JP4328595B2 - ネットワーク、構内交換機及びそれに用いるマルチプロトコル通信端末制御方法 - Google Patents

ネットワーク、構内交換機及びそれに用いるマルチプロトコル通信端末制御方法 Download PDF

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Description

本発明はネットワーク、構内交換機及びそれに用いるマルチプロトコル通信端末制御方法に関し、特に構内交換機(IP−PBX:Internet Protocol−Private Branch eXchange)を含むネットワークに接続される端末に関する。
従来、この種のネットワークにおいては、構内交換機に固定電話端末やPHS(Personal Handy−phone System)等の無線端末、及びVoIP(Voice over Internet Protocol)端末等をLAN(Local Area Network)で接続して構成されている。
VoIP端末としては、IP電話端末やインタネット電話端末のほかに、SIP(Session Initiation Protocol)端末がある。SIPはIP網の環境において、IPパケットという形式のデータを用いて、音声通話(固定電話、携帯電話等)をはじめ、テレビ電話等のビデオ通信やチャット(文字による会話)等のマルチメディア通信を開始したり、終了したりするために使用する通信プロトコルである。
IP網では、一般に、電子メールのように、相手との接続を確認せずに通信を行うコネクションレス型通信であるのに対し、固定電話では、一般に、相手との接続を確認して通信を行うコネクション型通信である。SIPは上記のIP網においてコネクション型通信を実現するものである。
SIPは、基本的に、INVITE(ユーザ間のセッション確立)、ACK(確認応答)、CANCEL(セッション確立中のINVITEを終了させる)、BYE(セッションの終了)等のメソッド(Method、動作)で構成され、それぞれのメソッドをクライアントとサーバとの間で、リクエストとそれに対するレスポンスとしてやりとりすることで、セッションを確立したり、終了したりしている。
また、SIPは、アプリケーションを比較的簡単に作ることができるという特徴を持つ。例えば、IP電話に用いられるITU−TのH.323に新サービスを追加する場合には、H.323付加サービスを規定するH.450.xプロトコルを追加し、ネットワーク上の全てのH.323エンド・ポイント及びゲートキーパのソフトウェアをアップデートする必要がある。しかしながら、SIPの場合には、新サービスを提供するSIPアプリケーション・サーバを追加し、このサービスを利用するクライアントにのみ、対応するアプリケーションを追加すれば、新サービスが利用可能となる。
特開平01−062934号公報 特開平03−034743号公報 "SIP:Session Initiation Protocol"[RFC(Request For Comments)3261,June 2002,8〜34ページ]
しかしながら、SIP端末間の通信においては、IETF(Internet Engineering Task Force)で定義されているサービス(例えば、転送サービス、三者通話サービス、コール・ウェイティングサービス等)しか提供することができないという問題がある。
つまり、SIP端末間の通信では、それらのSIP端末が上記のネットワークに接続されていたとしても、構内交換機が提供する豊富なサービス(例えば、コールバックサービス、内線割込みサービス、サードパーティコントロールサービス等)を受けることができないという問題がある。
また、SIP端末間の通信では、新たなサービスが追加された場合に、SIP端末(上記のクライアント)自身のソフトウェアをバージョンアップすることで、サービスを追加する必要があるという問題がある。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、SIP端末自身のソフトウェアをバージョンアップすることなく、構内交換機が提供する豊富なサービスを受けることができるネットワーク、構内交換機及びそれに用いるマルチプロトコル通信端末制御方法を提供することにある。
本発明によるネットワークは、IP(Internet Protocol)網において相手先との接続を確認して通信を行うコネクション型通信を実現するSIP(Session Initiation Protocol)によって通信を行うSIP端末と、端末間の呼接続処理を行う構内交換機とを少なくとも含むネットワークであって、
前記構内交換機のコンポーネント群の一つとして組込まれかつ前記SIPの処理を代理のユーザ・エージェントとして動作するB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化したSIP系プロトコル制御モジュールを備え
端末間におけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換を前記構内交換機を介在させて実現している。
本発明による構内交換機は、端末間の呼接続処理を行う構内交換機であって、
IP(Internet Protocol)網において相手先との接続を確認して通信を行うコネクション型通信を実現するSIP(Session Initiation Protocol)の処理を代理のユーザ・エージェントとして動作するB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化したSIP系プロトコル制御モジュールをコンポーネント群の一つとして組込み、
端末間におけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換を実現させている。
本発明によるマルチプロトコル通信端末制御方法は、IP(Internet Protocol)網において相手先との接続を確認して通信を行うコネクション型通信を実現するSIP(Session Initiation Protocol)によって通信を行うSIP端末と、端末間の呼接続処理を行う構内交換機とを少なくとも含むネットワークのマルチプロトコル通信端末制御方法であって、
代理のユーザ・エージェントとして動作するB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化されかつ前記構内交換機のコンポーネント群の一つとして組込まれたSIP系プロトコル制御モジュールに前記SIPの処理を行わせ
端末間におけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換を前記構内交換機を介在させて実現している。
すなわち、本発明の構内交換機(IP−PBX:Internet Protocol−Private Branch eXchange)は、SIP(Session Initiation Protocol)の処理をB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化し、構内交換機のコンポーネント群の一つとして組込む。構内交換機はモジュール化された各プロトコル群に対し、相互接続を提供し、また付加サービスを提供する。
これによって、標準のSIP端末と標準のSIPプロキシサーバという組合わせのシステムでは、実現のための工数を多く必要とした多彩な既存プロトコルとの接続を柔軟に実現し、同時に、現行の構内交換機が持つ豊富な付加サービスを利用することも可能となる。
また、SIPを拡張した拡張SIPプロトコルaや拡張SIPプロトコルb等のプロトコルも、上記と同様に、B2BUAの仕組みを用いてモジュール化し、構内交換機に組込むことによって、標準SIPプロトコルの範囲では実現が難しい付加サービス等も柔軟に実現することが可能になるとともに、それらの端末に対しても標準SIPプロトコル端末はもちろん、既存プロトコル端末との相互接続を提供することが可能となる。
さらに、本発明の構内交換機では、DTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換も、構内交換機が介在することで実現する。つまり、DTMF信号送受信能力の問合せに応答できない端末については、構内交換機が適切な応答を行い、両端の端末については、ネゴシエーションで確認された手段でDTMFの送受信を行う。実際のDTMF信号送信においては、構内交換機がその送信を代行する場合がある。
本発明の構内交換機では、上述した一連の処理によって、異なるプロトコル端末間でも、DTMF信号の送受信を実現することが可能となる。
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、SIP端末自身のソフトウェアをバージョンアップすることなく、構内交換機が提供する豊富なサービスを受けることができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によるネットワークの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の一実施例によるネットワークはIP−PBX(Internet Protocol−Private Branch eXchange:IP対応構内交換機)1と、プロトコルA対応端末2と、プロトコルB対応端末3と、プロトコルX対応端末4と、標準SIP(Session Initiation Protocol)プロトコル対応端末5と、拡張SIPプロトコルa対応端末6と、拡張SIPプロトコルb対応端末7と、メディアゲートウェイ8とを相互にLAN(Local Area Network)100で接続して構成され、メディアゲートウェイ8を介してインタネット200に接続されている。
図2は図1のIP−PBX1の構成を示すブロック図である。図2において、IP−PBX1はPBX付加サービス提供モジュール11と、PBX基本接続処理提供モジュール12と、既存プロトコルA制御モジュール13と、既存プロトコルB制御モジュール14と、既存プロトコルX制御モジュール15と、標準SIPプロトコル制御モジュール16と、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17と、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18と、テーブル19とから構成されている。
標準SIPプロトコル制御モジュール16、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18はそれぞれSIP系プロトコルを終端し、SIPの処理をB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化してIP−PBX1のコンポーネント群の一つとして組込まれるものであり、ハードウェアでも、またソフトウェアでも実現可能である。IP−PBX1は上記のモジュール化された各プロトコル群に対し、相互接続を提供し、また付加サービスを提供する。
ここで、B2BUAは、発信元のSIP端末からSIPリクエスト(SIPメッセージ)を受取った時に、ユーザ・エージェント・サーバとしてそのリクエスト(メッセージ)を処理する論理的なエンティティ(機能)である。また、B2BUAでは、発信元のSIP端末からのリクエストに対してどのように答えるべきかを決定するために、発信先のSIP端末に対してユーザ・エージェント・クライアントとして動作し、発信先のSIP端末へのリクエストを生成する。
つまり、B2BUAは、プライベートなユーザ・エージェントとパブリックなユーザ・エージェントとが結合されたもので、それぞれのネットワーク(端末)に対して代理のユーザ・エージェントとして動作する。
PBX付加サービス提供モジュール11はプロトコルA対応端末2、プロトコルB対応端末3、プロトコルX対応端末4、標準SIPプロトコル対応端末5、拡張SIPプロトコルa対応端末6、拡張SIPプロトコルb対応端末7に対して付加サービス(例えば、コールバックサービス、内線割込みサービス、サードパーティコントロールサービス等)を提供する。
PBX基本接続処理提供モジュール12はプロトコルA対応端末2、プロトコルB対応端末3、プロトコルX対応端末4、標準SIPプロトコル対応端末5、拡張SIPプロトコルa対応端末6、拡張SIPプロトコルb対応端末7に対して基本接続処理を提供するとともに、それらの相互接続を提供する。
既存プロトコルA制御モジュール13はプロトコルA対応端末2に対応して設けられ、プロトコルA対応端末2からの信号をIP−PBX1内部のプロトコル(以下、PBX内部プロトコルとする)の信号に変換してPBX基本接続処理提供モジュール12に送信するとともに、PBX基本接続処理提供モジュール12からの信号をプロトコルAの信号に変換してプロトコルA対応端末2に送信する。
既存プロトコルB制御モジュール14はプロトコルB対応端末3に対応して設けられ、プロトコルB対応端末3からの信号をPBX内部プロトコルの信号に変換してPBX基本接続処理提供モジュール12に送信するとともに、PBX基本接続処理提供モジュール12からの信号をプロトコルBの信号に変換してプロトコルB対応端末3に送信する。
既存プロトコルX制御モジュール15はプロトコルX対応端末4に対応して設けられ、プロトコルX対応端末4からの信号をPBX内部プロトコルの信号に変換してPBX基本接続処理提供モジュール12に送信するとともに、PBX基本接続処理提供モジュール12からの信号をプロトコルXの信号に変換してプロトコルX対応端末4に送信する。
標準SIPプロトコル制御モジュール16は標準SIPプロトコル対応端末5に対応して設けられ、標準SIPプロトコル対応端末5からの信号(リクエスト)をPBX内部プロトコルの信号に変換してPBX基本接続処理提供モジュール12に送信するとともに、PBX基本接続処理提供モジュール12からの信号(上記のリクエストに対する応答、または標準SIPプロトコル対応端末5へのリクエスト)を標準SIPプロトコルの信号に変換して標準SIPプロトコル対応端末5に送信する。
拡張SIPプロトコルa制御モジュール17は拡張SIPプロトコルa対応端末6に対応して設けられ、拡張SIPプロトコルa対応端末6からの信号(リクエスト)をPBX内部プロトコルの信号に変換してPBX基本接続処理提供モジュール12に送信するとともに、PBX基本接続処理提供モジュール12からの信号(上記のリクエストに対する応答、または拡張SIPプロトコルa対応端末6へのリクエスト)を拡張SIPプロトコルaの信号に変換して拡張SIPプロトコルa対応端末6に送信する。
拡張SIPプロトコルb制御モジュール18は、拡張SIPプロトコルb対応端末7に対応して設けられ、拡張SIPプロトコルb対応端末7からの信号(リクエスト)をPBX内部プロトコルの信号に変換してPBX基本接続処理提供モジュール12に送信するとともに、PBX基本接続処理提供モジュール12からの信号(上記のリクエストに対する応答、または拡張SIPプロトコルb対応端末7へのリクエスト)を拡張SIPプロトコルbの信号に変換して拡張SIPプロトコルb対応端末7に送信する。
ここで、既存プロトコルA制御モジュール13、既存プロトコルB制御モジュール14、既存プロトコルX制御モジュール15、標準SIPプロトコル制御モジュール16、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18にはそれぞれポート番号(ポート#1〜#6)またはIPアドレス(ローカルIPアドレスまたはグローバルIPアドレス)が割り当てられている。テーブル19はそれら割り当てられたポート番号またはIPアドレス毎に対応する端末のプロトコルが保持されており、PBX基本接続処理提供モジュール12はテーブル19を参照してポート番号またはIPアドレスからプロトコルを判定する。
図3及び図4は図1のIP−PBX1の処理動作を示すシーケンスチャートである。これら図1〜図4を参照してIP−PBX1の処理動作について説明する。これらの処理はハードウェアでも、ソフトウェア(プログラム)でも実現可能である。
まず、既存プロトコル対応端末(図1のプロトコルA対応端末2、プロトコルB対応端末3、プロトコルX対応端末4)からSIP系プロトコル対応端末(図1の標準SIPプロトコル対応端末5、拡張SIPプロトコルa対応端末6、拡張SIPプロトコルb対応端末7)に接続が要求された場合の処理について説明する。
既存プロトコル対応端末からIP−PBX1にSIP系プロトコル対応端末への接続要求が送信されると、IP−PBX1の既存プロトコル制御モジュール(図2の既存プロトコルA制御モジュール13、既存プロトコルB制御モジュール14、既存プロトコルX制御モジュール15)は既存プロトコルの通信制御にて既存プロトコル対応端末からの接続要求を受付け(図3のa1)、その既存プロトコルの接続要求をPBX内部プロトコルの信号に変換し、その信号をPBX基本接続処理提供モジュール12に送る(PBXプロトコルで処理)(図3のa2)。
PBX基本接続処理提供モジュール12は既存プロトコル対応端末からの接続要求を処理してSIP系プロトコル制御モジュール(図2の標準SIPプロトコル制御モジュール16、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18)に渡す(PBXプロトコルで処理)(図3のa3)。
SIP系プロトコル制御モジュールはPBX基本接続処理提供モジュール12からの信号をSIP系プロトコルの接続要求に変換し、その接続要求をSIP系プロトコルの通信制御にてSIP系プロトコル対応端末に送信する(図3のa4)。
以上の処理によって既存プロトコル対応端末とSIP系プロトコル対応端末との間のセッションが確立すると、既存プロトコル対応端末とSIP系プロトコル対応端末との間のメディアパケットはPeer−to−Peerで通信される(図3のa5)。但し、上記のように、一方がIP端末でない場合にはメディアパケットの通信をIP−PBX1が代行する。
尚、既存プロトコル対応端末とSIP系プロトコル対応端末との間の通信において、IP−PBX1の付加サービスを利用する場合にはその要求がPBX基本接続処理提供モジュール12からPBX付加サービス提供モジュール11へと渡されて処理される。
次に、標準SIPプロトコル対応端末5から拡張SIPプロトコルa対応端末6に接続が要求された場合の処理について説明する。
標準SIPプロトコル対応端末5からIP−PBX1に拡張SIPプロトコルa対応端末6への接続要求が送信されると、IP−PBX1の標準SIPプロトコル制御モジュール16は標準SIPプロトコルの通信制御にて標準SIPプロトコル対応端末5からの接続要求を受付け(図4のb1)、その標準SIPプロトコルの接続要求をPBX内部プロトコルの信号に変換し、その信号をPBX基本接続処理提供モジュール12に送る(PBXプロトコルで処理)(図4のb2)。
PBX基本接続処理提供モジュール12は標準SIPプロトコル対応端末5からの接続要求を処理して拡張SIPプロトコルa制御モジュール17に渡す(PBXプロトコルで処理)(図4のb3)。
拡張SIPプロトコルa制御モジュール17はPBX基本接続処理提供モジュール12からの信号を拡張SIPプロトコルaの接続要求に変換し、その接続要求を拡張SIPプロトコルaの通信制御にて拡張SIPプロトコルa対応端末6に送信する(図4のb4)。
以上の処理によって標準SIPプロトコル対応端末5と拡張SIPプロトコルa対応端末6との間のセッションが確立すると、標準SIPプロトコル対応端末5と拡張SIPプロトコルa対応端末6との間のメディアパケットはPeer−to−Peerで通信される(図4のb5)。
図5〜図7は図1のIP−PBX1を介した呼接続処理を示すシーケンスチャートである。これら図1と図2と図5〜図7とを参照してIP−PBX1を介した呼接続処理について説明する。
拡張SIPプロトコルa対応端末6がIP−PBX1を介して標準SIPプロトコル対応端末5に呼接続処理を行う場合、IP−PBX1では標準SIPプロトコル制御モジュール16が拡張SIPプロトコルa対応端末6に対してユーザ・エージェント・サーバとして動作し(図5のc2,c3,c7,c8,c10,c15,c18,c20)、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17に対してユーザ・エージェント・クライアントとして動作する。
拡張SIPプロトコルa制御モジュール17は標準SIPプロトコル制御モジュール16に対してユーザ・エージェント・サーバとして動作し、標準SIPプロトコル対応端末5にに対してユーザ・エージェント・クライアントとして動作する(図5のc5,c11,c16)。
つまり、拡張SIPプロトコルa対応端末6がIP−PBX1に「INVITE」を送ると(図5のc1)、IP−PBX1は拡張SIPプロトコルa対応端末6に「100 TRYING」、「INFO(Dial Tone)」を返す(図5のc2,c3)。その後、拡張SIPプロトコルa対応端末6からIP−PBX1に「INFO(DIGIT)」が送られてくると(図5のc4)、IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5に「INVITE」を送る(図5のc5)。
IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5から「180 RINGING」が送られてくると(図5のc6)、拡張SIPプロトコルa対応端末6に「INFO(Ring Back Tone)」、「180 RINGING」を送る(図5のc7,c8)。この後、IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5から「200 OK」が送られてくると(図5のc9)、拡張SIPプロトコルa対応端末6に「200 OK」を送る(図5のc10)。
IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5に「ACK」を送り(図5のc11)、拡張SIPプロトコルa対応端末6から「ACK」を受取る(図5のc12)。これによって、拡張SIPプロトコルa対応端末6と標準SIPプロトコル対応端末5との間は「通話(RTP;Realtime Transport Protocol)」状態となる(図5のc13)。
IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5から「BYE」が送られてくると(図5のc14)、「reINVITE(RTP切)」を拡張SIPプロトコルa対応端末6に送り(図5のc15)、「200 OK」を標準SIPプロトコル対応端末5に返す(図5のc16)。
IP−PBX1は拡張SIPプロトコルa対応端末6から「200 OK」が返ってくると(図5のc17)、「INFO(Busy Tone)」を拡張SIPプロトコルa対応端末6に送り(図5のc18)、拡張SIPプロトコルa対応端末6から呼の切断による「BYE」が送られてくると(図5のc19)、「200 OK」を拡張SIPプロトコルa対応端末6に返す(図5のc20)。
ここで、「INVITE」は参加者間でセッションを確立するために使用されるメソッド、「100 TRYING」は試行中を示し、「INFO」は情報を通知する時に使用するメソッド、「180 RINGING」は呼出中を示し、「200 OK」は成功応答を示し、「ACK」はセッションの確立許可に使用されるメソッド、「BYE」はセッションを終了するために使用するメソッドである。
一方、ISDN(Integrated Services Digital Network)端末(図示せず)がIP−PBX1を介して標準SIPプロトコル対応端末5に呼接続処理を行う場合、IP−PBX1はISDN端末が発信して「SETUP」を送ってくると(図6のd1)、標準SIPプロトコル対応端末5に「INVITE」を送り(図6のd2)、ISDN端末に「CALL PROC」を送る(図6のd3)。
IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5から「180 RINGING」が送られてくると(図6のd4)、ISDN端末に「ALERT」を送り(図6のd5)、標準SIPプロトコル対応端末5が応答して「200 OK」を送ってくると(図6のd6)、ISDN端末に「CONN」を送る(図6のd7)。これによって、ISDN端末と標準SIPプロトコル対応端末5との間は「インバウンド」、「通話(RTP)」の状態となる(図6のd8,d9)。
IP−PBX1はISDN端末から「DISC」が送られてくると(図6のd10)、標準SIPプロトコル対応端末5に「BYE」を送り(図6のd11)、ISDN端末に「REL」を送る(図6のd12)。この後、IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5から「200 OK」が、ISDN端末から「RELCOM」がそれぞれ送られてくると(図6のd13,d14)、処理を終了する。
また、アナログ端末(図示せず)がIP−PBX1を介して標準SIPプロトコル対応端末5に呼接続処理を行う場合、IP−PBX1はアナログ端末が「発信」を送ってくると(図7のe1)、標準SIPプロトコル対応端末5に「INVITE」を送る(図7のe2)。
これによって、標準SIPプロトコル対応端末5からIP−PBX1に対して「180 RINGING」、「200 OK」が送られてくると(図7のe3,e4)、アナログ端末と標準SIPプロトコル対応端末5との間は「インバウンド」、「通話(RTP;Realtime Transport Protocol)」の状態となる(図7のe5,e6)。
IP−PBX1はアナログ端末から「切断」が送られてくると(図7のe7)、標準SIPプロトコル対応端末5に「BYE」を送る(図7のe8)。この後、IP−PBX1は標準SIPプロトコル対応端末5から「200 OK」が送られてくると(図7のe9)、処理を終了する。
これによって、本実施例では、標準のSIP端末及び標準のSIPプロキシサーバという組合せのシステムにおいて、その実現のための工数を多く必要とした多彩な既存プロトコルとの接続を柔軟に実現することができ、同時に、現行のIP−PBX1が持つ豊富な付加サービスを利用することができる。
また、本実施例では、SIPプロトコルを拡張した拡張SIPプロトコルaや拡張SIPプロトコルb等のプロトコルも、上記と同様に、B2BUAの仕組みを用いてモジュール化し、IP−PBX1に組込むことによって、標準SIPプロトコルの範囲では実現が難しい付加サービス等も柔軟に実現することができるとともに、それらの端末に対しても標準SIPプロトコル端末5はもちろん、既存プロトコル端末との相互接続を提供することができる。
図8は図1のIP−PBX1が介在するDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換処理を示すシーケンスチャートである。この図8を参照してIP−PBX1が介在するDTMF信号送受信能力の交換処理について説明する。
本実施例では、DTMF信号送受信能力の交換処理もIP−PBX1が介在して実現する。能力問合せに応答することができない端末については、IP−PBX1が適切な応答を行う。両端の端末はネゴシエーションで確認された手段でDTMFの送受信を行う。実際のDTMF信号送信においては、IP−PBXが送信を代行する場合がある。
つまり、端末#1と端末#2との間において、メディアパケットがPeer−to−Peerで通信中に(図8のf1)、端末#1からDTMF能力問合せが送られてくると(図8のf2)、IP−PBX1は端末#2にDTMF能力問合せを送る(図8のf3)。
IP−PBX1は端末#2からDTMF能力応答が返ってくると(図8のf4)、端末#1にDTMF能力応答を返す(図8のf5)。この後、DTMF情報の送受信はネゴシエーション結果に応じて、Peer−to−PeerまたはIP−PBX1経由で行われる(図8のf6)。
一方、端末#2が問合せに応答できない端末の場合、IP−PBX1が端末#2のDTMF能力を代理応答する。つまり、端末#1からDTMF能力問合せが送られてくると(図8のf2)、IP−PBX1は端末#2にDTMF能力問合せを送らず、端末#1にDTMF能力応答を返す(図8のf5)。この後、DTMF情報の送受信はネゴシエーション結果に応じて、Peer−to−PeerまたはIP−PBX1経由で行われる(図8のf6)。
これら一連の処理によって、本実施例では異なるプロトコル端末間でも、DTMF信号の送受信を実現することができる。
このように、本実施例では、IP−PBX1のサービスにSIPに準拠するクライアント端末を組入れることができ、SIPクライアント端末に対し、現行のIP−PBX1がサポートする多様なプロトコルに対応した端末への自由な相互接続を提供するとともに、現行のIP−PBX1の持つ豊富な付加サービスを提供することができる。
図9は本発明の他の実施例によるIP−PBXの構成を示すブロック図である。図9において、本発明の他の実施例によるIP−PBX1aは標準SIPプロトコル制御モジュール16と拡張SIPプロトコルa制御モジュール17と拡張SIPプロトコルb制御モジュール18とにおける共通処理をモジュール化したSIP系プロトコル共通処理モジュール20,21を設けた以外は図2に示す本発明の一実施例によるIP−PBX1と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
但し、標準SIPプロトコル制御モジュール16、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18は共通処理を省いてモジュール化したものである。この共通処理としては、例えばコンタクトインフォメーションを登録するためのSIP系プロトコルレジストラモジュール21aがある。
尚、本実施例では、SIP系プロトコル共通処理モジュール20,21を、標準SIPプロトコル制御モジュール16、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18に対してLAN100側とPBX基本接続処理提供モジュール12側とにそれぞれ設けているが、これらを一つのモジュールで実現することも可能である。
また、上述した本発明の一実施例では標準SIPプロトコル制御モジュール16、拡張SIPプロトコルa制御モジュール17、拡張SIPプロトコルb制御モジュール18にそれぞれポート#4〜#6を割当てているが、本実施例ではSIP系プロトコル共通処理モジュール20に共通のポート#kを割当てている。
これら一連の処理によって、本実施例では異なるプロトコル端末間でも、DTMF信号の送受信を実現することができる。また、本実施例では、IP−PBX1のサービスにSIPに準拠するクライアント端末を組入れることができ、SIPクライアント端末に対し、現行のIP−PBX1がサポートする多様なプロトコルに対応した端末への自由な相互接続を提供するとともに、現行のIP−PBX1の持つ豊富な付加サービスを提供することができる。
本発明は、上記のように、LAN等のネットワーク内でのSIP端末に対する構内交換機のサービスの提供のみならず、インタネット等の外部のIP網を介した呼接続処理にも適用可能である。また、本発明は、IP網経由でPBX機能を提供するIPセントレックス(centrex)にも適用可能である。
本発明の一実施例によるネットワークの構成を示すブロック図である。 図1のIP−PBXの構成を示すブロック図である。 図1のIP−PBXの処理動作を示すシーケンスチャートである。 図1のIP−PBXの処理動作を示すシーケンスチャートである。 図1のIP−PBXを介した呼接続処理を示すシーケンスチャートである。 図1のIP−PBXを介した呼接続処理を示すシーケンスチャートである。 図1のIP−PBXを介した呼接続処理を示すシーケンスチャートである。 図1のIP−PBXが介在するDTMF信号送受信能力の交換処理を示すシーケンスチャートである。 本発明の他の実施例によるIP−PBXの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,1a IP−PBX
2 プロトコルA対応端末
3 プロトコルB対応端末
4 プロトコルX対応端末
5 標準SIPプロトコル対応端末
6 拡張SIPプロトコルa対応端末
7 拡張SIPプロトコルb対応端末
8 メディアゲートウェイ
11 PBX付加サービス提供モジュール
12 PBX基本接続処理提供モジュール
13 既存プロトコルA制御モジュール
14 既存プロトコルB制御モジュール
15 既存プロトコルX制御モジュール
16 標準SIPプロトコル制御モジュール
17 拡張SIPプロトコルa制御モジュール
18 拡張SIPプロトコルb制御モジュール
19 テーブル
20,21 SIP系プロトコル共通処理モジュール
21a SIP系プロトコルレジストラモジュール
100 LAN

Claims (15)

  1. IP(Internet Protocol)網において相手先との接続を確認して通信を行うコネクション型通信を実現するSIP(Session Initiation Protocol)によって通信を行うSIP端末と、端末間の呼接続処理を行う構内交換機とを少なくとも含むネットワークであって、
    前記構内交換機のコンポーネント群の一つとして組込まれかつ前記SIPの処理を代理のユーザ・エージェントとして動作するB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化したSIP系プロトコル制御モジュールを有し、
    端末間におけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換を前記構内交換機を介在させて実現することを特徴とするネットワーク。
  2. 前記SIPは、IPパケットという形式のデータを用いてマルチメディア通信を開始したり、終了したりするために使用する通信プロトコルであることを特徴とする請求項1記載のネットワーク。
  3. 前記SIP系プロトコル制御モジュールは、各々異なるプロトコルを持つ複数のSIP端末各々に対応して配設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワーク。
  4. 前記構内交換機は、モジュール化された各プロトコル群に対して相互接続及び付加サービスのうちの少なくとも一方を提供することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載のネットワーク。
  5. 前記DTMF信号送受信能力の交換が不可の端末における前記DTMF信号の送信を前記構内交換機が代行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載のネットワーク。
  6. 端末間の呼接続処理を行う構内交換機であって、
    IP(Internet Protocol)網において相手先との接続を確認して通信を行うコネクション型通信を実現するSIP(Session Initiation Protocol)の処理を代理のユーザ・エージェントとして動作するB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化したSIP系プロトコル制御モジュールをコンポーネント群の一つとして組込み、
    端末間におけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換を実現させることを特徴とする構内交換機。
  7. 前記SIPは、IPパケットという形式のデータを用いてマルチメディア通信を開始したり、終了したりするために使用する通信プロトコルであることを特徴とする請求項6記載の構内交換機。
  8. 前記SIP系プロトコル制御モジュールは、各々異なるプロトコルを持つ複数のSIP端末各々に対応して配設したことを特徴とする請求項6または請求項7記載の構内交換機。
  9. モジュール化された各プロトコル群に対して相互接続及び付加サービスのうちの少なくとも一方を提供することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか記載の構内交換機。
  10. 前記DTMF信号送受信能力の交換が不可の端末における前記DTMF信号の送信を代行することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか記載の構内交換機。
  11. IP(Internet Protocol)網において相手先との接続を確認して通信を行うコネクション型通信を実現するSIP(Session Initiation Protocol)によって通信を行うSIP端末と、端末間の呼接続処理を行う構内交換機とを少なくとも含むネットワークのマルチプロトコル通信端末制御方法であって、
    代理のユーザ・エージェントとして動作するB2BUA(Back To Back User Agent)の仕組みを用いてモジュール化されかつ前記構内交換機のコンポーネント群の一つとして組込まれたSIP系プロトコル制御モジュールに前記SIPの処理を行わせ、
    端末間におけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号送受信能力の交換を前記構内交換機を介在させて実現することを特徴とするマルチプロトコル通信端末制御方法。
  12. 前記SIPは、IPパケットという形式のデータを用いてマルチメディア通信を開始したり、終了したりするために使用する通信プロトコルであることを特徴とする請求項11記載のマルチプロトコル通信端末制御方法。
  13. 前記SIP系プロトコル制御モジュールを、各々異なるプロトコルを持つ複数のSIP端末各々に対応して配設したことを特徴とする請求項11または請求項12記載のマルチプロトコル通信端末制御方法。
  14. 前記構内交換機が、モジュール化された各プロトコル群に対して相互接続及び付加サービスのうちの少なくとも一方を提供することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか記載のマルチプロトコル通信端末制御方法。
  15. 前記構内交換機が、前記DTMF信号送受信能力の交換が不可の端末における前記DTMF信号の送信を代行することを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか記載のマルチプロトコル通信端末制御方法。
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