JP4330288B2 - 整流回路 - Google Patents

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JP4330288B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流回路に関し、さらに詳細には、スイッチング素子を利用した整流回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流電源の電圧波形を整流しこれを負荷に供給する整流回路としては、力率がより高いことが望ましく、このため、従来より、力率の改善が図られた種々の整流回路が提案されている。その一例として、特開平2−299470号公報に記載された整流回路が挙げられる。
【0003】
図13は、同公報に記載された従来の整流回路を示す回路図である。
【0004】
図13に示されるように、同公報に記載された従来の整流回路は、ダイオード2〜5からなるブリッジ回路の出力部分に設けられたトランジスタ9を備え、これを入力電圧の波形に同期して導通させることにより、力率の向上が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13に示した従来の整流回路においては、電流経路に3つのダイオードが必ず介在することから(タイオード2→6→5、または、タイオード3→6→4)、ダイオード3段分の損失が常に発生してしまう。このため、従来の整流回路においては、力率は改善されるものの損失が増大してしまういう問題が生じていた。
【0006】
したがって、本発明の目的は、損失を増大させることなく、力率が改善された整流回路を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、交流電源の一端に接続される第1の入力端、前記交流電源の他端に接続される第2の入力端、負荷の一端に接続される第1の出力端及び前記負荷の他端に接続される第2の出力端を備えるブリッジ回路と、前記交流電源の前記一端と前記ブリッジ回路の前記第1の入力端との間及び前記交流電源の前記他端と前記ブリッジ回路の前記第2の入力端との間の少なくとも一方に直列に接続された第1のリアクトルと、前記ブリッジ回路の前記第1の入力端と前記ブリッジ回路の前記第1の出力端との間に並列に接続された第1のスイッチ素子と、前記ブリッジ回路の前記第2の入力端と前記ブリッジ回路の前記第2の出力端との間に並列に接続された第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子に対して並列に接続された第1のコンデンサと、前記第1のスイッチ素子に対して直列に接続された第2のリアクトルと、前記第2のスイッチ素子に対して並列に接続された第2のコンデンサと、前記第2のスイッチ素子に対して直列に接続された第3のリアクトルと、前記第1及び第2のスイッチ素子のオン/オフを制御する制御手段とを備える整流回路によって達成される。
【0008】
本発明によれば、電流経路に介在するダイオードの数を従来の整流回路に比べて削減することができるので、損失を増大させることなく、力率を改善することができる。しかも、本発明によれば、第1のコンデンサ及び第2のリアクトルによって第1のスイッチ素子のスイッチング損失が大幅に低減されており、第2のコンデンサ及び第3のリアクトルによって第2のスイッチ素子のスイッチング損失が大幅に低減されていることから、高効率にて整流を行うことができる。
【0009】
本発明の好ましい実施態様においては、前記制御手段は、前記交流電源の電圧の一方のゼロクロス点から±λ/16の範囲(λは前記交流電源の電圧周期)において前記第1のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させ、前記交流電源の電圧の他方のゼロクロス点から±λ/16の範囲において前記第2のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させる。
【0010】
本発明の好ましい実施態様によれば、第1及び第2のスイッチ素子のターンオンのタイミングが適切に設定されているので、入力電流の波形の好ましくない変形を効果的に防止しつつ、力率向上の効果を十分に得ることができる。
【0011】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御手段は、前記一方のゼロクロス点と実質的に一致するタイミングにおいて前記第1のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させ、前記他方のゼロクロス点と実質的に一致するタイミングにおいて前記第2のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させる。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1及び第2のスイッチ素子のターンオンのタイミングがより適切に設定されているので、入力電流の波形の好ましくない変形をより効果的に防止しつつ、力率向上の効果をより十分に得ることができる。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御手段は、前記交流電源の電圧の一方のゼロクロス点よりλ/8経過時(λは前記交流電源の電圧周期)から±λ/16の範囲において前記第1のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させ、前記交流電源の電圧の他方のゼロクロス点よりλ/8経過時から±λ/16の範囲において前記第2のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1及び第2のスイッチ素子のターンオフのタイミングが適切に設定されているので、力率向上の効果を十分に得つつ、入力電流の波形の後半部分のピークの大幅な低下を効果的に防止することができる。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御手段は、前記一方のゼロクロス点よりλ/8経過時と実質的に一致するタイミングにおいて前記第1のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させ、前記他方のゼロクロス点よりλ/8経過時と実質的に一致するタイミングにおいて前記第2のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1及び第2のスイッチ素子のターンオフのタイミングがより適切に設定されているので、力率向上の効果をより十分に得つつ、入力電流の波形の後半部分のピークの大幅な低下をより効果的に防止することができる。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御手段は、前記第1及び第2のスイッチ素子のオン期間をλ/16〜3λ/16の範囲(λは前記交流電源の電圧周期)に設定する。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1及び第2のスイッチ素子のオン期間が適切に設定されているので、力率向上の効果を十分に得ることができる。
【0019】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御手段は、前記第1及び第2のスイッチ素子のオン期間を約λ/8に設定する。
【0020】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1及び第2のスイッチ素子のオン期間がより適切に設定されているので、力率向上の効果をより十分に得ることができる。
【0021】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第1のコンデンサと前記第2のリアクトルとの間に接続された第3のコンデンサと、前記第2のコンデンサと前記第3のリアクトルとの間に接続された第4のコンデンサとをさらに備え、前記第2のリアクトル、前記第1のスイッチ素子、前記第1のコンデンサ及び前記第3のコンデンサにより構成されるループは第1の共振回路を構成し、前記第2のリアクトル及び前記第3のコンデンサにより構成されるループは第2の共振回路を構成し、前記第3のリアクトル、前記第2のスイッチ素子、前記第2のコンデンサ及び前記第4のコンデンサにより構成されるループは第3の共振回路を構成し、前記第3のリアクトル及び前記第4のコンデンサにより構成されるループは第4の共振回路を構成する。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1及び第2の共振回路により第1のスイッチ素子のスイッチング損失が低減され、第3及び第4の共振回路により第2のスイッチ素子のスイッチング損失が低減されるので、高効率にて整流を行うことができる。
【0023】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第3のコンデンサの容量が前記第1のコンデンサの容量よりも大きく、前記第4のコンデンサの容量が前記第2のコンデンサの容量よりも大きい。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、第1の共振回路に流れる共振電流により第1のコンデンサをほぼ完全に放電させることができ、第3の共振回路に流れる共振電流により第2のコンデンサをほぼ完全に放電させることができるので、第1及び第2のスイッチ素子のスイッチング損失を確実に低減させることが可能となる。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第1乃至第4の共振回路に挿入された複数のダイオードをさらに備える。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ダイオードのリカバリ電流を前記第1のリアクトルを介して出力する手段をさらに備える。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、ダイオードのリカバリ電流が回生されるので、より高効率にて整流を行うことができる。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記制御回路は、前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子のオン/オフを共通の信号によって制御する。
【0029】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、制御回路の回路構成を簡素化することができる。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記第1及び第2のスイッチ素子が、バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBT、BSIT、BIMOSまたはBJTである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる整流回路20を示す回路図である。
【0033】
図1に示されるように、本実施態様にかかる整流回路20は、ブリッジを構成するダイオード21〜24と、交流電源の一端とブリッジの一方の入力端との間に接続されたリアクトル25と、交流電源の他端とブリッジの他方の入力端との間に接続されたリアクトル26と、ダイオード23に対して並列に接続された第1のトランジスタ27及びリアクトル28からなる直列回路と、ダイオード24に対して並列に接続された第2のトランジスタ29及びリアクトル30からなる直列回路と、ブリッジの出力端間に接続された平滑コンデンサ31と、平滑コンデンサ31の両端間にこの順で直列に接続されたダイオード32、ダイオード33及びコンデンサ34と、ダイオード21及びダイオード23の節点とダイオード32及びダイオード33の節点との間に接続されたコンデンサ35と、リアクトル28及び第1のトランジスタ27の節点とダイオード33とコンデンサ34の節点との間に接続されたダイオード36と、平滑コンデンサ31の両端間にこの順で直列に接続されたダイオード37、ダイオード38及びコンデンサ39と、ダイオード22及びダイオード24の節点とダイオード37及びダイオード38の節点との間に接続されたコンデンサ40と、リアクトル30及び第2のトランジスタ29の節点とダイオード38とコンデンサ39の節点との間に接続されたダイオード41と、交流電源より供給される交流電圧Vsのゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路42と、ゼロクロス検出回路42による検出結果に基づいて第1及び第2のトランジスタ27、29のオン/オフを制御する制御回路43とを備えている。平滑コンデンサ31の両端は整流回路20の出力端子であり、ここに負荷を接続することにより、かかる負荷に直流電圧を印加することができる。
【0034】
ここで、コンデンサ34、ダイオード33、コンデンサ35、リアクトル28及び第1のトランジスタ27からなるループは第1の共振回路を構成し、ダイオード33、コンデンサ35、リアクトル28及びダイオード36からなるループは第2の共振回路を構成している。同様に、コンデンサ39、ダイオード38、コンデンサ40、リアクトル30及び第2のトランジスタ29からなるループは第3の共振回路を構成し、ダイオード38、コンデンサ40、リアクトル30及びダイオード41からなるループは第4の共振回路を構成している。尚、本実施態様においては、コンデンサ35の容量はコンデンサ34の容量よりも大きく設定されており、コンデンサ40の容量はコンデンサ39の容量よりも大きく設定されている。
【0035】
ゼロクロス検出回路42は、交流電源より供給される交流電圧Vsの負側から正側へのゼロクロス点を検出したことに応答して第1の検出信号aを活性化し、逆に、交流電源より供給される交流電圧Vsの正側から負側へのゼロクロス点を検出したことに応答して第2の検出信号bを活性化する回路である。これら第1の検出信号a及び第2の検出信号bはいずれも制御回路43に供給され、制御回路43は、第1の検出信号aが活性化されたこと応答して、第1のトランジスタ駆動信号Aを交流電源の周期λの1/8の期間だけハイレベルとし、第2の検出信号bが活性化されたことに応答して、第2のトランジスタ駆動信号Bを交流電源の周期λの1/8の期間だけハイレベルとする。図1に示されるように、これら第1のトランジスタ駆動信号A及び第2のトランジスタ駆動信号Bは、それぞれ第1及び第2のトランジスタ27及び29のベース電極に印加される。
【0036】
図2は、本実施態様にかかる整流回路20の動作の概略を示すタイミング図である。
【0037】
図2に示されるように、本実施態様にかかる整流回路20においては、交流電源の電圧Vsの負側から正側へのゼロクロス点からλ/8の期間において第1のトランジスタ27がオンし、交流電源の電圧Vsの正側から負側へのゼロクロス点からλ/8の期間において第2のトランジスタ29がオンするため、第1のトランジスタ27のオンに基づくリアクトル電流I1及び第2のトランジスタ29のオンに基づくリアクトル電流I2が発生する。このため、入力電流Iinの波形は、交流電源の電圧Vsの波形により近くなっていることが分かる。
【0038】
図3は、本実施態様にかかる整流回路20の動作をより詳細に示すタイミング図である。
【0039】
図3においては、第1のトランジスタ駆動信号Aがハイレベルとなる期間及びその前後における、第1のトランジスタ27にかかる電圧V27、第1のトランジスタ27に流れる電流I27、第1のトランジスタ27のオンに基づくリアクトル電流I1、ダイオード21に流れる電流I21、コンデンサ34に流れる電流I34、コンデンサ35に流れる電流I35、コンデンサ34にかかる電圧V34及びコンデンサ35にかかる電圧V35の変化が示されている。さらに、図3においては、第2のトランジスタ駆動信号Bがハイレベルとなる期間及びその前後における、第2のトランジスタ29にかかる電圧V29、第2のトランジスタ29に流れる電流I29、第2のトランジスタ29のオンに基づくリアクトル電流I2、ダイオード22に流れる電流I22、コンデンサ39に流れる電流I39、コンデンサ40に流れる電流I40、コンデンサ39にかかる電圧V39及びコンデンサ40にかかる電圧V40の変化も併せて示されている。
【0040】
図3に示されるように、第1のトランジスタ駆動信号Aがローレベルからハイレベルに変化すると(時刻t0)、第1のトランジスタ27にかかる電圧V27は急速にゼロまで低下するが、第1のトランジスタ27にはリアクトル28が直列に接続されていることから、第1のトランジスタ27に流れる電流I27は緩やかに増加する。これにより、第1のトランジスタ27のターンオン時におけるスイッチング損失は極めて小さくなる。かかる動作は、第2のトランジスタ駆動信号Bがローレベルからハイレベルに変化する場合においても同様である。
【0041】
尚、第1のトランジスタ27(第2のトランジスタ29)が、ゼロクロス点と完全に一致するタイミングでターンオンすれば、リアクトル28(リアクトル30)が接続されているか否かに関わらずスイッチング損失は実質的に発生しない。しかしながら、ゼロクロス検出回路42が交流電圧Vsのゼロクロス点を検出してから、制御回路43が第1のトランジスタ駆動信号A(第2のトランジスタ駆動信号B)を実際にハイレベルに変化させるまでの間には、所定の動作時間が必要であり、さらに、第1のトランジスタ駆動信号A(第2のトランジスタ駆動信号B)がハイレベルに変化してから第1のトランジスタ27(第2のトランジスタ29)が実際にオンするまでの間にも、所定の時間が必要であることから、第1のトランジスタ27(第2のトランジスタ29)が実際にターンオンするタイミングは、ゼロクロス点から僅かに遅れてしまう。したがって、かかる動作遅延を考慮すれば、図3に示されるように、時刻t0の直前において第1のトランジスタ27(第2のトランジスタ29)には既にある程度の電圧がかかっているものと考えられるが、上述したように、第1のトランジスタ27(第2のトランジスタ29)にはリアクトル28(リアクトル30)が直列に接続されていることから、第1のトランジスタ27(第2のトランジスタ29)のターンオン時におけるスイッチング損失は極めて小さくなる。
【0042】
また、第1のトランジスタ27がターンオンすると(時刻t0)、コンデンサ34、ダイオード33、コンデンサ35、リアクトル28及び第1のトランジスタ27からなる第1の共振回路に共振電流が流れ、これによって、コンデンサ34に充電されていた電荷は放電される。この場合、コンデンサ35の容量がコンデンサ34の容量よりも大きく設定されていることから、コンデンサ34はほぼ完全に放電されることになる。コンデンサ34がほぼ完全に放電されたことによって第1の共振回路による共振動作が終了すると、次に、ダイオード33、コンデンサ35、リアクトル28及びダイオード36からなる第2の共振回路に共振電流が流れ、これによって、コンデンサ35はほぼ完全に充電される。コンデンサ35がほぼ完全に充電されると、第2の共振回路による共振動作も終了する(時刻t1)。かかる動作は、第3及び第4の共振回路においても同様である。
【0043】
次に、第1のトランジスタ駆動信号Aがハイレベルからローレベルに変化すると(時刻t2)、第1のトランジスタ27に流れる電流I27は急速にゼロまで低下するが、第1のトランジスタ27にはコンデンサ34が並列に接続されていることから、第1のトランジスタ27にかかる電圧V27は緩やかに増加し、コンデンサ34は再び充電状態となる(時刻t3)。これにより、第1のトランジスタ27のターンオフ時におけるスイッチング損失は極めて小さくなる。第1のトランジスタ27のターンオフによりダイオード21とダイオード23との節点の電位が上昇すると、充電状態であったコンデンサ35が放電され(時刻t4)、上述した時刻t0以前の状態となる。かかる動作も、第2のトランジスタ駆動信号Bがハイレベルからローレベルに変化する場合においても同様である。
【0044】
このように、本実施態様にかかる整流回路20は、ダイオード23に対して並列に接続された第1のトランジスタ27及びダイオード24に対して並列に接続された第2のトランジスタ29を備え、第1のトランジスタ27を交流電源の電圧Vsの負側から正側へのゼロクロス点からλ/8の期間においてオンさせるとともに、第2のトランジスタ29を交流電源の電圧Vsの正側から負側へのゼロクロス点からλ/8の期間においてオンさせているので、入力電流Iinの波形が交流電源の電圧Vsの波形により近くなり、これにより力率が向上する。
【0045】
しかも、本実施態様にかかる整流回路20では、主となる電流経路に2つのダイオードしか介在しないことから(タイオード21→24、または、タイオード22→23)、従来の整流回路よりも損失が小さく、さらに、第1〜第4の共振回路が設けられていることから、第1のトランジスタ27及び第2のトランジスタ29のスイッチング損失が大幅に低減されており、これにより、高効率にて整流を行うことができる。
【0046】
尚、上記実施態様においては、第1のトランジスタ27のオン期間を交流電源の電圧Vsの負側から正側へのゼロクロス点からλ/8の期間に設定し、第2のトランジスタ29のオン期間を交流電源の電圧Vsの正側から負側へのゼロクロス点からλ/8の期間に設定しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
例えば、第1のトランジスタ27がオンするタイミング及び第2のトランジスタ29がオンするタイミングを、ゼロクロス点よりもやや早く設定してもよく、逆に、ゼロクロス点よりもやや遅く設定してもよい。但し、当該タイミングをゼロクロス点より過度に早く設定すると、入力電流Iinの波形がゼロクロス点の直前部分において変形するおそれがあり、逆に、当該タイミングをゼロクロス点より過度に遅く設定すると、第1及び第2のトランジスタ27、29による力率向上の効果が十分に得られなくなってしまう。したがって、入力電流Iinの波形の好ましくない変形を防止しつつ、力率向上の効果を十分に得るためには、上記タイミングをゼロクロス点から±λ/16の範囲に設定することが好ましい。最も好ましいタイミングは、上記実施態様にかかる整流回路20のようにゼロクロス点と一致するタイミングである。
【0048】
また、第1のトランジスタ27がオフするタイミング及び第2のトランジスタ29がオフするタイミングについても、ゼロクロス点からλ/8経過時よりもやや早く設定してもよく、逆に、ゼロクロス点からλ/8経過時よりややも遅く設定してもよい。但し、当該タイミングをゼロクロス点からλ/8経過時より過度に早く設定すると、第1及び第2のトランジスタ27、29による力率向上の効果が十分に得られなくなってしまい、逆に、当該タイミングをゼロクロス点からλ/8経過時より過度に遅く設定すると、入力電流Iinの波形のうち後半部分のピークが大幅に低くなってしまう。したがって、力率向上の効果を十分に得つつ、入力電流Iinの波形の後半部分のピークの大幅な低下を防止するためには、上記タイミングをゼロクロス点よりλ/8経過時から、±λ/16の範囲に設定することが好ましい。最も好ましいタイミングは、上記実施態様にかかる整流回路20のようにゼロクロス点からλ/8経過時である。
【0049】
さらに、上述のように、第1及び第2のトランジスタ27、29がオンするタイミングをゼロクロス点とは異なるタイミングに設定し、及び/又は、第1及び第2のトランジスタ27、29がオフするタイミングをゼロクロス点からλ/8経過時とは異なるタイミングに設定する場合においては、第1及び第2のトランジスタ27、29のオン期間がλ/16〜3λ/16の範囲となるように、第1及び第2のトランジスタ27、29のオンタイミング及びオフタイミングを設定することが好ましい。第1及び第2のトランジスタ27、29の最も好ましいオン期間は、上記実施態様にかかる整流回路20のようにλ/8である。
【0050】
また、上記実施態様にかかる整流回路20においては、第1のトランジスタ27を第1のトランジスタ駆動信号Aによって駆動し、第2のトランジスタ29を第2のトランジスタ駆動信号Bによって駆動しているが、一方のトランジスタがオンしている期間においては他方のトランジスタに並列接続されているダイオード(ダイオード23またはダイオード24)が導通状態となっているので、これらを共通の信号によって駆動しても構わない。
【0051】
尚、上記実施態様にかかる整流回路20においては、ゼロクロス検出回路42を用いて交流電源の電圧Vsのゼロクロス点を検出しているが、このようなゼロクロス検出回路42によって電圧Vsのゼロクロス点を直接検出するのではなく、間接的な方法を用いて、電圧Vsのゼロクロス点を実質的に示す信号を生成し、これに基づいて第1及び第2のトランジスタ27、29のオン/オフを制御しても構わない。次に、このような方法を用いた例について説明する。
【0052】
図4は、本発明の好ましい他の実施態様にかかる整流回路50を示す回路図である。
【0053】
図4に示されるように、本実施態様にかかる整流回路50は、上記実施態様にかかる整流回路20に設けられているゼロクロス検出回路42及び制御回路43が、それぞれブリッジ回路51及び制御回路52に置き換えられている点において異なる。他の構成要素は、上記実施態様にかかる整流回路20と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0054】
ブリッジ回路51は、ダイオード53〜56及び抵抗57、58からなり、ダイオード53〜56によって交流電源の電圧Vsが整流されるとともに、その出力電圧が抵抗57、58によって分圧される。
【0055】
一方、制御回路52は、ツェナーダイオード59と、コンパレータ60と、遅延回路61とを備えており、コンパレータ60の反転入力端子(−)にはブリッジ回路51からの出力電圧V1が供給され、非反転入力端子(+)にはツェナーダイオード59によるツェナー電圧V2が印加されている。コンパレータ60からの出力信号cは、遅延回路61によってTdelay分の遅延が与えられ、その遅延信号Cは、第1及び第2のトランジスタ27、29のベース電極に共通に印加される。
【0056】
図5は、本実施態様にかかる整流回路50の動作を示すタイミング図である。
【0057】
本実施態様にかかる整流回路50においては、コンパレータ60によってブリッジ回路51の出力電圧V1とツェナー電圧V2が比較されていることから、図5に示されるように、コンパレータ60の出力信号cは、λ/2ごとに発生するパルス波形となり、パルスの中心は交流電源の電圧Vsのゼロクロス点と一致することになる。したがって、遅延回路61による遅延量Tdelayが出力信号cのパルス幅の1/2となるように設定すれば、遅延回路61から出力される遅延信号Cの立ち上がりエッジは交流電源の電圧Vsのゼロクロス点と実質的に一致することになる。さらに、抵抗57、58による分圧比及びツェナーダイオード59のツェナー電圧の設定により、コンパレータ60の出力信号cのパルス幅をλ/8に設定すれば、遅延回路61から出力される遅延信号Cの立ち下がりエッジを交流電源の電圧Vsのゼロクロス点から実質的にλ/8経過時とすることができる。
【0058】
以上により、本実施態様にかかる整流回路50においては、ゼロクロス検出回路を用いることなく、第1及び第2のトランジスタ27、29を交流電源の電圧Vsのゼロクロス点からλ/8の期間においてオンさせることができるので、簡易な回路構成によって、上記実施態様にかかる整流回路20と同じ効果を得ることができる。
【0059】
図6は、本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路70を示す回路図である。
【0060】
図6に示されるように、本実施態様にかかる整流回路70は、上記実施態様にかかる整流回路50に設けられている制御回路52が、制御回路71に置き換えられている点において異なる。他の構成要素は、上記実施態様にかかる整流回路50と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0061】
制御回路71は、ツェナーダイオード72と、コンパレータ73と、ワンショットパルス生成回路74とを備えており、コンパレータ73の非反転入力端子(+)にはブリッジ回路51からの出力電圧V1が供給され、反転入力端子(−)にはツェナーダイオード72によるツェナー電圧V3が印加されている。本実施態様においては、ツェナーダイオード72のツェナー電圧V3が、ブリッジ回路51からの出力電圧V1に比べて十分に低く設定されている。コンパレータ73からの出力信号dはワンショットパルス生成回路74に供給され、ワンショットパルス生成回路74は、コンパレータ73からの出力信号dの立ち上がりエッジに応答して、その出力信号Dのレベルを所定の期間だけハイレベルとする。出力信号Dは、第1及び第2のトランジスタ27、29のベース電極に共通に印加される。
【0062】
図7は、本実施態様にかかる整流回路70の動作を示すタイミング図である。
【0063】
本実施態様にかかる整流回路70においては、コンパレータ73によってブリッジ回路51の出力電圧V1とツェナー電圧V3が比較されていることから、図7に示されるように、コンパレータ73の出力信号dは、λ/2ごとに発生するパルス波形となり、パルスの中心は交流電源の電圧Vsのゼロクロス点と一致する。この場合、上述のとおり、ツェナーダイオード72のツェナー電圧V3が、ブリッジ回路51からの出力電圧V1に比べて十分に低く設定されていることから、コンパレータ73の出力信号dの立ち上がりエッジは、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点から僅かに遅れたタイミングにおいて現れることになる。したがって、ワンショットパルス生成回路74の出力信号Dのパルス幅をλ/8に設定すれば、出力信号Dの立ち下がりエッジを交流電源の電圧Vsのゼロクロス点から約λ/8経過時とすることができる。
【0064】
以上により、本実施態様にかかる整流回路70においても、ゼロクロス検出回路を用いることなく、第1及び第2のトランジスタ27、29を交流電源の電圧Vsのほぼゼロクロス点から約λ/8の期間においてオンさせることができるので、簡易な回路構成によって、上記実施態様にかかる整流回路20と同じ効果を得ることができる。また、本実施態様においては、ツェナーダイオード72のツェナー電圧V3をブリッジ回路51からの出力電圧V1に比べ十分に低く設定しているので、ワンショットパルス生成回路74の出力信号Dのパルス幅の設定によって、第1及び第2のトランジスタ27、29のオン/オフタイミングを実質的に決めることができる。このため、第1及び第2のトランジスタ27、29のオン/オフタイミングの設定が非常に簡単であるという利点を有している。
【0065】
尚、本実施態様にかかる整流回路70においては、コンパレータ73の反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)を逆にしても構わない。コンパレータ73の反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)を逆にすれば、コンパレータ73の出力信号d立ち上がりエッジは、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点から僅かに早いタイミングにおいて現れることになる。
【0066】
図8は、本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路80を示す回路図である。
【0067】
図8に示されるように、本実施態様にかかる整流回路80は、上記実施態様にかかる整流回路50に設けられている制御回路52が、制御回路81に置き換えられている点において異なる。他の構成要素は、上記実施態様にかかる整流回路50と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0068】
制御回路81は、第1のツェナーダイオード82と、第2のツェナーダイオード83と、第1のコンパレータ84と、第2のコンパレータ85と、S/Rフリップフロップ86とを備えている。第1のコンパレータ84の反転入力端子(−)にはブリッジ回路51からの出力電圧V1が供給され、非反転入力端子(+)には第1のツェナーダイオード82によるツェナー電圧V4が印加されている。また、第2のコンパレータ85の非反転入力端子(+)にはブリッジ回路51からの出力電圧V1が供給され、反転入力端子(−)には第2のツェナーダイオード83によるツェナー電圧V5が印加されている。本実施態様においては、第1のツェナーダイオード82のツェナー電圧V4が、ブリッジ回路51からの出力電圧V1に比べて十分に低く設定されているとともに、第2のツェナーダイオード83のツェナー電圧V5が、第1のツェナーダイオード82のツェナー電圧V4よりも高く設定されている。
【0069】
また、第1のコンパレータ84からの出力信号eはS/Rフリップフロップ86のセット入力端子(S)に供給され、第2のコンパレータ85からの出力信号fはS/Rフリップフロップ86のリセット入力端子(R)に供給されており、S/Rフリップフロップ86の出力信号Qは、第1及び第2のトランジスタ27、29のベース電極に共通に印加される。
【0070】
図9は、本実施態様にかかる整流回路80の動作を示すタイミング図である。
【0071】
本実施態様にかかる整流回路80においては、第1のコンパレータ84によってブリッジ回路51の出力電圧V1とツェナー電圧V4が比較されていることから、図9に示されるように、第1のコンパレータ84の出力信号eは、λ/2ごとに発生するパルス波形となり、パルスの中心は交流電源の電圧Vsのゼロクロス点と一致する。この場合、上述のとおり、第1のツェナーダイオード82のツェナー電圧V4が、ブリッジ回路51からの出力電圧V1に比べて十分に低く設定されていることから、第1のコンパレータ84の出力信号eの立ち上がりエッジは、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点より僅かに早いタイミングにおいて現れることになる。
【0072】
一方、第2のコンパレータ85によってブリッジ回路51の出力電圧V1とツェナー電圧V5が比較されていることから、図9に示されるように、第2のコンパレータ85の出力信号fは、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点間の所定期間においてハイレベルとなる。
【0073】
このため、S/Rフリップフロップ86は、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点よりも僅かに早いタイミングにおいてセットされ、ゼロクロス点の経過後、所定の時間が経過するとリセットされる。すなわち、出力信号Qは、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点よりも僅かに早いタイミングにおいてハイレベルとなり、ゼロクロス点の経過後、所定の時間が経過するとローレベルとなる。
【0074】
したがって、抵抗57、58による分圧比及び第2のツェナーダイオード83のツェナー電圧の設定により、S/Rフリップフロップ86がリセットされるタイミングをゼロクロス点からλ/8経過時に設定すれば、ほぼゼロクロス点から約λ/8の期間においてS/Rフリップフロップ86の出力信号Qをハイレベルとすることができる。
【0075】
以上により、本実施態様にかかる整流回路80においても、ゼロクロス検出回路を用いることなく、第1及び第2のトランジスタ27、29を交流電源の電圧Vsのほぼゼロクロス点から約λ/8の期間においてオンさせることができるので、簡易な回路構成によって、上記実施態様にかかる整流回路20と同じ効果を得ることができる。また、本実施態様においては、S/Rフリップフロップ86を用いているので、抵抗57、58による分圧比の設定及び第2のツェナーダイオード83のツェナー電圧V5の設定によって、第1及び第2のトランジスタ27、29のオン/オフタイミングを実質的に決めることができる。このため、第1及び第2のトランジスタ27、29のオン/オフタイミングの設定が非常に簡単であるという利点を有している。
【0076】
図10は、本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路90を示す回路図である。
【0077】
図10に示されるように、本実施態様にかかる整流回路90は、上記実施態様にかかる整流回路50に設けられているブリッジ回路51が、ブリッジ回路91に置き換えられている点において異なる。ブリッジ回路91は、ブリッジ回路51に備えられているダイオード53、56を削除した構成を有している。他の構成要素は、上記実施態様にかかる整流回路50と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0078】
図11は、本実施態様にかかる整流回路90の動作を示すタイミング図である。
【0079】
図11に示されるように、本実施態様にかかる整流回路90においては、ブリッジ回路91の出力電圧V6の波形が、上記各実施態様において用いられているブリッジ回路51の出力電圧V1の波形と異なっている。尚、参考として、図11には、ブリッジ回路51の出力電圧V1の波形も併せて示されている。
【0080】
しかしながら、ブリッジ回路91の出力電圧V6もブリッジ回路51の出力電圧V1と同様、交流電源の電圧Vsのゼロクロス点において実質的に0Vとなるため、ブリッジ回路91の出力電圧V6をブリッジ回路51の出力電圧V1と同様に取り扱うことが可能である。したがって、本実施態様にかかる整流回路90においても、上記実施態様にかかる整流回路50とほぼ同様の動作を行うことができる。
【0081】
尚、本実施態様にかかる整流回路90においては、制御回路52を用いているが、図6に示した制御回路71や、図8に示した制御回路82を用いても構わない。
【0082】
図12は、本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路100を示す回路図である。
【0083】
図12に示されるように、本実施態様にかかる整流回路100は、上記実施態様にかかる整流回路20に備えられているリアクトル25が、第1巻線25a及び第2巻線25bからなり、リアクトル26が、第1巻線26a及び第2巻線26bからなる点において異なる。第2巻線25bは、ダイオード21及びダイオード23の節点とリアクトル28との間に挿入されており、第2巻線26bは、ダイオード22及びダイオード24の節点とリアクトル30との間に挿入されている。その他の構成要素は、上記実施態様にかかる整流回路20と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0084】
ここで、リアクトル25が第1巻線25a及び第2巻線25bに分割されているということは、第1巻線25aと第2巻線25bが同一の磁心に巻かれた巻線によって構成されることを意味する。また、リアクトル25は、第1巻線25aと第2巻線25bとが互いに逆極性となるように巻線方向が定められる。さらに、第1巻線25aには、第2巻線25bより十分に大きいインダクタンスが与えられている。同様に、リアクトル26が第1巻線26a及び第2巻線26bに分割されているということは、第1巻線26aと第2巻線26bが同一の磁心に巻かれた巻線によって構成されることを意味する。また、リアクトル26は、第1巻線26aと第2巻線26bとが互いに逆極性となるように巻線方向が定められる。さらに、第1巻線26aには、第2巻線26bより十分に大きいインダクタンスが与えられている。
【0085】
本実施態様にかかる整流回路100においては、第1のトランジスタ27がオフした後、リアクトル25の第2巻線25b、リアクトル28、ダイオード36、ダイオード33及びコンデンサ35からなる共振回路に電流が環流した際、リアクトル25の第1巻線25aと第2巻線25bとの間の磁気結合の働きににより、これらダイオード33、36が発生するリカバリ電流がリアクトル25の第1巻線25aを介して出力されることになる。同様に、第2のトランジスタ29がオフした後、リアクトル26の第2巻線26b、リアクトル30、ダイオード41、ダイオード38及びコンデンサ40からなる共振回路に電流が環流した際、リアクトル26の第1巻線26aと第2巻線26bとの間の磁気結合の働きににより、これらダイオード38、41が発生するリカバリ電流がリアクトル26の第1巻線26aを介して出力されることになる。
【0086】
このため、本実施態様にかかる整流回路100によれば、上記各実施態様による効果に加え、より高効率にて整流を行うことができるという効果を得ることができる。
【0087】
尚、本実施態様においても、上記各実施態様にかかる整流回路50、70、80のようにゼロクロス検出回路42の代わりにブリッジ回路51を用い、且つ、制御回路43の代わりに制御回路52、71または81を用いても構わない。この場合、上記実施態様にかかる整流回路90のように、ブリッジ回路51ではなくブリッジ回路91を用いても構わない。
【0088】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0089】
例えば、上記各実施態様にかかる整流回路20、50、70、80、90、100においては、交流電源の一端に接続されたリアクトル25と、交流電源の他端に接続されたリアクトル26を備えているが、これら2つのリアクトルを備えることは本発明において必須ではなく、これらの一方を省略しても構わない。この場合、全体の部品点数が削減されるという利点があるが、鉄損が増大する。したがって、2つのリアクトルを設けるか、その一方を削除するかは、目的に応じて選択すればよい。
【0090】
また、上記各実施態様にかかる整流回路50、70、80においては、ブリッジ回路51に抵抗57、58からなる分圧回路が設けられているが、これは、交流電源の電圧Vsとツェナー電圧とが大きく異なる場合にこれらの電圧レベルを接近させ、コンパレータ60、73、84、85による比較を容易とすることを目的とした設けられたものであり、ブリッジ回路51において必須な要素ではない。同様に、上記実施態様にかかる整流回路90のブリッジ回路91が備える抵抗57、58もブリッジ回路91において必須な要素ではない。
【0091】
さらに、上記各実施態様にかかる整流回路20、50、70、80、90、100においては、第1及び第2のトランジスタ27、29としてバイポーラトランジスタを用いているが、双方向スイッチである限りバイポーラトランジスタである必要はなく、他のスイッチ素子、例えば、MOSFET(電界効果トランジスタ)、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、BSIT(バイポーラモード静電誘導型トランジスタ)、BIMOS(バイポーラ電界効果トランジスタ)、BJT(バイポーラ接合型トランジスタ)等を用いても構わない。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による整流回路は、ブリッジを構成するダイオード23に対して並列に接続された第1のトランジスタ27及びダイオード24に対して並列に接続された第2のトランジスタ29を備え、これらトランジスタを適切なタイミングでオン/オフ制御していることから、損失を増大させることなく、力率を改善することが可能となる。しかも、本発明による整流回路では、主となる電流経路に2つのダイオードしか介在しないことから、従来の整流回路よりも損失が小さく、さらに、第1のトランジスタ27及び第2のトランジスタ29にそれぞれ共振回路が付加されていることから、第1のトランジスタ27及び第2のトランジスタ29のスイッチング損失が大幅に低減されており、これにより、高効率にて整流を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかる整流回路20を示す回路図である。
【図2】整流回路20の動作の概略を示すタイミング図である。
【図3】整流回路20の動作をより詳細に示すタイミング図である。
【図4】本発明の好ましい他の実施態様にかかる整流回路50を示す回路図である。
【図5】整流回路50の動作を示すタイミング図である。
【図6】本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路70を示す回路図である。
【図7】整流回路70の動作を示すタイミング図である。
【図8】本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路80を示す回路図である。
【図9】整流回路80の動作を示すタイミング図である。
【図10】本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路90を示す回路図である。
【図11】整流回路90の動作を示すタイミング図である。
【図12】本発明の好ましいさらに他の実施態様にかかる整流回路100を示す回路図である。
【図13】従来の整流回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源
2〜6 ダイオード
7 平滑コンデンサ
8 負荷
9 トランジスタ
10 リアクトル
20 整流回路
21〜24 ダイオード
25,26,28,30 リアクトル
25a,26a 第1巻線
25b,26b 第2巻線
27 第1のトランジスタ
29 第2のトランジスタ
31 平滑コンデンサ
32,33,36〜38,41 ダイオード
34,35,39,40 コンデンサ
42 ゼロクロス検出回路
43 制御回路
50 整流回路
51 ブリッジ回路
52 制御回路
53〜56 ダイオード
57,58 抵抗
59 ツェナーダイオード
60 コンパレータ
61 遅延回路
70 整流回路
71 制御回路
72 ツェナーダイオード
73 コンパレータ
74 ワンショットパルス生成回路
80 整流回路
81 制御回路
82 第1のツェナーダイオード
83 第2のツェナーダイオード
84 第1のコンパレータ
85 第2のコンパレータ
86 S/Rフリップフロップ
90 整流回路
91 ブリッジ回路
100 整流回路

Claims (13)

  1. 交流電源の一端に接続される第1の入力端、前記交流電源の他端に接続される第2の入力端、負荷の一端に接続される第1の出力端及び前記負荷の他端に接続される第2の出力端を備えるブリッジ回路と、前記交流電源の前記一端と前記ブリッジ回路の前記第1の入力端との間及び前記交流電源の前記他端と前記ブリッジ回路の前記第2の入力端との間の少なくとも一方に直列に接続された第1のリアクトルと、前記ブリッジ回路の前記第1の入力端と前記ブリッジ回路の前記第1の出力端との間に並列に接続された第1のスイッチ素子と、前記ブリッジ回路の前記第2の入力端と前記ブリッジ回路の前記第2の出力端との間に並列に接続された第2のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子に対して並列に接続された第1のコンデンサと、前記第1のスイッチ素子に対して直列に接続された第2のリアクトルと、前記第2のスイッチ素子に対して並列に接続された第2のコンデンサと、前記第2のスイッチ素子に対して直列に接続された第3のリアクトルと、前記第1及び第2のスイッチ素子のオン/オフを制御する制御手段とを備える整流回路。
  2. 前記制御手段は、前記交流電源の電圧の一方のゼロクロス点から±λ/16の範囲(λは前記交流電源の電圧周期)において前記第1のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させ、前記交流電源の電圧の他方のゼロクロス点から±λ/16の範囲において前記第2のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させることを特徴とする請求項1に記載の整流回路。
  3. 前記制御手段は、前記一方のゼロクロス点と実質的に一致するタイミングにおいて前記第1のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させ、前記他方のゼロクロス点と実質的に一致するタイミングにおいて前記第2のスイッチ素子をオフ状態からオン状態に変化させることを特徴とする請求項2に記載の整流回路。
  4. 前記制御手段は、前記交流電源の電圧の一方のゼロクロス点よりλ/8経過時(λは前記交流電源の電圧周期)から±λ/16の範囲の範囲において前記第1のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させ、前記交流電源の電圧の他方のゼロクロス点よりλ/8経過時から±λ/16の範囲の範囲において前記第2のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の整流回路。
  5. 前記制御手段は、前記一方のゼロクロス点よりλ/8経過時と実質的に一致するタイミングにおいて前記第1のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させ、前記他方のゼロクロス点よりλ/8経過時と実質的に一致するタイミングにおいて前記第2のスイッチ素子をオン状態からオフ状態に変化させることを特徴とする請求項4に記載の整流回路。
  6. 前記制御手段は、前記第1及び第2のスイッチ素子のオン期間をλ/16〜3λ/16の範囲(λは前記交流電源の電圧周期)に設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の整流回路。
  7. 前記制御手段は、前記第1及び第2のスイッチ素子のオン期間を約λ/8に設定することを特徴とする請求項6に記載の整流回路。
  8. 前記第1のコンデンサと前記第2のリアクトルとの間に接続された第3のコンデンサと、前記第2のコンデンサと前記第3のリアクトルとの間に接続された第4のコンデンサとをさらに備え、前記第2のリアクトル、前記第1のスイッチ素子、前記第1のコンデンサ及び前記第3のコンデンサにより構成されるループは第1の共振回路を構成し、前記第2のリアクトル及び前記第3のコンデンサにより構成されるループは第2の共振回路を構成し、前記第3のリアクトル、前記第2のスイッチ素子、前記第2のコンデンサ及び前記第4のコンデンサにより構成されるループは第3の共振回路を構成し、前記第3のリアクトル及び前記第4のコンデンサにより構成されるループは第4の共振回路を構成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の整流回路。
  9. 前記第3のコンデンサの容量が前記第1のコンデンサの容量よりも大きく、前記第4のコンデンサの容量が前記第2のコンデンサの容量よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の整流回路。
  10. 前記第1乃至第4の共振回路に挿入された複数のダイオードをさらに備えることを特徴とする請求項8または9に記載の整流回路。
  11. 前記ダイオードのリカバリ電流を前記第1のリアクトルを介して出力する手段をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の整流回路。
  12. 前記制御回路は、前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子のオン/オフを共通の信号によって制御することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の整流回路。
  13. 前記第1及び第2のスイッチ素子が、バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBT、BSIT、BIMOSまたはBJTであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の整流回路。
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