リフィル皿収納部内上面と上方へ向けて開口する化粧料充填部を有する有底状のリフィル皿との間で一定の間隔を与えるための空間部が設けられ、当該リフィル皿収納部側面には、リフィル皿を保持するための係止用突部が設けられた下側が開放されたリフィル皿用保護容器であって、当該リフィル皿収納部側面に、これを切り開くことで指を入れるための切り欠き部が形成される切り離し線が設けられ、さらに、リフィル皿収納部内上面の略中央部を通る直線上の対向する位置で、かつ、リフィル皿の開口上端面と重なる位置に凸部を設けることにより、当該リフィル皿保護容器からのリフィル皿取り出し時に、前記リフィル皿収納部内に収納されたリフィル皿裏面において前記凸部に対して左右いずれかのリフィル皿端部を押すと、前記凸部が支点となり反対側のリフィル皿端部がリフィル皿収納部内上面より離れることにより前記空間部が広がることを特徴とするリフィル皿保護容器。
- リフィル皿収納部側面に設けられた切り離し線が、点線もしくは鎖線であるミシン目線またはハーフカットである請求項1記載のリフィル皿用保護容器。
- リフィル皿収納部側面に設けられた係止用突部がリフィル皿収納部の内側に突き出た複数箇所の係止用突部である請求項1または請求項2記載のリフィル皿用保護容器。
- リフィル皿収納部側面に設けられた係止用突部が、対向する辺のジャバラ構造である請求項1ないし3の何れかの項記載のリフィル皿用保護容器。
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