JP4327775B2 - 防鳥糸展張装置 - Google Patents

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健一 米田
孝則 吉見
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奈良県
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Description

本発明は、鳥害防止に用いる防鳥糸展張装置に関する。
従来、鳥害を回避するための技術としては、案山子を設置する、爆発音によって加害鳥を威嚇する、光を反射するリボンを設置して太陽光線を乱反射させることにより忌避効果を狙うなど多様な方法が取られている。しかし、鳥類は光や音などの間接的な刺激には慣れを生じるので、効果は少なく、短期的である。
そこで、複数の刺激を組み合わせて効果の増幅を狙う方法(特開2003-20475号公報)や、鳥類が生得的に避けると考えられる遭難声を利用する方法(特開2001-112405号公報)が開発されているが、大音量が近隣居住区に対して迷惑となる場合が多く、また、鳥類の慣れによる効果の減衰も結局は避けることができない。
周辺環境に悪影響を与えずに安定した鳥害回避効果を得るためには、防鳥網を用いて圃場全体を囲い込む、防鳥糸を展張設置する、などといった物理的に侵入を阻害する対策が必要である。特に防鳥糸を展張設置する方法は、費用を低く抑えることができ、大規模果樹園など網で囲い込むのが非常に困難な場合おいて有効である。そこで、粘着物質を塗布することによりさらに忌避効果を高めたもの(特開昭56-103101号公報、特開平9-191814号公報)など、様々な防鳥糸が考案されている。
しかし、設置には作業者の身長よりも高い部分に多量の防鳥糸を展張することが必要である。釣り用の竿とリールを利用する方法が現在の所最も省力的な方法であるが、ガイドが露出したタイプの竿では繰り出し途中の防鳥糸が障害物に引っかかるトラブルが多発し、中通し竿を用いる場合は防鳥糸を竿部の端から端まで通すのが非常に困難であり、さらに糸が途中で絡まる、切れる等のトラブルに対応するのも困難である。また、リールに防鳥糸を巻き取る作業に手間がかかり、作業に著しい負担を生じる。また、防鳥糸の展張作業には竿を垂直に高く掲げる動作が多くなるが、釣り用の竿では重量が大きく、そのような動作を継続して行うと身体に過大な負担がかかる。このように、防鳥糸の設置には多大な労力が必要であるのが現状である。
特開2003-204751号公報 特開2001-112405号公報 特開昭56-103101号公報 特開平9-191814号公報
上記のように従来の技術では、防鳥糸の展張に時間と労力がかかるという問題があった。本発明は、簡便かつ広範囲の防鳥糸展張を省力的に可能とすることを目的としている。
本発明によれば、防鳥糸カートリッジを格納するケース部分と張力調整ホールを持つ蓋部分からなる防鳥糸ケース部を、半開放構造を有している竿状の本体部に附属し、張力調整ホールに設置した膜に膨張糸を通すことにより一定の張力を保つ機構を有することを特徴とする防鳥糸展張装置を提供する。
本発明によれば、ガイド部分に繰り出し溝を備えた半開放構造とすることにより、繰り出し途中の防鳥糸は溝部分を伝わって繰り出されるので、枝などの障害物にからまる事を回避することができる。また、防鳥糸が装置内で切断される、からまるなどの事態が生じた際の対応が容易となる。また、カートリッジ式に防鳥糸を交換することができる機構を有することにより、防鳥糸の交換、追加を容易とする。さらに、膜に防鳥糸を通すことによって展張時の張力を一定に保つ機構を有することにより、設置者は張力を調節する作業が不要となり、片手で省力的に展張作業を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
図1は本発明の実施の一形態による防鳥糸展張装置の概略構成を示す斜視図、図2は竿部の断面構造を示す説明図である。竿部1は軽金属やプラスチックなど丈夫で軽い素材よって構成されており、V字型などの半開放構造である。装置全体の重さは、一般的な体格の成人男女が片手で楽に掲げ挙げることができる重量以内とする。防鳥糸5はグリップ3に固定された防鳥糸ケース2より竿部1の溝に添う形で繰り出される。繰り出し中に障害物が竿部に衝突した場合においても、竿部1の側面により防鳥糸5が保護され障害物に絡みつく、切断されるなどの事態を回避することが出来る。さらに、防鳥糸5を交換する場合には、竿部1のグリップ3側の端から先端部まで糸を通す必要があるが、竿部1は半開放構造を有しているため、飛び出し防止リング4をくぐらせ、先端のガイドリング6を通すだけで設置が可能である。
また、設置作業中にかかる多方向からの張力により、防鳥糸5が竿部1より逸脱し、障害物に引っかからないように、飛び出し防止リング4が備えられている。飛び出し防止リング4はゴムなど伸縮性のある素材で構成され、輪を拡げることにより移動及び取り外しが可能であり、設置場の状況によって位置、数を調節する。グリップ3は円筒状の形状をしており、作業者は利き手でこれを保持して作業を行う、素材にはウレタンなど弾性のあるものを使用することにより掌への適合性を高め、作業負担を軽減させる。
図3は防鳥糸ケース2の構成を示す説明図、図4は防鳥糸ケース蓋2-cの構造を示す説明図である。防鳥糸ケース2は円筒状のケース本体2-aの内部に防鳥糸カートリッジ2-bを納め、ケース蓋2-cで密封した構造を持つ。ケース本体2-a、ケース蓋2-cの素材はプラスチック等軽量で、風雨等からカートリッジを防御することができるものを用い、また、素材色を半透明とすることで、紫外線による防鳥糸の劣化を防ぐと同時に、防鳥糸の残り分量が蓋をしたまま確認できる。防鳥糸カートリッジ2-bは前方へとスムーズに糸を繰り出せるように、紡錘形状に巻き取った構造を有している。防鳥糸ケース蓋2-cは張力調整ホール2-dを備える。張力調整ホール2-dはテトロンゴース等の膜を穴に張った構造を持つ。防鳥糸カートリッジ2-bより繰り出された糸は、この薄布を通過する際に生じる摩擦力により適正な張力が与えられる。そのため、作業者は自ら張力調節を行うことが不要になり、グリップ3を片手で保持した姿勢のまま作業に集中できる。また、防鳥糸の交換作業は、新しい防鳥糸カートリッジ2-bを入れ替え、張力調整ホール2-dに糸端を通すことで完了する。
図5は装置先端部の構造を示す拡大図である。先端はガイドリング6を備え、繰り出される防鳥糸5の動きをリング内に制限する。これにより、先端部を激しく振った際や、強風によって糸が煽られた際に生じる糸絡みを防止する。また、ガイドリング6はプラスチックなど表面の摩擦が少ない素材で構成された円環体であり、スムーズな糸送りを助ける働きも持つ。
本発明に係る防鳥糸展張装置は、農業分野での鳥類による農作物被害回避や、住環境における鳥糞害などの衛生鳥害軽減等の様々な分野に適用できる。
本発明の一実施形態を示す外観斜視図である。 竿部の断面構造を示す説明図である。 防鳥糸ケース部分の構造を示す説明図である。 防鳥糸ケース蓋部分の構造を示す説明図である。 装置先端部の構造を示す拡大図である。
符号の説明
1 竿部
2 防鳥糸ケース
2-a 防鳥糸ケース本体
2-b 防鳥糸カートリッジ
2-c 防鳥糸ケース蓋
2-d 張力調整ホール
3 グリップ
4 防鳥糸飛び出し防止リング
5 防鳥糸
6 先端ガイドリング

Claims (1)

  1. 半開放構造を有している竿状の本体部、防鳥糸カートリッジを格納するケース部分と張力調整ホールを持つ蓋部分とからなる防鳥糸ケース部を附属し、張力調整ホールに設置した膜に防鳥糸を通すことにより一定の張力を保つ機構を有することを特徴とする防鳥糸展張装置。
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