JP4328561B2 - 有機半導体トランジスタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機半導体トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに有機材料の半導体特性に注目した研究がなされ、その一例としてトランジスタへの応用があげられる。電荷搬送性を示す有機材料を利用したトランジスタは、シリコンベースのトランジスタに代わる安価な代替品として注目されてきている(非特許文献1)。
【0003】
また金属微粒子の表面を有機分子で表面に被覆修飾して、光学材料(非特許文献1)や、回路配線(非特許文献2)へ応用することにより従来のデバイス以上の高性能化をはかる試みが注目されている。
【0004】
またチオール基あるいはスルフィド基を有する化学種が金属表面に細密充填した形で単分子層に化学吸着、すなわち表面に被覆修飾することについても報告されている(非特許文献3)
【0005】
【非特許文献1】
宮下徳治,三ツ石方也,「分子系ナノデバイス」,未来材料,3(1),30−35(2003)
【非特許文献2】
M.H.V.Werts,M.Lambert,J−P.Bourgoin and M.Brust,“Nanometer Scale Patterning of Langmuir−Blodgett Films of Gold Nanoparticles by Electron Beam Lithography”,Nano Letters,2(1),43−47(2002)
【非特許文献3】
Olli Ikkala,Gerrit Brinke,“Functional materials based on self−assembly of polymeric supramolecules”,Science,295(5564),2407−2409(2002)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシリコン等の無機半導体素子は製造プロセス上、高温・高真空などの非常に特殊な条件を必要としている。その条件は高精度・高密度化するに従い、より厳しくなっているため、製造コストは非常に高価になっていくのが現状である。現在広く汎用されている材料を使用している限り、この傾向は続いていくことが予想される。
【0007】
これらの問題点を解決するため、代替材料の探索と新たな製造方法の創出が必要となる。すなわち、低コストで製造可能であり、かつ電荷移動度が遜色ない代替材料が要求される。
【0008】
この状況下で有機半導体は有力な候補として注目されている。従来の無機半導体材料と比較して有機半導体材料は低温で合成が可能であり、分子修飾も多岐にわたって可能だからある。またこの種の材料でトランジスタを製造する際にはスピンコート、ディップコート等の湿式法や真空蒸着法等の乾式法など様々な手法が可能となる。しかし現在までに報告されている有機半導体トランジスタの特性は従来の無機半導体材料と比較して著しく乏しい。電子あるいはホールの移動度、オン電流/オフ電流比等の電気特性に対して非常に大きな影響を及ぼす結晶配向性を有する有機半導体を簡易の構成で実現する技術の提供が求められる。
【0009】
本発明は、電荷移動度及びオン電流/オフ電流比のそれぞれが優れた有機半導体トランジスタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
よって本発明は、基板上に、ゲート電極、絶縁材料層、ソース電極、ドレイン電極および半導体層を有する有機半導体トランジスタにおいて、前記半導体層が電荷搬送性を示す有機材料で被覆修飾された金属微粒子を2つ以上有し、前記金属微粒子のうち隣接する金属微粒子が表面に有する電荷搬送性を示す有機材料同士がスタッキングしており、前記電荷搬送性を示す有機材料とは、2−ナフタレンチオールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドであるか、2−ナフタレンチオールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボニトリルであるか、チオフェノールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドであるか、チオフェノールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボニトリルのいずれかの組であることを特徴とする有機半導体トランジスタである。また、前記金属微粒子の粒径は5nm以上400nmであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本実施形態では、金属微粒子を電荷搬送性の有機材料で被覆修飾し、この粒子を有機半導体トランジスタの半導体層を構成する要素として用いることにより、ソース電極及びドレイン電極間の距離を狭めることなく、見かけ上の電極間ギャップを従来の技術と比較して狭めることができる。より具体的には数桁精緻なナノサイズにまで、あたかもソース電極及びドレイン電極間をコントロール(狭めたかのように)できる。その結果、ソース電極とドレイン電極との電極間距離が飛躍的に短くなるため、電荷移動度は向上し、オン電流/オフ電流比が向上すると考えられる。
【0012】
なおここでいう見かけ上の電極間ギャップとは、金属微粒子同士が表面処理された電荷搬送性を示す有機材料を通じて相互作用し、互いの金属微粒子が一定の距離を保つことにより形成される擬電極間ギャップを指す。
【0013】
本実施形態において、半導体層とは、ソース電極及びドレイン間に配置されている層のことであり、電荷搬送性を示す有機材料で被覆された金属微粒子がこの層を構成している。つまりソース電極及びドレイン電極間に配置される層が半導体層であり、この半導体層が擬電極を有しているということができる。
【0014】
半導体層において、電荷搬送性を示す有機材料により被覆修飾されている金属微粒子が2つ以上ある場合、一方の金属微粒子に被覆修飾されている有機材料と、他方の金属微粒子に被覆修飾されている有機材料とが互いに強い相互作用によりスタッキングしているものと考えられる。その結果、ソース電極とドレイン電極との電極間距離が飛躍的に短くなるため、電荷移動度は向上し、オン電流/オフ電流比が向上すると考えられる。
【0015】
図1は本実施形態に係る有機半導体トランジスタを示す模式図である。符号1は基板、2はゲート電極、3はゲート絶縁層、4はソース電極、5はドレイン電極、6は半導体層、7は電荷搬送性を示す有機材料、8は金属微粒子である。金属微粒子8を円で表し、その外周に電荷搬送性を示す有機材料が被覆修飾していることを示すために別の円を図示した。半導体層6は、電荷搬送性を示す有機材料7により被覆修飾された金属微粒子8から構成されているので複数のチャネル生成が可能である。したがって従来の有機半導体トランジスタにおけるソース電極とドレイン電極のチャネルと比較して飛躍的に電極間距離が短縮される。
【0016】
また以上の条件をみたすトランジスタ構造の別例を図2から図5に示した。図2から図5が示すトランジスタ構造については後述する。
【0017】
本実施形態を更に具体的に説明する。
【0018】
本実施形態では、金属微粒子の表面を電荷搬送性の有機材料により被覆修飾する。このため得られる有機半導体トランジスタは、シリコントランジスタと異なった特徴を持ったトランジスタである。すなわち本実施形態に係る有機半導体トランジスタは、金属微粒子をソース電極及び/又はドレイン電極として擬似的に利用することにより、シリコンデバイスではソース電極、ドレイン電極間の電極間距離がディスプレイ用ポリシリコンTFTの場合4−5μm、メモリー用TFTの場合0.3μmであることと比較して数ケタ微細な数ナノメートルの一分子レベルになるため、電極間距離を著しく短くすることが可能となる。というのもシリコントランジスタの場合、擬似的なソース電極及び/又はドレイン電極が半導体層に設けられないので、ソース電極とドレイン電極間の距離はホトリソグラフィー等の微細加工技術によって制限される。そのためシリコントランジスタにおいて電荷移動度はソース電極とドレイン電極間の距離に制限される。他方、本実施形態に係る有機半導体トランジスタは、擬電極間を極めて狭めることができるので、ソース電極とドレイン電極間の距離に依存性が高い電荷移動度が飛躍的に向上され、更に電界効果トランジスタが高密度に重積された構造となるため単位面積あたりの増幅効果も向上される。またソース電極とドレイン電極間のチャネル長が短くなることにより、暗電流の原因の一つとなるミスト状のダストが混入しにくくなり、それを抑制させるという利点も生じる。結果としてオン電流/オフ電流比がおおきくなるという利点も生じる。
【0019】
また本実施形態における電界効果トランジスタのような有機半導体トランジスタは、シリコントランジスタで使用されている製造方法と比較して、低温で製造することが可能であり、同時に高電圧、高真空といった特殊な条件も必要としない。
【0020】
次に電荷搬送性を示す有機材料について説明する。
【0021】
電荷搬送性を示す有機材料で表面を修飾した金属微粒子の製造方法は大別して下記の二つの方法がある。
(1)調製した金属コロイドの存在する分散液中へ電荷搬送性を示す有機材料を添加し、自己組織的に金属コロイドの表面を修飾することで表面修飾された金属微粒子を得る。
(2)金属コロイドを調製するのに必要な溶液中へあらかじめ電荷搬送性を示す有機材料を添加しておき、その溶液を用いて金属コロイドを調製することで表面修飾された金属微粒子を得る。
【0022】
金属コロイドは金コロイド、銀コロイド、ニッケルコロイド、銅コロイド、スズコロイド、白金コロイド、ロジウムコロイド、パラジウムコロイド、ルテニウムコロイド等の金属コロイドや白金/ルテニウムコロイド、パラジウム/白金/金コロイド等の合金コロイド、ITOコロイド、酸化亜鉛コロイド等の導電性金属酸化物コロイドなどが知られており、本発明においてはいずれのコロイドも使用することができる。なお、これらを金属コロイドと総称する。代表例として金コロイドの調製方法は数種知られており、その代表例はクエン酸ゾル、ファラデーゾル、ワイマルンゾルなどである。これらの製造方法について以下に詳細を記述する。
【0023】
第一にクエン酸ゾルの製造方法について詳述する。この方法では、0.08%の塩化金酸95mLを沸騰させながら、1%クエン酸を5mL加える。そこで調製された溶液は1分後には灰青色、5分以内に突然黒味を帯び、最終的には透明なワインレッドになる。これによって生成される金ゾルの平均粒径は13.1nmである。
【0024】
第二にファラデーゾルの製造方法について述べる。あらかじめ0.05%の塩化金酸水溶液100mLを0.1mol dm−3炭酸カリウム溶液3mLで中性にした溶液を用意する。次に蒸留後のジエチルエーテルに黄リンを飽和させ、それを同じエーテルで二倍に希釈する。この2mLを先に中性化した塩化金酸水溶液に激しくかき混ぜながら添加する。その直後、得られた溶液は褐色となるが、紫色を経て、24時間後には深紅色になる。これによって生成される金ゾルの平均粒径は5.5nmである。
【0025】
第三にワイマルンゾルの製造方法について述べる。この方法では還元液として35%ホルマリン10mLと0.2mol dm−3水酸化カリウム溶液95mLとからなる混合液を使用する。この2mLを0.005%塩化金酸水溶液100mLに加える。得られた溶液は直ちに青くなるが徐々に赤色に変化する。これによって生成される金ゾルの平均粒径は15.4nmである。
【0026】
第四に、大型の塊状粒子からなる金コロイドの製造方法について述べる。この方法では0.05%の塩化金酸水溶液を1%水酸化カリウム溶液で中和してpH7とし、その200mLに0.1mol dm−3チオシアン酸カリウム溶液5mLを加え、ゆっくりと80℃に加温する。1〜2時間で液は黄褐色ににごる。数日後粒子が沈殿して緻密な層となったとき上澄みを蒸留水で3回以上、置換する。ここで得られた金コロイドの粒径は300nmである。ここではチオシアン酸カリウムの代わりにサリチル酸を使用して塩化金酸を還元してもよい。
【0027】
本発明で使用可能な電荷搬送性を示す有機材料の基本骨格は、金属と高い親和性を示しそれにより金属と結合あるいは配位が可能なヘテロ原子類を分子内に有すること、かつ、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基あるいは置換基を有しても良い複素芳香族炭化水素基あるいは置換基を有しても良いアリル基等のパイ電子共役系基を有することである。金属と親和性を示すヘテロ原子は前記パイ電子共役系に直接組み込まれていても良いし、脂肪族基を介してパイ電子共役系と結合していても良い。金属と親和性を示すヘテロ原子としては、硫黄原子、セレン原子、酸素原子、窒素原子、リン原子等が挙げられる。また、パイ電子共役系に組み込まれて構成される官能基としては、フェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、チオフラニル基、セレノフフラニル基、ベンゾセレノフフラニル環、セレノフラニル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、ピロリル基等が挙げられる。ヘテロ原子が脂肪族基を介してパイ電子共役系に結合するときの脂肪族基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、カルボニル基、エステル基、アルキルスルホン基、及び炭化水素類から誘導された官能基等が挙げられる。置換基を有しても良い芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ナフタセニル基等のアリール基、ピレニル基、アンスロニル基、フェナンスレニル基、ペリレニル基等の縮合芳香族基が有り、置換基を有しても良い複素芳香族炭化水素基としてはカルバゾール基、インドール基、イミダゾール基、ピラゾール基、ピリジニル基、チアゾール基、フリル基、インドリル基及びナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等が挙げられる。置換基としてはメチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、フルオロ基等のハロゲン基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、ピレニル基、カルバゾリル基等のアリール基、スチリル基、アリールアミノ基とともにヒドラゾン構造を有する化合物等が挙げられる。
【0028】
また基本骨格としてポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性を示す化合物、あるいはテトラチアフルバレン、テトラシアノキノジメタン、トリアリールアミン系化合物等の電荷搬送特性を有する化合物も適応可能である。
【0029】
以上の化合物は、ポリエチレン、ポリアクリル樹脂、ポリカーボナート、ポリアクリルアミド樹脂の側鎖にペンダントされたり、主鎖に含まれたりしてもよい。またそれ自体が重合体を形成していてもよい。
【0030】
電荷搬送基の具体例として、チオフェノール、ナフタレンチオール、ピレンチオール、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン等がある。
【0031】
次に金属コロイド粒子に電荷搬送性を示す上記有機材料を被覆修飾する手法について述べる。先の製造方法(1)記載の方法では電荷搬送基を有して金属と親和性の高い置換基を持った有機化合物、例えばベンゾチオフェンのような硫黄元素を含有する化学種のエタノール溶液を前記手法により調製したコロイド溶液にゆっくりと添加させる。滴下量は金属原子に対して1/10モル量〜等モル量の範囲にすることが望ましい。1/10モル量以下では金属表面への修飾が不十分であり、等モル量以上では金属表面に固定されないフリーな化合物が過剰に存在することにより、有機半導体トランジスタにした場合に漏れ電流の増加などの弊害を起こす恐れがある。硫黄元素と金属との結合は通常非常に早く進行するが、場合によっては若干の加熱により結合を完結する必要がある。表面被覆修飾が完全に行われると金属コロイドの表面は疎水化されるため水溶液中で沈殿として析出する場合もある。そのような場合には遠心分離機を使用して分取する。
【0032】
より良好なトランジスタ特性が必要な場合には、先の製造法(2)に記載の方法が好ましく、あらかじめ金属コロイド溶液を調製するのに必要な溶液中へ硫黄等の金属と親和性の高いヘテロ原子を分子内に有しかつパイ電子共役を有する有機化学種あるいは同様なヘテロ原子を有する縮合芳香環化合物、縮合複素環化合物を溶存させることによって表面被覆修飾された金属微粒子を得ることができる。
【0033】
本発明で利用する金属微粒子の粒径は5〜400nmの範囲であることが望ましく、より高速の電荷移動度を得る場合には、金属微粒子の粒径をより小さいものとし、それを被覆修飾する電荷搬送基としてアリールスルフィドあるいはアリールチオールのような芳香性パイ電子共役電子系と硫黄原子が直接結合した化合物が更に望ましい。このような粒子を利用することにより、単位堆積あたりのソース電極及びドレイン電極の数がより多く取れ、更にソース電極あるいはドレイン電極から移動した電荷がパイ電子共役系を利用して移動することが可能となるためである。なお、金属微粒子を被覆修飾する化学種は微粒子粒子径とほぼ同等かそれ以上の長さを有する棒状の構造を有する場合、それぞれ粒子間における被覆修飾した化学種間のスタッキングがより強く形成されるため、より高速の電荷移動度及びより大きなオン電流/オフ電流比が可能となる。
【0034】
本発明における有機半導体トランジスタは、ガラス、シリコン、あるいはプラスチックのような従来の基板材料上に形成される。絶縁材料の層はスピンコート、鋳込成型あるいはスクリーンプリントなどの様々な技術を用いて基板上に形成される。絶縁材料という用語は、電気伝導度が約10−12Scm−1以下の材料をいう。
【0035】
本発明において、半導体層は電荷搬送性を示す有機材料で表面を被覆修飾された金属微粒子の溶液を塗布することによって形成される。表面被覆修飾した金属微粒子溶液は、スピンコート法、インクジェット法、鋳込成型及びプリントなどの様々な技術を用いて塗布される。なお、本発明における実施例では、スピンコート法で有機半導体層を塗布しているが、これに限定されるものではない。調製したデバイスの特性と調製方法との関係は、材料選択の因子とも深く関わっているので、材料にあわせて目的特性に合わせた最適化が必要となる。
【0036】
図1は、本発明の有機半導体トランジスタの概念断面図である。
【0037】
図2から図5は、本発明の有機半導体トランジスタの一例をしめす断面,模式図であるが、これらの図面を参照して本発明の有機半導体トランジスタの構造及びその製造方法について説明する。
【0038】
図2に示すトランジスタは、基板1上にゲート電極2を形成する工程、ゲート電極2を覆うように基板1上にゲート絶縁層3を形成する工程、ゲート絶縁層3表面上にソース電極4及びドレイン電極5を分離して形成する工程、更にゲート絶縁層3、ソース電極4及びドレイン電極5上に有機半導体層6が形成する工程により製造される。
【0039】
また図3に示すトランジスタは、基板1上にゲート電極2を形成する工程、ゲート電極2上に有機半導体層6を形成する工程、有機半導体層6上にゲート絶縁膜3を形成する工程、ソース電極4及びドレイン電極5を分離して形成する工程とにより製造される。
【0040】
図4に示すトランジスタは、基板1上にソース電極4及びドレイン電極5を分離して形成する工程、ソース電極4及びドレイン電極5を覆うように半導体層6を形成する工程、半導体層6上にゲート絶縁層3を形成する工程、更にゲート絶縁層3上にゲート電極2を形成する工程により製造される。
【0041】
図5に示すトランジスタは、基板1表面に、有機半導体層6を形成する工程、有機半導体層6上にソース電極4及びドレイン電極5を分離して形成する工程、ソース電極4及びドレイン電極5の間の有機半導体層6上にゲート絶縁層3を形成する工程、更にゲート絶縁層3上にゲート電極2を形成する工程とにより製造される。
【0042】
(実施例)
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に限定されるものではない。
【0043】
なお、使用したトランジスタ構成は図2に示した。基板はn型ハイドープシリコンで、ゲート電極としても兼用した。絶縁膜はこの基板を熱酸化させたもので、膜厚500nmである。
【0044】
この基板上に長さ5mm幅1mmで、50μmの間隔で平行に金を蒸着することによりソース電極及びドレイン電極として使用した。
【0045】
(実施例1)
本実施例は参考例である。上記非特許文献3を参照して調製した金のワイマルンゾル100mL(金濃度15ppm、平均粒経14nm)中へ15ppmの2−ナフタレンチオール水溶液100mLを徐々に加え、金コロイド表面をナフタレンチオールで被覆修飾する。
【0046】
ここで調製された表面被覆修飾金コロイド溶液を、上記に示したようにあらかじめソース電極及びドレイン電極、ゲート絶縁膜の付いたシリコン基板上にスピンコートし、100℃のホットプレート上で溶媒を除去する。このとき有機半導体層の膜厚は500nmであった。
【0047】
得られた有機半導体のトランジスタ特性に関してはアジレント社製HP4145Bの半導体パラメータアナライザーで評価測定した。その結果、ホール移動度は4.56cm−1−1であり、10Vにおけるソース電極とドレイン電極間のオン電流/オフ電流比は3.6x10であった。
【0048】
(実施例2〜5)
実施例1と同様の方法で有機半導体トランジスタを作製した。
【0049】
ただし、金コロイドを被覆修飾する際には、それぞれつぎの化学種を使用した。2−ナフタレンチオールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを等量モルずつ混合して合計15ppmとなる水溶液(実施例2)、2−ナフタレンチオールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボニトリルを等量モルずつ混合して合計15ppmとなる水溶液(実施例3)、チオフェノールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを等量モルずつ混合して合計15ppmとなる水溶液(実施例4)、チオフェノールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボニトリルを等量モルずつ混合して合計15ppmとなる水溶液(実施例5)である。
【0050】
これらの有機半導体の特性も実施例1と同様の方法で測定した。具体的な測定結果は後述の比較例とともに表1に示した。
【0051】
(比較例)
(比較例1)
実施例1に使用した基板を用い、ペンタセンを真空蒸着法により200nmの半導体層を調製し、有機半導体の特性評価を実施した。
【0052】
実施例1と同様に特性評価をした結果を表1に示した。
【0053】
(比較例2)
実施例1に使用した基板を用い、ポリ(3−へキシルチオフェン)(平均分子量2000)のクロロホルム0.7wt%溶液をメンブランシリンジフィルタでろ過した溶液をスピンコートにより500nmの有機半導体層を作製し、その特性評価も上記実施例と同様の条件で実施した。
【0054】
【表1】
Figure 0004328561
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば電荷移動度及びオン電流/オフ電流比のそれぞれが優れた有機半導体トランジスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた有機半導体トランジスタの断面である。
【図2】有機半導体トランジスタの断面である。
【図3】有機半導体トランジスタの断面である。
【図4】有機半導体トランジスタの断面である。
【図5】有機半導体トランジスタの断面である。
【符号の説明】
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 有機半導体層(電荷搬送性を示す有機材料及び金属微粒子により構成される)
7 電荷搬送性を示す有機材料
8 金属微粒子

Claims (2)

  1. 基板上に、ゲート電極、絶縁材料層、ソース電極、ドレイン電極および半導体層を有する有機半導体トランジスタにおいて、前記半導体層が電荷搬送性を示す有機材料で被覆修飾された金属微粒子を2つ以上有し、前記金属微粒子のうち隣接する金属微粒子が表面に有する電荷搬送性を示す有機材料同士がスタッキングしており、
    前記電荷搬送性を示す有機材料とは、2−ナフタレンチオールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドであるか、2−ナフタレンチオールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボニトリルであるか、チオフェノールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドであるか、チオフェノールと1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボニトリルのいずれかの組であることを特徴とする有機半導体トランジスタ。
  2. 前記金属微粒子の粒径が5nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体トランジスタ。
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