JP4328585B2 - 切線加工工具の劣化状態検知方法および切線加工装置 - Google Patents

切線加工工具の劣化状態検知方法および切線加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、板ガラスにカッタホイール等の切線加工工具を押圧して前記板ガラスに切線を加工する切線加工装置における前記工具の劣化状態検知方法および切線加工装置に関するものである。
従来から板ガラスの切断加工では、まず、カッタホイール等の切線加工工具により板ガラスに切線を形成することによりメディアンクラックと呼ばれる板ガラスの厚み方向に延びる亀裂を形成し、この切線加工の後、切線に沿って板ガラスを折ることにより所望の形状に切断することが一般に行われる。
このような板ガラスの切断加工では、切線加工の善し悪しがガラスの切断形状や切断面の品質に大きな影響を与えるため、磨耗等の劣化の程度に応じて適当な時期にカッタホイールを交換することが必要となる。しかし、カッタホイールの劣化状態を正確に判定することは困難であり、従来は、実際の劣化状態に拘わらず、形成した切線の総長さが所定値に達するとカッタホイールを交換するようにしていた。そのため、実際には使用可能なカッタホイールが交換されたり、逆に、交換時期に達していないカッタホイールであっても実際には劣化がかなり進行していて加工精度に影響を与えてしまうことがあった。
そこで、近年では、切線加工中の振動音がカッタホイールの劣化状態に応じて変化することを利用し、切線加工中の振動音の検出値とその基準値とを比較してカッタホールの劣化状態を検知することにより、適切な時期にカッタホイールを交換し得るようにした板ガラスの切断方法(装置)が提案されている(特許文献1)。
特開平8−225332号公報
ところが、切線加工中の振動音を検出してカッタホイールの劣化状態を判定する上記文献1の方法(装置)では、駆動系の振動音等、加工に伴う種々のノイズも同時に検出されることとなるため、カッタホイールの劣化状態を正確に判定することは困難である。つまり、判定の信頼性に欠けるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、カッタホイールの劣化状態をより正確に検知することができる切線加工工具の劣化状態検知方法および切線加工装置を提供することを目的としている。
上記の事情のもと、出願人は、摩耗が進行するなどして切線加工工具が劣化してくると、切線に沿って板ガラスの表面に沿って広がる所謂ラテラルクラックと呼ばれる亀裂が発生し易くなることに着目した。そして、このラテラルクラックは切線加工中のみならず、切線加工後(切線加工工具が板ガラスから離れた後)も時間差をもって進行する点に特に着目し、次のような方法を発明した。すなわち、本発明は、板ガラスの表面に切線加工工具を押圧した状態で該工具と板ガラスとを相対的に移動させることにより板ガラス表面に切線を形成する切線加工装置における前記工具の劣化状態検知方法であって、前記切線加工後の期間に前記板ガラスの振動状態を検出し、この振動状態のピーク値又は振幅がその基準値を設定回数だけ超えた場合に前記切線加工工具劣化したと判断するようにしたものである。
つまり、板ガラスの振動状態を調べればラテラルクラックの発生状況を検知することが可能であり、このラテラルクラックは上記のように切線加工工具の劣化状態と因果関係があるため、板ガラスの振動状態からラテラルクラックの発生状況を調べることにより切線加工工具の劣化状態を間接的に検知することが可能となる。この方法では、切線加工後の板ガラスの振動状態に基づいて切線加工工具の劣化状態を調べるため、駆動系の振動等によるノイズの影響を受けることなく前記工具の劣化状態を検知することが可能となる。
なお、板ガラスにラテラルクラックが発生すると、これに伴い板ガラスからはAE波(Acoustic Emission)が発生することとなる。そのため、前記振動状態として板ガラスのAE波を検出するようにすれば、より正確なラテラルクラックの発生状況を検知することが可能となり、切線加工工具の劣化状態を調べる上で有利になる。
また、切線加工直後は駆動系の振動等の余韻が残っているためラテラルクラックによる板ガラスの振動状態だけを検出することが難しい。そのため、上記の方法においては、切線加工後の期間のうち直後の一定期間を除く特定期間における前記板ガラスの振動状態に基づいて前記劣化状態を検知するようにするのが好ましい。
一方、本発明の切線加工装置は、板ガラスの表面に切線加工工具を押圧した状態で該工具と板ガラスとを相対的に移動させることにより板ガラス表面に切線を形成する切線加工装置において、前記板ガラスの振動状態を検出可能な振動状態検出手段と、この振動状態検出により検出される板ガラスの振動状態に基づいて前記切線加工工具の劣化状態を検知する劣化状態検知手段と、前記切線加工工具が板ガラスから離れることにより切線加工が終了したことを検知する終了検知手段とを備え、前記劣化状態検知手段は、終了検知手段により切線加工の終了が検知された後の期間に振動状態検出手段により検出される前記板ガラスの振動状態のピーク値又は振幅がその基準値を設定回数だけ超えた場合に前記切線加工工具が劣化したと判断するように構成されているものである。
この装置によると、切線加工工具の劣化状態が自動的に調べられる。すなわち、終了検知手段により切線加工が終了したことが検知されると、劣化状態検知手段により、振動状態検出手段によって検出される板ガラスの振動状態に基づいて切線加工工具の劣化状態が調べられることとなる。
なお、上述した通り、板ガラスにラテラルクラックが発生すると、これに伴い板ガラスからはAE波が発生するので、前記振動状態検出手段としてはAEセンサが備えられているのが好ましい。この装置構成によると、板ガラスから発せられるAE波がAEセンサにより検出され、このAEセンサからの出力に基づいて前記劣化状態検知手段において切線加工工具の劣化状態が調べられることとなる。
また、前記振動状態検出手段は、切線加工時に前記板ガラスを支持するテーブルに搭載される。これにより板ガラスの振動状態がテーブルを介して間接的に検出されることとなる。
本発明は、板ガラスにカッタホイール等の切線加工工具を押し付けて板ガラス表面に切線を形成する切線加工装置における前記工具の劣化状態の検知に関し、上記のように切線加工後の板ガラスの振動状態を調べ、この振動状態に基づいて切線加工工具の劣化状態を検知するようにしたので、駆動系の振動等によるノイズの影響を殆ど受けることなく切線加工工具の劣化状態を検知することができる。従って、切削加工工具の劣化状態をより正確に検知することができるようになるという効果がある。
本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1および図2は本発明にかかる切線加工装置を概略的に示しており、図1は同装置を側面図で、また図2は同装置を正面図でそれぞれ示している。
これらの図において切線加工装置は、切線を形成するカッタホイール20を下端に備えた加工用ヘッド10と、この加工用ヘッド10の下側に配置され、ワークである板ガラスGを支持するテーブル11とを有している。
前記加工用ヘッド10は、テーブル11の上方に設けられる高架のフレーム(図示省略)に対して水平一方向(図1では左右方向)に移動可能に支持されており、モータを駆動源とする駆動機構(図示せず)により駆動されるようになっている。
この加工用ヘッド10には、加圧機構12と、当該機構に連結されて上下方向に移動するシャフト14とが設けられており、このシャフト14の下端部にホルダー18を介して前記カッタホイール20(切線加工工具)が装着されている。
加圧機構12は、前記シャフト14を上下方向に進退駆動するエアシリンダと、シャフト14を下向きに付勢するコイルバネを備えており、前記エアシリンダの作動によりシャフト14を上下方向に進退駆動することによりカッタホイール20を板ガラスGに対して接離させるように構成されている。
そして、シャフト14の前進駆動時にはコイルバネの弾発力によりカッタホイール20を板ガラスGに対して押圧し、この押圧により板ガラスGに切線を形成するように構成されている。詳しく説明すると、この切線加工装置では、シャフト14を前進駆動した状態で前記加工用ヘッド10の移動に伴いカッタホイール20を板ガラスGの面外(側方)から面内に移動させるようになっており、シャフト14の前進駆動状態では、カッタホイール20の下端が切線の切り込み深さ分だけ板ガラス表面よりも下方に位置するように構成されている。従って、カッタホイール20が板ガラスGの面外(側方)から面内へと移動すると、シャフト14がコイルバネの弾発力に抗して押し上げられることによりカッタホイール20が所定圧力で板ガラスGに押圧され、この状態でカッタホイール20が板ガラスG上を移動する結果、板ガラスG上に切線が形成されるようになっている。
なお、前記加圧機構12には変位センサ13(終了検知手段)が組込まれており、シャフト14の前進駆動状態を基準位置としてその位置からの変位量、つまりコイルバネの弾発力に抗して前記シャフト14が押し上げられたときのその変位量を検出し、その変位量に応じた電圧レベルの信号を後記制御装置30に出力するようになっている。
前記カッタホイール20は、外周面が尖った円板型の工具で支持軸を介して前記ホルダー18に水平軸回りに回転自在に支持されている。ホルダー18は、ベアリング16を介して前記シャフト14に鉛直軸回りに回転自在に支持されている。ホルダー18の回転軸中心と前記カッタホイール20の回転軸中心とは加工用ヘッド10の移動方向に僅かにオフセットされており、これにより切線加工時には、加工用ヘッド10の移動に追従してカッタホイール20がその方向に指向し得るように構成されている。
一方、上記テーブル11は図外の基台上に支持されている。テーブル11は、前記加工用ヘッド10の移動方向と直交する方向(水平面上で直交する方向)に移動可能に支持されており、モータを駆動源とする駆動機構(図示せず)により駆動されるようになっている。この構成により、例えば、テーブル11を移動させて板ガラスGを一定のピッチで送ることにより板ガラスGに複数本の平行な切線を形成することができ、また、加工用ヘッド10とテーブル11を同時に駆動することにより板ガラスGに対して斜め方向、あるいは曲線的な切線を形成することができるようになっている。
テーブル11の上面にはガラスGの載置部が設けられている。この載置部には例えば一乃至複数の吸引口が設けられており、この吸引口を介して板ガラスGが吸引されることにより前記載置部上に板ガラスGが吸着された状態で保持されるように構成されている。
また、テーブル11にはAE(Acoustic Emission)センサ22が設けられている。このAEセンサ22は、板ガラスGにクラックが生じた時に発生する弾性波(AE波)を検出するもので、AE波の大きさに応じた電圧レベルの信号を制御装置30に出力するものである。
AEセンサ22は、図1および図2に示すようにテーブル11の裏側(すなわち、板ガラスGの載置部とは反対側)に取付けられており、テーブル11を介して板ガラスGの前記AE波を検出するようになっている。
なお、上記切線加工装置には、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成される制御装置30が設けられている。
この制御装置30は、切線加工装置を統括的に制御する主制御部32と、前記カッタホイール20の劣化(摩耗)状態を検出するカッタ劣化状態検知部34とを機能的に含んでいる。
カッタ劣化状態検知部34は、前記AEセンサ22により検出されるAE波に基づいてカッタホイール20の劣化状態を検知するもので、カッタホイール20が一定の劣化レベルを超えている場合には主制御部32に検知信号を出力するように構成されている。
具体的には、切線加工後のAE波が予め設定されている閾値(基準値)を設定回数(例えば3回)だけ超えたときに検知信号を出力するように構成されている。
例えば、図3は、新品のカッタホイール20を使って切線加工を行った場合のAE波(上段のグラフ)の変化と、カッタホイール20の変位量(前記変位センサ13の出力値;下段のグラフ)とを対比して時刻歴で示したグラフであるが、前記閾値として例えばこの図の破線に示すように切線加工中(下段のグラフの変位量が大きい箇所)に発生するAE波のレベルよりもやや低いレベルの値が設定されており、前記カッタ劣化状態検知部34は、切線加工終了後、すなわち変位センサ13による検出値が「0」となった後の一定期間のAE波(ピーク値)が前記閾値を何回超えたかをカウントし、このカウント値が設定値を超えた場合に、カッタホイール20が一定レベル以上劣化していると判断して前記検知信号を出力するように構成されている。
つまり、摩耗(劣化)が進行したカッタホイール20を使って切線加工を行うと、板ガラスGの表面に沿って広がる所謂ラテラルクラックと呼ばれる亀裂が発生し易くなり、このラテラルクラックが切線加工後も時間差をもって継続的に発生する。そのため、ピーク値の大きいAE波が切線加工後も継続的に板ガラスGから発せられることとなる。従って、上記のように閾値を設定し、切線加工後、前記閾値を超えるAE波(ピーク値)の数をカウントすることにより、逆に、ラテラルクラックの発生状況を介してカッタホイール20の劣化状態を間接的に検知することができることとなる。
なお、当実施形態では、切線加工後の期間のうち直後の一定期間(例えば0.5s;図3中の時点t1〜t2)を除く特定期間(図3中の判定期間)における板ガラスGのAE波に基づいてカッタホイール20の前記劣化状態を検知するようにカッタ劣化状態検知部34が構成されている。つまり、切線加工直後は、加工振動やカッタホイール20が板ガラスGから離れる際の振動が残存していることが考えられるため、上記のように切線加工直後の一定期間を除いてカッタホイール20の劣化状態を調べることにより、信頼性を高め得るように構成されている。
また、前記制御装置30には、切線加工装置の制御状態を表示するためのモニター36が接続されており、カッタ劣化状態検知部34から前記検知信号が出力されると、カッタホイール20の交換時期をオペレータに報知すべく主制御部32は、前記モニター36に対して制御信号を出力するように構成されている。
次に、前記制御装置30の制御に基づく切線加工動作についてその作用と共に説明する。
まず、板ガラスGがテーブル11上に搬入され、前記載置部に位置決めされた状態でセットされた後、図外の操作パネル上のスイッチがオペレータにより操作されることにより切線加工が開始される。
切線加工が開始されると、板ガラス面外の初期位置にある加工用ヘッド10が加工開始位置にセットされる。この際、必要に応じてテーブル11が移動する。そして、前記加圧機構12の作動によりシャフト14が前進位置にセットされた後、加工用ヘッド10の移動が開始され、これによりカッタホイール20が板ガラスGの面外(側方)から面内へと一定速度で移動する。このようにしてカッタホイール20が板ガラスGの面内へと移動すると、上述したようにシャフト14がコイルバネの弾発力に抗して押し上げられることによってカッタホイール20が所定圧力で板ガラスGに押圧され、この状態でカッタホイール20が板ガラス上を移動する結果、板ガラスG上に切線が形成されることとなる。
そして、カッタホイール20が板ガラスGの末端部分に到達してその面内から面外に移動すると、前記加圧機構12の作動によりシャフト14が後退位置にリセットされ、その後、加工用ヘッド10が初期位置に戻され、これにより当該板ガラスGに対する切線加工が終了する。
切線加工が終了すると、つまりカッタホイール20が板ガラスGの面内から面外へと移動して前記変位センサ13による検出値が「0」となると、その一定期間経過後の時点から前記AEセンサ22により検出されるAE波のうち前記閾値を超えるもの数がカウントされる。そして、この値が設定値(例えば3回)を超えると、カッタホイール20の交換時期を示すメッセージがモニター36に表示される。例えば、図4は、磨耗が進行したカッタホイール20を使って切線加工を行った場合のAE波(上段のグラフ)の変化と、カッタホイール20の変位量(下段のグラフ)とを対比して時刻歴で示したグラフであるが、このように切線加工後(t2時点以降)のAE波のうち前記閾値を超える回数が設定値を超える場合には、カッタホイール20の交換時期を示すメッセージがモニター36に表示されることとなる。
これに対して、例えば図3に示したように、切線加工後、前記閾値を超えるAE波の数が設定値に満たない場合には、例えばモニター36に作業が良好に終了した旨の表示されて一連の切線加工動作が終了することとなる。
以上説明したように、上記の切線加工装置では、カッタホイール20の磨耗(劣化)に起因して切線加工後もラテラルクラックが時間差をもって発生する点を利用し、上述のように、切線加工後に板ガラスGから発生するAE波を検出してカッタホイール20の劣化状態を検知するようにしているので、カッタホイールの劣化状態に関するパラメータ(すなわちAE波)の検出に際して駆動系の振動等によるノイズの影響を受けることがなく、そのためカッタホイール20の劣化状態をより正確に検知することができる。
従って、従来のこの種の装置、すなわち、カッタホイールの劣化状態に関するパラメータとして切線加工中の振動音を検出し、この振動音に基づいてカッタホイールの劣化状態を検知する装置と比較すると、より正確にカッタホイール20の劣化状態を検知することが可能となり、カッタホイール20をその劣化状態に応じたより適切な時期に交換することができるようになる。
特に、上記切線加工装置では、切線加工後直後の一定期間(時点t1〜t2)を除く特定期間の板ガラスGのAE波に基づいて劣化状態を検知することにより、加工振動やカッタホイール20が板ガラスGから離れる際の振動による影響を排除するようにしているので、ラテラルクラックによるAE波だけを精度よく検出してカッタホイール20の劣化状態を正確に検知することができる。従って、当該検知の信頼性が非常に高いものになる。
なお、以上説明した切線加工装置(切線加工工具の劣化状態検知方法)は、本発明を実施するための最良の形態の一つであって、その具体的な構成(方法)は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態の切線加工装置(切線加工工具の劣化状態検知方法)では、板ガラスGの振動状態としてAE波を検出しているが、例えばラテラルクラックの発生に伴う板ガラスGの振動そのものを変位センサ等で検出するようにしてもよい。また、振動音を検出するようにしてもよい。要は、カッタホイールの劣化状態に関するパラメータとしてラテラルクラックの発生に伴う板ガラスGの振動状態を何らかのかたちで検出し、その検出値に基づいてカッタホイールの劣化状態を検知するようにすればよい。
また、上記実施形態では、カッタホイール20の劣化状態を判断する際に、閾値を超えるAE波の数と設定値(例えば3回)とを比較しているが、AE波(ピーク値)の平均値、あるいはAE波の振幅の平均値等を所定の設定値(基準値)と比較してカッタホイール20の劣化状態を検知するようにしてもよい。なお、上記のように板ガラスGの変位(振動そのもの)や振動音を検出する場合には、例えば、その最大値、最小値、あるいは平均値等を設定値(基準値)と比較するようにすればよい。
また、上記実施形態では、加工振動やカッタホイール20が板ガラスGから離れる際の振動の影響を排除すべく、切線加工後の期間のうち直後の一定期間(図3,図4中の時点t1〜t2)を除く特定期間(図3中の判定期間)におけるAE波に基づいてカッタホイール20の劣化状態を検知するように構成されているが、加工振動等による影響がない場合や無視できる程度のものである場合には、切線加工直後、つまり前記変位センサ13による検出値が「0」となる時点から一定期間のAE波に基づいてカッタホイール20の劣化状態を検知するように構成してもよい。これによれば切線加工後、より早いタイミングでカッタホイール20の劣化状態を検知できるようになるというメリットがある。
また、上記実施形態では、板ガラスGを支持するテーブル11の下面にAEセンサ22を設け、板ガラスGからのAE波をテーブル11を介して検出するようにしているが、AEセンサ22をテーブル11の前記載置部に埋め込んだ状態で設け、直接テーブル11に接触させ得るように構成してもよい。この構成によれば、板ガラスGから直接AE波を検出することができるため、検出されるAE波の信頼性が向上し、カッタホイール20の劣化状態をより一層正確に検知することが可能となる。
本発明にかかる切線加工装置(本発明にかかる切線加工工具の劣化状態検知方法を実施可能な切線加工装置)の要部を示す側面図である。 上記切線加工装置(制御系を含む)の要部を示す正面図である。 切線加工を行ったときのAE波とカッタホイールの変位量とを対比して時刻歴で示したグラフである(新品(良品)のカッタホイールを使用した時)。 切線加工を行ったときのAE波とカッタホイールの変位量とを対比して時刻歴で示したグラフである(劣化(摩耗が進行)したカッタホイールを使用した時)。
符号の説明
10 加工用ヘッド
11 テーブル
12 加圧機構
13 変位センサ(終了検知手段)
20 カッタホイール(切線加工工具)
22 AEセンサ(振動状態検出手段)
30 制御装置
32 主制御部
34 カッタ劣化状態検知部(劣化状態検知手段)
G 板ガラス

Claims (6)

  1. 板ガラスの表面に切線加工工具を押圧した状態で該工具と板ガラスとを相対的に移動させることにより板ガラス表面に切線を形成する切線加工装置における前記工具の劣化状態検知方法であって、
    前記切線加工後の期間に前記板ガラスの振動状態を検出し、この振動状態のピーク値又は振幅がその基準値を設定回数だけ超えた場合に前記切線加工工具劣化したと判断することを特徴とする切線加工工具の劣化状態検知方法。
  2. 請求項1に記載の切線加工工具の劣化状態検知方法において、
    前記振動状態として板ガラスのAE波を検出することを特徴とする切線加工工具の劣化状態検知方法。
  3. 請求項1又は2に記載の切線加工工具の劣化状態検知方法において、
    前記切線加工後の期間のうち直後の一定期間を除く特定期間における前記板ガラスの振動状態に基づいて前記劣化状態を検知することを特徴とする切線加工工具の劣化状態検知方法。
  4. 板ガラスの表面に切線加工工具を押圧した状態で該工具と板ガラスとを相対的に移動させることにより板ガラス表面に切線を形成する切線加工装置において、
    前記板ガラスの振動状態を検出可能な振動状態検出手段と、
    この振動状態検出により検出される板ガラスの振動状態に基づいて前記切線加工工具の劣化状態を検知する劣化状態検知手段と、
    前記切線加工工具が板ガラスから離れることにより切線加工が終了したことを検知する終了検知手段とを備え、
    前記劣化状態検知手段は、前記終了検知手段により切線加工の終了が検知された後の期間に前記振動状態検出手段により検出される前記板ガラスの振動状態のピーク値又は振幅その基準値を設定回数だけ超えた場合に前記切線加工工具が劣化したと判断する
    ことを特徴とする切線加工装置。
  5. 請求項4に記載の切線加工装置において、
    前記振動状態検出手段としてAEセンサが備えられていることを特徴とする切線加工装置。
  6. 請求項4又は5に記載の切線加工装置において、
    切線加工時に前記板ガラスを支持するテーブルを有し、このテーブルに前記振動状態検出手段が設けられていることを特徴とする切線加工装置。
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