JP4330613B2 - コンクリート用スランプロス防止剤、コンクリート用混和剤及びコンクリート - Google Patents
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Description
R:炭素数4又は5のアルキル基
n:2〜4の整数
A:2〜150個のオキシエチレン単位のみ又は合計2〜150個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基
・実施例1{カルボン酸モノエステル共重合体(P−1)の合成}
ノルマルブチルジエチレングリコールモノマレエート260g(1.0モル)及び過酸化物価が0.4meq/kgとなるようケイ酸・酸化アルミニウム系吸着剤(協和化学工業社製の商品名キョワード700SL)を用いて精製処理したα-アリル-ω-ヒドロキシ-ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の繰り返し数が33、以下n=33とする)1013g(0.67モル)を反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を120℃に保ち、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート19gを投入して、ラジカル重合反応を開始した。反応開始5時間経過後、更にターシャリブチルパーオキシベンゾエート13gを投入し、重合温度を120〜130℃として、ラジカル重合反応を4時間継続し、ラジカル重合反応を終了して、カルボン酸モノエステル共重合体(P−1)を得た。得られたカルボン酸モノエステル共重合体(P−1)を分析したところ、質量平均分子量が21200であった。
・実施例1のカルボン酸モノエステル共重合体(P−1)と同様にして、実施例2〜4、6、10〜13及び比較例1〜7のカルボン酸モノエステル共重合体(P−2)〜(P−4)、(P−6)、(P−10)〜(P−13)及び(R−1)〜(R−7)を合成した。以上の各例のカルボン酸モノエステル共重合体の合成に用いた単量体等の内容を表1にまとめて示した。
ノルマルブチルトリエチレングリコールモノマレエート304g(1.0モル)、過酸化物価が0.3meq/kgとなるよう実施例1と同様の吸着剤を用いて精製処理したα-アリル-ω-ヒドロキシ-ポリオキシエチレン(n=68)2498g(0.818モル)を反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を120℃に保ち、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート12gを投入して、ラジカル重合反応を開始した。反応開始5時間経過後、更にターシャリブチルパーオキシベンゾエート8gを投入し、重合温度を120〜130℃として、ラジカル重合反応を4時間継続し、ラジカル重合反応を終了して、カルボン酸モノエステル共重合体を得た。得られたカルボン酸モノエステル共重合体2820gに水2766gを加えて混合し、更に30%水酸化ナトリウム水溶液80g(0.60モル)を徐々に加えて中和処理して、カルボン酸モノエステル共重合体の中和処理物(P−5)の50%水溶液5666gを得た。得られたカルボン酸モノエステル共重合体の中和処理物(P−5)を分析したところ、質量平均分子量が9800、中和度が80%であった。
・実施例5のカルボン酸モノエステル共重合体の中和処理物(P−5)と同様にして、実施例7〜9のカルボン酸モノエステル共重合体の中和処理物(P−7)〜(P−9)を合成した。以上の各例のカルボン酸モノエステル共重合体の合成に用いた単量体等の内容を表1にまとめて示した。
*1:過酸化物価(meq/kg)
*2:ラジカル重合開始剤の種類
*3:中和度(%)
E−1:ノルマルブチルジエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがノルマルブチル基、nが2)
E−2:ノルマルブチルトリエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがノルマルブチル基、nが3)
E−3:ノルマルブチルジエチレングリコールモノフマレート(化1中のRがノルマルブチル基、nが2)
E−4:ノルマルブチルトリエチレングリコールモノフマレート(化1中のRがノルマルブチル基、nが3)
E−5:ノルマルペンチルトリエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがノルマルペンチル基、nが3)
E−6:ノルマルペンチルテトラエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがノルマルペンチル基、nが4)
E−7:イソブチルジエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがイソブチル基、nが2)
E−8:ネオペンチルジエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがネオペンチル基、nが2)
e−1:ノルマルブチルヘプタエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがノルマルブチル基、nが7)
e−2:ノルマルオクチルテトラエチレングリコールモノマレエート(化1中のRがノルマルオクチル基、nが4)
F−1:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(33モル)オキシエチレン
F−2:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(20モル)オキシエチレン
F−3:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(68モル)オキシエチレン
F−4:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(80モル)オキシエチレンポリ(5モル)オキシプロピレン
F−5:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(8モル)オキシエチレン
F−6:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(120モル)オキシエチレン
f−1:α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリ(170モル)オキシエチレン(n=170)
f−2:α−アリル−ω−ヒドロキシ−オキシエチレン(n=1)
G−1:マレイン酸
G−2:無水マレイン酸
J−1:ターシャリブチルパーオキシベンゾエート
J−2:ジ−ターシャリブチルパーオキサイド
・コンクリートの調製
表2に記載した調合条件でコンクリートを練り混ぜて調製した。50リットルのパン型強制練りミキサーにセメント、細骨材(大井川水系砂、密度=2.63)及び粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.66)を順次投入して15秒間空練りした。次いで、水/セメント比が47%の場合は、目標スランプ18±1cm、目標空気量が4〜5%の範囲となるよう、セメント分散剤として(メタ)アクリル酸系水溶性ビニル共重合体(竹本油脂社製の商品名チューポールHP−11)、スランプロス防止剤として試験区分1で合成したカルボン酸モノエステル共重合体又はその中和処理物、及び空気量調節剤を、練り混ぜ水と共に加えて練り混ぜた。また、水/セメント比が30%の場合は、目標スランプが22±1cm、目標空気量が2〜3%の範囲となるよう、セメント分散剤として(メタ)アクリル酸系水溶性ビニル共重合体(前記のチューポールHP−11)、スランプロス防止剤として試験区分1で合成したカルボン酸モノエステル共重合体又はその中和処理物、及び空気量調節剤を、練り混ぜ水と共に加えて練り混ぜた。かくして調製した各例の内容を表3〜6にまとめて示した。
カルボン酸モノエステル共重合体等の添加量:セメント100質量部に対する固形分換算の添加質量部
セメント分散剤の添加量:セメント100質量部に対する固形分換算の添加質量部
試験区分2で調製した各例のコンクリート又は該コンクリートから得られた硬化体について、スランプ、スランプ残存率、空気量、乾燥収縮率、自己収縮率及び圧縮強度を下記のように求め、結果を表7〜10に示した。
・スランプ残存率:(90分間静置後のスランプ/練り混ぜ直後のスランプ)×100で求めた。
・空気量:JIS−A1128に準拠し、練り混ぜ直後及び90分間静置後のコンクリートについて測定した。
・乾燥収縮率:JIS−A1128に準拠し、各例のコンクリートを20℃×60%RHの調湿下で保存した材齢26週後の供試体についてコンパレータ法により測定した。数値が小さいほど乾燥収縮が小さいことを示す。
・自己収縮率:日本コンクリート工学協会の自己収縮研究委員会報告書に記載された「コンクリートの自己収縮応力試験方法(案)」に準拠し、凝結が開始してから材齢28日後の供試体について自己収縮ひずみを測定した。材齢は凝結時間の始発を出発時間とした。数値が小さいほど、自己収縮が小さいことを示す。
・圧縮強度:JIS−A1108に準拠し、材齢56日後のものについて測定した。
Claims (12)
- 下記の化1で示される単量体と過酸化物価が5.0meq/kg以下となるよう精製処理した下記の化2で示される単量体とを合計で90モル%以上含有し且つ下記の化1で示される単量体/下記の化2で示される単量体=75/25〜45/55(モル比)の割合で含有するラジカル重合性単量体混合物を、溶剤を用いることなく、有機過酸化物系ラジカル重合開始剤の存在下に、ラジカル重合反応させて得られる質量平均分子量2000〜60000のカルボン酸モノエステル共重合体から成ることを特徴とするコンクリート用スランプロス防止剤。
R:炭素数4又は5のアルキル基
n:2〜4の整数
A:2〜150個のオキシエチレン単位のみ又は合計2〜150個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とで構成されたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレングリコールから全ての水酸基を除いた残基) - 請求項1記載のカルボン酸モノエステル共重合体をアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物及びアミン類から選ばれる少なくとも一つの塩基性化合物で中和処理して得られるカルボン酸モノエステル共重合体の中和処理物から成るコンクリート用スランプロス防止剤。
- 化1で示される単量体が、化1中のRがノルマルブチル基であり且つnが2又は3である場合のものである請求項1又は2記載のコンクリート用スランプロス防止剤。
- 化2で示される単量体が、その過酸化物価が0.1〜1.0meq/kgとなるよう精製処理したものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載のコンクリート用スランプロス防止剤。
- 化2で示される単量体が、化2中のAが10〜90個のオキシエチレン単位のみで構成されたポリオキシエチレン基を有するポリエチレングリコールから全ての水酸基を除いた残基である場合のものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のコンクリート用スランプロス防止剤。
- ラジカル重合性単量体混合物が、化1で示される単量体と化2で示される単量体とを合計で100モル%となるよう含有し且つ化1で示される単量体/化2で示される単量体=65/35〜50/50(モル比)の割合で含有するものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載のコンクリート用スランプロス防止剤。
- 有機過酸化物系ラジカル重合開始剤がターシャリブチルパーオキシベンゾエートであり且つカルボン酸モノエステル共重合体が質量平均分子量3000〜40000のものである請求項1〜6のいずれか一つの項記載のコンクリート用スランプロス防止剤。
- 請求項1〜7のいずれか一つの項記載のコンクリート用スランプロス防止剤とセメント分散剤とから成り且つ該コンクリート用スランプロス防止剤/該セメント分散剤=95/5〜2/98(質量比)の割合で含有するコンクリート用混和剤。
- コンクリート用スランプ防止剤/セメント分散剤=70/30〜25/75(質量比)の割合で含有する請求項8記載のコンクリート用混和剤。
- セメント分散剤が水溶性(メタ)アクリル酸系ビニル共重合体である請求項8又は9記載のコンクリート用混和剤。
- セメント100質量部当たり、請求項8〜10のいずれか一つの項記載のコンクリート用混和剤を0.01〜1.0質量部の割合で含有するコンクリート。
- セメントが中庸熱ポルトランドセメントである請求項11記載のコンクリート。
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