JP4328497B2 - アナログ回線自走交換装置及び方法 - Google Patents

アナログ回線自走交換装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はIP(Internet Protocol)ネットワーク回線電話と公衆回線電話との音声通話を可能にするアナログ回線自走交換システムに関する。特に、本発明は、一般電話からのダイアルアップで、IPネットワーク経由のIP電話、公衆回線ネットワーク経由の電話が円滑にでき、ウエークアップ機能により省電力化を可能にするアナログ回線自走交換システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブロードバンド(ADSL(Asymmetry Digital Subscriber Line))のIPネットワークで、公衆回線ネットワークに比べ、情報を大量/高速に転送でき、音声については、料金を安く通話できる利点があるので、IPネットワーク経由のIP電話ができるシステムが重要なポイントになってきた。
【0003】
IPネットワーク経由のIP電話は、例えば、IPネットワーク/LAN(Local Area Network)インタフェース(I/F)が入った制御装置、又は端末装置で、通話できるものであり、公衆回線ネットワーク経由の電話は、一般電話器を直接接続するものであり、初めから、機構的に切り替えられる場合が多い。
近年のブロードバンド時代のインターネットでは、ADSLが普及し、ADSLモデムの場合は、その前段のスプリッタで、公衆回線ネットワークに一般電話器を接続し、IPネットワークにホスト装置内にあるLANインタフェースを接続するようにしている。
【0004】
このため、公衆回線ネットワークに接続するモデム、IPネットワークに接続するLANのインタフェース(I/F)を内蔵し、どちらのネットワークも対応できる装置が登場してきた。
このような分野の技術として、例えば、実用新案登録第3067130号公報に開示されるように、構内交換機に収容される回線にモデムを接続するモデム接続用アダプタであって、構内交換機、モデムのどちらも対応できる技術が周知であり、さらに、特開2000−354071号公報に開示されるように、IP網の不都合時に、公衆回線網へ直接に接続するバックアップの対応を可能とするパックアップ機能付IP網であって、IP網、公衆電話網のどちらも使用できる技術が周知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、どちらか一方、例えば、IPネットワークの接続が主体であって、公衆回線ネットワークへの切替にユーザが特定な操作(特定な電話番号を入れる等)が必要になると不便になるという問題がある。
また、緊急発信時(110番、119番等)に、IPネットワークを経由すると、品質劣化に起因して通話ができなくなるリスクが発生するという問題がある。
【0006】
すなわち、電話をかける操作手順では、ユーザが意識することなく、公衆回線ネットワークへ、また、IPネットワークへと電話の発信ができる状況にないという問題がある。
また、ホスト装置側が電源ONで起動状態になっていないと、回線切替制御ができないという問題がある。
【0007】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、ユーザが任意のネットワーク経由で電話をするのに特定の操作を必要とせず、特定の意識なしに可能になり、緊急時にも確実に電話ができ、IPネットワーク経由の電話をかけるときにホスト装置の起動されていなくても、IPネットワーク経由の電話が可能になるアナログ回線自走交換システム及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記問題点を解決するために、音声情報を含むディジタル信号を転送するIPネットワーク及び音声情報を含むアナログ信号を伝送する公衆回線ネットワークの双方に接続されるアナログ回線自走交換装置において、電話器から前記IPネットワークへの第1のアナログ回線と前記電話器から前記公衆回線ネットワークへの第2のアナログ回線とを交換する通信スイッチと、前記第1のアナログ回線の転送先の電話番号、前記第2のアナログ回線の転送先の電話番号をグループ別に格納するメモリ部と、入力された電話番号と前記メモリ部にグループ別に格納されている電話番号とを照合し、照合の結果一致した電話番号が格納される前記メモリのグループに応じて、前記第1のアナログ回線、又は前記第2のアナログ回線のいずれか一方が選択されるように前記通話スイッチを制御する電話番号処理制御部とを備えることを特徴とするアナログ回線自走交換装置を提供する
【0009】
すなわち、前記電話番号処理制御部は、照合の結果一致した前記電話番号が前記第1のアナログ回線の転送先の電話番号のグループに含まれる場合には前記第1のアナログ回線を選択し、照合の結果一致した前記電話番号が前記第2のアナログ回線の転送先の電話番号のグループに含まれる場合には前記第2のアナログ回線を選択するように前記通信スイッチを制御する。
【0010】
この手段により、一般電話器からのダイアルアップで、IP電話としてのIPネットワークへの接続と、公衆回線電話としての公衆回線ネットワークへの接続が可能になり、ユーザが特定の操作(アクション)を取る必要がないような、従来の電話をかける感覚で、意識せずに、IP電話機能を使える環境、通常の公衆回線電話機能を使える環境の提供が可能になる。
【0011】
実際の回線切替の動作として、IP電話の電話番号と公衆回線電話の電話番号とによって区別して、ネットワークへの切替が可能になる。
前記電話番号処理制御部は、前記IPネットワークから受信があった場合には前記第1のアナログ回線を選択し、前記公衆回線ネットワークから受信があった場合には前記第2のアナログ回線を選択するように前記通話スイッチを制御する。
【0012】
この手段により、電話の受信時にも、ユーザが特定の操作(アクション)を取る必要がないような、従来の電話をかける感覚で、意識せずに、IP電話機能を使える環境、通常の公衆回線電話機能を使える環境の提供が可能になる。
さらに、前記ホスト装置は、ウエークアップ機能を有し、前記電話番号処理制御部は、前記電話器のオフフック検出により、ウエークアップ機能を起動する。
【0013】
この手段により、省電力のためにホスト装置に起動電源が入っていなくても、電話器のオフフック検出により、ウエークアップ機能が起動して、ホスト装置に起動電源が入るので、IPネットワークへのIP電話が可能になる。
さらに、前記電話番号処理制御部は、前記IPネットワークから受信があり発信者番号が新規であった場合には、前記第1のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に新規の電話番号を登録し、前記公衆回線ネットワークから受信があり発信者番号が新規であった場合には、前記第2のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に新規の電話番号を登録する。
【0014】
この手段により、IPネットワーク、公衆回線ネットワークから一度電話の着信があると、発信者番号により、電話番号をリスト化又は登録し、次回、電話器からの発信時に、リストを確認し、IP電話と公衆回線電話を自動的に切り替えて発信することが可能になる。
【0015】
さらに、前記ホスト装置は、前記メモリ部のグループへの電話番号の一括登録、個々の更新を行う。
【0016】
この手段により、メモリ部の登録、更新管理が容易になる。
さらに、前記電話器からの発信時に、前記第1のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループが前記第2のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループに優先して検索され、又はこの逆に前記第2のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループが前記第1のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループに優先して検索される。
【0017】
この手段により、ネットワークを切り替えて電話をかける際に、検索対象に対してユーザの選択を可能にし、従来の電話をかける感覚を確保する。
さらに、前記第1のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に格納されている発信者番号をさらに機能別に複数のグループに区分けし優先順位を付け、前記電話器からの発信時に優先順位にグループの電話番号が検索される。
【0018】
この手段により、ユーザによる検索便宜を図り、従来の電話をかける感覚を確保することが可能になる。
さらに、前記第2のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に格納されている発信者番号をさらに機能別に複数のグループに区分けし優先順位を付け、前記電話器からの発信時に、優先順位にグループの電話番号が検索される。
【0019】
この手段により、さらにユーザによる検索便宜を図り、従来の電話をかける感覚を確保することが可能になる。
さらに、前記メモリ部のグループのそれぞれに格納される前記電話番号の選択順位が着信頻度、実際の着信/アクセスした発呼の割合等の実績数値からなる前記電話器の発着信情報に応じて決められる。
【0020】
この手段により、さらにユーザによる検索便宜を図り、従来の電話をかける感覚を確保することが可能になる。
さらに、前記第2のアナログ回線を選択するための前記メモリ部のグループに緊急時の電話番号を格納する。
この手段により、緊急時には、IPネットワークではなく公衆回線ネットワークを用いるので、確実に電話をかけることが可能になる。
【0021】
さらに、前記第1のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている発信者番号のグループと前記第2のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている発信者番号のグループとが同一の発信者番号を含む。
この手段により、IPネットワークが通じない場合に、公衆回線ネットワークを使用することが可能になる。
【0022】
さらに、前記電話番号処理制御部は、前記IPネットワーク又は前記公衆回線ネットワークからの受信時に発信者番号を検出してアナログからディジタルに変換して前記メモリ部に一時的に格納する。
さらに、前記電話番号処理制御部は、前記公衆回線ネットワークからの受信時に発信者番号を検出してアナログからディジタルに変換して前記メモリ部に一時的に格納し、前記電話器からの発信時に電話番号を検出してアナログからディジタルに変換して前記メモリ部に一時的に格納する。
【0023】
この手段により、発信者番号、電話番号をディジタル情報として処理するので、メモリ部への格納、新規の登録、更新が可能になる。
さらに、本発明は、音声情報を含むディジタル信号を転送するIPネットワーク及び音声情報を含むアナログ信号を伝送する公衆回線ネットワークの双方に接続されるアナログ回線自走交換方法において、電話器から前記IPネットワークへの第1のアナログ回線と前記電話器から前記第2のアナログ回線とを交換する工程と、前記第1のアナログ回線の転送先の電話番号、前記第2のアナログ回線の転送先の電話番号をグループ別に格納する工程と、入力された電話番号と前記メモリ部にグループ別に格納されている電話番号とを照合し、照合の結果一致した電話番号が格納される前記メモリのグループに応じて、前記第1のアナログ回線、又は前記第2のアナログ回線のいずれか一方が選択する工程とを備えることを特徴とするアナログ回線自走交換方法を提供する。
【0024】
この手段により、上記発明と同様に、一般電話器からのダイアルアップで、IP電話としてのIPネットワークへの接続と、公衆回線電話としての公衆回線ネットワークへの接続が可能になり、ユーザが特定の操作(アクション)を取る必要がないような、従来の電話をかける感覚で、意識せずに、IP電話機能を使える環境、通常の公衆回線電話機能を使える環境の提供が可能になる。
【0025】
実際の回線切替の動作として、IP電話の電話番号と公衆回線電話の電話番号とによって区別して、ネットワークへの切替が可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るアナログ回線自走交換システムであって、ネットワークに接続される概略構成のブロック図である。
本図に示すように、音声情報を含むアナログ信号を伝送する公衆回線ネットワーク(PSTN(Public Switched Telephone Network))107、音声情報を含むディジタル信号を伝送するIPネットワーク(ISP(Internet Service Provider))108のそれぞれに複数のホスト(Home Server)装置103が接続され、ホスト装置103は公衆回線ネットワーク107、IPネットワーク108を共用で回線接続ができ、一般の電話器からのダイアルアップで、公衆回線ネットワーク107経由の電話としての接続、IPネットワーク108経由のIP電話としての接続が実施でき、ユーザが特定なアクションを取る必要がないように、従来の電話をかける感覚で意識をせずに、IPネットワーク108経由のIP電話機能が使える環境、そして、使えない時は、通常の公衆回線ネットワーク107経由の電話接続を行う環境を、以下のように、実現する。
【0027】
ホスト装置103にはアナログ回線交換部101、LAN回線部102がボードとして搭載され、アナログ回線交換部101には電話器(内線)105が接続される。
アナログ回線交換部101は、アナログ回線の交換機機能を搭載し公衆回線ネットワーク107にアナログ2線(RJ(Registered Jack)11 I/F)の公衆回線(外線)で接続され、LAN回線部102は、音声(Voice)情報をディジタル信号化して音声通信を行う機能を有する構内交換機機能を搭載しIPネットワーク108に接続される。
【0028】
図2は図1におけるアナログ回線交換部101の概略構成で、公衆回線ネットワーク107とIPネットワーク108との回線通信を電話番号により交換操作する例を示すブロック図である。
本図に示すように、アナログ回線交換部101には通話スイッチ133が設けられ、通話スイッチ133は、アナログ局線である一般公衆回線(外線)用回路132を介して、公衆回線ネットワーク107に接続され、さらに、一般電話(内線)用回路134を介して、一般の電話器105に接続される。
【0029】
一般公衆回線(外線)用回路132にはリング(Ring)信号処理部161、発IDモデム信号処理部162が設けられ、リング信号処理部161は、公衆回線ネットワーク107から通知される発信者番号を受信するために使用され、発IDモデム信号処理部162はCodec(Coder/Decoder)回路を搭載しリング信号処理部161で受信した発信者番号をアナログ−ディジタル変換する処理に使用される。これにより、発信者番号をディジタル情報として処理するので、メモリ部への格納、新規の登録が可能になる。
【0030】
一般電話(内線)用回路134にはSLIC(Subscriber Line Interface Circuit)回路部163、Call ID信号処理部164が設けられ、SLIC回路部163は電話器105から発信される電話番号を受信するために使用され、Call ID 信号処理部164はCodec回路を搭載し、SLIC回路部163で受信した電話番号をアナログ−ディジタル変換する処理に使用される。これにより、電話番号をディジタル情報として処理するので、メモリ部への格納、新規の登録が可能になる。
【0031】
通話スイッチ133は、電話番号により識別情報/制御信号を受けて、公衆回線ネットワーク107経由又はIPネットワーク108経由のアナログ回線の交換を行う、すなわち、一般の電話器105からの通話を公衆回線ネットワーク107の通話への接続又はIPネットワーク108の通話への接続に切り替え、さらに、公衆回線ネットワーク107からの通話又はIPネットワーク108からの通話を電話器105に接続する。
【0032】
さらに、アナログ回線交換部101にはメモリ部137が設けられ、メモリ部137は、公衆回線ネットワーク107の経由、IPネットワーク108の経由による電話番号をリスト化(登録)するために使用され、例えば、グループ1のメモリ137a、グループ2のメモリ137b、グループ3のメモリ137cに区分され、メモリ部137aは、例えば、着信時の発信者番号、発信時の電話番号を一時的に格納し、新規登録に使用され、メモリ部137bは、IPネットワーク108への転送先電話番号を格納するために使用され、メモリ部137cは公衆回線ネットワーク107への転送先電話番号を格納するために使用され、このようにテーブルに分けて、転送先電話番号をグルーピングして登録するために使用される。
【0033】
さらに、アナログ回線交換部101には電話番号処理制御部138が設けられ、電話番号処理制御部138は、一般公衆回線(外線)用回路132の発IDモデム信号処理部162、通話スイッチ133、一般電話(内線)用回路134のCall ID 信号処理部164、メモリ部137、LAN回線部102に接続され、発IDモデム信号処理部162、Call ID 信号処理部164、LAN回線部102からの情報に基づいて通話スイッチ133、メモリ部137の制御を行う。
【0034】
電話番号処理制御部138は、メモリ部137の制御において、公衆回線ネットワーク107を通じて受信した場合、リング信号処理部161で発信者番号の情報を検出し、発IDモデム信号処理部162で、発信者番号をアナログ−ディジタル変換でディジタル信号にした後に入力し、入力した発信者番号を解析、登録、制御を行う処理プログラムを実施して、メモリ部137のメモリ部137aに着信時の発信者番号を一時的に格納し、この発信者番号又は電話番号が新規番号であれば、公衆回線ネットワーク107のグループ3であるため、メモリ部137cのテーブルに登録を行う。
【0035】
なお、IPネットワーク108からLAN回線部102を通じた受信であれば、前述と同様にして、グループ2のメモリ部137bのテーブルに発信者番号の登録が行われる。
このようにして、IPネットワーク108、公衆回線ネットワーク107から一度電話の着信があると、発信者番号により、電話番号をリスト化又は登録し、次回、電話器105からの発信時に、リストを確認し、IP電話と公衆回線電話を自動的に切り替えて発信することが可能になる。
【0036】
次に、電話番号処理制御部138は、メモリ部137の制御において、電話器105からの電話番号が発信された場合、SLIC回路部163、Call ID信号処理部164で、電話番号を検出し、アナログ−ディジタル変換でディジタル信号にした後に入力し、入力した電話番号とメモリ部137のメモリ137b、メモリ137cとにある電話番号のテーブルとを合致している電話番号がどこにあるかを検知し、もしメモリ137bにあれば、IPネットワーク108経由となるように、電話番号による切替の識別情報/制御信号を通話スイッチ133に出力し、通話スイッチ133の切替によりIPネットワーク108への接続が行われるように要求を行う。
【0037】
なお、合致する電話番号がメモリ部137cにあれば、公衆回線ネットワーク107の経由になるように、通話スイッチ133の切替が行われるように、要求が行われる。
さらに、電話番号処理制御部138は、メモリ部137の制御において、電話器105からの電話番号が発信された場合、メモリ部137のメモリ部137aに一時的に電話番号を格納し、この電話番号が新規番号又は更新番号であり、公衆回線ネットワーク107への発信であれば、グループ3であるメモリ部137cのテーブルに登録を行い、IPネットワーク108への発信であれば、グループ2であるメモリ部137bのテーブルに登録を行う。
【0038】
このようにして、電話器105からIPネットワーク108、公衆回線ネットワーク107へ一度電話の発信があると、電話番号をリスト化又は登録し、次回、電話器105からの発信時に、リストを確認し、IP電話と公衆回線電話を自動的に切り替えて発信することが可能になる。
図3は図2における通話スイッチ133の概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、通話スイッチ133にはアナログ回線切替部112、ホスト側切替部113、給電/Ring発生回路部114が設けられる。
【0039】
アナログ回線切替部112は、一般電話(内線)用回路134と一般公衆回線(外線)用回路132間のアナログ回線の接続、切断を行うために使用され、その出力側でLINE側I/Fを介して、一般公衆回線(外線)用回路132に接続され、その入力側でTEL側I/Fを介して一般電話(内線)用回路134に接続される。
【0040】
ホスト側切替部113はLAN回線部102と一般公衆回線(外線)用回路132又は一般電話(内線)用回路134との間のアナログ回線の接続、切断を行うために使用される。
電話器105からIPネットワーク108経由の電話の発信があると、電話番号処理制御部138からの要求により、アナログ回線切替部112とホスト側切替部113が連動して、すなわち、アナログ回線切替部112により一般電話(内線)用回路134と一般公衆回線(外線)用回路132間のアナログ回線が切断され、ホスト側切替部113が一般電話(内線)用回路134側に切り替えられ、一般電話(内線)用回路134とホスト装置103のLAN回線部102と間のアナログ回線に接続され、電話器105がIPネットワーク108に接続される。このように、電話器105から公衆回線ネットワーク107へのアナログ回線から、電話器105からIPネットワーク108へのアナログ回線への交換が行われる。
【0041】
同様に、電話器105から公衆回線ネットワーク107経由の電話発信があると、上記と逆の交換が行われる。
また、ホスト装置103を介してIPネットワーク108経由の電話の受信があると、電話器105から公衆回線ネットワーク107へのアナログ回線から、電話器105からIPネットワーク108へのアナログ回線への交換が行われる。
同様に、公衆回線ネットワーク107経由の電話の受信があると、上記と逆の交換が行われる。
【0042】
なお、ホスト側切替部113によりLAN回線部102と一般公衆回線(外線)用回路132との間のアナログ回線が選択され、公衆回線ネットワーク107での音声・データをホスト装置103に通信することが可能である。
給電/Ring発生回路部114は、ホスト装置103の電源を投入するウエークアップ(Wake Up)機能を有し、電話器105のオフフックにより、このWake Up機能をONにする。
【0043】
なお、ホスト装置103に起動電源が入っていなくても、アナログ回線交換部101のボード上の切替を可能にする仕組みにより省電力を考慮した、例えば、12V、5Vの電源供給では、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを経由して、アナログ回線交換部101のボード上でWake Up機能動作が可能になる回路区分、常時電力供給が必要となる回路部分に区分けられた部分への供給が行われる。
【0044】
また、給電/Ring発生回路部114において、一般の電話器105への給電方法に関して、ホスト装置103に電源が入っていなくても、電話器105と公衆回線ネットワーク107の直接接続が可能である。
このように、アナログ回線切替部112、ホスト側切替部113、給電/Ring発生回路部114への切替は、電話番号処理制御部138の制御により行われる。
【0045】
電話番号処理制御部138は、一般電話(内線)用回路134を経由して、電話器105のオフフックを検出し、結果として、ホスト装置103に起動電源が入っていなくても、給電/Ring発生回路部114にホスト装置103のWake Up機能を動作させ、起動電源が投入され、IPネットワーク108経由のIP電話を可能にする。
【0046】
図4は図2のメモリ部137に登録される転送先電話番号(識別番号を含む)を登録したグループテーブルの例を示す図である。
本図(a)に示すように、公衆回線ネットワーク107、IPネットワーク108から受信した発信者番号、電話器105から発信する電話番号がメモリ部137におけるグループ1のメモリ部137aに一時的に格納される。
【0047】
この一時的な格納により、着信時の発信者番号、発信時の電話番号が新規であるかの判断処理を可能にする。
本図(b)に示すように、IPネットワーク108からの発信者番号、電話器105からIPネットワーク108へ発信する電話番号が新規である場合には、メモリ部137bに受信した発信者番号、発信する電話番号が新規登録される。
【0048】
本図(c)に示すように、公衆回線ネットワーク107からの発信者番号、電話器105から公衆回線ネットワーク107へ発信する電話番号が新規である場合には、メモリ部137cに受信した発信者番号、発信する電話番号が新規登録される。
なお、グループ3のメモリ137cには緊急電話番号、例えば、「110」、「119」が予め登録される。このようにして、緊急時には、IPネットワークではなく公衆回線ネットワークを用いるので、確実に電話をかけることが可能になる。
【0049】
また、グループ2のメモリ部137b、グループ3のメモリ部137cには同一の電話番号が登録されるようにしてもよい。これにより、IPネットワークが通じない場合に、公衆回線ネットワークを使用することが可能になる。
この場合、電話器105からの発信時に、電話番号処理制御部138によりIPネットワーク108へのグループの検索が優先して行われるようにしてもよく、この逆に、公衆回線ネットワーク107へのグループの検索が優先して行われるようにしてもよい。ユーザの選択を可能にし、従来の電話をかける感覚を確保するためである。
【0050】
さらに、グループ2、グループ3は、機能別にそれぞれ複数のグループに分割しそれぞれに優先1、2、3のように優先順位を付け、例えば、グループ2、グループ3の優先1には家族、友人、グループ2、グループ3の優先2には職場関係、グループ2、グループ3の優先3には取引関係等のように区分けし、電話器105からの発信時に優先1のグループの電話番号が他のグループに優先して検索されるようにし、ユーザの便宜を図るようにしてある。従来の電話をかける感覚を確保するためである。
【0051】
優先1のグループが該当しない場合には、優先2のグループの電話番号が検索に用いられ、このような処理が繰り返され、該当するグループが決定される。
さらに、メモリ部137のメモリ部137b、メモリ部137cの各グループでの電話番号の検索/更新を可能にするように構成するために、着信頻度、実際の着信/アクセスした発呼の割合等の実績数値からなる電話器105の発着信情報に応じて選択順位が決められ、ユーザの便宜を図るようにしてある。従来の電話をかける感覚を確保するためである。
【0052】
さらに、選択順位の決定において、過去の着信頻度、実際の着信/アクセスした発呼の割合の実績数値等を参照して、所定の手順で自動的にメモリ部137が更新され、ユーザの便宜を図るようにしてある。従来の電話をかける感覚を確保するためである。
図5は電話器105の発信時における一連の動作例を説明するフローチャートである。本図に示すように、ステップS201において、一般の電話器105から発信が行われる。
【0053】
ステップS202において、電話番号処理制御部138により発信すべき電話番号が検出される。
ステップS203において、検出された電話番号に対応してメモリ部137に格納されている発信者番号が電話番号処理制御部138により照合(サーチ)される。
ステップS204において、一致番号があるか否かが判断される。一致する電話番号が無い場合にはステップS206に進む。
【0054】
ステップS205において、一致番号がある場合には、電話番号が緊急電話か否かが判断される。緊急電話である場合にはステップS208に進む。
ステップS206において、電話番号をメモリ部137のメモリ部137aに一時的に格納し、メモリ部137b又はメモリ部137cに登録、更新される。
ステップS207において、電話番号がIPネットワーク108経由のIP電話であるか否かを判断し、IP電話である場合にはステップS209に進む。
【0055】
ステップS208において、電話番号処理制御部138により公衆回線ネットワーク107へ接続処理が行われ、処理が終了する。
ステップS209において、IP電話ができるホスト装置103の電源がONとなっており、起動動作状態にあるか否かを判断する。起動動作状態の場合にはステップS211に進む。
【0056】
ステップS210において、電源がONでない場合には、電話器105のオフフック検出によりホスト装置103の電源をONにし、又は、Wake Up機能を動作させる。
ステップS211において、電話番号処理制御部138によりIPネットワーク108へ接続処理が行われ、処理が終了する。
【0057】
したがって、本発明によれば、一般電話器からのダイアルアップで、IP電話としてのIPネットワークへの接続と、公衆回線電話としての公衆回線ネットワークへの接続が可能になり、ユーザが特定の操作(アクション)を取る必要がないような、従来の電話をかける感覚で、意識せずに、IP電話機能を使える環境、通常の公衆回線電話機能を使える環境の提供が可能になる。
【0058】
図6は図2におけるアナログ回線交換部101の変形例の概略構成で、ホスト装置103からメモリ部137の一括登録、更新を行う例を示すブロック図である。
本図に示すように、LAN回線部102と電話番号処理制御部138の間にインタフェース(I/F)部165が設けられ、インタフェース部165は、前述のように、IPネットワーク108からLAN回線部102を通じた受信であれば、グループ2のメモリ部137bのテーブルに発信者番号の登録/更新が行われ、さらに、ホスト装置103のLAN回線部102から電話番号リストによる一括の登録、又は、個々の更新することが可能になる。
【0059】
これにより、メモリ部137の登録、更新管理が容易になる。
なお、本発明においては、図1〜図6の実施例は、請求範囲に記載した主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電話器からIPネットワークへの第1のアナログ回線と電話器から第2のアナログ回線とを交換し、第1のアナログ回線を選択するための電話番号、第2のアナログ回線を選択するための電話番号をグループ別に格納し、電話器から発信される電話番号を検出し、検出された電話番号とメモリに格納されている電話番号とを照合し、一致した電話番号を含むグループに応じて、第1のアナログ回線、又は第2のアナログ回線のいずれか一方を選択するようにしたので、一般電話器からのダイアルアップで、IP電話としてのIPネットワークへの接続と、公衆回線電話としての公衆回線ネットワークへの接続が可能になり、ユーザが特定の操作(アクション)を取る必要がないような、従来の電話をかける感覚で、意識せずに、IP電話機能を使える環境、通常の公衆回線電話機能を使える環境の提供が可能になる。
【0061】
また、実際の回線切替の動作として、IP電話の電話番号と公衆回線電話の電話番号とによって区別して、ネットワークへの切替が可能になる。
さらに、ホスト装置は、ウエークアップ機能を有し、電話番号処理制御部は、電話器のオフフック検出により、ウエークアップ機能を起動するようにしたので、省電力のためにホスト装置に起動電源が入っていなくても、電話器のオフフック検出により、ウエークアップ機能が起動して、ホスト装置に起動電源が入るので、IPネットワークへのIP電話が可能になる。
【0062】
さらに、第2のアナログ回線を選択するためのメモリ部のグループに緊急時の電話番号を格納するようにしたので、緊急時には、IPネットワークではなく公衆回線ネットワークを用いるため、確実に電話をかけることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアナログ回線自走交換システムであって、ネットワークに接続される概略構成のブロック図である。
【図2】図1におけるアナログ回線交換部101の概略構成で、公衆回線ネットワーク107とIPネットワーク108との回線通信を電話番号により交換操作する例を示すブロック図である。
【図3】図2における通話スイッチ133の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図2のメモリ部137に登録される転送先電話番号(識別番号を含む)を登録したグループテーブルの例を示す図である。
【図5】電話器105の発信時における一連の動作例を説明するフローチャートである。
【図6】図2におけるアナログ回線交換部101の変形例の概略構成で、ホスト装置103からメモリ部137の一括登録、更新を行う例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101…アナログ回線交換部
102…LAN回線部
103…ホスト装置
105…電話器
107…公衆回線ネットワーク
108…IPネットワーク
113…ホスト側切替部
112…アナログ回線切替部
114…給電/Ring発生回路部
132…一般公衆回線(外線)用回路
133…通話スイッチ
134…一般電話(内線)用回路
137、137a、137b、137c…メモリ部
138…電話番号処理制御部
161…リング信号処理部
162…発IDモデム信号処理部
163…SLIC回路部
164…Call ID 信号処理部
165…インタフェース部

Claims (14)

  1. 音声情報を含むディジタル信号を転送するIPネットワーク及び音声情報を含むアナログ信号を伝送する公衆回線ネットワークの双方に接続されるアナログ回線自走交換装置において、
    電話器から前記IPネットワークへの第1のアナログ回線と前記電話器から前記公衆回線ネットワークへの第2のアナログ回線とを交換する通信スイッチと、
    前記第1のアナログ回線の転送先の電話番号、前記第2のアナログ回線の転送先の電話番号をグループ別に格納するメモリ部と、
    入力された電話番号と前記メモリ部にグループ別に格納されている電話番号とを照合し、照合の結果一致した電話番号が格納される前記メモリのグループに応じて、前記第1のアナログ回線、又は前記第2のアナログ回線のいずれか一方が選択されるように前記通話スイッチを制御する電話番号処理制御部とを備え、
    前記電話番号処理制御部は、前記IPネットワークから受信があり発信者番号が新規であった場合には、前記第1のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に新規の電話番号を登録し、前記公衆回線ネットワークから受信があり発信者番号が新規であった場合には、前記第2のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に新規の電話番号を登録することを特徴とするアナログ回線自走交換装置。
  2. 前記電話番号処理制御部は、照合の結果一致した前記電話番号が前記第1のアナログ回線の転送先の電話番号のグループに含まれる場合には前記第1のアナログ回線を選択し、照合の結果一致した前記電話番号が前記第2のアナログ回線の転送先の電話番号のグループに含まれる場合には前記第2のアナログ回線を選択するように前記通信スイッチを制御することを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  3. 前記電話番号処理制御部は、前記IPネットワークから受信があった場合には前記第1のアナログ回線を選択し、前記公衆回線ネットワークから受信があった場合には前記第2のアナログ回線を選択するように前記通話スイッチを制御することを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  4. 前記ホスト装置は、ウエークアップ機能を有し、前記電話番号処理制御部は、前記電話器のオフフック検出により、ウエークアップ機能を起動することを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  5. 前記ホスト装置は、前記メモリ部のグループへの電話番号の一括登録、個々の更新を行うことを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  6. 前記電話器からの発信時に、前記第1のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループが前記第2のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループに優先して検索され、又はこの逆に前記第2のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループが前記第1のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている電話番号のグループに優先して検索されることを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  7. 前記第1のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に格納されている発信者番号をさらに機能別に複数のグループに区分けし優先順位を付け、前記電話器からの発信時に優先順位にグループの電話番号が検索されることを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  8. 前記第2のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に格納されている発信者番号をさらに機能別に複数のグループに区分けし優先順位を付け、前記電話器からの発信時に、優先順位にグループの電話番号が検索されることを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  9. 前記メモリ部のグループのそれぞれに格納される前記電話番号の選択順位が着信頻度、実際の着信/アクセスした発呼の割合等の実績数値からなる前記電話器の発着信情報に応じて決められることを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  10. 前記第2のアナログ回線を選択するための前記メモリ部のグループに緊急時の電話番号を格納することを特徴とする、請求項1に記載のアナログ回線自走交換装置。
  11. 前記第1のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている発信者番号のグループと前記第2のアナログ回線を選択するために前記メモリ部に格納されている発信者番号のグループとが同一の発信者番号を含むことを特徴とする、請求項に記載のアナログ回線自走交換装置。
  12. 前記電話番号処理制御部は、前記IPネットワーク又は前記公衆回線ネットワークからの受信時に発信者番号を検出してアナログからディジタルに変換して前記メモリ部に一時的に格納することを特徴とする、請求項に記載のアナログ回線自走交換装置。
  13. 前記電話番号処理制御部は、前記電話器からの発信時に電話番号を検出してアナログからディジタルに変換して前記メモリ部に一時的に格納することを特徴とする、請求項に記載のアナログ回線自走交換装置。
  14. 音声情報を含むディジタル信号を転送するIPネットワーク及び音声情報を含むアナログ信号を伝送する公衆回線ネットワークの双方に接続されるアナログ回線自走交換方法において、
    電話器から前記IPネットワークへの第1のアナログ回線と前記電話器から前記第2のアナログ回線とを交換する工程と、
    前記第1のアナログ回線の転送先の電話番号、前記第2のアナログ回線の転送先の電話番号をグループ別に格納する工程と、
    入力された電話番号と前記メモリ部にグループ別に格納されている電話番号とを照合し、照合の結果一致した電話番号が格納される前記メモリのグループに応じて、前記第1のアナログ回線、又は前記第2のアナログ回線のいずれか一方選択する工程とを備え、
    前記選択する工程は、前記IPネットワークから受信があり発信者番号が新規であった場合には、前記第1のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に新規の電話番号を登録し、前記公衆回線ネットワークから受信があり発信者番号が新規であった場合には、前記第2のアナログ回線を選択するためのグループ側の前記メモリ部に新規の電話番号を登録することを特徴とするアナログ回線自走交換方法。
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