JP4329685B2 - 音源制御装置、プログラムおよび音源の制御方法 - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、発音チャンネルの必要数を抑制しつつパート音量の変化に対応した楽音信号を出力できる音源制御装置、プログラムおよび音源の制御方法を提供することを目的としている。
請求項1記載の音源制御装置にあっては、複数の発音チャンネルによって楽音信号を生成するとともに、これら楽音信号は複数のパートのうち何れかに分類される音源(12)を制御する音源制御装置において、前記複数のパートのうち何れか一のパートに設定するゲインであるパート音量がパートボリュームの操作量またはMIDI信号のチャンネルボリュームメッセージに応じて変更されると、該パート音量が所定の閾値(TH)以上の値から前記閾値(TH)未満の値に変更されたか否かを判定する第1のパート音量変更状態判定手段(SP70)と、前記第1のパート音量変更状態判定手段(SP70)における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属する発音チャンネルを解放させる発音停止手段(SP92)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の音源制御装置において、供給されたノートオンイベントの内容をノートオン情報として所定のバッファ領域に記憶する手段と、前記発音停止手段(SP92)によって前記一のパートに属する発音チャンネルが解放された後、前記パート音量が前記閾値(TH)未満の値から前記閾値(TH)以上の値に変更されたか否かを判定する第2のパート音量変更状態判定手段(SP70)と、前記第2のパート音量変更状態判定手段(SP70)における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属するノートオン情報を前記バッファ領域から読み出し、該読み出したノートオン情報に対応して前記音源(12)に発音チャンネルを確保し、該発音チャンネルにおける発音を開始させる発音開始手段と、をさらに有することを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1記載の音源制御装置において、前記パートボリュームの操作が検出されたとき、または外部から前記チャンネルボリュームメッセージを受信したとき、その旨を検出し前記第1のパート音量変更状態判定手段(SP70)を起動させる起動手段をさらに有することを特徴とする。
また、請求項4記載のプログラムにあっては、複数の発音チャンネルによって楽音信号を生成するとともに、これら楽音信号は複数のパートのうち何れかに分類される音源(12)を制御する音源制御装置に適用されるプログラムであって、前記複数のパートのうち何れか一のパートに設定するゲインであるパート音量がパートボリュームの操作量またはMIDI信号のチャンネルボリュームメッセージに応じて変更されると、該パート音量が所定の閾値(TH)以上の値から前記閾値(TH)未満の値に変更されたか否かを判定する第1のパート音量変更状態判定過程(SP70)と、前記第1のパート音量変更状態判定過程(SP70)における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属する発音チャンネルを解放させる発音停止過程(SP92)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
また、請求項5記載の音源の制御方法にあっては、複数の発音チャンネルによって楽音信号を生成するとともに、これら楽音信号は複数のパートのうち何れかに分類される音源(12)を制御する音源の制御方法であって、前記複数のパートのうち何れか一のパートに設定するゲインであるパート音量がパートボリュームの操作量またはMIDI信号のチャンネルボリュームメッセージに応じて変更されると、該パート音量が所定の閾値(TH)以上の値から前記閾値(TH)未満の値に変更されたか否かを判定する第1のパート音量変更状態判定過程(SP70)と、前記第1のパート音量変更状態判定過程(SP70)における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属する発音チャンネルを解放させる発音停止過程(SP92)とを有することを特徴とする。
本実施例においては、なんらかのノートオンイベントが発生すると、当該ノートオンイベントに係る情報が「ノートオン情報」としてメモリ内に記憶される。そして、対応するパート音量の値が適宜参照され、該パートの楽音信号を発音すべき状態になると、該ノートオン情報に基づいて発音チャンネルが確保され、楽音信号が生成される。一方、対応するパート音量の値に応じて該パートの楽音信号を消音すべき状態になると、対応する発音チャンネルは解放されるが、ノートオン情報はそのままメモリ内に残される。これにより、パート音量が再び上昇したときに該ノートオン情報に対応して再び発音チャンネルが割り当てられる。このノートオン情報は、例えばノートオフ信号が供給される等、パート音量に関わらず発音する必要性がなくなったときにメモリ内から消去される。これにより、ノートオン情報がメモリ内に残存している限りにおいては、パートボリュームの操作のみによって対応する楽音信号の発音/消音状態を制御することができる。そして、消音状態においては音源回路から発音チャンネルを確実に解放するため、音源回路のリソースを有効に利用することができる。
まず、本発明の一実施例の電子楽器のハードウェア構成を図1を参照し説明する。
図において、4は通信インタフェースであり、MIDI鍵盤、シーケンサ等の外部機器2との間でMIDI信号を入出力する。8は表示回路であり、表示部6に各種情報を表示する。12は音源回路であり、バス18を介して供給された演奏情報に基づいて楽音信号を合成し、該楽音信号をサウンドシステム10を介して発音させる。14は鍵盤やスイッチ、ボリューム等から成る操作子群であり、その操作状態は検出回路16を介して検出される。24はCPUであり、ROM20に格納された制御プログラムに基づいて、バス18を介して各部を制御する。22はRAMであり、CPU24によって読み出し/書き込み自在になっており、該制御プログラムに使用される各種データ等を格納する。
3.1.ノートオンイベント
検出回路16において操作子群14に含まれる鍵盤の押鍵操作が検出され、または通信インタフェース4を介して外部機器2からノートオン信号が供給されると、CPU24においてノートオンイベントが発生し、図3に示すノートオンイベントルーチンが起動される。図において処理がステップSP2に進むと、当該ノートオンイベントに係るパートが検出される。すなわち、操作子群14の演奏操作子によってノートオンイベントが発生したのであれば該演奏操作子の種類(上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤等)に応じてパートが特定され、外部機器2から供給されたノートオン信号であれば、そのノートオン信号に含まれるMIDIチャンネルの指定によってパートが特定される。
また、検出回路16において操作子群14に含まれる演奏操作子の離鍵操作が検出され、または通信インタフェース4を介して外部機器2からノートオフ信号が供給されると、CPU24においてノートオフイベントが発生し、図4に示すノートオフイベントルーチンが起動される。図において処理がステップSP20に進むと、音源回路12内でノートオンイベントが割り当てられている発音チャンネルの中から、当該ノートオフイベントに対応する発音チャンネルが検索される。また該発音チャンネルが割り当てられていた場合にはそのチャンネル番号も検出される。ここで、「対応する発音チャンネル」とは、パートおよび音高が該ノートオフイベントに一致するノートオンイベントが割り当てられている発音チャンネルの意味である。
本実施例の電子楽器においては、所定時間毎にタイマ割込みが発生する。ここで、「所定時間」はMIDIクロック毎、またはそれより短い周期に設定するとよい。タイマ割込みが発生すると、図5に示すタイマ割込みルーチンが起動される。図5において処理がステップSP40に進むと、ノートオンバッファに記録されている全てのノートオン情報が検索される。次に、処理がステップSP42に進むと、この検索結果に基づいて、なんらかのノートオン情報がノートオンバッファに記録されているか否かが判定される。
3.4.1.閾値THに対する大小関係に変更が無かった場合
操作子群14中の何れかのパートボリュームの操作が検出され、または外部機器2からチャンネルボリュームメッセージが供給されると、その操作やメッセージによって音量が変更されるべきパートを処理の対象(対象パート)として図6に示すパート音量変更イベントルーチンが起動される。図6において処理がステップSP70に進むと、パート音量の変更態様に基づいて処理が分岐される。まず、変更前後のパート音量と閾値THとの大小関係に変更が無かった場合、すなわち変更前後のパート音量が共に閾値TH未満であった場合、あるいは変更前後のパート音量が共に閾値TH以上であった場合には、処理はステップSP94に進む。ここでは、パート音量調節部32−1〜32−nのうち対応するもののパート音量が変更され、処理が終了する。これにより、当該パートの楽音信号の音量は、変更後のパート音量に基づいて増減されることになる。
また、変更前のパート音量が閾値TH未満であって、このパート音量が閾値TH以上になるように変更された場合は、処理はステップSP72に進む。ここでは、ノートオンバッファの中から当該パートに属するノートオン情報が検索される。次に、処理がステップSP74に進むと、該ステップSP72の処理において該当するノートオン情報が検索されたか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP94に進み、上述したように変更後のパート音量がパート音量調節部32−1〜32−nのうち対応するものに反映される。
また、変更前のパート音量が閾値TH以上であって、このパート音量が閾値TH未満になるように変更された場合は、処理はステップSP88に進む。ここでは、音源回路12において当該パートに属するノートオンイベントに係る発音チャンネルが検索される。次に、処理がステップSP90に進むと、該当する発音チャンネルが検出されたか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP92に進み、検出した全ての発音チャンネルに対してノートオフ指令が供給される。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施例においては、タイマ割込みルーチン(図5)において、各減衰音に係るノートオン情報の継続時間が減衰時間を超えているか否かが判定され、その結果に基づいてノートオン情報が削除された。しかし、かかる処理はタイマ割込み処理中で実行する必要は必ずしもなく、例えばパート音量変更イベントルーチン(図6)においてステップSP72の直前に実行するようにしてもよい。要するに、パート音量が閾値TH未満から閾値TH以上に変更され、対応するノートオン情報に基づいて発音チャンネルを割り当てる際に、継続時間が減衰時間を超えているノートオン情報に対しては発音チャンネルを割り当てないようにすればよい。
Claims (5)
- 複数の発音チャンネルによって楽音信号を生成するとともに、これら楽音信号は複数のパートのうち何れかに分類される音源を制御する音源制御装置において、
前記複数のパートのうち何れか一のパートに設定するゲインであるパート音量がパートボリュームの操作量またはMIDI信号のチャンネルボリュームメッセージに応じて変更されると、該パート音量が所定の閾値以上の値から前記閾値未満の値に変更されたか否かを判定する第1のパート音量変更状態判定手段と、
前記第1のパート音量変更状態判定手段における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属する発音チャンネルを解放させる発音停止手段と
を有することを特徴とする音源制御装置。 - 供給されたノートオンイベントの内容をノートオン情報として所定のバッファ領域に記憶する手段と、
前記発音停止手段によって前記一のパートに属する発音チャンネルが解放された後、前記パート音量が前記閾値未満の値から前記閾値以上の値に変更されたか否かを判定する第2のパート音量変更状態判定手段と、
前記第2のパート音量変更状態判定手段における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属するノートオン情報を前記バッファ領域から読み出し、該読み出したノートオン情報に対応して前記音源に発音チャンネルを確保し、該発音チャンネルにおける発音を開始させる発音開始手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の音源制御装置。 - 前記パートボリュームの操作が検出されたとき、または外部から前記チャンネルボリュームメッセージを受信したとき、その旨を検出し前記第1のパート音量変更状態判定手段を起動させる起動手段
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の音源制御装置。 - 複数の発音チャンネルによって楽音信号を生成するとともに、これら楽音信号は複数のパートのうち何れかに分類される音源を制御する音源制御装置に適用されるプログラムであって、
前記複数のパートのうち何れか一のパートに設定するゲインであるパート音量がパートボリュームの操作量またはMIDI信号のチャンネルボリュームメッセージに応じて変更されると、該パート音量が所定の閾値以上の値から前記閾値未満の値に変更されたか否かを判定する第1のパート音量変更状態判定過程と、
前記第1のパート音量変更状態判定過程における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属する発音チャンネルを解放させる発音停止過程と
を処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。 - 複数の発音チャンネルによって楽音信号を生成するとともに、これら楽音信号は複数のパートのうち何れかに分類される音源を制御する音源の制御方法であって、
前記複数のパートのうち何れか一のパートに設定するゲインであるパート音量がパートボリュームの操作量またはMIDI信号のチャンネルボリュームメッセージに応じて変更されると、該パート音量が所定の閾値以上の値から前記閾値未満の値に変更されたか否かを判定する第1のパート音量変更状態判定過程と、
前記第1のパート音量変更状態判定過程における判定結果が肯定的であったことを条件として、前記一のパートに属する発音チャンネルを解放させる発音停止過程と
を有することを特徴とする音源の制御方法。
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