JP4329382B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)は、ポリペプチド鎖のN末端からXaa−Pro又はXaa−Ala(Xaaはいかなるアミノ酸であってもよい)のジペプチドを特異的に加水分解するセリンプロテアーゼの1種である。
【0003】
DPPIV(CD26とも称される)の生体内での役割、疾患との関係について、種々の報告がある。
(Holstら、Diabetes、第47巻、第1663-1670頁、1998年;
Augustynsら、Current Medicinal Chemistry、第6巻、第311-327頁、1999年;
Meesterら、Immunol. Today、第20巻、第367-375頁、1999年;
Fleicherら、Immunol. Today、第15巻、第180-184頁、1994年)
GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)は、主にグルコース依存的にインスリン分泌を増幅する働きを有するペプチドホルモンであり、主として小腸下部から食後に分泌され膵臓で作用する。また、GLP−1が摂食抑制作用を有することを示唆する報告もある。DPPIVは、このGLP−1を加水分解し、不活性化するとともに、GLP−1のアンタゴニストとして作用するペプチドを生じさせる。
DPPIVの酵素活性を阻害する物質は、その阻害作用を介して内在性GLP−1の作用を高めることにより、経口グルコース負荷に対するインスリン分泌応答を高め、損なわれた耐糖能(impaired glucose tolerance)を改善する。
【0004】
このため、DPPIV阻害薬は、糖尿病(特に2型糖尿病)等の予防・治療に有用であると考えられている。また、損なわれた耐糖能によって誘発もしくは増悪されるその他の疾患〔過血糖(例えば、食後の過血糖)、高インスリン血症、糖尿病合併症(例えば、腎障害、神経障害)、脂質代謝異常、肥満等〕の予防・治療における効果が期待されている。さらに、GLP−1の摂食抑制作用を増強することにより改善が見込まれる疾患(過食、肥満等)の予防・治療における効果も期待される。
【0005】
また、T細胞表面などに存在するDPPIV(CD26)は、免疫系細胞においてはT細胞の活性化にともなって発現が誘導され、T細胞の活性化と増殖に重要な役割をはたしている。このDPPIV(CD26)を抗体や阻害物質によってブロックするとT細胞の活性化が抑制されることが知られている。また、コラーゲン代謝異常や免疫異常疾患において本酵素と病態との関連性に興味がもたれている。たとえば、リウマチ患者においては末梢血T細胞のDPPIV(CD26)陽性率が上昇しており、腎炎患者尿中には高いDPPIV活性が検出されている。 さらに、DPPIV(CD26)は、HIVのリンパ細胞への進入にも重要な役割を担うと考えられている。
【0006】
このため、DPPIV(CD26)を阻害する物質は、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節リウマチ)、骨粗鬆症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、移植臓器・組織の拒絶反応などに対しても予防または治療効果が期待されている。
【0007】
一方、DPPIV阻害作用を有する化合物として、国際公開特許WO98/19998及びWO00/34241には、DPPIV阻害作用を有する2−シアノピロリジン誘導体が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れたDPPIV阻害作用を有する新規脂肪族含窒素五員環化合物を有効成分としてなる医薬組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するために本発明者等は、鋭意研究の結果、DPPIV阻害作用を有する新規な含窒素五員環化合物を見出し、これを有効成分としてなる医薬組成物を創製して本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、一般式[I]
【0011】
【化3】
Figure 0004329382
【0012】
〔式中の記号は、以下の意味を有する。
A:−CH−又は−S−、
B:CH又はN、
:H、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、又は低級アルコキシ低級アルキル基、
X:単結合手、−CO−、−Alk−CO−、−COCH−、
−Alk−O−、−O−CH−、−SO−、−S−、−COO−、
−CON(R)−、−Alk−CON(R)−、
−CON(R)CH−、−Alk−CON(R)CH−、
−COCHN(R)−、−SON(R)−又は−NHCH−、
(上記Xの各定義において右端に記載した結合手はBとの結合手を表す)
:水素原子又は低級アルキル基、
Alk:低級アルキレン基、
:以下の(1)、(2)および(3)から選択される基;
(1)置換されていてもよい環式基であって該環式基部分が(i)単環もしくは二環式炭化水素基 又は(ii)単環もしくは二環式複素環基 である基;
(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される同一又は異なる1〜2個の置換基で置換されたアミノ基;及び
(3)低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、低級アルコキシ置換低級アルキル基、フェノキシ基、フェノキシ置換低級アルキル基又はフェニル低級アルケニル基。
但し、Xが単結合手のときRは上記(1)及び(2)から選択される基である。
また、Xが−CO−のとき、BはNである。〕
で示される脂肪族含窒素五員環化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物に関する。
【0013】
特に、BがCHであり、下記部分構造
【0014】
【化4】
Figure 0004329382
【0015】
を有し、かつ、Xが単結合手であり、Rが置換されていてもよい環式基であって該環式基部分が単環又は二環式複素環基である化合物、すなわち、一般式[I’]
【0016】
【化5】
Figure 0004329382
【0017】
(式中、AおよびRは、前記と同一の意味を有し、
20は、置換されていてもよい環式基であって該環式基部分が単環又は二環式複素環基である基を表す。)
で示される脂肪族含窒素五員環化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物に関する。
【0018】
本発明の有効成分である化合物[I]には、不斉炭素に基づく光学異性体が存在しうるが、本発明の有効成分である化合物はこれらの光学異性体のいずれをも含み、また、その混合物をも含むものである。また、環式基の基準平面に対する置換基の相対位置に基づく異性体(シス体又はトランス体)が存在する場合があるが、本発明の有効成分である化合物はこれらの異性体のいずれをも含み、またそれらの混合物も含む。
【0019】
本発明において、低級アルキル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルコキシ基、低級アルキルアミノ基としては、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のものが挙げられ、とりわけ炭素数1〜4のものが挙げられる。また、低級アルカノイル基、低級アルカノイルアミノ基としては、炭素数2〜7、とりわけ炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のものが挙げられる。低級シクロアルキル基、低級シクロアルケニル基としては、炭素数3〜8、とりわけ炭素数3〜6のものが挙げられる。低級アルキレン基としては、炭素数1〜6、とりわけ炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のものが挙げられる。低級アルケニル基、低級アルケニレン基としては、炭素数2〜7、とりわけ炭素数2〜5のものが挙げられる。さらに、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の有効成分である化合物[I]において、Rで表される「水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基又は低級アルコキシ低級アルキル基」の具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基およびメトキシメチル基などが挙げられる。このうち、水素原子または低級アルキル基(メチル基など)が好ましい。
【0021】
本発明の有効成分である化合物[I]において、Rで表される「置換されていてもよい環式基」の環式基部分としては、
(i)単環もしくは二環式炭化水素基 及び
(ii)単環もしくは二環式複素環基 が挙げられる。
【0022】
かかる単環もしくは二環式炭化水素基としては、
一部又は全部が飽和していてもよい、炭素数3〜15のものが挙げられる。
【0023】
単環式炭化水素基としては、炭素数3〜7のものが好ましく、具体的には、フェニル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロプロピル基、およびこれらの一部又は全部が飽和している環式基などが挙げられる。
【0024】
二環式炭化水素基としては、炭素数9〜11のものが好ましく、具体的には、インダニル基、インデニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、およびこれらの一部又は全部が飽和している環式基などが挙げられる。
【0025】
単環もしくは二環式複素環基としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個の異項原子を含み、その一部又は全部が飽和していてもよい、単環式もしくは二環式の複素環基が挙げられる。
【0026】
単環式複素環基としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個の異項原子を含む複素環基であって、飽和又は不飽和の5〜7員環からなる複素環基が挙げられ、具体的には、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、オキソラニル基、チオラニル基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラニル基、テトラヒドロピリジル基、ジヒドロピリダジニル基、パーヒドロアゼピニル基、パーヒドロチアゼピニル基、およびこれらの一部又は全部が飽和している環式基などが挙げられる。
【0027】
二環式複素環基としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜3個の異項原子を含む複素環基であって、飽和又は不飽和の5〜7員環が2個縮合してなる複素環基が挙げられ、具体的には、インドリニル基、イソインドリニル基、インドリル基、インダゾリル基、イソインドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾキサゾリル基、ベンゾジオキソリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、チエノピリジル基、チアゾロピリジル基、ピロロピリジル基、ジヒドロピロロピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、シンノリニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、ナフチリジニル基、およびこれらの一部又は全部が飽和している環式基などが挙げられる。
【0028】
これら環式基(単環もしくは二環式炭化水素基または単環もしくは二環式複素環基)のうち、
「(i)炭素数3〜7の単環式炭化水素基,
(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個の異項原子を含む単環式複素環基(好ましくは単環式5〜6員脂肪族複素環基)、または
(iii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜3個の異項原子を含み、5〜7員環が2個縮合してなる二環式複素環基」が好ましく、
かかる基の具体例としては、
「フェニル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロプロピル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、オキソラニル基、チオラニル基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラニル基、テトラヒドロピリジル基、ジヒドロピリダジニル基、パーヒドロアゼピニル基、パーヒドロチアゼピニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、インドリル基、インダゾリル基、イソインドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾキサゾリル基、ベンゾジオキソリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、チエノピリジル基、チアゾロピリジル基、ピロロピリジル基、ジヒドロピロロピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、シンノリニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、ナフチリジニル基、およびこれらの一部又は全部が飽和している環式基」が挙げられる。
【0029】
このうち、「(i)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜2個の異項原子を含む単環式複素環基(好ましくは単環式5〜6員脂肪族複素環基)、または(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜3個の異項原子を含み、5〜7員環が2個縮合してなる二環式複素環基」がより好ましい。
このうち、より好ましい具体例としては、
「フェニル基、シクロへキシル基、シクロプロピル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、イソインドリニル基、インドリニル基、チアゾロピリジル基、ピロロピリジル基、ジヒドロピロロピリジル基、ベンゾキサゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、イソインドリル基、インドリル基、およびこれらの一部又は全部が飽和している環式基」が挙げられる。
【0030】
さらに好ましい具体例としては、
「ピペリジル基(1−ピペリジル基等)、ピペラジニル基(1−ピペラジニル基等)、モルホリニル基(4−モルホリニル基等)、インドリニル基(1−インドリニル基等)、イソインドリニル基(2−イソインドリニル基等)及びチアゾロピリジル基(チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル基等)等」が挙げられる。
【0031】
また、このうちとりわけ好ましい具体例としては、
「1−ピペリジル基、1−ピペラジニル基、4−モルホリニル基、1−インドリニル基、2−イソインドリニル基及びチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル基等」が挙げられる。
【0032】
で表される「置換されていてもよい環式基(単環もしくは二環式炭化水素基または単環もしくは二環式複素環基)」は、非置換のものであってもよいが、同一又は異なる1〜3個の置換基を有していてもよい。該環式基における置換基は特に限定されないが、具体的には、例えば、下記「A群置換基」から選択される置換基が挙げられ、そのうち「A’群置換基」がとりわけ好ましい。
【0033】
本発明の有効成分である化合物[I]において、Rで表される「置換又は非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基」における置換基は特に限定されないが、より具体的には、例えば
「シアノ基、低級アルコキシ基(メトキシ基等)、単環式アリール基(フェニル基等)、含窒素単環式6員芳香族複素環基(ピリジル基等)等」から選択される基で置換された低級アルキル基などが挙げられる。
【0034】
----A群置換基:-------------------------
A群置換基としては、以下のものが挙げられる:
ハロゲン原子(Cl、F、Br等)、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、オキソ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、低級シクロアルカノイル基、ハロ低級アルキル基、ハロ低級アルキルカルボニル基、含窒素単環式5〜6員脂肪族複素環基置換カルボニル基、含窒素単環式6員芳香族複素環基、単環式アリール基、単環式アリール基置換アリール低級アルキルカルボニルアミノ基、低級アルキルチオ基およびアミノスルホニル基等
〔「含窒素単環式5〜6員脂肪族複素環基置換カルボニル基」における「含窒素単環式5〜6員脂肪族複素環基」としては、具体的には、「ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基等」が挙げられる。
また「含窒素単環式6員芳香族複素環基」としては、具体的には、「ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラニル基等」が挙げられる。
「単環式アリール基」、「単環式アリール基置換アリール低級アルキルカルボニルアミノ基」、における「単環式アリール基」部分としては、具体的には
フェニル基等が挙げられる。〕。
【0035】
---A’群置換基(とりわけ好ましいA群置換基):-------------
より好ましいA群置換基として、以下のものが挙げられる:
オキソ基、低級アルカノイル基、低級シクロアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基および含窒素単環式5〜6員脂肪族複素環基置換カルボニル基(ピロリジニル基、ピペリジニル基等)。
【0036】
本発明の有効成分である化合物[I]のうちBがCHである化合物において、Xが単結合手のときのRとしては、式
【0037】
【化6】
Figure 0004329382
【0038】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換又は非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基が好適な例として挙げられる。
【0039】
本発明の有効成分である化合物[I]のうちBがCHである化合物において、[I]の構造中のシクロヘキシル環を基準平面とする2種類のシス−トランス異性体のうち、トランス型の異性体化合物は、より高いDPPIV阻害活性を得られる点でより好ましい。すなわち、本発明の目的化合物[I]のうちBがCHである化合物においては、下記部分構造
【0040】
【化7】
Figure 0004329382
【0041】
を有する化合物又はその薬理的に許容しうる塩が好ましい。
【0042】
本発明の有効成分である化合物の一つの化合物群として、化合物[I]のうち、
Xが、単結合手、−Alk−CO−、−COCH−、
−Alk−O−、−O−CH−、−SO−、−S−、−COO−、
−CON(R)−、−Alk−CON(R)−、
−CON(R)CH−、−Alk−CON(R)CH−、
−COCHN(R)−、−SON(R)−又は−NHCH−であり、
が(1)置換されていてもよい環式基であって該環式基部分が(i)単環もしくは二環式炭化水素基又は(ii)単環もしくは二環式複素環基である基;
または
(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される同一又は異なる1〜2個の置換基で置換されたアミノ基である化合物群が挙げられる(化合物群1、化合物I−e)。
【0043】
また、別の化合物群として、化合物[I]又は前記化合物群1のうち、Rが、
(1)A群置換基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基を有していてもよい環式基であって該環式基部分が(i)単環もしくは二環式炭化水素基又は(ii)単環もしくは二環式複素環基である基;
(2)「シアノ基、低級アルコキシ基、フェニル基および含窒素単環式6員芳香族複素環基から選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基」から選択される同一又は異なる1〜2個の置換基で置換されたアミノ基;及び
(3)低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、低級アルコキシ置換低級アルキル基、フェノキシ基、フェノキシ置換低級アルキル基又はフェニル低級アルケニル基;
から選択される基である化合物群が挙げられる(化合物群2)。
【0044】
また別の化合物群として、化合物[I]あるいは前記化合物群1又は2のうち、Rが、置換されていてもよい環式基であって該環式基部分が、
(i)炭素数3〜7の単環式炭化水素基、
(ii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜2個の異項原子を含む単環式複素環基、および
(iii)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜3個の異項原子を含み、5〜7員環が2個縮合してなる二環式複素環基。
から選択される基である化合物群が挙げられる(化合物群3)。
【0045】
また、より好ましい別の化合物群として、化合物[I]あるいは前記化合物群1、2又は3のうち、
がA’群置換基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基を有していてもよい環式基であって該環式基が、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、インドリニル基、イソインドリニル基及びチアゾロピリジル基から選択される基である化合物群が挙げられる(化合物群4)。
【0046】
また、別の好ましい化合物群として、化合物[I]あるいは前記化合物群1、2、3又は4のうち、BがCHであり、Xが単結合手であり、Rが式
【0047】
【化8】
Figure 0004329382
【0048】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基である化合物群が挙げられる(化合物群5)。
【0049】
また、化合物[I]あるいは前記化合物群1、2、3、4又は5のうち、より好ましい化合物群として;
BがCHであり、Xが単結合手であり、Aが−CH−である化合物群;
BがCHであり、Xが単結合手であり、Aが−CH−であり、Rが水素原子又は低級アルキル基である化合物群;
BがCHであり、Xが単結合手であり、Aが−S−である化合物群;
BがCHであり、Xが単結合手であり、Aが−S−であり、Rが水素原子又は低級アルキル基である化合物群;
などが挙げられる。
【0050】
さらにまた、前記の各化合物群において、より好ましい化合物群として、
BがCHであり、下記部分構造
【0051】
【化9】
Figure 0004329382
【0052】
を有する化合物の群が挙げられる。
【0053】
また、好ましい具体的な化合物として、以下のような化合物が挙げられる。
(S)−2−シアノ−1−〔t−4−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−1−メチル−r−1−シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン;
(S)−2−シアノ−1−〔トランス−4−(1,3−ジオキソ−2−イソインドリニル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン;
(S)−2−シアノ−1−(トランス−4−モルホリノシクロヘキシルアミノ)アセチルピロリジン;および
(S)−2−シアノ−1−〔トランス−4−(チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン等。
【0054】
本発明の有効成分である化合物[I](特に化合物[I’])又はその薬理的に許容しうる塩は、DPPIVの酵素活性に対して優れた阻害作用を有する。特に、ヒトDPPIVに対して優れた阻害作用を有する。また、種々のセリンプロテアーゼ(例えば、プラスミン、トロンビン、プロリルエンドペプチダーゼ、トリプシン、ジペプチジルペプチダーゼIIなど)の中でDPPIV(すなわち、IV型のジペプチジルペプチダーゼ)に対して高い選択性を示す。また、本発明の有効成分である化合物[I](特に化合物[I’])又はその薬理的に許容しうる塩は、そのDPPIV阻害作用を介して、経口グルコース負荷に対するインスリン分泌応答を改善する。
【0055】
従って、本発明の有効成分である化合物[I](特に化合物[I’])又はその薬理的に許容しうる塩は、DPPIVに関連する疾患(DPPIVにより介在される疾患)、すなわち、DPPIVの酵素活性を阻害することにより病態の改善が見込まれる疾患の予防又は治療薬として有用である。
【0056】
かかる疾患としては、例えば、糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病等)、過血糖(例えば、食後の過血糖等)、高インスリン血症、糖尿病合併症(例えば、腎障害、神経障害等)、肥満、過食、脂質代謝異常(例えば、高トリグリセリド血症等の高脂血症等)、自己免疫疾患(例えば、関節炎、慢性関節リウマチ等)、骨粗鬆症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、移植臓器・組織の拒絶反応等が挙げられる。本発明の有効成分である化合物[I](特に化合物[I’])又はその薬理的に許容しうる塩は、とりわけ、糖尿病(特に2型糖尿病)の予防又は治療薬として有用である。
【0057】
また本発明の有効成分である化合物は、毒性も低く、医薬化合物として使用する場合、高い安全性を有する。また、薬物動態的にも優れた特性〔バイオアベイラビリティー、インビトロの代謝安定性(ヒト肝臓ホモジネート中での安定性)、P450阻害作用、蛋白質との結合性など〕を示す。
【0058】
本発明の有効成分である化合物のDPPIV阻害作用およびそれに基づく薬効(抗血糖効果、グルコース負荷に対するインスリン分泌応答改善効果など)は、既知方法もしくはそれらと同等の方法(WO98/19998; WO00/34241;Holstら、Diabetes、第47巻、第1663-1670頁、1998年;Augustynsら、Current Medicinal Chemistry、第6巻、第311-327頁、1999年;Meesterら、Immunol. Today、第20巻、第367-375頁、1999年;Fleicherら、Immunol. Today、第15巻、第180-184頁、1994年;Pedersonら、Diabetes、第47巻、第1253-1258頁、1998年)により確認できる。
【0059】
本発明の有効成分である化合物[I]は、遊離の形でも、薬理的に許容し得る塩の形でも医薬用途に使用することができる。化合物[I]の薬理的に許容しうる塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は臭化水素酸塩の如き無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩又はマレイン酸塩の如き有機酸塩等が挙げられる。また、カルボキシル基等の置換基を有する場合には塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩又はカルシウム塩の如きアルカリ土類金属塩)が挙げられる。
【0060】
本発明の有効成分である化合物[I]又はその塩は、その分子内塩や付加物、それらの溶媒和物或いは水和物等をいずれも含むものである。
【0061】
本発明の有効成分である化合物[I]又はその薬理的に許容しうる塩は経口的にも非経口的にも投与することができ、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、注射剤、吸入剤等の慣用の医薬製剤として用いることができる。例えば、本発明の有効成分である化合物を、一般的な医薬において許容される結合剤、崩壊剤、増量剤、充填剤、滑沢剤などの賦活剤あるいは希釈剤とともに用い、通常の方法により、製剤化して用いることができる。
【0062】
本発明の有効成分である化合物[I]又はその薬理的に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約0.01〜300mg/kg、とりわけ約0.1〜30mg/kg程度とするのが好ましい。
【0063】
本発明の有効成分である化合物[I]は、下記〔A法〕〜〔D法〕により製造することができるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
〔A法〕
本発明の有効成分である化合物[I]は、一般式[II]
【0065】
【化10】
Figure 0004329382
【0066】
(式中、Zは反応性残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、一般式[III]
【0067】
【化11】
Figure 0004329382
【0068】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩とを反応させ、所望により生成物を薬理的に許容しうる塩とすることにより製造することができる。
【0069】
化合物[III]の塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩等の無機酸又はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機塩基との塩が使用できる。
【0070】
の反応性残基としては、ハロゲン原子、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等の慣用の反応性残基を好適に用いることができるが、とりわけハロゲン原子が好ましい。
【0071】
化合物[II]と化合物[III]又はその塩との反応は、脱酸剤(例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基等)の存在下又は非存在下、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール等)中又は無溶媒で、0〜120℃、とりわけ室温〜80℃で実施することができる。
【0072】
〔B法〕
また、本発明の目的有効成分である化合物[I]のうち、Rが置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基であり、Xが−COO−である
一般式[I−a]
【0073】
【化12】
Figure 0004329382
【0074】
(式中、R21は置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物は、一般式[IV]
【0075】
【化13】
Figure 0004329382
【0076】
(式中、Rはアミノ基の保護基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)で示される化合物又はその塩を、ホスゲン類またはその等価体と反応させた後、さらに一般式[V]
21H [V]
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と反応させて、一般式[VI]
【0077】
【化14】
Figure 0004329382
【0078】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を得、さらに生成物のアミノ基保護基(R)を除去して製造することができる。
【0079】
化合物[IV]をホスゲン類またはその等価体と反応させた後、さらに式[V]で示される化合物との反応は、ホスゲン類又はその等価体(例えば、トリホスゲン、ジホスゲン、カルボニルジイミダゾール等)と脱酸剤(例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基等)の存在下、適当な溶媒(例えば、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム等)中又は無溶媒で、−78〜110℃、とりわけ0℃から室温で実施することができる。
【0080】
引き続き行われる化合物[VI]のアミノ基保護基(R)の除去は、常法により実施できるが、例えば、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ジオキサン、塩化メチレン等)中又は無溶媒で、酸(例えば、塩酸、硫酸などの無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸等)による処理、塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基等)による処理又は接触還元(例えば、水素雰囲気下中で、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素等を用いて実施する)により、−78〜80℃、とりわけ0℃〜室温で実施することができる。
【0081】
〔C法〕
化合物[I]のうち、BがNであり、Xが−CO−、−Alk−CO−又は
−SO−である一般式[I−b]
【0082】
【化15】
Figure 0004329382
【0083】
(式中、Xは−CO−、−Alk−CO−又は−SO−を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物は、一般式[VII]
【0084】
【化16】
Figure 0004329382
【0085】
(式中、nは0、1、2又は3、Pは樹脂残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、一般式[VIII]
−V [VIII]
(式中、Vは −COOH、−Alk−COOH又はクロロスルホニル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩とを反応させ、次いで反応生成物から
一般式[IX]
【0086】
【化17】
Figure 0004329382
【0087】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示されるリンカー及び樹脂残基部分を除去することにより、製造できる。
【0088】
あるいはまた、化合物[I−b]において、Xが−CO−であり、Rがカルボキシ低級アルキレン基である化合物は、一般式[VIII]又はその塩に代えて、一般式[X]
【0089】
【化18】
Figure 0004329382
【0090】
(但し、Alk1は低級アルキレン基を表す。)
で示される化合物を用いて化合物[VII]との反応を行い、次いで反応生成物から、一般式[IX]で示されるリンカー及び樹脂残基部分を除去することにより製造できる。
【0091】
〔D法〕
また、化合物[I]のうち、BがCHであり、Xが−CON(R)−、
−Alk−CON(R)−又は−SON(R)−である一般式[I−c]
【0092】
【化19】
Figure 0004329382
【0093】
〔式中、Xは−CON(R)−、−Alk−CON(R)−又は
−SON(R)−を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物は、一般式[XI]
【0094】
【化20】
Figure 0004329382
【0095】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、一般式[XII]
−V [XII]
(各式中、Vは、−COOH、−Alk−COOH又はクロロスルホニル基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を反応させ、次いで反応生成物から上記一般式[IX]で示されるリンカー及び樹脂残基部分を除去することにより、製造することができる。
【0096】
あるいは、化合物[I−c]においてXが−CON(R)−であり、Rがカルボキシ低級アルキル基である化合物は、化合物[XII]又はその塩に代えて化合物[X]を用いて化合物[XI]との反応を行い、次いで反応生成物から、一般式[IX]で示されるリンカー及び樹脂残基部分を除去することにより製造できる。
【0097】
また、化合物[I]のうち、BがCHであり、Xが
−CON(R)CH−又は−Alk−CON(R)CH−である一般式[I−d]
【0098】
【化21】
Figure 0004329382
【0099】
(式中、Xは−CON(R)CH−又は−Alk−CON(R)CH−を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物は、一般式[XIII]
【0100】
【化22】
Figure 0004329382
【0101】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、前記一般式[XII]で示される化合物又はその塩を反応させ、次いで反応生成物から前記一般式[IX]で示されるリンカー及び樹脂残基部分を除去することにより、製造することができる。
【0102】
あるいは、化合物[I−d]において、Xが−CON(R)CH−であり、Rがカルボキシ低級アルキル基である化合物は、化合物[XII]又はその塩に代えて化合物[X]を用いて化合物[XIII]との反応を行い、次いで反応生成物から、一般式[IX]で示されるリンカー及び樹脂残基部分を除去することにより製造できる。
【0103】
〔C法およびD法における反応〕
C法における反応〔化合物[VII]と、化合物[VIII]又はその塩(又は化合物[X])との反応〕およびD法における反応〔化合物[XI]又は[XIII]と、化合物[XII]又はそれらの塩(又は化合物[X])との反応〕は、必要に応じ縮合剤〔例えば、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、DCC(ジシクロへキシルカルボジイミド)、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)等〕及び/又は脱酸剤(例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基等)の存在下、適当な溶媒(例えば、塩化メチレン、N−メチルモルホリン、ジメチルホルムアミド等)中又は無溶媒で、C法における反応は0〜120℃、とりわけ20〜50℃で、D法における反応は0〜50℃、とりわけ0〜30℃で行い〔反応を促進させるために、塩基(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等)や、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの添加剤を上記縮合剤に添加することもできる〕、更に、リンカー及び樹脂残基部分を常法により除去し、必要に応じ、例えば抽出、分配、再沈殿、結晶化、再結晶、各種クロマトグラフィー、高速クロマトグラフィー等によって精製することにより実施できる。
【0104】
リンカーとしては、一般式[IX]で示されるものから樹脂残基(P)部分を除いた基が挙げられる。
【0105】
Pで示される樹脂残基としては、通常の固相合成で用いられる樹脂が使用でき、例えば、メリフィールドレジン(4−クロロメチルポリスチレンレジンなど)、ワングレジン(4−ベンジロキシベンジルアルコールレジンなど)、ヒドロキシメチルポリスチレンレジン(4−ヒドロキシメチルポリスチレンレジンなど)などの樹脂残基が挙げられる。樹脂の種類は、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、目的化合物の種類に応じて、適宜選択することができるが、一般的には、粒子径は70〜200μmであることが好ましく、ローディング容量は、0.1〜2mmol/gであることが好ましい。
【0106】
また、引き続き行われるリンカー及び樹脂残基部分の除去は、適当な溶媒(例えば、塩化メチレン、酢酸等)中又は無溶媒で、0〜50℃、とりわけ0〜30℃でトリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などで処理することにより好適に実施できる。
【0107】
〔A法の原料化合物〕
本発明の有効成分である化合物の原料化合物[II]は、例えば、国際公開特許WO98/19998、WO00/34241、後記参考例(参考例1または2)などに記載の方法に準じて製造することができる。
【0108】
例えば、化合物[II]は、一般式[20]
【0109】
【化23】
Figure 0004329382
【0110】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、一般式[21]
−CHCO−Z [21]
(式中、Z及びZは同一又は異なって反応性残基を表す。)
で示される化合物とを脱酸剤(例えば、トリエチルアミン等)の存在下、反応させ、一般式[22]
【0111】
【化24】
Figure 0004329382
【0112】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物を得、さらに生成物を常法により脱水剤(例えば、オキシ塩化リン、トリフルオロ酢酸無水物等)で処理することにより、得ることができる。
【0113】
又はZの反応性残基としては、前記Zと同様な慣用の反応性残基を好適に用いることができる。
【0114】
原料化合物[III]は、具体的には、例えば、後記参考例(参考例7〜10)に記載の方法と同様にして製造することができる。
【0115】
例えば、Xが−O−CH−又は−NHCH−である化合物[III]は、一般式[23]
【0116】
【化25】
Figure 0004329382
【0117】
(式中、Vはヒドロキシ基またはアミノ基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、一般式[24]
−Z [24]
(式中、Zは反応性残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物とを、脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。
【0118】
アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0119】
の反応性残基としては、前記Zと同様な慣用の反応性残基を好適に用いることができる。
【0120】
また、Xが−Alk−O−または−S−である化合物[III]は、
一般式[25]
【0121】
【化26】
Figure 0004329382
【0122】
(式中、Vはヒドロキシ基又はメルカプト基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、
一般式[26a]又は一般式[26b]
−Z51 [26a] 又は R−Alk−Z52 [26b]
(式中、Z51及びZ52は、反応性残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物とを、脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0123】
51及びZ52の反応性残基としては、前記Zと同様な慣用の反応性残基を好適に用いることができる。
【0124】
また、Xが−COCHN(R)−又は−SON(R)−である化合物[III]は、一般式[27]
【0125】
【化27】
Figure 0004329382
【0126】
(式中、Vは−N(R)Hを表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、
一般式[28a]又は一般式[28b]
−COCH−Z61 [28a] 又は
−SO−Z62 [28b]
(式中、Z61及びZ62は、反応性残基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物とを、脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0127】
61及びZ62の反応性残基としては、前記Zと同様な慣用の反応性残基を好適に用いることができる。
【0128】
また、Xが−CON(R)−、−Alk−CON(R)−又は
−SON(R)−である化合物[III]は、前記一般式[27]で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、一般式[29]
−V [29]
〔但し、Vは−COOH、−Alk−COOH又は−SOHを表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物又はその塩とを、縮合剤(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等)の存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0129】
また、Xが−CON(R)CH−又は−Alk−CON(R)CH−である化合物[III]は、一般式[30]
【0130】
【化28】
Figure 0004329382
【0131】
(但し、Vは−N(R)Hを表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、一般式[31]
−V [31]
〔但し、Vは−COOH又は−Alk−COOHを表し、他の記号は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物又はその塩とを、縮合剤(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等)の存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0132】
また、BがCHであり、Xが−Alk−CO−であり、Rが式
【0133】
【化29】
Figure 0004329382
【0134】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基である化合物[III]は、
一般式[32]
【0135】
【化30】
Figure 0004329382
【0136】
(式中、Vは−COOHを表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、
一般式[33a]
22−Alk−H [33a]
(式中、R22は、式
【0137】
【化31】
Figure 0004329382
【0138】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩とを、縮合剤(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等)の存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0139】
また、BがNであり、Xが−CO−又は−Alk−CO−であり、Rが式
【0140】
【化32】
Figure 0004329382
【0141】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基である化合物[III]は、
一般式[330]
【0142】
【化33】
Figure 0004329382
【0143】
〔式中、Rは前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、
一般式[331]又は[332]
22−CO−Z [331]
22−Alk−COOH [332]
〔式中、R22は、式
【0144】
【化34】
Figure 0004329382
【0145】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換又は非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基を表し、Zは反応性残基を表し、Alkは前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物又はその塩とを、脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。Zの反応性残基としては、前記Zと同様な慣用の反応性残基を好適に用いることができる。
【0146】
また、BがCHであり、Xが単結合手であり、Rが式
【0147】
【化35】
Figure 0004329382
【0148】
で表される(1)置換されていてもよい単環もしくは二環式含窒素複素環基、又は(2)置換もしくは非置換低級アルキル基から選択される1〜2個の置換基で置換されたアミノ基である化合物[III]は、
一般式[34]
【0149】
【化36】
Figure 0004329382
【0150】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、一般式[33b]
22−H [33b]
〔式中、R22は前記と同一意味を有する。〕
で示される化合物又はその塩とを、還元剤(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなど)の存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0151】
また、BがCHであり、Xが単結合手であり、Rが式
【0152】
【化37】
Figure 0004329382
【0153】
で表される基である化合物[III]は、一般式[35]
【0154】
【化38】
Figure 0004329382
【0155】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、一般式[36]
【0156】
【化39】
Figure 0004329382
【0157】
〔式中、環式基Arは置換基を有していてもよいアリーレン(フェニレン等)を表す。〕
で示される化合物とを、脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0158】
また、BがCHであり、Xが単結合手であり、Rが式
【0159】
【化40】
Figure 0004329382
【0160】
で表される置換されていてもよい含窒素複素環基である化合物[III]は、前記一般式[35]で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、一般式[37]
【0161】
【化41】
Figure 0004329382
【0162】
(式中、Z81およびZ82は、反応性残基を表す。)
で示される化合物又はその塩とを、
脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0163】
81およびZ82の反応性残基としては、前記Zと同様な慣用の反応性残基を好適に用いることができる。
【0164】
また、BがNであり、Xが単結合手である化合物[III]は、一般式[38]
【0165】
【化42】
Figure 0004329382
【0166】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物、そのアミノ基保護体又はそれらの塩と、前記一般式[24]
−Z [24]
で示される化合物とを、脱酸剤(例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基等)の存在下又は非存在下に反応させ、必要に応じ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0167】
また、Xが−COO−である化合物[III]は、一般式[39]
【0168】
【化43】
Figure 0004329382
【0169】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物のアミノ基保護体又はその塩と、一般式[40]
−COCl [40]
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物とを、脱酸剤(ジメチルアミノピリジン等)の存在下に反応させ、アミノ基の保護基を常法により脱保護することにより製造することができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基をいずれも好適に用いることができる。
【0170】
原料化合物[20]〜[40]は、既知方法または後記参考例に記載の方法と同様にして製造できる。BがCHである原料化合物[III]においては、シクロヘキサン環を基準平面とするシス・トランス異性体が存在するので、それぞれ目的物に応じて、適当な異性体の原料シクロヘキサン化合物を用いることにより目的とする異性体の原料化合物[III]を得ることができる。あるいは、シス・トランス異性体の混合物として原料化合物[III]を得た後、クロマトグラフィーなどにより、目的異性体を分離することができる。
【0171】
〔B法の原料化合物〕
【0172】
【化44】
Figure 0004329382
【0173】
一般式[IV](式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩は、上記、一般式[II]
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、一般式[41](式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物又はその塩を反応させて、
一般式[42]で示される化合物又はその塩を得、さらにこれを
一般式[43]又は一般式[44](式中Rはアミノ基の保護基を表す。)
で示される化合物と反応させることにより得られる。
【0174】
化合物[II]と化合物[41]又はその塩との反応は、脱酸剤(例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基等)の存在下または非存在下、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール等)中又は無溶媒で、0〜120℃、とりわけ室温〜80℃で実施することができる。
【0175】
化合物[42]又はその塩と、化合物[43]又は[44]との反応は、脱酸剤(例えば、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基等)の存在下、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、メタノール、エタノール等)中又は無溶媒で、0〜120℃、とりわけ室温〜80℃で実施することができる。
【0176】
〔C法およびD法の原料化合物〕
化合物[VII]、化合物[XI]又は化合物[XIII]は、各々、一般式[50]、一般式[51]又は一般式[52]
【0177】
【化45】
Figure 0004329382
【0178】
(式中、V10、V11およびV12は、アミノ基の保護基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物と、一般式[53]
【0179】
【化46】
Figure 0004329382
【0180】
(式中、記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物とを、常法により、還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等)の存在下に反応させ、ついで生成物を、化合物[II]と脱酸剤(ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下に反応させた後、アミノ基の保護基を常法により除去して、得ることができる。アミノ基の保護基としては、前記Rと同様な慣用の保護基を好適に用いることができる。
【0181】
上記のようにして製造される本発明の有効成分である化合物[I]もしくはその原料化合物は、遊離のままあるいはその塩として単離され、精製される。塩は、通常用いられる造塩処理に付すことにより製造できる。単離精製は、抽出、濃縮、結晶化、ろ過、再結晶、各種クロマトグラフィーなど通常の化学的操作を適用して実施できる。
【0182】
なお、本発明の有効成分である化合物もしくはその原料化合物には、ラセミ体、光学活性体、ジアステレオマーなどの光学異性体が単独であるいは混合物として存在し得る。立体化学的に純粋な異性体は、立体化学的に純粋な原料化合物を用いるか、あるいは一般的なラセミ分割法にて光学異性体を分離することにより導くことができる。また、ジアステレオマーの混合物は、常法、例えば分別結晶化またはクロマトグラフィーなどにより分離できる。
【0183】
【実験例】
DPPIV阻害活性の測定
本発明の有効成分(後記製造例記載化合物)を検体として、ヒト血清DPPIVに対する阻害活性を、文献〔Diabetes 第47巻 第1253-1258頁(1998年)、WO98/19998等〕記載の方法に準じて以下のようにして測定した。
【0184】
検体を、ジメチルスルホキシドに溶解後、順次緩衝液(40mM HEPES、pH7.6)にて希釈し、終濃度3pM〜10μMの検体溶液(ジメチルスルホキシドの終濃度:0.1%)を調製した。ヒト血清25μlに、前記緩衝液150μl及び検体溶液25μlを添加し、37℃で10分間保温した。その後、基質としてグリシル−L−プロリンp−ニトロアニリド トシレート〔(株)ペプチド研究所製 Gly−Pro−pNA・Tos〕溶液50μlを添加し(基質の終濃度:0.234mM)、反応を開始した。37℃で20分間保温して反応を行い、その間、405nmの吸光度変化をモニターすることにより、DPPIV活性を測定した。各検体のDPPIV阻害活性として50%阻害濃度を求め、表12に示した。
【0185】
上記実験により、本発明の有効成分が優れたDPPIV阻害作用を有することが明らかとなった。
【製造例】
製造例 1−1
(S)-1−ブロモアセチル−2−シアノピロリジン(後記参考例1)100mgと4-アミノ-1-(2-ピリミジニル)ピペリジン(参考例7−1)247mgのアセトニトリル-メタノール溶液を、室温で15時間撹拌する。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をジオールカラムクロマトグラフィー〔溶媒:0-10%メタノール−クロロホルム〕で精製し酢酸エチル0.5ml-クロロホルム0.5mlに溶解し、2N塩酸-エーテル1.0ml、次いでエーテル2mlを加え、析出した沈殿を濾取し、エーテル洗浄して、(S)−2−シアノ−1−〔1-(2-ピリミジニル)ピペリジン-4-イルアミノ〕アセチルピロリジン・2塩酸塩(表1 製造例1−1)を得る。
【0186】
製造例 1−2 〜 1−90、1−92 〜 1−109
(S)-1−ブロモアセチル−2−シアノピロリジンと対応原料化合物を用い、前記製造例1−1と同様に処理して、後記表1(製造例1−2 〜 1−90、1−92 〜 1−109)の化合物を得る。(但し、製造例1−93の化合物は、製造例1−33の副生成物として得られる。)
(対応原料化合物は、後記参考例と同様の方法、既知方法、もしくはそれらを組合せた方法により得る。)
製造例 1−91
trans-1,4-シクロヘキサンジアミン300mgとN,N-ジイソプロピルエチルアミン457μLのアセトニトリル5ml溶液に(S)-1-ブロモアセチル-2-シアノピロリジン570mgを加え、室温で3時間撹拌する。反応液を飽和食塩水で希釈し、クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶媒:クロロホルム-メタノール(100:0-95:5)〕で精製することにより油状物を得る。これをクロロホルム0.5mlに溶解し、1N塩酸-エーテル0.5ml次いでエーテル4mlを加え、析出した沈殿をエーテル洗浄し、(S)−2−シアノ−1−{trans−4−〔(S)−(2−シアノ−1−ピロリジニル)カルボニルメチルアミノ〕シクロヘキシルアミノ}アセチルピロリジン・2塩酸塩(表1 製造例1−91)307mgを得る。
【0187】
製造例 2−1 〜 2−9
(1)4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチルシクロヘキサノン(参考例6−1(3)項の化合物)600mg、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム783mg、モルホリン252mg、酢酸159mg、およびジクロロエタン6mlの混合物を室温で16時間攪拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶媒:クロロホルム−メタノール(20:1)→クロロホルム−メタノール(10:1)+1%アンモニア水〕で精製することにより、N−tert−ブトキシカルボニル−1−メチル−c−4−モルホリノ−r−1−シクロヘキシルアミン及びN−tert−ブトキシカルボニル−1−メチル−t−4−モルホリノ−r−1−シクロヘキシルアミンの混合物(参考例8−54;脱保護前の化合物)600mgを得る。この化合物220mgを4N塩酸/ジオキサン2mlおよびエタノール2mlの混合液中、室温で15時間攪拌してN−tert−ブトキシカルボニル基を脱保護した後、反応液を濃縮して残渣を得る。
【0188】
(2)前記(1)で得られる化合物に(S)-1-ブロモアセチル-2-シアノピロリジン320mg、トリエチルアミン0.6ml、アセト二トリル3.5ml、メタノール1mlを加え、室温で15時間攪拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をジオールカラムクロマトグラフィー〔溶媒:クロロホルム−ヘキサン(1:1)→クロロホルム〕で精製することにより2種類の油状物を得る。
【0189】
低極性側の化合物を塩酸処理して、(S)−2−シアノ−1−〔1−メチル−c−4−モルホリノ−r−1−シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン・2塩酸塩(表2 製造例2−1)33mgを得る。また、高極性側化合物を塩酸処理して、(S)−2−シアノ−1−〔1−メチル−t−4−モルホリノ−r−1−シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン・2塩酸塩(表2 製造例2−2)82mgを得る。
また、前記と同様にして、表2 製造例2−3 〜 2−9の化合物を得る。
【0190】
製造例 3
(1)trans-4-アミノシクロヘキサノール4.78gのアセトニトリル/メタノール混合液(3/1)60mlに氷冷下、(S)−1−ブロモアセチル−2−シアノピロリジン3.00gを加え、室温で14時間撹拌する。反応液に、トリエチルアミン1.93ml、次いで、ジ-tert-ブチルジカルボナート10.56gのアセトニトリル溶液16mlを室温で加え、そのまま3時間撹拌する。溶媒を減圧濃縮したのち、残渣に水を加え、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和してクロロホルムで抽出し、乾燥後濃縮する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、(S)−1−(N−tert−ブトキシカルボニル−trans−4−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアミノ)アセチル−2−シアノピロリジン4.72gを得る。
【0191】
(2)前記(1)で得られる化合物150mgとピリジン121μLの塩化メチレン2mL溶液に、室温でトリホスゲン84mgを加え、そのまま1時間撹拌する。次いでモルホリン186μLの塩化メチレン溶液1mLを加え、室温で1時間撹拌したのち、クエン酸水溶液で希釈する。酢酸エチルにて抽出、乾燥、濃縮したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、(S)−1−〔N−tert−ブトキシカルボニル−trans−4−(モルホリノカルボニルオキシ)シクロヘキシルアミノ〕アセチル−2−シアノピロリジン174mgを得る。
【0192】
(3)前記(2)で得られる化合物157mgをトリフルオロ酢酸1.5mLに溶解し室温で 1時間撹拌する。溶媒を減圧留去したのち、残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性としてクロロホルム抽出し、乾燥後濃縮する。ついで残渣をカラムクロマトグラフィー〔溶媒:0−5%メタノール−クロロホルム〕で精製することにより、油状物を得る。これを酢酸エチル1mLに溶解し、1N塩酸-エーテル0.5mL、次いでエーテル2mLを加え、析出した沈殿をエーテル洗浄し、(S)−2−シアノ−1−〔trans−4−(モルホリノカルボニルオキシ)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン・塩酸塩(表3 製造例3)97mgを得る。
【0193】
製造例 4−1
(1)後記参考例3(2)項で得られる樹脂化合物500mgと0.5Mメタンスルホン酸-ジオキサン/塩化メチレン(1/9)の混合物を室温で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノール、および塩化メチレンにて洗浄する。得られる樹脂とイソシアン酸ベンジル277 μl、および塩化メチレン4 mlの混合物を室温で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノール、および塩化メチレンにて洗浄後、減圧乾燥して樹脂を得る。
【0194】
(2)前記(1)で得られる樹脂とトリフルオロ酢酸4mlの混合物を室温で18時間撹拌する。樹脂を濾去後塩化メチレンにて洗浄し、濾液と洗液を合わせて濃縮する。残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性としてクロロホルム抽出し、乾燥後濃縮する。得られる残渣をジオールカラムクロマトグラフィー[溶媒:0-5%メタノール−クロロホルム]で精製することにより、油状物を得る。これを酢酸エチル0.5 mlに溶解し、1N 塩酸-エーテル0.5ml、次いでエーテル2mlを加え、析出した沈殿をエーテル洗浄し、(S)−2−シアノ−1−〔1−(ベンジルアミノカルボニル)ピペリジン−4−イルアミノ〕アセチルピロリジン・塩酸塩(表4 製造例4−1)を得る。
【0195】
製造例 4−2 〜 4−5
対応原料化合物(イソシアン酸化合物)を用い、製造例4−1と同様にして、表4 製造例4−2 〜 4−3の化合物を得る。また、イソシアン酸化合物に代えて、ジカルボン酸の分子内環状無水物(無水コハク酸及び無水グルタル酸)を原料化合物として用い、製造例4−1と同様にして、表4 製造例4−4 〜 4−5の化合物を得る。
【0196】
製造例 4−6 〜 4〜10
イソシアン酸ベンジルに代えてメチルクロロホルメートを原料化合物として用い、トリエチルアミンの存在下で(1)項の反応を行うほかは前記製造例4−1と同様にして、表4 製造例4−6の化合物を得る。また、対応原料化合物(塩化物)を用い、前記と同様にして、表4 製造例4−7 〜 4−10の化合物を得る。
【0197】
製造例 4−11
参考例3(2)項で得られる樹脂化合物 500 mgと0.5M メタンスルホン酸-ジオキサン/塩化メチレン(1/9)の混合物を室温で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノール、および塩化メチレンにて洗浄する。得られる樹脂と2-キノリンカルボン酸177mg、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール138mg、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート387mg、N-メチルモルホリン224μl、およびジメチルホルムアミド4mlの混合物を室温で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノール、および塩化メチレンにて洗浄後、減圧乾燥して樹脂を得る。この樹脂を、製造例4−1の(2)項と同様にトリフルオロ酢酸にて処理して、(S)−2−シアノ−1−〔1−(2−キノリルカルボニル)ピペリジン−4−イルアミノ〕アセチルピロリジン・2塩酸塩(表4 製造例4−11)136mgを得る。
【0198】
製造例 4−12 〜 4〜19
対応原料化合物(カルボン酸化合物)を用い、製造例4−11と同様に処理して、表4 製造例4−12 〜 4−19の化合物を得る。
【0199】
製造例 5−1 〜 5−12
参考例3(2)項の樹脂化合物にかえて、参考例4で得られる樹脂化合物を用い、製造例4−1 〜 4〜10と同様にして、表5 製造例5−1〜 5−12の化合物を得る。
【0200】
製造例 5−13 〜 5−36
参考例3(2)項の樹脂化合物にかえて、参考例4で得られる樹脂化合物を用い、製造例4−11と同様にして、表5 製造例5−13〜 5−30の化合物を得る。また、参考例5(5)項で得られる樹脂化合物を用い、同様にして表5製造例5−31〜 5−36の化合物を得る。
【0201】
製造例 5−37 〜 5−39
参考例5(5)項で得られる樹脂化合物(1.01 mmol/g) 500 mgと0.5Mメタンスルホン酸-ジオキサン/塩化メチレン(1/9)の混合物を室温で30分間振とうする。樹脂を濾取し、塩化メチレン、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、テトラヒドロフラン、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノールおよびジメチルアセトアミドにて洗浄する。得られた樹脂と2-クロロ-5-ブロモピリミジン293mg、トリエチルアミン211μlの混合物を55℃で16時間振とうする。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、テトラヒドロフラン、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノールおよび塩化メチレンにて洗浄する。得られる樹脂の全量を、トリフルオロ酢酸で処理して、(S)−1−〔trans−4−(5−ブロモピリミジン−2−イルアミノメチル)シクロヘキシルアミノ〕アセチル−2−シアノピロリジン・塩酸塩(表5 製造例5−37)61mgを得る。
【0202】
また、対応原料化合物を用い、同様にして、表5 製造例5−38 〜 5−39の化合物を得る。
【0203】
製造例 6−1
【0204】
【化47】
Figure 0004329382
【0205】
(1)trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキシルアミン(後記参考例5の(3)項)519mg、2,4,6-トリメトキシベンズアルデヒド446mg、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム608mgと塩化メチレン11mLの混合物を室温で14時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、クロロホルムで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をジオールカラムクロマトグラフィー[溶媒:0-20%メタノール-クロロホルム]で精製する。得られた化合物(969mg)、(S)-1-ブロモアセチル-2-シアノピロリジン641mg、ジイソプロピルエチルアミン791μL、およびジメチルアセトアミド8mLの混合物を50℃で1時間撹拌する。反応液を水で希釈後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をジオールカラムクロマトグラフィー[溶媒:50-0%ヘキサン-クロロホルム]で精製することにより、(S)−2−シアノ−1−〔N−(2,4,6−トリメトキシフェニルメチル)−trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン834mgを得る。
【0206】
(2)前記(1)で得られる化合物818mgと0.5Mメタンスルホン酸-ジオキサン/塩化メチレン(1/9)20mLの混合物を室温で2時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、クロロホルムで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、(S)−2−シアノ−1−〔N−(2,4,6−トリメトキシフェニルメチル)−trans−4−(アミノメチル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン647mgを得る。
【0207】
(3)前記(2)で得られる化合物155mg、2,5-ジクロロピリミジン104mg、トリエチルアミン146μL、テトラヒドロフラン1mL、およびジメチルホルムアミド1mLの混合物を60℃で14時間撹拌する。反応液を水で希釈後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をジオールカラムクロマトグラフィー[溶媒:0-20%メタノール−(33%ヘキサン-クロロホルム)]で精製することにより、(S)−2−シアノ−1−〔N−(2,4,6−トリメトキシフェニルメチル)−trans−4−(5−クロロピリミジン−2−イルアミノメチル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン104mgを得る。
【0208】
(4)前記(3)で得られる化合物90mgとトリフルオロ酢酸4mLの混合物を室温で18時間撹拌する。トリフルオロ酢酸を減圧留去後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をジオールカラムクロマトグラフィー[溶媒:40-0%ヘキサン-クロロホルム]で精製する。得られる化合物をクロロホルム0.5mLに溶解し、1N塩酸-エーテル0.5mL、次いでエーテル2mLを加え、析出した沈殿をエーテル洗浄し、(S)−1−〔trans−4−(5−クロロピリミジン−2−イルアミノメチル)シクロヘキシルアミノ〕アセチル−2−シアノピロリジン・2塩酸塩(表6 製造例6−1)22mgを得る。
【0209】
製造例 6−2 〜 6−4
前記製造例6−1(2)項で得られる化合物および対応原料化合物を用い、製造例6−1の(3)〜(4)項と同様にして、表6 製造例6−2 〜 6−4の化合物を得る。
【0210】
製造例 7−1 〜 7−10
(S)-1−ブロモアセチル−2−シアノピロリジンに代えて、(R)-3-クロロアセチル-4-シアノチアゾリジン(後記参考例2の化合物)を用い、前記製造例1と同様に処理することにより、表7 製造例7−1 〜 7−10の化合物を得る。
【0211】
製造例 8−1 〜 8−8
(S)-1-ブロモアセチル-2-シアノピロリジンにかえて(R)-3-クロロアセチル-4-シアノチアゾリジンを用いるほかは、製造例6−1(1)〜(2)項と同様にして、(R)−4−シアノ−3−〔N−(2,4,6−トリメトキシフェニルメチル)−trans−4−アミノメチルシクロヘキシルアミノ〕アセチルチアゾリジンを得る。この化合物および対応原料化合物を用い、製造例6−1(3)〜(4)項と同様にして、表8 製造例8−1 〜 8−8の化合物を得る。(但し、製造例8−7及び8−8においては、製造例6−1(3)項に対応する工程で、原料化合物としてカルボン酸化合物を用い、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミドの存在下で反応を行う。)
参考例 1
文献(WO98/19998)記載の方法に従い、L-プロリンアミド(市販品)およびブロモアセチルブロマイドを反応させたのち脱水反応させることにより、(S)-1−ブロモアセチル-2-シアノピロリジンを得る。
【0212】
参考例 2
文献(Ashworthら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、第6巻、第2745-2748頁、1996年)記載の方法に従い、L-チオプロリンアミド塩酸塩を合成する。得られるL-チオプロリンアミド塩酸塩5.00gとトリエチルアミン8.67mlのジクロロメタン150ml溶液に氷冷下クロロアセチルクロリド2.36mlを加え、同温で1時間撹拌する。反応液にピリジン4.8ml及びトリフルオロ酢酸無水物8.4mlを加え、更に室温で1時間攪拌する。反応液を10%HCl水溶液及び水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、減圧濃縮した後、残渣をエーテルより結晶化することにより、(R)-3-クロロアセチル-4-シアノチアゾリジン4.82gを黄褐色結晶として得る。
【0213】
参考例 3
【0214】
【化48】
Figure 0004329382
【0215】
(1)樹脂((4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェニルオキシ)メチルポリスチレン)〔Cecile Pegurierらの方法(Bioorg. Med. Chem.、第8巻、163−171頁、2000年)により合成したもの〕14.5g(1.40mmol/g)、4-アミノ-1-tert-ブトキシカルボニルピペリジン7.85g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム10.71g、および塩化メチレン180mlの混合物を室温で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、メタノール、テトラヒドロフラン、およびメタノールにて洗浄後、減圧乾燥することにより上図で示される樹脂化合物(1)16.83g(1.17mmol/g)を得る。
【0216】
(2)前記(1)で得られる樹脂化合物16.73g、(S)-1-ブロモアセチル-2-シアノピロリジン8.50g、ジイソプロピルエチルアミン6.82mL、およびジメチルホルムアミド80mlの混合物を50℃で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、メタノール、テトラヒドロフラン、およびメタノールにて洗浄後、減圧乾燥することにより、上図で示される樹脂化合物(2)19.14g(1.02mmol/g)を得る。
【0217】
参考例 4
【0218】
【化49】
Figure 0004329382
【0219】
1,4-trans-シクロヘキサンジアミン30.00gと2N 塩酸131mlのエタノール250ml溶液に氷冷下にてジ-tert-ブチルジカルボナート52.13gのエタノール150ml溶液を4時間かけて滴下する。反応液を20時間撹拌し、濃縮後、クエン酸水溶液で希釈、クロロホルムで洗浄し、水酸化ナトリウム水溶液にてアルカリ性とする。クロロホルムにて抽出、乾燥、濃縮することにより、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-1,4-シクロヘキサンジアミン22.33gを得る。
【0220】
この化合物および樹脂((4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェニルオキシ)メチルポリスチレン)を用い、前記参考例3の(1)〜(2)項と同様に処理して、上図で示される樹脂化合物を得る。
【0221】
参考例 5
【0222】
【化50】
Figure 0004329382
【0223】
(1)trans-4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸10.0g、ジ-tert-ブチルジカルボナート14.6g及び重曹11.2gのジオキサン‐水(1:1)200ml溶液を室温で72時間撹拌する。反応混合物に10%NaOH水溶液50mlとエーテル300mlを加え、有機相を分離後した後、水相を10%HCl水溶液で酸性とし酢酸エチルで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をイソプロピルエーテルで洗浄することにより、trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸15.3gを得る。
【0224】
(2)前記(1)で得られる化合物5.15g、ジフェニルホスホリルアジド6.05g及びトリエチルアミン3.1mlのトルエン100ml溶液を3時間加熱還流した後、ベンジルアルコール2.3mlを加え更に一晩加熱還流する。冷却後反応液を減圧濃縮して、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:酢酸エチル-クロロホルム(1:20)]で精製し、ヘキサンより結晶化して、N-ベンジルオキシカルボニル-trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキシルアミン5.32gを得る。
【0225】
(3)前記(2)項で得られる化合物5.19g及び10%パラジウム炭素のエタノール200ml溶液を1気圧の水素雰囲気下6時間攪拌する。触媒を濾去してエタノールで洗浄し、濾液と洗液を合わせる。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア水(50:10:1)]で精製し、イソプロピルエーテル-ヘキサン混合溶媒より結晶化することにより、trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノメチル)シクロヘキシルアミン2.55gを得る。
【0226】
(4)前記(3)で得られる化合物(2.54g)、樹脂((4−ホルミル−3,5−ジメトキシフェニルオキシ)メチルポリスチレン)(1.43mmol/g)4.15g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム3.24g、および塩化メチレン80mlの混合物を室温で20時間撹拌する。樹脂を濾取し、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、10%トリエチルアミン-塩化メチレン、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、ジメチルホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノール、テトラヒドロフラン、およびメタノールにて洗浄後、減圧乾燥することにより上記図で示される樹脂化合物(4)5.19g(1.14mmol/g)を得る。
【0227】
(5)前記(4)で得られる樹脂(1.14mmol/g)5.12g、(S)-1-ブロモアセチル-2-シアノピロリジン2.53g、ジイソプロピルエチルアミン2.03ml、およびジメチルホルムアミド50mlの混合物を50℃で18時間撹拌する。樹脂を濾取し、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド-水(1:1)、ジメチルホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフラン、メタノール、テトラヒドロフラン、およびメタノールにて洗浄後、減圧乾燥することにより上記図で示される樹脂化合物(5)5.78g(1.01mmol/g)を得る。
【0228】
参考例 6−1
【0229】
【化51】
Figure 0004329382
【0230】
(1)文献(JP83−118577)記載の方法に従って、1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−カルボン酸メチルをLDA(リチウムジイソプロピルアミド)存在下、メチルヨージドと反応させ、8−メチル−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−カルボン酸メチル(上記図の化合物(1))を得る。
〔原料化合物は、 Rosemmund らの文献(Chem. Ber., 1975年, 第108巻, 1871-1895頁)およびBlackらの文献(Synthesis, 1981年, 第829頁)記載の方法に従って合成したものを用いる。〕
(2)前記(1)で得られる化合物3.80g、水酸化ナトリウム3.55g、メタノール16mL、および水25mLの混合物を2時間加熱還流する。反応液を氷冷し、2規定塩酸と10%クエン酸水溶液でpH5とし、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、8−メチル−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン−8−カルボン酸(上記図の化合物(2))3.46gを得る。
【0231】
(3)前記(2)で得られる化合物16.19g、ジフェニルホスホリルアジド24.51g、トリエチルアミン9.00g、およびトルエン160mLの混合物を2.5時間加熱還流する。反応液を氷冷し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。得られた化合物のジメチルアセトアミド100mL溶液にtert-ブトキシカリウム9.55gを氷冷下徐々に加え、室温で1時間撹拌する。反応液を氷水に注ぎ析出する結晶を濾取、水洗、乾燥する。得られた化合物のテトラヒドロフラン100mL溶液にp-トルエンスルホン酸水和物30.87gの水溶液100mLを加え、室温で16時間撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して、4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチルシクロヘキサノン(上記図の化合物(3))10.41gを得る。
【0232】
(4)前記(3)で得られる化合物10.41g、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム11.01g、ベンジルアミン5.10mL、および塩化メチレン150mLの混合物を室温で16時間撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。得られた化合物のメタノール15mL溶液にp-トルエンスルホン酸水和物3.32g、次いでエーテル160mLを加える。析出物を濾取、エーテル洗浄、乾燥し、N−ベンジル−t−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−r−1−シクロヘキシルアミン・p-トルエンスルホン酸塩(上記図の化合物(4))7.49gを得る。
【0233】
(5)前記(4)で得られる化合物16.63g、10%パラジウム炭素5.0g、およびメタノール400mLの混合物を水素雰囲気下(1気圧)にて24時間撹拌する。10%パラジウム炭素を濾去し、濾液を濃縮する。得られた残渣を10%水酸化ナトリウム水溶液50mLとエーテル300mLの混合物に溶解し、エーテル層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、t−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−r−1−シクロヘキシルアミン(上記図の化合物(5))6.87gを得る。
【0234】
(6)前記(4)の工程の濾液を、水酸化ナトリウム水溶液で処理し、クロロホルム抽出する。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチル(30:1→3:1))に供することにより、N−ベンジル−c−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−r−1−シクロヘキシルアミンを得る。ついでこれを上記(5)項と同様に処理して、c−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−r−1−シクロヘキシルアミン(上記図の化合物(6))を得る。
【0235】
参考例 6−2
参考例6−1の(1)項の工程においてメチルヨージドに代えてベンジルオキシメチルクロリドを用いるほかは、参考例6−1の(1)〜(5)項または(6)項と同様にして、t−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチル−r−1−シクロヘキシルアミンまたはc−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチル−r−1−シクロヘキシルアミンを得る。
【0236】
また、参考例6−1の(1)項の工程においてメチルヨージドに代えてメトキシメチルクロリドを用いるほかは、参考例6−1の(1)〜(5)項または(6)項と同様にして、t−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシメチル−r−1−シクロヘキシルアミン又はc−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシメチル−r−1−シクロヘキシルアミンを得る。
【0237】
参考例 6−3
(1)N-tert-ブトキシカルボニル−4−エトキシカルボニルピペリジン〔Gilliganらの文献(J.Med.Chem.、第37巻、第364−370頁、1994年)記載の方法に従って合成したもの〕およびメトキシメチルクロリドを用い、参考例6−1の(1)項と同様に処理し、ついで参考例6−1の(2)項と同様に処理して、N-tert-ブトキシカルボニル−4−カルボキシル−4−メトキシメチルピペリジンを得る。
【0238】
この化合物を用い、さらにtert−ブトキシカリウムに代えてベンジルアルコールを用いるほかは参考例6−1(3)項と同様に処理して、N-tert-ブトキシカルボニル−4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−メトキシメチルピペリジンを得る。
【0239】
(2)前記(1)で得られる化合物9.4g、10%パラジウム炭素1.9g、およびメタノール190mLの混合物を水素雰囲気下(1気圧)にて2時間撹拌する。10%パラジウム炭素を濾去し、濾液を濃縮することにより4−アミノ−N-tert-ブトキシカルボニル−4−メトキシメチルピペリジン6.02gを得る。
【0240】
ついで、この化合物を酸処理することにより保護基(tert-ブトキシカルボニル基)を除去して、4−アミノ−4−メトキシメチルピペリジンを得る。
【0241】
参考例 6−4
N-tert-ブトキシカルボニル−4−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−メトキシメチルピペリジン〔参考例6−3の(1)項で得られる化合物〕3.78gと濃塩酸38mlの混合物を3日間還流する。反応混合物を濃縮後、残渣をテトラヒドロフランで洗浄することにより、4−アミノ−4−ヒドロキシメチルピペリジン・2塩酸塩2.8gを得る。
【0242】
参考例 7−1 〜7−7
(1)4-アミノ-1-tert-ブトキシカルボニルピぺリジン16gとN-カルボエトキシフタルイミド17.5gのテトラヒドロフラン200ml溶液に、氷冷下トリエチルアミン16.7mlを加え、室温で4時間撹拌する。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を飽和重曹水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をエーテル-へキサンに懸濁し、結晶を濾取することにより、2−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)イソインドリン−1,3−ジオン25.7gを得る。
【0243】
この化合物25.5gの15%塩酸-エタノール170ml懸濁液を室温で5時間撹拌する。析出物を濾過することにより、2−(4−ピペリジル)イソインドリン−1,3−ジオン・塩酸塩16.0gを得る。
【0244】
(2)前記(1)で得られる化合物1.57gと2-クロロピリミジン644mgのテトラヒドロフラン15ml-N,N-ジメチルアセトアミド3ml溶液にトリエチルアミン3.13mlを加え、50℃で12時間撹拌する。冷却後、反応混合物に飽和重曹水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をエーテル-へキサンに懸濁し、結晶を濾取することにより、2−〔1−(2−ピリミジニル)−4−ピペリジル〕イソインドリン−1,3−ジオン1.50gを得る。(収率:87%)
ついでこの化合物800mgのエタノール15ml懸濁液にヒドラジン・一水和物0.25mlを加え、2 時間還流する。冷却後、不溶物を濾別し、溶媒を減圧留去する。残渣をNHシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム-メタノール(500:1)]で精製することにより、4−アミノ−1−(2−ピリミジニル)ピペリジン(表9 参考例7−1)417mgを得る。
【0245】
また、対応原料化合物を用い、前記と同様にして、表9 参考例7−2 〜 7−7の化合物を得る。
【0246】
参考例 8−1 〜 8−7
4−アミノ−4−メチルピペリジン[US.5821240記載の方法にて合成したもの]260mg、2−クロロピリミジン237mg、及び炭酸カリウム858mgのエタノール2ml懸濁液を50℃で12時間撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、クロロホルムで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー〔溶媒:クロロホルム-メタノール-アンモニア水(300:10:1)〕で精製することにより、4−アミノ−4−メチル−N−(2−ピリミジニル)ピペリジン(表9 参考例8−1)259mgを得る。
【0247】
また、対応原料化合物を用い、前記と同様にして、表9 参考例8−2 〜 8−7の化合物を得る。
【0248】
参考例 8−8 〜8− 21
4−アミノ−4−メトキシメチルピペリジン(参考例6−3(2)項)および対応原料化合物を用い、前記参考例8−1と同様に処理して、表9 参考例8−8 〜 8−15の化合物を得る。
【0249】
また、4−アミノ−4−ヒドロキシメチルピペリジン・2塩酸塩(参考例6−4)および対応原料化合物を用い、同様に処理して、表9 参考例8−16 〜 8−21の化合物を得る。
【0250】
参考例 8−22 〜 8−23
t−4−tert-ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチル−r−1−シクロヘキシルアミン(参考例6−2)1.00gとN−カルボエトキシフタルイミド897mgのテロラヒドロフラン15mlの懸濁液に、トリエチルアミン0.86mlを加え、50℃で5時間加熱する。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、N−tert-ブトキシカルボニル−1−ヒドロキシメチル−t−4−フタルイミド−r−1−シクロヘキシルアミン1.47gを得る。この化合物1.44gのジオキサン10ml溶液に、4N塩酸/ジオキサン10mlを加え、室温で3時間撹拌する。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、結晶を濾取する。得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄することにより、1−ヒドロキシメチル−t−4−フタルイミド−r−1−シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−22)1.03gを得る。
【0251】
また、前記と同様にして、表9 参考例8−23の化合物を得る。
【0252】
参考例 8−24
(1)N-tert-ブトキシカルボニル-trans-1,4-シクロヘキサンジアミン500mg、2-ブロモメチル安息香酸エチルエステル623mg、トリエチルアミン354mgのトルエン15ml―クロロホルム1.5ml溶液を100℃で5時間加熱する。冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-4-(1-オキソ-2-イソインドリニル)シクロヘキシルアミン400mgを得る。
【0253】
(2)前記(1)で得られる化合物380mgのジオキサン10ml溶液に、4N HCl / ジオキサン10mlを加え、室温で5時間撹拌する。反応液を濃縮した後、残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションすることにより、trans-4-(1-オキソ-2-イソインドリニル)シクロヘキシルアミン・塩酸塩(表9 参考例 8−24)298mgを得る。
【0254】
参考例 8−25 〜 8−31
N-tert-ブトキシカルボニル-trans-1,4-シクロヘキサンジアミン500mgと3-ニトロフタル酸無水物540mgのクロロホルム15ml溶液を1時間還流する。冷却後、カルボニルジイミダゾ−ル756mgを加え、室温で15時間撹拌する。反応液に水を加えて、クロロホルムで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-4-(1,3-ジオキソ-4-ニトロ-2-イソインドリニル)シクロヘキシルアミン900mgを得る。
【0255】
この化合物885mgのジオキサン10ml懸濁液に4N HClジオキサン溶液10mlを加えて、室温で5時間撹拌する。反応液を濃縮し、残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションすることにより、trans-4-(1,3-ジオキソ-4-ニトロ-2-イソインドリニル)シクロヘキシルアミン・塩酸塩(表9 参考例8−25)700mgを得る。
また、対応原料化合物を用い、同様にして、表9 参考例8−26 〜 8−31の化合物を得る。
【0256】
参考例 8−32
塩化トリメリト酸無水物 1.5 gとメタノール0.303 mlのメチレンクロライド20ml溶液に氷冷下トリエチルアミン1.49mlを加えて、室温で3時間撹拌する。反応液に水を加えて、クロロホルムで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、4-メトキシカルボニルフタル酸無水物1.81gを得る。この化合物を3-ニトロフタル酸無水物に代わる原料として用い、前記参考例 8−25と同様にして、trans-4-(1,3-ジオキソ-5-メトキシカルボニル-2-イソインドリニル)シクロヘキシルアミン塩酸塩(表9 参考例8−32)を得る。
【0257】
参考例 8−33 〜 8−34
塩化トリメリト酸無水物1.0gのメチレンクロライド10ml溶液に、氷冷下ピロリジン354mgとトリエチルアミン577mgを加えて、室温で2時間撹拌する。反応液に水を加えて、クロロホルムで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、4-(1-ピロリジニル)カルボニルフタル酸無水物1.09gを得る。この化合物を3-ニトロフタル酸無水物に代わる原料として用い、参考例8−25と同様に処理して、trans-4-〔1,3-ジオキソ-5-(1-ピロリジニル)カルボニル-2-イソインドリニル〕シクロヘキシルアミン塩酸塩(表9
参考例8−33)を得る。
【0258】
また、前記同様にして、表9 参考例8−34の化合物を得る。
【0259】
参考例 8−35
(1)trans-(4-ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサン-1-カルボン酸15.00gの塩化メチレン150ml中の懸濁液に塩化チオニル5.92mlを加え、4時間加熱還流する。反応液を減圧濃縮し、塩化メチレンを加えて減圧濃縮する操作を2回行ない、trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸クロリドを得る。
【0260】
(2)前記(1)で得られる化合物を塩化メチレン70mlの溶液とし、濃アンモニア水60ml−水120mlの水溶液を氷冷下で滴下する。室温で30分撹拌した後、析出する沈殿物を濾取し、水、2-プロパノール、およびイソプロピルエーテルで洗浄することにより、trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-シクロヘキサンカルボキサミド14.17gを得る。
【0261】
(3)前記(2)で得られる化合物7.00gのアセトニトリル140ml懸濁液に塩化チオニル5.54mlを加え、30分間加熱還流する。反応液を減圧濃縮後、アセトニトリルを加え、さらに減圧濃縮して得られる残渣固体にジイソプロピルエーテルを加え、濾取することにより、trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-シクロヘキサンカルボニトリル6.14gを得る。
【0262】
(4)前記(3)項で得られる化合物1.20gのエタノール24ml中の懸濁液に氷−食塩冷却下で塩化水素ガスを、原料化合物が一旦溶解し、再び沈殿が析出するまで流入する。この反応液を室温で14時間撹拌し、減圧濃縮する。得られる残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで2回抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサン-1-イミド酸エチルエステル0.93gを得る。
【0263】
(5)前記(4)で得られる化合物929mgのエタノール6ml−水1ml中の溶液に塩化アンモニウム163mgを加え室温で9時間撹拌する。反応液を減圧濃縮し、トルエンを加えて減圧濃縮する操作を2回行なう。得られる残渣固体にエタノール0.3ml−エーテル20mlを加え、濾取することにより、
trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-シクロヘキサンカルボキサミジン・塩酸塩859mgを得る。
【0264】
(6)前記(5)項で得られる化合物(500mg)を出発物質とし、Schmidt.らの方法 (Schmidt. H. W.ら、J. Hetrocycl Chem.、第24巻、第1305頁、1987年)に従い、エトキシエチレンマロノニトリルと反応させて、trans-1-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-4-(4-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イル)シクロヘキサン(186mg)を得る。
【0265】
(7)前記(6)項で得られる化合物174mgのアセトニトリル7ml中の懸濁液に氷冷下ヨウ化トリメチルシリル282μLを加え室温で1時間撹拌する。反応液に氷水を加え、クロロホルムで洗浄後、水層に炭酸カリウムを加えて飽和させ、クロロホルムで3回抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、trans-4-(4-アミノ-5-シアノピリミジン-2-イル)シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−35)105mgを得る。
【0266】
参考例 8−36
trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)-1-シクロヘキサンカルボキサミジン・塩酸塩(参考例8−35(5)項の化合物)(348mg)を出発物質とし、Libmanらの方法(J. Chem. Soc.、第2305頁、1952年)に従ってアセチルアセトンと反応させることにより、trans-1-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)シクロヘキサン(220mg)を得る。
【0267】
この化合物(205mg)を、参考例8−35の(7)項と同様にヨウ化トリメチルシリルで処理することにより、trans-4-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−36)(129mg)を得る。
【0268】
参考例 8−37 〜 8−39
N−tert-ブトキシカルボニル-trans-1,4-シクロヘキサンジアミン500mg、1,4-ジクロロブタン326mg、炭酸カリウム805mg、ヨウ化ナトリウム70mg、およびエタノール−水(8ml−2ml)の混合物を90℃で12日間攪拌する。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム−メタノール−アンモニア水=100 / 5 / 0.5から100 / 10 / 0.5)で精製することにより、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-4-(1-ピロリジニル)シクロヘキシルアミン453mgを得る。
【0269】
この化合物を、酸性条件下で脱保護処理することにより、trans-4-(1-ピロリジニル)シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−37)を得る。
また、前記と同様にして、表9 参考例8−38 〜 8−39の化合物を得る。
【0270】
参考例8−40
trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸10gと2-クロロ-3-アミノピリジン7.93g、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩10.2g、4-ジメチルアミノピリジン6.5g、及びN,N-ジメチルホルムアミド180mLの混合物を室温で15時間攪拌する。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とした後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、trans-4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-N-(2-クロロ-3-ピリジル)シクロヘキサンカルボキサミドを得る。
【0271】
参考例 8−41
trans-4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-N-(2-クロロ-3-ピリジル)シクロヘキサンカルボキサミド(参考例8−40)500mg、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチオ2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド858mg、及びテトラヒドロフラン10mLの混合物を60度で18時間撹拌する。不溶物を濾別した後、濾液を減圧濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム-メタノール 50:1]で精製する。
【0272】
得られる粗結晶をエタノール5mLに懸濁し、4N-塩酸エタノール溶液10mLを加え1.5時間加熱還流する。エタノールを減圧留去した後、残渣を水に溶解し、エーテルで洗浄する。水層に炭酸カリウムを加えアルカリ性とした後、クロロホルムで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、trans-4-(チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−41)195mgを得る。
【0273】
参考例 8−42
trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸と、2-アミノフェノールを前記参考例8−40と同様に処理して、trans-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-N-(2-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンカルボキサミドを得る。
【0274】
この化合物300mg、ピリジニウム-p-トルエンスルホナート286mg、メタノール6mL、及び1,2-ジクロロメタン6mLの混合物を48時間加熱還流する。反応液に水、酢酸エチルを加え有機層を分離する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム]で精製する。
【0275】
この化合物150mg、10%パラジウム炭素30mg、及びメタノール7.5mLの混合物を水素雰囲気下(1気圧)室温にて2時間攪拌する。触媒を濾去し、濾液を濃縮することにより、trans-4-(ベンゾ[d][1,3]オキサゾール-2-イル)シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−42)63mgを得る。
【0276】
参考例 8−43
(1)水素化ホウ素ナトリウム0.74gをテトラヒドロフラン35mlに懸濁し、ここに氷冷下、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を加える。氷冷下そのまま30分攪拌した後、trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸3.60gのテトラヒドロフラン90ml溶液を氷冷下加える。室温で2時間攪拌した後、反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾取することでN-ベンジルオキシカルボニル-trans-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルアミンを得る。
【0277】
(2)上記(1)で得られる化合物1.95gとジメチルスルホキシド1.45gのジクロロメタン35ml溶液に-78℃にて塩化オギザリル0.81mlをくわえる。-45℃にて2時間攪拌した後、-78℃に冷却し、トリエチルアミン5.62gのジクロロメタン5ml溶液を加え室温に昇温後2時間攪拌する。反応液を水、塩酸水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサンー酢酸エチル=4:1)で精製しtrans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルバルデヒドを得る。
【0278】
(3)塩化チオニル512μLのジクロロメタン4 mL溶液にピリジン568μLのジクロロメタン4mL溶液を氷冷下滴下し、次いで、前記(2)で得られる化合物1.53gを加える。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、2-アミノベンジルアミン715mg、次いで酢酸ナトリウム961mgの水15mL溶液を加える。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、ジクロロメタンを減圧留去する。残留混合物に10%-水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性とし、室温で30分攪拌した後、クロロホルムで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。得られた残渣、及び、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン2.66g、トルエン75mLの混合物を室温で14時間攪拌する。反応混合物をクロロホルムで希釈し、10%-水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム]で精製し、更に得られた残渣をイソプロピルエーテル−ヘキサンの混合溶媒に懸濁し、析出した沈殿を濾取する。
【0279】
この化合物362mgをアセトニトリル7mLに溶解する。氷冷下、トリメチルシリルヨージド427μLを滴下し、室温で15分攪拌する。反応混合物にメタノール、水を加えた後、クロロホルムで洗浄する。水層に炭酸カリウムを加えアルカリ性とした後、クロロホルムで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、trans-4-(キナゾリン-2-イル)シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−43)220mgを得る。
【0280】
参考例 8−44
trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸と、3-(アミノメチルカルボニル)ピリジンを前記参考例8−40と同様に処理して、trans-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-N-(3-ピリジルカルボニルメチル)シクロヘキサンカルボキサミドを得る。
【0281】
この化合物600mg、オキシ塩化リン283μL、及びN,N-ジメチルホルムアミド9mLの混合物を室温で1時間攪拌する。反応混合物を水に注ぎ、重曹水でアルカリ性とした後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をジエチルエーテルに懸濁し、析出した沈殿を濾取する。
【0282】
この化合物350mg、10%パラジウム炭素70mg、及びメタノール17.5mLの混合物を水素雰囲気下(1気圧)室温にて20時間攪拌する。触媒を濾去し、濾液を濃縮することにより、trans-4-〔5-(3-ピリジル)-1,3-オキサゾール-2-イル〕シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−44)211mgを得る。
【0283】
参考例 8−45 〜 8−56
4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチルシクロヘキサノン(参考例6−1の化合物(3))と、対応原料化合物(アミン化合物)を、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下に、室温で16時間攪拌して反応させた後、酸処理を行って保護基(t−ブトキシカルボニル基)を除去することにより、表9 参考例8−45 〜 8−56の化合物を得る。
【0284】
参考例 8−57 〜 8−59
t−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−r−1−シクロヘキシルアミン(前記参考例6−1の(5)項で得られる化合物)300mgをテトラヒドロフラン2ml、ホルマリン0.5mlの混合溶媒に溶解したものに、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム418mgを加え、室温で16時間攪拌した後、10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム−メタノール−アンモニア水(50:1:0.1→10:1:0.1)]で精製する。
【0285】
この化合物を4N塩酸−ジオキサン2ml、エタノール2ml中で8時間攪拌後、反応液を濃縮し、10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することにより、t−4−ジメチルアミノ−1−メチル−r−1−シクロヘキシルアミン(表9 参考例8−57)55mgを得る。
【0286】
また、同様にして、表9 参考例8−58 〜 8−59の化合物を得る。
【0287】
参考例 9−1 〜 9−3
トリホスゲン1.04gの塩化メチレン10ml溶液に、N−エトキシカルボニルピペラジン1.59gおよびトリエチルアミン1.4mlの塩化メチレン10ml溶液を氷冷下加え、そのまま15分撹拌する。これに、4-tert-ブトキシカルボニルアミノピペリジン 1.00gおよびトリエチルアミン0.77mlの塩化メチレン10ml溶液を氷冷下加え、室温で終夜撹拌する。反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=4:1]で精製し、4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-(4-エトキシカルボニル-1-ピペラジニル)カルボニルピペリジン0.94gを得る。
【0288】
この化合物0.60gを塩化メチレン6mlに溶解し、トリフルオロ酢酸2mlを加え室温で3時間撹拌する。溶媒を減圧留去し、残渣をNHシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:クロロホルム:メタノール=100:1]で精製し、4-アミノ-1-(4-エトキシカルボニル-1-ピペラジニル)カルボニルピペリジン(表10 参考例9−1)0.42gを得る。
【0289】
また、4-tert-ブトキシカルボニルアミノピペリジンおよび対応原料化合物を用い、前記と同様に処理して、表10 参考例9−2 〜 9−3の化合物を得る。
【0290】
参考例 9−4 〜 9−5
(1)水酸化カリウム水溶液(4g KOH / 10ml 水)とエーテル27mLの懸濁液にN-ニトロソメチルウレアを氷冷下滴下する。滴下終了後、反応液のエーテル層を分取し、水酸化カリウムを加え、冷蔵庫で3時間放置する。このジアゾメタンのエーテル溶液に、trans-4-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸クロリド(参考例8−35(1)項で得られる化合物)2.00gを徐々に加え、室温で2時間攪拌する。析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄することにより、N-ベンジルオキシカルボニル-trans-4-(ジアゾアセチル)シクロヘキシルアミン1.63gを得る。
【0291】
(2)前記(1)で得られる化合物800mgのジオキサン8ml懸濁液に、モルホリンおよび硝酸銀の水溶液(100mg / 1ml)を加え、室温で1時間、ついで60℃で30分間攪拌する。反応液を室温に戻した後、水を加え、酢酸エチルで抽出する。
抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られた残渣をエーテルに懸濁し、析出した沈殿を濾取することにより、N-ベンジルオキシカルボニル-trans-4-(モルホリノカルボニルメチル)シクロヘキシルアミン741mgを得る。
【0292】
この化合物(350mg)と10%パラジウム炭素70mgのメタノール4ml懸濁液を水素雰囲気下、室温常圧にて3時間攪拌する。触媒を濾去し、濾液を濃縮することにより、trans-4-(モルホリノカルボニルメチル)シクロヘキシルアミン(表10
参考例9−4)を得る。
【0293】
(3)前記(1)で得られる化合物1.00gの塩化メチレン10ml溶液に氷冷下1N塩酸エーテル溶液10mlを加え、室温にて4時間攪拌する。反応液に飽和重曹水溶液を加え、クロロホルムで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して、N-ベンジルオキシカルボニル-trans-4-(クロロアセチル)シクロヘキシルアミンを得る。
この化合物(400mg)、モルホリン1.12gおよび塩化メチレン6mlの混合溶液を室温で終夜攪拌する。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られた残渣をエーテルに懸濁し、析出した沈殿を濾取することにより、N-ベンジルオキシカルボニル-trans-4-(モルホリノメチルカルボニル)シクロヘキシルアミン417mgを得る。
【0294】
この化合物と10%パラジウム炭素72mgのメタノール4 ml懸濁液を水素雰囲気下、室温常圧にて1時間攪拌する。触媒を濾去し、濾液を濃縮することにより、trans-4-(モルホリノメチルカルボニル)シクロヘキシルアミン(表10 参考例9−5)を得る。
【0295】
参考例 9−6 〜 9−7
文献(Johnstonら、J. Med. Chem.、1971年、第 14巻、第600-614頁)記載の方法に従い、trans−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸エチル・塩酸塩(参考例9−6)およびcis−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸エチル・塩酸塩(参考例9−7)を合成する。
【0296】
参考例 9−8 〜 9−12
trans−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール1.0gとベンジルブロミド873mgのテトラヒドロフラン6mL溶液に60%水素化ナトリウム204mgを徐々に加え、さらにジメチルスルホキシド0.5mLを加えた後、70℃で2時間攪拌する。反応混合物を水に注ぎ、クロロホルムで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(4:1)]に供し、得られた粉末結晶を酢酸エチル-へキサン混合溶液に懸濁し濾取することで、trans−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(ベンジルオキシ)シクロヘキサンを得る。
【0297】
この化合物のエタノール懸濁液に2N塩酸-ジオキサン溶液を加え、室温で18時間撹拌して脱保護することにより、trans−4−(ベンジルオキシ)シクロヘキシルアミン・塩酸塩(参考例9−8)を得る。
また、対応原料化合物を用い、前記と同様にして、表10 参考例9−9 〜 9−12の化合物を得る。
【0298】
参考例 9−13
N−tert−ブトキシカルボニル−trans−4−(2−プロペン−1−イルオキシ)シクロヘキシルアミン(参考例9−11の化合物)204mgをメタノール10mlに溶解する。10%パラジウム炭素44mgを加え、常圧の水素雰囲気下、室温で2日間攪拌する。触媒をろ去後、溶媒を留去し、残渣をトリフルオロ酢酸2ml中で3時間攪拌する。溶媒を留去し、残渣に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することにより、trans−4−(プロポキシ)シクロヘキシルアミン(表10 参考例9−13)102mgを得る。
【0299】
参考例9−14 〜 9−29
(1)水素化ホウ素ナトリウム9.33gをテトラヒドロフラン200mlに懸濁し、ここに氷冷下、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を加える。氷冷下そのまま30分撹拌した後、trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサンカルボン酸40gのテトラヒドロフラン150ml溶液を氷冷下加える。室温で4時間撹拌した後、反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣を酢酸エチル-ヘキサンより再結晶し、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-4-(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルアミン20gを得る。
【0300】
(2)上記(1)で得られる化合物および対応原料化合物を用い、参考例9−8と同様にして、表10 参考例9−14 〜 9−29の化合物を得る。
【0301】
参考例 9−30 〜 9−33
(1)trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノール5.00gの塩化メチレン懸濁液にトリエチルアミン4.86ml、メタンスルホニルクロリド3.09gを0℃で加え10分間撹拌する。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出する。抽出液を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去する。残渣を酢酸エチル-イソプロピルエーテル混合溶媒に懸濁し、濾取することでtrans-4-tert-ブトキシカルボニルアミノシクロヘキシルメタンスルホナート6.19gを得る。
【0302】
(2)2-メルカプトピリジン-5-カルボニトリルのジメチルホルムアミド10ml溶液に、60%水素化ナトリウム0.818gを氷冷下に加え室温で1時間撹拌する。これに前記(1)で得られる化合物2.00gを加え室温で終夜、80℃で8時間撹拌し、放冷して室温に戻した。反応液に水、酢酸エチルを加え有機層を分離し、抽出液を水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶媒:酢酸エチルヘキサン(1:6)]で精製し、cis-1-tert-ブトキシカルボニルアミノ-4-(5-シアノ-2-ピリジルチオ)シクロヘキサン0.977gを得る。
【0303】
この化合物0.977gをクロロホルムに溶解し、4N-塩酸ジオキサン溶液4mlを加え、室温にて4時間撹拌する。反応液に少量のメタノールを加え目的物を結晶化させた後、溶媒を濃縮乾固する。残渣をメタノール−ジイソプロピルエーテルの混合溶媒に懸濁し、濾取することで、cis-4-(5-シアノ-2-ピリジルチオ)シクロヘキシルアミン(表10 参考例9−30)0.787gを得る。
【0304】
また、対応原料化合物を用い、前記と同様にして、表10 参考例9−31 〜 9−33の化合物を得る。
【0305】
参考例 10−1
(1)5-ニトロイソインドリン42.8gを炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム108g、水200ml)に加えた懸濁液へ、塩化クロロアセチル31.2mlの酢酸エチル200ml溶液を0℃にて1時間かけて滴下する。0℃にてさらに45分間撹拌後、析出物を濾取する。得た固体を酢酸エチル中で活性炭処理を行った後、再結晶することにより2−クロロアセチル−5−ニトロイソインドリンを得る。
【0306】
(2)前記(1)で得られる化合物1.21g、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-1,4-シクロヘキサンジアミン1.07gおよび炭酸カリウム1.39gをN,N-ジメチルホルムアミド10ml中室温で20時間撹拌する。反応液を水に注ぎ析出する固体を濾取、水洗、乾燥した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒、クロロホルム−メタノール=98:2〜95:5)で精製することにより、N-tert-ブトキシカルボニル-trans-4-〔(5-ニトロ-2-イソインドリニル)カルボニルメチルアミノ〕シクロヘキシルアミンを得る。この化合物284mgをトリフルオロ酢酸3mlに溶解し室温で2時間撹拌する。反応液を減圧濃縮し、残渣を10%水酸化ナトリウムで塩基性にした後クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮することにより、trans-4-〔(5-ニトロ-2-イソインドリニル)カルボニルメチルアミノ〕シクロヘキシルアミン(表11 参考例10−1)を得る。
【0307】
参考例 10−2 〜 10−13
N-tert-ブトキシカルボニル-trans-1,4-シクロヘキサンジアミン1g、3−ピリジンカルボン酸632mg、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド1.07g、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール757mg、のN,N-ジメチルホルムアミド10ml溶液を室温で24時間撹拌する。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水を加え酢酸エチルで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣をジエチルエーテルで洗浄することにより、N−tert−ブトキシカルボニル−trans−4−(3−ピリジルカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミンを得る。この化合物1.27gと15%塩酸-エタノール溶液13mlの混合物を50℃で2時間撹拌撹拌する。冷却後、析出物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄することにより、trans−4−(3−ピリジルカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミン・2塩酸塩(表11 参考例10−2)1.12gを得る。
【0308】
また、対応原料化合物を用い、同様にして、表11 参考例10−3 〜 10−4の化合物を得る。
【0309】
また、t−又はc−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−r−1−シクロヘキシルアミン(参考例6−1(5)項または(6)項の化合物)と対応原料化合物を用い、同様にして、表11 参考例10−5 〜 10−10の化合物を得る。(但し、生成する塩酸塩を炭酸カリウム水溶液で処理してフリー体とする。)
また、t−又はc−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシメチル−r−1−シクロヘキシルアミン(参考例6−2)と対応原料化合物を用い、同様にして、表11 参考例10−11 〜 10−13の化合物を得る。
【0310】
参考例 10−14 〜 10−17
(1)4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサノン16.93gとN-メチルベンジルアミン10.55mlの塩化メチレン160ml溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム19.08gを氷冷化で加え、室温で14時間撹拌する。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。得られる残渣をヘキサンに懸濁し、濾取する。この母液を濃縮し、残渣をNH-シリカゲルクロマトグラフィー、[溶媒:ヘキサン-酢酸エチル(97:3-83:17)]で精製し、さらに残渣をヘキサンに懸濁して濾取することで、先に濾取したものと合わせて、N’−ベンジル−N−tert−ブトキシカルボニル−N’−メチル−trans−1,4−シクロヘキサンジアミン13.55gを得る。
【0311】
この化合物13.53gと水酸化パラジウム-炭素2.00gのメタノール中の懸濁液を常圧、室温で5時間かけて接触水素添加する。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮することにより、N−tert−ブトキシカルボニル−N’−メチル−trans−1,4−シクロヘキサンジアミン9.93gを得る。
【0312】
(2)前記(1)で得られる化合物500mg、2-ピラジンカルボン酸326 mg、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール355mg、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート997mg、N-メチルモルホリン578μl、およびN,N-ジメチルホルムアミド11 mlの混合物を室温で14時間撹拌する。反応液に水、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。
得られる残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾取することにより、N-tert-ブトキシカルボニル−N’−メチル−N’−(2−ピラジニルカルボニル)−trans−1,4−シクロヘキサンジアミンを得る。
【0313】
ついで、この化合物420mgをジオキサン6mlに溶解し、4N塩酸-ジオキサン5mlを加えて室温で15時間撹拌する。反応液をエーテルで希釈し、析出した沈殿を濾取、エーテル洗浄することにより粉末を得る。得られた粉末を水に溶解した水溶液を炭酸カリウムで飽和し、クロロホルムで抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、N−メチル−N−(2−ピラジニルカルボニル)−trans−1,4−シクロヘキサンジアミン(表11 参考例10−14)を得る。
【0314】
また、(1)で得られる化合物および対応原料化合物(カルボン酸化合物)を用い前記と同様にして、表11の参考例10−15 〜 10−17の化合物を得る。
【0315】
参考例10−18 〜 10−20
N−tert−ブトキシカルボニル−N’−メチル−trans−1,4−シクロヘキサンジアミン(参考例10−14の(1))500mgとトリエチルアミン763μlの塩化メチレン溶液にメタンスルホニルクロリド254μlを加え、室温で14時間撹拌する。反応液に水、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出する。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去する。得られる残渣をジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾取することにより、N−tert−ブトキシカルボニル−N’−メチル−N’−メチルスルホニル−trans−1,4−シクロヘキサンジアミンを得る。ついで、この化合物を、塩酸で処理して、N−メチル−N−メチルスルホニル−trans−1,4−シクロヘキサンジアミン(表11 参考例10−18)を得る。
【0316】
また、対応原料化合物(塩化物)を用い、前記と同様にして、表11の参考例10−19 〜10−20 の化合物を得る。
【0317】
以下の表1〜表11には、上記製造例および参考例の化合物の化学構造式および物性値などを示す。(表中、「Me」はメチル基を表す。また、表中、MS・APCI(m/z)は、質量分析値(大気圧化学イオン化マススペクトル)を表す。)
また、以下の表12には、上記実験例の結果を示す。
【0318】
【表1】
Figure 0004329382
【0319】
【表2】
Figure 0004329382
【0320】
【表3】
Figure 0004329382
【0321】
【表4】
Figure 0004329382
【0322】
【表5】
Figure 0004329382
【0323】
【表6】
Figure 0004329382
【0324】
【表7】
Figure 0004329382
【0325】
【表8】
Figure 0004329382
【0326】
【表9】
Figure 0004329382
【0327】
【表10】
Figure 0004329382
【0328】
【表11】
Figure 0004329382
【0329】
【表12】
Figure 0004329382
【0330】
【表13】
Figure 0004329382
【0331】
【表14】
Figure 0004329382
【0332】
【表15】
Figure 0004329382
【0333】
【表16】
Figure 0004329382
【0334】
【表17】
Figure 0004329382
【0335】
【表18】
Figure 0004329382
【0336】
【表19】
Figure 0004329382
【0337】
【表20】
Figure 0004329382
【0338】
【表21】
Figure 0004329382
【0339】
【表22】
Figure 0004329382
【0340】
【表23】
Figure 0004329382
【0341】
【表24】
Figure 0004329382
【0342】
【表25】
Figure 0004329382
【0343】
【表26】
Figure 0004329382
【0344】
【表27】
Figure 0004329382
【0345】
【表28】
Figure 0004329382
【0346】
【表29】
Figure 0004329382
【0347】
【表30】
Figure 0004329382
【0348】
【表31】
Figure 0004329382
【0349】
【表32】
Figure 0004329382
【0350】
【表33】
Figure 0004329382

Claims (7)

  1. 一般式[I’]
    Figure 0004329382
    (式中の記号は、以下の意味を有する。
    A:−CH を表す。
    :H、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、又は低級アルコキシ低級アルキル基 を表す。
    20下記A’群置換基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基を有していてもよい環式基であって該環式基が、1−ピペリジル基、1−ピペラジニル基、4−モルホリニル基、1−インドリニル基、2−イソインドリニル基 及び チアゾロ〔5,4−b〕ピリジン−2−イル基から選択される基 を表す。
    A’群置換基:
    オキソ基、低級アルカノイル基、低級シクロアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基 および 含窒素単環式5〜6員脂肪族複素環基置換カルボニル基。
    で示される脂肪族含窒素五員環化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる医薬組成物。
  2. が水素原子又は低級アルキル基である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 以下よりなる群から選択される化合物又はその薬理的に許容しうる塩を有効成分としてなる、請求項2記載の医薬組成物:
    (S)−2−シアノ−1−〔t−4−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−1−メチル−r−1−シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン;
    (S)−2−シアノ−1−〔トランス−4−(1,3−ジオキソ−2−イソインドリニル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン;
    (S)−2−シアノ−1−(トランス−4−モルホリノシクロヘキシルアミノ)アセチルピロリジン
    (S)−2−シアノ−1−〔トランス−4−(チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル)シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン; および
    (S)−2−シアノ−1−〔t−4−(4−プロピオニル−1−ピペラジニル)−1−メチル−r−1−シクロヘキシルアミノ〕アセチルピロリジン。
  4. ジペプチジルペプチダーゼIVを阻害するために使用されるものである、請求項1〜のいずれか1項記載の医薬組成物。
  5. ジペプチジルペプチダーゼIV活性の阻害により病態の改善が見込まれる疾患の予防剤又は治療剤である、請求項1〜のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 糖尿病の予防剤又は治療剤である、請求項1〜のいずれか1項記載の医薬組成物。
  7. 2型糖尿病の予防剤又は治療剤である、請求項1〜のいずれか1項記載の医薬組成物。
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